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『改訂版 新編 物理基礎』の特徴
373x257 改訂版 319 新編 物理基礎 (物基/ 319) (B5 判・192 頁+折込) 「ていねいな記述」と「科学の 81176_ 新編物理基礎改 改訂版 新編 物理基礎 を修正 ◆150528_ バーコード修正 9 81176_ 新編物理基礎改 第 1 章 運動の表し方 私たちは,ボールを投げたときに,どのあたりに落ちるかを予想することができる。 これは,ボールがある法則にしたがって運動するためである。 それでは,その法則とはどのようなものだろうか。それを理解するための ていねいな記述① 側注欄の「MEMO」で 中学の復習や数学知識を 補足しました。 (本パンフレットの p.20 で詳しく紹介) 5 準備として,この章ではまず,運動を表す方法について学んでいこう。 コインの投射の連続写真 1 MEMO 長さの単位 m:メートル km:キロメートル (1 km = 1000 m) 時間の単位 s:秒 (second) h:時間 (hour) 速度 A 速さ はや おそ ひ かく 「遅 い」を比 較 するときは,同じ時間内 1 速さ 運動する物体の「速 い」 メートル でどれだけ移動したかを調べるとよい。例えば,人が 100 m を 10 秒で 10 走った場合と,バイクが 150 m を 20 秒で走った場合では,1 秒間での 移動距離はそれぞれ 10 m,7.5 m となり,人のほうが速いことがわかる。 用語 ていねいな記述② 側注欄で細部までサポート。 理解を助ける補足内容や 数式の変形過程などを掲載。 ていねいな記述 他にも工夫があります。 ◆三角比の扱いに配慮 (本パンフレットの p.18 で詳しく紹介) ◆文字式のていねいな導入 (本パンフレットの p.21 で詳しく紹介) ◆問題はより取り組みやすく (本パンフレットの p.22 で詳しく紹介) 単位時間当たり 1 秒当たり,1 時間当たり, など, 「決められた時間当 たり」 という意味。 (→ p.192 用語一覧) たん い じ かん あ はや 動距離)を 速さ という (図 1)。 speed 速さ = 移動距離 経過時間 (1) 15 こと 速さの単位は,距離と時間の単位のとり方によって異なる。本書では, 距離の単位をメートル(m)とし,時間の単位を秒(s)としたときの速さの まいびょう meter second 単位 メートル毎秒(記号 m/s)を用いることが多い。一方,日常生活では, ❶速さの単位 m/s や km/h まい の中の 「/」は, 「毎」という 字に対応している。 「/」の 後に続く単位でわることを 表している。 距離の単位をキロメートル(km)とし,時間の単位を時間(h)としたとき hour まい じ ❶ の速さの単位 キロメートル毎時(記号 km/h)もよく用いられる。 問1 36 km/h は何 m/s か。 (→次のページのコラムを読んでみよう) ⬇ 図 1 いろいろな速さの例 ● (おおよその値) リクガメリクガメ 0.056 m/s 0.056 m/s (0.2 km/h) (0.2 km/h) 歩く人 歩く人 1.3 m/s 1.3 m/s (4.8 km/h) (4.8 km/h) 100 m/s 100 m/s 200 m/s 200 m/s 500 km/h 500 km/h 100 m 走100 m 走 10 m/s 10 m/s (36 km/h) (36 km/h) 6 ジェット旅客機 ジェット旅客機 250 m/s 250 m/s (900 km/h) (900 km/h) チーター チーター 30 m/s 30 m/s (110 km/h) (110 km/h) カタツムリ カタツムリ 0 m/s 0 m/s 0.0014 m/s 0.0014 m/s (0.005 km/h) (0.005 km/h) 0 km/h 0 km/h ▲ p.6 ∼ 7 16 けい か このように,移動距離を経過した時間でわったもの(単位時間当たりの移 第1編 運動とエネルギー 新幹線 新幹線 89 m/s 89 m/s (320 km/h) (320 km/h) 20 ◆身近で親しみやすい話題が豊富で, 物理への関心が高まる教科書。 ◆物理基礎の内容を無理なくスムーズに 理解できる教科書。 楽しさ」を追求しました C olumn 時速 150 km のボールは 1 秒間に何 m 進む? コラム よって,150000 m を がよく用いられる。例えば,「時速 40 km で走る自 3600 s の時間で進む 動車」や「ピッチャーの球速が時速 150 km」といった ことから 表現にはなじみがあるだろう。ところで,これらの 速さ= 移動距離 経過時間 時速 150 km(= 150 km/h)を m/s で表してみよう。 = 150000 m ≒ 42 m/s 3600 s 150 km/h とは「1 時間当たり 150 km 進む速さ」であ これは,1 秒間に約 42 m 進む速さである。 る。1 km は 1000 m であるから いかに速いかが実感できるだろう。 150 km = 150 × 1000 m = 150000 m ※巻末の 「基礎チェック問題」 (p.180 ~ 184) で, 計算や単位の換算の練習をしよう。 きゅう そく 5 速さは 1 秒間にどのくらい進む速さなのだろうか。 10 1 運動とエネルギー じ そく 日常生活では,速さの表現として「 「時速○○ km」 また,1 時間は 1 分(60 s) の 60 倍であるから 改訂版 新編 物理基礎 科学の楽しさ① 身近な話題を扱った 「コラム」を大幅に 増やしました。 (本パンフレットの p.25 で詳しく紹介) 1 時間= 60 × 60 s = 3600 s 2 瞬間の速さと平均の速さ 表 1 は,ある電車について,駅を発車し けい か き ろく てからの経過時間とそのときの速さを記録したものである。 科学の楽しさ② ⬇ 表 1 電車の速さと時間の関係 ● 15 経過時間 (s) 0 5 10 15 20 25 … 速さ(m/s) 0 1.1 8.9 13.2 16.5 19.2 … 実験 1 このように,運動する物体の速さは常に同じ値ではなく,時間ととも に変化する場合が多い。この表における速さは各時刻における速さであ しゅん かん り,これを瞬 間 の速さという。自動車のスピードメーターや野球のス ピード測定器などは,瞬間の速さを表していると考えてよい。一方, (1) へいきん 式で得られる速さのことを平均の速さという。 20 乗りものなど,身近な物体の速さを測定してみよう。 ▶実験 1 ● 問2 身近な物体の速さの計測 乗りものなどの速さを計測 してみよう。 例えば,電車に乗って駅か ら駅まで走る時間をストッ プウォッチではかり,地図 などで駅間の距離を調べれ ば,その区間の平均の速さ を求めることができる。 自動車が 30 秒間に 360 m 走ったとき,自動車の平均の速さは何 m/s か。 国際宇宙ステーション 国際宇宙ステーション 7700 m/s7700 m/s (27700(27700 km/h) km/h) 光(真空中) 光(真空中) 300000000 300000000 m/s m/s (1080000000 (1080000000 km/h) km/h) 300 m/s 300 m/s 1500 km/h 1500 km/h 音 (空気中, 音 (空気中, 常温) 常温) 340 m/s 340 m/s (1200 km/h) (1200 km/h) 科学の楽しさ 他にも興味をひく話題を たくさん盛りこみました。 ◆編末の特集記事 「楽器のサイエンス」など (本パンフレットの p.24 で詳しく紹介) ◆編はじめの大判写真 (本パンフレットの p.25 で詳しく紹介) 400 m/s 400 m/s 1000 km/h 1000 km/h 図版は大きく, 具体例は豊富に 扱っています。 ◆欄外の「Question」 (本パンフレットの p.26 で詳しく紹介) 地球の公転 地球の公転 30000 m/s 30000 m/s (107000 (107000 km/h) km/h) 第1章 運動の表し方 7 ◆前見返し「身近な『物理』 を探しにいこう!」 17 三角比の扱いには十分に配慮しました 3 力の向きが移動の向きと垂直な場合 図 51 ⓐ 2第 ■三角比の指導が柔軟に行えます 章 a 仕事 W = 0 のように,力が物体の動く向きと垂直な場合,物 三角比の内容を本文から分離しました。 x 1 F 仕事と力学的エネルギー F 数学の学習進度に応じた柔軟な指導が可能です。 体は力の向きに移動しないので,仕事は 0 となる。 力の向きが移動の向きと反対の場合 同図ⓑ ♵水力発電所では,ダムにためた水を高い位置から流すことによって発電を行う。 ♵ 力の成分 力の分解は,分解する 2 方向 y a のとり方によって何通りでも考えられるが, y b x 成分は 6 N y 成分は 4 N x 成分は -3 N y 成分は 5 N → F → F 1 5 4N 運動とエネルギー 改訂版 新編 物理基礎 そこで得られた電気エネルギーは私たちの生活を支えている。 のように,力の向きが物体の動く向きと反対の場 垂直な 2 方向に分解すると便利なことが多い。 5 たが → 図 34 ⓐのように,力 F を含む平面内の互い ざ ひょうじく → に垂直な座標軸(x 軸,y 軸)の原点に,力 F の → 始点を合わせる。このとき, F を x 軸と y 軸 5N ❹ b 仕事 W =-Fx エネルギーは物理学で用いられる用語で,仕事をする能力と定められている。 5 くわ 合,力は物体に対して負の仕事をする。このとき, O x 6N -3 N x O x この章では,仕事とエネルギーの関係について詳しく学んでいこう。 の方向に分解した分力は,終点の座標がそれ と やまけんなかにいかわぐんたてやま まち 力の大きさを 富山県中新川郡立山 町) ぞれ 6N , 4N である。この 6 N,4 N をそ め も ⬆ 図 34 力の成分 方眼の 1 目盛りが力の大きさ 1 N に対応 ● している。 F とし,移動距離を x とすると, 例① 力の成分 F せいぶん せいぶん → れぞれ F の x 成分,y 成分という。x 成分,y 成分は,分力の大きさに, 10 この力のした仕事 W は次の式で表される。 ふ ごう 向きを表す正・負の符号をつけた値で表される。したがって,力の成分 1 ❷三平方の定理より F 2 = Fx2 + Fy2 が成りたつ。 仕事 W= -Fx は同図ⓑのように負の値となることもある。 → 力 F の x 成分を Fx とし,y 成分を Fy とすると,力の大きさ F は次 の式で表すことができる。 (23) 2 10 また,力の成分を用いて,力の合成を行うこともできる。合力の x成 ❸例えば,下の図の場合, → 合力 F の x いきお 成分は 5N + 3N = 8N → 合力 F の y 成分は 0 N + 4 N = 4 N ❶ ❸ ま なな ①~③の力の x 成分,y 成分をそれぞれ求めよ。ただし,方眼の 1 目盛 りが力の大きさ 1 N に対応している。 y ①向きに力をはたらかせればよい。このとき,力が大きいほど,そして力 ② ③ F に引き続けて物体を動かす場合,力 F を物体の y F 10 → 合力 F 第 3 章 を長い距離にわたってはたらかせるほど,運動の勢いは増す。そこで, )と,これと垂直な方向 移動方向の分力 F( x 1N 15考 参 → F2 → F1 1N O 仕事と力学的エネルギー 2 つの効果をあわせた 「力×距離」という量について考えてみよう。 )とに分解して考える。垂直な方向 の分力 F( y x x x O 水力発電所では,ダムにためた水を高い位置から流すことによって発電を行う。 ⬆図 ● 51 いろいろな場合の仕事 MEMO 図 50 F〔N〕で押して,そ 力の成分の表し方 は仕事をしないので,分力 F x だけが の分力 F yⓐのように,人が物体を一定の大きさの力 そこで得られた電気エネルギーは私たちの生活を支えている。 三角関数 → 図 A のように,力 F(大きさ F)が x 軸の正の向 シータ → きと角 h をなすとする。このとき,力 F の x 成分 エネルギーは物理学で用いられる用語で,仕事をする能力と定められている。 a b sin h = ,cos h = c c この章では,仕事とエネルギーの関係について詳しく学んでいこう。 の力の向きに距離 〔 x m〕だけ動かすとき 仕事をする。したがって,この力のした仕事 W は次の式で表される。 コサイン シータ y y → F y くろ べ と やまけんなかにいかわぐんたてやままち 黒部ダム(富山県中新川郡立山町) サイン シータ y x いきお ❶ ⬆ x を長い距離にわたってはたらかせるほど,運動の勢いは増す。そこで, 平方向から 45°の向きに 4.0 N の力で引き続 b 物体に力を加えてその物体を移動させたとき,力は 「仕事」 をしたという。 45° 合,力は物体に対して負の仕事をする。このとき, 2 つの効果をあわせた 「力×距離」 という量について考えてみよう。 5 6.0 N Q uestion 30° O を用いて調べよう。 (→ p.62) 。 ❹ 仕事 W =-Fx x F a F 仕事 W = Fx x 大きさがともに 10 N で,互いに直角な2つの力を合成する。 このとき,合力の大きさは 10 N+10 N で,20 N になるだろうか? なな Fy Fx work F 力の向きへの移動距離 〔 x m〕 箱は動かない 25 の分力 F ( y 15 F 物体が動かないときには仕 事は 0 となる。 W = Fx x O ⬆例② 仕事 ● 図 50 仕事の定義 参考 仕事の一般式 20 (40) 4.0 N 45° F ❹ 「負の仕事」は, 「負の向 x 位置 O きの仕事」 ではないことに 注意しよう。速度などとは 異なり,仕事はベクトルで はないので,「向き」はない。 F MEMO 2.0 m 20 x 三角関数 物体に 1 N の力をはたらかせて,その向きに物体を 1 m だけ動かすと W = Fx 図 51 ⓐは h = 90° ❸ h 向きがなす角を h とすると, Fx = F cos h ❸ 100 g の物体を 1 m だけ きの仕事を 1 ジュール(記号 J)という。1 J = 1 N・m である。 joule 持ち上げるのに必要な仕事 同図ⓑのように, 仕事 W は, 力 F と位置 x の関係を表すグラフ(F - x 図) は約 1 J である。 また,こ 参考 の単位は 19 世紀のイギリ が x 軸との間につくる面積 に等しい。 20 MEMO スの物理学者ジュールに由 F 図 51 ⓒ の 場 合 に つ い て, 三角関数 来する(→ p.94) 。 物体に 2.0 N の力を加え続けて,その力の向きに 6.0 m 動かすとき,そ h 力 F の向きと物体の移動の問 27 図 51 ⓐは = 90° h の力のした仕事は何 J か。 a b sin h = ,cos h = c c 向きがなす角を h とすると, Fx = F cos h の場合であるから 移動の F 移動の 向き 25 仕事の一般式 の場合であるから sin h = x W = Fx cos 90° ⬆ 図A 力 F の分解 分力 F は F ● = F cos h とな = Fx × 0向き= W 0 = Fx cos 90° 30 58 x x 第1編 運動とエネルギー る。よって,(40)式は (A) W = Fx cos h g の物体を 1 m だけ げるのに必要な仕事 J である。 また,こ 位は 19 世紀のイギリ 35 理学者ジュールに由 (→ p.94)。 水平な床に置かれた重さ 7.0 N の物体を,水 仕事 平方向から 45°の向きに 4.0 N の力で引き続 けたところ,物体は 1.5 N の動摩擦力を受け W = Fx ながら,水平に 2.0 m 移動した。 W 〔J〕 仕事(work) (1)物体にはたらく重力のした仕事は何 J か。 F 〔N〕 力(force) の大きさ 〔 x m〕 力の向きへの移動距離 (2)物体にはたらく動摩擦力のした仕事は何 J か。 (3)物体を引く力のした仕事は何 J か。 F 力 F の向きと物体の移動の W 〔J〕 仕事 (work) Fx =の大きさ F cos h とな 分力 Fx は F 〔N〕 力 (force) 三角比を用いた公式は 〔 x m〕 力の向きへの移動距離 「参考」 囲みで扱いました。 る。よって,(40)式は x 位置 ⬆ 図 50 仕事の定義 ● 箱は動かない 問 28 x F F●⬆ 図 51 いろいろな場合の仕事 の分力 F y は仕事をしないので,分力 F x だけが ❷力がいくら大きくても, 仕事をする。したがって,この力のした仕事 W は次の式で表される。 本文では,三角比を用いない 公式を掲載しました。 図 51 ⓒ の 場 合 に つ い て, 仕事 30 x F 〔N〕 )とに分解して考える。垂直な方向 ❷ 面積は仕事を表す 力 いくら大きくても, 動かないときには仕 となる。 15 F し ごと 10 ▲ p.35 10 x けたところ,物体は 1.5 N の動摩擦力を受け 力の大きさを F とし,移動距離を x とすると, 図 50 ⓐのように,人が物体を一定の大きさの力 F 〔N〕で押して,そ この力のした仕事 W は次の式で表される。 の力の向きに距離 〔 x m〕 だけ動かすとき ながら,水平に 2.0 m 移動した。 力の向きへの移動距離 〔 x m〕 c W = -Fx (39) W = Fx 2.0 m (38) b 面積は仕事を表す 第2章 運動の法則 35 (1)物体にはたらく重力のした仕事は何 J か。 をその力のした 仕事,または,人が物体にした仕事という。物理では, ♶ 力の向きが移動の向きに対して斜めの場合 力 「仕事」 をしたという。 め上方 同図ⓒのように,一定の力 F でひもを斜 (2)物体にはたらく動摩擦力のした仕事は何 J か。 物体に力を加えてその物体を移動させたとき,力は x F〔N〕 に引き続けて物体を動かす場合,力 F を物体の F a b (3)物体を引く力のした仕事は何 J か。移動方向の分力 F ( )と,これと垂直な方向 x 角については,sin h,cos h の値の一覧表 (→ p.178) 20 ま y の値は覚えておこう(→ p.172)。また,それ以外の 運動とエネルギー x 18 5 くわ ▼ p.58 ,59 ❹「負の仕事」 は, 「負の向 F c F と,y 成分 F は,F と h を用いて表すことがで F a きの仕事」 ではないことに 力の向きが移動の向きと垂直な場合 図 51 ⓐ 2 仕事 a 仕事 W = 0 x 1 h きる。cos h,および sin h の定義より h (38) b (40) 15注意しよう。速度などとは WFW==FFx のように,力が物体の動く向きと垂直な場合,物 x xx O F F 1 cos h = , sin h = F F A 仕事 F F し ごと 体は力の向きに移動しないので,仕事は 0 となる。 ● 図A 力の成分 したがって ❶ 「運動の勢い」を表す一つ 異なり,仕事はベクトルで 1 仕事の定義 ボールの運動の勢いを増すためには,ボールの運動の 事 ,または,人が物体にした仕事という。物理では, をその力のした 仕 の目安となる量 (運動エネ F = F cos h , F = F sin h水平な床に置かれた重さ 7.0 N の物体を,水 4.0 N 力の向きが移動の向きと反対の場合 同図ⓑ ♵ 向きに力をはたらかせればよい。このとき,力が大きいほど,そして力 work図の力の x 成分と y 成分を求めよ。 ルギー)を,後で学習する ❷ 問 はないので,「向き」はない。 28 となる。h が 30° ,45° ,60°の場合の sin h や cos h 問c y のように,力の向きが物体の動く向きと反対の場 x 30 Fx いを増め上方 すためには,ボールの運動の 1 仕事の定義 ボールの運動の勢 同図ⓒのように,一定の力 F でひもを斜 動の勢い」を表す一つ 問 18 安となる量 (運動エネ ー)を,後で学習する 2)。 25 F Fy 三角比の内容は「参考」囲み で扱いました。 Fx 分,y 成分は,それぞれもとの力の各成分を合計したものに等しい。 20 (39) Fy 仕事 ♶A力の向きが移動の向きに対して斜めの場合 F = Fx + Fy 2 15 F ❷ F 本文では,三角比を用いずに 方眼を用いて説明しました。 c 仕事 W = Fx x ⬆ 図A 力 F の分解 ● W = Fx cos h = Fx × 0 = 0 (A) 図 51 ⓑは h = 180° h = 180° 図 51 ⓑは 物体に 1 N の力をはたらかせて,その向きに物体を 1m だけ動かすと と表すことができる。この式は,これまでに学んだ と表すことができる。この式は,これまでに学んだ すべての場合の仕事 W を表すことができる。 ❸ (記号 J) という。1 J = 1 N・の場合であるから m である。 きの仕事を 1 ジュール すべての場合の仕事 W を表すことができる。 図 50 ⓐは h = 0°の場合であるから W = Fx cos 0°= Fx × 1 = Fx 35 の場合であるから W = Fx cos 180° = Fx ×(-1) = -Fx a b ,cos h = c c c 前のページの答え:加速する c a a hh b b cos h の値 cos 0° =1 cos 90° =0 cos 180° = -1 cos h の値 W = Fx cos 180° cos 0°= 1 25 同図ⓑのように,仕事 W は, 力 F と位置 x Qの関係を表すグラフ(F - x 図) cos 90°= 0 図 50 ⓐは h = 0°の場合であるから = Fx ×(-1) 第3章 仕事と力学的エネルギー joule 25 に もつ uestion が x 軸との間につくる面積 W = Fx cos 0°= Fx × 1 = Fx 問 27 Q uestion に等しい。 人が重さ 50 N の荷物をかかえて 10 分間立っていた。 このとき,人が荷物にした仕事は何 J だろうか? cos 180°= -1 = -Fx 59 物体に 2.0 N の力を加え続けて,その力の向きに 6.0 m 動かすとき,そ の力のした仕事は何 J か。 に もつ 人が重さ 50 N の荷物をかかえて 10 分間立っていた。 このとき,人が荷物にした仕事は何 J だろうか? 第3章 仕事と力学的エネルギー 59 ■三角比を用いない方法を解説ページ「Zoom」で紹介 「特別な直角三角形の辺の比を用いる方法」を紹介しました。 数学で三角比が未習の場合でも,無理なく学習が進められます。 o p.36 ▲ Zo m 力の分解あれこれ 特別な角の場合の分力の求め方 実験 4 5 ばねはかり sin h や cos h a ~ d( )はリング 力のつりあい角の大きさが具体的に与えられていれば,その値によっては を使わずに分力の大きさを求めることができます。 d のような 2 つの方向に分解 したときの分力の大きさを ,F〔N〕 とします。 F〔N〕 1 2 力のつりあいの関係が成りたっているか確認してみよう。 ▶実験 4 ● 60° そうすると,F1:20 = 1:2 10 2 30° 力がつりあう条件 つりあっている力が (26) , ♵M となり 4 つ以上の場合でも, EMO 3 F2 60° 1 F1 F1 10 30° 20 N リングにかけたばねはかりを 3 つの方向から引いて静止させたとき, 1 運動とエネルギー 5 じょう ぎ ないかく ❶ばねはかりを水平にして,目盛りが 0 になるように調整する。 a ,90° 三角定規の形を思い出してください。内角bが 30° ,60°の直角三角形 ❷図のように,4 つのリング a ~ d とばねはかりをひもで結ぶ。 の場合,三角形の大きさにかかわらず,辺の長さの比は 1:2:√3 になる c ❸白紙の上で 3 つのばねはかりを水平な 3 方向に引き,静止させる。 ひも ことを知っていますね。 ❹リング a にはたらく 3 力の大きさをはかり,3 力の矢印を白紙に 白紙 (大きさ 20 N) → → F2 大きさ 20 N の力 F を,図 A かく。力のつりあいが成りたっているか検証してみよう。 F 改訂版 新編 物理基礎 力を互いに垂直な2方向に分解する場合,分力は sin h や cos h を用いて表すことが できる (→ p.35 参考) 。ただし,角の大きさが具体的に与えられた場合には,sin h, cos h を使わずに分力を求めることもできる。 15 ⬆ 図A 分力の例① F1 × 2 = 20 × 1 ● (27) 式のような関係は成りたつ。したがって,力がつりあう条件は,一 比例式の計算 般に次のように表すことができる。 よって F1 = 20 × 1 = 10 N p:q = r:s のとき 2 また,F :20 = √3:2 となり ■例題では,三角比を用いない解法を紹介 力のつりあい p × s = q × r 2 F2 × 2 = 20 × √3 20 例題の解法では, 「特別な直角三角形の辺の比を用いる方法」 を紹介しました。 (28) 力の x 成分の総和が 0 F1x + F2x + F3x +…= √3 0 ❶ よって F2 = 20 × √2 = 1.41… 直角二等辺三角形ならば, √3 = 1.73… 辺の長さの比は 1:1:√2 例題 4 力のつりあい (平方根の近似値などの → ですから,図 B の力 F の 表を 178 ページに掲載) 軽い糸 1 に重さ (重力の大きさ) 10 N の てんじょう 20 25 30 35 類題 30° (29) F2 (大きさ 20 N) → F MEMO 20 N 比例式の計算 2 45° F2 1 45° 45° 分力の大きさも同様に求め 小球をつけ,天井からつるす。小球を糸 1 45° 糸1 ることができますね。 2 で水平方向に引き,糸 1 が天井と 30° p:q = r:s のとき F1 F1 の角をなす状態で静止させた。 糸2 ⬆ 図B 分力の例② この場合は…… ● p × s = q × r (1)糸 1 が小球を引く力の大きさ T〔N〕 を求めよ。 1 =を求めよ。 1:√2 となるので F1:20 (2)糸 2 が小球を引く力の大きさ T〔N〕 2 F1 × √2 = 20 × 1 ❻力の分解による解き方 解 小球には,重力,糸 1 が引く力,糸 2 が 30° 1 糸が引く力 √2 糸 1 が引く力を水平方向と 糸 1 よって F = 20 × = 20 × 引く力がはたらいている。これら 3 つの 1 √2 2の合力 鉛直方向に分解する。 T 1 力がつりあっているので,図に示すよう ❶ = 10 √2 ≒ 14 N T1 sin 30° T1 糸2 T2 に,2 本の糸が引く力の合力が,重力と 同じようにして,F2 = 14 N と求められます。 30° つりあっているといえる。 10 N (重力) T1 cos 30° (1)直角三角形の辺の長さの比より T2 正解です。このように,30° ,45° ,60°など特別な角が関係している場合 T2 T1:10 = 2:1 10 N には,比の計算によって分力の大きさを求めることができますね。 3 よって T1 × 1 = 10 × 2 (1)鉛直方向の力のつりあ 30° それ以外の角の場合には,次のような方法があります。 ❻ 1 いより ゆえに T1 = 20 N T1 2 60° 10 N - 10 = 0 T1 sin 30° (2)直角三角形の辺の長さの比より 作図による分力の求め方 よって T2:10 = √3:1 ぶん ど き 1 T - 10 = 0 1× よって T2 × 1 = 10 ×√3 角の大きさが具体的に与えられていれば,分度 器と定規を使って平行四辺 2 ❻ ここで,√3 = 1.73 として T 2 = 10 × 1.73 ≒ 17 N ゆえに T 1 = 20 N 形を正確に作図することで,分力の大きさを求めることができます。 4 36 40 Q uestion 軽い糸に重さ(重力の大きさ) 2.0 N の小 30° 球をつけ,天井からつるす。小球をばね 糸 第1編 運動とエネルギー で水平方向に引き,糸が天井と 30°の角 をなす状態で静止させた。 (1)糸が小球を引く力の大きさ T 〔N〕 を求めよ。 (2)ばねが小球を引く力の大きさ F 〔N〕 を求めよ。 力がつりあっていれば,物体は静止しているといっていいだろうか? (2)水平方向の力のつりあ いより 140N になる) 30° = T2 - T1 cos(約 ばね前のページの答え:ならない よって √3 T2 - 20 × =0 2 ゆえに T2 ≒ 17 N 25 30 35 p.39 ▲ 15 ≒ 17 N と求められます。 = 10 √3 2 0 力の y 成分の総和が 0 F1y + F2y + F3y +…= 三角比を用いた解法は,側注欄で補足しています。 ❶平方根の値 第2章 運動の法則 39 19 ♵ 力の成分 力の分解は,分解する 2 方向 y a → F → F 4N x 成分は -3 N y 成分は 5 N 1 5N 導入部分をさらに手厚くしました 5 O 6N x -3 N x O ■「MEMO」で中学の復習や,数学知識を補足 ⬆ 図 34 力の成分 方眼の 1 目盛りが力の大きさ 1 N に対応 ● め も の方向に分解した分力は,終点の座標がそれ 理解に必要な予備知識を,必要とされる箇所のすぐ近くに掲載しました。 運動とエネルギー 垂直な 2 方向に分解すると便利なことが多い。 たが → 図 34 ⓐのように,力 F を含む平面内の互い ざ ひょうじく → に垂直な座標軸(x 軸,y 軸)の原点に,力 F の → 始点を合わせる。このとき, F を x 軸と y 軸 y b x 成分は 6 N y 成分は 4 N のとり方によって何通りでも考えられるが, している。 「傾き」 ぞれ 6 N , 4 N である。この 6 N,4 N をそ せいぶん せいぶん → れぞれ F の x 成分,y 成分という。x 成分,y 成分は,分力の大きさに, 10 中学校までに数学で学習する内容です が,定義を忘れてしまいがちです。 ふ ごう 向きを表す正・負の符号をつけた値で表される。したがって,力の成分 〔m〕 また,力の成分を用いて,力の合成を行うこともできる。合力の x成 5 経過時間 t を横軸にとり,移動距 ❸ たて 分,y 離 成分は,それぞれもとの力の各成分を合計したものに等しい。 x を縦 軸にとったグラフ(これを O 20 10 ①~③の力の x 成分,y 成分をそれぞれ求めよ。ただし,方眼の 1 目盛 x - t 図という) は,移動距離 x が一定 問 18 経過時間 〔s〕 t りが力の大きさ 1 N に対応している。 の割合で増加することから,原点を y ❸ かたむ の傾きの大きさは速さ v を表す。 b ③ 速さv ① ② (図 3 ⓐ)。この直線 通る直線になる v-t 図 y 運動とエネルギー 15 Fx 1 y の変化量 移動距離x 改訂版 新編 物理基礎 ❷三平方の定理より F 2 = Fx2 + Fy2 が成りたつ。 O MEM 比例のグラフ F Fy y = ax (a:傾き) は同図ⓑのように負の値となることもある。 2 等速直線運動のグラフ 20 秒間 a → x-t 図 力 F の x 成分を Fx とし,y 成分を Fy とすると,力の大きさ F は次 で 30 m 進むような等速直線運動に 傾きの大きさは の式で表すことができる。 速さを表す ついて考える。この運動をグラフに ❷ 30 2 2 F = F + F (23) x y 表してみよう。 ❸例えば,下の図の場合, → 合力 F の x 成分は 5 N + 3 N = 8 Nx の変化量 → x O 合力 F の y 成分は 0 N + 4 N = 4 N 傾き y O MEM y の変化量 傾き →a = x の変化量 合力 F 長さの単位 5 液体や気体か m:メートル A 圧力 → F2 cm:センチメートル 1 圧力 図 45 は,スポ (1 m = 102 cm) 1.5 → 1N 3 ⓐのグラフの傾きは F❸図 1 面積の単位 速さ v を縦軸にとったグラフ(これ もりを置いたときのよう x の変化量 x O 傾き= m2:平方メートル xv O t の変化量 を v - t 図という)は,速さ v が一定で 2 じおもりを置いても,ス 高校の数学で学習する内容です。 cm :平方センチメートル 30 m - 0m = 20s 20 s - (1 m = 104 cm2) O あるから,t 軸に平行な直線になる 10 20 ている面積の大小により = 体積の単位 1.5 m/s 経過時間 〔s〕 t 15 (同図ⓑ) MEMO これは速さに等しい。 。ここで,v - t 図の直線と 3 へこみぐあいが異なるこ m :立方メートル ⬆ 図 3 等速直線運動の x ー t 図とv ー t 図 ● 参考 三角関数 cm3:立方センチメートル は v×t t 軸間の部分の面積 そこで,単位面積当たり の ❹図 3 ⓑのグラフの a b m3 = 106 cm3) ❹ (1 → sin h = 部分の面積は ,cos h = およ y 図であるから, A のように,力 F(大きさ F)が x 軸の正の向 c c (3) 式より移動距離 x に等しいことがわかる。 シータ り何 N の力を及 ぼしている → → 面積= 1.5 m/s × 20 s きと角 h をなすとする。このとき,力 F の x 成分 F Fy あつりょく x m〕 図は,一直線上を運動する物体の,移動距離 x 〔 考え,これを 圧力 という c = 30 m Fx と,y 問 4成分 Fy は,F と h を用いて表すことがで F 50 a pressure コサイン シータ サイン シータt の関係をグラフに表したものであ これは移動距離に等しい。 と経過時間 2 10 ▲ p.9 一方,経過時間 t を横軸にとり, 面積は移動距離を表す 〔m/s〕 1N t 「三角関数」 力の成分の表し方 20 Zo o 力の分解あれこれ m 面積が S 〔m 〕の面に, h os h,および sin h の定義より きる。c 20 る (x - t 図) 。このグラフの区間における,物体 h b x O Fy Fx Fの速さは何 x cos h = , sin hm/s = か。 F F 力を互いに垂直な2方向に分解する場合,分力は sin h や cos h を用いて表すことが 25 O ⬆ 図A 力の成分 ● 10 直に及ぼすとき,圧力 p t 20 〔s〕 される。 できる (→ p.35 参考) 。ただし,角の大きさが具体的に与えられた場合には,sin h, したがって を使わずに分力を求めることもできる。 Fcos sin h Fx = F cos h , ❶机の上に置いた千円札が y =h F 図の力の x 成分と y 成分を求めよ。 ⬅ 図 47 水圧の向きと大きさ ● 机に及ぼす圧力は 1 Pa 程 となる。h が 30° ,45° ,60°の場合の sin h や cos h 問c y 参 考 物理量と単位 ⓐ水中でのゴム膜のへこみぐ 度である。また,この単位 5 特別な角の場合の分力の求め方 6.0 N の値は覚えておこう (→ p.172)。また,それ以外の あいは,深さが同じ所では 圧力 p= はフランスの科学者・哲学 量の表し方 単位に注意して式に代入する h,cos h の値の一覧表 角については,sin (→ p.178) h や cos h (1623~1662) 同程度であり,深くなるほ 角の大きさが具体的に与えられていれば,その値によっては sin者のパスカル 30° 30 F S 運動とエネルギー x O 5 m/s で 1 分間まっすぐ進むときの移 ど大きくなる。 p 〔Pa〕 圧力 (pressure) F〔 「長さ」 や 「時間」 といった測定される量や,それら 一定の速さ を用いて調べよう。 に由来する。 を使わずに分力の大きさを求めることができます。 1 みちび ぶつ り りょう ⓑ容器の底に近い水のほうが 25 じょう ぎ ない かく の量から導き出される量のことを 物理量 という。 動距離は何 m だろうか。このとき ❷圧力の単位のまとめ 勢いよく飛び出す。これは, 三角定せき 規の形を思い出してください。内 角が 30°,90°,60°の直角三角形 面積 1 m2 当たりに 1 N ▲ p.35 物理量は通常,「数値」と「単位」の積で表される。 「5 × 1 = 5 だから,答えは 5 m」 1 N/m2 = 1 Pa 底に近い水のほうが大きい 大きさがともに 10 N で,互いに直角な2つの力を合成する。 の場合,三角形の大きさにかかわらず,辺の長さの比は 1:2:√ 3 になる 2 n tio ues Q 単位をつけないと,その量が 「10 m」なのか 「10 km」 圧力を受けていることを示 としてはいけない。速さの単位が 「m/s」 1なので,時 hPa = Pa)という。1 Pa は 1 N/ このとき,合力の大きさは 10 N+10 N で,20 N になるだろうか? 第2章 運動の法則 3510 Pa 10 ことを知っていますね。 b 5 Pa 1 atm ≒60 1.013×10 なのか,それとも「10 kg」なのかがわからない。物 す。 間の単位には「s」 を用いる必要がある。1 分は 秒 (大きさ 20 N) の単位は,このほかに ヘ → = 1013 hPa → F2 ❷ 大きさ 20 N の力 F を,図 A s)であるから,次のようになる。 理量は,適切な単位をつけて表そう。 (60 中学校までに理科で学習する内容です F すいあつ 「密度」 ⓐ)から加速度の大きさを求め,質 の圧力 水の重さによって生じる圧力を 水圧 という。図 47のⓐ のような 2 つ 方向に分解 りょうたん うす まく MEMO MEMO water pressure 5 × 60 = 300 を用いることがある。 h (ヘ ク ト)は 102 を 表 す が,定義を忘れてしまいがちです。 数値どうし 接頭語 。 30° (→ p.177) MEMO となり り 深さでは,水圧はどの方向にも同じ大きさである 比例式の計算 30 に反比例する なるほど水圧は大きい ロー ❸ p:q = r:s のとき (動かしにくく 体は加速しにくくなる 〔kg/m3〕とすると,水深 h〔m〕での 度を q p × s = q × r 量は物体の慣性の大きさを表す。 a〕 は次の式で表される。 運動とエネルギー 20 Nで計算 したときの分力の大きさを になる。しかし,これらの間の関係 ,透明な筒の両端に薄いゴム膜を張って水中に入れると,ゴム F2 2 1 密度 3 高さ 反比例のグラフ 〔N〕 ,F 〔N〕 とします。 F 1 1 2 単位体積当たりの質量 x= 530° m/s × 60 s = 300 m 大きさと,質量 m の逆数 との634 m y = a (a:定数) みぐあいでその場所での水圧の大小が調べられる。この実験や m x 質量60° MEMO 60° 密度 = そうすると,F1:20 = 1:2 体積 ようになり,⑤~⑧の点は原点を通 実験より,次のことがわかる。 1指数 y m F1 × 2 = 20 × 1 F─ 1 s × s =m 密度の単位 ⬆ 図A 分力の例① ● kg/m3:キログラム毎 1000 = 10×10×10 このように,物理量の単位を適切なものに直して x = 103 1 立方メートル O よって F1 = 20 × = 10 N 3:グラム毎立方 2 g/cm から式に代入しなければならない。 1 1 0.001= = 3 1000 10 センチメートル また,F2:20 = √3:2 となり -3 3 -3 3 = 10 (1 kg/m = 10 g/cm ) F2 × 2 = 20 × √3 20 図 2 の模型自動車の運動では,ⓐとⓑのどちらのほうが速いだろうか? Q ues 水の密度 q ▲ p.54 ▲ p.36 ▲ p.47 √3 ▲ p.55 ❶ 第1章 運動の表し方 よって F = 10 √3 ≒ 17 N と求められます。 2 = 20 × 車に力を加え,その力の向きに加速 水深 2 ❸ q はギリシャ文字。 tion ❶平方根の値 ❹ る模型貨車に,速度と反対向きに力 (35) √2 = 1.41… √3 = 1.73… 水圧(water pressure) ,加速度の大きさと向きについて, 〕 水の密度 (平方根の近似値などの 水深 。以上の結果をまとめると 表を 178 ページに掲載) = qhg 20 重力加速度(gravitational acceleration)の大きさ 15 し し すう F単位どう 1 n 10 の n を指数という。 で計算 h 直角二等辺三角形ならば, (大きさ 20 N) → F F2 水圧 p ❹(35) 辺の長さの比は 1:1:√ 2 式を導く →左の図のような容器に入っ ですから,図 B の力 F の 底面積 S た水が底面に及ぼす水圧 p 分力の大きさも同様に求め 45° 9 実験 6 大気圧 20 N 中央に取っ手のついた正方 2 45° F2 形 のゴム板 (一 辺 30 cm 程 1 45° 25 度)を水平でなめらかな床 問 24 図のような重さ 置く。面 a を下に 場合では,机の接 れぞれ何 Pa か。 2 気体の圧力 気体は空 るきわめて多数の分子か この多数の分子が壁に次 とによって,気体の圧力 気体の圧力のうち,特 たい き あつ 力を 大気圧 という。大 atmospheric pressure 重さによって生じる。海 大 気 圧 は 1 気 圧(1.013× 約 1.0×105 N の重さの空 0 10 20 ⬆ 図 2 模型自動車のストロボ写真 ● (ⓐ,ⓑともに発光間隔 0.05 秒) 暗い部屋で一定時間ごとに光を当てて 撮影した写真。ⓐとⓑとでは模型自動車の速さが異なっている。 も けい 中学の理科では文字式は登場しません。 車のストロボ写真である。模型自動車の像が等間隔であることから,模 ぞう とうかんかく いっちょく 型自動車は一定の速さで運動していることがわかる。このように,一直 教科書の冒頭で文字式をていねいに扱い,導入部分のハードルを下げました。 せんじょう とうそくちょくせんうんどう 線上を一定の速さで進む運動のことを 等速直線運動 という。 5 物体が等速直線運動をするとき,時間がたつにつれて移動距離は増え ていく。移動距離と経過時間の関係を式に表してみよう。6 ページの(1) 式より,速さは 移動距離 経過時間 速さ = と表すことができた。この式は等速直線運動の場合にも用いることがで 改訂版 新編 物理基礎 ,文字記号を ,数学で学習 を活用するこ B 等速直線運動 ■ 「文字式」をていねいに導入 1 等速直線運動 図 2 は,水平な面上をまっすぐに運動する模型自動 10 きる。 (1) 式では言葉で表されていた物理量を 速さ → v (単位 m/s) 移動距離 → x (単位 m) 経過時間 → t (単位 s) time のようにアルファベットを用いて置きかえると x v= t 15 ❶ (2) となる。この式を変形すると,次の式が成りたつ。 Zo 等速直線運動 理用語)では, ,速度(→p.10) いう。しかし, 号で表すとき の頭文字であ いられる。 x = vt (3) 時刻 〔 x m〕 移動距離 v〔m/s〕 速さ❷ 〔s〕 t 経過時間(time) 条件 o 等加速度直線運動の式の使い方 m ※巻末付録に 「おもな公式の一覧」あり 経過時間 t 20 等加速度直線運動の式の使い方を例にとり, 速さ v 物理の問題を解く際のポイントについてみていこう。 速さ v 位置 O x 移動距離 x 一直線上の運動で,速さ v が一定 等加速度直線運動の式の使い方 ▲ p.8 ❶ ❶等加速度直線運動の式 等加速度直線運動の問題では,3 つの式 のうちどの式を使えばよいのか エレベーターが一定の速さ 2.0 m/s で上昇中のとき,15 秒間に上昇する (p.16 ~ 17) わからず,いつも迷ってしまいます。 25 距離は何 m か。 問3 ■公式の使い方を「Zoom 」 1 で解説 x = v t + (9) at v = v0 + at 0 2 (8) 5 な 慣れないうちは,「急がば回れ」です。いきなり式を立てようとしてはいけ 2 じょうきょう ません。問題文をていねいに読み,どのような状況であるかを落ち着いて 公式に物理量を代入して問題を解く手順について,ていねいに解説しました。 v2 - v02 = 2ax (10) 整理することが大切です。 運動とエネルギー Zo o m 次のような等加速度直線運動の問題を考えてみましょう。 等加速度直線運動の式の使い方 わかりました。ここまでわかれば,式を選べそうです。わかっている量と 等加速度直線運動の式の使い方を例にとり, 物理の問題を解く際のポイントについてみていこう。 問題 (8) (9) (10) v = ? m/s 左向きに 0.50 m/s2 の加速度で運動した。原点を通過し a = -0.50 m/s2 5 t = 3.0 s てから 3.0 秒後の物体の速度はどの向きに何 m/s か。 これらが使われている式はどれかというと…… な 慣れないうちは,「急がば回れ」です。いきなり式を立てようとしてはいけ じょうきょう ません。問題文をていねいに読み,どのような状況であるかを落ち着いて の式でしょうか? 「v = v0 + at」 整理することが大切です。 その通りです! 5 10 問題文を読みながら,すでにわかっている量と,最終的に求めたい量が何 ほ そく ここで,式を選び出すときのコツを補足しておきましょう。等加速度直線 運動の 3 つの式を見ると,どの式にも初速度 v0 と加速度 a が入っています。 問題 であるかを確認します。例えば,下のように下線や物理量の値を書きこむ はんだん そのため v0 と a に注目しても,どの式を使えばよいのか判断できません。 物体が,右向きに 4.0 m/s の速さで原点を通過したのち, それに対して,速度 v,時間 t,変位 x は,使う式を判断する手がかりと 左向きに 0.50 m/s2 の加速度で運動した。原点を通過し …速度 v と時間 t の式 う。なお,ここでは,右向きを正の向きとして考えることにします。 1 問題文を読みながら,すでにわかっている量と,最終的に求めたい量が何 v = v0 + a t であるかを確認します。例えば,下のように下線や物理量の値を書きこむ x = v0 t + も しき ず のも一つの方法です。また,模式図をかいて状況を整理するのもよいでしょ (記入例) = 4.0 m/s -1.5 m/s v(求めたい量) = 2.5 m/s 状況を図に表す 答えは「2.5 m/s」 になりました。 0.50 m/s2 4.0 m/s (記入例) 3.0 s お きですね。よって,答えは 「右向きに 2.5 m/s」 です。 正解です。問題文をていねいに読むことの大切さがわかったと思います。 模式図 ❸ 問題文には,数値だけでなく,さまざまな手がかりが含まれています 。 20 はいずれも大きさと向きをもつ量です。したがって,それらの向きを正・ 注意深く問題文を読むように心がけましょう。 負の符号で区別しなければいけません。先ほど,右向きを正の向きに決め ❷ きを正の向きとするのがわかりやすいと思います 。 ❸次のような表現にも注意 しよう。 t= 3.0 s v(求めたい量) 「物体が静かに動きだした」 →2初速度が 0 m/s であるこ とを表す。 a = -0.50 m/s と決めたので,計算で求めた v の値が正の値であることから,速度は右向 15 問題文には -0.50 m/s2 とは書かれていないと思いますが…。 決める正の向きは,左右のどちらにとってもかまいませんが,初速度の向 てから 3.0 秒後の物体の速度はどの向きに何 m/s か。 ……あっ! 向きを答えるのを忘れていました。最初に右向きを正の向き よい質問ですね。等加速度直線運動の式で登場する,速度,加速度,変位 たので,左向きの加速度はマイナス記号をつけて表します。なお,初めに ふ じゅうぶん 左向きに 0.50 m/s2 の加速度で運動した。原点を通過し 読んでみてください。 正の向き 一つ質問があります。なぜ,加速度は a = -0.50 m/s2 なのでしょうか? 物体が,右向きに 4.0 m/s の速さで原点を通過したのち, 惜しいのですが,その答えでは不十分です。問題文をもう一度ていねいに 15 v O v0 = 4.0 m/s v = 4.0 m/s +(-0.50 m/s2)× 3.0 s てから 3.0 秒後の物体の速度はどの向きに何 m/s か。 模式図 …変位 x と時間 t の式 …時間 t を含まない式 の式に値を代入して計算してみます。 それでは,「v = v0 + at」 物体が,右向きに 4.0 m/s の速さで原点を通過したのち, 0s 2 ね。この方法ならば,迷わなくてすみそうです。 左向きに 0.50 m/s2 の加速度で運動した。原点を通過し a = -0.50 m/s at この問題では,t と v が関係しているので 「v = v0 + at」を使えばよいです v0 = 4.0 m/s 2 2 v 2 - v02 = 2a x う。なお,ここでは,右向きを正の向きとして考えることにします。 t = 3.0 s も しき ず のも一つの方法です。また,模式図をかいて状況を整理するのもよいでしょ なります。v と t と x に注目して式を選ぶとよいでしょう。 10 てから 3.0 秒後の物体の速度はどの向きに何 m/s か。 22 求めたい量 v0 = 4.0 m/s ❶ 等加速度直線運動の問題では,3 つの式 のうちどの式を使えばよいのか 次のような等加速度直線運動の問題を考えてみましょう。 ❷左向きを正の向きとして, 問題を解くこともできる。 ただし,問題を解き終わる まで,最初に決めた正の向 きに従わなければならない。 物体が,右向きに 4.0 m/s の速さで原点を通過したのち, わかっている量 わからず,いつも迷ってしまいます。 運動とエネルギー v = v0 + at 1 2 x = v0t + at 2 v2 - v02 = 2ax 1 求めたい量を整理すると,次のようになります。 等加速度直線運動の式の使い方 ❶等加速度直線運動の式 (p.16 ~ 17) 10 20 問A 25 第1編 運動とエネルギー 物体が,一直線上を一定の加速度で運動する。初め,物体は原点を右 向きに 4.0 m/s の速さで通過した。その後,原点から 2.5 m 進んだ所で 物体は停止した。物体の加速度はどの向きに何 m/s2 か。 「物体がもとの位置に 0.50 m/s2 0 s →もどった」 物体の変位が 0 m である 4.0 m/s ことを表す。 O 第1章 運動の表し方 ▲ p.22 ∼ 23 状況を図に表す 「物体が停止した」 →最終的な速度が 0 m/s で あることを表す。 3.0 s v 正の向き 23 一つ質問があります。なぜ,加速度は a = -0.50 m/s2 なのでしょうか? 15 問題文には -0.50 m/s2 とは書かれていないと思いますが…。 よい質問ですね。等加速度直線運動の式で登場する,速度,加速度,変位 ❷左向きを正の向きとして, はいずれも大きさと向きをもつ量です。したがって,それらの向きを正・ 負の符号で区別しなければいけません。先ほど,右向きを正の向きに決め 21 「例題+類題」がさらに取り組みやすくなりました 例題と類題の文章表現をできるだけあわせました。反復学習によって,理解を定着させることができます。 側注欄の補足説明も充実しています。 例題 1 等加速度直線運動の式 側注で, 1 問題文の読み取り をサポート 運動とエネルギー 正の向きに 10.0 m/s の速さで進んでいた自動車が,一定の加速度で速 さを増し,3.0 秒後に正の向きに 16.0 m/s の速さになった。 改訂版 新編 物理基礎 (1)このときの加速度はどの向きに何 m/s2 か。 (2)自動車が加速している間に進んだ距離は何 m か。 (3)こののち自動車がブレーキをかけて,一定の加速度で減速し,80 m 5 進んで停止した。このときの加速度はどの向きに何 m/s2 か。 (p.16 (8) 式)より 解 (1)加速度を a 〔m/s2〕とする。「v = v0 + at」 ❹ 16.0 = 10.0 + a × 3.0 これを a について解くと a = 2.0 m/s 10 2 a > 0 (正の向き)であるから,加速度は 正の向きに 2.0 m/s2 1 2 (p.17 (9) 式)より at 」 2 1 ❺ x = 10.0 × 3.0 + × 2.0 × 3.02 よって x = 39 m 2 (p.17 (10) 式)より (3)加速度を a´〔m/s2〕とする。「v2 - v02 = 2ax」 ❻ 02 - 16.02 = 2a´ × 80 (2)進んだ距離を 〔 x m〕とする。「x = v0t + 15 これを a´ について解くと a´ = -1.6 m/s2 a´ < 0 (負の向き)であるから,加速度は 負の向きに 1.6 m/s2 類題 1 20 正の向きに 8.0 m/s の速さで進んでいた自動車が,一定の加速度で速さ を増し,4.0 秒後に正の向きに 14.0 m/s の速さになった。 (1)このときの加速度はどの向きに何 m/s2 か。 ❹問題文より v0 = 10.0 m/s t = 3.0 s v = 16.0 m/s ❺「v2 - v02 = 2ax」か ら 求 めることもできる。 16.02-10.02 = 2×2.0×x x について解くと 256 - 100 x = = 39 m 4.0 ❻問題文に,「停止した」と あるので,最終的な速度は 0 m/s である。 (2)自動車が加速している間に進んだ距離は何 m か。 (3)こののち自動車がブレーキをかけて,一定の加速度で減速し,70 m 進んで停止した。このときの加速度はどの向きに何 m/s2 か。 例題 2 ある。物体の進む向きを正の向きとする。 (1)物体の加速度はどの向きに何 m/s2 か。 (2)この 4.0 秒間に物体が移動した距離は何 m か。 30 ❼ 等加速度直線運動のグラフ 図は,等加速度直線運動をする物体の速度 v 〔m/s〕と時間 〔s〕 t の関係を表した v - t 図で 25 v〔m/s〕 8.0 8.0 35 x= 類題 2 1 ❾ × 4.0 × 8.0 = 16 m 2 図は,等加速度直線運動をする物体の速度 v 〔m/s〕と時間 〔s〕 t の関係を表した v - t 図で ある。物体の進む向きを正の向きとする。 (1)物体の加速度はどの向きに何 m/s2 か。 (2)この 4.0 秒間に物体が移動した距離は何 m か。 40 v 〔m/s〕 t の変化量 4.0-0 v の変化量 0-8.0 O 4.0 〔s〕 t 解 (1)加速度を a〔m/s2〕とする。a は,v - t 図の傾きで表されるので v の変化量 0 - 8.0 ❼ -8.0 ❽ a= = = = -2.0 m/s2 t の変化量 4.0 - 0 4.0 a < 0 (負の向き)であるから,加速度は 負の向きに 2.0 m/s2 (2)移動した距離を 〔 x m〕とする。 x は,図の(ア) の面積に等しいので 数値のみを変えた類題 v〔m/s〕 O 4.0 〔s〕 t ❽「v = v0 + at」から求める こともできる。 0 = 8.0 + a × 4.0 よって a = -2.0 m/s2 8.0 8.0 O (ア) 4.0 4.0 〔s〕 t v 〔m/s〕 7.5 グラフのみを変えた類題 1.5 O 1 2 から at 」 2 求めることもできる。 x = 8.0 × 4.0 1 + × (-2.0) × 4.02 2 = 32 - 16 = 16 m ❾ 「x = v0t + 4.0 〔s〕 t ▲ p.19 第1章 運動の表し方 22 19 「基礎チェック問題」で数学力もアップ 巻末には,5 ページにわたり数学のドリル「基礎チェック問題」を収録(▶ p.180 ∼ 184)。 ベクトルの作図問題を新たに追加しました。 書きこみスペースを設けました 三角比 余白に計算過程や答えを 書きこむことができます。 力の成分を求める際に必要となる三 角比についても扱っています 改訂版 新編 物理基礎 基礎チェック問題 ※有効数字の取り扱い(→ p.176)については考慮しないものとする。 A 小数のかけ算とわり算 C 例 次の計算をせよ。 ① 4.1 × 0.02 ② 解 ① 4.1 × 0.02 = 0.082 けた 小数点以下の桁数は あわせて 3 桁 数値部分を計算し, (41 × 2 = 82) 小数点を 3 桁ずらす 32 32 × 10 320 = = = 80 0.4 0.4 × 10 4 答 80 □ D ② 0.003 × 260 36 ③ 0.5 ② 0.81 ④ 0.03 ② 3 2 × 4 9 ③ 2 1 h √3 √3 10 平行 ③ 移項すると 符号が変わる 12 - 5 = x 60° 答 x = 7 □ ④ ① x + 2 = 20 ③ h h √5 1 h 30° ② 54 = x - 22 ④ √2 平行 次の x の値を求めよ。 つうぶん 解 ② 2 h 7 = x 6 4 ÷ 25 5 1 は有理化しなくてよい) 。 ① 35° 1 解 12 = x + 5 ▶ p.170 ● √3 次の角 h について sin h,cos h,tan h を求めよ (答え 式の変形① 12 = x + 5 分数の計算 1 1 + 2 3 平行 h h 例 次の x の値を求めよ。 (答えは分数のままでよい) 。 例 次の計算をせよ ① ① ▶ p.172 ● 2 1 √2 ,cos h = = ̶, h 3 √3 √3 √2 1 tan h = √2 2 1 1 ,cos h = ̶ ,tan h = 答 sin h = □ 3 √3 √2 答 h = 55° □ 9.8 ̶ 0.8 三角比① 解 sin h = 次の角 h を求めよ。 40° ① 4 × 0.07 ④ (答えは有理化しなくてよい) 。 h 35° 5 81 ̶ 25 N 例 次の角 h について sin h,cos h,tan h を求めよ よって h = 55° 5 ② 0.04 ① 16 ③ ▶ p.171 ● h + 35° + 90° = 180° 答 70 □ 702 = 70 次の計算をせよ。 答 0.082 □ 角 より 解 三角形の内角の和は 180° 2 根号の中を ( ) の形にする 4900 = 例 次の角 h を求めよ。 こんごう 解 次の計算をせよ。 B L ▶ p.170 ● 平方根 4900 32 0.4 分子と分母に 同じ数をかける ② へいほうこん 例 次の計算をせよ。 1 h 1 √6 15 通分する 1 1 1×3 1×2 ① + = + 2 3 2×3 3×2 = E 3+2 5 = 2×3 6 3 2 3 ×/ 2 1 / × = = 4 9 4 ×/ 93 6 2/ 1 1 1 解 ① 14 = 7x ① 14 = 7x 約分する 答 □ 6 ② 3= 14 ÷ 7 = 7x ÷ 7 約分する 6 4 6 5 6 ×/ 5 3 / ÷ = × = = 25 5 25 4 4 2 10 / ×/ 5 25 3 M 1 次の計算をせよ (答えは分数のままでよい) 。 ① 1 1 + 3 5 ② 1 1 - 5 7 ③ 9 8 × 16 3 ④ 15 10 ÷ 56 7 3 答 □ 10 ② 3 = x 6 3×6= x ×6 6 x 6 10 x 両辺に 同じ数をかける 3 三角比② 解 sin h = 4 = 9 + 16 = 25 = 5 20 O ▶ p.172 ● 例 次の辺の長さ x を,h を使って表せ。 2 答 x = 5 sin h □ 次の辺の長さ x を,h を使って表せ。 ① ① ② x 答 x = 18 □ ② 6 x 6 x h よって x = 5 sin h 答 x = 5 □ よって x = 5 5 x 5 次の辺の長さ x を求めよ (答えの根号はそのままでよい) 。 x 5 h h x 12 8 5 25 ② -72 = 4x ③ 5 x = 30 3 ▶ p.171 ● 解 三平方の定理より 答 x = 2 □ 18 = x ③ 三平方の定理 x2 = 32 + 42 次の x の値を求めよ。 ① 5x = 15 例 次の辺の長さ x を求めよ。 両辺を 同じ数でわる 2 = x 分子と分母を入れかえて かけ算にする ③ 式の変形② 例 次の x の値を求めよ。 やくぶん ② 5 答 □ 6 ④ x ③ x 1 ④ 6x + 4 = 28 √3 1 ④ x x h h 3 1 7 基礎チェック問題 183 180 資料編 ▲ p.180 ▲ p.183 ベクトル 力の合成・分解で必要になる, ベクトルの作図の練習ができます。 P ベクトルの和 ▶ p.174 ● → → → → 例 ベクトル a と b について, a + b を図示せよ。 → b → a R 解 ▶ p.174 ● → F → F が対角線となるよ うな平行四辺形をつ とな 解 2 つのベクトルを隣りあう辺とする平行四辺形 の 2 辺が分力となる。 → → a+b 5 → F 分力 くると,平行四辺形 をつくると,対角線がベクトルの和になる。 → b ベクトルの分解 → F について, 例 ベクトル は せん 破線の 2 方向に分解 し,分力を作図せよ。 分力 → ベクトル F について,破線の 2 方向に分解し,分力を 作図せよ。 → F ① → a 10 ② → → → → ベクトル a と b について, a + b を図示せよ。 ① ② → b → F → a → b → a Q ベクトルの差 ▶ p.174 ● ▲ p.184 → S ベクトルの成分 → → → 例 ベクトル a と b について, a - b を図示せよ。 x = 2 cos 30° =2× sin 30° = → → b の終点から a の終点に向かう矢印をかく。 → b → → a-b x より 2 注意:逆にしない。 → b y より 2 y = 2 sin 30° =2× → a 2 y √3 = 解 cos 30° 解 y 30° → b → a ▶ p.174 ● → 例 図のベクトル a につい て,x 成分と y 成分を 求めよ。 2 1 O 30° x x 30° 2 1 =1 2 15 2 √3 = √3 2 √3 30° 1 答 x = √3,y = 1 □ → 23 物理への興味を喚起する工夫があります ■「特集」で日常生活との関連を実感できます 編末に,日常生活との関連について扱った特集記事を見開きで掲載しました。 生徒の興味をひきつけるテーマを厳選しました。 スポーツのサイエンス(▶ p.74 ∼ 75)……………………… 第 1 編 力学分野の内容 改訂版 新編 物理基礎 台所のサイエンス(▶ p.98 ∼ 99) …………………………… 第 2 編 熱分野の内容 楽器のサイエンス(▶ p.128 ∼ 129)………………………… 第 3 編 波分野の内容 新幹線のサイエンス(▶ p.154 ∼ 155)……………………… 第 4 編 電気分野の内容 特集 音の波形 楽器のサイエンス それぞれの楽器の音の波形をオシロスコープ 時間,縦軸はオシロスコープの受け取る電気 楽器が音を出すしくみはさまざまである。 ここでは,弦の振動を利用した楽器と気柱の振動を利用した楽器のしくみをみていこう。 い音ほど振幅が大きくなる)。音の波形の違い 板の振動や膜の振動を利用した楽器 もっきん 打楽器は,たたいて音を出す。 例えば,木琴は板をマレット(ばち 弦の振動を利用した楽器 とする性質 (弾性)によって振動し音が出る。低音部分は大きな音に 弦楽器は,弦を指や弓で振動させて音を出すが,弦の振動だけでは大き 大きく聞こえるようにしている。また,ティンパニは,マレットで どう な音にはならない。弦の振動を共鳴胴に伝え,その振動により大きな音 振動とケトル内の空気の振動が相互に影響しあい音が出ている。 を出すものが多い。 木琴 (シ 調律され けん ばん の鍵 盤 と ギター するため 指やピックで弦をはじいて音を出す。次のような方法で, 音板のピ さまざまな高さの音を出すことができる。 また,共 ①ペグ (糸巻き)の締め具合を変えて,弦の張力の大きさ るので, し を調整する。 を音板に ②フレットのすぐ横で弦を 押さえて,弦の振動する 部分の長さを変化させる。 ③太さの異なる弦をはじく。 2 ms バイオリン 弓で弦をこすって振動させて音を出す。弓に張られた ティンパニ 毛に松やにを塗ることで,弦との間の摩擦が大きくな すず そうほう る。弓を用いず,指で弦をはじく奏法もある。 弦の振動がこまを通って やヤギの皮でできたヘッド(膜)が張られている。ヘッ ドの張りの強さは調節できるようになっており,強 表板や裏板に伝わり,中 くうどう く張ると高い音に,弱く張ると低い音になる。ケト が空洞のボディが共鳴し, 弦の音が増幅される。 どう たい 銅,亜鉛,錫 でできている丸いケトル(胴 体)に子牛 こま ルの中に閉じこめられた空気によって,規律の正し 1 ms い整数倍の膜振動が得ら れるようになっている。 そのため,通常の太鼓と 気柱の振動を利用した楽器 は違い,音程を聞き取る 管楽器は,管口に吹きこんだ空気の振動に管内の気柱を共鳴させて音を 2 ms ことができる。 出す。管口の空気の振動のさせ方は,楽器によってさまざまである。リ コーダーの場合,固定された息の通り道があるため比較的簡単に音を出 パイプオルガンは風をパイプに送り,空 ができるため,音を出すだけでも練習が必要だが,その分,音の大きさ 気を振動させて音を出す。 かざ ばこ イプは,一本一本空気を送りこむ風 箱 と フルート 接続されている。 鍵盤が押されたときに弁(パレット)が開 管は白銅(銅とニッケルの合金),銀,金でできている き,風箱から圧力をかけた空気が,パイ ものが多い。 プに送りこまれるしくみになっている。 管の側面に並んだキーやレバーを押す組合せによって, 気柱の長さを変えて音の高低を変化させる。また,上 で述べたように,息の吹きこみ方を調整することに よって,広い範囲で倍音をつくることなどが可能になる。 ▲ p.128 ∼ 129 24 すず 錫 と鉛の合金や木材でつくられているパ や高さ,音色などを大きく変えることができる。 128 第3編 波 パイプオルガン せる。一方でフルートの場合は,息の吹きこみ方に変化をもたせること 1 ms ■興味をひきつける編はじめ 物理に関連したインパクトのある大判写真を掲載し,興味をもって学習を始められるようにしました。 第 2 第1章 熱とエネルギー ………… 88 編 ものを温めるための方法をいくつかあげてみよう。それぞれの方法 でものが温まるのはどうしてだろう?また,ものが温まるとき,原 子・分子レベルの大きさでものを見たら,何が起きているのだろう? 熱 水を温めていくと,しだいに温度が高くなっていき, やがて沸騰して水蒸気になる。逆に水を冷やしていくと, 温度は低くなっていき,ついには固まって氷になる。 これらは, 「熱」 を与えたり奪ったりすることで, 改訂版 新編 物理基礎 物質の状態を変化させているといえる。 また,これらの変化は,水が内部にもっている 「エネルギー」 の増減でもある。 第2編では,物体の熱現象について詳しく学ぶ。 るもので,単位の記号は ℃ を用いる。これは,1 気圧(1.013×105 Pa)の ふっ とう ゆう てん ⬅ 図 2 温度計 ● 左側の目盛りがセ氏 温 度を表す。 なお, 右側の目盛りはカ氏 温度 (単位は° F) とよ ばれる温度を表して いる。 カ氏 温 度 は, アメリカなどで使わ れている。 ふっ てん もとで氷が水になる温度(融点)を 0 ℃とし,水が沸騰 する温度(沸点)を ▶ ● ▶ ● p.92 p.92 100 ℃として,その間を 100 等分することにより決められたものである。 どのような物質でも温度を下げていくにつれて熱運動がにぶくなり, 5 ❸ 約-273 ℃で熱運動が停止する。したがって,これよりも低い温度は存 ぜったいれい ど げんみつ 在しない。そこで,-273 ℃(厳密には -273.15 ℃)を 絶対零度 という。 ▶ p.177 物理定数 ● absolute zero 絶対零度を基準(ゼロ)とし,目盛りの間隔はセルシウス温度と等しく ぜっ たい おん ど ねつ りき がく おん ど (熱力学温度) なるように定めた温度目盛りを考える。これを 絶対温度 ❸絶対零度においても,原 子や分子はわずかに振動し ていることが知られている。 kelvin シウス温度 〔℃〕 t の関係は,次の式で表される(図 3)。 T = t + 273 問1 熱 といい,単位には ケルビン(記号 K) を用いる。絶対温度 T〔K〕とセル 10 2 absolute temperature ❹ (1) ❹絶対温度を導入したイギ きょう リスの物理学者ケルビン卿 (1824 ~ 1907)に由来する。 15 ℃は何 K か。また,300 K は何℃か。 打ち水:道や庭に水をまき,水の蒸発熱(→ p.92) を利用して,暑さを軽減することができる。 B 熱量 ▲ p.86 ∼ 87 86 第2編 熱 87 ❺熱量の単位に カロリー 物体を加熱すると,熱運動のエネルギーが増加して,物体の温度が上 (記号 cal)が用いられるこ ねつ ねつ りょう 15 がる。このとき,物体が得たエネルギーを 熱 といい,その量を 熱量 ともある。1 cal は,1 g の heat quantity of heat 水の温度を 1 K だけ上げる という。熱量の単位には,仕事やエネルギーと同じ単位であるジュール のに必要な熱量であり,お ❺ 数あるトピックの中から,できるだけ定番の内容を選び,豊富に掲載しました。 (J) が用いられる。 よそ 4.2 J である。 ■身近な話題を扱った「コラム」が充実 C olumn コラム 混同しやすい温度と 熱 サウナでやけどをしないのはなぜ? の違いを整理できます。 50 ℃のお湯ではやけどをするのに,100 ℃のサウナの中でやけどを 20 はだ しないのはなぜだろうか。これは,水と空気とで人の肌に伝わる熱量 が大きく異なることが関係している。空気の温度が 100 ℃のとき,空 気分子 1 個 1 個の熱運動は激しいが,水に比べて空気の単位体積当た りの分子の数は少ないため,人の肌に伝わる熱量はそれほど大きくな い。そのため,サウナでやけどをすることはない。 25 温度は物体の熱運動の激しさの程度を表し,熱は物体間を移動する に ひ がいねん エネルギーを表す。このように温度と熱は,似て非なる概念である。 ●コラム一覧 700 400 ろうそくの炎 (1400 ℃) ◀ p.89 太陽のコロナ (2×106 K) 時速 150 km のボールは 1 秒間に何 m 進む ? (▶ p.7) p.12)10 ロケットの打ち上げと地球の自転 (▶1000 800 900 10 10 ) 2000 花火の打ち上げと鉛直投射(▶ p.271000 500 600 700 3000 橋から学ぶ力のつりあい(▶ p.40) 800 900 運動に力はいらない ?(▶ p.45) 金(融点:1064 ℃/ 沸点:2807 ℃) ナトリウム (融点:98 ℃/ 沸点:883 ℃) ?(▶ p.55)℃/ 沸点:2750 ℃) ストローでジュースが飲めるのはなぜ 鉄(融点:1535 人のからだは水に浮く ?(▶ p.56) 金星 太陽 馬力 5800 K 462 ℃ (▶ p.61) 自動車が停止するまでに進む距離(▶ p.63) デッドボールと力学的エネルギー(▶ p.70) サウナでやけどをしないのはなぜ?(▶ p.89) 4 5 6 太陽の中心 (1.6×107 K) ※1000 K 以上の目盛りは, 104 K,105 K,106 K・・・が 等間隔に並んでいる 水のふしぎな性質 (▶ p.93) 絶対温度 ? 冷房 ?(▶ p.95) 飛行機で用いられるのは暖房 10 10 10 (K) ) 永久機関(▶ p.97 セルシウス 温度(℃) 地震波と緊急地震速報 (▶ p.113) 身のまわりの弦や糸の振動(▶ p.123) 構造物の設計と共振の防止(▶ p.127) もう静電気は怖くない!?(▶ p.135) 電気の正体∼フランクリンの考え(▶ p.137) アナログ放送からデジタル放送へ (▶ p.152) 第1章 熱とエネルギー 89 エネルギー保存則と「省エネルギー」 (▶ p.161) 青色発光ダイオード(▶ p.169) 7 8 9 25 運動とエネルギー で a = g,x = y とおけば次の式が得られる。 ボブスレー v0 0 1 力とそのはたらき 2 0 振動数 振動数 基本振動 基本振動 ひょうじょう かっそう 2 鉛直投げ上げ 小球を鉛直上向きに投げると,小 38)。また,作用反作用の法則は,力のつりあいとは関係なく,い る(図 v (14) v = v0 + gt 氷上をそりで滑走するスポーツ) 変位 k1 ( k1 ❸電力・電力量の (すなわち, 電流がした仕事の仕事率) また, 単位時間当たりの電力量 P 〔W〕 ─ ─ 1 2 4 t+─gt y=v かなる状況でも常に成りたつ法則である。 でんりょく 2 1 球はしだいに遅くなり,ある高さで速度が 0 となっ 単位のまとめ O t 加速度 5 y = v0 t + (15) gt2 ❷ 2 という。電力は電力量を時間でわることによって求められる。 を 電力 g 電力 〔W〕 水平な床の上にある物体 A の上に,物体 B が置 B (electrical) power y-t 図 y (図 22) 。この場 て,その点から下向きの運動へと変わる 問 19 2 2 → → m=3 v● m=2 → - v0 = 2 gy F1~F6 は,物体 A,物体 (16) 1 W = 1 J/s かれている。図の B お ❸ F1 1 3 倍振動 2 倍振動 → t+─gt y =v 2 10 F2 2 A 力 よび床が受ける力であり,それぞれの力の大き 1 kWg = 1000 W〕 の等加速度直線運動 加速度が鉛直下向きに大きさ 〔m/s 小球をある高さから初速度 5.0 m/s で鉛直下向き k2 k3 問 電力量と電力 A時刻 t → 13 さを F1 ~─ ─ 2 4F6 と表す。 に投げると,2.0 秒後に地面に達した。小球を投 yF3 電力量〔J〕 1 時間 = 3600 秒 → → 15 の向き,す 投げ上げた点を原点として,初速度 私たちはふだん, 「力」という言葉をいろいろな意味で使っている。し (1) F1~F6 は,何が何に及ぼす力か。 0h げた点の高さと,地面に達する直前の小球の速さ → 傾き v 2 1 Wh = 1 W ×v1〔m/s〕 F 速度 4 → → V ❸ ちから 10 (2) 物体 A が受ける力は F1~F6 のうちのどれか。 を求めよ。重力加速度の大きさを 9.8 2 m/s2 とする。 O t v=v +gt → = 1 W × 3600 s 10 m=5 電力量: m=3 大 大 F(9) 向きに y 軸をとり,時間 〔s〕 t 後の小球の座標を 〔 y m〕,速 かし物理では,次のいずれかのはたらきをもつものを 力 とよぶ。 R 5 (3)物体 A と物体 B について,力のつりあいの 「実験結果を予想する (思考力) 」「実験結果を評価し,結論を出す (判断力) 」 force 5 倍振動 3 倍振動 = 3.6×103 W・s → 2 鉛直投げ上げ 小球を鉛直上向きに投げると,小 F 15 6 式をそれぞれ F ~ F を用いて書け。ただし, 1 6 k3 I k5 2● ⬆ 図 21 鉛直投げ下ろし する。投げ上げた後,上昇中も下降中も加速度は-g 〔m/ ─ ─ 「実験内容について発表する (表現力)」といった活動を実践しやすくする工夫があります。 = 3.6×103 J 2 0 となっ 2 4 1 物体を変形させるはたらき 鉛直上向きを正の向きとする。 球はしだいに遅くなり,ある高さで速度が 5 時間 t の (10) 電 力: ❷ W 1 kWh = Wh ❶ ⬆て,その点から下向きの運動へと変わる ⬆(8) ─ W,電力 P =式で ❷図 22(10) の写真では,見や ● 図 25 閉管の気柱の固有振動 (横波表示) 。この場合にも小球は, はある時刻 ● 図 電力量 26 開管の気柱の固有振動 ,(9) , a (横波表示) =❶例えば,物体の速さが変 -g,x =1000 yはある時刻 とおいて次の式が得 (図 22) t 6 2 物体の運動の状態を変えるはたらき J = 3.6×10 すくするために鉛直上向き ぎ おんまつり きょう と ふ きょうはその半周期後の媒質の変位を表す。 と し はその半周期後の媒質の変位を表す。 での媒質の変位, での媒質の変位, W 〔J〕 電力量 t の等加速度直線運動をしている。 時間 (time) 実験 5 作用反作用の法則 わったり,運動の向きが変 〕 加速度が鉛直下向きに大きさ g〔m/s2〔s〕 祇園祭からわずかにずらした向き ( 京 都v 府0京 都市 ) 落下や衝突に - gt v = 電力量 注意 は,媒質が大きく振動する所 (腹) 。 は,媒質が大きく振動する所 (腹) 。 〔 I A〕 電流 R 〔z〕 抵抗 (resistance) に投げている。 わったとき,「物体の運動 15 の向き,すなわち鉛直上 投げ上げた点を原点として,初速度 v〔m/s〕 0 a 電圧(voltage) c つる巻きばね S,S´ とおもりを, b V 〔V〕 P 〔W〕 電力 (electrical power) 1J 1 kWh ❸ せつ ぞく 1 2 という。 糸 ❸ S S S 3.6×106 倍 yS´y 軸の向きは上下どちら = v0 t - gt の状態が変わった」 向きに y 軸をとり,時間 〔s〕 t 後の小球の座標を 〔 y m〕,速度を v 〔20 m/s〕 と 続 する 図の①~③のように接 糸 糸 糸 糸 3 2 ❸ 「3 倍振動」 といったとき, にとってもよいが,「初め 定滑車 20 例題 1秒 1 時間 (ばねは軽く,その重さは無視 5 気柱の振動 する。投げ上げた後,上昇中も下降中も加速度は-g 〔m/s2〕であるから, ① ② ③ に動きだす向き」 とするこ 「振動数が基本振動数の ❸ 3 当たり 当たり v2やキロワッ - v02 = -2gy とが多い。 してよいものとする) 。ここで, (記号 Wh) 電力量の単位には,ジュールのほか,ワット時 (8) , (9) , (10) 式で =の開管内にある振動数 -g,x = y とおいて次の式が得られる。 長さ 1.7am 倍」 であることを意味する。 1.7 m 3 (仕事と同じ単位) 10 倍 S と S´ は異なるつる巻きばねで,おもりはすべて等しい重さとする。それぞれの場合において,おもりが 1W 1 kW (17) v = vkWh) 「固有振動のうち,振動数 0 - gt 10 の音を入れたところ,2 倍振動が (記号 が用いられる。1 Wh の電力量とは,1 W の電力で 1 時間 ト時 静止した状態でのばね S の伸びを観察してみよう。また,ばねにはどのような力がはたらいており,その (1 J/s) (仕事率と同じ単位) の小さいほうから 3 番目」 と y (鉛直上向きが正 1 電力 26.7 20 y = v発生した。そのとき,音の速さを (18) gt2 大きさがばねの伸びとどのような関係にあるか,考察してみよう。 0t - 時刻 t1 に行う仕事である。また,1 kWh = 103 Wh である。 22 いう意味ではない。 26.2 5 ▶ 思考力・判断力・表現力を養うことができます 2 0 ■実験&実習 V t W = IVt = I Rt = R V P = IV = I R = R 0 0 波 改訂版 新編 物理基礎 25 3.4×10 m/s,管口の位置を腹とする。 Q ばね 2S の伸びとして正しいものは,次のうちのどれか? 2 ● p.61 v=0 加速度 -g v - v0 = -2 gy (19) 24.5 私たちの家庭の電気器具は電力量を力学的エネルギーや (1)音の波長 〔m〕 と振動数 f〔Hz〕 を求めよ。 ③が最も長い エ. 2 2 ②が最も長い ウ. ア. k ①が最も長い イ. すべて同じ ⬆ 図 25 力がはたらいている例 どのような力がはたらいているか考えてみよう。 ● へん かん (2)音の振動数を徐々に上げていったとき,次に気柱の固有振動が起こ 21.8 換している。家庭で使う電気は電力 熱エネルギーなどに変 y (鉛直上向きが正) 26.7 v-t 図 v ▲ p.41 26.2 るのは,振動数が何 Hz のときか。 A さんがあらい床に置かれた重い荷物を水平に押しているが,荷物は動かない。 v=0 v0 時刻 t1 しょう ひ おう v=v0-gt 加速度 uestion Q 地面に置いたサッカーボールをけると,ボールは一瞬大きくへこんで 費した電力量に応 じて 第2章 運動の法則 量計で測定されており,私たちは消 24.5 このとき,A さんが荷物を押す力の反作用は何だろうか? -g 最高点 Q(クイズ) 41 速度 v=v0-gt 18.0 k 解 (1)2 倍振動なので,開管の長さ (t = 2t ) 半波長 波長 2 の 2 倍に等しくなる。 21.8 15 から飛んでいく。また,飛んでいるボールをヘディングすると,ボール (図 14) 払倍振動なので,開管の長さが半 っている 。 電気料金を支 t t 一部の実験&実習にクイズを掲載しました。 2 O t 速度 目的意識をもって実験に取り組むことができます。 k 1.7 m 15 2 v=v -gt の進む向きを変えることができる。これらの変化は,足や頭がボールに 18.0 10 ヒーターを の電圧で使用したところ,3.0 A の電流 1.7 100 ×2 = V ⬆ 図 14 電力量計と電気料金の明細 2 ● 問8 およ 13.1 -v 時刻 t が流れた。 ぼすために生じる。 対して力を及 よって k2 = 1.7 m -v h k 13.1 2 (1) このヒーターの消費電力は何 W か。 ■欄外の 「 また,「v = fk」 」(p.107 ─ 変位 時刻 t(3) 式) 2 より 物体に対して力を及ぼす点を 図 y 1 2 (2)このヒーターが 60 秒間に消費する電力量は何 J y-t か。 y=v 0 t-─gt 2 変位 さ よう てん 最高点 (49 か所掲載) 2 計算問題とは異なる観点で,物理の本質を理解できているかの確認ができます 。 力の大きさ v 1 3.4×10 7.1 か。 f2 = = = 2.0×102 Hz 20 y=v t-─gt (3)このヒーターが 4.0 時間に消費する電力量は何 kWh 作 用 点 といい,作用点を通り力 2 k 1.7 2 h 7.1 初速度 また,理由を言葉で説明することで理解が深まります。 用語 力の三要素 初速度 v0 (2)振動数を上げていくと, 3 倍振動が起こる。そのときの波長を k〔m〕 , 力の大きさ・力の向き・ 3 がはたらく向きに引いた直線を v さ よう せん 15 1.7 m 振動数を f〔Hz〕 とすると 3 1 作用点 力の y =v t-─gt 20 O 作 用 線 という。速度や加速度と O 2 k 向き 3 0 1.7 = × 3 時刻 0 時刻 t cm O 0 t t 2 時刻 0 cm t 同様に,力は大きさと向きをもつ -v し はら ( ) はん は ちょう 2 1 1 2 0 Question 0 -v 4 電気 0 2 0 0 1 第 章 演 習 問 題 0 2 2 1 k ─3 作用点 2 2 時刻 t2 -v0 3.4 3.4 ⬆ 図 22 鉛直投げ上げ 小球の運動のようすを図 ● ❹次の計算に使うので, k3 = m 19 と比較してみよう。 ベクトルである。力を図に表すと 3 3 作用線 生徒が誤解しやすいポイントをついた問題です。 ⬆ 図 22 鉛直投げ上げ 小球の運動のようすを図 ● 19 と比較してみよう。 は小数の形にせず,分数の 鉛直投げ上げでは,最高点での速度は 0 である。 ❷力を文字記号で表すとき オームの法則 (2)A と B を直列接続したときの合成抵抗を C,並 「v = fk」より Q uestion それでは,最高点での加速度はいくらだろうか? きは,速度などと同じように矢印 第1章 運動の表し方 ⬆ 図 26 力の表し方 25 ままにしておく。 ● は,Force の頭文字を用い 列接続したときの合成抵抗を D とする。合成抵 抵抗線❷A,B に加える電圧を変化させ,電流を測定し 0 である。 → 3.4×102 = f3 × 3.4 f3 = 3.0×102 Q Hzuestion 鉛直投げ上げでは,最高点での速度は で表す。 て F とすることが多い。 3 それでは,最高点での加速度はいくらだろうか? 抗 C,D の電流と電圧の関係をそれぞれグラフに ▲ たら,図のグラフのようになった。 p.25 ちから さん 25 力の効果を決める の 3 つを 力の三 かけ。 20 類題 長さ 1.0 m 「力の大きさ・力の向き・作用点」 の開管内にある振動数 1.0 m ❹ 1 25 よう そ 5 50 A ❸ 電流 ▼ の音を入れたところ,2 倍振動が 要p.31 答えがひとつに決まらない問いかけもあります。 素 という。力の大きさを表す単位には ニュートン(記号 N)を用いる。 40 答えを出しあうことで,授業が活性化します。 newton 直流回路 発生した。そのとき,音の速さを 2 ❸イギリスの科学者ニュー トンに由来する(→ p.47)。 B 30 2 図の回路について,次の問いに答えよ。 3.4×10 m/s,管口の位置を腹とする。 (mA) 「◯◯力」 という言葉にはどんなものがあるだろうか? on sti ue をそれぞれ求めよ。 Q 3 20 音の波長 k〔m〕 (1) と振動数 f〔Hz〕 を求めよ。(1)電流 I1,I2,I〔A〕 2 2 物理で用いる力と,そうではない力に分類してみよう。 第2章 運動の法則 30 ▼ p.125 手軽な実験によって,予想と結果が一致するかを確認できます。 O 2 4 6 8 10 12 電圧(V) ストローで笛をつくり,吹きながら先端を少し切ると,音の高さはどうなるだ R1:5.0 z I1 on Q uesti と B の抵抗 R〔z〕 をそれぞれ求 (1) A の抵抗 R〔z〕 A B ろうか? めよ。 ▼ p.145 日常生活との関連について考えさせることができます。 Q uestion 26 31 (2)抵抗 R1,R2,R3 で消費される電力 P1,P2,P〔W〕 3 (2) 10 音の振動数を徐々に上げていったとき,次に気柱の固有振動が起こ をそれぞれ求めよ。 るのは,振動数が何 Hz のときか。 25 消費電力が 1200 W のドライヤーを 1 日 5 分,30 日間毎日使うと電力量は 何 kWh になるだろう? I2 R2:6.0 z I3 R3:12 z 第2章 音 125 27 V 第1章 物質と電気抵抗 145 h 教科書の準拠問題集を 2 点発行 教科書『改訂版 新編 物理基礎』に完全準拠したノート判問題集を 2 点発行。 「教科書+問題集」の連携で高い学習効果が得られます。 ■改訂版 新編 物理基礎 準拠ノート 教科書の整理 教科書の内容定着に最適な整理ノート! 教科書の重要事項 を項目ごとにしっ かり確認できま す。 印 速度 (1) 1 p.6 問題を解いてみよう! p.6 ~ 10 A 移動距離を経過した時間でわったものを [1 [2 [1 〕= エレベーターが一定の速さ 2.0 m/s で上昇中のとき,15 秒間に上昇する距離は何 m か。 問3 p.8 〕という。 解 〕 [3 〕 速さの単位には m/s(読み方:[4 〕 ) 〕 )や,km/h(読み方:[5 が用いられる。 1 km = [1 移動距離 速さ= → {2 2.0 m/s,15 秒,上昇する距離 } 経過時間 t → {3 2.0 m/s,15 秒,上昇する距離 } 上昇する距離 = [4 〕× [5 〕= [6 〕m 経過時間 = 〕m,1 h = [2 〕分 = [3 [4 〕m [5 〕s 〕s なので p.9 = [ 〕m/s 6 移動距離 経過時間 = [1 〕m [2 〕s = [3 x-t 図の傾きの大きさは [1 解 速さ=傾き= p.10 p.10 〕を表す。 1 北向きに 12 m/s の速さで走っている自動車 A と,南向きに 15 m/s の速さで走ってい る自動車 B がある。北向きを正の向きとしたときの,自動車 A,自動車 B の速度を 解 速度は大きさ(速さ)と向きをもつ量である。向きは+,-の符号で表す。 それぞれ求めよ。 I いま,北向きを正の向きとしたので,自動車 A の速度は {1 + 12 m/s,- 12 m/s } で, v-t 図 自動車 B の速度は {2 + 15 m/s,- 15 m/s } となる。 速さ v-t 図の移動 距 離 vt 移動距離 ろう。 答 自動車 A: ,自動車 B: o 〔m/s〕 30 t q 〔m〕 t 20 〔s〕 10 D 物体の位置の変化を [2 〕という。 また,v-t 図(図ⓑ)の直線と t 軸間の部分の面積は移動距離に等しい。 を示す部分に色を塗 O 〕 問題を解いてみよう! x = [2 〕 x-t 図 [2 〕 = [4 [3 〕 = C 速さと運動の向きをあわせてもつ量のことを [1 〕という。 速さを v〔m/s〕,移動距離を x [m〕 ,経過時間を t [s〕とすると,次の式が成りたつ。 H x の変化量 t の変化量 Note 1.5 v O 10 O 20 10 経過時間 〔s〕 t 2 教科書の問・類題 について,解説を 穴埋めして完成さ せます。ポイント となる箇所を自分 で埋めることで確 実な理解につなが ります。 答 p.10 B 一直線上を一定の速さで進む運動のことを [1 〕という。 Work 50 〕を表す。 〕m/s 答 等速直線運動の x-t 図(図ⓐ)の傾きの大きさは [3 〔m〕 x における,物体の速さは何 m/s か。 自動車が 30 秒間に 360 m 走ったとき,自動車の平均の速さは何 m/s か。 問2 解 平均の速さ= Work 色塗りなどの作業 を行い,楽しく学 習内容の定着がは かれます。 答 図は,一直線上を運動する物体の,移動距離 x と経過時間 t の 関係をグラフに表したものである(x-t 図) 。このグラフの区間 問4 答 p.8 → {1 2.0 m/s,15 秒,上昇する距離 } 速さ v 36 km/h は何 m/s か。 解 p.7 移動距離 x これらの値を,等速直線運動の式に代入すると 問題を解いてみよう! 問1 p.6 等速直線運動の式「x = vt」の x,v,t に,与えられている数値は 改訂版 新編 物理基礎 教科書の重要事項や問・類題の解説を穴埋めしながら,内容定着をはかります。 20 経過時間 〔s〕 t 第1編 運動とエネルギー 3 第1章 運動の表し方 DIC122_編物基礎教科書の整理_1106.indd DIC122_ _編物基礎教科書の整理 物基礎教科書の整理_ 理_1106.indd 1106.indd すべてのページ すべてのページ メモ欄を設けまし た。 授業の補足事項 を記入したり,計 算スペースとして 活用できます。 15/11/10 /10 16:49 16:49 ■改訂版 新編 物理基礎 準拠ノート まとめと問題 演習に最適な宿題用ノート! 教科書の重要事項のまとめと,問・例題に類似した問題の演習によって,内容定着の確認ができます。 重要事項を確 認するための まとめです。 印 速度(1) 1 教 p.6 〜 11 1 例題 教 等速直線運動のグラフ 例題では,典型 的な問題を取り あげ,解き方を 解説しています。 p.9 図は, 軸上を運動する物体の -t 図である。 はや たん い じ かん あ 1 速さ とうそくちょくせんうんどう 2 等速 直 線運動 移動距離を経過した時間でわったもの(単位時間当たりの移動距離)。 ⑴ 初めの 3.0 秒間の物体の速さは何 m/s か。 一直線上を一定の速さで進む運動。 ⑵ 時刻 3.0 秒から 5.0 秒の間の物体の速さは何 m/s か。 ⑶ この物体の運動の v-t 図をかけ。 = vt 〔m〕 移動距離, t〔s〕 経過時間, v〔m/s〕 条件 一直線上の運動で,速さ v が一定 解説 速さ ⑴ -t 図における直線の傾きの大きさが速さを表す。 Δ v= 3 等速直線運動 のグラフ 6.0−0 ❶…………………………………………………………………………❶傾きは Δt で求められる。 =2.0 m/s 3.0−0 ⑵ ⑴と同様に v= 〔 x m〕 9 v 〔m/s〕 9.0−6.0 =1.5 m/s 5.0−3.0 6 2 ⑶ 時刻 0 〜 3.0 秒では速さ 2.0 m/s で 3 O 1 一定,3.0 〜 5.0 秒では速さ 1.5 m/s で一定である。よって,v-t 図は 〔s〕 t O 1 2 図 a のようになる。 そく ど 速さ(=速度の大きさ)……「大きさ」のみで考える。「向き」は考えない。 5. 等速直線運動のグラフ 教 速さの単位 教 p.6 ⑴ 25 m/s は何 km/h か。 1. る。この物体の運動の v-t 図をかけ。 ⑴ ⑵ 36 km/h は何 m/s か。 教 3 4 5 Dt = 3.0 s - 0 s 問題 5,6 5. 12 9 6 3 ⑵ 速さ 25 m/s は, 「1 秒間に 25 m 走る」 という意味。1 時間(=3600 s)ではそ の 3600 倍の距離を走る。 速さ 2 〔 x m〕 O 2. 〔s〕 t 1 5 p.9 図は, 軸上を運動する物体の -t 図であ 1. 4 速度……「大きさ」と「向き」で表される。 4 速度と速さ 授業で学習し た内容を,問 題演習で確認 できます。 3 図a Dx = 6.0 m - 0 m 2. p.6 100 m を 10 秒で走るとき,速さは何 m/s か。 6. 等速直線運動のグラフ 教 〔s〕 t 1 2 3 4 5 6 7 6. p.9 A さんは一直線上を図に示された速さで ⑴ : 25 秒間走った。 ⑵ : ⑴ 最初の 10 秒間に走った距離 〔m〕と, 25 秒間に走った距離 〔m〕を求めよ。 ⑵ A さんの運動の -t 図をかけ。 3. 平均の速度 教 p.11 3. 自転車で 54 km の距離を 3 時間で走行した。この自転車の平均の速 度の大きさは何 m/s か。 7. 速度 教 7. p.10 図で,東向きを正の向きと定めるとき,A, B それぞれの速度は何 m/s か。 4. 等速直線運動 教 p.8 ランナーが一定の速さ 5.0 m/s で走っている。このとき,ランナー が 15 秒間に走る距離は何 m か。 8 第1編 運動とエネルギー 4. 4.0 m/s B A A 6.0 m/s B 西 O 東 一直線上の運動では,速度の向きを 正・負の符号で表すことができる。こ の場合,東向きに進むときの速度は正, 西向きに進むときの速度は負となる。 第1章 運動の表し方 「ヒント!」を随 所に設けており, スムーズな学習 が可能です。 9 27