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東日本旅客鉄道株式会社における輸送総合システム

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東日本旅客鉄道株式会社における輸送総合システム
∪.D.C.る5る.2.07り.072:〔る5.012.45.012.7:る81.322〕
東日本旅客鉄道株式会社における輸送総合システム
Railway
TotalTransportationSYStemOfEastJapan
Company
水上陽介*
近年,企業では社内業務や営業のインフラストラクチャーを整備し業務の効
鈴掛
率化,戦略化を日指してSIS(StrategicInformationSystem:戦略情報システ
森
ム)の構築を行っている。
東口本旅客鉄道株式会社では,このような戦略情報システム化の中で大規模
y∂5〃んど〟Jヱ∼`ん〟川J
操**
ル紘〟√)S∼′`之子fカαん(J
悦郎***
g′ぶ′f7・∂ルルタイ
小松敏秀***
れノ∫/z才力才d`ノ〟√ノ〃ブ〝/∫∼′
山田卓美****
乃ん∼`”7gi七γ柁〟血
な「総合経営情報システム+の基幹部分の稼動を開始した。この総合経営情報
システムは,「駅収入管理+,「経費把捉+および「輸送総合+の三つのシステム
から構成されている。その中の一つ,輸送総合システムは,鉄道事業の中枢を
形成し,鉄道事業の商品そのものである列車ダイヤおよびダイヤを実施するた
めに重要な申両,乗務員の運用業務などをコンピュータで支援するものである。
本システムの稼動によって輸送業務の計画策定から実施に±る一連の作業の効
率化が図れる。
ロ
緒
言
東日本旅客鉄道株式会社(以 ̄卜,JR束11本と言う。)では,
社内業務と営業の効率化・戦略化をねらいとした,人規模な
ず列車ダイヤデータ,運用情報などをコンピュータ(EWS:
EngineeringWork
Stationおよびホスト)に人力する。これ
「総合経営情報システム+(図1)の開発を行っている。そのLj-+
の大きな一つの柱として輸送総合システムがある。
輸送総合システムは,従来,専門家の技術と経験に頼り手
作業で行っていた列車ダイヤ,車内運用・乗務員運用などの
計画作成,それら計画の駅・区所などへの伝達,および実績
+R東日本
総合経営情報
把握・車両管理などの迅速化・効率化・止確化を実現し,輸
送業務の近代化に大きく貢献することが期待される。
システム
本システム化は,鉄道事業そのものにかかわr)大規模シス
テムとなるため,段階的に開発,導人を進めている。
本稿では,輸送総合システムのうち平成2年10月にJR東口
駅収入
管理システム システム
本一千菓支社(以下,千葉支社と言う。)で稼動した「計画伝達シ
ステム+の先行導入分の特徴を「トL、に述べる。
月
経費把握
●経王里
開発の背景とねらい
従来,列車ダイヤ,車両運用,乗務員運用などの計画作成,
●商品発売実績
●収入計算
●収入清算
●輸送量計算
など
●社員
●資材
●工事
●保全
輸送総合
システム
●計画作成
●計画伝達
●実績把握
●車両管理
など
など
計画内谷の現業機関への伝達,現業機関での達示の抜粋・転
記・照合作業および実績の集計作業は手作業で行っていた。
それに要している手間と時間を省き,精度を向上させるため
図lJR東日本の総合経営情報システム
輸送総合システムが構築されることになった。
***
u立製作所情報システム開発本部
三つを柱としている。
**株式会社ジュイアール東【]木情報システム
****
総合経営情報システム
は,駅収入管理システム,経費把握システムおよび輸送総合システムの
今回,その一部を使用開始した計画伝達システムでは,ま
*束[J本旅客鉄道株式会社運輸車両部輸送課
注:略語説明+R東日本(東日本旅客鉄道株式会社)
システム第三部
H二立二製竹三所
システム事業部
61
602
日立評論
VOL.73
No.6(199卜6)
にその後の打ち合わせなどで決定した変更内容を順次入力し,
輸送計画を完成させる。これによって,
3.2
計画伝達システムの機能概要
計画伝達システムの中央側機能は,列車ダイヤ,運用など
(1)列車運転時刻表,列車ダイヤ,運用表,運用図表など改
の計画を登録・管理する機能と,それらを各現業機関などの
正達示の原稿出力による効率化
端末へ伝達する機能に大別できる。
(2)日々の運転報原稿出力による効率化
(1)計画の登録・管】型
(3)整理ダイヤ,統計資料の自動作成による効率化
などが可能となる。
(a)列車計画
(i)ダイヤ改正時,基本列車データおよび運転手続きを
また,計画情報のデータベース化によって必要な情報がい
人力し,必要なチェックを行い,基本列車計画のデータ
つでも取り出せるようにし,以下の情報伝達を行う。
ベースを作成する。また,計画確定後の運転報原稿,列
(1)関係個所(駅,車掌区,運転区,保守区など)への計画伝達
車運転時刻表および運転統計帳票を出力する。
(2)TID(TrafficInformation
(ii)臨時列車計画にかかわるデータを入力し,必要なチ
Display),PRC(Program-
medRouteControl)システムなどに対する列車ダイヤ情報の
提供
さらに将来にわたっては,
ェックを行い,臨時列車データおよび臨時変更データを
登録する。また,R別の変更列車計画データを作成し,
必要なチェックを行って確定後の運転報原稿を出力する
(1)座席予約などの販売をはじめとする他システムに対する
とともに,すでに登録されている基本列車計画のデータ
ダイヤ情報の提供
と合わせてR別整理ダイヤを作成する。
(2)VAN,CATV(CableTelevision)などを介して企業,家
(iii)基本列車データおよび臨時列車データから実施列車
庭に対するダイヤ情報の提供
データおよび実績列車データを作成し,列車実運転キロ
なども期待される。
数を集計する。また,列車実運転キロ数の日報,月報を
日
輪送総合システムの概要1),2)
3.1輸送総合システムの構成
輸送総合システムは,下記に示すサブシステムから構成さ
支社単位に出力する。
(b)車両運用計画
(i)ダイヤ改正時,基本車両運用データを人力し,必要
なチェックを行って基本車両運用計画のデータベースを
れている。
作成する。また,確定後の運転報原稿(車両行路表など)
(1)計画作成システム
および統計帳票を出力する。
列車計画システム,車両運用計画システム,乗務員運用計
(ii)臨時車両運用計画にかかわるデータを入力し,必要
画システムおよびダイヤ情報提供システムから構成され,列
なチェックを行って臨時車両運用データとして登録する。
車ダイヤ,車両運用計画,乗務員運用計画の作成作業を支援
また,【_l々の運転報原稿を出力する。
することにより,作業効率の向上を図るとともに計画の誤り
(c)乗務員運用計画(車掌,運転士)
を防止する。
(i)ダイヤ改j上時,基本乗務員運用データを入力し,必
(2)計画伝達システム
要なチェックを行って基本乗務員運用計画のデータベー
支社などで計画した列車ダイヤ,車両・乗務員運用情報お
スを作成する。また,確定後の運転報原稿(乗務員運用表
よび徐行・き電停止などの必要な情報を必要な個所(乗務員区
など)および統計帳票を出力する。
所,保守区所,駅など)に抜粋・編集してオンラインによって
(ii)臨時乗務員運用計画にかかわるデータを入力し,必
伝達する。これにより,駅,l太所での運転報抜粋作業をシス
要なチェックを行って臨時乗務員運用データとして登録
テムに置き換えることが可能となる。
する。また,日々の運転報原稿を出力する。
(3)実績把握システム
輸送に関する実績(列車キロ数,車両キロ数,乗務キロ数な
ど)の報告をオンライン化するとともに,その情報をデータベ
(2)計匝i伝達
列車ダイヤ,車両運用,乗務員運用などの計画情報を抜粋
し,各個所で必要な情報だけを伝達する。伝達先としては,
ース化することにより,必要なときに必要な情報を取r)出す
(a)駅
ことが可能となる。
(b)乗務員配置区所(車掌区,運転区など)
(4)車両管理システム
(C)車両配置区所(電車区など)
車両配置区所と車両二「場で発生する車両管理に関する情報
を,データベース化することによって一元的に管理するとと
もに,車両検査計画,車両使用管理などの業務を支援する。
以_Lの全体関連図を図2に示す。
62
(d)保守区所(保線区,電力区など)
(e)TID,PRCなど
がある。
本システムのうち一部(列車計画の登録・管理,運転区など
東日本旅客鉄道株式会社における輸送総合システム
輸送需要予測
603
運転曲線
作成システム
支援システム
輸送総合システム
-
、
〔計画作成システム〕/
/
■†、
J
列車計画
/
/
/
システム
′
/
乗務員運用計画
システム
システム
、一′/
車両運用計画
/
、
、
\
〔計画伝達システムレ′
/
計画データベース
●列車ダイヤ
●車両運用
●乗務員運用
●設備情報
/
/
\
PRC,T旧など
\
[雪男翳芳里]
[至禦空]
〔車両管理システム〕
一一一一一 ̄
\
l1--■・、
\
両工
区所
検場
車
車両配置
査
\
\
J
J
\
し ●常闇晶軌機器管理)/\\\
t
\
、、
′
●車両故障管理
保線区
運転区
電力区
車掌区
信号通信区
運輸区
など
など
●社員システム
など
/
\
ノ
●経理システム
/
/
\
/
\\、、
注:略語説明など
乗務員勤務実績
/
\\\i葦票悪霊筈…墨
ノ
\
経費の把握システム
J
/
PRC(ProgrammedRouteControり,TID(TrafficlnformationDisplay)
匡ヨ (輸送総合システムの範囲)
図2
輸送総合システム全体関連図
輸送総合システムは,計画作成システム,計画伝達システム,実績把握システムおよび車両管理システム
の四つのサブシステムから構成される。
よび高崎,水戸の各支社,ならびに東北地域本社および盛岡,
への伝達)について,千葉支社先行導入(平成2年10月稼動)を
行った。今後,平成4年度までに,車両運用計画,乗務員運
秋田,新潟,長野の各支社にそれぞれ設置される予定である。
用計画および計画伝達の全機能を開発する予定である。計画
4.2
輸送総合システムのネットワーク構成を図5にホす。
伝達システムの概要を図3に示す。
n
ネットワーク構成
ネットワーク構成は,各ホスト,EWS,オフィスコンピュ
システムの構成と特徴
ータ(以下,オフコンと略す。)(当直,車両),駅・保守区端末
間は,株式会社ジェイアール東【1本情報システムの自営パケ
4.1全体構成
輸送総合システムの全体構成を図4に示す。
ット綱で接続される。
輸送総合システムのホスト計算機は,システム化対象支社
の規模(列車本数,運用数など)によってHITAC
Mシリーズ
今後は,データ伝送量,ネットワークの拡張性などを考慮
し,より高速化を目指したISDN(IntegratedServicesDigital
を導入する。現在先行導入している千葉支社では,HITAC
Network)の採用も検討していく。
M-640/10(128Mバイト)が導入されている。今後,ホスト計
4.3
ソフトウェア構成
算機導入個所として,東京,仙台および高崎が一子延されてい
輸送総合システムのソフトウェア構成を図6に示す。
る。また,列車ダイヤ,車両運用,乗務員運用情報人力・表
ホスト側は,ⅩDM(Extensible
Data
Manager),DCCM3
示を行うEWS(2050G/EX)も千葉支社に3台設置さjlている。
(DataConlmunicationControIManager3)を用いて,主に
今後,EWSは,ホスト計算機導入に合わせて東京地域本社お
データベース管理を中心とした業務7Dログラムを開発し,EWS
63
604
日立評論
VOL.73
No.6(19916)
「亘亘亘亘二二二_二二
車両運用計画
上
野
ブ′
/
//
/
12:00
動力車乗務員運用計画
平
原
町
3012M
11:25
\
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄t■--■■■■■■■■「
3013M
仙
菓
子
台
京
葉
6:40
東
京
君
津
18:(X)
14:57
1206F
13:17
3016M
17:33
1406F
15:13
15‥131壬生堕塑-4二28
3017M
14:28
1513F
15:3g
21:46
君
津
9ウ7F
11:25
1206F(普通)
13:17
l
千
葉
907F(快速)
11:25
14:34
列車乗務員運用計画
17:12
ノぷ
】
(慧覧義認箆忘る列車)
(車掌の乗務行路作成)
(車両の行路作成)
「` ̄
「
 ̄ ̄
 ̄一 ̄
 ̄
 ̄ ̄` ̄`■ ̄ ̄
■
`一一
(列車ダイヤ作成)
-
ホスト計算機(本・支社)
■■■■
乗務員配置区所
口 lll
(車掌区,運転区など)
靡
鼎
♂ ̄打1
計画伝達
達示原稿を
抜粋編集L
各区所へ伝達
車両配置区所
EWSによるダイヤ入力
ダイヤ作図および
各種帳票出力
ダイヤ図など
匿国
令検討作業
●J
検討用帳票
保守区
厨
(保線区,電力区など)
===>
+_______._______.__.______._.__.____
注二略語説明
図3
._+
EWS(EngineeringWorkStation)
計画伝達システムの概要
計画伝達システムは,列車ダイヤグラム,運用などの必要な情報を必要な個所に技粗
編集して伝達する。
側は,PANEL/EV(PANEL/ExcellentView)を川い画面処
理などを中心とした業務プログラムを開発した。
ホスト∼EWS問の通信手順には,ⅩNF(Extended
based
秋田
盛岡
Communication
FTAM(Open
Access
Networking
Facility)■FでOSI/
SystemsInterconnection/File
and
HNA
Transfer
Management)によるファイル転送,および
OSAS/UA(OSIApplication
Support
Common
Facility/
UAprotocol)を使用してのトランザクション処理を実現して
凸
仙台
いる。当直オフコンとの通信手順もFTAMによるファイル転
送によっでl青報交換を実現している。
新潟
4.4
システムの特徴
輸送総合システムの特徴を次に述べる。
n
(1)ホスト,EWSの適正な機能分担の実現
高崎
戸
車両の運用データも相互に関連し,対象とするデータ量は膨
長野
千葉
注:記号説明
回(輸送ホスト‥EWSの
図4
輸送総合システムの全体構成
処理方式を実現するため,ホストとEWSで機能を分担させ,
/7
相互の負荷分散を図った。
輸送総合システムは,千葉支
社で本機能開発後,東京地域本社および高崎,水戸各支社,ならびに東
北地域本社および盛岡,秋田,新潟,長野の各支社に順次展開される。
64
大なものとなる。本システムでは,計画者がこれら膨大なデ
ータを意識せずに計画が立てられ,かつデータ人力が可能な
設置される本・支社)
○(EWSの設置される支社)
列車計画業務は,数千∼数万本の列車を対象とし,乗務員,
列車計画の作業の流れ(図7)を基に,機能の分担方式を説
明する。
605
東日本旅客鉄道株式会社における輸送総合システム
EWS
駅・保守区
端末
東北地域本社
輸送ホスト
高崎支社
輸送ホスト
EWS
EWS
EWS
EWS
駅・保守区
端末
高崎支社
盛岡支社
秋田支社
新潟支社
長野支社
EWS
当直オフコン
車両オフコン
当直オフコン
車両オフコン
JR東日本情報システム
自営パケット網
駅・保守区
水戸支社
端末
EWS
千葉支社
輸送ホスト
東京地域本社
輸送ホスト
(HITAC
東京地域本社
EWS
当直オフコン
車両オフコン
当直オフコン
車両オフコン
M-640)
千葉支社
EWS
(2050G/EX)
駅・保守区
端末
注:略語説明など
平成2年10月稼動開始
オフコン(オフィスコンピュータ),+R東日本情報システム(株式会社ジェイアール東日本情報システム)
[]:平成2年10月稼動開始分
輸送総合システムのネットワーク構成
千葉支社,東京地域本社東北地域本社,高崎支社にホストコンピュータを設置し,+R東日本情
図5
報システム自営パケット網を介し,全社ネットワーク展開を行う。
EWS側(2050G)
Mシリーズ)
ホスト側(H什AC
VOS3/ESl
H卜∪×/W
注:略語説明
VOS3/ESl(Virtual-StOrageOperatingSystem3/ExtendedSystem
Productl:仮想記憶オペレーティングシステム)
E2(ExtensibleDataManager/BASEExte=dedVe「sion2:
XDM/BASE
データマネジメントシステム)
×DM/DCCM3(XDM/DataCommunicationandCont「oIManage「3:
OSAS/UA/TACT
OSAS/FT
XDM/BAS巨E2
PANEL/EV
×DMノbccM3
データコミュニケーヤヨンマネジメントシステム)
XNF(ExtendedHNAbasedCommu川CationNetworkingFac仙y:
コミュニケーションネットワーク機能)
車両運用計画AP
列車計画AP
∨ハNF/W
◇図6
ベース
伝達・運用支援AP
乗務員運用計画AP
車両運用計画AP
列車計画AP
データ
×F汀(ExtendedFileTransmissionProgramニファイル転送プログラム)
AP(ApplicationProgrom:業務プログラム)
HトUX/W(HItachi-Unix/Workstation:
クリエーティブワークステーション2050オペレーティング
業務
ファイル
システム)
OSAS/UA/TACT(OSIApplicationSupportCommonFacility/UA
Protocol/Transactio【managm帥t System
on
2050:2050でのプログラム)
SOAS/FT(OSAS/FileTransferService:OSlファイル転送プログラム)
XNF/W(×NF/Workstation.ワークステーションコミュニケーション
ネットワーク機能)
PANEL/EV(PANEL/ExcellentView:EWS画面制御プログラム)
輸送総合システムのソフトウェア構成
輸送総合システムはXDM,XNFなどの汎(はん)用ソフトウェアを採用し,オープンなネットワー
ク接続手順(OSりを実現した。
作業開始にあたっては,計画単位に必要なデータをEWSか
け取ったデータを共に自分の計画する単位ごとに計画案のデ
らホストに要求する。ホスト側では,要求されたデータを各
-タを投入する。駅設備などの諸データと必要最低限のチェ
種データベースから抽出し,EWSに送信する。EWSでは,受
ックを行い,計画内で矛盾がないことを確認した上でホスト
65
606
日立評論
VOL.73
No.6(199卜6)
EWS
ホスト
計画開始
要求
設備データ要求
設備データ
計画線区
設備データ抽出
設備
データ
設備データメモリ展開
入力
既入力の情報要求
列車データ
「 ̄ ̄t ̄ ̄
l
計画データ
入力
グラフィック
表示
データ抽出
(計画線区分)
列車ファイル
列車
データベース
データチェック
グラフィック出力
∼
計画終了
列車テ「タ
ホスト登録要求
+___●.
(変更内容)
列車ファイル
合理性チェック・
データ登録
プルーフリスト
データ
プルーフ
列車
データベース
リスト
図7
列車計画作業の流れ
EWSとホスト側の機能分担を行い,業務処‡里の最適化を図った。
に登録を行う。ホストでは,EWSから送られてきた計画案を
他の計画案と組み合わせ矛盾がか-か否かをチェックし,矛
盾がなければそのままデータベースに登録する。
本処理方式の採用により,EWSでは計画単位の情報取り込
み後は,計画が終了するまでEWS内で作業が継続でき,その
間ホスト側には負荷がかからない。また,ホストはEWSの計
8
結
言
以上,輸送総合システムのうち,計画伝達システムを中心
に述べた。
現在,先行導入した千葉支社で稼動した機能は全体計画の
一部であるが,従来手作業で行ってきた現業機関などでの達
画が終了後,他の計画内答との相互チェックを行い,全体と
示抜粋,照合業務の効率化に大きな一歩を記したと言える。
して矛盾がない計画を累積し,データベースに反映する。
今後さらに,車両運用計画,乗務員運用計画の登録管理機能
(2)マルチベンダ化に対応した情報交換手段の構築
開発,計画伝達対象の拡大を行うことによって計画伝達シス
輸送総合システムは,JR東日本の全社に展開する予定であ
テムは完成する。また,これらのシステムは,計画作成シス
り,本支社に設置されるホスト計算機どうし,および各ホス
テム,実績把握システム,車両管理システムと有機的に結合
トから駅,乗務員区,車両区などの現業機関にも列車ダイヤ
され,輸送総合システムの全体構想が実現される。
などの情報伝達が必要となる。したがって,異機種間のデー
タ交換が必要であり,プロトコルは標準的なものが要求され
る。ホストと他の機器,システムとの情報交換手段には,OSI
のFTAMによるオープンアーキテクチャを採用した。
参考文献
(3)ユーザーインタフェースの向上
1)前Ill,外二輸送絵合システムの構築,鉄道におけるサイバネテ
EWSで計画内答を視覚的にも把握しやすいように,列車ダ
イヤをグラフィック表示し,ユーザーインタフェースの向上
を図っている。本機能は,今後機能拡張を行い,グラフィッ
ク上で列車線を操作することによって容易に計画入力が行え
るようにする。
66
43∼46(平2-11)
ィクス利用国内シンポジウム論文集,第27軌
2)新井,外:輸送総合システムの一部先行導入について,鉄道に
おけるサイバネティクス利用国内シンポジウム論文集,第27回,
114∼118(平2-11)
3)吉‖:JR東日本
統べースから脱却,全社DI∋で一挙に戦略経
常を目指す,日経コンピュータ,第224号,120∼130(平2-4)
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