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パブリックコメント パブリックコメントに寄せられた御意見全文 3.

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パブリックコメント パブリックコメントに寄せられた御意見全文 3.
3.パブリックコメントに
パブリックコメントに寄せられた御意見全文
せられた御意見全文
意見1
○沖縄県は県立病院の地方独立行政法人化を織り込んだ「県立病院のあり方に関する基本構想」(案)
について、県民の理解を得るために各地域で説明会を行っていることが報じられている。2、3日に宮
古八重山で説明会を終え、引き続き北部、那覇でも説明会が予定されているという。これは県医療審議
会の県立病院のあり方検討委員会で検討されている「案」を、仲井真知事への答申に先立って、県民の
理解とコンセンサスを得ることを目的に開かれている。この「基本構想案」をまとめる検討委員会の中
でも賛否両論があり、特に県立病院を代表する病院長の皆さんの意見聴取では、激しい反対や救急医療、
僻地医療、周産期医療、小児医療の確保等についての不安、懸念が出されたと云う。
これに対して、県福祉保健部は「独法化によって効率的な運営が出来る、独法化しても救急、離島僻
地等不採算部門は従来通りに県から繰入金を出す」などと説明しているようだが、地域住民や市町村長、
現地医療スタッフたちの納得は得られないであろう。それは宮古、八重山ばかりでなく、これから行わ
れる北部や那覇における説明会においても変わらないであろう。県=県立病院のあり方検討部会のみな
さんは、このように住民が理解、納得しない「県立病院の独立法人化案」を県知事に答申することにな
るであろうか。もし、このようなことになれば、予算と時間を費やして各地域で行っている説明会なる
ものは、「県立病院の独立法人化ありき」の結論を追認するための「出来レース」と云われても仕方が
ない。
そもそもこの公立病院の独立行政法人化の方向は、小泉内閣から始まった構造改革路線の延長線上に
ある公務員制度の見直し、定員抑制に端を発しているもので、保健医療福祉などあらゆる部門における
合理化、市場原理主義による独立採算制や受益者負担という名の公的責任の放棄と軌を一にするもので
ある。この独立行政法人化の方向は、国から強い圧力、指導によるものであることは容易に想像出来る
が、県福祉保健部=県立病院のあり方検討部会の皆さんは、憲法第25条の精神を踏まえ、県民や医療
現場の声に真摯に耳を傾け、県民に命を守る県立病院のあり方を作り上げてくれることを切に願う。折
しも、今日の新聞では、09年度予算で23億円の黒字を見込んだ県立病院の経営改善案が報道されて
いる。
意見2
○P12「県立病院が果たす役割」について
前回のあり方検討委員会で「民間医療機関での対応の困難な医療の提供等にある」と整理しているに
も関わらず累積赤字が多額になっただけの理由で、独立行政法人化に持っていこうとするのはあまりに
も拙速すぎるのではないでしょうか?
県立病院は、政策的医療を担わなければならない宿命を担っていると思います。その様なことを考え
ますとどうしても赤字は避けては通れないことと思われます。県立病院が、民間病院と競合をするよう
な形で病院経営をした場合県民はどうなるのでしょうか?
その様なことを考えますと県民の医療、地域の医療は崩壊するのではないでしょうか。是非とも、沖
縄という離島県の事情を考慮のうえ独法化だけは避けて貰いたいと思います。
意見3
○福祉保健部(沖縄県)は、県民の立場に立った医療や福祉の政策を行うべき。県立病院が赤字だから
県から切り離す今の手法には納得出来ません。
- 1 -
人間の命の尊さは金では代えられないのではないか。赤字だとしても県立病院として県民を守ってい
かなければいけないと思う。本島もそうだが離島の方々の事を考えると心が苦しい。国及び県の公的資
金でなんとかしてほしいです。
意見4
1)はじめに
「あり方検討部会」の答申が厳しく指摘するように、沖縄の県立病院事業の経営状態は明らかに良く
ない状況であり、早急なる経営改善が求められていることは確かである。しかしながら、その根本的な
原因は政府の一貫した低医療費政策の結果に由来するものであり、沖縄のみならず病院経営の赤字は全
国的に見られる現象である。公的医療を担う自治体病院のみならず、民間病院においても非常に厳しい
経営対策を強いられている状況に変わりはないが、ただし民間の医療機関においては、不採算部門は大
胆に整理縮小することで臨機応変な対応も可能である。しかし地域のセーフティーネットの役割を担う
自治体病院にその様なフリーハンドは無く、好き勝手な診療形態は選べない。従って県立病院の抱える
赤字は、決して提供している医療内容に問題があったり、ルーズな経営計画によって生起しているもの
ではなく、主要な要因はあくまでも我が国の低劣な診療報酬制度にあることを認識されたい。低医療費
を理由に検査漬け、薬漬けの医療がまかり通ってはならないだろうし、真に科学的根拠に基づいて医療
を行えば、赤字となる診療報酬制体系こそが真っ先に指弾されるべき問題である。
だからこそ国は地方交付税のかたちでその埋め合わせをするポーズをとるのであり、それでも足りな
いから全国の自治体は、それぞれの一般会計から繰り出しをして一所懸命に補填しているのである。全
国の地方自治体が赤字補填に使う金額は、今では年間で7000億円にも達するとのことである。沖縄県の
病院事業への繰り出しは、全国自治体の標準財政規模から見る繰り出し比率で見ると第4位であり、財政
規模の小さな沖縄県にとって70億円に近い一般会計からの繰り出し金は、確かに大きな負担となってい
ることは間違いない。しかしながら、これを1床当たりの繰り出しに換算すると、全国平均を下回って35
位でしかない。この様な県への負担過重現象は、他府県では市町村単位で自治体病院を運営しているの
が主流であるのに対し、沖縄県ではその殆どが県立病院として運営していることの反映である。従って、
県の過重な財政負担を嘆くのであれば、市町村の公的医療に対する相応の負担を求めるべきではないだ
ろうか。
この様な県立病院事業を取り巻く過酷な環境にも関わらず、民間病院はちゃんと経営しているのだか
ら、それを見倣って県立病院も経営改革すべきだという論法は、「医療崩壊」=「病院医療崩壊」とま
で言われている我が国の危機的な医療状況の中で、その元凶である低劣な医療制度に見合ったかたちの
県立病院事業にしなさいと、改変・改悪を迫っているに等しい理屈である。
日進月歩する医療には人的資源とそれ相当の財政的な投入が必要なことは、今や世界の常識である。
医療・福祉に対する国民世論の要求が高いのも当然の成り行きであり、その様な歴史の大きな流れの中
で、我々が公的医療を堅持できるか否かは極めて重要な問題である。
アメリカ型の「小さな政府」と「自己責任論」を掲げ、三位一体改革と称して小泉政権が強力に推進
してきた結果が現在の格差社会と医療崩壊という状況であり、総務省の提起している「公立病院改革ガ
イドライン」は正に小泉路線の総仕上げであり、独法化や指定管理者制度、あるいは社会医療法人等々
と次々に打ち出される政策は、明らかに公的医療の縮小・撤退路線である。
我々は今、この公的医療の放棄に繋がる低負担を売りにした低福祉政策に乗っかって突き進んでいく
のか、或いは医療の公益性と公共性を守り、それを広げていく路線に切り替えることが出来るかの重大
な岐路に立たされているものと考える。
幸いにも昨年の半ば頃より「医療崩壊」の現実的な脅威の前に、さすがの政府・自民党の中にも低医
療費政策を見直すべきであるとの発言が目立つようになって来た。その様な有志が超党派の議員連盟を
結成して、低医療費政策の根本的な見直し作業が始まろうとする機運である。連綿として政府・厚労省
を呪縛して来た「福祉・医療への財政投入はコスト(負担)」として考えるのではなく、社会活性化へ
の先行投資として捉え直そうという希望の膨らむ展望が見られる中で、県立病院事業の再建策として「あ
- 2 -
り方検討部会」が県立病院の独立行政法人化(以下、独法化)を提案していることは、公的医療を守り、
発展させる立場から明らかに逆行するものであり、輝かしい歴史と実績のある沖縄の県立病院事業の後
退を余儀なくするものと考え、我々はこの独法化の答申案に断固として反対するものである。
2)独法化しなければ、本当に県立病院の経営改革は出来ないか
「あり方検討部会」は、独法化しなければ県立病院の経営改善は見込めないと独断的に結論づけてい
るが、果たして本当にそうだろうか?
「あり方検討部会」はその論拠として、
① 経営の自律性と経営責任の明確化
② 迅速な意志決定と効率的な業務運営
③ 事務部門の強化等で、経営企画力の向上
④ 財務面の健全性の回復
⑤ 意志決定の仕組みの見直し
⑥ 給与制度の見直し
⑦ 人事制度の見直し
⑧ 経営幹部のリーダーシップの強化
等々を列挙しているが、これらはどれ一つを取り上げても病院事業局が本気で取り組み、本庁側の理解
が得られるのであれば決して不可能なことではない。問題は行政本庁と病院事業局、そして病院現場と
の相互理解と本気で取り組む気概の問題であり、実際にこの低医療費政策の厳しい中でも徳島県や埼玉
県のように、立派な病院事業の遂行と経営の黒字化を達成している自治体病院があるわけで、決して独
法化が必要条件ではないのである。
唯一無念に思うことは、65%前後にも達する人件費率は現状において座視できるものではないので、
経営健全化のためにどうしても職員の給与削減を断行せざる得ないことである。諸外国に比べると、如
何に日本の医療労働者が自己犠牲を払い、献身的に働いているかは多くの文物が証明しているところで
あるが、現時点では、病院を維持するための緊急避難策として受け入れざるを得ないと考えている。し
かしながら、独法化をして民間企業の感覚で給与削減を行うことと、全適のもとに公務員として給与を
見直すと言うことでは、本質的に意味が異なるものと考える。即ち、全適下で給与を見直さざるを得な
いと言うことは、公共事業としての医療の継続が本当に可能かどうかの目安になるものであり、トカゲ
のしっぽ切り同然に、病院事業だけを本庁から切り離して、給与削減を迫ることは許されるものではな
い。もし特殊勤務手当等の見直しのみならず、本格的に病院勤務職員の給与体系に手を付けなければな
らないのであれば、本庁職員をも含めて全体での検討が当然である。
3)独法化の真の目的は何か
我々は何故、頑ななまでに県が「あり方検討部会」を通して、独法化の完遂を目指そうとしているの
か、その真の目的を知らなければならない。
「あり方検討部会」の答申案の冒頭に「県立病院は、地域医療の確保に極めて重要な役割を果たして
いる県民のかけがえのない財産であり、将来にわたって維持、発展させなければならない」と記してい
る。しかしながら、その舌の根も乾かぬうちに「県立病院は、資金不足のため、経営破綻の窮地にある」
と現状分析し、「財政負担を抑制しつつ、病院事業の健全化を図り、効率的で継続的な医療供給体制を
確保していく」と続けている。即ち、真の目的は飽くまでも「財政負担の抑制」であり、その為には県
立病院事業を県から切り離すことが必要であり、その為の巧みな手段が独法化である。義理堅くも「今
後とも、県において定める経費負担区分のルールに従って、一般会計等から病院事業に対し、適切な繰
り入れを行うことが必要」との文言を入れているが、これが最大の問題点で、法人が作る中期目標(3~
5年と書いてあるが)を、知事は議会に諮ることなく裁定できることになっており、これは知事の裁量で
繰り出し額を自由に調節できることを意味しており、財政負担を少しでも減らしたい本庁側の意向は、
独法化により脅迫的な様相を呈することが強く懸念されるのである。事実、国立大学で数年前に実施さ
れた独法化後は、国からの予算がどんどん削られて、教育の激しい劣化が叫ばれる昨今である。即ち独
法化の真の目的は、自由競争の名の下に、国や地方自治体の公的責任を縮小化することにあるが、我々
- 3 -
の大切な医療をこの様な方向に向けて行っても良いのだろうか。
4)独法化の実践的な検証は未だなされていない
そもそも独立行政法人とは何か。独立行政法人法は国が先行して施行(平成11年)しているが、それ
を自治体レベルにまで降ろす地方独立行政法人法が施行されたのは平成15年である。曰く、「住民の生
活、地域社会及び地域経済の安定等の公共上の見地から、①その地域において確実に実施されることが
必要な事務及び事業であって、地方公共団体が自ら主体となって直接に実施する必要のないもののうち、
②民間の主体にゆだねた場合には必ずしも実施されないおそれがあるものと地方公共団体が認めるもの
を効率的かつ効果的に行わせることを目的として、この法律の定めるところにより地方公共団体が設立
する法人をいう」とあるが、そもそも①と②は自家撞着ではないだろうか。確実に実施される必要のあ
る事業で、民間には任せられないのに、国や地方自治体がやる必要もない、とはどう言うことだろうか。
理解に苦しむところである。これを素直に解釈すると、公の責任放棄としか受け取れない。
いずれにしろ地方独立行政法人については施行されて未だ年月が浅く、現時点では実質的な評価は不
可能と考える。急ぎ飛びついたら大きな陥穽が待っている可能性も大きいであろうし、実際に色んなか
たちでその不具合が聞こえて来る昨今である。少なくとも先行して独法化した全国の大学病院や国立病
院機構の緻密な状況分析を、公的医療の継続という観点より丹念に行う必要があると考える。我々は自
らの進路について、もっともっと慎重な判断をしたいものである。
「あり方検討部会」の厳しい独法化への勧告を受けて、今こそ我々自身が全適の中で一所懸命に経営
改革に取り組む決意を示す時であるが、財政が苦しい県としては経営改革の一助として、市町村を県立
病院事業に参画させることも是非、検討の俎上に乗せて頂きたい。地域医療を住民とともに守り、育て
るという観点に立てば、心ある市町村は喜んで手を挙げものと期待するところである。
意見5
○全体を通しての意見、特に県立病院を一般地方独立行政法人化へ移行させることへの疑問
県立病院改革は地方公営企業法の全適で
総務省は「経済財政の基本方針2007」の閣議決定に基づき、同年、12月、各地方自治体へ「公
立病院改革ガイドライン」を通知した。それによると、公立病院の経営状況の悪化および医師 不足に伴
う診療体制の縮小を余儀なくされている状況に鑑み、1経営効率化、2再編・ネットワーク化、3経営体
制の見直しを図ることを主とする改革を求めている。
経営効率化については、経営指標に係る様々な数値目標をクリアすること、中でも、経常収支比率100
%、職員給与比率対医業収益比率52%、病床利用率80%を必須とし、再編・ネットワークは医師不足に
対応し、医師の集約化を図ること、経営体制の見直しでは地方公営企業法の全部適用(公務員)、地方
独立行政法人化(非公務員型)、指定管理者制度および民間譲渡を例示した上で、経営効率化は3年、
経営形態の見直しは5年以内の実施を指示している。今回の「県立病院のあり方に関する基本構想(案)
」
は総務省のガイドラインにかかる 一連の通知・様式(雛型)に則してまとめられているだけで、幾つか
の懸念がある。
第1に、全国公立病院の8割、民間病院の5割を占める赤字の主な原因は2002年から09年まで
計7.68%の診療報酬(国で定める医療機関の収入)マイナス改定によるものである。麻生内閣は社会保
障費の削減は限界と認識、次年度は230億円に留めた。
第2に、「総務省改革プラン」は先述のように、公立病院危機が今日の絶対的な医師不足に因るとす
る。地方では深刻だ。その中で、当県の医師数、看護師数ほぼ全国平均で依然、過重労働はあるものの、
県外地方と同列には論じられない。全国的に名高い中部病院の研修システムは多くの医師を育て、定着
させたのである。
第3に地方独立行政法人化(非公務員型)は民営化ではないと県は強調する。県の関与(知事、議会、
評価委員会、出資、繰出金)のもと政策医療は維持されると、長所を随所で説明するが、短所が見えな
いのである。民間的経営手法(人事、予算、財務等で管理者の権限と責任)を導入した 独立法人と県と
- 4 -
の相互の拘束、契約関係が将来にわたって不変なのか、不採算である政策医療の質と量が担保されるの
か、民営化に一歩踏み出したのではと危惧する。
第4に、憲法25条(生存権、社会保障)に基づき国と県は住民の「命と健康」を守らねばならない。
県立病院はその最前線だ。一方、現場である病院事業局は無論、県民は不断に「わったー(私達)病院」
の経営改善に努めるべきだ。
以上より、 県立病院は独法化すべきでない。
意見6
平成21年1月26日付けで配付された「県立病院のあり方に関する基本構想」(案)を読み, これが沖縄
県職員の構成員で、しかも沖縄県の医療をリードしていく立場にある者あるいは組織によって作成され
た案であることに驚愕と強い失望を感じている。この基本構想案は独立行政法人化という名のもとに,県
立病院のもつ公的責任を放棄し、先進性に溢れた将来展望がまったく読み取れず、"沖縄県は公的医療を
ついに放棄したのだ…"というのが読み終えた率直な感想である。構想案の内容にも, 論旨に一貫性と整
合性がなく, 提案されている"独法化"にも"沖縄県の医療は独法化で大丈夫だ"と県民に納得、安心させ
るその根拠となる正確な情報を欠く部分が随所にみられる。
沖縄県民の一人として今回配付された素案にはまったく納得できず, 断固として受け入れることがで
きない。
①P52:委員の意見「非公務員型で行っていただきたい。~できるのかというのが、非公務員型を是とす
る理由です。
」
②P53:県は、市町村に対し、~市町村の県立病院経営への参画について、ねばり強く協議を行うべきで
ある。
③P55:イ給与制度の見直し
現在、病院事業は危機的な経営状況にある。~反映できる給与制度に改め、職員のモチベーションの維
持、向上を図るべきである。
①非公務員型では離島に人が集まるか、懸念を感じる。まず、非公務員型になった場合、県の職員では
なくなるので現実として離島における県職員住宅に入居できなくなる。県職員住宅は家賃月1万円程度。
しかし民間家賃は那覇の新都心並みの6万から7万円。誰が負担するのか?そんな高額の家賃を払ってま
で離島に勤務したいとは思わない。公務員であるから離島勤務を覚悟でき、離島手当てがあるから3年か
ら5年も長期間離島勤務も我慢できる。独法化したらおそらくその離島手当ても減らされて、将来的にな
くなるのではないか?独法化したら間違いなく離島医療は人材不足に陥る。離島にも民間総合病院はあ
りますが人材確保が難しく内科医が小児を診て、外科医が内科を診て、小児を診てというふうな状況を
知らないのですか?独法化して定数が増えても離島に人は来ませんよ。公務員でもないのにどうして何
年も離島勤務しないといけないのですか?県立でも人材確保はぎりぎりなのに独法化したらもっと厳し
くなりますよ。転勤の必要のない那覇市立病院の独法化と転勤のある県立病院の独法化では大きな違い
があります。民間と給料が同じで非公務員なら普通の人なら離島転勤のある県立病院にわざわざ就職し
たいとは思いませんよ。独法化して人事権の自由を持ったところで人が集まらないのですから本末転倒
です。離島における医療の質を確保、維持するには安定的な人材・資本の投入できる公務員型でなけれ
ばならないのです。
②そう思っているだけか?実際に市町村と協議しているのか?独法民営化の決議の前に県と市町村で協
議を行うのが先ではないか?公立久米島病院のように、全県立病院を公立病院化するべきだと思います。
③給与制度の見直しや年功序列問題などは病院事業だけのことではない、行政職を含めた沖縄県職員全
- 5 -
体の給与制度に言えることである。自分らのことは棚に上げて病院職だけの給料を減らそうなどとは言
語道断。給与制度を見直すなら病院職だけでなく県職員全体を見直すのが筋であり正義である。
意見7
P40(23行)、P52(26行~)、
(3)全般
県立病院のあり方検討部会による県立病院の経営形態の見直し独立行政法人化は、県民に医療サービ
スを提供する県知事の責任を曖昧にして、行政責任を放棄するものです。そのことは、医療サービスの
劣悪化を招き、県立病院を利用する患者や住民に苦痛と医療不安を与えることになります。
私がなにより云いたいことは、県民の「命・健康」医療のために日夜、心身を酷使し働いている医師、
看護師、薬剤師、技師、事務職員らの給与、諸手当等を削り、しかも欠員不補充のままでの処遇は、病
院現場における医療スタッフの意欲、信頼を失うことになりませんか。
病院経営の再建とか赤字解消の掛け声は、病院職員の給与、諸手当等にその要因を求めるのは誤って
います。国の医療政策や県の地方財政逼迫という国の財政事情による病院経営での赤字であって、その
要因をつくった国、是正できなかった県の政策、施策を検証すべきであって、経営形態を見直す方策で
は解決できないのは明白です。
意見8
・独立行政法人化には反対である。
・地方公営企業法全部適用してまだ間もない段階であり、拙速である。
・独立採算の強化で地域医療、救急医療体制が崩壊することが危惧される。
意見9
県が今進めようとしている病院の独法化は、病院の赤字を県の決算から切り離したいために提起され
ているとしか思えない。
県民の医療をどうするかの視点がかけており、県の財政赤字をなんとかするために医療をきりすてる
ことには、絶対反対である。
意見10
P50「県立病院長の統一見解」
実際に管理運営、診療に当たっている各病院長の「統一見解」は最大限尊重されるべきであり、それ
が現在、定期的に診療を受けている者の考え方とも一致する。
独法化や民間譲渡などは論外である。
意見11
”県立病院のあり方”について
継続的な医療提供体制を確保する上からも、現状維持をしてほしいと思います。
(理由)
①沖縄県は、全国一の貧乏県(労働者の時給が最低)
- 6 -
②医療の提供と経営は別の問題と考えます。
③沖縄県民全体が同一な医療を受ける為には、県が中心となり維持継続を図るべき
※医療機関の問題ではあるのですが、是非とも医療を受ける立場の方々の意見も集めてほしいと思いま
す。
例えば、広報などを活用しての意見を確認する事も大事な事と思います。
意見12
○P52(26行目)
(3)経営形態の見直しに関する決議全文
県立病院経営の責任を沖縄県から独立行政法人に変更するのは県民の医療政策を推進する主体として
あるべき県の立場から一歩後退するものであり、行政の責任を自ら放棄するものです。さらに医療行政
に効率主義、利益第一主義をとりいれることによって利益の上がらない患者は受け入れない、長期入院
患者の追い出しなどの医療崩壊の現状がより一層加速するのではないでしょうか。現実に治療費の払え
ない患者を公園に捨てるというショッキングな事件も本土ではありました。独法化されても不採算部門
などへの医療の提供という機能は維持すると言われていますが財政基盤の弱い市町村におしつけるもの
になっており、実現は期待できません。全国一低い県民所得、全国一高い失業率、老齢化の進行によっ
て行政で直接カバーしなければならない医療ニーズへの対応は効率主義、利益第一主
義の独法化によっては解決できないと思います。
○P55(29行目) イ 給与制度の見直しの項目文章全部
[私の意見]県立病院職員の給与削減・給与制度見直しは政府の医療政策切り捨て政策のツケを弱い立場
の職員に責任転嫁するものであり絶対反対です。
[理由]県立病院の赤字の原因を医療現場で苛酷な状況下で働いている医師、看護師、検査技師、事務職
員などの医療スタッフの給与の「高さ」のせいにしているのは疑問です。1980年代から国がうちだ
している医療費抑制策や2002年以降の診療報酬の連続マイナス改定、2200億円の社会保障費の
削減など政府の医療切り捨て政策にこそもっと目をむけるべきです。この結果全国の公立病院の8割が
赤字経営に陥っているのです。このような構造にメスをいれないで、現状でも長時間労働、サービス残
業においまくられ、健康破壊を強要されている医療現場の職員にこれ以上の犠牲を強要するものです。
実際に独法化に移行した病院では多くの派遣職員などの非正規雇用を導入しています。月収7~10万
ほどの低賃金、いつ雇用が打ち切られるかわからない不安定雇用と無権利状態、劣悪な労働条件を非正
規職員の皆さんにおしつけ、その犠牲の上にたった病院の運営をバラ色に描くことはできないでしょう。
また独法化移行の際、多くのベテラン職員が退職し、移行後同じ職場に新たにパートとして採用された
という事例とか、年齢の高い50代の職員がたくさんやめて職員がわかがえって当初の段階では人件費
コストの抑制はうまくいっているが今後平均年齢が高くなっていくと対策が必要になると病院当局が心
配している事例とかいろいろな場で報告されています。このような事例を聞くと、その非情でむごい仕
打ちに怒りをおぼえます。
医療をみずからのライフワークときめ厳しい現場で日々経験を積みかさね、ゆたかな実りの時季をむ
かえ、さらに医療の向上のためにその経験を発揮しようとするときに、コスト削減を名目にその方々を
きりすてているではありませんか。「県立病院のあり方検討部会」のめざしている方向は医療現場で働
く職員にとって人間らしい夢と誇りを打ち砕くものになっていると思います。
意見13
○第1-2(1)経営効率化の必要性
県民の医療の安心・安全を確保する為に離島県である沖縄県において県立病院(特に南部医療センタ
ー・県立中部病院)は医療の中心であるべきであり、医療レベルにおいても最高水準でなくてはならな
- 7 -
い。他府県ならば他県のレベルの高い医療機関も容易に受診する事が可能であろうが、沖縄県はその地
理的条件で他に行く事が出来ない。
従来そういった問題があって各地域に県立病院が配置され、その補完をするべく民間病院が自然発生
的に出現して来た。
それを今回、経済上の理由のみでこのシステムを破壊しようとしている県の一部のやり方に憤りを感
じる。
本来、医療は国民皆保険の設立とともに価格を国が設定して、それぞれに国・県及び市が予算を立て
て国公立病院を運営している。その財源は全て国民の出費によるものであり、国及び県はその責任にお
いて国民の出費した金で国及び県の判断で国民の健康を守る為に分配しているに過ぎない。であるとす
るならば、経済の問題は内部努力とともに不可能な部分は国に要望する問題であり、安易に民間に任せ
るべきではない。国は国全体の予算分配比を変えて医療部分に力を入れるべきであるし、県はその予算
でもって国に県立病院の無理をしている部分は補正するべきである。先ずその努力をするべきであって
今回の議論ははき違えている。
民間は国の設定した価格に基づき独自の判断でもって採算の合う分野をより安い費用でより良い内容
を提供しようと努力しているものであり、現在の国の設定した価格に収益性のばらつきのある状態では、
採算性の悪い部分は業務を取りやめるか、少なくとも力を入れないという事になる。
一般的に急性期医療はスケールメリットがなくては不採算となる価格設定となっており、慢性期医療
は小規模でも採算が合う設定となっている。人口130万人しかいない沖縄県では当然、急性期の高度
医療や効率の悪い離島医療は不採算になる。それを民間に任せてもやらなくなる。なぜなら、問題点は
国の価格設定にあるのだから。
では、県立病院には県民の為、出来るだけ良い高度医療を行ってもらい、国の価格設定の問題は国と
県とで運営出来る様に調整・努力して頂くのが筋であろうと思われる。
ちなみに、小児医療や産科の問題も国の価格設定の問題にしか過ぎない事を付け加えておく。
今後の対策として現在急激に悪化する世界的な経済不況の中、国は昨年まで削減しようとしていた医
療費を更に削減すると、どの内閣でももたない状況となっている。更に、経済対策としても国は如何な
る手段を講じても金をふんだんに流通させなければならない状況となっている。そして医療は打ってつ
けの分野である。となると県は国に対し県立病院の問題を時間をかけ説得し理解を得る努力を行う事が
一番大切と思われる。
意見14
○第1-2(1)経営効率化の必要性
全体に独法化しかないという形で案が作成されている。
一番の目的は経営の効率化という事であろうが、要は赤字をなくし黒字化を図る為に経費の巾で大き
い比率を占める人件費が問題という観点からすると結局、人件費を抑制する事が効率をよくする一つの
方法という事になってしまうのではないか。適正な人員が配置されるのであろうか。
政策医療、高度医療等で不採算になっている部分については、県が交付金として負担とう事だが、現
在の形態では県が負担する事は不可能なのか。収益性を高める為に必要な医療が切り捨てる事にならな
いか。南部医療センターの精神科病棟(身体疾患合併の方の為の)転換がその例ではないか。他病棟で
そこの患者さん達を診る事は可能だからとの説明であるが、それでは不十分だから新しい形の病棟を作
ったのではないか。不採算だから採算性の高い小児病棟に切り換えるというのは経営効率をあげる為、
不採算部門の切り捨てではないか。
経営効率をあげる為ばかりにとらわれた独法化には反対せざるを得ない。
- 8 -
意見15
○独立行政法人化を前提とした、議論のあり方に強い疑念を抱くもの。
現在の地方公営企業法全部適応の状態での十分な経営完全がなされていない。
運営形態を変えるだけで、病院経営が上手くいくとの幻想に基づいた基本構想となっていることは残
念。
その上での、改善策に信憑性が薄く、その実効性も期待できない。
仮に、独立行政法人化にして、採算を追求した場合に不採算部門の切り捨てが起きないことの保証が
ない。
すなわち、高度医療、救急医療及び周産期医療等の切り捨て、又は定員等の削減が行われる可能性を
完全に否定できないことに対する不安があまりにも大きい。
現在、他府県で見られる、「救急車のたらい回し」や「産科難民」が沖縄全域で起きても不思議では
ないと思料するもの。
独立行政法人化を急ぐより、現時点での大胆な経営改善を断行すべきであるという意見である。
意見16
○P9(19行~20行)「経営を効率化するためにも、地域連携機能強化は不可欠である。」
地域連携といって機能が分散してタライ回しになり、命の危険がふえるのではないですか。具体的に
現在の場合と分散(機能)した場合に予想される時間の遅れはどれくらいになると認識しているのか教
えてください。できれば、全国でも素晴らしいといわれる中部病院の機能を維持してほしい。
○P40(6行)
「必ずしも実施されないおそれがあるもの」
「必ずしも」とは結局は実施されないおそれがあるということでは。地方独立行政法人化にあたって
現在ある診療科目が減るのは確実と思いますがそういうことを説明しないのですか。
意見17
○あり方検討部会が結論づけた「独法化への移行」は、同時に検討されたネットワーク化等と同時に結論づけ
られるべきものと考えます。なぜならば、それらはすべて密接にリンクしており、どれひとつ欠けても
「独法化への移行」は不完全なものとなるからです。おそらくそう考えたからこそ、あり方検討部会で
も同時に議題にあがったのではないでしょうか。
特に、以下の2点については、基本構想(案)では何ら結論がでていませんが、その解決なくして「独
法化」どころか、公的医療の維持さえ危ぶまれると言っても過言ではないはずです。
1点目は、「適切な繰入」の確保です。一連の説明会でも明らかになったように、現在の繰入制度は
根本的な欠陥を抱えています。より適切に公的医療を補完できる実効性を確保できなければ、経営形態
にかかわらずいずれ行き詰まる恐れがあります。
2点目は、「市町村の経営参画」です。これも公的医療維持には欠かせない枠組みとは思いますが、
基本構想(案)では問題提起されただけで、一歩も前進していません。
最低この2点に確かな結論がでない限り、「独法化」は口にすべきではないと思うのです。そうでな
ければ、いたずらに医療現場や県民を混乱に陥れるばかりで、県民福祉の増進に全く寄与することもな
い無駄な部会であったという誹りを招くことにしかならないからです。
○県議会において、知事が「独法化は無理強いしない。今後現場の対応状況をみて判断したい」との主
旨の答弁がありましたが、現時点ではそれが妥当な判断だろうと思います。
今議会の様々なやりとりの中で、特に重要と思われるのは、独法化した場合、繰入金が確保されるの
- 9 -
かという県民等からの懸念に対しての、知事及び部長の、「これまで同様に適切に対応して参りたい」
との答弁です。「適切」という言葉を使う限り、現場の人間としては独法化には賛成できません。なぜ
なら、これまでも政策医療を執行するのに必要な繰入金要求に対し、離島ぞう嵩費等を査定し減額した
上で「適切」に繰り入れてきており、病院側としては、不足分をいたしかたなく一時借入でまかなって
きているのであり、その結果、100億円の資金不足を招いてしまっているからです。
このことからすると、前記の知事及び部長の答弁を鵜呑みにすることはできないことになります。政
策医療を任せる以上、最低限「適切」な対応ではなく、「確実」な対応を約束すべきです。
その上で解決すべきことは、これも議会答弁の内容ですが、「独法化しても政策医療にかかる経費は
負担する」という表現の持つ意味です。
言葉どおりとれば、政策医療に必要な経費は現在もすべて繰入金で対応されているようにとられてし
まいかねませんが、実はそうではなく、政策医療についてもまず医療収入でまかなわせた上で、もし赤
字が発生すればその赤字の部分だけ面倒みてあげますよという実に一般会計に都合のいいやり方なので
す。
これでは、政策医療だけしかやらない病院でない限り(そのような総合病院が存在しうるのかはなは
だ疑問ですが)赤字経営は避けられない構造なのです。
これもやはり、「政策医療にかかる経費は『すべて』負担する」ことを約束しない限り、独法化へは向
かえないでしょう。
これらを踏まえ、現場に根強い独法化への不安を一掃できるかもしれない提案をします。
それは、病院事業に先駆けて水道事業を独法化することです。
同じ企業会計であり、これまでの福祉保健部が行ってきた独法化の説明からしても何ら問題なく移行
できるはずです。
病院現場の不安の根本は独法化するメリット、デメリットがあまりに不明確なため、もしも失敗した
時の医療崩壊及び県民に与える不利益を危惧している点です。
そのためにも、安定した企業体質を有し、失敗の恐れがほとんどないと思われる水道事業をいち早く
独法化することでよきモデルケースを身近で示す必要があるのです。
おそらく、水道事業は独自の給与体系が自由に構築できることで喜んで独法化を受け入れるはずです
し、県も一挙に水道事業の定数(359人)が削れ、病院事業の7対1看護獲得のための新たな定数枠
を生み出すことができることとなり、まさしく一石三鳥の解決案となるのではないでしょうか。
独法化という手法が公営企業経営にとってバラ色の手法であるととるしかない説明があった以上、こ
のようなやり方も十分に検討に値すると考えますのでぜひご検討ください。
意見18
○県立病院の果たしてきた役割は非常に大きいと思います。
沖縄県内において離島及び僻地医療は非常に重要な行政の責任に帰属する事項だと一県民として考え
ていますが、県立病院を民間へ移譲した場合は県民の健康をどのように守るのか不安を覚える。
財政的な問題があるのであれば、経営的な努力を続けることはもちろん、人件費などを大いに議論す
ればよい。
(医師以外の職種で人件費が高いという事だろう)
県立病院の経営および存続はあくまでも県が責任を負うべきものであり、行政として一番重要視して
税金を注ぎ込んででも継続させるべきものである。
意見19
○県立北部病院に入退院を繰り返しの中でも県立病院の問題を新聞で見たとき、不安を感じました。思
った時、どうして中部、南部には、県立、民間の病院が多いのに対して北部、離島は病院が少ない、県
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は赤字化だけを見ているようで、県は、糖尿病の患者としていつも思う事は、メタボ対策だけが力を入
れている様に感じます、生活習慣病として言われている。糖尿病がメタボの影によって糖尿病の認識が
薄れている気がします、糖尿病に力を入れて、(患者、医療)医療費負担の削減を考える事も大事だと
思います。北部、離島だから医療が大事だと思います、理由として、北部には、(総合病院)2つしか
ないので特に国頭方面では、車で2~3時間かけないと病院に行けません。独立行政法人化、民間にな
って同じように赤字化になった場合、県はどうするのですか、県は医師、看護師、医療現場の直接の声
や県民として市民の声を聞いててほしいです、北部、離島、思いやり予算を考えてほしいです。
意見20
①P44「地方独立行政法人に移行した場合、不採算医療等に必要な経費は、~県が交付金として負担する。」
とあるが、これは現行の公営企業法による繰出規定と何ら変わらないのではないか。従来も繰出金の規
定に基づき予算請求していたにもかかわらす、財政課は財源が厳しいことを理由に必要額の繰出(又は
補助金或いは負担金・交付金)をしなかったこと等により、累積欠損金が増加し、今日のような資金不
足が発生したのではないか、と考えます。
従って、必要額を確実に規定に基づき県が負担(繰出)するよう義務規定化(条例等で)する必要が
あると考える。そうでないと、法人化後の事業運営が保証されなくなるのではないか、ということで県
民は納得しがたいのではないか。
②P53(12行目)「市町村も含めた地域全体で県立病院を支える体制を検討することが必要である。」と
ある。このことについては、理解できる。しかし独法化に向けた多くの県民の理解を得るためには、医
療審議会の県立病院のあり方検討部会の委員を大幅に拡大強化する必要があると思います。その為には、
北部、中部、那覇、南部、宮古、八重山の地区ごとの市町村代表、医師会代表、県立病院代表、市町村
議会代表及び県議会代表、病院事業局代表、福祉保健部代表並びに学識経験者等も含めた、真に県民の
意見を集約しやすいような委員会を再構築し、議論を深める必要があると考えます。
何故なら、戦後の沖縄の医療事情の厳しさを、多くの先輩達の汗と涙で克服し育ててきた、県立病院
の機能をより発展させ県民の医療を守るのは、県の責務であると多くの県民は考え、また県に期待して
いると思うからであります。
また、経営状況が悪いからと言って、簡単に独法化するのではなく、県立病院と病院事業局や知事部
局が一体となって、本気で経営健全化に取り組めば、希望の光が見えてくるのではないかと考えます。
暫く、病院事業局の進めている経営健全化計画の進捗状況を見極める必要があると思います。
③経費節減策の一環として提案すること(その1)
消費税は全ての最終消費者から広く薄く徴収する税であるという消費税法の趣旨に反し、病院事業の
場合は、病院が提供する医療サービスに必要な医薬品購入、医療器械購入、病院建設費、備品購入費等
に消費税を病院が支払っているが、医療費には消費税は課さないという国の政策により診療費に消費税
を転嫁することが出来ないため、病院経営を困難にしている一因であることに鑑み、現在病院事業者が
負担している消費税を還付請求できるよう、国に対し消費税法の改正を要請する必要があると考える。
マスコミ報道によると、国は財源不足を改善するため、近い将来(平成21年頃?)消費税率を12%
~20%程度に引き上げられるのではないかと予測しているようである。現行税率5%でも、沖縄県立
病院は平成19年度の支払消費税は2億7,850万円となっており、これが15%~20%に引き上
げられると、それぞれ8億3,550万円、11億1,400万円の支払消費税が発生することが予測
され、経営状況の厳しい病院事業は、益々経営困難に直面するのではないか。
経費節減の一環として提案すること(その2)
地方独立行政法人へ移行したと仮定した場合、職員共済組合法に基づく共済組合の長期給付(年金)
財源の一部である追加費用は共済組合制度が発足する以前の公務員として在職した期間に相当する年金
の財源を年金支給の翌年に追加して補填するものである。
平成19年度分として県立病院が地方職員共済組合に支払った追加費用の額は約10億2千300万
円(4月1日現在の職員給与総額の1000分の108.70に相当する額)となっている。県立病院
- 11 -
が地方公営企業法の適用となる以前の旧琉球政府時代の職員の在職期間に相当する年金財源を復帰後の
県立病院が負担する事は、理論的に矛盾するのではないかと思う。従って、他都道府県の場合、殆どの
県において追加費用は全額一般会計で負担しているのが現状のようである。沖縄県の場合は、数年前か
らその一部を負担しているようです。ちなみに沖縄県の平成19年度の追加費用負担額は約5億29万
7千円である。これは必要額10億2千300万円の僅か48.8%しか負担していない。今後は他都
道府県同様、追加費用は全額一般会計で負担するよう再検討する事が重要であると考える。そのよう思
い切った政策転換をしないと、経営健全化の前途はかなり厳しいのではないか。
意見21
○今回のあり方検討部会での議論は、病院事業の赤字を理由として、地方独立行政法人化ありきの拙速
な議論がなされており、沖縄県の医療をどうしていくのかの視点が不十分であると思います。確かに、
このままの病院事業の財務状況ではかなり厳しく、大幅な経営改善を行っていく必要はあるが、だから
といってこれまで県立病院が提供している救急、小児・周産期、離島、高度医療などの必要な医療サー
ビスを著しく低下させるわけにはいかないと思います。やはりもっと幅広く県民から意見を聴く場を設
けて、これまでの県立病院が沖縄の地域医療に果たしてきた役割を十分に検証しながら、今後将来の沖
縄県の医療提供体制をどうしていくのかを考え、同時に現在の病院事業の財務状況も検証し、本当に現
在の地方公営企業法全部適用で運営できるのか、それとも地方独立行政法人化しかないのか、また独法
化しても沖縄の医療提供体制に支障を来さないのかをもっと議論していく必要があると思いますので、
是非とも慎重な議論を求めます。
意見22
○P40 地方独立行政法人に移行する場合、~財務面の健全性を回復することが可能となる。
問題になっている100億円に達する資金不足を解決しなければ次のステップには進めないと思う。
それを地方独立行政法人に移行しなくても県が県立病院を必要ならば本気で資金を出してくれると思う。
それから、資金がないと新しい医療機器を買ったりして最先端の医療提供もできない。それと、老朽
化した建物の建て替えをしないと病院を利用している人や病院で働く人、入院している人達が危険な目
にあってしまう。
県立病院は県民にとってかけがえのない財産であり県民が必要としているものです。それから地方独
立行政法人に移行するにあたっていくつかの不安があると思います。
例えば
・365日、24時間患者を受け入れができるのか。
・離島医療、小児医療、周産期医療、がん医療を担えるか。
・公務員から非公務員になることによって給与の削減になるのではないか。
このような不安を解決しないといけないと思う。
県民の皆様が安心して利用できる環境作りをしていかなければいけないと思う。
意見23
この基本構想は県立病院のあり方を検討しているというよりは、独立行政法人化の可能性のみを検討
しているように思う。あり方を検討する以上は独法化もその可能性の一つとして検討されるのは当然だ
と思うが、それ以外の選択肢についても同様に検討される必要があるのではないだろうか。しかし、基
本構想では独法化のメリットばかりが強調されデメリットに関しての考察等はほとんどなく、他の選択
肢については触れられてすらいない。改革の必要性は疑いようがないが、その方法に関しては今一度時
- 12 -
間をかけて議論するべきである。
また、構想では改革の要因の一つとして繰入金増額による財政負担を挙げているが、独法化に伴って
約200億円にものぼる累積債務を一般会計で引き受けることも相当の財政負担になると考えられるが、
これをどのように解決するつもりなのか疑問である。財政負担を理由に改革を行いながら新たな財政負
担を抱えるのでは根本は解決しない。ただ、問題を先送りするだけである。さらに、効率的な運営体制
の構築や単年度の財政収支の黒字化に向けて経営形態の見直しをはじめとした組織改革を目指している
が、どのような組織形態を目指していくのかという具体的なビジョンがないし、赤字要因にも挙げられ
ていた給与制度に関しても方針が示されているだけで制度の設計は今後の研究課題でしかない。独法化
後の繰り入れも適切に行うと言ってはいるものの、どの程度が適切なのかという基準はわからず現場の
要求が取り入れられるかは不透明なままである。
以上のように私が問題であると考える点をいくつか挙げてみた。これら以外にも疑問の残る点はある。
基本構想というだけあって全体として細部を詰めた内容にはなっていないが、それでも具体的な施策等
が示されていいはずであるし、先にも述べたように独法化以外の選択肢も検討すべきである。病院事業
局も独自の再建計画を策定し、独法化反対の動きが県内各地で起こっている状況で、選択肢としての独
法化がどの程度県民の理解を得られるか疑問である。
意見24
○ここ1年で、たまたま、那覇市立病院と南部医療センターを患者として受診する機会があり、同じ公立
病院なのに、あまりの違いがあることに驚いた。端的に言えば那覇市立は独立行政法人化の勢いから民
間に近くスムーズで活力があり、南部医療センターはかつての公立病院、そのままの「堅さ」が目立っ
た。同じ感想は私の元で研修を受けている初期研修医からも寄せられた。
ところで、県立病院の今後について述べる前に、現在の沖縄の経済状況について私見を述べたい。
新聞報道でみるように、県全体の予算は年を追うごとに減っている。これには米軍の撤退から地政学
的に沖縄が拠点でなくなったことが影響している。もはや基地を担保に日本政府が振り向くことはなく
なっているのである。それは先日の地雷撤去に関して、国の「(予算は)検討さえしない。」という回答
からもはっきりしている。
沖縄の収入は直接、国から注ぎ込まれる予算以外にも、旅行会社の優遇、NHKの番組、芸能人の活躍な
ど、間接的な政府による投資があることを認識しなければならない。これら間接投資により、観光客を
呼び込み産業が成り立っている。
戦後、とくに復帰以来、こうした依存経済の中で過ごしてきたことを多くの県民は自覚すべきである。
平和活動が予算の獲得につながっていた。しかし、今、それらの優遇措置も削られつつある。それに加
えて、昨今の不況は、国の財政悪化を直撃した。観光や土木ほど不況に弱い産業はない。国債や地方債
の乱発、いずれインフレと物価高を招くだろう。
総じて、沖縄の経済を俯瞰するならば、強制的自立が促されており、その第1段階と言え、混乱はこれ
からさらにひどくなるであろう。米軍基地が退去したフィリピンのように、収入獲得に本土へ(今も昔
も)、外国へ出稼ぎに行く、そういう地域になるのであろうか。労働力たる若者は去り、ますます高齢化
と格差が進み、活力は失われ子供達の行き場はなくなる。そういう危惧がある。
本題に入る。
県立病院は上記の事情から、これまでのように赤字体質と中央省庁の命令からなる時代は終わり、地
域に応じた財政の健全化が求められている。那覇市立病院がいち早く独法化したのには理由がある。沖
縄は他県からすれば財政はあまりに潤沢であった。にもかかわらず、雇用を支えるためと称して支出が
あまりに多く、その県庁所在地である那覇市にいたっては、自ら「はこ」さえ建て替えることができず、
土地を民間に売り渡すという状況である。「新都心」に都市計画はなく、一般住宅があるかと思えば、
パチンコ屋があり、ショッピングセンターがあり、高層マンションがそびえ立つという、外人からみれ
ばこれが先進国かと疑われるであろう、事態となっている。一方では展示内容はあまりにも貧相だが、
外観は極度に豪華な美術館が中心に鎮座している。景観より、文化よりお金なのだ。
- 13 -
那覇市立病院は独法化で確かに活力が生まれ患者も増え増収となった。しかし、背景には上記の極度
に悪化した財政状況があったことははっきりしている。加えて、依然として公立であるという強みがあ
る。まず、理事長以下、主たる経営陣の給与が民間に比べ極端に安い。次に広報、人員確保で行政に後
ろ盾がある。無料で宣伝してくれるのだ。しかも公務員なので解雇はない。この不況下だから職員は安
心する。加えて、大学病院との連携がつよく、人件費の安い後期研修医が枠の規定がなく、いくらでも
雇うことができる。人事と給与の裁量権において、行政主導から現場主導になれば、これほど短期間で
も再生できることが実証された。逆に言えばこれらの権限がなければ再生は不可能ということになる。
先日、同病院の事務長のインタビューを読む機会があったが、これらの「シナリオ」は総務省(厚労省で
はなく)からすでに通達されており、現実の後押し、マニュアルと意欲さえあれば、多少の困難はあるが
「初心者」でも遂行可能であろうという印象を受けた。那覇市立病院が近隣の総合病院と比べ優位に立
つことは間違いない。
ただし、はたして現在のように低所得で経営に携わる者が今後も存在するだろうか、という問題はあ
る。かつての日本の税率のように、黒字枠の分配を平等にすることで成り立っているのではないか。こ
れではいくら働いても給料は等級制のままだ。いずれは部分的に歩合制を導入しなければならない。年
功序列制に飽きている若者も多い。このような運営は民間の経営者には相容れない。民間病院の経営者
は独法化した病院の経営者を高額で引き抜き揺さぶるかもしれない。したがって独法化は、いわば議員
のように、経営したいという個人の意志に加えて、選挙のような形をとりなおかつそういう者を育てる
ような組織を作らなければ長期的な存続はむずかしいだろう。
指定管理者制度ではどうであろう。仮に、県立病院、全体をある特定の団体あるいは個人が経営した
とする。その人、あるいはその組織は、まず人件費に手をつけるだろう。それだけでも黒字化が望める
かもしれない。さて、収益が出た。その収益は経営者が受け取るのであろうか。もし、それができない
とすれば、その者は経営を放棄するかもしれない。あるいは成功したのに次年度の契約金の安さに憤慨
するかもしれない。報酬が安ければ質の悪い経営者しかこないかもしれない。これではいつまでたって
も赤字は改善しない。それでも経営を続けようとする者、例えば、近隣の総合病院の経営者の場合、自
分の病院の収益をあげるために計画をたて、県立病院はいわば中継地点となるだろう。儲かる患者を自
分の病院に受診させ、赤字ではないがもうからない患者を県立におく、残った赤字の予想される患者は
他の病院へ行く。無論、赤字の患者を抱える病院は倒産する。結果、病院グループは巨大化し独裁的と
なる。医師の振り分けも技術の高い者ほど自分の病院へ配置するだろう。日本人は人件費が高いから、
フィリピン、カンボジア、バングラディッシュから看護師を雇おう。研修医はワーキングプア化し実際
それはもう起きており、組織は収益ばかりを気にして、公共性を顧みなくなるだろう。その際、最も打
撃を受けるのは離島医療である。指定管理者を募集した際に、われ先にと手をあげようとするその者の、
意志と理念を熟考しなければならない。性善説に頼ってはいけない。
以上から、公益性、財政の健全化を両方解決する手段として、条件付きながら独法化が望ましいと考
える。
精和病院についても、経営指針については総合病院と基本的に同じである。仮に、この病院が消滅し
た場合、これまで担ってきた、社会犯罪的患者の対策はどうなるのであろうか。刑務所は精神病院では
ない。
医療観察法ではまかないきれない、経営優先の民間病院が引き受けることのない、精神疾患の患者は
どこにいくのだろうか。住民が不幸な犯罪に巻き込まれた場合、誰が責任をとるのだろうか。
あり方委員会において、人事、給与裁量権のない、すなわち実質なんら経営権のない院長を責め立て
ても何の解決にもならない。責められるべくはこのような運営の形にしてしまった行政であるべきで、
それがすなわち国の形なのだ。しかし、行政の責任ばかり問う時期はすぎた。未来を考えなくてはなら
ない。
- 14 -
意見25
○沖縄県立病院で日夜県民の命と健康を護る為、一生懸命働いている皆さん、ほんとに頭がさがる重い
で、ご苦労さまです。私見で恐縮ですが、せっかくの意見募集ですので、一言申しあげたいとおもいま
す。
大きく分けて二つ、一つは経営、一つは医療。医療はそれぞれの専門分野で全力を尽くせば県民に報
いる事ができます。問題は経営、現在の経営の中身はよくわかりませんが、まず、経営に厳しい経営者
がいるかどうか?疑問におもいます。医者に事業経営をさせてはその会社(病院)は成り立ちません。
医者経営者が気の毒です。まして公務員仕事でこのような大きな組織の経営は無理です。厳しい経営の
出来る人材を県内外から求めるべきです。よく県の幹部経験者が県と関係のある所に再就職しますが、
これは避けるべきです。徹底した人員の査定と歳出の削減の出来る人でなければ経営はできません。あ
らゆる手段を駆使して歳入を確保する道を探し、これを実行できる人材を求めるべきです。事務部門の
充実をどうしてやるか?公務員仕事ではなく常に経営を頭において仕事をするように、意識改革が出来
るかどうか。経営のプロジェクトチイームを県庁やそれぞれの県立病院に設置して、徹底して洗い直し
をするべきでしょう。そのメンバーには弁護士や公認会計士等民間の専門家や経営に実積のある経営者
を入れたらどうでしょうか。
小生が経験した些細な事ですが、県立中部病院で知人が手術をして、経過が極めて良く、4~5日目
に退院を言い渡され、会計をしてお帰り下さいと言われ、1階の会計窓口にその旨申し出会計をしよう
としたところ、しばらく待つようにとの事、15分くらい待ったところ、書類が届いていないのでその
ままお帰りになってかまいません。追って請求書を送付しますので振り込んでくださいとのこと。驚き
ました。もし帰った後、支払わなかったらどうするのでしょう。回収するのに人、金、時間と余計な仕
事と不採算な事が増えるばかりです。このような事が県立病院で恒常的に行われているとしたら、未回
収金の累積が増えるばかりでしょう。その時の窓口の対応はきわめて自然で何の違和感もない何時もの
仕事のように感じられ、病院経営の厳しさをまったく感じられないものでした。
県立病院の経営の改革は待ったなしです。いつまでも時間はありません。この先県民の負担になるよ
うな事業は心を鬼にして勇断を下すべきです。この際、経営と医療をどうするべきか、真剣に苦悶して
下さい。各種審議会等に診られるお茶を濁すやり方とは決別して将来に悔いを残さない結論を望みます。
今回の準備された地方独立行政法人化の基本構想にそって、いやそれ以上に成果が上がる経営が実現
し、県民が安心して人生を送れるよう現職の皆さんのご奮闘を心から祈念申し上げます。
意見26
○離島の方の医療事情は知らないから県立病院を一律に独法化や民間移譲すべしというのは、一応避け
るが、本島内の県立病院については、民間の総合病院などの充実ぶりを勘案した場合、独法化や民間移
譲も、やむを得ないと思う。そもそも、公立病院の赤字体質の根本にあるのは、コスト意識の欠如だと
思う。就職してから10年くらいは、それほど賃金の差異はないものの、それ以後の賃金格差は異常な
ものがある。生涯賃金にしたら、民間に比べ、1億円は余計にもらっているはずだ。同様どころか、公
的機関で働く人の2割から3割増しの労働をして、年収は3割から4割は低いというのが、民間で働い
ている医療労働者の実態である。ここ4年間は、昇給もなく、ボーナスも約半分に減らされた立場から
言えば、たった3%の賃金カットでガタガタ言っている公務員の方達の行動は、まさしく、信じられな
いといったところである。経営が黒字であれば、まだ許せるとして、毎年、多額の赤字を出し、県民の
血税をつぎ込んでおきながら、贅沢をしようなんて、虫が良すぎるというものである。文句があるなら
さっさと辞めたら良い。公的機関で働きたい人はたくさんいると申しあげたい。人件費を大幅に引き下
げ(給与法なるものがあるから不可能に近いが)、医療機器や資材を徹底して競争入札にすることや、
耐用年数が来ても、まだ使えるものは使うなどの改善をするだけでも、経営の大幅な改善は見込める。
- 15 -
意見27
①病院現場と行政側の相互不信
現在県立病院の改革に当たって最も大きな障壁になっているのは、病院現場と行政の相互不信という
深くて大きな溝であると考える。病院現場の多くの職員は「独法化=医療の切り捨てあるいは民営化」
と決めつけ独法化への議論や検討に建設的に取り組まない。行政側からすると過去4度にわたる改革案
は、病院側の意向を含めたにもかかわらずことごとく有効ではなかった。今回「あり方検討部会」に病
院側が参加を認められなかったのは、その責任を取らされた形だが、病院側はその責任を十分には感じ
ていない。病院側はこれまでの改革案が有効ではなかったのは、民間病院のような医療業務に長けた事
務職を作り出せない行政側の体制の問題だと主張する。これでは責任のなすり合いである。
「あり方検討部会」は経営形態に関しては現行の全適でも限界がある、独法化すべきと薦めても病院
側は医療政策も検討せずして経営形態の議論に終始していると批判する。そもそも経営形態は改革のた
めの手法なのであって、病院側ももっと冷静かつ合理的に検討すべきである。医療政策の検討即ち県立
病院がどの様な医療をすべきか、は現場が考えるべきで、医療の内容まで外部の口出しを受けてはたま
らない、という考え方もある。
全適では定数条例の壁や議会対策の職員の給与、過去の職員に対する福利厚生費用の負担だけで数億
円の言わば無駄が生じていると聞く。政府の医療費抑制政策の元で病院は構造的に収益が少ない企業形
態になっている。より経営的に有利な手法を選択するならば独法化は自然の流れである。確かに独法化
して成功しなければ、次は指定管理者、公設民営、民間移譲という民営化の流れは存在するが、それは
各段階での失敗を前提にしている。独法化で踏みとどまって、県に必要な繰入額は要求して県立病院を
維持すべきである。
過去の改革案が失敗した責任は病院側、行政側共に認め合うべきであろう。相互不信をどうやって払
拭するか、実は妙案はない。知事が直接病院職員に語りかけるのも一つの方法だが、これまでの経緯を
みるとどれだけ信じてもらえるか望みは薄い。独法化へ向けて県立病院全体の意志統一が難しいならば、
独法化で上手く行きそうな中部病院や南部医療センター・こども医療センターだけでも独法化を急ぎ、
他に範を示すのも一法である。その場合院長の強力な指導力が問われるが、どこからその人材を確保す
るかが鍵だろう。
②給与費比率の問題
病院経営において給与費比率が50%前後でなければ経営が成り立たないというのは、常識のレベルら
しい。ちなみに県立病院では約70%である。この問題の解決無くしては、健全経営はない。その意味で
も独法化して賃金体系を職能給に変えねばならない。しばらく全適下で運営するにしても職員一人ひと
りに財政を考えながら仕事をしなければ自分の給与が減るという危機意識を持ってもらわねばならない。
その危機意識が共有できれば、自ずとどうしたら医業収益が増えるかを一人ひとりが考えながら行動す
るようになるだろう。
具体的にはまず初年度は人件費比率が60%(60%が厳しければ65%でも良い)まで給与を減らす。た
だし、基本給等の根幹部分を減少させると勤労意欲が減少し大量離職者が出る可能性があるのでボーナ
スで調整する。ボーナスとは元来業績が良いから出るのであって倒産寸前の企業がボーナスを支給出来
るはずがない。
まず職員一律20%のボーナス減で計算する。目標額に達しない場合は役職に応じた減給を設定する。
院長は100%、副院長は90%、部長は80%などである。それでも目標に達しない場合は一律部分を30%に
引き上げる、など職務の責任の重さに応じた減給を考えるべきだろう。
③看護師の大量離職の問題
独法化する最大の目的は定員条例に縛られずに看護師を採用し、7対1看護を目指すことである。その
ことによって過重労働からの改善を図り看護師の定着率を向上させるべきである。ただ離職者が大量に
出る原因は、過重労働だけではない可能性もあるのでワークショップなどの全員参加型の集会を開き広
く意見を求めるべきであろう。新たな問題点はそこから見えてくるかも知れない。
④後期研修医の減少問題
前期研修医に関しては、中部病院の伝統などがあり未だ魅力的な環境にある。しかし、専門的な研修
- 16 -
を中心とする後期研修に関しては、いまや全国に競争相手の病院はあまた存在するので県立病院だけで
対抗するのは無理がある。沖縄の場合どの病院でも規模は中程度で症例数にも限りがある、所詮大都会
の大規模な病院に負けてしまう。ただ幸いなことに沖縄は初期研修のグループが群星、Ryumic、
県立病院群と纏まっていて、それぞれのグループも交流を望んでいるので、県医師会の力を借りて沖縄
県が一体となって後期研修医さらには沖縄に長く居てくれる医師を作り出す努力をすれば、解決可能で
あろう。要はそのための人・金・物を具体化して取り組むことだろう。
⑤南部医療センター・こども医療センター改革(以後医療センターと略称)
私の記憶によれば、平成19年度の決算では6病院全体の赤字額の約半分は医療センターが生み出してお
り、減価償却費も全体の約半分は医療センター分である。この病院が改革できるか否かが県立病院問題
の大きな鍵を握っている。
まずこの病院で成功した部分である。何と言っても小児心臓外科部門、今や日本でも有数の実績を上
げている施設になっている。大人の心臓血管外科部門も症例数からすると成功しているし、心奇形の子
ども達が将来大人になった場合の継続治療を考えた場合必要な部門であるが、同時に手術に関連する職
員の過重労働を生み出している部門でもある。更に自らの過重労働のために、手術はしても忙しさにか
まけて診療報酬をきちんと請求できていないという情報もある。また成人部門の手術件数が多いため小
児の心奇形患者が待機させられている現状もある。大人の心臓血管外科部門は近隣にも手術可能な病院
はあるので、他病院との連携が必要と考える。
周産期部門も成功している。麻酔科医も他の県立病院に比べ多くいるので手術室が使用できればいつ
でも緊急帝王切開が可能である。外科系を総括的にとらえると、手術室が7室しかないので他施設で手術
できる成人部門は縮小してでも子ども部門を重点化すべきである。医療センターは小児、周産期、循環、
を重点に特化すべきではなかろうか。
残された課題は救急と精神疾患をどう位置づけるかである。救急に関しては、改善案を2つ提案した
い。一つは、他施設との診療日の棲み分けである。久米島病院が土曜日に通常診療し、日・月曜日に休
診しているのはその一例である。二つめは他の公的病院即ち那覇市立病院や沖縄赤十字病院との連携で
ある。例えば脳外科医や小児外科医をセンターに集約する、耳鼻科や眼科、泌尿器医を那覇市立や赤十
字に集約する。そして必要時にはお互いが往診体制で診療に当たる。
身体疾患を伴った精神科疾患患者をどう位置づけるかであるが、病床数が足りないのは理解できる。
しかし、精和病院が非常な財政難に苦しんでいる事からも明らかなように、この部門を拡大するには非
常に財政的負担を伴う。現時点で優先すべき事項かどうかは高度に政治的判断に委ねるべきである。ま
た精和病院がどう改革されるかとも深くかかわるので、現時点では言及が難しい。仮に優先するとして
取り組むならば、この部門だけのコストをはっきりとさせて取り組まねばならないと考える。県立病院
が不採算部門も抱えないといけない理屈はわかるが、明らかに多額の負担を要する部門を抱える場合は
そのコストをしっかりと把握して特別な予算措置をすべきであろう。これは、精神科部門に限らず言え
ることである。さもないと努力と工夫で適切な繰入金で運営できる他の部門まで殺すことになる。
○おわりに
日本国中で起きている自治体病院の赤字、あるいは公的病院の崩壊を考える時私にはある情景が脳裏
に浮かぶ。設計に問題がある港に巨大客船が入港しようとして座礁し、多くの人々が海面に投げ出され
て救いを求めている。集団災害が発生しているのである。その時にこの港の設計が悪かったと議論して
いる場合であろうか。その議論はもちろん大切であるが、今すべきことではない。国や県の医療政策の
批判だけに奔走するのは、そのようなものである。
さて港の岸壁には幸いにも多くの人がいて救出を始めようとしている。しかし、残念ながら一度に多
くの人を救出できる船やボートは近くにない。あるのは10メートルばかりの縄の付いた浮き輪がいくつ
かあるだけである。救出しようとする人は今盛んに浮き輪を海面に向かって投げている。救出される側
の人はその浮き輪まで自力で泳いでいかないといけない。海面に投げ出された際に持っていた、自分の
財産を入れたトランク(既得権)を後生大事にかかえたままで救出を待っていては助からないかも知れ
ない。
国も港の設計に問題があったのかもしれないと気づき始めている兆しはある。しかし、集団災害のす
べての被害者を救うだけの財源があるわけではない。既得権を打ち捨てて自力で浮き輪までたどり着く
- 17 -
努力をした者だけが救出されるのではなかろうか。
良き指導者とは、現在の状況を解りやすく説明し、今何をなすべきかを全員に指し示すことのできる
人である。現状を批判するだけで皆を暗い気持ちにするのではなく、努力すれば明るい未来があると信
じさせることができる人である。県立病院にその様な良き指導者が出てくる事を望む。
意見28
○まず県立病院が沖縄県の医療に果たして来た役割を否定するものではありません。むしろこれまで県
立病院の果たしてきた役割機能を継続発展させていくにはどうしたら良いのかとの立場からコメント致
します。県立病院の経営改革をしなければ数年の内に県立病院は経営的に破綻をしてしまう恐れがあり
ます。「あり方検討部会」の委員全員が共通して認識していることです。病院長の要望である人事権、
予算面での自立性、経営環境の変化に迅速に対応出来る運営体制を実現するには全適では困難であり、
経営形態の変更で実現が容易になるものと思われます。独立行政法人での運営形態でうまく行くのだろ
うかとの問題提起はいずれも感覚的、感情的なものであり、独立行政法人を正確に理解しているものと
は思われません。疑問点については「あり方検討部会」委員の意見として基本的にはすべて回答済みで
す。「基本構想」(案)に対して反対している方は反対ありきで「あり方検討部会」の議事録や(案)そ
のものを精読していないか、理解するのを拒否しているように思われます。
自ら独立行政法人を選択した那覇市立病院や数年前に独立行政法人化した国立沖縄病院の意見は貴重
です。両病院とも独立行政法人化して良かったと評価をしております。
沖縄県の財政構造から毎年85億~100億の一般財源からの繰入は不可能であり、早晩県立病院の
財政破綻は逃れることは出来ないと考えます。一般財源を大量につぎ込んでもほとんどが人件費に消え
ていくような体制では改革にも限界があります。県立病院の機能を維持し継続的に発展させていくには、
「県立病院のあり方に関する基本構想」(案)に提言されている県立6病院を一体的に独立行政法人に
運営形態を変えていくのが最も適切だと考えます。
意見29
○看護師及び附属職員の給与は一般病院の水準にもっていくべきである。赤字の原因は附属職員の固定
給に問題がある。給与及びボーナスは一般では考えられない高給である。
○給食、トイレ介助、入浴まで正看が行うのは職域がはっきりしていない証拠で、資格のない普通の職
員で充分であり法律で規制することはない。
○人事権及び収入の収支は院長に責任を持たすべきであって人事権を別の職責が持って赤字だ赤字だと
いうのは、効率があがらず問題で能率的ではない。
○医療は政治の第一の生命であり無責任にのがれることはできない。
意見30
○未だ手つかずの部分があると思い意見します。それは売店です。
現在は互助会が運営している様ですね。互助会の職員さんが制服を着て接客しておりますが、ありが
とうございましたの一言も無い、対応がとても悪い。職員互助会と売店とは切り離すべきだと思います。
売店の売り上げもかなりの利益があると県民は知っております。
たしかに夕涼み会等の行事も職員互助会主催で行われている様ではありますが、このような莫大な赤
字がある以上、絶対に見直すべきだと意見いたします。
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意見31
①P33(10行目~)精和病院の役割
精和病院の役割についてですが、2つのニードについて、他の民間精神病院で担えないか、データー
を出して、民間精神病院の院長たちに聞いてみるのもいいかと思います。特に、精神科救急は、あちこ
ちの病院で行なおうとしていますし(実際、行なわないと精神病院の経営は成り立たない現状)、触法
患者さんに関しては、金武の国立病院が担おうとしています。児童思春期及び薬物依存などは、精神科
と同時に他の科(内科とか小児科)などとの密な連携が大切かと思います。
南部医療センターに、精和病院の機能(一般科との連携が強く求められるもの)を合併し、再度、精
神科合併症病棟をつくることは、「単立の精神科病院で出来ない機能」を担えると思います。触法患者
や治療困難例は、国立病院に機能を移して。
②P25(30行)
中部病院の病床稼働率も高いが周囲の同じ機能の病院の病床稼働率も高いということで、中部病院の
地域における「公的病院」としてのニードもあると判断できますが、例えば、北部地区では、「救急指
定病院」は2つあって、確かに北部病院の病床稼働率は高くても、もう一つの病院の稼働率が低ければ、
そちらと合併ということもあっていいかと思います。北部地区医師会病院との役割分担が見えにくいで
す。
③P9(26行)
人件費が66%と言うのは、やはり高すぎると思います。しかし、その人件費を一律に見るのではな
く、もう少し、どこが高いのかを検討しないといけないかと。新聞報道であったように単純に医師の給
与を下げてしまうと、ただでさえ、医師が集まりにくい状況では難しいでしょうし・・一般的には、収
入の10%が医師人件費と言われています。
○改革は大変だと思いますが、今は、民間のどの病院も「自分たちの役割」を模索して頑張っています。
県立病院が、本当に、民間ではできない医療を支えるなら、公的病院としての役割、存続の意義がある
と思います。がんばってください。
意見32
○P56(31行) そのためには、病院における医局の役割が非常に大きいと考える。病院医師の中に病院
の経営を考え改革を企画する組織を作り、改革を進める必要がある。また、問題意識のある経営幹部の
登用を図り、~
P57(14行) 平成20年度において3.8億円の経費節減が見込まれるなどの成果を上げており、このよ
うな職員の動きを積極的に広げていくことが大切である。
その他に病院の各部署の意見が反映される主任会議の様な組織の中に病院改革委員会を組織して問題
の洗い出し、解決を図る必要があります。
○P58(1行) なお、繰入金について、県は、一般の病院では担えず、県立病院でしか出来ない政策的
医療を洗い出し、各県立病院の費用負担の実情を考慮した算定方法及び経営努力にインセンティブを与
える算定方法等を研究するとともに、~
1 病院の職員一人一人が意識して、改革するための組織を作らなければならないと思います。管理職
の意見を進めるのではなく、内部の意見を集約し実施していることが管理職の姿であり、本当の改革に
なると思います。
- 19 -
2 最近の新聞報道によると、身体合併症をもっている精神疾患患者の病床を廃止して、一般の採算の
あう病床へ再編しようとする南部医療センターの記事が載っています。
また小児の発達障害のある児童を支援する小児精神科の医師が退職します。この様な医療は県が支え
なければならない政策医療と考えます。政策医療を県立病院長は本当に考えているのでしょうか。政策
医療の確実な洗い直しが必要だと考えます。
意見33
1 経営全般について
既に独立行政法人化した、独立行政法人国立病院機構沖縄病院、琉球大学付属病院の姿を見ていると、
経営改善や医療の質向上が垣間見えるように思います。消えていった施設はむしろ乗り遅れて、そのま
まの形を維持しようとして破綻したのではないでしょうか(ただし、国立がんセンターなどのNational
center の独立行政法人化には反対、いまでも研究費が欧米に比べ少ない,研究費の補償がなく研究がで
きなくなったら、日本の医療には進歩なし)
。
経営形態の変化について、ここでさらに詳しく意見を言うつもりはまったくありません。かりに、経
営形態が変化したとしても、他人に責任を押し付けているばかりの方が多い現状をみると、他の施設は
いざ知らず、当院は自己変革や経営改革をしない限り破滅への道をたどるだけです。
一部の医師には問題があります。また、一部の事務方の能力にも疑問があります。是非、事務方の能
力の向上やあるいは多能化を考えるべきでしょう。
看護部は、業務改善にかなり取り組んできていますし実績もあります。他職種にアピールするために
発表会が開催されていますが、他セクションより参加するものはほとんどいません。医局や事務部門誰
一人として参加しないのが現実です。改善の知恵が共有されていません。看護部では職場の雰囲気作り
ための取り組みも行われています。できる限り他職種も応援協力が必要ですが、なかなか浸透していま
せん。
7:1 看護を初め、薬剤指導管理料、最新放射線治機器(IMRT)など、人手が十分であれば、本来請求
でき収益増につながるものが全く請求できない現実もあります。
薬剤指導管理料は一入院あたり平均6000 円前後増収あるいはそれ以上が見込まれるでしょう(total
は6000 円×年間述べ入院患者)。IMRTに関しては、フルに稼働して本来の請求であれば年間6000 万円
増です。今後、どのくらい働きたいと思う方を引きつけることができ実際働いてもらうことがでるか、
鍵になりそうです(働く環境の整備、魅力的な病院造り)。
一方、将来的には急性病院での5:1 看護も噂される中、看護師の供給体制はどうでしょうか。5:1
看護が始まれば看護師の取り合いが起こることが予測されます。琉球大学保健学科の卒業生は当然琉大
付属病院に吸収されるでしょう。沖縄県立看護大学の卒業生が県立病院に就職してくれるかどうか、県
内の看護学校の卒業生が勤務してくれればよいのですが。懸念されます。
情報共有のためのツールとしてイントラネットがある程度整備されていますが、あまり活用されてい
ないようです。
一刻も早くクリニカルガバナンスを確立する必要がある職場だと思います。
2 役割分担と再編について
診療技術の向上には、多くの症例を経験することが必要です。沖縄県は圧倒的に症例数が少ないです。
症例によっては、全県合計しても、非常に多い症例を経験している本土の1 施設の件数にかないません。
集約化が必要と考えます。
南部医療センターの小児循環器科や小児心臓血管外科の成功がよい例だと思います。また新しい技術
を学ぶためには、国内留学や海外留学する必要があります。それを実現させるためには、集約化して人
員の確保が必要と考えます。そうでなければ、従来どおり新しい技術を持った医師を一本釣りしていく
しかありません。いずれはその技術も陳腐化する恐れがあります。以前、診療二人体制の中で、数箇所
のブランド病院で短期研修を受けさせましたが、結局ものになりませんでした。思うに短期間では見学
者扱いになってしまうからでしょう。
集約化のデメリットとして、アクセスが悪くなることが懸念されます。その対策には、どちらか一方
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を分院化し縮小しますが、窓口を空けておいて外来なり救急に対応し、入院・手術は本院でという形をと
れば、解消できるのではないかと考えます。
さて、離島にすべての診療科の24 時間救急体制が必要かといわれれば、これは疑問です。救命処置が
必要な外傷は、外科や脳外科の治療が優先される場合が多く、規模の小さな診療科単独で大急ぎで処置
しないといけないことは極めてまれでしょう。
すべてが医療費抑制のためと必ずしも申しませんが、国は在宅医療を推進しています。その対象は大
半の方が高齢者でしょう。離島も高齢者が多いです。高齢者には特有の問題がつきまといます。少ない
診療科医を有効利用するためにはネットワークなり再編なり集約が必要と思います。今後大いに議論す
る必要があります。
意見34
○南部医療センターへの希望点
救急車を使用しない急患について、午後の紹介が困難ですが、いかがでしょうか。
意見35
○P26(16~17行)
民間医療機関に対するアンケート調査では、小児医療、周産期医療、精神科身体合併症において、極
めて高い評価を得ている。
P29(6~8行)
この他、南部医療センター・こども医療センターは、第1種感染症指定医療機関、エイズ治療拠点病院、
へき地医療拠点病院、地域災害医療センター、精神身体合併症医療機関として、南部保健医療圏又は県
全体の拠点病院機能を担っている。
P29(20~21行)
また、公立医療機関として、児童思春期精神医療や、薬物依存症治療、南部医療センター・こども医
療センターで行われる身体合併症医療の後方支援など、民間医療機関では提供が困難な精神医療分野を
担うべきである。
P30(24行)
今後、児童思春期精神医療や、薬物依存症治療、南部医療センター・こども医療センターで行われる
身体合併症医療の後方支援など、
精神科医療に従事し、精神身体合併症治療のあり方に関心を払ってきた者です。今回出されている「県
立病院のあり方に関する基本構想(案)」の中で従来謳われていた精神身体合併症医療に関する方策が
示されていません。今後とも県の政策医療として継続されていくべきであり、下記の下線部分の追加修
正を要望致します。
○県立病院のあり方検討において、地方独立行政法人化が提言され、その中で精和病院については指定
管理者制度への移行可能性が留保されています。
P29にあるように今後の精和病院が「公的医療機関として、児童思春期精神医療や、薬物依存症治療
など、民間医療機関では提供が困難な精神医療分野を担うべきである。」とされています。また、精神
身体合併症医療も県の政策医学的課題であり続けます。そのような役割は指定管理者制度では不可能だ
と思います。提言されている施策を本当に実現していくことを明示した構想案であることを要望致しま
す。
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意見36
(1)P26(16~17行)
民間医療機関に対するアンケート調査では、小児医療、周産期医療、精神科身体合併症において、極
めて高い評価を得ている。
(2)P29(6~8行)
この他、南部医療センター・こども医療センターは、第1種感染症指定医療機関、エイズ治療拠点病院、
へき地医療拠点病院、地域災害医療センター、精神身体合併症医療機関として、南部保健医療圏又は県
全体の拠点病院機能を担っている。
(3)P29(20~21行)
また、公立医療機関として、児童思春期精神医療や、薬物依存症治療、南部医療センター・こども医
療センターで行われる身体合併症医療の後方支援など、民間医療機関では提供が困難な精神医療分野を
担うべきである。
P30(24行)
今後、児童思春期精神医療や、薬物依存症治療、南部医療センター・こども医療センタ ーで行われ
る身体合併症医療の後方支援など、
と改められたい。
(1)平成20年8月に福祉保健部が民間精神科医療機関に対し行ったアンケートにおいて、南部医療セ
ンター精神科は連携先、満足度、離島へき地支援、触法患者受け入れ、合併症患者受け入れ等の項目で
高い評価を得ており、今後のあり方についても合併症、触法患者の受け入れ、離島へき地医療の領域に
おいて南部医療センターが充足するべきとの意見が圧倒的多数を占めている。
個別意見においても、「南部医療センターの今後のあり方に期待」「合併症患者様の受け入れ機能を県
立南部センターで高めていただきたくおもいます」「19床全てを精神科病床として1看護単位にすれ
ば沖縄県の精神科医療の発展に貢献する」「県立南部医療センターは現在どうなっているのか」「救急状
態の患者の引き受け先は県立総合病院の精神科」「合併症病棟や触法患者、離島医療は民間ではスタッ
フ確保も難しい」「南部医療センターについては早急に合併症病棟を正常な状態に戻せるように人員の
再配置を行うべき」などの要望が多数寄せられている。
南部医療センター身体合併症病棟は、アンケート時点で当初の計画の半分にも満たない5床での運営
を強いられていたにもかかわらず、同時期に(精神科以外の)一般医療機関に対して行われたアンケー
トで小児・周産期医療に寄せられた期待を上回る評価を得ているのであるから、当然文言に盛り込まな
ければ片手落ちであろう。
(2)前回(平成15年)のあり方検討では、基本構想案13ページに示されている通り、精神科身体
合併症医療は民間医療機関では対応困難な特殊医療として位置づけられ、具体的には南部医療センター
(当時の呼称は高度多機能病院または新那覇病院)で将来担っていくことが盛り込まれていた。
ところが、今回の案では現に南部医療センターで行っている身体合併症医療の位置づけが抜け落ちてし
まっている。これでは今後合併症医療を放棄するのかと言われても仕方ないのではないか。
あり方検討の過程では、第2回議事録30ページで久田参事が当日の資料6に基づいて言及しているよう
に、合併症病棟は病院存続の一要件として認識されている。また、委員からも「南部医療センター・こ
ども医療センターが一番困っている。身体合併床の治療を良くする仕組みをもう一回考えてみてくれ(恩
河委員:第3回議事録16ページ)
」「南部医療センターの精神科を是非充実してほしい(石川委員:同)」
「都道府県立病院に求められる医療・・・身体合併症の対応も必要です。身体合併症は南部医療センタ
ーで対応していると聞いています(伊関委員:第4回議事録12ページ)」などと必要性を指摘されてい
る。現時点では看護師不足で5床だけの運営を強いられているが、多数の合併症診療実績を有し、精神
科救急システムにも参画し、すでに県内では精神科身体合併症医療の最終医療機関との認識が定着して
いる。このような機能を構想の中にしっかりと位置づけることが必要であろう。
(3)前回のあり方検討で盛り込まれていた当該(下線部)の機能が、今回の案では削られている。確
かに南部医療センターの身体合併症病棟が診療を構築していく中で、精和病院での広報受け入れ機能の
- 22 -
整備は立ち遅れていた。しかし、人員の派遣などを通して一定の支援を行っていたのは事実である。
これは、精和病院が身体合併症医療への支援をしないことにするという意味か?あり方検討の中では
そのような議論があったとは聞いていないが、納得のいく御説明をいただきたい。
意見37
○30ページ「
(3)精神科医療の新たなニーズへの対応」
25行目 精神保健福祉士の採用などにより~
私たちは沖縄県でメンタルケアを行うことを目的としたNPOです。
県の精神医療供給体制で立ち遅れているのは精和病院の精神保健福祉士ばかりではありません。臨床
心理士も精和病院で一人採用になっているが、まったく不足しており、他院からの応援要請に応えるこ
とができていません。他に南部医療センター・こども医療センターで二名採用されているが、正職員で
はないため雇用継続ができなくなっています。
これは県の職員定数が限られているために、新しい職種が採用できないためです。精和病院や他院で
臨床心理士の採用を増やすとともに、独立法人化を支持する理由として「医療補助職の充実」を明記し
ていただきたいと思います。
意見38
1)各地域の基幹病院(総合病院)と精神科医療(精和病院)はそもそも治療構造も利用者特性も全く
異なるものである。それを経営危機で5病院と一緒くたにした、独立法人化は乱暴な話である。他の5
病院とは別に改めて別の場で検討されたい。
2)「精和病院の医療機能等の見直し」の中で・・、児童思春期精神医療や、薬物依存症治療など、民
間医療機関では提供が困難な精神医療分野を担うべきである。・・としながら独立法人化の元に指定管
理者制度(?)あるいは民間譲渡を話題にしているのは矛盾している。公立病院から離れたところでは
精神科の離島診療、医師確保等様々の場面で支障を来すことは誰が見ても明らかである。このような形
での民営化は反対。指定管理者制度とは私立化と同義語と感じられるので・・。
3)あり方検討部会で精和病院問題を俎上に載せるのにその部会に一人の精神科医も居ないことがそも
そもおかしい!
4)県には、精神保健及び精神障害者の福祉に関する事項を調査審議し、知事の諮問に答え、またその
ことに関し意見を具申する「精神保健福祉審議会」が有る、そこでの審議を全くしないで、あり方委員
会(しかも精神科専門医が居ない)で検討されるのもおかしい。
5)人件費比率を云々されているようであるが、今長期在院患者を社会復帰させようとするときでさえ、
PSWの一人も要員に置かないで、更に他のパラメも十分にないところで、アップツーデイトの効率の
よい医療、採算も取れる医療など出来る訳がない(私立病院では、PSW・OT・PT・CP・介護士
など必要に応じてそれぞれかなりの人員を投入して医療の追求・経営努力をしている)、県が率先して
行わなければならない在宅医療・地域医療・社会資源作りについても何一つ範を示して、というと言い
過ぎか・・現場のスタッフに責任はない。そもそも採算より公立病院の担うべき医療を追求(マンパワ
ーも機材にも予算を付けないで)してきた結果の人件費だけの突出(他に投資しなければ沈滞した人件
費率のみ高く出る)ではないか?今のままでの官製医療では十分医療は出来ないで更に赤字が増えるの
は当然で、投資すべき所に投資し十分活躍させた上での赤字は県民に貢献しているのであれば認められ
ることである(県の予算は県民のお金である事は言うまでもない)。本来の公立病院精神科が担うべき
精神医療を追求すべきではないか。
#精神科医療の独自性を検討し、県民のための精神科医療を是非「公的・・・」と言う言葉が残るよう
な形で追求されたい。」
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意見39
Ⅰ.P29(18行~21行まで)
平均在院日数を100日以下を目処に短縮し、病床規模のダウンサイズを図るべきである。公的医療機関
として、児童思春期(後略)
Ⅱ.P47(36行)からP48(2行)まで
1床当たりの入院収益が低い一方で、医業収益に対する人件費率等は高く、地方独立法人化したとし
ても大幅な改善は困難であると想定されることなどから、指定管理者制度を導入すべきであるとの意見
があった。
Ⅲ.P48(2行か~6行まで)
同制度を導入した場合、…精和病院が提供している医療機能を継続できるかに懸念が残るとの意見が
あり、検討部会としての結論を得るに至らず、…同病院の今後の経営状況の推移などを勘案し、県にお
いて、最終的な結論を出すべきあるとの認識を確認するに留まった。
Ⅰ 平均在院日数100日以下へ短縮し、病床規模のダウンサイズを図るべきとの意味するところは、精和
病院が精神科救急医療を中心に行うべきであるということに等しい。現在の精和病院の施設状況は旧来
の収容型施設のままであり、現在の状態では実施不可能である。ハード面の改善に加え、精神保健福祉
士やコメディカルスタッフの増員が施設基準として必要である。このような精神科救急医療を主体にし
て経営体質が向上すれば公的な側面がより明らかな児童思春期、薬物依存等への対応が可能になると考
える。
Ⅱ この意見は精神科医療では経営形態の変更では収益増加の大幅な改善は見込めないとし、その上で
指定管理者制度を選択するということは、指定管理者制度にすることで人件費を抑制をすべきであると
言っているのに等しい。正に経済的視点のみから「指定管理者制度」が主張されている。精神科病床の
単価が低いのは国で政策的に規定されているからであり、人件費率の高さは他の公的精神科病院も同様
な状況にある。
Ⅲ この意見は機能の継続性に懸念が残るとしながらも、指定管理者制度への移行を示唆している。し
かし、「経営状況の推移を勘案して、最終結論を県に委ねる」としているのは、指定管理者制度が限り
なく公的医療の部分を切り捨て、民間的経営にならざるを得ないという懸念からこのような中途半端な
答申になっていると言える。これは県が公的病院として何を引き受けるべきなのかという基本的な命題
を後回しにして、ひたすら経営的観点を最優先に議論を始めるからに他ならない。公的病院としての役
割を明らかにし、そのためには精和病院がいかにあるべきか、そのためにはいかなる機能を有するべき
かを議論することからスタートすべきであり、その上で限られた資源をどれだけ受け取れるか、そのた
めにはどの経営形態になるべきか議論すべきである。県が公的に行う精神科医療に関して明らかでない
のならば、まずは精神保健福祉審議会等に諮問すべきであると考える。
わが国の精神科医療は政策的に長く入院中心主義で行われてきた歴史がある。精神障害者に対する施
策で福祉的側面の遅れを精神科医療が補ってきた経緯があり、そのために入院単価が抑えられている。
従って、歴史の長い病院ほど長期入院患者が増える理屈となる。当院はそれに加えて、対応困難な触法
患者や治療抵抗性の患者を多く引き受けてきた歴史があり、これらの患者に行き場がないというのが実
情である。その治療には人的資源がより多く必要とされるにも拘らず低い単価のままに据え置かれてい
る。現在、精神科医療は政策的に急性期志向、脱施設化という転換点にある。当院はそれに対応するハ
ードの整備が遅れたことは否めない。地域での受け皿や福祉もまだ充分に対応出来ていない。民間は経
営的な観点も考慮しつつ自ら受け皿を整備し国の施策に対応している。公的病院においても迅速な意思
決定と相当の投資が可能となるシステムが必要である。政策医療が何かは曖昧となってきているとは言
え、やはり公的医療は今後も必要なことは明らかである。限りなく民間的な経営となる恐れのある指定
管理者制度はぜひとも避けるべきであると考える。
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意見40
○P47(36行)~P48(6行)の文言:精和病院への指定管理者制度の導入
県立精和病院への指定管理者制度の導入は本県精神保健福祉行政の破綻につながる。県立病院のあり
方に関する基本構想(案)で再三触れている文言「措置入院」=「知事による行政処分」に支障が生じ
るためである。要措置入院者が発生した場合、知事は県立精神科病院、もしくは本県が指定する民間精
神科病院に入院させなければならない。しかし、精神科病院には要措置入院者を受け入れる義務は無い。
そのため、入院中の処遇困難が見込まれ退院後の受け入れ先が無い要措置入院者は、入院受入を忌避さ
れる傾向にあり、県立精和病院が最終的には受け入れ先となる。県精神保健福祉行政の担当者として、
県の一機関として存在する精神科病院は必須と考える。また、精神保健福祉法19条の7により、県立精
和病院への指定管理者制度の導入は法にもとる。宮古病院精神科、八重山病院精神科が設置されている
から法的にはクリヤーされていると考えるのは法が期待する趣旨に反する。必要最低限の規模で設置さ
れた離島の2病院が県全域をカバーする精和病院の機能を代行できるわけがない。
役目柄精和病院と頻繁に関る者として当該病院が入院患者を意識的に抱えているとは思えない。端か
ら見ても病院側としては可能な限り入院患者の社会復帰を目指して取り組んでいる様子が窺える。入院
患者の中には他者への暴力行為が収まらず、常時保護室に隔離しなければならない者もいる。社会防衛
上、あるいは帰住先が無く、退院させたくても退院させる事ができない患者がいる。これをどう退院に
結びつけるか独り精和病院だけで解決するには大変困難な問題も有る。「あり方検討部会」として病院
現場に足を運んで実状を検証したらどうであろうか。
「部会」の議論の深まりを契機に6県立病院が院長を先頭に全職員一丸となって更に経営改善に取り組
む意欲を見せている。公立病院特例債の融資と県費の繰り入れでとりあえず赤字補填の見通しは立った。
6県立病院及び多くの県民が挙げて望む現行の「公営企業法全部適用」経営形態を維持できる環境は整
った。病院事業局と6県立病院は相連携して安定した経営基盤の確立に努め、以て県民に最良の医療を
提供して貰いたい。
意見41
平成20年11月11日の沖縄タイムスに県庁職員の投書で「精神科医医療は公立を維持を、措置入院の担
当部署は入院先の病院の確保に四苦八苦している現状である。特に処遇困難な措置患者は入院させる場
合、民間の病院では受け入れが不可能な場合が多い、結局最終的には県立病院に受け入れてもらわざる
をえない。」を読んで、医療観察法のある現在、私が在職していた十年以上前と余り変わらない印象を
持った。
一方精神障害者の社会復帰施設は着々と増え改善されている。在職中処遇困難な入院患者の入院要請
を県から度々受けた。県は入院決定する権限を有し、入院させる義務を負うので、県立病院は満床でも
何とか工夫して措置入院に応じざるをえません。沖縄県の他病院で入院中事件を起こし、入院先の見つ
からない患者、また措置入院中で病院で対応困難となり転院を余儀なくされた患者等々、県を通じて入
院を受け入れた経験がある。その他処遇困難な患者は、その時に応じて県や民間病院と協力して対応し
てきた。
精和病院を中心とした県立病院の精神科医療を抜きにして、財政論だけで、精和病院の民営化を図る
と将来に禍根を残すと思う。
意見42
○P5 1指定管理者制度導入に関連した主な委員意見
基本的には、県立病院は一体として独法化する。ただ、精和病院に関しては、指定管理者制度の導入
も考える
県立精和病院は、以下のように今日まで沖縄県の精神医療の「要」「最後の砦」としての機能を十分
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に果たしてきた。
①精神科救急医療システムの輪番制度において、土・日・祝祭日・年末年始の夜間対応は精和病院が一
手に引き受け、入院、外来受診数が圧倒的に多い。そのことにより、精神障害者や県民が365日・24時
間、安心して地域生活が送れるようになった。
②治療困難者を積極的に受け入れてきた。
③民間病院が敬遠しがちな経済的に困窮し、未収金が予想される患者を受け入れてきた。
④心神喪失者等医療観察法においては積極的に鑑定入院を受け入れてきた。また同法における指定通院
施設として運用に貢献してきた。さらに将来的には指定入院施設としての機能を担っていただきたい。
※このように、県立精和病院は、民間の病院では対応が困難な医療を提供しているので、現行の形態で
存続すべきである。さらに必要なマンパワー(看護師・精神保健福祉士等)を充実させるため、管理者
(院長)には相当の裁量権を付与すべきものと考える。そのことが本県における精神医療・福祉・保健
の底上げにつながってくると思われる。
※追加
南部医療センターの精神合併症病棟の他科転用は精神障害者にかかわる団体として、大変遺憾に感じ
るところである。
意見43
①P26(16~17行) ~民間医療機関に対するアンケート調査では、小児医療、周産期医 療において、
極めて高い評価を得ている。
上記の部分を次のように訂正することを希望します。
「民間医療機関に対するアンケート調査では、小児医療、周産期医療、精神科身体合併症医療におい
て極めて高い評価を得ている。
」
<理由>
身体症状、精神症状共に重症の患者さんの治療ができる医療機関は沖縄本島内においては県立南部医
療センター・こども医療センターだけであり、多くの精神科身体合併症患者が救われており、そのよう
な患者さんを抱えた単科精神科病院は大いに助かっております。
②P29(6~8行) ~第一種感染症指定医療機関、エイズ治療拠点病院、へき地医療拠点病院、地域災
害医療センターとして、南部保健医療圏又は県全体の拠点病院機能を担っている。
上記の部分を次のように訂正することを希望します。
「・・・、第一種感染症指定医療機関、エイズ治療拠点病院、へき地医療拠点病院、地域災害医療セ
ンター、精神科身体合併症医療機関として、南部保健医療圏又は県全体の拠点病院機能を担っている。
」
<理由>
身体症状、精神症状共に重症な患者さんは、これまで沖縄本島内においては治療ができる機関がなく、
放置され、同じ県民でありながら差別されてきましたが、県立南部医療センターに精神科病床が設置さ
れることにより多くの命が助かっております。精神障害者に示した沖縄県の人道的姿勢は県医療行政の
誇りだと思います。
③P29(12~13行) ~、中核的な役割を担ってきた他、民間精神科病院では対応困難な触法患者や、治
療抵抗性の患者を多く受け入れてきた。
上記の部分を次のように訂正することを希望します。
「・・・、中核的な役割を担ってきた他、民間精神科病院では対応困難な触法患者や、治療抵抗性の
患者、結核合併症患者、離島精神保健医療支援等を担ってきた。
」
<理由>
精神症状が重く、排菌性結核を合併している患者さんを受け入れることのできる機関は県内では県立
精和病院だけです。
離島の精神科医療については過去には多く貢献しており、今後も必要になると考えます。保健所に協
力して離島の巡回診療も長期にわたって続けております。
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④P29(20~21行) また、公立医療機関として、児童思春期精神医療や薬物依存症治療など、民間医療
機関では提供が困難な精神医療分野を担うべきである。
上記の部分を次のように訂正することを希望します。
「また、公立医療機関として、児童思春期精神医療や薬物依存症治療、南部医療センター・子供医療
センターで行われる精神科身体合併症医療の後方支援など、民間医療機関では提供が困難な精神医療分
野を担うべきである。
<理由>
県立南部医療センターの精神科身体合併症病床は5床のみであり、多くの患者さんを受け入れるため
には短期入院にならざるを得ず、後方支援病院として県立精和病院を位置づけることにより、よりよい
治療ができると思われる。
意見44
○15億の追加予算、医師給与削減への取組合意などを見ていると、風は全適のまま事業健全化を図る
という方向へ吹いているように思えます。これまで何故この様な具体的なアクションが起こせなかった
のかをしっかり考えて、当事者として責任を持った改善計画の実施を期待しています。
組織改革は現場の痛みを伴うものですが、県民(国民)も様々な形で痛みを共有しています。県民(国
民)が納得できる組織改革を実現して頂きたい。全適を維持しつつ組織改革を図るという道を現場が選
択するのならそれはそれで構わないと思う。しかし、県民(国民)に判りやすい形でその経過報告を逐
次やって頂きたい。今回どのように決着するかより、今後も継続してマスコミは県立病院の組織健全合
理化を追い続け、県民(国民)はそれを常に厳しい視線で見続けるという、今後の「あり方」がより重
要であると思う。
意見45
○今、構造改革必要性が叫ばれる中、民は官より効率良く、人件費に見合う有能な働きをする良質な要
員に恵まれていて、要員に対する給与人件費も、市場原理に基づき、理を観るに妥当な人事システムを
とっていて良いことこの上ないという言明が多くの識者によってなされているところです。この傾向が
現下におかれます県立病院改革の趣旨目的として、資料「県立病院のあり方に関する基本構想(案)」
中、申していませんが、背景上、基論中はあらかたが、以上に申しました民営化政策に基づくものとみ
なされると思います。
夕刻のニュースなどは、よく213億の県立病院事業全体の赤字が、県立南部医療センター・こども
医療センター設立開院によるものが債務事案7割を示すとしています。政治の光を当てようという代議
士の意思はおそらく、私心の上でやましい事のない内は、私達は、皆さんのすべてを知っているという、
政治家にありがちなマインドにより、容積率、見栄えとも無駄な新施設の竣工が、大きな負荷となって
います。それを、南部医療センターが好収益だったにも関わらず、友愛会への譲渡、離島設立の総合病
院としての中核機能の矮小化する中での独立行政法人化という本末転倒な事態に、さしあたっては、精
神、心身の故障を伴う者への医療サービス提供という特別職公務員にも勝る、県立精和病院運営にも、
どうこの流れが影響するかが判らない状況であるのは不安の種子となっています。
自身は個人としては、給与費比率の高さについての言及にも気をそそられるのですが、沖縄では、手
に職をつけた人の比率が高く、競争が激しいのですが、男性の場合、その類例上どの職種に人材が集中
するかというと、建設業、木工、設備工等となって、人材の奪い合いが著しいところです。この就労の
状況を観て、他職種も考えて欲しいというのは雇用開発施策上、自由ですが「この職種は、今行くと良
くない」という宣伝に用を成すものとして、表1-4医業収益に対する費用比率(病院事業全体)を作
成したとすれば問題は多いと思います。看護という職業は、配偶者に結婚の状態を反故にされても、子
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育てと暮らしが成り立ち易い業種なので、男性をあてにしていない方には気楽なところもあると思いま
す。
この資料の問題提起の核となっているのは、そのあたりで、まさしく、全国化か、全国に見習いたく
ない前例が多く、全国化せずとするか、という話しになると思います。銚子市や北海道での公共医療機
関見直しの現状というものが現状であるからです。
沖縄は提唱してもらいたいと思います。行政法の教科書に、準特別職公務員という準則上公務員が無
いのですが、一応それをやろうという事で、全国に真逆する先例を開拓ください。
意見46
○よくある表現でありますが、県立病院はあらゆる立場の病気の方々の最後の砦と思います。県立は他
の民間の病院とは性質が違い、たとえ赤字経営であっても民間病院ができないことをする使命があると
思います。その中には、採算のとれない事も多々あるはずです。
新聞で拝見した混合病棟にしても、他の病院ではできない治療でしょう。県立病院が十分な医療とサ
ービスを提供する為には、県からの支援が不可欠と考えます。県立病院そのものが経営的努力をするの
は必要ですが、他の民間病院も県立病院の意味を十分に理解し、表向きではなく協力していくことが不
可欠です。
県民においても、特別な事情がないかぎり医療費の滞納は許されない事と認識しなければならないと
おもいます。払えるのに払わない方には、民間同様に厳しく対応してよいと思います。取り立てに対し、
公務員が何を言う!・・・のような抵抗は通用しないでしょう。多額の滞納者に対しても、患者さんを
目の前にすると見捨てられないのが県立病院の最後の砦たるところであり弱みでもある。
沖縄は離島が多く、医療の不安と隣あわせが日常と簡単に想像できます。また、隣接する県がないの
だから、県内の充実が絶対に必要です。それから、人口も限りがあるのだから、県からの支援はやはり
不可欠ではないでしょうか。
内地に行ってみると、沖縄は中心部に病院が集中しているようにも感じます。救急車のたらいまわし
はない・・・とありますが、入院患者さんが転院する時、民間病院は利益にならない患者さんを請け負
わず、受け入れざるを得ない県立病院にまわす・・ということも耳にしました。県立ばかりにものをい
うのではなく、連携というなら他の病院へのしっかりとした指導もしていただきたい。
私の接する県立の医療現場の方々のほとんどは、とても熱心でご自分の仕事に忠実であるように感じ
ます。ただ経済的な現実のなか、看護師・ソーシャルワーカー・臨床心理士他必要な方が不足して心身
とも疲れていらっしゃるようです。十分なスタッフを配置することは医療の充実につながり、おのずと
病院自体も成長していくと思います。人が人を治療することを忘れてはいけないと思います。多額の赤
字は確かに改善するべき問題ですが、医療の人への投資についてもを今一度考えてはどうでしょうか。
思うままに書きましたが、すべての県民の安心のために、県立病院が十分な医療を続けられるように
県からの支援を願っています。
意見47
○P55「他の公立黒字病院と比較して医業収益に対する費用比率が高いのは給与比率が高いのが大きな要
因」
意見としては、全く同感です。しかも、沖縄県立病院の場合、民間病院の医療技術職の給与と比較し
て かなり高い給与水準と思います。
以前、沖縄県立病院で働いていましたが、給与が高いのにもかかわらず、患者さんのいる中庭で組合
が抗議活動をしているのをみて残念に思いました。
「県民は冷や飯を職員はすき焼き」をという状態でした。組合側は、県民の理解をといいますが、新
聞でも一人あたりの給与水準はあまり報道されていないように見受けられます。
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また、院長クラスの発言をみても給与改定に関する具体的なプランは持っていないように感じます。
数年前に福祉事業団の民営化の際、職員が辞めたかというやめていない職員はたくさんいます。彼ら
と話す機会もありましたが、依然、他の民間より高いから辞めないとの弁でした。
よって県立病院も給与を20%くらいは下げても看護師の確保はできると思います。
県民の税金を有効に使うのが真の公務員精神だと思います。(個人的なことですが、沖縄県立病院時
代よりも年収は3割減です。しかし、公的病院としての役割を果たそうという意識は現在の公立病院の
方が高いと感じてます)
意見48
○「県立病院のあり方検討部会」では県立病院の多様で高度な医療機能の地域医療に果たしている”県
立病院でなければ”果たせない重大で幅広い役割について評価し、議論の結果の内容について情報開示
し、県民の判断を仰いでよいのではないか。
新聞報道から知り得る範囲では”独立法人化ありき”の議論しかしてないように見える。
各病院長と県病院事業局が信頼し合い、膝を交えて経営健全化に努力する事から始めてほしい。
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