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カースター 加圧力 ガーニッシュ カーベンチ カーボン絞り カーボンヒーター

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カースター 加圧力 ガーニッシュ カーベンチ カーボン絞り カーボンヒーター
カースター
サルジグ方式。
か
カーボン絞り
外 板板金の絞り作業においてカーボ
ン製の棒を使う方法。カーボンは炭素
(元素記号は C)。炭素からできている
ものには炭からダイヤモンドまである
か
カースター
が、加熱するための道具としてカーボ
【CARSTAR】
ン製の棒を使用している。一時、溶接
米国の車体修 理 工場ネットワーク企
機またはスタッドの機能として付属し
業の先駆け。1989 年創立。全米に直
ていたが、いまでは銅電極での加熱が
営工場とフランチャイズ工場を多数展
一般的である。
開。米国では比較的新しい形態で、フ
カーボンヒーター
ランチャイズ工場はカースターからの
カーボン発熱体
経営ノウハウを利用して工場運営。入
カ ー ボ ン ラン プ( カ ー ボ ンファイ
焼結体ヒーター
会費用は 5 千ドル、売り上げの 5 ∼ 7%
バー電球)
の年会費を支払う。
乾燥機のヒートエレメント、または、そ
加圧力
れを装着した乾燥機。近赤外線の短
スポット溶接機の溶接条件。チップの
波から中波、遠 赤外線の長波まで幅
両側でパネルをはさむときに、加圧力
広い波長が得られるため、素材などの
により密着させて、その状態で電流を
条件に合わせて効率よく乾燥させるこ
流し、溶接部が冷えるまで維持するこ
とができる。また、立ち上がりが比較
とで溶接ナゲットを強化、品質を維持
的早い、などの特徴がある。カーボン
する。特に高張力鋼板は大電流を必要
ヒーターの発熱体の種類には①板状
とするが、そのためには高加圧力のガ
と②スパイラル状がある。板状タイプ
ンが必要になる。加圧力が足りないと、
は、石英管にプレート状のカーボンと
多量のスパッタやナゲットヤセが生じ
セラミックスを複合した発熱体
(焼 結
る。
体)
。消費電力はハロゲンタイプよりも
ガーニッシュ
少なく、発熱体も長寿命である。2000
【Garnish】
年代に入り、注目が高まった。
自動車の内外装に取り付けられた装
飾品の総称。車では内装、外装を問わ
ず装飾用パーツ一般をいう。内装では
木目模様をプリントしたインストルメン
トパネルを
「木目調ガーニッシュ」
、ヘッ
ドライトまわりを縁取るメッキ部品を
「ヘッドライトガーニッシュ」
と呼ぶ。
カーベンチ
【CAR BENCH】
86
カーボンファイバー
【Carbon Fiber】
炭素繊維。
CFRP
1967 年創業のイタリア・カーベンチ社
カーボンブラック
のベンチ式ボデー修正装置。ユニバー
黒を発 色する着 色顔料。いわば墨で
BSR-IK
カーモール
カーメンテナンス
カーボンルーフ
主要な仕事である事故車の修理だけ
2010 年 12 月、富士重工業がスバル・
ではなく、ボデー外装・内装のメンテ
インプレッサ WRX STI tS に採用し
ナンスをメニュー提案することは、集
た CFRP 製ルーフの呼称。自社の航
客の手段となる。車体修理工場にとっ
空宇宙部門で培った技術をもとに東レ
ては、2002 ∼ 2003 年 あたりから軽
と共同開発したもの。
補 修 をきっか け にディテーリングメ
カーメーカー
ニューなどを加えて、トータルでのメン
国内のカーメーカーが、ボデーサービ
テナンス提案をするところが出てきた。
スに着目したのは、主に 1970 年代後
まとめてノウハウを提供する業者も生
半からである。カーメーカーでそれ以前
まれ、2002 年 10 月設 立の ユー・エ
から取り組んでいたのは、本田技研工
フ・リンクは 2003 年、軽補修、脱臭、
業や東洋工業
(現・マツダ)
。ホンダは
車内クリーニング、カーフィルムなど 6
直営工場の SF
(サービス・ファクトリー)
種のカーケアサービスをメニューにし
があり、さらに海外へのサービス資料
た FC チェーン
「uf(ウフ)」を展開し
提供の必要性があった。マツダも中古
ている。同年、出張メンテナンスと合
車の商品化工場を持っていたことなど
わせて展開を図るチェーン
「カーメンテ
が背景にある。いずれも車体修理をし
クラブ」が登場している。カーメーカー
ていたことで、情報提供が必要だった。
もメニュー化が進み、トヨタ自動車は
トヨタ自動車は 1978 年 10 月に、サー
2003 年、
「10 ミニッツサービス」を展開
ビス部内にボデーリペアグループを設
した。メニューは 10、施工時間の目安
置し、寸法図や修理書での情報提供
は 10 分、コストは 500 円程度という、
を開始している。1980 年 2 月からは
短時間、安価なシステムで、メニューに
全国で初のボデーリペア講習会を開
は、車内クリーンメニュー(消臭、防ダ
催した。このときのテーマは、
ドアアウ
ニ、抗菌)、虫対策
(虫ガード、虫取り)、
ターパネルの取替であった。前後して
雨対策
(油膜取り、ガラスコート、ミラー
他のカーメーカーもボデーサービスへ
コート)
、ホイールクリーンなどがあっ
の注目度を高め、こうした動きは同時
た。いまでは、カーメーカーはほとんど、
に、カーデーラーの内製化の促進にも
各種メンテナンスパックに何かしら取
つながった。いまでは、カーメーカーで
り組んでいる。
車体修理分野に着目していないところ
リング
はなく、さまざまな形での情報提 供、
カーモール
資格制度や技術大会、研修、さらには
ショッピングモールの自動車業界版。
デーラーの工場運営に至るまで、広範
1987 年 8 月には、仙台市に全国初の
囲な支援活動がおこなわれている。そ
カーモールとなる
「オートランド 21」が
うしたノウハウは海 外へも移植され、
設立された。車 検、板金塗装、防錆・
世界規模での技術競技大会も開かれ
美装、外車販売、カー用品、電装ショッ
るなどしている。
プ、コイン洗車、レストラン、ビリヤー
ボデー修理書
技術競技大会
軽補修
か
ある。
ディテー
ドなどが1ヵ所に複合化された施設と
なっている。
BSR-IK
87
外資系損保会社
か
外資系損保会社
つ。内容は、会社方針や理念、社長の
外国資本の損害保険会社。1996 年 4
顔写真とコメント、業務内容・設備機
月、改正保険業法が施行され、外国の
器材料・技術力・作業工程・作業場・
保険会社の自動車保険分野への参入
事務所などの紹介、会社沿革・会社概
が 許可された。また販売方法の緩和
要・工場資格・外観写真・地図・連絡先・
や料率政策の変更があり、保険業界
営業日/時間など。会社案内は活用し
は劇的な変化に見舞われた。外国の
てこそ意味がある。事務所に飾られて
損害保険会社の募集方法は代理店を
いる程度では充分ではない。
使わない電話やインターネット方式で、
回生
保険商品もリスク細分型で、カーオー
エネルギーを回収して、再利用する技
ナーにとっては値ごろ感のあるものと
術。HV/EV などで使われる。たとえ
なった。また、新規参入のため、指定
ば減速時および制動時の運動エネル
工場
(認定工場)ネットワークを構築す
ギーを電気エネルギーに変えて回収貯
ることになり、車体修理工場から注目
蔵して再利用する。
「エネルギー回生」
、
を集めた。多くの外資系保険会社が自
88
「回生ブレーキ」などの表現でも使用さ
動車分野に一挙に参入したものの、米
れる。
国オールステート損害保険は仙台地区
改正大気汚染防止法
でのトライアルだけで本国の方針によ
「改正」を接頭語にして法律を呼ぶ場
り 2000 年 1 月に撤退、英国ロンドン
合は、改正されたバージョンを示して
保険も 1998 年 12 月、リスク細分型直
いる。この場合の正確な名称は、
「大
販ロイヤル・ダイレクト保険で参入した
気 汚 染 防止 法 の 一 部を改 正する法
ものの、2002 年 10 月には撤退を表明
律」
。2004 年 5 月に国会で可決成立、
している。
2006 年 4 月に施行された。光化学ス
外資系塗料メーカー
モッグの原因となるオゾンやオキシダ
海外資本の塗料メーカー。自動車補修
ント、SPM の生 成 原因である VOC
用塗料を扱っているのは、
デュポン
(米
の排出抑制を主な目的にしている。大
国)
、
BASF コーティングスジャパン
(ド
規 模業者は法 律で規制し、中小、零
イツ)
、
アクゾノーベルコーティング
(オ
細規模は自主的な取り組みにより削減
ランダ)
、ピーピージー・ジャパン
(米国)
するベスト・ミックスの考え方が盛り込
の各社。すべて本体は総合化学会社
まれている。なお、大気汚染は、自治
であり、塗料はそのうちの一部門。
体により条例で規制されている場合も
会社案内
ある。
車体修理工場の営業ツールとして、基
解体業者
本的なアイテムの一つ。一般客 確保、
自動車解体事業者。米国ではジャンク
元請け先開拓、求人活動には不可欠な
ヤード
(Junkyard)
。使 用済み自動 車
ものである。サイズは A4 判、あるいは
から有価物を取り外し、回収・販売す
それを 3 つに折ってポケットサイズに
ることを主業務とする事業者。実数は
折りたたんだものが多い。A4 判は公
把握されていないものの、全国でおよ
式なもので、ポケットサイズは事務所
そ 5,000 社といわれ る。
自動車リサイ
に置くだけでなくポスティングにも役立
クル法により、解体業者は市区町村の
BSR-IK
外板板金修正指数
ながら正確な面出しができる。表面を
工場が自社で使用するために廃車から
研磨すれば、へこんでいる箇所には色
部品を外す行為についても解体とみな
が残っている状態になる。この塗る材
される。
料、もしくは作業そのものをガイドコー
解体部品
トという。ガイドコートのパウダー化は、
廃車、事故車から外したそのままの
1996 年発売の住友スリーエムの
「ドラ
パーツ。中古部品として流通するもの
イガイドコート」
に始まる。
か
首長の許可が必要になった。車体修理
もある。
ガイチャート
【Guy Chart】
カナダの修正装置メーカー。
のちチャー
トに社名変更。車体修理工場近代化
の初期の頃に、国際自動車興業が床
式修正装置「プルドック」を輸入販売し
た。のち
「フレクスライナー」
が開発され
た。
外注
アウトソーシング
(Outsourcing)
車体修理工場で、外注するのは自動車
❷新車生産においては、上塗りと同系
ガラス交換とラジエーター修理が主な
色
(または共色)の中塗り塗装をするこ
ところである。整備認証工場ではない
とをガイドコートと呼ぶ。
場合は、エンジン脱着や車検、メカ点
外板
検、近年は電子部品の点検も加わる。
また、処理できない仕事量が来たとき
アウターパネル
①ボデーの 外 側に位 置 するパネル。
や、板金か塗装かどちらか一方だけを
〔例〕フェンダー。②表と裏のパネルで
中心に仕事をしている場合は、同業者
構成されているパーツの表側。
〔例〕ド
間でもやり取りをすることになる。反対
アアウターパネル。しばしば、板金作
に、カーデーラーからの仕事は、カー
業および塗装作業の対象になるパネ
デーラーにとっては車体修理工場への
ルである。
「外板パネル」という表現は、
外注になる。外注している内容を自社
「板」=
「パネル」であるので、厳密には
で内製すれば、利益になる。
正しくない。
ガイドコート
外板板金修正指数
ブラック・コート
外 板の板 金修正に関する指数。自研
❶面出し作業の補助ツール。下地の研
センターが 1980 年に補修塗装指数と
磨作業において、パテおよびプラサフ
ともに発表、試用、検討のあと、1987
の表面に、①エアゾール缶入り
(スプ
年に完成、1988 年の指数テーブルに
レーガンでも良いが手間がかかる)の
掲載された。作業範囲は、損傷の確認
黒のラッカーを吹き付ける、または②
から、ポリパテ 1 回で仕上げられるレ
黒色のパウダーを塗る、などしたあと、
ベルまで。対 象車両は一般的な乗用
表面を研磨することで、凹凸を確認し
車、RV、ワンボックス車。作業者は外
BSR-IK
89
開放型ブース
か
板板金修正作業経験 3 年以上。この
架橋剤
指数の算出は、①面積判定、②難易度
化学反応型塗料の硬化剤。メラミン樹
ランク判定、③付属品脱着作業の参考
脂
(焼付、ポリエステル、アクリル)
、イ
時間確認の順に進める。①と②をもと
ソシアネート
(ウレタン)、ポリアマイド
に指数テーブルの表により数値を求め
アミン
(エポキシ)
、カルボン酸などが
る。面積は d㎡で計算する。難易度は、
ある。架橋剤には、メラミンやカルボン
損傷の程度、位置、部品構造で判断す
酸のように 120℃や 150℃で反応して
る。パネルごとの計 算になるが、1 パ
塗膜を形成するタイプと、イソシアネー
ネルに複数箇所あれば面積は合算し、
トやポリアマイドアミンのように主剤と
四捨五入は合算後にする。難易度は一
の混合によって反応して塗膜を作るタ
番高いランクを選ぶ。
イプなどいろいろある。
開放型ブース
架橋反応
給排気ファンを備えるものの、内部を
樹脂が手を結んで 3 次元構造の強固
密閉するための壁を備えていない塗装
な塗膜となる。ウレタン反応もその一
ブース。カーテンで周囲を覆うタイプが
つであり、主剤のアクリルポリオールと
一般的で、塗装以外の作業場としても
硬化剤のポリイソシアネートが手をつ
利用できる。
ないで反応することを、橋を架けること
に模している。
主剤
硬化剤
硬化剤と反応
界面活性剤
表面張力を低下させる物質。塗料の添
塗膜
加剤や、ハジキ止めの成分として使わ
れている。表面張力とは、水滴が丸く
架橋密度
膨らむように、表面積を縮めようとする
塗料 全体に占める架 橋反 応の割合。
力のことで、界面活性剤はこれを弱く
これが高いほど硬度が高まり、塗膜性
して、表面に延びた状態にする働きが
能が良くなる。
ある。
角度
化学反応型塗料
90
【Angle、Inclination】
塗料の主剤と硬化剤が化学的に反応
角度の単位は、度
(°
)
、その下が分
(′
)
して結合することで硬化する塗料。塗
である。円は 360°
、1°= 60′
。車体修
料主剤に別途、硬化剤を必要量混合す
理関連では、ホイールアライメントの数
る 2 液型と、硬化剤があらかじめ所定
値が、
角度で表されている。一方、
ボデー
量混合されている 1 液型がある。
修正作業においては、引き装置の方向
BSR-IK
重ね溶接
と角度の判断が、結果に大きく影響す
囲を一度にライン出しするために適し
る。適確であれば、早く復元できる。
た形状をしている。外板板金でサイド
撹拌[かくはん]
ラインの形 状を復元、整えるとき、鋼
塗料など液体を混ぜ合わせる行為。塗
板の折り曲げ加工などに使用する。
料は、樹脂に顔料粒子が分散している
状態であり
(クリヤーは除く)
、溶剤系
か
塗料では重い顔料粒子は、缶や容器
のなかで下に沈澱していく。従って、パ
テやプラサフ、上塗り原色類は使用前
に缶または容器の中の成分を混ぜて
均一化しなければならない。パテは本
加工硬化
来の性能を発揮させるため、原色では
金属に応力を加えると塑性変形して強
さらに発色性が変化しないように撹拌
度が増すことをいう。ボデーパネル、特
する。また、塗料やシンナーを配合、調
に外 板は板 厚が薄いため、必要な強
合する際もしっかりと撹拌する。特に
度を生産時にプレス加工することで得
調色作業では、複数の顔料成分をてい
ている。プレスラインを入れることで
ねいに撹拌しないと求める色に調整で
加工硬化しているわけである。実は、
きないおそれがある。
事故で変形したパネルにも加工硬化
撹拌棒
が起きている。それ以前より強度が増
塗料の撹拌に使用するスティックまた
しているので、適切な引き作業をしな
は定規状のものをいう。金属製、木製、
いと、復元は難しい。
樹脂製、紙製がある。撹拌棒は使用前
には洗浄して、使用後もきれいにして
加工硬化
保管する。使い捨てタイプもある。パ
テの撹拌では力が要るため、古くなっ
たハンマーの柄を使用している工場も
見かける。金属製の撹拌 棒では缶の
コーティングをはがしたりすることが
あるので、木製等が良いとされている。
重ね溶接
上塗りの調色作業では、使い捨てタイ
パネルの切り継ぎ交換での溶接技法
プも使用され、50 回以上の撹拌を必
の種類。一方のパネルの端をヘミング
要とする。硬化剤や希釈剤との混合で
ツールによって段差を付け、もう一方
は、金属製の目盛付きも使用される。
のパネルを上に重ねて、パネルのすき
撹拌 棒もその作業に適したものを使
間の継ぎ目の間をミグ溶接機でシーム
い分けると効率的である。
溶接していく。
カゲタガネ
突き合わせ溶接
ミグ溶接
ライン出し用ハンドツール。ふつうのタ
ガネは、先端が細くなった定規のよう
な板であるが、カゲタガネは力を加え
る柄の下は半円形をしている。広い範
BSR-IK
91
加算基礎数値
か
加算基礎数値
の場合は、修理というよりも部品を変
補修塗装指数の構成要素。塗装する
える、塗装をし直す、などの内容にな
面積と無関係に発生する準備作業
(車
る。中古車の商品性を高めるために、
両の搬入・搬出、工具類の準備・収納、
特に必要ではない部分の見栄えをよく
仕上がりのチェック、塗装ブース使用
することも含んでいる。
に関する作業など)、調色、ボカシに関
荷重
係した作業やコート数の増加による作
物体にかかる力の状態。変形による分
業量
(塗膜加算)の時間を数値化した
類では①引っ張り荷重、②圧縮荷重、
もの。数値は、車両区分、塗膜の種類、
③せん断荷重、④曲げ荷重、⑤ねじり
塗料の種類、塗り枚数によって変わる。
荷重、がある。分布による分類では①
可視光線
集中荷重、②分布荷重などがある。こ
光
可使時間
ポットライフ
(Pot Life)
の考え方は、修理見積り金額の算出や
修理作業の方針を考える上で必要にな
る損傷状態の分析で利用される。たと
2 液 型塗料、特に上塗りについての、
えば、ブロック塀に正面衝突した場合、
硬化剤混入後の使用可能な時間。硬
受圧面積はフロントエンド全体にかか
化剤を入れると反応が始まるため、可
使時間内に吹き付けからガンの洗浄ま
変形:圧縮または座屈
で作業をすべて終える必要がある。パ
テには可使時間の表記はないが、練り
合わせた途端に反応硬化がスタートし
て、しかも短時間でヘラ付けがスムー
ズにできなくなるので、それと分かる。
過失割合
交通事故における被害者と加害者の
不注意
(過失)の度合いを割合に変え
変形:伸び
引っ張り荷重
圧縮荷重
て表すこと。事故の被害者にも過失が
あったとされた場合、加害者がすべて
の被害を補償するのは不適当という考
変形:曲がり
え方に基づき、過失割合に応じて加害
者の負担を減らす
(過失相殺)ことが自
動車事故の仲裁で定着している。これ
せん断荷重
曲げ荷重
が自動車保険での修理金額の負担割
合につながる。自動車保険の適用に関
変形:ねじれ
して、互いに相手の損害 額に対して、
過失割合分の賠償金を払う。相手に対
する分は対物保険で賠償し、当事者
の過失分は車両保険で補填する。
加修
①修理を加えること。②「中古車加修」
92
BSR-IK
ねじれ荷重
カスタムペイント
る。これが分布荷重。反対に受圧面積
改造が許容されているためである。日
の狭い電柱や樹木に衝突した場合は
本では保安基準の範囲内でおこなう
衝撃力は一部に集中する。これが集中
必 要があり、届出が必 要な改 造もあ
荷重になる。分布荷重では衝撃力はフ
る。
ロント先全体で受け止めるので、集中
カスタムペイント
荷重の電柱に衝突したときと比べると
中荷重では損傷が大きくなる。
車体の模様塗り。パネルの一部から、
「バニング」というバンの改造と合わせ
カスタマイズ
て車体全体をデザイン塗装する場合も
【Customizing】
ある。特殊な顔料の塗料で全塗装する
カスタム化すること。注文通りのオリジ
ものから、エアブラシを使ってフリーハ
ナル仕様にしていくこと。
ンドで絵を描くものまで、様々だが、オ
カスタムカー
リジナル性の高い車体をこしらえるた
【Custom Car】
めに施す塗装のこと。本格的なカスタ
ワンメイクカー
オリジナルカー
か
損傷はまだ浅い。受圧面積の狭い集
【Custom Paint】
ムカー作りまではいかなくても、模様
模様塗りや特殊色塗装、エアロパーツ
塗りは車体修理工場がメニューの一つ
装着などの外装および内装でオリジナ
としていることがある。模様では、定
ル性を高めた車。専門のカスタムショッ
番のフレーム・パターン
(炎)やテーピ
プも全国に数多く存在する。車体修理
ングによるピンストライピング、木目
工場でも余技的に携わっているところ
調、ラップ調など。具体的な絵を描い
が多い。本 場のアメリカでは「ホット
たミューラルは、テンプレートから、元
ロッド」
(Hot Rod)と呼ばれ、造形美
図の拡大、フリーハンドまで技術の幅
を競っており、製作者はカー・ボデー・
がある。使用する塗料は、1 液型ベー
ビルダーやクラフトマンという。ホット
スコートやアクリルラッカーで、最後に
ロッドは、第 2 次 世界大戦前の 1940
2 液型ウレタンクリヤーを塗装する。米
年代に、当時は大排気量の自動車が
国 のハウス・オブ・カラー の 製 品など
入手困難であったことから 1930 年代
専用塗料も市場にはある。絵や線はエ
の車の中古部品を利用してパワー重視
アブラシによって吹き付けるので、多
の車の製作をおこなったことに端を発
少溶剤の希釈量は多くする。塗装には
している。このため米国で有数のホッ
筆も使用する。その他、デザインのた
トロッドの展示会であるオークランド・
めにカッター、コンパスや定規、ブラシ、
ロードスター・ショーに出品する車両
鉛筆やチョーク、マスキング用のテープ
は 1927 ∼ 1938 年製のフォードをベー
や転写フィルムなどが材料として必要
スにする伝統がある。カスタムカー製
になる。なお、
「ボデーショップレポー
作は、自動車が 売り手市場になった
ト」誌上で長く実例技法を連載してい
戦後に程度のいい中古車に手を入れ
たときは、造語で「ファインペイント」と
るために始まった。米国ではカスタマ
呼んでいた。
イジング技法に関する専門用語
(
「カス
スタムペイント」
、
「カスタムペイントパ
タマイジング百科」ビーエスアール刊、
ラダイス」
(リペアテック刊)
参 考図書:
「THE カ
1980 年、絶版)もあるが、自由な車体
BSR-IK
93
ガス溶接技能者
か
ガス溶接技能者
所、またはそこから一定の距離を離し
労働安全衛生法により、可燃性のアセ
た箇所に想定した水平のライン。トヨ
チレンガスを用いておこなう溶 接、溶
タ自動車はロッカーパネル下 100mm
断、加熱業務には、
「ガス溶接技能講
に設定しているが、車種ごとに設定し
習」
を修了した者か、
「ガス溶接作業主
ているメーカーもあり、足並みは揃っ
任者」の資格を取得したものでなけれ
ていない。しかし、これにより、3 次
ば従事できない。技能講習は学科と実
元計測で高さの寸法が分かる。計測
技で 2 日間。作業主任者の受講条件
装置の位置と正しいところの高さから
は、技能講習後に 3 年以上の実務経
換算すれば、損傷位置のずれの程度
験を必要とする。問い合わせは、労働
を求めることができる。
安全衛生管理協会など。
仮想平面
化成処理
実際の地表面とは無関係に、仮に定め
表面処理
た車のアンダーボデーと平行状態にあ
新車塗装ラインの最初の工程。鋼板素
る水平面。平面投影寸法は、上から光
地に
「フォスフォフェライト」と呼ぶ細か
を当てたときに、この平面に投影され
く緻密な結晶を作るため、リン酸亜鉛
た影の長さである。また、この平面を
系の化成処理剤にディッピングする。
横から見たラインが、
仮想基準線とも
これにより防錆力と塗料との付着力が
いえる。
付与される。このあと続いて、電着塗
装に移る。
ガセット
【Gusset】
もとは洋裁で布を縫い付けただけで
は強度不足の部分に当て布を縫い付
けること。いわゆる補強。部品名では、
可塑剤
交差部分に取り付けて剛性を高める
塗料成分にも添加剤として含まれる。
三角形の板状のパーツ。修理では、溶
樹脂あるいはその製品の加工性を高め
接部位に補強用の鋼板を溶接すること
る
(軟らかく)ために混合する。
を指す。
ガソリン
架装
車 両などの 装 備品。または、後 から
危険物第四類第 1 石油類。非水溶性
車両に装備品を取り付けること。特に
液体。指定数量は 200ℓ。
大きな装備をいい、トラックの荷台を
保管 修理作業において、危険性が高
作って取り付ける、保冷車やタンクロー
い作業ではガソリンを抜き取ることが
リーに改造するなど。
あるが、許可を得た貯蔵庫
(危険物倉
仮想基準線
庫)に保管する。溶剤系塗料の保管の
データムライン
(Datum Line)
94
【Gasoline】
ために危険物倉庫があれば、表示され
アンダーボデーの側面を示したボデー
ている指定数量以内なら問題はない。
寸法図に記載されているライン。フロア
ただ、貯蔵庫がなく、指定数量の 1 /
パネルなどアンダーボデーの任意の箇
5(40ℓ)以上、指定数量以下の量の保
BSR-IK
カット部品
くなる。
い。一時的な保管でも届出が必要であ
片面スポット溶接
る。なお、車のタンクは貯蔵所の一種
バネルをはさまず、片面のみにチップ
とみなされている。
を当てておこなうスポット溶接。ボデー
抜き取り 静電気の発生しやすいプラス
修理用としては、以前から片面 2 点で
チック製のポンプやタンクは使用しな
溶接するスポット溶接機
(フランス・ア
い。近くに火気のない風通しのいい場
ローの
「ツインスポッター」など)があっ
所で、周囲にも注意しながら作業する。
た。新車の生産ラインでは、ホンダ・ア
塗膜・樹脂 塗膜に長時間付いていた
コード
(CU2、CW2)でルーフクロスメ
場合、シミなどを発生させることがあ
ンバーをピラーに直接溶接する箇所に
る。また、耐ガソリン性に弱い樹脂素
採用しており、連続閉断面構造を実現
材もあるため、こぼしたりしないよう注
している。
意し、万が一付着したときは、すぐに
カチオン電着
拭き取り、清掃する。
か
管は、消防署に届け出なければならな
【Cation Electro Deposition
型式[かたしき]
Coating】
自動車の正式名称。
モデルナンバープ
新車の下塗り塗装方法。1970 年に開
レートや車 検 証に記載。型式だけの
発、PPG インダストリーズが 1971 年
項目がなければ、車台番号の前部分
に実用化、1977 年にラインで採用さ
がそうである。フル型式でボデータイ
れた。日本では 1988 年頃には新車ラ
プ、エンジン、変速機などの区別がで
インのカチオン化が 終了。
アニオン電
きる。型式は、見積書の作成、部品の
着より防錆力が高いため、プラス・マ
発注、修理時のボデー寸法図の確認
イナスが反対のカチオン電着が普及し
には欠かせない基礎データになる。型
た。車体をマイナスにしてディッピング
式の表記の仕方は、カーメーカーそれ
塗装する。アニオンが 20μm とすれば、
ぞれの方針でおこなわれているが、基
カチオンは 35μm くらいの膜厚がある
本は英 数 字で、モデルチェンジがあ
イメージ。従って一時は「厚膜電着塗
れば、英字は同じ系統
(多少の変更も
装」とも呼ばれた。塗料はエポキシ樹
ある)で数字が増えていくのが一般的
脂系エマルションでブロック化イソシ
な形である。たとえば、トヨタ・プリウ
アネートと架橋する。密着性、耐水性、
スの型式は、HW10 系→ NHW20 系
平滑性、光沢などに優れた高フロー塗
→ ZVW30 系と変化している。
装が特徴。
型式指定・類別区分
カット部品
車検証に記載。型式指定は新型自動
❶文字通り本来のものから一部をカッ
車の検査のために国土交通大臣が指
トされた部品。修理費低減のために設
定した番号。類別区分はその車 種に
定されることがある。
ついてさらに外観寸法、車両重量、定
❷ 1998 年、中古部品商の NGP グルー
員などで区別すること。つまり、この
プ
(当時)が販売を開始した部品。交換
二つのデータから、車種を特定、絞り
作業に手間のかかる溶接部品をカット
込みできるもので、見積書作成で、特
供給する形。これはウェルドボンディン
に見積りソフトでは車種を特定しやす
グの技法の推進と連動し、これに適し
BSR-IK
95
ガティ
た商品を供給する考え方から生まれた。
が同程度の防錆保証をするようにカー
ガティ
メーカーに要請。たとえば、電着塗装
【GUTTY】
のカチオン化が進むなど 対策が進ん
か
日本ペイントが 1977 年に発売したアク
だ。このようにカナダコードは、現在の
リルエポキシ反応型上塗り塗料。配合
防錆保証のきっかけを作った規格とい
比は、10:1。非イソシアネート系 2 液
える。
型。
加熱即硬化パテ
稼働率
軽補修での短時間作業用にパテ付け
①設備または機械が動いていた
(使用
後に即加熱が可能なパテ。それまでは
されていた)時間の割合。
〔例〕塗装ブー
表面のタックがとれてからの加熱でな
スの稼働率:1日8時間工場を開けて
ければ硬化不良が発生した。
いた間に塗装ブースに車が入っていた
可搬式乾燥機
時間
(塗装・乾燥作業)が4時間であ
移動用のキャスターを取り付けた乾燥
れば 4 8=0.5=50%の稼働率になる。
装置の総称。作業スペースの任意の場
②作業者が与えられた就業時間内に、
所で乾燥作業をおこなえる。バンクと、
どれだけ実作業に従事できたかを示
ヒートエレメントは多種多様である。
す割合。これはレーバーレート計算式
の一要素でもある。車体修理工場での
稼働率は 50 ∼ 70%くらいといわれて
いる。稼働率を高めれば利益が上がる
天吊り乾燥機
カプラ
【CUPLA】
クイックジョイント
のは明らかだが、難しい面もある。稼
エア配管やエアホース、特にエアホー
働率を高めるには、技術者の能力アッ
スとエア駆動のツールを接合するため
プ、修理作業のスピードを上げる、作
に便利な金属製のつなぎ具。日東工器
業工程を見直す、作業場レイアウトな
の登録商標。エアツールには差し込ん
ど作業環境を改善する、などが考えら
で取り付け、取り外しも簡易におこな
れるが、方法論的にはいずれもコスト
える。ロック機構が取り付けられてお
がかかることであり、工場原価の上昇
り、脱落や接続不良を防止する働きも
にもつながる。人件費など工場原価、
ある。ツールの端のプラグにホースの
売上高、利益、稼働率と、これらの適
先のソケットをはめ込む仕組みで、ホー
切なバランスをどこにおくかは経営者
ス材質、おねじ用、めねじ用、接続口
の手腕にかかってくる。
径などで種類が多く、適切なものを選
カナダ・コード
択する。
【Canada Corrosion Code】
1978 年、カナダ政府消費者保護庁が
打ち出した自動車ボデーの腐食防止
に関する規制。1981 年型車以降、新
車の外観錆 1.5 年、穴あき錆 5 年、構
造錆 6 年を保証すべきという目安を世
カプラー
界で初めて示した。これにより、翌年
【Coupler】
には米国運輸省および消費者保護庁
96
継ぎ手
BSR-IK
車体の配線の継ぎ手。
カメラ
いた箇所があり、客のクレームになっ
カブリ
たときの証拠にもなる。見積り協定時
ブラッシング
紙
の保留事項についての結果や想定して
ほとんどの場合、マスキングペーパーを
いなかった箇所の損傷は保険会社へ
意味している。
の報告に必要になる。一方で、作業中
マスキングペーパー
の記 録は、部品や配 線のつながり状
紙ウエス
ワイパー
態や配置について、のちの組み付け作
紙製のウエス。ウエスのなかでも 1 回
業時の参考することもできる。コンパ
きりで使い捨ての、油や塗料などの拭
クトタイプのデジタルカメラであればふ
き取りに使われる。
つうの使用で、充分なデータ量の写真
紙貼り
をとることができる。携帯電話の撮影
機能は使えば簡便ではあるが、レンズ
養生
マスキングすること。
か
ペーパータオル
マスキング
が小さいこともあり、目的によっては不
ガムテープ
向き。修理前から終了までの一連の作
一般に流通しているガムテープは、マ
業を記録した写真は、ホームページや
スキングおよび部品の傷つき防止に利
事務所のアルバムで公開すれば、集客
用されている。①脱着時に隣接パネル
ツールとしても役立つ。ただし、ホーム
側の端に貼る、②サンダー研磨のとき
ページでは写真のデータをオリジナル
に出っ張っているモールに貼る、など
よりも小さくしたほうが良く、これは写
が傷つき防止策。安価で簡便なため、
真加工のソフトを使えば、フォーマット
現場ではよく使われているが、後では
変更やサイズダウンが簡単にできる。
がしにくく、跡が残るものもある。最初
見積りで必要な写真の撮り方 損 傷 状
の段階での利用が多く、仕上げのポ
態を正しく記録するのが目的である。
リッシュ作業での傷つき防止は、マス
流れは全体から部分 へ、損傷部では
キングの一部を残すか、幅の広いマス
開放できるボンネットやドアは開いた
キングテープを貼っておこなわれてい
ところも、場合によっては部品を外し
る。
て撮る。全体の外観は、カメラの高さ
カメラ
デジカメ
(構え方)と水平に注意しながら、正面、
斜め左右、側面左右、背面、背面左右、
見積り時の必需品。カメラで損傷車を
つまり損傷のないところも比較のため
撮影することは、記録を残すために以
に撮っておく。ナンバープレート
(正面
前からおこなわれていた。写真を写す
または背面でカバー)と車台番号また
場面は、①作業前、②作業中、③作業
はモデルナンバープレート
(車種によっ
後である。作業前は、見積りおよび入
て異なるが、たいていはセンターピラー
庫時の記録のための撮影。作業中は、
やエンジンルーム内)も記録しておく。
作業の進行やパネルを外した内部の
さらに撮れるのであれば、真上、リフト
損傷状態の記録、作業後は、仕上がり
アップして真下からのアングルも参考
の記録である。いずれも客や保険会社
になる。部分でも、周囲から接写まで
とのやり取り、信頼性の構築が主目的
順に範囲を狭めていく。損傷部をどの
になる。修理対象以外に別に損傷して
ように正確に捉えられるかがポイント
BSR-IK
97
ガメロン
になる。角度を変える、フラッシュを使
ラーセンサー」から一般化して、
「測色
う、矢印形の磁石プレートを付けて損
機」
の意味でも使われる。
傷位置を分かりやすくするなど、いろ
カラーチップ
いろな方法を試してみたい。フィルムカ
か
98
測色機
色票
メラの時代では、
コスト的な問題もあっ
カラードウレタンバンパー
たが、いまのデジカメ時代では撮り直
略号は C.UR。ウレタンバンパーで、ボ
しは何度でも可能だからである。
デー色と同色塗装されたものをいう。
ガメロン
バンパーの樹脂化の初期、1970 年代
ナトコペイントが、1975 年に発売した
末から 1980 年初めに高級車を中心に
2 液型アクリルウレタン。配合比は 5:1。
装着され、大衆車にも及んだ。
カラークリート
カラーナンバー
コンクリートの床をカラー塗装するた
カラーコード。
めの塗料材料。
カラープラサフ
カラーコード
カラーリングされたプラサフである。下
塗色コード
カラーナンバー
塗りを上塗りと同系色にすることで、ト
塗色コード
マリをよくする効果がある。メタリック
カラーシステム
の鮮鋭度が増した 1982 年 3 月、ナト
ビー・エム・ダブリューの純正補修用
コペイントが発売したものが最初であ
水性塗料の名称。2007 年 1 月より正
る。既存の
「スーパープラサフ US-721」
規デーラーへの販売を開始している。
(配合比 5:1 の 2 液型)
と
「Q.D. プラサ
BMW は 2002 年より新車整備センター
フ」
(1 液型)
の 2 種に添加できるカラー
に水性塗料を導入し、2006 年には正
ペースト
(ホワイト、ブルー、エロー、ブ
規デーラーのセントラル自動車技研
(埼
ラウン、レッド、グリーンの 6 色、ボト
玉県川口市)をパイロット店にして導入
ル入り)
を用意した。このカラーペースト
準備を進めてきたもの。
を加えることでプラサフを着色する仕
カラー下地
組み。混合は 10%まででおこなう。そ
上塗りのトマリを良くするなどの理由
の後、1998 年にはアクゾノーベルコー
で、一般的なグレーやベージュ色と異
ティングが「シッケンズ・カラービルド」
なり、比較的はっきりした色がついて
を発 売。配 合 比 は 3:1、1 コート 50
いる下地塗料。着色の仕方は様々であ
∼ 60μm の厚みが特徴。基本は 6 色。
る。ナトコペイントが最初で、1982 年
2010 年には
「カラービルド・プラス」に
3 月にカラープラサフ
( ベースが ホワ
バージョンアップしている。
イト系 2 色、カラーペーストが 7 色)
、
整プラサフ
同4月
「カラーポリパテ」
(硬化剤がブ
カラーベース
ルー、エロー、ブラウンの 3 種)、続い
ベースカラー
明度調
て年度内に
「カラースポットパテ」
(8 色)
2 層または 3 層の新車塗色について、
を次々に発売、下地のカラー化をシス
たいてい一番下にある着色層。どちら
テムとして完成させた。
かといえば、ソリッドに適用されており、
カラーセンサー
3 コートパールの最初の層を指すこと
関 西 ペ イントの 測 色 機「Van-Van カ
が 多い。ちなみに 3 コートパールは、
BSR-IK
ガラス用コーティング剤
カラーベース+パールベース+ クリヤー
が「切っ太郎 CG-1」
(前田機工・発売)
の層からできている。補修においても
を開発した。2002 年には、日産自動
新車同様に層ごとに塗装して仕上げて
車がデーラーでのガラス交換の内製化
いく。
を推進する方針を打ち立てた。
ガラスコーティング
ガラスビーズ
❶ 狭 義には、ガラス窓を色づける素
中空ガラス球
軽量型パテの体質顔料の一部として
ニュー化したもの。1975 年前後に米国
使用が始まり、普及。ポリパテにも使
で住宅の窓用などに開発されたものが
われている。優れた研磨性をもたらす
輸入され、車に転用。紫外線吸収効果
が、スアナの原因になる場合もある。
やファッション性で注目を集めた。塗装
ガラスビーズは国内では旭硝子などが
法は、塗料を上部から流し落として塗
製造している。
膜を作る。自動車ガラスは保安基準で
軽量型パテ
シリカバルーン
透過率など規制があるので、最新の基
ガラスフレーク
準で施工可能か確認すること。広義で
特殊顔料。リン片状ガラスで透明感が
は、フィルムを貼る方法も含まれる。
あり、表面が 平滑で光 輝性に優れて
❷ボデーコーティング分野の商品名の
いる。反対に隠ぺい力には欠ける。サ
一部に使われていることから、
「ボデー
イズが異なるものもあり、金属で被覆
コーティング」
の意味で使われる場合も
することによりマイカのような色調も
見られる。
得られる。2001 年 3 月、トヨタ・ハイ
ガラス繊維
ラックスサーフの限定車に設定された、
【Glass Fiber】
ガラスファイバー
か
材またはその作業、もしくはそれをメ
MAH4 ブラックガラスフレークが最初
グラスファイバ
の採用色。これは黒のカラーベースに
シート状になっているもの
(ガラスマッ
ガラスフレーク層を塗装しているもの。
ト)を FRP の材料に使 用する。色は
2008 年頃から採用例がさらに増えて、
白か透明である。
ホンダ・ライフ
(JC1/2)の G-531P プ
ガラス脱着
レミアムダークエメラルドパール、RP-
フロントウインドおよびリヤウインドは
44P プレミアムクリスタルローズパール
強度部材としても機能しており、取り付
などに採用されている。
け方法には接着式とウェザーストリッ
プ式がある。接着式には、さらにダイ
レクトボンディング式とフラッシュ・マ
ウント式がある。自動車ガラスの脱着
は、車体修理工場では地元にある専門
の自動車ガラス店へ外注するのが一
ガラス用コーティング剤
般的である。作業の進行に合わせて、
ウインドガラスの表面に塗布するコー
2 人で来社して外し、また取り付けに
ティング剤。多くは表面を撥水加工する
来る。仕事量の減少に伴い、これを内
目的で使用される。ガラス系コーティン
製する機運も生まれ、取り外しツール
グ剤とフッ素系コーティング剤がある。
キットとして 1999 年にビック・ツール
BSR-IK
99
空研ぎ
接すること。コーナーや端、形状が変
空研ぎ
ドライサンディング
化する箇所、長いところは交互に等間
か
研磨の手法。水研ぎと対比して語られ
隔で付ける。パネルが動かなくなれば、
る。一般的なサンダーや手研ぎファイ
溶接用クランプを外す。ボデー寸法図
ルにサンドペーパーを付けて、パテや
のデータで寸法が正しく出ているかど
旧塗膜を研磨する。作業は速いが、研
うか、トラムゲージなどで確認する。そ
磨粉塵が発生するので、防塵マスクや
のあと本溶接で間を細かく埋めていく。
吸塵式サンダー、集塵機などでの安全
カリバー・コリジョン・センター
衛生対策が欠かせない。この下地研
【Caliber Collision Centers】
磨の空研ぎ手法は、保有台数が増えて
米国の車体修 理 工場ネットワーク企
合理化が必要になったことに呼応する
業。全米に直営工場とフランチャイズ
ように米国の手法として紹介された。
工場を多数展開。1991 年、カリフォル
1968 年に住友スリーエムが米国のボ
ニア州南部のボデーショップ 6 社で創
デーフィラーとエアツールで空研ぎす
立。資本は投資グループから。
る技法を紹介、下地作業の合理化を
カルナバ
積極的に推進したことに端を発してい
る。
水研ぎ
からむ
からみ
【Carnauba】
天然の蝋。カーワックスの主要成分。
ブラジルロウヤシの葉の表面から抽
出。
研磨やポリッシュ作業で、被作業面で
ガレージジャッキ
ペーパーやバフへの抵抗が強い状態。
手動またはエア駆動で車体を持ち上げ
塗膜が完全に硬化していないときや、
るための簡便な機器。車体修理工場お
その作業に合った最適機材ではない
よび認証整備工場の必需品。持ち上
場合などに起こりうる。
〔例〕バフにコン
げて車を移動させたり、床式修正装置
パウンドがからむ。サンダーのペーパー
の固定作業の補助などで利用する。車
に塗膜の研磨粉がからむ。
の下にもぐりこむときは、必ずリジッド
仮付け
ラックで支えた状態にしてからおこな
仮止め
わないと危険。
交換パネルの溶 接作業に関して使わ
れることが多い。
❶ 交換する新品パネルを組み合わせ
て、正しい状態に事前に合わせてみて、
溶接用クランプ
(バイスグリップ)など
で固定すること。ビス止めもある。関
連パネル、隣接パネル、ボルト・オン・
パネルを取り付け、ボデー寸法図を見
てゲージで寸法をチェック、位置関係、
全体のたてつけも確認する。調整後、
100
カロッセリ
【Carrosserie】
本溶接に入る。
フランスでの車体 修 理 工場 の呼 称。
❷交換パネルの溶接で、要所を先に溶
ヨーロッパ圏では、馬車
(Carrosse)か
BSR-IK
環境マネジメントシステム
らの派生で名づけられている。もとは
かにはコンピューター顔負けの分析過
四輪馬車製 造や馬車の車体の意味。
程が裏にはある。
「勘と経験」はそうし
ドイツ語表記は Karosserie。
た知識の蓄積を含んでの判断であるこ
カロッツェリア
とを示す表現であるが、ときに否定的
【Carrozzeria】
な意味での使われ方もする。
簡易型修正装置
たは、車のデザイン作業を請け負う専
ボデー修正装置のなかで、小・中破の
門企業の総称。
修正に対応するようミニサイズになった
カロライナ
もの。固定が簡単で、引き能力も抑えら
【CAR-O-LINER】
か
イタリアでの車体修理工場の呼称。ま
れている。床式、ベンチ式で見られる。
スウェーデンのサメハ
(SAMEFA)社
簡便に使える修正装置の意味もある。
が 1972 年に発 売したボデー修正 装
簡易型塗装ブース
置。ウノ・ヨハンソン氏が考案したベ
簡易型ブース
ンチ式ユニバーサルジグ。1979 年の
開放型ブース
オープンブース
オートサービスショーでイヤサカの小
アコーディオン型とカーテン仕切り開
間で展 示され、1983 年にイヤサカは
放型がある。背面以外の周囲 3 面がパ
国内代理店となり本格販売。1987 年
ネルで覆われておらず、ビニールカーテ
10 月には国内累計 500 基、1991 年 5
ンで仕切るタイプのものが多い。この
月には 1,000 基、
1994 年 5月には 1,500
タイプは天井給気の背面排気が主流。
基を突破した。コンピューター計測装
環境対応製品
置は
「カートロニック」。いまは社名がカ
環境対策に役立つ製品の総称。具体
ロライナ社になり、スポット溶接機など
的には、缶クラッシャー、バンパー破
も日本で紹介されている。
砕機、フロン回収再生装置、廃溶剤再
皮張り
生装置など。広く捉えると、マスクや手
❶塗料のトラブル。塗料缶のなかの塗
袋、塗装ブースや集塵装置も入る。
料の表面が硬化して皮が張ったような
環境対策
状態。厚く張っているものは使用しな
人間の活動、経済活動による自然環境
い。塗料の種類にもよるが、薄く張っ
に対する悪影 響を軽減するための対
ているものは膜を取り除いて、撹拌後、
策が、全世界的に業種を限らず、求め
ろ過して使用する。
られるようになっている。公害や廃棄
❷革張り。シート表面やインパネなど
物などを含めた広範囲な概念となって
に皮革を貼り付けること。高級車を中
いる。特に車体修理工場で関係の深
心に普及しているが、クラシックカー
いのは大気汚染や温暖化に関係して
の時代はオープンカーの専用装飾品で
いるとされる、VOC と CO 2 の排出削
あった。
減である。
勘
環境マネジメントシステム
いわゆる直感で、行き当たりばったり
EMS = Environmental Management
のギャンブル的なイメージである。しか
System。環境への負荷を管理・軽減
し、
「職人の勘」は、それまで蓄積され
するための仕組みづくりと、その方針
た経験によっての判断であり、そのな
や目標を設定して実行し、検証してい
BSR-IK
101
ガン距離
か
くこと。ISO14001 のほか、環 境 省の
年 5 月に設立。1926 年、国産初のラッ
策定したエコアクション 21 や地方自
カー「セルバ」を発売。1988 年に新企
治体、NPO の独自のシステムがある。
業商標「ALESCO」を制定。2002 年 7
ガン距離
月には関西ペイント販売を設立、2006
スプレーガンの運用要件。被塗面とス
年 4 月、米国 PPG の自補修 塗料 の
プレーガンのノズルとの間をいう。塗
販 売を開 始している。1980 年以 降、
装作業では一定間隔を守らないと、塗
新車用塗料で高いシェアがあることで
膜がムラになる。厚いところと薄いとこ
デーラーを中心に自補修塗料に力を注
ろができる。ガン距離は、使用するス
ぎ、1988 年 4 月には、自動車補修塗
プレーガン、口径、作業内容などによっ
料本部を立ち上げた。塗料だけでなく、
て基準が異なる。一般的には、およそ
「Van-Van カラーセンサー」で 測 色機
15 ∼ 25cm あたりである。手を開いて、
を初めて自補修分野に持ち込み、周辺
あらかじめ親指と小指の間の距離がど
機器の拡充もおこなった。自動車補修
れくらいかを確認しておき、目安にして
専門の研修センター(ARC)を平塚工
も良い。ガン距離が遠いと仕上がりで
場と尼崎工場に持つ。
塗面の肌が高くなり、近いと低く落ち
環状構造
着く。
ドライコート、ムラ 消し、
ボカシ
ボデー構造の一部の呼称。車体の剛
では、比較的距離を離して塗装する。
性を高めるためにフロア、ピラーから
ルーフへと骨格パネルが環状に配置さ
れている構造である。センター(B)ピ
ラー部分からの環状構造は一般的な
がら、ワンボックス車などでこれを数
本つなげたものを「リブボーンフレー
ム」と呼ぶことがある。
90°
リブボーン
フレーム
約 15∼25cm
勘合[かんごう]
はめ込んで部品を取り付けること。
ガン口径
正確にはスプレーガンのノズルの口
径。吹き付ける塗料によって最適なも
のを選択する。上塗りは 1.0 ∼ 1.5mm
102
干渉マイカ
( 通 常は 1.3mm)
。プラサフは 1.5 ∼
パール塗色のもとになる特殊顔料の種
1.8mm。特殊顔料のサイズや粘度、塗
類。
マイカ顔料である雲母片に施され
装面積なども選択条件になる。
ている二酸化チタンのコーティングの
関西ペイント
厚みを調整して、2 色性の発色を得る
日本 有数の総合塗料メーカー。1918
もの。厚みによって色が変わる。薄い
BSR-IK
間接損傷
速直線運動)
。このことを慣性という。
と厚くなるに連れて色が変化する。発
ニュートンの法則の第 1 法則は、この
色の仕方は、正面の透 過光と斜めか
慣性の法則である。
らの反射光が、
補色の関係になる。た
乾性油
とえばイエローは、斜めから見るとブ
空気中で徐々に乾燥して固まる油のこ
ルーになる。さらに、
フリップフロップ
と。酸素と結合して固まる。主成分は
性の強いものがあり、これは干渉マイ
不飽和脂肪酸。この量の指標をヨウ素
カに有機顔料を吸着させて、斜めは顔
価といい、乾性油は 130 以上。ヨウ素
料色を発色するようにしたものである。
価が 130 ∼ 100 であれば、空 気中で
1985 年 6 月、ホンダ・アコード・エア
は完全硬化しない半乾性油、100 以
ロデッキ
(3 ドア)に 2 トーンの上部色
下であれば乾かない不乾性油に分類
として採用された 2 コートパール NH-
される。亜 麻 仁 油が代表的な乾性油
503P グラナダブラックパールにはゴー
であるが、初期の頃は自家製パテなど
ルド系の干渉マイカが使われている。
の材料として使われた。
1986 年 初め、トヨタがソアラに採用
慣性損傷
した 044 クリスタルパールマイカ
(25A
か
とイエロー、レッド、ブルー、グリーン
2 次損傷
クリスタルホワイトトーニング= 2 トー
慣性によって重量のある部品や積載物
ン色の片方として使用)が量産車として
が当たって車体に発生した損傷。車の
は最初のもの。3 コートパール仕様で、
なかでいつまでも同じ運動を続けてい
ベージュ色の干渉色が見られた。塗料
る積載物と、自動車事故の衝撃で突
メーカーの対応原色もマイカ
(パール)
然ストップした自動車との間でスピー
ベース系は非常に多くなっている。な
ドの差が生じたことによる。車室内の
かでもホワイト系以外で原色名に色の
固定していないものが内装などに衝突
名前、あるいはその色系を示す頭文字
し、損傷させるなど。
のアルファベットが入っているものは大
トランクルーム
半、干渉マイカとみてよい。
缶スタンド
一斗 缶
(18ℓ缶、16kg 缶)を 1 缶また
は 2 缶、セットできるスタンド。重量が
重く取りまわしも良くないため、スタン
ドにセットすることで、傾けやすく必要
シフトレバーの付け根
とする量を取り出しやすくするもの。使
用頻度の高い、シンナーやクリヤーを
セットすることが多い。
一斗缶
ガンスピード
ラジエーター
ファン
エンジンマウント
ミッションマウント
運行速度
慣性
間接損傷
物体は力が 作用しなければ、いつま
損傷の分類において、直接的に損傷し
でも静止状態を保つ。または、いつま
た箇所を越えてさらに、間接的に他の
でも同じ運動を続ける性質がある
(等
部位に生じた損傷。これには、波及損
BSR-IK
103
ガン洗浄器
傷と誘発損傷がある。
直接損傷
ガン洗浄器
スプレーガン洗浄器
乾燥機
塗装時の乾燥促進に使用する機器の
ことである。種類は用途・使用実態で
か
エア動力式。シンク
(「台所の流し」の
見れば、①塗装ブース用、②可搬 式、
意 味 からの転 用)にスプレーガンと
③天吊り式、④ハンディータイプ、⑤試
カップを置き、フタをして、洗い用シン
し塗り板用に分けられる。乾燥源で分
ナーを吹き付けて洗浄する仕組み。そ
類すれば、①熱風、②各種赤外線、③
れまでは手での洗浄。耐 溶 剤性手袋
スポットランプ、④エアブロアーがある。
を着用せず、素手でしていたこともあ
乾燥設備作業主任者
り、作業スピード、安全衛生上の対策
乾燥設備についての技能講習修了者。
も改善された。これと溶剤再生装置を
対 象になるのは、① 危険物乾燥設備
組み合わせた、シンナー循環型もある。
で、内容積が 1㎥以上、②危険物乾燥
イサム塗料が 1988 年に発売した
「ガン
設備ではないが、毎時 10ℓ以上の液
ウォッシャ」が最初。のち、スピーディ、
体燃料、毎時 1㎥以上の気体燃料、定
日新機 械 興業、山田油 機 製 造、サン
格消費電気が 10kW 以上のいずれか
コーなどメーカー・商社が短期間のう
を使用する乾燥設備。これを管理する
ちに製品を発売、1989 年のオートサー
者で、講習修了者から作業主任者を選
ビスショーで目立った製 品の一つと
任する。溶剤系塗料はいうまでもなく
なった。輸入品の製造元であるユニラ
危険物であり、塗装ブースはこれに該
ム社
(カナダ)は、2000 年に日本支社
当する。受講には経験年数も必要。労
を設 立した。2000 年代に入り、水性
働基準監督署の管轄になる。
塗料対応タイプも紹介されている。
乾燥促進剤
乾燥
塗装前添加剤。塗料の乾燥を促進さ
たいていは塗料の乾燥を指している。
せるもの。ウレタン系上塗り用で設定
下地から上塗りまで、作業のいろいろ
されている例がある。こうした添加剤
な場面で乾燥の過程がある。塗料が
はメーカーのマニュアルを守って使用
乾くとは、基本的には溶剤の蒸発によ
する。少量添加が基本である。
り、液体が固体になることである。水
缶つぶし機
性 塗 料も溶 剤である水 が 蒸 発する。
缶クラッシャー
ラッカーはこれだけで塗膜になるが、
塗料缶などを圧壊し、減容量化するこ
反応型塗料になると別の硬化機構と
とで、産廃処理費の低減につなげる環
の兼ね合いで最終的に塗膜となる。こ
境整備機器。電動油圧式やエア油圧
れには①化学反応
(ウレタン塗料やポ
式などがあるが、総じて重量が重い。
リパテ)、②焼付
(高温で構造を変化さ
鑑定人
せる)
、③酸化重合
(空気中の酸素を吸
独立した損害調査の協定人。単にア
収)
、④湿気硬化
(空気中の湿気、つま
ジャスターの意味でも使われる。
り水分を吸収)、⑤ 樹脂融合
(溶剤が
ガントラタイプ
蒸発すれば始まる)
、⑥ 光硬化
(紫外
トランス一体 型スポット溶 接機の略。
線や可視光線で照らす)がある。
スポット溶接機のなかで溶接用ガンと
トランスを一体にしたタイプ。
104
BSR-IK
関連作業
ンレッド、シンカシャレッド、フタロシ
一般客を呼び込むための広告媒体の
アニンブルー、フタロシアニングリーン
一つ。誘 導と告 知の 効果がある。誘
など。サイズが小さいので隠ぺい力が
導用の看板は、走行車両の多い幹線
弱いが、透明性が高く鮮やかな発色を
道路沿いに立てる。特に曲がり角など
する。さらに、特殊な顔料としては、メ
で、社名と業務内容、方向を示すもの
タリック、パールマイカのほかに、既存
である。工場の正面、壁や塀には、社
顔料からアレンジされたもの、
マルチカ
名と業務内容、それに目を引くキャッ
ラー、
ガラスフレークなどがあり、さら
チフレーズ
(メインコピー)を記載する。
に今後も開発が進むだろう。メタリッ
前を通るカーオーナーにインパクトを
クやマイカは、そのなかにも多様な種
与える印象付けをするためには、多少
類がある。既存顔料から生み出されて
大胆な文言でもいいだろう。いまでは
いるのは、結晶化やリン片化、微粒化
軽補修に関することをきっかけ作りに
によって得られるもので、赤顔料であ
しているところが大勢を占める。事故
る酸 化 鉄 からは MIO や板状酸化鉄
というのは遭いたくないものであり、そ
が、黒顔料のカーボンブラックからは
れをストレートに打ち出すならば「車の
グラファイトが、白顔料の二酸化チタ
病院」などのソフトタッチが好ましい。
ンからはマイクロチタンが、青顔料の
ゲートやポールにつけた看板、事故車
フタロシアニンからはフタロシアニン
の実物をアレンジしたオブジェ風のも
フレークが作られた。ガラスフレーク
のまで、形や華美な装飾で目を引くも
もガラスをアルミ粉末のようにフレーク
のも多い。立て看板やスタンドもある。
化したものである。これら特殊顔料は、
顔料
透過光と反射光での 2色性に特徴が
塗料の主成分。しかし、クリヤーには、
あるが、これの究極がマルチカラーで
顔料は含まれない。顔料とは色や充填
ある。見る角度によって激しく色相が
効果、機能を付け加える物質である。
変化する。ただし、マルチカラー顔料
水や溶剤には溶けない。粉末状で、
0.01
はコストが高い。
(有機顔料)∼ 0.1(無機顔料)μm く
機能性顔料 機 能 性 顔 料 は、
体質顔料
らいのサイズ。用途からは着色顔料と
と防錆顔料に分けられる。いずれも下
機能性顔料に分かれる。
地塗料に使われる。なお、パテやプラ
着色顔料 着色顔料は原材料から 2 種
サフには色が付いているように、着色
類に分かれる。
無機顔料と有機顔料で
顔料も含まれている。
ある。無 機 顔料は鉱物または金属酸
顔料分散性
化物で、白顔料の二酸化チタン、黒顔
塗料中の顔料は、溶剤や水には溶け
料のカーボンブラック、赤顔料の酸化
ないため、粒子が分散している状態に
鉄、黄顔料の黄鉛などがある。隠ぺい
なっている。分散性が良くないと色に
力はあるが、発色は鮮明とはいえない。
ムラが生じるため、顔料にとっては必
メタリックのもとのアルミ顔料、パール
要な性能である。
のもとのマイカ
(雲母)もこちらに属す
関連作業
る。有機顔料は石油化学合成品で、カ
脱着取替指数 での用語。隣 接する部
タカナ表示のものが多い。キナクリド
位など で 2 つ以 上の主体作業をする
BSR-IK
か
看板
105
ギアアクションサンダー
場合に、それぞれに含まれている重複
機械式計測装置
する作業をいう。指数の算出では、片
ブリッジや測定 針、アタッチメント類
方の重複している分を差し引く。
を組み立てていくタイプの計測装置。
床式を中心に、ベンチ式ジグなどの修
正装置とのセットや関連装置に設定さ
れている。アンダーボデーだけでなく、
か・き
き
アッパーボデーの位置をチェックでき
るものが一般的である。組み立て自体
の作業時間は短い。組み立てるときは、
最後のセンター出しがポイントになる
ギアアクションサンダー
が、損傷のない数ヵ所を基準にして位
動力式研磨ツール。一般的には 8 イン
置決めしていく。
チ(200mm)
や 6 インチ(150mm)
タイ
プとパッドサイズが大きい円型。
ダブル
アクションサンダーでは、パッドサイ
ズが大きくなると、作業面に押し付け
た場合にベアリングフリーのため回転
が止まることがある。これをギア
(大き
いものになると 10:1)によって、強制
的に偏心させる仕組みで、1 点を取れ
ば花びら形の運動をする。研削力に優
機械研ぎ
れているのでパテの粗研ぎなどに適し
サンダーなど動力ツールを使って研磨
ている。回転数は 1000rpm 以下。仕
作業をすることをいう。作業は速くな
様のエピサイクロイド幅は、ダブルア
る。
クションでいえばオービットダイヤのよ
機械磨き
うなものを表している。
ポリッシャーを使って磨き作業をする
手研ぎ
ことをいう。
手磨き
危険物
消防法で規定。危険物として分類特定
された該当物についての取り扱いに関
ローター
する資格や保管を規定している。
分類 危険物は、第一類から第六類ま
ギア
パッド
での区分があり、消火方法も異なる。
第一類酸化性固体、第二類可燃性固
体、第三類自然発火性物質および禁水
性物質、第四類引火性液体、第五類自
己反応性物質、第六類酸化性液体、で
ある。引火性液体のガソリンや有機溶
剤を含む塗料 類は危険物に分類され
る。第四類はさらに 7 項目に分かれ、
106
BSR-IK
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