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道民カレッジほっかいどう学大学インターネット講座 「旅気分で国際映画

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道民カレッジほっかいどう学大学インターネット講座 「旅気分で国際映画
道民カレッジほっかいどう学大学インターネット講座
「旅気分で国際映画祭へ行こう!
~新千歳空港をアニメ文化の聖地に~」
北海道情報大学
◇
講座の内容
大島 慶太郎 准教授
◇
・新千歳空港を舞台に、2014 年から新千歳空港国際アニメーション映画祭が始まった。
・新千歳空港施設を活用した国際映画祭を、他の国際映画祭と比較しながら、地域における映画祭
の役割を考えていく。
◆
映画を見る機会
◆
・日常生活において映画を見るために映画館へ出向くといった行為は、特にパソコンやインターネ
ットに慣れ親しんだデジタルネイティブと言われる様な若い世代にとっては希薄なものになっ
ている。
・現在でも特定の場所に観客が集まり、共に同じ映画や映像作品を鑑賞するという形式で映画祭や
映像関係のイベント、映像にまつわる美術展が世界中に非常に多く存在している。
・近年は国内においてもそれら企画が増加傾向にある。
◆
国際映画祭の役割
◆
・なぜ、自由に映像を楽しめる時代であるにもかかわらず、
祭典として映画や映像作品を見せたり、見たりする機会
は必要なのか。
・これから国際映画祭の役割を考えながら、北海道で始ま
った新しい映画祭について紹介する。
◆
映画祭とは・・・
◆
・映画祭と言うと、アメリカのアカデミー賞やカンヌ、ヴェネチア、ベルリンといった世界 3 大映
画祭の様子がよく報道される。
・有名監督や映画俳優達が舞台に立つ華やかなイメージ。
・
「list of International film festivals」をインターネットで検索すると、WIKIPEDIA では、世
界中で 400 件を超える映画祭がヒットする。
・今では基準を設けなければ把握しきれない程の国際映画祭が世界中に存在している。
◆
国際映画祭①
<オーバーハウゼン国際短編映画祭>
◆
<写真>子ども向けの人形アニメ上映の後に手作りの人形や小道具を見せている様子
・ドイツ西部の都市オーバーハウゼンで、毎年開催されている国際短編映画祭。この映画祭は短編
映画に限定した世界で最も古く歴史のある国際映画祭の 1 つ。
・2016 年で 62 回目の開催となる。
・映画祭の内容としては、短編映画の国際コンペティションを主体に、国内作品、学生作品、子供
向けの作品、ミュージックビデオそれぞれのコンペティションプログラムが上映される。
◆
国際映画祭②
◆
・カッセルの映画祭
ドキュメンタリー映画に限定。
・dresdner schmalfilmtage
<ドレスデナーシュマールフィルムターゲ>
8mm フィルムと 16mm フィルムのアナログの映画フィ
ルムで制作されている作品のみを対象とする映画祭。
・ロッテルダム国際映画祭
上映される作品数と内容の多彩さは欧州最大規模を
誇る。
◆
国際映画祭の特徴
◆
・国際映画祭は、世界中から応募された作品の中から、コンペティションに選出された作品を中心
に上映プログラムが構成される。
・コンペティションの他に特集プログラムを組まれることも多い。
・上映プログラムには、映画祭のポリシーやその年毎のテーマが強く反映される。
・映像表現の新たな展開や異なる文化圏の様々な価値観、世界の最新動向等が映画や映像作品を通
じて提供される。
・大きなスクリーンに映し出される作品を通して、世界中の最先端の情報を来場する人々と共有す
る 1 つの現場となっている。
・インターネット等で動画を見ることとは違うところである。
◆
新千歳空港国際アニメーション映画祭
◆
・アニメーションを世界の共通文化と位置づけ、世界中の
アニメーション作品を一堂に集めた。
・3 つのスクリーンを有する映画館と空港内の施設を活用
した世界初の空港映画祭として、2014 年に開幕した。
・毎年文化の日の祝日と重なる 11 月初めの 4 日間に実施す
る。
・アニメーションに限定された新しい映画祭にもかかわらず、世界でも類を見ない開催手段で注目
を集めている。
・コンペティション作品の応募では、過去 2 回数多くの作品が世界中から集まった。
2016 年の新千歳空港国際アニメーション映画祭の告知動画
・PR 映像は 2015 年にノミネートされたアニメーション作家ぬ Q(ヌキュー)さんが制作したもの
である。
・空港というコンセプトが強く表現されていて、興味を魅かれるアニメーション。
◆
空港内施設を活用した映画祭
◆
・空港の中で開催される映画祭と言うのは聞いたことがない。
・他の映画祭と比較しても、上映されるプログラムや展示、関連イベントの充実度、会場となる新
千歳空港内施設が国際映画祭の実施環境として、非常に相性が良かった。
◆
新千歳空港国際アニメーション映画祭の 4 つの柱
・コンペティション
・招待作品上映
・ワークショップ
・人気アニメイベント、展示
◆
映画祭の楽しみ方
◆
◆
・映画祭は劇場内での上映に限らず、展示やライブパフォーマンス、観客も参加できるワークショ
ップ等を同時に展開する実施形体が増えている。
・その分映画館以外にも会場が点在する。
・特に海外の映画祭を訪れる場合は、映画や展示等を見ながら開催地の街中の散策、ご当地グルメ
や名所旧跡に足を延ばすことも含めて映画祭の楽しみとなる。
・しかし、限られた開催期間中に沢山の作品に触れたい方にとっては、その移動距離や時間が不都
合になることがある。
◆
映画祭の実施環境
◆
・国際映画祭の参加者として出来るだけ多種多様な作品を鑑賞し、その土地柄・異文化も楽しむ両
面を実現するには、実施環境が広がりすぎないことが理想的である。
・運営側から見ても、表現の多様化に合わせて会場数を増やすことは、負担のかかる面もある。
◆
映画祭においての空港施設の可能性
◆
・新千歳空港国際アニメーション映画祭の最大の特徴は空港施設全体の活用である。
・映画祭に関わる全ての内容が 1 施設内で完結している。
・ワークショップやイベント・展示は、空港内の催事スペースや会議室を使用する。
・公共空間にアニメーションのお祭りが出現するというのは、不思議な魅力である。
・家族連れの方はアニメーションの制作体験ワークショップや人気アニメの展示などで楽しむこと
ができる。
◆
情報交流の場
◆
・アニメーション作家や映画関係者達は、上映を見る傍ら、情報交換や他地域の来場者と交流をし
ている。
・国際映画祭では、フェスティバルカフェやゲストラウンジといった形で上映の合間に集えるスペ
ースを用意している。
・飲食店や土産物の店舗では北海道を産地とする食品や名物も楽しむことができる。
・更に映画館の同じフロアに温浴施設があり、特に海外からの来場者にとってはエキゾチックな体
験も出来る。
◆
開催期間の動員数
◆
・新千歳空港を会場にした映画祭はコンパクトでありながらもイベントや展示も充実している。
・過去 2 年とも動員数 30,000 人超という成果に繋がっている。
◆
映画祭に出品される作品の数
◆
・過去 2 回の開催、2014 年は 46 の国と地域から 715 点、
2015 年は 59 の国と地域から 1103 点と世界中から多彩
な作品が集まった。
・まだ始まったばかりの新しい国際映画祭としては、この
応募数は大健闘と言えるだろう。
・その中からノミネートされた作品が映画祭プログラムの
中心になる。
・ノミネートされた作品は、国際審査委員によって審査され各賞が与えられる。
・3 回目となる今回も、1200 作品を超える応募があった。応募された作品は全て試写する。
◆
作品傾向
◆
・現在、アニメーション作品は、コンピュターや周辺機器、撮影機材などの低価格化と高性能化が
進み、制作環境を個人で整える作家も非常に多くなっている。
・応募作品の中には、個人や小規模な団体による独創的な表現の作品も数多く含まれている。
・最先端の技術を駆使した表現や、世界的な巨匠から無名の学生の作品まで、多種多様な作品を見
ることができる。
・作家の視点を通じて新たな発見があり、見知らぬ土地へ踏み込んで行く様な感覚にとらわれる。
・国際映画祭だからと言って海外の作品だけに限定されるわけではない。日本国内から応募された
作品も一律に選考される。
・地元北海道の作品にも注目している。
『びらとりのおはなし
オキクルミの妹』石黒翔監督
(製作:公益財団法人アイヌ文化振興・研究推進機構)
◆
開催地域と映画祭の関わり
◆
・北海道の歴史や文化をテーマにしたアニメーション作品が、上映されたことは素晴らしいこと。
・どの様なメッセージを発信できるかが国際映画祭として重要なことであり、開催地域とどのよう
に関わっていくのかも大切なことと言える。
◆
審査の特色
◆
・専門的な視点による作品評価。
・全ての観客の投票制による観客賞。
・千歳市内の小学生から選抜された子供審査員によるキッズ賞。
・市民参加型の作品評価の賞を設けている。
◆
ボランティアスタッフの協力
◆
・ボランティアの協力を得ながら、地域の人々も一体
となって映画祭を盛り上げている。
・ボランティアは主に千歳近郊の映像を学ぶ大学生や
映画ファンが中心。
・2016 年は、映画祭関連企画として初の試みで、海外
からアニメーション作家を招聘し、他のアニメーシ
ョン文化事業と連携して、映画祭開催前に札幌市の
会場でワークショップを実施。
◆
ボランティアのメリット
◆
・ボランティアの人々は、映画祭開会・閉会のレセプションパーティーに招待されたり、ボランテ
ィア間の親交を深めたり、映画祭のゲスト達と交流することができる。
ボランティア経験者へのインタビュー
・例年、開催期間中に体験型のアニメーション制作の
ワークショップを実施。
ワークショップの様子
◆
地域の人々をつなぐ映画祭
◆
・映画祭が 1 つの媒介となり、異文化、作家、地域の人々を繋ぐ興味深い取り組みとなる。
・地域の人々も自由に参加しながら楽しむことのできる、文化的な“お祭り”として位置づけるこ
とができる。
・特にアニメーションという親しみやすいジャンルであることから映画祭が未経験の人や地域の子
ども達も参加しやすい。
・地元作家の成長や、異文化交流も促進され、開催地域を中心とした新たなアニメーション文化の
充実も図ることができる。
◆
空港映画祭の広がり
◆
・第一回開催の際に、国際審査委員長を務めた、オタワ国際アニメーション映画祭のアーティステ
ィック・ディレクターで評論家のクリス・ロビンソン氏が、世界でも初めての空港映画祭開催に
触れて「“フィルムフェスティバルトラベラー” が流行るきっかけになるかもしれない」と述べ
た。
・今後、北海道の空港という利点を活かして、アニメーション作品・作家を通じて特にアジア地域
との国際交流に期待される。
・地元の人々にとっては、普段の旅行の為に空港へ向かう時と同じ様な高揚感を感じながらアニメ
を観ることができるのではないか。
・旅感覚で、映画祭という期間限定の非日常的な
場でしか体験することのできない、アニメーシ
ョン表現の世界に触れて欲しい。
・新千歳空港国際アニメーション映画祭は、毎年
文化の日の祝日と重なる 11 月初めの 4 日間に
実施される。
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