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第三次 天童市男女共同参画 推進計画 第三次 天童市男女共同参画

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第三次 天童市男女共同参画 推進計画 第三次 天童市男女共同参画
第三次
天童市男女共同参画
推進計画
∼てんどうハーモニープラン∼
天童市職業生活における女性活躍推進計画
天童市DV防止基本計画
(平成28年度∼平成32年度)
平成 28 年3月
天 童 市
発刊に当たって
少子高齢化が進展し、我が国では平成20年をピークに人口減少に転じ、天童市の人
口も減少傾向にあります。このような中、将来にわたり経済活力に富んだ持続可能な
社会を形成するためには、性別に関わりなく、その個性と能力を十分に発揮し、あら
ゆる分野においてパートナーとして参画できる男女共同参画社会の実現が重要な課題
となります。
天童市では、これまで「男女共同参画基本法」に基づき、平成13年3月から二次に
わたり「男女共同参画社会推進計画」を策定し、男女共同参画の推進に取り組んでき
ました。この間、平成13年に設立された市民主体の「天童市男女共同参画社会推進委
員会」と協働で男女共同参画を進める市民の集いやタウンミーティング、機関紙の発
行や標語募集などの事業を実施し、男女共同参画の啓発や意識改革に努めてきまし
た。こうした取組を通じて、市民の皆さんの男女共同参画についての理解が着実に進
んできていると感じています。一方、地域や家庭などの社会全体においては、依然と
して性別による不平等な習慣や固定的な考えが根強く残っているなど、多くの課題が
残されています。
また、男女共同参画社会の実現は、行政の取組だけでなく、市民、事業所、各種団
体の皆さまがそれぞれの立場で積極的に行動していただき、地域社会全体の取組にし
ていくことが重要です。
こうした状況を踏まえ、女性の活躍を推進し、男女共同参画の取組をさらに推し進
めていくため、「第三次天童市男女共同参画推進計画」を策定しました。
本計画では四つの基本目標を設定し、これらの基本目標に対応した重点方針を掲げ
るとともに、重点方針に基づく指標の目標値を設定し、計画の着実な推進を目指して
いきます。
結びに本計画の策定に当たり、貴重な御提言や御意見をいただきました市男女共同
参画社会推進委員会の皆さまをはじめ、関係者の皆さまに心からお礼申し上げますと
ともに、これからも御協力を賜りますようお願い申し上げます。
平成28年3月
天童市長 山 本 信 治 目 次
第1章
計画策定に当たって
1 計画策定の趣旨… ……………………………………………………………………………… 1
2 計画期間及び名称……………………………………………………………………………… 2
3 計画の性格・枠組み…………………………………………………………………………… 2
第2章
これまでの取組と現状
1 施策の取組と成果……………………………………………………………………………… 4
2 社会情勢の変化… ……………………………………………………………………………… 5
3 男女共同参画の動向…………………………………………………………………………… 8
4 男女共同参画の課題…………………………………………………………………………… 14
第3章
計画の基本的な方針
1 目指す社会… …………………………………………………………………………………… 15
2 基本理念… ……………………………………………………………………………………… 15
3 基本目標… ……………………………………………………………………………………… 16
4 今後5年間の重点方針… …………………………………………………………………… 17
5 重点方針に基づく指標… …………………………………………………………………… 18
6 施策体系… ……………………………………………………………………………………… 19
第4章
基本目標ごとの施策の方向
基本目標1 男女共同参画の意識の高揚と、認め合う社会基盤づくり
施策の方向1 男女共同参画に対する意識啓発の推進… …………………………………… 20
施策の方向2 性別による固定的な役割分担意識と社会慣行の見直し…………………… 23
基本目標2 一人ひとりがいきいきと働き、充実した豊かな生活をおくることができる環境づくり
【天童市職業生活における女性活躍推進計画】
施策の方向3 雇用・就業における男女の均等な機会と待遇の確保……………………… 24
施策の方向4 仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の推進………………… 26
施策の方向5 女性の職業生活における活躍の推進… ……………………………………… 29
基本目標3 支え合い安心して生活できる環境づくり
施策の方向6 男女の健康づくり支援… ……………………………………………………… 31
施策の方向7 男女が互いの人権を尊重して、暴力のない社会を実現
【天童市DV防止基本計画】……………………………………………………… 33
施策の方向8 生活上困難を抱えた人が安心して暮らせる環境の整備…………………… 36
基本目標4 男女が共に活躍できる環境づくり
施策の方向9 地域における身近な男女共同参画の促進… ………………………………… 38
施策の方向10 政策・方針決定過程への女性の参画の拡大… ……………………………… 40
第5章
計画の推進
…………………………………………………………………………… 42
資料編… ………………………………………………………………………………………………… 43
第1章
計画策定に当たって
1
計画策定の趣旨
国においては、平成11年に男女共同参画社会基本法が公布・施行され、男女共同参画社会の形
成を促進するとしています。男女が社会の対等な構成員として、意欲に応じてあらゆる分野で活
躍できる社会を目指し、国は、平成12年に男女共同参画社会基本法に基づく「男女共同参画基本
計画」を策定しました。
平成13年には「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律(以下「DV防止法」
という。)」が施行され、平成19年改正により市町村に対して配偶者等からの暴力を防止する対策
や救済に関する基本計画の策定が求められました。
男女共同参画基本計画は、平成17年に「第2次」、平成22年に「第3次」、平成27年に「第4次」
が策定され、時代に対応しながら見直されてきました。この間、平成19年には「仕事と生活の調
和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」と「仕事と生活の調和推進のための行動計画」が策定さ
れ、男女共同参画及びワーク・ライフ・バランスの実現に向けた取組が示されています。
こうした中、平成27年9月には「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(以下「女
性活躍推進法」という。)」が施行され、地域経済や地域社会の活性化に向けて、女性の活躍を推
進する気運が高まっています。
本市では、平成13年3月に「天童市男女共同参画社会推進計画」(第一次計画)を、平成23年
3月には「第二次天童市男女共同参画社会推進計画」(第二次計画)を策定し、男女共同参画社
会の実現を目指して、同計画に基づいた様々な施策や事業の推進に取り組んできました。
これまでの取組をとおして、男女の地位の不平等感や性別による固定的な役割分担意識は、少
しずつ解消されています。しかしながら、社会全体としては、依然として女性の参画が進んでい
ない分野があるため、今後も男女共同参画社会実現に向けて積極的な啓発を図っていくことが必
要です。
また、少子高齢化といった人口構成の大きな変化やグローバル化による産業競争の激化などに
より、経済社会の構造が変化し、非正規労働者の増大を始めとする雇用の不安定化、東日本大震
災による災害時の課題の顕在化など、社会情勢は大きく変化しています。さらに、人口減少が進
む中、将来にわたり持続可能な地域社会を構築するうえで、男女共その個性と能力が十分に発揮
できる社会の実現が求められています。
以上のような状況を踏まえ、本市の男女共同参画を積極的に推進するため、これまでの計画を
継続・発展させ、実効性のあるアクション・プランとなる第三次天童市男女共同参画推進計画(以
下「第三次計画」という。)を策定するものです。
1
第1章
計画策定に当たって
2
計画期間及び名称
第三次計画の期間は、平成28年度から平成32年度までの5か年間とします。また、名称は、
「第
三次天童市男女共同参画推進計画 てんどうハーモニープラン」とします。
年度
2000 2001
平成
名称
国
12
13
2010
14
15
16
17
18
19
20
21
22
2015
23
24
25
26
27
2020
28
29
30
31
32
男女共同参画基本計画
山形県 男女共同参画計画
第一次
男女共同参画社会推進計画
天童市 第二次計画
第三次計画
3
計画の性格・枠組み
(1)計画の性格
第三次計画は、男女共同参画社会基本法(平成11年6月23日公布・施行)及び第六次天童市総
合計画に基づき、本市の男女共同参画を推進する計画です。これまでの「天童市男女共同参画社
会推進計画」の取組を踏まえて、継続して取り組む施策と新たな課題に対応する施策を総合的に
示します。
(2)枠組み(男女共同参画社会基本法)
ア 国・地方公共団体及び国民の役割
男女共同参画社会基本法には、国・地方公共団体及び国民の役割について、次のように
規定されています。
2
国の責務
地方公共団体の責務
国民の責務
(第8条)
(第9条)
(第10条)
基本理念に基づき、男
女共同参画基本計画
を策定。
男女共同参画社会づ
くりのための施策を
総合的に策定・実施。
基本理念に基づき、男
女共 同 参 画 社 会 づ く
りのための施策に取り
組む。
地域の特性を活かし
た施策の展開。
男女共同参画社会づ
くりに協力すること
が期待されている。
計画策定に当たって
第1章
イ 男女共同参画社会のイメージ図
男性も女性も、意欲に応じて、あらゆる分野で活躍できる社会
職場に活気
女性の政策・方針決定
過程への参画が進み、
多様な人材が活躍する
ことによって、経済活
動の創造性が増し、生
産性が向上する。
働き方の多様化が進み、
男女が共に働きやすい
職場環境が確保される
ことによって、個人が
能力を最大限に発揮で
きる。
家庭生活の充実
家族を構成する個人が
お互いに尊重し合い協
力し合うことによって、
家族のパートナーシッ
プが強化される。
仕事と家庭の両立支援
環境が整い、男性の家
庭への参画が進むこと
によって、男女が共に
子育てや教育に参加で
きる。
地域力の向上
男女が共に主体的に地
域活動やボランティア
等に参画することに
よって、地域コミュニ
ティが強化される。
地域の活性化や暮らし
改善のほか、子どもた
ちが伸びやかに育つ環
境が実現される。
一人ひとりの豊かな人生
仕事、家庭、地域生活など、
多様な活動の場で、男女が共に夢や希望を実現
ウ 法的位置づけ
男女共同参画社会基本法
市町村男女共同参画計画
天童市総合計画
DV防止法
配偶者からの暴力の防止及び
被害者の保護等に関する法律
市町村基本計画
女性活躍推進法
女性の職業生活における
活躍の推進に関する法律
天童市男女共同参画
推進計画
市町村推進計画
3
第2章
これまでの取組と現状
1
施策の取組と成果
基本目標1 男女共同参画社会の意識づくり
◦家 庭における男女共同参画を推進するため、子どもを持つ家庭を対象にした学習・交流事業
や普及・啓発活動を実施してきました。市内各小中学校では、道徳教育はもとより、各教科、
特別活動など教育活動全体を通じて、人権教育や男女平等教育を計画的に実践しています。
◦天 童市男女共同参画社会推進委員会と連携しながら、男女共同参画を啓発・推進するイベン
ト(タウンミーティング、市民の集い)を開催し、「標語募集」「機関紙ぽっぷ発行」等の事
業を実施して男女共同参画社会の普及に努めました。
基本目標2 いきいきと働くことができる環境づくり
◦男 女雇用機会均等法の普及・啓発に努めるとともに、再就職を希望する人を対象にしたセミ
ナーを開催し、雇用の促進に努めています。
◦女 性農業者県外派遣研修やレディース・アグリセミナーの開催等をとおして女性農業者の意
識啓発を図っています。
◦男 性を対象にした家事・育児・介護講座等を開催し、男性の意識改革と家事への参加促進を
図っています。また、男女が共に仕事と家庭における責任を担えるよう、育児・介護支援対
策の事業を実施しています。
◦認 可保育所の定員の拡大や病後児保育事業の対象者を拡大するなど、保育サービスの充実を
図りました。また、平成27年5月、芳賀地区に子育て支援の中核的施設となる子育て未来館
げんキッズを新たに整備しました。
基本目標3 安心して生活できる環境づくり
◦男 女間の暴力の根絶についての普及・啓発を図るとともに、関係機関と協力・連携しながら、
早期発見と早期対応について取り組んでいます。
◦男 女が生涯にわたり心身共に健康な生活を送ることができるよう、各種健康支援事業を実施
しています。平成23年度からスマート健診を実施しており、さらに、平成24年度から子宮が
ん検診も同日に受診できるようにし、託児も実施しています。また、平成25年度からレディー
ス検診を開始し、子宮がん及び乳がん検診受診体制の強化を行いました。
◦男 女の健康づくり支援については、健康診査の受診率の向上を目指すとともに、心身の健康
相談の充実を図っています。また、妊娠期から子育て期まで「切れ目のない支援」を行い、
安心して安全に子どもを産み育てることができるよう、支援の充実を図っています。
4
これまでの取組と現状
第2章
基本目標4 男女とも活躍できる環境づくり
◦市 立公民館等の社会教育・生涯学習事業の中で、団体や組織の役員等に女性を積極的に登用
するとともに、リーダーとなる女性の育成に努めています。
◦防 災分野については、応急手当の普及、防火・防災教育、広報活動がますます重要になって
いくことから、新たに女性消防隊(定員10人)を編成し、現在6人の女性が地域や住民の安
全・安心を守るために活動しています。
◦第 二次天童市男女共同参画社会推進計画では、各種審議会の女性委員の構成比率の目標値を
40%に設定していますが、平成26年度末現在は19.6%となっています。
2
社会情勢の変化
(1)少子化の進行と人口減少社会の到来
我が国の総人口は、少子高齢化の急速な進展により、平成20年をピークに人口減少局面に入り、
今後も急減すると見込まれています。
本市の人口は、平成15年12月末の人口63,509人をピークに、年々減少しており、特に出生数の
減少等による人口減少が急激に進んでいます。本市では、人口減少を最小限に抑える取組を実施
しています。
〇 天童市の総人口の推移
人
64,000
63,500
63,000
62,500
62,000
天童市の総人口の推移
63,454
63,471
63,509 63,284 63,106
62,953
62,872
62,448
62,466 62,389
62,136
62,163 62,193
62,171
61,500
61,000
H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 年
資料:住民基本台帳(各年12月末) 平成24年度から外国人を含む。 5
第2章
これまでの取組と現状
〇 合計特殊出生率
合計特殊出生率の推移
1.80
1.60
1.60
1.51
1.57
1.50 1.47 1.52
1.41
1.41
1.40
1.32 1.29 1.29
1.20
1.26
1.61
1.62
1.52
1.48 1.50
1.39 1.39 1.41 1.43 1.42
1.32 1.34 1.37 1.37
1.00
H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 年
天童市
全国
資料:村山保健所 ※合計特殊出生率
15歳から49歳までの女性の年齢別出生率の合計で、1人の女性が一生の間に生む平均の子どもの数を表す。
(2)高齢化の進行と家族形態の変容
日本の高齢化は世界に類を見ない速さで進んでおり、本格的な高齢社会が訪れています。本市
の平成27年3月末現在における高齢化率は27.0%まで増加しています。
また、高齢化社会による単身高齢者世帯と高齢夫婦世帯の増加や、未婚化による単身世帯の増
加、離婚などによるひとり親家庭の増加など世帯の小規模化が進んでいます。
〇 減少する年少人口と増加する高齢化率
高齢化率と3区分人口の推移
人
70,000
27.3%
60,000
50,000
4,532
5,491
6,504
20,000
10,000
14.3%
9.4%
32,868
10.4%
35,399
13,763
15,070
24.3%
16,969
25.0%
20.0%
21.6%
40,713
15.0%
38,297
38,086
36,814
36,967
10.0%
5.0%
10,674
11,709
11,805
S50年 S55年 S60年
15歳未満
6
41,228
40,060
11.8%
11,025
10,462
10,008
H2年
H7年
H12年 H17年 H22年 H27年
0
11,995
19.0%
16.7%
40,000
30,000
10,104
8,168
30.0%
15歳~64歳
9,386
65歳以上
8,615
8,213
0.0%
高齢化率
資料:国勢調査(H27年は9月末の住民基本台帳による。) これまでの取組と現状
第2章
〇 小規模化する世帯人員
世帯数と1世帯あたりの人員の推移
人/世帯
世帯
21,500
3.31
3.34
21,000
3.27
20,500
3.25
3.22
20,000
19,337
19,500
19,000
18,971
18,500
19,153
20,888
3.20
19,654
19,463 19,560
3.18
20,352
20,062
3.15
3.13
19,708 19,727
3.09
19,806
3.06
20,644
3.40
3.30
3.20
3.10
3.02
2.97
3.00
2.90
2.80
2.70
18,000
H15 年 H16 年 H17 年 H18 年 H19 年 H20 年 H21 年 H22 年 H23 年 H24 年 H25 年 H26 年 H27 年
1 世帯あたり人員
世帯数
資料:住民基本台帳(各年3月末) 平成24年度から外国人を含む。 (3)女性の労働力の現状
労働力率のグラフは、男性が台形型を描くのに対し、女性は子育て期にあたる30代を底とする
※
M字カーブを描く傾向にあります。本市では、全国と比較するとその底が非常に浅くなっています。
また、女性の労働力率は全ての年代で高い傾向にあり、育児や介護をしながら働いている女性
の割合が高い状態にあると考えられます。
〇 年齢階級別労働力率
100
◆
90
◆
80
●
▲
70
●
▲
◆
●
▲
◆
◆
◆
●
▲
●
▲
▲
●
◆
◆
●
▲
◆
●
県男
▲
60
●
▲
●
50
40
全国男
◆
全国女
30
20
10
●
▲
県女
▲
●
◆
天童男
▲
天童女
15
~
19
20
~
24
25
~
29
30
~
34
35
~
39
40
~
44
45
~
49
50
~
54
55
~
59
60
~
64
65
~
0
資料:平成22年度国勢調査 ※М字カーブ
女性の年齢階級別労働力率をグラフで表したときに描かれるМ字型の曲線をいう。
日本の女性の労働力率を年齢階級別にグラフ化したとき、出産・育児期に当たる30歳代で就業率が落ち込み、
子育てが一段落した40歳代以降に再就職する人が多いことを表している。なお、国際的にみると、アメリカや
スウェーデン等の欧米先進諸国では、子育て期における就業率の低下は見られない。
7
第2章
これまでの取組と現状
3
男女共同参画の動向
(1)市民満足度・重要度アンケート調査結果
平成26年5月に行った市の施策についての「市民満足度・重要度アンケート調査」(回収数1,
004)において、男女共同参画の推進に関する満足度を聞いたところ、「不満」「やや不満」と答
える女性の割合が男性の割合よりも多くなっています。
また、重要度については、20~29歳と60歳以上の年代において、「極めて重要」「重要」と考え
る人が多く、今後も男女共同参画社会の実現に向けた取り組みを推進していきます。
〇 男女共同参画社会の推進について
満足度
0%
20%
40%
重要度
60%
80%
100%
男性
女性
満足
やや満足
0%
20%
普通
40%
やや不満
60%
0%
性
男性
別
女性
不満
80%
極めて重要
100%
40%
重要
0%
20~29歳
20%
60%
普通
40%
重要でない
60%
80%
100%
全く重要でない
80%
100%
20~29歳
30~39歳
30~39歳
年
40~49歳
齢
50~59歳
40~49歳
50~59歳
60~69歳
60~69歳
70歳以上
70歳以上
満足
やや満足
普通
0%
やや不満
不満
50%
極めて重要
100%
重要
農林漁業
農林漁業
商工サービス自営業
職
会社・団体の役員
重要でない
50%
全く重要でない
100%
個人事業主
会社・団体の役員
業
会社員、公務員など
会社員、公務員など
パート、内職
パート、内職
専業主婦
専業主婦
無職
無職
満足
普通
0%
商工サービス自営業
個人事業主
8
20%
やや満足
普通
やや不満
不満
極めて重要
重要
普通
重要でない
全く重要でない
これまでの取組と現状
第2章
(2)天童市男女共同参画アンケート調査結果
平成27年度に開催した市民の集い及びタウンミーティングの参加者を対象に、男女共同参画に
ついてのアンケートを実施しました。
○男女共同参画という言葉を知っていましたか。
男女共同参画という言葉を知っているか尋ねたところ、「知っている」(71%)「言葉は聞
いたことがある」(12.9%)となっています。
a.知っている
c.全く知らなかった
b.言葉は聞いたこと
がある
71.0%
0%
10%
20%
30%
12.9%
40%
50%
60%
70%
d.無回答
3.2%
80%
12.9%
90%
100%
○社会・生活における男女共同参画の現状についてお聞きします。
以下のような環境で、男女共同参画は進んでいると思うか尋ねたところ、家庭生活や学校
教育の場では、「進んでいる」「まあまあ進んでいる」と答える人の割合が高く、職場や地域
社会においては、「あまり進んでいない」「進んでいない」と考える人の割合が高くなってい
ます。
社会全体では、「あまり進んでいない」「進んでいない」と考える人の割合が4割を超えて
います。
a.進んでいる
a.
進んでいる
1. 家庭生活
11.1%
2. 職場
11.1%
3. 学校教育の場
11.1%
4. 地域社会
3.7% 11.1%
5. 社会全体
3.7%
3.7%
0%
b.まあまあ進んでいる
まあまあ進んでいる
b.
c.
c.普通
普通
d. あまり進んで e . 進んでいない
f . わからない
いない
g. 無回答
1.1%
33.7%
14.8%
36.9%
18.5%
25.9%
22.2%
22.2%
3.7%
3.7%
3.7%
37.0%
22.2%
29.6%
20%
5.2%
37.0%
40%
60%
9.5% 4.7%
18.5%
11.1%
22.2%
11.1%
11.1%
3.7%
11.1% 3.7%
14.8%
80%
7.4%
100%
9
第2章
これまでの取組と現状
○家庭における役割分担について
あなたの家庭において以下の役割は主に誰が担っているか尋ねたところ、家庭における役
割分担については、「食事の準備」「洗濯」については、主に妻が担当していると答える人の
割合が高くなっています。
「子育て」「学校行事等」については、夫婦同じくらいと答える人が、3割になっています。
1. 食事の準備
0.0%
63.0%
2. 食事の後片付け 0.0%
3. 洗濯
4. 子育て
7.4%
48.1%
7.4%
22.2%
55.6%
0.0%
5. 学校行事等
e. わからない
d.その他家族 e.わからない
c. 夫婦同じくらい d.その他家族
c.夫婦同じくらい
b.妻
妻
b.
a.夫
a.
夫
37.0%
22.2%
6.地域活動
29.6%
14.8%
20%
3.7%
33.3%
44.4%
0%
7.4%
3.7%
40%
14.8%
11.1% 3.7%
14.8%
11.1% 3.7%
11.1%
11.1%
14.8%
11.1%
60%
80%
7.4%
14.8%
18.5%
25.9%
f. 無回答
11.1%
11.1% 3.7%
100%
(3)ワーク・ライフ・バランス及び男女共同参画に関する県民意識調査
これまで、国をはじめ県や市町村にお
いて男女平等や男女共同参画の理念を普
調査期間:平成26年8月~9月
及・啓発してきましたが、男女の地位の
調査地域:山形県全域
不平等感や、性別による役割分担意識が
調査対象:20歳以上の男女2,000人
まだ残っている状況です。
調査方法:郵送による調査・ウェブ調査
ア 固定的な役割分担意識
「夫は働き、妻は家庭を守る」という考え方についてどう思うかを尋ねたところ、「賛成
である」と「どちらかといえば賛成」を合わせた『賛成』(37.8%)が、
「 反対である」と「ど
ちらかといえば反対」を合わせた『反対』(48.1%)を下回り、前回調査と比較すると、『反
対』が『賛成』よりも多くなっています。
10
これまでの取組と現状
b.どちらかと言えば
賛成である
a.賛成
今回
7.4%
平成
21年度
調査
33.2%
10%
20%
17.2%
28.5%
30%
40%
e.わからない f.無回答
d.反対
30.9%
30.4%
11.9%
0%
c.どちらかと言えば
反対である
50%
11.6%
12.8%
60%
70%
第2章
2.6%
13.6%
80%
90%
100%
※固定的な役割分担意識
男女を問わず個人の能力等によって役割の分担を決めることが適当であるにもかかわらず、男性、女性とい
う性別を理由として、役割を固定的に分ける意識。代表的な例としては、「男は仕事・女は家庭」、「男性は主
要な業務・女性は補助的業務」等の意識
イ 男女の地位の平等意識
男女の地位の平等意識については、「学校教育の場」で『平等』と考えている人の割合が
高くなっています。一方、
「家庭生活」、
「職場」、
「政治の場」、
「社会通念・慣習・しきたり等」
では『男性が優遇』『どちらかと言えば男性が優遇』と考えている人の割合が5割を超えて
います。
男女共同参画社会を実現するためには、一般的に強く根付いている固定的な性別役割分担
意識のほか、男女の能力や適性に関する固定的な意識を解消する必要があります。
c.平等
c.平等
b.どちらかと
b.
どちらかと言えば
言えば
男性優遇
a.男性
a.
男性優遇
優遇
ア. 家庭生活
15.4%
イ. 職場
40.6%
19.2%
ウ. 地域活動の場
29.5%
41.0%
16.2%
オ. 政治の場
55.2%
13.5%
4.2% 6.0% 5.5%
36.9%
32.7%
カ. 法律や制度上
4.9% 3.9% 4.5%
22.9%
33.7%
8.8%
エ. 学校教育の場 3.0%
d.どちらかと言えば
d.
どちらかと言えば
e.女性優遇
e.
女性優遇
g.無回答
女性優遇
f. わからない
5.2%
3.3%
14.9%
4.7%
6.4%
1.2%
11.3%
7.6% 4.9%
42.1%
30.2%
9.5%
32.2%
5.0%
12.1%
5.0%
1.6%
キ. 社会通念・
慣習・しきたり等
25.4%
0%
49.5%
20%
40%
10.8%
60%
80%
7.5% 4.3%
100%
11
第2章
これまでの取組と現状
ウ 女性の政策方針決定過程への参画に関する意識
職場や地域、各種審議会等の役職に就いてほしいと要請があったときに引き受けるかを尋
ねたところ、男性が女性より引き受ける割合が高くなっています。
〇 職場の管理職や役員になることについて
47.0%
男性
24.9%
41.8%
17.0%
女性
0%
10%
20%
家族に相談して決める
断る
引き受ける
30%
40%
14.1%
27.0%
50%
60%
わからない
13.9%
14.3%
70%
80%
90%
100%
〇 PTA・町内会等の代表になることについて
18.9%
男性
32.4%
0%
33.5%
53.4%
8.3%
女性
家族に相談して決める
断る
引き受ける
10%
20%
30%
わからない
15.2%
30.9%
40%
50%
60%
70%
80%
7.4%
90%
100%
〇 審議会等の委員になることについて
断る
引き受ける
21.2%
男性
女性
37.9%
24.1%
56.0%
6.1%
0%
家族に相談して決める
10%
20%
30%
16.8%
20.5%
40%
50%
60%
70%
わからない
17.4%
80%
90%
100%
エ 女性の意見や考え方が施策に反映されているか
県や市町村の施策について、女性の意見や考え方が施策に反映されているかという質問に
対し、男性は「反映されている」と回答している人がやや多くなっています。一方、女性は
「反映されていない」と回答した人の割合が若干高くなっています。
12
これまでの取組と現状
十分反映されている
男性
あまり反映されていない
41.7%
4.8%
10%
20%
ほとんど反映されて
いない
31.5%
37.0%
女性 0.9%
0%
ある程度反映されている
4.1%
33.8%
30%
40%
50%
7.1%
60%
70%
第2章
わからない
17.9%
21.2%
80%
90%
100%
オ 女 性の社会参加の促進や社会的地位向上を図るために、県や市町村は今後どのよ
うな取組が必要か(○は3つまで複数選択可)
女性の社会参加を促進するために必要な行政支援として、男女ともに「保育・介護サービ
スの充実」、「女性の就労機会の増加、職場教育の充実」と答える人が多くなっており、育児
介護等の負担軽減や就労環境の改善が望まれています。
保育の施設・サービスや、
高齢者や病人の
施設・介護サービスを充実する
56.1
女性の就労の機会を増やしたり、
女性の職業
教育や職業訓練を充実する
35.1
職場における男女の均等な取扱いについて
周知徹底を行う
25.7
女性を政策決定の場に積極的に登用する
24.3
22.4
各種団体の女性リーダーを養成する
学校教育や社会教育・生涯学習の場で男女の平等
と相互の理解や協力についての学習を充実する
20.0
女性の生き方に関する情報提供や交流の場、
相談、
教育等のセンターを充実する
18.1
広報誌やパンフレット等で、男女の平等と相互
の理解や協力についてPRする。
6.7
各国の女性との交流や情報提供等、国際交流
を推進する
5.2
その他
4.5
特にない
3.5
6.6
わからない
3.3
無回答
0
10
20
30
40
50
60
70
80
90 100
%
13
第2章
これまでの取組と現状
4
男女共同参画の課題
男女共同参画社会とは、男女が、互いにその人権を尊重しつつ、対等な社会の構成員として、
自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され、もって男女が
均等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受することができ、かつ、共に責任を担うべ
き社会です。
男女共同参画社会の実現に向けては、人々の意識に根付いている性別に基づく固定的な役割分
担意識や、男女の能力や適性に関する固定観念の解消、人権尊重を基本とした男女平等観の形成
などが引き続き大きな課題となっています。人権意識や男女平等意識に基づき男女共同参画を進
める基礎として、教育・学習は重要な役割を果たしており、今後も様々な学習機会を提供してい
く必要があります。
また、少子高齢化の進行や家族形態が変化している中で、活力ある地域社会を形成するために
は、男女とも希望に応じて、安心して働き、結婚・出産・子育てをすることができる家庭生活や
地域社会の実現が不可欠です。そのため、子育てや介護をしながら働き続けられる環境を整備す
るとともに、家庭や地域での役割が果たせるように、職場でのワーク・ライフ・バランスを推進
することも必要となっています。さらに、ひとり親家庭などの生活困窮者が自立して暮らせるよ
う、相談及び情報提供や、経済的自立の支援などを総合的かつ体系的に進めていくことが必要と
なっています。
14
第3章
計画の基本的な方針
1
目指す社会
性別に関わりなく、その個性と能力を十分に発揮し、あらゆる分野においてパートナーとして
参画できる男女共同参画社会の実現は、一人ひとりが豊かな生活を送るために必要であるのはも
ちろんのこと、少子高齢化社会、人口減少社会が進行する現在、持続可能な社会を形成していく
ために必要な最重要課題となっています。
「第三次計画」は、天童市総合計画との整合を図りながら、目指す社会を次のように定め、計
画の推進を図ります。
目指す社会:
一人ひとりが認め合い いきいきと輝き 支え合うまち 天童
2
基本理念
男女共同参画を推進するにあたっては、次の4つの基本理念に沿って、各種施策を策定し、総
合的かつ計画的に推進します。
基本的な
人権の尊重
互いを一人の独
立した個人として
尊 重 し、 尊 厳 を
もって生きること
のできる機会を確
保していきます。
仕事と生活の調和
(ワーク・ライフ・
バランス)の推進
性別による固定
的な役割分担意識
や社会慣行などに
とらわれず、仕事
と家庭、地域にお
ける活動などをバ
ランスよく分担し
ていきます。
安全・安心な
暮らしの実現
あらゆる分野
での共同参画
生涯にわたり心
身ともに健康で暮
らせるようにしま
す。暴力のない社
会にしていきます。
男女が、お互い
を社会の対等な構
成員として、様々
な方針の決定に参
画できるようにし
ていきます。
15
第3章
計画の基本的な方針
3
基本目標
基本目標1
男女共同参画の意識の高揚と、認め合う社会基盤づくり
男女共同参画社会の実現のためには、男女が互いの人権を尊重し、対等な社会の構成員として
認め合うことが大切です。また、性別による固定的な役割分担意識や社会慣行等を解消するため
の取組を継続する必要があります。そのために、家庭、職場、学校、地域などあらゆる場におい
て、男女共同参画の視点に立った学習の機会や教育の充実に努めます。
基本目標2
一人ひとりがいきいきと働き、充実した豊かな生活を
おくることができる環境づくり
男女が職場において対等なビジネスパートナーとして働き、個々の能力を十分に発揮できるよ
うに、就労の場における男女平等をさらに促進します。また、女性が能力を発揮しながらいきい
きと活躍できるよう、仕事と家庭・地域活動が両立できる環境整備を行い、子育て・介護支援対
策の充実を図るとともに、多様な就業形態で働く人が、安心して働ける環境づくりを目指して取
り組みます。
基本目標3
支え合い安心して生活できる環境づくり
生涯にわたり心身共に健康な生活を送ることができるように、健康支援と保健医療の対策の充
実が必要です。特に女性は、妊娠や出産などの身体的特性があるため、男女が共に正しい知識を
持ち、思いやりを持つことが大切です。また、ドメスティック・バイオレンス※など暴力の被害
者の多くが女性であり、人権の侵害や男女共同参画を阻害する要因にもなっているため、こうし
た暴力の根絶を目指します。さらに、社会的に不利な立場に置かれやすい人々が安心して暮らし、
自立と社会参加ができるように努めます。
※ドメスティック・バイオレンス(DV)
配偶者、恋人からの暴力のことで、身体的暴力、精神的暴力、性的暴力、社会的暴力、経済的暴力などに分
けられる。平成13年10月に「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」いわゆるDV防止法が
施行され、法的に公の力で暴力の防止と被害者を保護する体制がとられている。
基本目標4
男女が共に活躍できる環境づくり
男女が社会の対等な構成員として、政治や行政、企業などにおいて政策・方針決定の場に参画
し、男女それぞれの視点や意見を反映することは、男女共同参画社会を実現するうえで重要です。
自治会や地域活動など様々な分野にも女性の参画を促進していく必要があります。また、男女共
同参画社会の促進のためには、市が積極的に環境を整備し、市民と協働によるまちづくりを進め
ます。
16
計画の基本的な方針
4
第3章
今後5年間の重点方針
第三次計画では、最近の社会情勢等を踏まえて実効性のあるものとするため、次の4つを重点
方針を掲げ、男女共同参画の取組を推進します。
重点方針
重点方針
あらゆる分野での
男女共同参画の推進
働きたい・働き続けたい
女性への活躍支援
1
2
1 仕事と生活の調和
(ワーク・ライフ・
バランス)
の推進
1 多様な分野での女性の活躍推進
2 男性の働き方や暮らし方の見直し
2 起業・再就業を希望する女性への支援
3 職場・地域・家庭等における男女
共同参画の推進
3 ハラスメント防止の啓発
4 健康づくりの支援
重点方針
重点方針
困難な立場にある
人々への支援
防災の分野における
男女共同参画の推進
3
1 女性に対するあらゆる暴力の根絶
2 ひとり親家庭の自立支援
3 高齢者・障がい者等への支援
4
1 地域防災分野における男女共同
参画の推進
2 女性消防隊への加入促進
17
第3章
計画の基本的な方針
5
重点方針に基づく指標
男女共同参画社会の実現を目指して、重点方針に基づく指標として目標値を設定し、達成状況
を数値化して把握します。
担当課
現状値
目標値
平成32年度
市長公室
19.6%
30%
2 女性委員が不在の審議会等の数
市長公室
4件
0件
3 両親教室における夫の参加率
健康課
95.5%
100%
4 料理教室への男性の参加人数
生涯学習課
112人
180人
生涯学習課
21.1%
30%
農林課
7人
15人
農林課
0人
3人
健康課
203人
300人
健康課
2,344人
3,000人
630人
1,000人
79件
100件
保険給付課
延1,198人
延2,000人
13 市総合防災訓練における地域女性の参加割合
危機管理室
15.5%
30%
14 女性消防隊への加入人数
消防本部
6人
10人
1
5
審議会・委員会等における女性委員の構成
比率
地域づくり委員会における女性委員の構成
比率
女性認定農業者数
6 ※自 ら農業経営の発展を目指して、市が認定す
重点方針1
平成26年度
備考
指標項目
る農業経営者
女性農業士数
の振興に寄与する女性農業者
8
スマート健診受診者数
9
乳がん検診受診者数
※若年者を対象にした健康診査
※市の乳がん検診に申し込んで受診した人数
認可保育所等の定員
10 ※認 可保育所及び認定こども園(2号・3号) 子育て支援課
重点方針2
7 ※農 業経営等の知識や技術を習得し、地域農業
の定員
12
※元気な65歳以上の方を対象とした介護予防事業
重点方針4
18
介護予防事業(一次予防)の参加者数
子育て支援課
重点方針3
11 婦人相談件数
計画の基本的な方針
6
第3章
施策体系
1
一人ひとりが認め合い いきいきと輝き 支え合うまち 天童
男女共同参画の
意識の高揚と、
認め合う社会
基盤づくり
2
一人ひとりが
いきいきと働き、
充実した豊かな
生活をおくる
ことができる
環境づくり
※女性活躍推進法
3
支え合い安心して
生活できる
環境づくり
4
男女が
共に活躍できる
環境づくり
施策の方向
男女共同参画に
1 対する意識啓発
の推進
重点方針4
重点方針3
重点方針2
重点方針1
基本目標
主な施策
① 男女共同参画の意識の普及・啓発活動の充実
② 女性の人権を尊重した活動の推進
③ 男女共同参画を推進する教育・学習の充実
④ 国際的視野に立った男女共同参画の推進
性別による固定的
2 な役割分担意識と
社会慣行の見直し
⑤ あらゆる分野における意識改革の促進
⑥ 男女共同参画に関する調査・研究及び情報収集・発信
雇用・就業におけ
3 る男女の均等な機
会と待遇の確保
⑦ 関係法令の遵守と男女の格差のない雇用の促進
⑧ ハラスメント防止対策の促進
⑨ 農業・自営業等の経営において女性が主体的に参画できるよう支援
仕事と生活の調和
4 (ワーク・ライフ・
バランス)の推進
⑩ 仕事と生活が両立できる環境づくり
⑪ 家庭における男女共同参画の促進
⑫ 子育て支援対策の充実
⑬ 介護支援対策の充実
女性の職業生活
5 における活躍の
推進
⑭ 多様な分野で、多様な活躍ができるよう支援
⑮ 女性の就業及び能力発揮・開発の支援
⑯ 女性起業家の育成・支援
⑰ 女性のキャリア形成やネットワークづくりの推進
⑱ 女性のチャレンジ支援策の推進
男女の
6
健康づくり支援
⑲ 生涯を通じた健康支援
⑳ 妊娠・出産期、子育て期における支援
㉑ 生涯にわたるスポーツ活動の促進
男女が互いの人権
7 を尊重して、暴力
のない社会を実現
㉒ DVを防止するための社会づくり
㉓ DV早期発見のための体制整備と連携強化
㉔ DV相談体制の充実
㉕ DV被害者の自立支援
※DV防止法
生活上困難を抱え
8 た人が安心して暮
らせる環境の整備
㉖ 高齢者世帯等への支援
㉗ 障がい者への支援
㉘ ひとり親家庭への自立支援
㉙ 市内在住外国人への支援
地域における身
9 近な男女共同参
画の促進
㉚ 自治会や地域づくり委員会等の地域活動における男女共同参画の促進
㉛ NPO、ボランティア活動の分野における男女共同参画の促進
㉜ 観光・環境・防犯等の分野での男女共同参画の促進
㉝ 防災分野における男女共同参画の促進
政策・方針決定
10 過程への女性の
参画の拡大
㉞ 女性の人材育成と人材情報の活用
㉟ 審議会等委員への女性の参画推進
㊱ 政策・方針決定の場における女性の参画促進
重点方針1
あらゆる分野での男女共同参画の推進
重点方針3
困難な立場にある人々への支援
重点方針2
働きたい・働き続けたい女性への活躍支援
重点方針4
防災の分野における男女共同参画の推進
19
第4章
基本目標ごとの施策の方向
基本目標1
施策の方向1
男女共同参画の意識の高揚と、認め合う社会
基盤づくり
男女共同参画に対する意識啓発の推進
男女が共に責任を分かち合い、一人ひとりがその意欲と能力に応じて様々な分野において
参画するには、互いの人権を尊重するとともに、男女共同参画社会基本法の理念に沿った社
会を構築していく必要があります。
本市は、これまで男女共同参画を進めるため、人権を尊重する意識の普及・啓発に取り組
んできました。今後も、国及び県との連携を強化しながら、行政と市民及び企業が一体となっ
て、男女平等の意識の確立に向けて継続して取り組みます。
地域、家庭、学校教育、社会教育の場など、あらゆる分野において、男女共同参画に関す
る意識啓発、教育の機会を設け、さらなる男女共同参画社会の実現に向けての取組を推進し
ます。
施策1
男女共同参画の意識の普及・啓発活動の充実
●実施事業
(1) 国及び県等と連携した広報・啓発活動の充実
国及び県と連携しながら、行政と市民、企業が一体となって、男女平等の意識の確立
に向けての取組を継続して推進します。特に、山形人権擁護委員協議会天童市部会と連
携しながら、男女共同参画の普及・意識啓発を推進します。
(2) 様々な広報媒体を通じた男女共同参画意識の普及・高揚の促進
ホームページや市報、関係団体の機関紙等を活用するほか、テレビ、ラジオなどのマ
スコミを通じて、人権尊重の意識の普及と啓発に努めます。
(3) 男女共同参画推進に関する意識啓発
地域、家庭、学校教育、社会教育の場など、あらゆる分野において、男女共同参画に
関する意識啓発の機会を設け、さらなる男女共同参画社会の実現に向けての取組を推進
します。
20
基本目標ごとの施策の方向
第4章
女性の人権を尊重した活動の推進
施策2
●実施事業
(1) 女性の人権確立のための啓発活動
女性の性的側面のみを強調したり、女性に対する暴力的な表現などを強調したりする
ことにより、女性の人権が侵害されないようメディア等へ働きかけます。
※1
(2) 性差に関する偏見(ジェンダー)を解消する学習活動
身体的性差やジェンダーについての理解を深めるため、若年層に対する学習活動を推
進します。また、インターネット等を含めたメディアの情報の取扱について、特に若年
※2
層がメディアリテラシーを身に付けられるよう、あふれる情報に対する情報モラルの啓
発と学習機会の充実に取り組みます。
(3) 人権特設相談所の設置
関係機関等と連携しながら、人権に関する相談所を設置し、困りごとなどの相談窓口
について周知広報します。
※1 ジェンダー
社会的・文化的に形成された性別のこと。人間には生まれついての生物学的性別(セックス/ sex)がある
一方、社会通念や慣習の中には、社会によって作り上げられた「男性像」、
「女性像」があり、このような男性、
女性の別を「社会的・文化的に形成された性別」(ジェンダー/ gender)という。
※2 メディアリテラシー
インターネットやテレビ、新聞などのメディア情報を主体的に読み解く能力、メディアにアクセスして活用
する能力、メディアを通じコミュニケーションする能力の3つを構成要素とする複合的な能力のこと。
施策3
男女共同参画を推進する教育・学習の充実
●実施事業
(1) 家庭での教育・学習の充実
子どもの意識形成の基礎となる家庭において、男女共同参画を推進するため、子ども
を持つ家庭を対象にした学習事業や広報・啓発活動を充実します。
・性別に基づく固定化された意識を家庭から見直す教育・学習の充実
・家庭において男女共同参画を推進する広報の充実
(2) 学校での教育・学習の充実
学校教育指導の重点や学習指導要領等に基づき、小学校においては、各教科、特別活動、
道徳、総合的な学習の時間などの指導をとおして、人権教育や男女平等教育の充実を図
ります。中学校では、さらに職場見学や職場体験等の実践を通しながら、自ら将来を考
える教育を推進します。
また、教員が男女共同参画の理念に対する理解を深め、児童生徒に対し人権尊重や男
女共同参画についての教育を充実し、子どもたちが急激な社会の変化に対応できる能力
や、自らの意思で進路を選択できる能力を培います。
・人権教育を充実させるための資料収集と教材開発
・進路学習や職場体験学習の充実
・教員研修の充実
・男女共同参画に関する標語等の募集
21
第4章
基本目標ごとの施策の方向
(3) 地域での教育・学習の充実
市立公民館を活用し、あらゆる年代の住民に男女共同参画を学ぶ機会を提供するとと
もに、家庭や地域の身近なところから男女共同参画を実践するきっかけづくりを行いま
す。また、地域づくり委員会やNPO法人、市民活動団体等の活動をとおした課題の掘
り起こしや解決といった取組への支援を行うほか、公民館だよりを利用した広報・啓発
活動を推進します。
・地域で男女共同参画についての理解を深めるイベントの開催
・市民ニーズに応じた講座の充実
・地域づくり委員会の活動をとおした課題の掘り起こしと解決への支援
・NPO法人、市民活動団体等の活動をとおした課題の掘り起こしと解決への支援
・公民館だよりを活用した広報・啓発活動の推進
施策4
国際的視野に立った男女共同参画の推進
●実施事業
(1) 小中学校における国際理解教育の充実
小中学校においては、外国語指導助手や外国人との交流による国際理解を深める教育
を進めます。姉妹都市等への中学生派遣事業をとおして国際理解や異文化理解の機会を
拡大します。
(2) 青少年の海外交流の促進
関係機関と連携して世界の文化や国際社会「女子差別撤廃条約」への理解を促進する
ほか、青少年の派遣や受入をとおした交流を深めます。
(3) 外国人との交流の場の拡大
天童市国際交流協会と連携して外国人と交流する機会を提供しながら、国際感覚豊か
な人材育成を進めます。
22
基本目標ごとの施策の方向
施策の方向2
第4章
性別による固定的な役割分担意識と社会慣行の見直し
男女共同参画についての理解を深めるためには、性別による役割分担意識や長年にわたる
社会制度や慣行等による固定的な観念を見直ししなければなりません。
家庭・地域・職場などのあらゆる分野において、自分の意思で思いのままに自分らしい生
き方を選択できる社会を目指すため、老若男女を対象とした学習の機会を提供します。特に、
若年世代及び男性の意識改革を促進する取組を積極的に展開します。
あらゆる分野における意識改革の促進
施策5
●実施事業
(1) 市民のニーズに応じた多様な講座の開設
性別による役割分担意識や長年にわたる社会制度や慣行等を見直し、多様な人材の積
極的参画を促すため、地域いきいき講座などライフステージに応じた効果的な学習の機
会を提供します。
(2) 家庭における男性の家事、子育て、介護の参画を促進
家庭・地域・職場などのあらゆる分野における固定的な役割分担意識の解消を図り、
男性の家事、子育て、介護の参画を促進します。
(3) 女性を対象にした人材養成プログラムの実施
女性が、自らの意思によって自分らしい生き方を選択できる社会を目指し、社会のあ
らゆる分野における活動に参画するための能力を身に付けるため、ニーズに応じた情報
の提供や学習機会の拡大を図ります。
施策6
男女共同参画に関する調査・研究及び情報収集・発信
●実施事業
(1) 情報収集・発信と啓発活動
根強く残る役割分担意識がどのようなものかを把握しながら、男女共同参画の重要性
についての認識を定着させるため、情報収集・発信と広報・啓発活動を積極的に展開し
ます。
男女共同参画に関する先進的な事例や資料等については、普段から収集し広く市民に
情報提供することにより、男女共同参画の意識の高揚と、地域における活動を拡大して
いきます。
(2) 県内に設置されている男女共同参画センターとの連携
山形県男女共同参画センター「チェリア」や山形市男女共同参画センター「ファーラ」
等では、男女共同参画を推進するイベントやセミナーをはじめ、交流事業等を実施して
います。県内の男女共同参画センターと連携しながら、広域的な男女共同参画の取組を
推進します。
23
第4章
基本目標ごとの施策の方向
(天童市職業生活における女性活躍推進計画)
基本目標2に掲げている施策の方向3から施策の方向5までの内容は、「女性の職業生
活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)」(平成27年9月4日号外法律第64
号)第6条第2項に基づく「市町村推進計画」と位置付けています。本市は、この基本目
標2を「天童市職業生活における女性活躍推進計画」として、女性の職業生活における活
躍を推進します。
基本目標2
施策の方向3
一人ひとりがいきいきと働き、充実した豊かな
生活をおくることができる環境づくり
雇用・就業における男女の均等な機会と待遇の確保
ライフスタイルの多様化や女性の高学歴化に伴い、女性の職場進出が進んでいます。少子
化や団塊の世代の定年等により労働力が不足し、女性の労働力は経済活動を支えるために大
きな役割を担い、欠かせない状況にあります。仕事においては、男女が共に平等に働き、そ
の能力を十分発揮できるようにしていかなければなりません。労働の場での男女平等は、男
女雇用機会均等法をはじめ、育児休業法の施行により改善されつつあります。しかし、昇進
や賃金格差のほか、能力開発のための研修機会が少ないなど、女性の能力が過小評価されて
いるなどの課題が残されています。
また、仕事だけでなく、男女が共に、家庭生活や地域活動などにも参画できるよう、仕事
と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)を実現するための環境づくりも必要です。行政
が率先して仕事と生活の調和の普及、啓発及び推進の意識改革を行う取組が求められていま
す。意識改革は、事業主だけでなく、就業者に対しても行い、男女が互いに家事、育児、介
護等の家庭生活においても男女が参画し責任を担う意識を高められるような社会環境の整備
を進めます。
農業や商工業の自営業者においては、家族従事者として働く女性の労働内容を適正に評価
するとともに、女性の経営能力の向上及び経済的な地位の確立を図る必要があります。男女
が共に生きがいや喜びを感じる働き方ができるよう、山形労働局や天童商工会議所、天童市
雇用対策協議会等と連携を図りながら労働環境の整備を目指します。
施策7
関係法令の遵守と男女の格差のない雇用の促進
●実施事業
(1) 男女雇用機会均等法をはじめとする法律、制度の周知徹底
国、県と連携しながら、事業主だけでなく、就労者に対して雇用分野における男女の
均等な機会と待遇を確保する男女雇用機会均等法や、育児・介護休業法、女性活躍推進
法の各種制度の周知を行います。
24
基本目標ごとの施策の方向
第4章
(2) 優れた人材の就労実現のための良質な雇用の場を確保
関係機関等と連携して、女性の採用等に積極的な優良企業の誘致及び就業情報の提供
に努めながら、労働環境の整備を目指します。
(3) 労働相談窓口の周知徹底
勤務条件等に関する相談窓口の周知・広報に努めます。
ハラスメント防止対策の促進
施策8
●実施事業
(1) 事業主及び労働者に対するハラスメント防止の啓発促進
※1
※2
※3
セクシュアルハラスメント、マタニティハラスメント、パワーハラスメントなどの各
種ハラスメント防止に係る事業主の雇用管理上の措置について周知徹底し、ハラスメン
トの防止対策を推進します。労働者に対しても、ハラスメント防止に向けた啓発と情報
提供を行います。
(2) ハラスメントに関する相談窓口の周知及び連携促進
ハラスメントの相談窓口の周知を図るとともに、相談窓口との連携を図ります。
※1 セクシュアルハラスメント
相手の意に反した性的な嫌がらせのこと。相手の意に反した性的な発言や行動、例えば身体への不必要な接
触、性的関係の強要、性的な噂の流布など、様々なものが含まれる。
※2 マタニティハラスメント
妊娠・出産・育児休業等を理由に、不利益な取り扱いを行うこと。
※3 パワーハラスメント
職場で働く者に対し、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、
精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為
農業・自営業等の経営において女性が主体的に参画できるよう支援
施策9
●実施事業
(1) 農業における家族経営協定の啓発と締結の促進
農業での家族従事者として果たしている女性の労働について適正に評価し、女性の経
営能力の向上、経済的な地位の向上を図ります。
(2) 農業に従事する女性の育成及び営農・技術指導研修の実施
職業に誇りをもち、生きがいを感じながら、農業に従事する女性の経営参画を促します。
また、農業に従事する一員として能力を十分に発揮できるよう、関係団体と連携しなが
ら女性の経済基盤の確立と地位の向上を図ります。
(3) 自営業に従事する女性の人材育成・能力開発を支援
関係機関と連携しながら、経営等に関する能力養成セミナー等の開催を支援します。
25
第4章
基本目標ごとの施策の方向
施策の方向4
仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の推進
男女共同参画社会につながる新たな取組として、仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バ
ランス)の実践が挙げられます。
仕事は暮らしを支え、生きがいや喜びをもたらすものですが、同時に、家事、育児、近隣
との付き合いなども暮らしに欠かすことができないものです。仕事と生活の調和が保たれて
こそ、豊かで充実した人生となります。
現実の社会には、安定した仕事に就けず、経済的に自立することができない、または仕事
に追われ、心身の健康を害しかねない人のほか、家庭での子育てや介護と仕事の両立に悩む
などの問題を抱える人が多く見られます。女性も男性も、自ら希望するバランスで仕事と生
活を両立する必要性を認めているにも関わらず、実際、その取組はなかなか実現されていな
い状況です。
仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)を実現するためには、家庭生活における
男性の理解と参画と、職場における長時間労働を見直す必要があります。男女ともに子育て
や介護をしながら働き続けられる職場環境を整備するとともに、家庭や地域でそれぞれの役
割が果たせるような取組を着実に推進します。
仕事と生活が両立できる環境づくり
施策10
●実施事業
(1) ワーク・ライフ・バランスを浸透させるための普及・啓発
ワーク・ライフ・バランスの概念や必要性をあらゆる業種へ浸透させるための普及・
啓発を強化します。
※1
※2
(2) 県の「山形いきいき子育て応援企業」制度や、
「やまがた企業イクボス同盟」制度 等の周知・活用
国・県と連携を図りながら、企業が行う仕事と家庭生活を両立するための積極的な取
組や女性の活躍推進に向けた取組を支援します。
また、「女性の活躍推進」や「仕事と家庭の両立支援」に取り組む企業に対する本市独
自の支援措置について調査研究します。
(3) 仕事と生活の両立のために企業が積極的に取り組んでいる事例紹介
企業及び就労者に対して、仕事と生活の両立に向けて企業が積極的に取り組んでいる
事例を紹介し、長時間労働を削減するなど働き方の見直しについて意識の向上を図ります。
※1 山形いきいき子育て応援企業制度
山形県で行っている事業で、企業における女性の活躍や子育て応援に積極的に取り組んでいる企業等を募集
し、「男女いきいき子育て応援宣言」企業として登録し、広く県民に紹介するとともに、登録企業に対して総
合的な支援措置を実施するもの。
※2 やまがた企業イクボス同盟制度
県内の各経済団体等から賛同を得て、企業経営者の参画による「やまがた企業イクボス同盟」を設立し、職
場で共に働く部下の仕事と家庭生活の両立を支援する「イクボス」として、ワーク・ライフ・バランスの普及
拡大を進めながら、働き続けられる職場づくりを実践していく制度
26
基本目標ごとの施策の方向
第4章
家庭における男女共同参画の促進
施策11
●実施事業
(1) 家庭における男女共同参画を促進する広報・啓発
家庭における家事、子育て、介護等の分野での男女共同参画を促進する広報・啓発を
行います。
(2) 男性を対象とした家庭における家事・子育て・介護講座の開催
男女が共に家庭における家事、子育て、介護等への関心が高まるような取組を推進し
ていきます。特に、男性が家事等に取り組むにあたって、必要となる知識や技術に関す
る情報や学習機会を提供し、家庭における男女共同参画を促進します。
(3) 学校行事や子ども会活動への父親の参加促進
学校行事等への父親の参加を促進する取組を進めます。
(4) 育児・介護休暇の取得を促進するための制度の周知と啓発
男女ともに子育てや介護をしながら働き続けられる職場環境を整備するとともに、家
庭や地域でそれぞれの役割が果たせるように、あらゆる業種へ仕事と生活の調和(ワー
ク・ライフ・バランス)の実現に向けた制度の紹介を行います。
子育て支援対策の充実
施策12
●実施事業
(1) 保育サービスの充実
増加する保育需要に対応するとともに、多様な保育ニーズに応じた保育サービスの拡
充に努めます。
(2) 放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)の充実
小学校就学児童の健全育成を図るため、放課後児童健全育成事業の充実を図ります。
(3) 子育て相談の充実
核家族化や地域社会の人間関係の希薄化により、子育てする家庭が孤立化する傾向が
見受けられるため、子育ての不安と負担感の解消を図れるよう、子育て家庭に対する相
談体制の充実を図ります。
(4) 地域子育て支援拠点事業の充実
子育て中の親が気軽に集い、相互交流や子育てに関する相談ができる場として、子育
て未来館げんキッズ等の地域子育て支援拠点事業の充実を図ります。
(5) 地域で取り組む子育て支援活動の充実
NPOや地域社会福祉協議会等が取り組む子育てを応援する事業を支援します。
27
第4章
基本目標ごとの施策の方向
介護支援対策の充実
施策13
●実施事業
(1) 介護保険制度及び休業制度等についての周知
要介護者を抱える家庭を支援するための介護保険制度や休業制度などを広く周知します。
(2) 市窓口及び地域包括支援センターにおける相談機能の充実
高齢者が住み慣れた地域で、いきいきと生活が継続できるよう、介護支援に関する相
談機能の充実を図ります。
(3) 介護・福祉サービスの充実
介護者の負担を軽減するとともに、高齢者が、介護が必要な状態になっても介護サー
ビスを利用し、安心して住み慣れた地域や家庭で自立した日常生活が送れるよう、介護・
福祉サービスの充実を図ります。
(4) 保健・医療の充実
健康寿命を延伸するために保健・医療サービスの充実を図ります。
(5) 介護予防事業の推進
高齢者の健康づくりを推進します。
28
基本目標ごとの施策の方向
施策の方向5
第4章
女性の職業生活における活躍の推進
平成27年9月に「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(女性活躍推進法)
が公布・施行されました。これを機に地域経済や地域社会の活性化を図るために、職業生活
を含むあらゆる分野において女性の活躍を進めようとする気運が高まっています。
女性の職業生活における活躍を推進するためには、これまでの男性中心型労働慣行を見直
し、長時間労働の解消を図る必要があります。そして、就業したいと思っている女性が自分
にあった働き方を選択し、安心して働き続けられるような環境づくりを推進します。そのた
めにも、企業においては女性を対象とした人材育成や能力向上等の取組が充実するよう支援
するとともに、企業のあらゆる活動に女性が参画できるよう支援していきます。
また、結婚、出産及び子育て等により離職した女性等が再就職を希望する場合は、職業能
力の向上を促しながら、再就職を支援します。さらに、起業を目指す女性に対しては、情報
の提供や相談業務の充実を図りながら支援を拡充していきます。
施策14
多様な分野で、多様な活躍ができるよう支援
●実施事業
(1) 多様なニーズに対応した働き方の情報収集・提供
男女が共に働きながら、家事や育児、介護等を分担し、ライフスタイルやライフサイ
クルに応じた働き方の情報を収集します。
また、就労意欲を持つ女性が自分にあった働き方を選択し、短時間勤務や在宅勤務等、
多様な働き方を取り入れている事業所の先進事例を把握し、情報提供します。
(2) 女性の就農環境の整備と女性起業者の育成
若手女性の就農を促進する取組を進めるとともに、農産物加工や直売等の起業活動を
支援します。
(3) 自らの適性や希望に基づく多様な進路選択のためのキャリア教育の取組の推進
幅広い豊富な職業観を養うため、働くことの意義や尊さを理解し、将来に夢や希望が
持てる子どもを育むことを目的とした、小中学校でのキャリア教育を推進します。
(4) 再就職等を希望する女性に対する支援体制の推進
山形労働局等の関係機関と連携して就業等に必要な情報を提供し、再就職等を希望す
る女性を支援します。
29
第4章
基本目標ごとの施策の方向
女性の就業及び能力発揮・開発の支援
施策15
●実施事業
(1) 就業するために必要となる資格取得等の情報提供
様々な分野で女性が活躍できるよう、就業するのに必要な資格取得や能力の育成・向
上を図るための研修事業について、関係機関と連携しながら情報の提供に努めます。
(2) 職業生活の質を安定・向上させるための情報の提供
就業してから仕事の内容が安定・向上するよう、事業所や女性労働者のニーズに応じ
た技能及び資格取得支援を行うセミナー等の情報提供を行います。
女性起業家の育成・支援
施策16
●実施事業
(1) 女性起業家に対する支援
女性の起業家を支援するため、起業に向けた検討段階から起業後の支援まで、それぞ
れの段階に応じたきめ細かい支援を行います。天童商工会議所等の関係機関と連携しな
がら、女性の起業のための相談業務や情報提供を行います。
(2) 女性農業従事者の育成及び農業グループの事業活動を支援
農業を経営する女性の育成・支援に取り組みます。また、女性の農業従事者やグルー
プが農産物直売所や農家レストラン等を起業する場合の相談に対応し支援を行います。
施策17
女性のキャリア形成やネットワークづくりの推進
●実施事業
(1) 女性のキャリア形成の支援
企業が長期的な視野に立って行う女性の人材育成や職業能力の開発する取組を、関係
機関と連携しながら支援します。また、女性の採用や管理職登用に向けた女性の参画を
積極的に推進する(ポジティブ・アクション)企業の取組を支援します。
(2) 女性のキャリアについて考える交流・連携の促進
関係機関と連携しながら、女性のキャリアについて考えるセミナーや相談会等を開催
し、女性のネットワーク化や交流の場づくりを促進します。
施策18
女性のチャレンジ支援策の推進
●実施事業
(1) 支援体制の充実及び情報提供
様々な分野でチャレンジしたいと考えている女性に対し、関係機関と連携しながら様々
な情報を提供し、支援体制の充実を図ります。
(2) 活躍している女性の事例の情報提供
関係機関と連携して、意欲と能力のある女性が社会で活躍している事例を収集し、広
く紹介する取組を推進します。
30
基本目標ごとの施策の方向
基本目標3
施策の方向6
第4章
支え合い安心して生活できる環境づくり
男女の健康づくり支援
男女が互いの身体的性差を十分に理解し合い、人権を尊重しつつ、思いやりを持って生き
ることは、男女共同参画社会を支える基盤となります。また、生涯を通して健康を保持・増
進することは、安心して生活するために大切なことです。
特に女性については、ライフステージに応じた心身の健康づくりを支援し、健康を自己管
理できるような教育を行い、生涯を通じた心身の健康づくりを進めます。
施策19
生涯を通じた健康支援
●実施事業
(1) 生涯を通じた男女の健康相談の充実
生涯にわたる男女の健康づくりを支援するため、健康相談を充実します。特に女性に
ついては、ライフステージに応じて変化する心身を適切に管理できるよう、学校教育や
広報活動等により健康増進に関する知識の普及と啓発を行います。
(2) 健康診査及び健康教育の充実
若い年代から自分の健康に関心を持ち、自己管理できるよう健康診査や健康教育を実
施し、生涯を通じた心身の健康づくりを支援します。
(3) こころの健康づくりに関する情報提供、相談機能の充実
家庭・職場等での悩みやストレスについての情報提供と相談機能の充実に取り組みま
す。
(4) 思春期保健指導の推進
男女が互いの身体的性差の理解を深めるため、学校教育の中で児童生徒に対し、健康
と性に関する正しい知識の教育を行います。
(5) 運動習慣の定着の推進
歩行や日常生活を維持しながら健康寿命の延伸を図るため、暮らしの中に運動習慣を
取り入れる取組を進めます。また、ロコモ予防の普及にも努めます。
31
第4章
基本目標ごとの施策の方向
妊娠・出産期、子育て期における支援
施策20
●実施事業
(1) 特定不妊治療費助成事業の推進
不妊治療に係る医療費の経済的負担の軽減を図ります。
(2) 妊婦健康診査事業の推進
早産・低出生体重児の予防及び健診料の負担軽減を図り、妊婦が安心して妊娠期を過
ごし、出産が迎えられるよう支援します。
(3) 妊娠期から子育て期の健康支援の充実
母子健康手帳交付時から保健師等による健康相談を行うとともに、出産後の赤ちゃん
訪問事業や健康相談を通して、安心して子どもを産み育てることができるよう「切れ目
のない支援」を行います。
(4) 医療機関との連携による相談体制の充実
医療機関と連携して、誰もが安心して妊娠、出産できるよう、妊娠、出産等の相談体
制を充実します。
施策21
生涯にわたるスポーツ活動の促進
●実施事業
(1) 市民参加型スポーツイベントの開催
心身ともに健康で活力ある生活ができるよう、気軽にスポーツに取り組むことができ
る環境を整備します。また、男女のスポーツ参加を促進するため、身近な地域で効果的
な健康づくりを図れるような魅力あるイベント開催を推進します。
(2) スポーツリーダーの育成
関係団体と連携して、気軽にスポーツを楽しむための指導者を養成・育成します。
32
基本目標ごとの施策の方向
第4章
(天童市DV防止基本計画)
基本目標3に掲げている施策の方向7に掲げる内容は、「配偶者からの暴力の防止及び
被害者の保護等に関する法律(DV防止法)」(平成13年4月13日法律第31号)第2条の3
第3項に基づく「市町村基本計画」と位置付けています。本市は、施策の方向7に掲げる
施策を「天童市DV防止基本計画」として、配偶者等に対する暴力の根絶と、被害者の支
援を推進します。
施策の方向7
男女が互いの人権を尊重して、暴力のない社会を実現
配偶者やパートナーなど、身近な人から受ける暴力(ドメスティック・バイオレンス:D
V)を含む女性に対する暴力は、人間としての尊厳を傷つけ、心身の成長及び人格の形成に
大きな影響を及ぼします。
警察への暴力相談等の件数も増加しており、被害者の多数が女性となっています。市では、
市民相談員や婦人相談員等が関係機関と連携しながら、DVやハラスメント等の相談に対応
しており、本市における平成26年度の婦人相談件数は年間79件で、年々増加傾向にあります。
DV被害等の背景には、男女の社会的地位や経済力の格差、固定的な役割分担意識など、
社会的・構造的な問題があると言われています。10代、20代の若年層が交際相手から被害を
受けるデートDVの被害も深刻な状況にあることが、内閣府の調査などで明らかになってき
ました。
※
最近、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)など、インターネット上の新
たなコミュニケーションツールの広がりに伴い、SNSを利用した性犯罪や暴力等が一層多
様化しているため、新しい形の暴力に対して迅速かつ的確に対応していく必要があります。
こうした状況を踏まえ、女性に対するあらゆる暴力を根絶するため、幼少期から人権を尊
重することなどの教育を通じて、暴力を容認するような表現や性犯罪を許さない社会環境の
整備に向けた取組を進めます。
また、DV被害等を受けた人が安心して生活するための施策として、被害者が孤立するこ
となく、安心して相談できる体制を確保するなど、被害者の立場に立ったきめ細かな対応が
求められます。さらに、暴力の影響から回復するための精神的・心理的支援、生活費等の金
銭的な支援、就業支援、住居の確保など、自立に向けた総合的な支援を行います。
※ソーシャル・ネットワーキング・サービス
友人・知人等の社会的ネットワークをインターネット上で提供することを目的とするコミュニケーション型
のサービスのこと。
33
第4章
基本目標ごとの施策の方向
DVを防止するための社会づくり
施策22
●実施事業
(1) 若い世代に向けた暴力防止の啓発強化
若い世代に向けた暴力防止のチラシを配布等により啓発を強化し、お互いを一人の人
間として尊重し、思いやることができる社会の形成を目指します。
(2) 関係機関との連携による「女性に対する暴力をなくす運動」等に合わせた女性に
対する暴力防止の普及啓発
関係機関と連携を図りながら「女性に対する暴力をなくす運動」、
「男女共同参画週間」、
「人権週間」等を通じて、女性の人権に関する意識啓発を行うとともに、性犯罪等の被
害防止対策を推進し、女性に対する暴力を許さない社会環境づくりを行います。
(3) DV防止に向けた学校教育の推進
20代未満の若年層を対象に、様々な暴力等について学ぶ教育を推進し、DV防止に努
めます。特にインターネットによる出会い系サイトやSNSの利用による被害や事故を
防止する指導を行います。
施策23
DV早期発見のための体制整備と連携強化
●実施事業
(1) 人権擁護委員、民生児童委員等の活動を通じた情報提供
山形人権擁護委員協議会天童市部会や民生児童委員等をはじめ、関係機関及び各種団
体と情報交換を行うなど連絡体制を強化します。
(2) DV被害の早期発見に向けた医療機関や学校等との連携
医療機関や学校等の関係機関と連携を図りながら、早期発見と早期対応に取り組みま
す。
(3) 主要な相談窓口との連携強化
警察や婦人相談機関等との連携を強化し、情報収集や調査を迅速に進めます。
34
基本目標ごとの施策の方向
第4章
DV相談体制の充実
施策24
●実施事業
(1) 相談窓口の周知及び対策等の充実
相談窓口を周知するとともに、相談者に対して適切な情報提供及び助言を行う体制を
整備します。
(2) 相談員等の研修の充実
相談員等の研修を充実し、専門的で適切な相談ができる体制を整備します。
(3) コンプライアンスの遵守及び個人情報の保護に向けた取組の推進
DV相談等に対応する関係団体において個人情報の徹底管理に努め、DV被害者の安
全を確保します。
施策25
DV被害者の自立支援
●実施事業
(1) 関係機関との連携による一時保護の実施
県婦人相談所等の関係機関との連携を強化して、DV被害者の一時保護について適正
かつ速やかに対応します。
(2) 身体的・精神的な回復を図るためのケアの充実
心身の回復を図るため、DV被害者へのケアを充実し、被害者の立場に立って総合的
に対応します。
(3) 安心して生活するための住宅情報の提供
安心して自立した生活ができるよう、安全な住宅の情報を提供します。
(4) 経済的な自立を促すための関係機関等と連携した就業情報の提供
生活上の困難を抱えているDV被害者に対して、ハローワーク等の関係機関と連携し、
各種制度の活用による就業支援を行います。
35
第4章
基本目標ごとの施策の方向
施策の方向8
生活上困難を抱えた人が安心して暮らせる環境の整備
経済的な面で不安を抱えている世帯をはじめ、高齢者や障がい者のほか、ひとり親家庭、
外国人等は、様々な要因から複合的に日々の生活に不安を抱えてしまいがちです。
高齢者や障がい者が社会から孤立することなく、慣れ親しんだ地域の支え合いにより安心
して暮らせるような取組が求められています。子どもの養育や経済面の不安を抱えがちなひ
とり親家庭においては、安心して暮らすことができるよう、社会的・経済的な自立に向けた
総合的な取組が求められています。日本の文化や習慣に慣れない外国人については、日本社
会の文化などを学ぶ機会を提供するとともに、相談できる体制の充実を図る必要があります。
また、性同一性障害等を理由として困難な状況に置かれているケースもあり、今後、人権尊
重の観点からの配慮が求められています。
年齢や障がいの有無、国籍や文化の違いなどで困難な状況に置かれている人が、一人ひと
りの能力と個性を発揮し、安心して社会参加できる環境の整備を関係機関と連携しながら進
めます。
施策26
高齢者世帯等への支援
●実施事業
(1) 高齢者世帯等への訪問事業の実施
一人暮らしの高齢者や高齢者世帯に対しては、地域内の見守りや支え合いなどの必要
な支援を行うほか、高齢者が孤立することがないよう地域及び民間団体等と連携しなが
ら協働による支援を行います。
(2) 相談体制の充実
不安を抱えている高齢者等の相談窓口の充実を図ります。
(3) いきいきサロン等の支え合い事業の充実
身近な地域で支え合ういきいきサロン等の事業の充実を図ります。
(4) 高齢者の社会参加活動の促進
高齢者が社会から孤立することなく、慣れ親しんだ地域での支え合いにより、生きが
いをもって活動できるよう社会参加活動を促進するとともに、安心して暮らせるような
支援を行います。また、高齢者の就業機会の確保の拡大を図ります。
(5) 健康診査の受診推進
高齢者に対して定期的な健康管理をチェックするため、健康診査の受診を勧めます。
(6) 市民活動団体等との連携強化
NPO等の市民活動団体と行政が協働による高齢者への支援を拡充します。
(7) 福祉ボランティア事業の充実
多岐にわたる福祉需要に対して柔軟かつ多様なサービスを提供できるようボランティ
アによる高齢者への支援体制の整備を図ります。
36
基本目標ごとの施策の方向
第4章
障がい者への支援
施策27
●実施事業
(1) 相談体制の充実
障がい者の様々な困りごとについて対応する相談体制の充実を図ります。
(2) 障がい福祉サービスなどの支援制度の充実
障がい者が住み慣れた地域で快適に生活できるよう、障がい福祉サービス等の充実を
図るとともに、支援制度の情報を提供します。一人ひとりの能力と個性を発揮できる社
会の実現を目指して、社会参加ができるよう支援します。
(3) 市民活動団体等との連携強化
NPO等の団体と行政が協働により障がい者への支援を行います。
ひとり親家庭への自立支援
施策28
●実施事業
(1) 相談体制の充実
ひとり親家庭は、子育てや生活、就業など様々な面で困難を抱えやすく、経済的・精
神的な負担を1人で背負うことになるため、日々の生活の不安を解消できるよう、母子
父子自立支援員や関係機関による相談体制を充実します。
(2) ひとり親家庭への経済的な支援
ひとり家庭の自立に向けて、医療費をはじめ、子育てや教育等に係る経済的な負担軽
減を図ります。
(3) 就労・住宅情報及び各種支援制度などの情報提供の充実
ひとり親家庭を対象とした就労や住宅などについて、各種支援制度に関する情報を提
供します。
施策29
市内在住外国人への支援
●実施事業
(1) 市内在住外国人の地域社会への参画促進
市内在住外国人が安心して地域社会に参画できるような情報を、関係機関と連携しな
がら提供し、その能力と個性を発揮しながらみんなが安心して暮らせる地域社会の実現
を目指します。
(2) 日本語習得機会の提供
市内在住外国人が地域の生活になじめるよう、関係機関等が取り組む日本語や日本社
会の文化について学ぶ講座等の開催を支援します。
(3) 外国人と地域住民との交流を通した国際交流の推進
国際交流協会等の関係団体との連携を図りながら、市内在住外国人が地域住民と交流
を深め、相互の理解を深められるように努めます。
37
第4章
基本目標ごとの施策の方向
基本目標4
施策の方向9
男女が共に活躍できる環境づくり
地域における身近な男女共同参画の促進
人口減少社会を迎え、将来にわたって持続可能な地域コミュニティを維持するには、男女
が共同で地域活動に参画する気運を醸成し、より豊かなで魅力ある地域づくりを進める必要
があります。
福祉、環境、防犯、防災、消費者活動等の様々な地域での活動に、多様な人材を登用し、
新たな視点や発想を取り入れることが、地域内の活性化につながっていきます。特に地域の
担い手である女性が、政策・意思決定の過程から地域活動に参画することにより、地域の細
やかなニーズに対応した快適で暮らしやすい地域づくりの取組が期待されています。
男性が中心となって進めてきたこれまでの地域活動を見直し、男女共同参画の視点で、女
性自らが高い関心を持ち、地域活動に参画できる環境の整備を進めます。
施策30
自治会や地域づくり委員会等の地域活動における男女共同参画の促進
●実施事業
(1) 公民館事業との連携による男女共同参画研修会の開催
より豊かで魅力ある地域づくりの活動を、男女共同参画の視点で進めるために、学習
の機会を提供します。
(2) 女性リーダーの育成と組織の活性化
自治会・婦人会などの地域団体をはじめ、PTA活動、文化や趣味などのサークル活動、
多様なボランティア活動などの担い手となる女性リーダーの育成を図ります。また、各
種団体の活性化に向けた取組を行います。
(3) 地域で活動する女性たちのネットワークの構築
地域活動において活動している女性たちのネットワークを構築し、女性同士の交流を
図ります。
(4) 地域いきいき講座等による学習機会の提供
女性自らが地域活動に高い関心を持ち、男女がともにまちづくりに参画しやすくなる
ような学習の場を提供します。
施策31
NPO、ボランティア活動の分野における男女共同参画の促進
●実施事業
(1) NPO、ボランティア活動の情報の収集と提供
市内のNPO等の団体の活動について情報を収集し、ホームページ等に掲載し広報し
ます。
38
基本目標ごとの施策の方向
第4章
(2) 地域の身近な課題解決に取り組むNPOなどの活動への支援
性別や年齢などに関わらず、身近な地域のNPO、ボランティア活動に参加しやすい
環境づくりに取り組みます。
(3) NPO団体の女性リーダーを養成する研修会の開催
女性の意見が幅広く反映されるようNPO等の市民活動の分野における女性リーダー
を養成する研修会を開催します。
観光・環境・防犯等の分野での男女共同参画の促進
施策32
●実施事業
(1) 観光分野等における女性の人材育成への支援
地域の活性化を図るため、地域の観光振興や文化などの継承及び伝承について、女性
の参画を促すため関係団体が取り組む人材育成を支援します。
(2) 観光、環境、防犯等の分野における連携・協力の促進
観光、環境、防犯等の分野において、個々の関心や経験を活かしながら、様々な分野
で連携・協力し合えるような交流を図ります。また、それぞれの分野での男女共同参画
を推進します。
防災分野における男女共同参画の推進
施策33
●実施事業
(1) 男女共同参画の視点に立った防災計画の策定
防災対策に関する方針決定過程への女性の参画を推進するとともに、地域の絆を深め
ながら、男女共同参画の視点に立った支え合いによる防災計画を策定します。
(2) 女性の視点を取り入れた災害対策の推進
東日本大震災における様々な経験と教訓を共有し、今後に活かしていくために、女性
の視点を取り入れた災害用備蓄物品の整備を進めます。また、多様なニーズを踏まえた
避難所の運営体制の整備等を進め、防災対策の拡充を図ります。
(3) 防災に関する会議における女性委員の積極的な登用
政策・方針決定過程の場に女性の参画を拡大します。
(4) 防災活動への男女共同参画の推進
地域コミュニティにおける防災活動分野での男女共同参画を推進します。
(5) 女性消防隊への加入促進
女性消防隊への加入を促進し、防災分野への女性参画を拡大します。
39
第4章
基本目標ごとの施策の方向
施策の方向10
政策・方針決定過程への女性の参画の拡大
いきいきとした豊かな社会を構築していくためには、男女が共に政策形成及び方針決定過
程の場に参画することが重要です。多様な人材の能力活用や様々な視点の導入といった観点
からも、女性の積極的な参画を推進していくことが求められています。国の第4次男女共同
参画基本計画(平成28年度~平成32年度)においては、「社会のあらゆる分野において2020
年までに指導的地位に女性が占める割合が、少なくとも30%程度になるよう期待する」とい
う目標を掲げ、幅広い人材の活用に取り組んでいます。
本市の政策・方針決定過程への女性の参画状況は、女性の公募委員が増えてきていますが、
男性に比べてまだまだ少ない状況です。本市の第二次計画では、審議会・委員会における女
性委員比率の目標値を40%と掲げていましたが、平成26年度末時点の数値は19.6%と目標達
成には至っていません。女性の能力を十分に活用することが今後の大きな課題となっていま
す。
女性の登用が進まない実態を調査し、改善に向けた取組方針を定めるとともに、効果的な
対策を講じることにより、女性委員登用率の向上に努めて政策・方針決定過程への女性参画
の拡大を図ります。
また、これと合わせて女性自らが、政治、経済、社会、文化等のあらゆる領域に参画する
意識を高揚させるとともに、女性の能力を十分に活用し、男女が社会の対等な構成員として
共に責任を担う社会の構築を目指します。
施策34
女性の人材育成と人材登録バンクの整備
●実施事業
(1) 女性リーダーを育成するための講座等の開催
政治、経済、社会等のあらゆる分野における政策・方針決定過程において、男女共同
参画が推進されるよう国及び県のほか、関係団体が連携して人材の育成に努めます。
(2) 女性の登用を促進するための人材登録バンクの整備
能力開発等の研修を修了した女性の人材登録バンクを整備し、女性の登用を促進しま
す。
40
基本目標ごとの施策の方向
第4章
審議会等委員への女性の参画推進
施策35
●実施事業
(1) 附属機関(審議会・委員会等)における女性委員を積極的に登用
政策・方針決定過程において、女性の視点や意見をより多く反映させるために、審議
会・委員会等委員へ女性の登用を積極的に推進し、本市の全ての審議会・委員会等で女
性委員の登用を目指します。
(2) 委員公募制の積極的な活用
審議会等の委員は、公募制も採用して男女共同参画を推進します。
(3) 企業・関係団体における女性委員推薦の協力要請
審議会等の委員の選出にあたっては、委員全体の30%が女性委員となるよう、関係団
体等に協力を要請していきます。
施策36
政策・方針決定の場における女性の参画促進
●実施事業
(1) 企業等における男女共同参画の促進
情報や流行に敏感で意欲のある女性が、企画当初の段階から政策・方針決定の場に参
画できるよう、県や関係団体等と連携しながら、企業等に対して広報し働きかけます。
(2) 女性の登用を推進している企業等の情報の収集及び提供
企業や団体等において、女性がその能力を十分に発揮して、いきいきと輝いている事
例を積極的に紹介します。
41
第5章
計画の推進
1
庁内推進体制の整備強化
近年の社会経済構造の急速な変化の中で、男女共同参画を取り巻く環境は、大きく変化してき
ました。その変化に対応するため、第三次計画の施策は広範囲で総合的な分野に及んでいます。
こうしたことから、第三次計画に掲げた施策を推進するため、
「 天童市男女共同参画推進本部」(仮
称)を設置し、事業の進捗状況の把握に努めながら、男女共同参画を推進します。
2
関係団体と行政との連携
平成13年度に設置された「天童市男女共同参画社会推進委員会(以下、
「 推進委員会」という。)」
等と行政との連携を図り、男女共同参画の推進を効果的に進められるよう取り組みます。特に、
推進委員会では、第三次計画に掲げた男女共同参画関連施策に関する幅広い意見を聴取するとと
もに、男女共同参画を推進する効果的な事業を市と協働により実施します。
3
国、県及び近隣自治体との連携
第三次計画は、男女共同参画社会基本法及び配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関す
る法律(DV防止法)、さらには女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推
進法)に基づく本市の基本計画であり、国、県との調整を図りながら、効果的な施策の展開を図
ります。
また、近隣自治体とも連携しながら広域的な男女共同参画の取組を進めます。
4
数値目標の設定
男女共同参画の推進を全市的な問題として捉え、取組による成果の検証を行うため、第三次計
画では指標の数値目標を設定します。男女共同参画の推進に係る施策の進行管理を、数値目標の
達成状況により把握し、事業の評価を行います。
5
進捗状況の公表
男女共同参画の取組についての検証による評価の結果と取組状況については、毎年度公表します。
42
資 料 編
● 計画策定の経過……………………………………………………………… 44
● 計画策定体制図……………………………………………………………… 45
● 天童市男女共同参画社会推進委員会… ……………………………… 46
● 計画策定委員会……………………………………………………………… 47
● 男女共同参画に関する情報・相談窓口一覧………………………… 48
● 関係法令
男女共同参画社会基本法…………………………………………………… 50
配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律………… 53
女性の職業生活における活躍の推進に関する法律…………………… 59
仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章…………………… 65
● 男女共同参画に関する動き……………………………………………… 68
計画策定の経過
年月日
44
会議名等
内 容
27年 5月25日
部長会
6月
現計画の検証(各課等からの意見集約、課題把握)
8月5日
第1回企画調査員会
・第三次計画の基本的な考え方について
9月7日
第2回企画調査員会
・第三次計画策定の基本的な考え方について
・現計画の検証について
9月11日
第1回幹事会
・第三次計画策定に係る基本方針等について
・施策の検証について
9月24日
天童市男女共同参画社会推進
委員会
・第三次計画策定に係る基本方針等について
・施策の検証について
9月28日
第1回策定委員会
・第三次計画策定に係る基本方針等について
・施策の検証について
10月5日
第3回企画調査員会
・現計画の検証について
・第三次計画の施策の方向について
12月4日
第4回企画調査員会
・現計画の検証について
・第三次計画の骨子案について
12月16日
第5回企画調査員会
・第三次計画の素案について
12月22日
第2回幹事会
・第三次計画の素案について
12月
担当各課等への照会(第三次計画における主な施策の確認)
28年 1月14日
天童市男女共同参画社会推進
委員会
・第三次計画の素案について
1月25日
第2回策定委員会
・第三次計画の素案について
2月5日
総務教育常任委員会で計画案の説明
2月5日~19日
第三次計画案に対するパブリックコメント
2月12日
第6回企画調査員会
・新計画の案について
2月18日
天童市男女共同参画社会推進
委員会
・第三次計画の案について
2月19日
第3回幹事会
・第三次計画の案について
3月16日
第3回策定委員会
・第三次計画の最終案について
3月
計画策定
現計画の見直し方針(案)について
計画策定体制図
市 長
第三次天童市男女共同参画社会
推進計画策定委員会
委員長 … 副市長
委 員 … 教育長、総務部長、
市男女共同参画社会
推進委員会
健康福祉部長、市民部長、
経済部長、建設部長、
総務部地方創生推進監、
天童市民病院事務局長、
消防長、教育次長、
議会事務局長、
その他市長が特に必要と 認めるもの
パブリックコメント
幹事会
幹事長 … 総務部長
幹 事 … 各課等の長
企画調査員会
事務局(市長公室)
45
天童市男女共同参画社会推進委員会
№
部 会
1
会
2
副
会
3
46
氏 名
所属団体名等
長
仲 野 和 子
天童商工会議所女性会
長
佐 藤 泰 子
市母子寡婦福祉連合会
三 宅 和 広
公 募
〃
4
事
長
芦 野 輝 広
公 募
5
企画・事業部会長
篠 原 茂
公 募
6
広報・調査部会長
伊 藤 智 也
連合山形地協天童地区連絡会
7
企画・事業部会
奥 山 歌代子
国際ソロプチミスト天童
8
〃
後 藤 美 代
市連合婦人会
9
〃
奥 山 恵美子
市連合婦人会
10
〃
伊 藤 栄 子
山形人権擁護委員協議会天童市部会
11
〃
松 村 澄 男
市地域づくり推進委員会
12
〃
佐 藤 朝 美
JAてんどう女性部
13
〃
武 田 正 二
市連合青壮年会
14
〃
丹 野 恵 子
市食生活改善推進協議会
15
〃
近 野 和 弘
公 募
16
〃
坂 本 ヨシ江
公 募
17
〃
佐 藤 信 孝
公 募
18
広報・調査部会
門 脇 正 則
市PTA連合会
19
〃
貴 田 忍
公益社団法人天童青年会議所
20
〃
佐 藤 ト シ
市民生児童委員連絡協議会
21
〃
大 江 通 成
天童商工会議所青年部
務
局
計画策定委員会
(平成27年度)
1 策定委員
委 員 長 新 関 茂(副 市 長)
水戸部 知 之(教 育 長)
遠 藤 浩(総務部地方創生推進監)
幹 事 長 武 田 淳(総
長)
齋 藤 忠 浩(天童市民病院事務局長)
吉 田 芳 弘(健 康 福 祉 部 長)
工 藤 仁(消 防 長)
酒 井 孝 二(市
民
部
長)
中 島 伸 一(教
小 川 博 史(経
済
部
長)
阿 部 英 弥(議 会 事 務 局 長)
大 石 章 夫(建
設
部
長)
木 村 松 子(有識者・山形大学准教授)
高 柳 茂 治(総務部総務課長)
田 中 広 也(経済部産業立地室長)
大 木 真(総務部財政課長)
横 山 伸 一(建設部建設課長)
森 谷 倫 祥(総務部市長公室長)
小笠原 祐 治(建設部都市計画課長)
日 野 耕 一(総務部危機管理室長)
佐 野 啓 子(会 計 管 理 者)
原 田 まき子(総務部税務課長)
工 藤 豊 和(上 下 水 道 課 長)
三 澤 一 弘(総務部納税課長)
金 子 重 也(天童市民病院事務局長補佐)
赤 塚 嘉 知(健康福祉部社会福祉課長)
細 谷 康 夫(消防本部消防課長)
松 浦 和 人(健康福祉部保険給付課長)
村 山 裕 二(教育委員会教育総務課長補佐)
村 山 弘 美(健康福祉部健康課長)
東海林 明 夫(教育委員会学校給食センター所長)
村 山 忠 彦(健康福祉部子育て支援課長)
長 岡 佳 孝(教育委員会学校教育課長)
伊 藤 芳 春(市民部生活環境課長)
武 田 文 敏(教育委員会生涯学習課長)
大 内 淳 一(市民部市民課長)
佐 藤 雅(選挙管理委員会事務局長)
今 野 芳(市民部文化スポーツ課長)
桃 園 正 幸(監査委員事務局長)
髙 橋 正 義(経済部農林課長)
加 藤 博 之(議会事務局長補佐)
務
部
育
次
長)
2 幹 事
長 瀬 吉 徳(経済部商工観光課長)
3 企画調査員
山 口 淳(総務部総務課副主幹)
岡 崎 友 美(建設部都市計画課行政主査)
会 長 瀬 野 真紀子(健康福祉部健康課副主幹)
三 宅 裕 子(会 計 課 副 主 幹)
名 和 和 幸(健康福祉部子育て支援課行政主査)
澤 章 子(天童市民病院副主幹)
安孫子 有 里(市民部生活環境課副主幹)
新 関 知 己(消防本部消防課課長補佐)
齋 藤 書 彦(市民部市民課行政主査)
結 城 篤 彦(教育委員会教育総務課副主幹)
茂 木 裕 子(経済部商工観光課行政主査)
鈴 木 勝 幸(教育員会生涯学習課行政主査)
山 本 真 広(経済部産業立地室行政主査)
青 柳 利 恵(議会事務局行政主査)
結 城 正 道(建設部建設課主査)
4 事 務 局
総務部市長公室
遠 藤 浩(室 長)
藤 澤 英 昭(副 主 幹)
湯 村 耕 司(室
清 野 美 穂(行
長
補
佐)
政
主
査)
47
男女共同参画に関する情報・相談窓口一覧
「第三次天童市男女共同参画推進計画」で扱われている項目等の中から、主に公の機関による情
報提供や相談が受けられる窓口を紹介します。
こんなときは
相談窓口
子ども女性電話相談
女性のさまざま
な悩みごとの相
談をしたいとき
日常生活の中で
感じた人権上の
問題について相
談したいとき
毎日(年末年始を除く)
8:30~22:00
問合せ先
023-642-2340
火~金 9:00~17:00
山形県男女共同参画センター
土・日・祝日 13:00~17:00 023-629-8007
「チェリア」
(第3日曜日、年末年始を除く)
市民相談室
男性のさまざま
な悩みごと相談
をしたいとき
相談受付時間
月~金 8:30~17:15
023-654-1111(代表)
山形県男女共同参画センター 第1・2・3水曜日 「チェリア」男性ほっとライン 19:00~21:00
023-646-1181
人権なんでも相談
月~金 8:30~17:15
0570-003-110
女性の人権ホットライン
月~金 8:30~17:15
0570-070-810
山形地方法務局
月~金 8:30~17:15
023-625-1321
日本司法支援センター山形地方事務所
月~金 9:00~17:00
「法テラス山形」
0503383-5544
市健康福祉部子育て支援課
023-654-1111(代表)
職場のセクシュ
アル・マタニティ・
山形労働局雇用環境・均等室 月~金 8:30~17:15
023-624-8228
パワー・ハラスメ
ント等について
火~金 9:00~17:00
相談したいとき
山形県男女共同参画センター
土・日・祝日 13:00~17:00 023-629-8007
「チェリア」
(第3日曜日、年末年始を除く)
月~金 8:30~17:15
配偶者暴力相談支援センター
月~金 8:30~17:15
山形県福祉相談センター
ドメスティック・
山形県村山総合支庁生活福祉課 月~金 8:30~17:15
バイオレンスに
ついて相談した
天童警察署
24時間対応
いとき
023-627-1196
0237-86-8212
023-651-0110
火~金 9:00~17:00
山形県男女共同参画センター
土・日・祝日 13:00~17:00 023-629-8007
「チェリア」
(第3日曜日、年末年始を除く)
総合的な職業紹
介サービスを希
望するとき
48
ハローワークやまがた
天童ワークプラザ
月~金 9:00~17:00
(第3月曜を除く)
023-654-5848
こんなときは
相談窓口
相談受付時間
問合せ先
起業について相
談したいとき
天童商工会議所
月~金 8:30~17:15
023-654-3511
農業経営について
相談したいとき
市経済部農林課
月~金 8:30~17:15
023-654-1111(代表)
心と身体の健康
について相談し
たいとき
市健康福祉部健康課
月~金 8:30~17:15
天童市健康センター内
023-652-0884
妊娠、出産、育児
について相談し
たいとき
市健康福祉部健康課
月~金 8:30~17:15
天童市健康センター内
023-652-0884
子育て・家庭児
童に関する相談
をしたいとき
市健康福祉部子育て支援課
月~金 8:30~17:15
023-654-1111(代表)
天童市地域包括支援センター
月~金 8:30~17:15
めいこうえん
特別養護老人ホーム明幸園内
023-664-0600
天童市地域包括支援センター中央 月~金 8:30~17:15
天童市社会福祉協議会内
023-658-8190
市健康福祉部保険給付課
月~金 8:30~17:15
023-654-1111(代表)
障がい者への支
援について相談
したいとき
市健康福祉部社会福祉課
月~金 8:30~17:15
023-654-1111(代表)
一人親家庭への
支援について相
談したいとき
市健康福祉部子育て支援課
月~金 8:30~17:15
023-654-1111(代表)
国際交流に関し
て聞きたいとき
天童市国際交流協会
月~金 8:30~17:15
天童商工会議所内
023-654-3511
高 齢 者 の 介 護・
生活について相
談したいとき
在住外国人が外
国語による相談や
日本語習得支援
を受けたいとき
山形県国際交流センター
外国人相談窓口
(外国語による相談)
英語
火曜~土曜日 10:00~17:00
023-646-8861
中国語
火曜日・金曜日 10:00~14:00 (相談専用)
韓国語・朝鮮語
木曜日・土曜日 10:00~14:00
ポルトガル語
水曜日・金曜日 10:00~14:00
※特に記載のない限り、祝日・年末年始は対応しておりません。
49
関 係 法 令
男女共同参画社会基本法(抄)
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、男女の人権が尊重され、かつ、社会経済情勢の変化に対応できる豊かで活力ある社会を実現
することの緊要性にかんがみ、男女共同参画社会の形成に関し、基本理念を定め、並びに国、地方公共団体及び
国民の責務を明らかにするとともに、男女共同参画社会の形成の促進に関する施策の基本となる事項を定めるこ
とにより、男女共同参画社会の形成を総合的かつ計画的に推進することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 男女共同参画社会の形成 男女が、社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野に
おける活動に参画する機会が確保され、もって男女が均等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受す
ることができ、かつ、共に責任を担うべき社会を形成することをいう。
二 積極的改善措置 前号に規定する機会に係る男女間の格差を改善するため必要な範囲内において、男女のい
ずれか一方に対し、当該機会を積極的に提供することをいう。
(男女の人権の尊重)
第三条 男女共同参画社会の形成は、男女の個人としての尊厳が重んぜられること、男女が性別による差別的取扱
いを受けないこと、男女が個人として能力を発揮する機会が確保されることその他の男女の人権が尊重されるこ
とを旨として、行われなければならない。
(社会における制度又は慣行についての配慮)
第四条 男女共同参画社会の形成に当たっては、社会における制度又は慣行が、性別による固定的な役割分担等を
反映して、男女の社会における活動の選択に対して中立でない影響を及ぼすことにより、男女共同参画社会の形
成を阻害する要因となるおそれがあることにかんがみ、社会における制度又は慣行が男女の社会における活動の
選択に対して及ぼす影響をできる限り中立なものとするように配慮されなければならない。
(政策等の立案及び決定への共同参画)
第五条 男女共同参画社会の形成は、男女が、社会の対等な構成員として、国若しくは地方公共団体における政策
又は民間の団体における方針の立案及び決定に共同して参画する機会が確保されることを旨として、行われなけ
ればならない。
(家庭生活における活動と他の活動の両立)
第六条 男女共同参画社会の形成は、家族を構成する男女が、相互の協力と社会の支援の下に、子の養育、家族の
介護その他の家庭生活における活動について家族の一員としての役割を円滑に果たし、かつ、当該活動以外の活
動を行うことができるようにすることを旨として、行われなければならない。
(国際的協調)
第七条 男女共同参画社会の形成の促進が国際社会における取組と密接な関係を有していることにかんがみ、男女
共同参画社会の形成は、国際的協調の下に行われなければならない。
(国の責務)
第八条 国は、第三条から前条までに定める男女共同参画社会の形成についての基本理念(以下「基本理念」とい
う。)にのっとり、男女共同参画社会の形成の促進に関する施策(積極的改善措置を含む。以下同じ。)を総合的
に策定し、及び実施する責務を有する。
(地方公共団体の責務)
第九条 地方公共団体は、基本理念にのっとり、男女共同参画社会の形成の促進に関し、国の施策に準じた施策及
びその他のその地方公共団体の区域の特性に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する。
(国民の責務)
第十条 国民は、職域、学校、地域、家庭その他の社会のあらゆる分野において、基本理念にのっとり、男女共同
参画社会の形成に寄与するように努めなければならない。
(法制上の措置等)
第十一条 政府は、男女共同参画社会の形成の促進に関する施策を実施するため必要な法制上又は財政上の措置そ
の他の措置を講じなければならない。
50
(年次報告等)
第十二条 政府は、毎年、国会に、男女共同参画社会の形成の状況及び政府が講じた男女共同参画社会の形成の促
進に関する施策についての報告を提出しなければならない。
2 政府は、毎年、前項の報告に係る男女共同参画社会の形成の状況を考慮して講じようとする男女共同参画社会
の形成の促進に関する施策を明らかにした文書を作成し、これを国会に提出しなければならない。
第二章 男女共同参画社会の形成の促進に関する基本的施策
(男女共同参画基本計画)
第十三条 政府は、男女共同参画社会の形成の促進に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、男女共同
参画社会の形成の促進に関する基本的な計画(以下「男女共同参画基本計画」という。)を定めなければならない。
2 男女共同参画基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
一 総合的かつ長期的に講ずべき男女共同参画社会の形成の促進に関する施策の大綱
二 前号に掲げるもののほか、男女共同参画社会の形成の促進に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため
に必要な事項
3 内閣総理大臣は、男女共同参画会議の意見を聴いて、男女共同参画基本計画の案を作成し、閣議の決定を求め
なければならない。
4 内閣総理大臣は、前項の規定による閣議の決定があったときは、遅滞なく、男女共同参画基本計画を公表しな
ければならない。
5 前二項の規定は、男女共同参画基本計画の変更について準用する。
(都道府県男女共同参画計画等)
第十四条 都道府県は、男女共同参画基本計画を勘案して、当該都道府県の区域における男女共同参画社会の形成
の促進に関する施策についての基本的な計画(以下「都道府県男女共同参画計画」という。)を定めなければな
らない。
2 都道府県男女共同参画計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
一 都道府県の区域において総合的かつ長期的に講ずべき男女共同参画社会の形成の促進に関する施策の大綱
二 前号に掲げるもののほか、都道府県の区域における男女共同参画社会の形成の促進に関する施策を総合的か
つ計画的に推進するために必要な事項
3 市町村は、男女共同参画基本計画及び都道府県男女共同参画計画を勘案して、当該市町村の区域における男女
共同参画社会の形成の促進に関する施策についての基本的な計画(以下「市町村男女共同参画計画」という。)
を定めるように努めなければならない。
4 都道府県又は市町村は、都道府県男女共同参画計画又は市町村男女共同参画計画を定め、又は変更したとき
は、遅滞なく、これを公表しなければならない。
(施策の策定等に当たっての配慮)
第十五条 国及び地方公共団体は、男女共同参画社会の形成に影響を及ぼすと認められる施策を策定し、及び実施
するに当たっては、男女共同参画社会の形成に配慮しなければならない。
(国民の理解を深めるための措置)
第十六条 国及び地方公共団体は、広報活動等を通じて、基本理念に関する国民の理解を深めるよう適切な措置を
講じなければならない。
(苦情の処理等)
第十七条 国は、政府が実施する男女共同参画社会の形成の促進に関する施策又は男女共同参画社会の形成に影響
を及ぼすと認められる施策についての苦情の処理のために必要な措置及び性別による差別的取扱いその他の男女
共同参画社会の形成を阻害する要因によって人権が侵害された場合における被害者の救済を図るために必要な措
置を講じなければならない。
(調査研究)
第十八条 国は、社会における制度又は慣行が男女共同参画社会の形成に及ぼす影響に関する調査研究その他の男
女共同参画社会の形成の促進に関する施策の策定に必要な調査研究を推進するように努めるものとする。
(国際的協調のための措置)
第十九条 国は、男女共同参画社会の形成を国際的協調の下に促進するため、外国政府又は国際機関との情報の交
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換その他男女共同参画社会の形成に関する国際的な相互協力の円滑な推進を図るために必要な措置を講ずるよう
に努めるものとする。
(地方公共団体及び民間の団体に対する支援)
第二十条 国は、地方公共団体が実施する男女共同参画社会の形成の促進に関する施策及び民間の団体が男女共同
参画社会の形成の促進に関して行う活動を支援するため、情報の提供その他の必要な措置を講ずるように努める
ものとする。
第三章 男女共同参画会議
(設置)
第二十一条 内閣府に、男女共同参画会議(以下「会議」という。)を置く。
(所掌事務)
第二十二条 会議は、次に掲げる事務をつかさどる。
一 男女共同参画基本計画に関し、第十三条第三項に規定する事項を処理すること。
二 前号に掲げるもののほか、内閣総理大臣又は関係各大臣の諮問に応じ、男女共同参画社会の形成の促進に関
する基本的な方針、基本的な政策及び重要事項を調査審議すること。
三 前二号に規定する事項に関し、調査審議し、必要があると認めるときは、内閣総理大臣及び関係各大臣に対
し、意見を述べること。
四 政府が実施する男女共同参画社会の形成の促進に関する施策の実施状況を監視し、及び政府の施策が男女共
同参画社会の形成に及ぼす影響を調査し、必要があると認めるときは、内閣総理大臣及び関係各大臣に対し、
意見を述べること。
(組織)
第二十三条 会議は、議長及び議員二十四人以内をもって組織する。
(議長)
第二十四条 議長は、内閣官房長官をもって充てる。
2 議長は、会務を総理する。
(議員)
第二十五条 議員は、次に掲げる者をもって充てる。
一 内閣官房長官以外の国務大臣のうちから、内閣総理大臣が指定する者
二 男女共同参画社会の形成に関し優れた識見を有する者のうちから、内閣総理大臣が任命する者
2 前項第二号の議員の数は、同項に規定する議員の総数の十分の五未満であってはならない。
3 第一項第二号の議員のうち、男女のいずれか一方の議員の数は、同号に規定する議員の総数の十分の四未満で
あってはならない。
4 第一項第二号の議員は、非常勤とする。
(議員の任期)
第二十六条 前条第一項第二号の議員の任期は、二年とする。ただし、補欠の議員の任期は、前任者の残任期間と
する。
2 前条第一項第二号の議員は、再任されることができる。
(資料提出の要求等)
第二十七条 会議は、その所掌事務を遂行するために必要があると認めるときは、関係行政機関の長に対し、監視
又は調査に必要な資料その他の資料の提出、意見の開陳、説明その他必要な協力を求めることができる。
2 会議は、その所掌事務を遂行するために特に必要があると認めるときは、前項に規定する者以外の者に対して
も、必要な協力を依頼することができる。
(政令への委任)
第二十八条 この章に定めるもののほか、会議の組織及び議員その他の職員その他会議に関し必要な事項は、政令
で定める。
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関 係 法 令
配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(抄)
第一章 総則
(定義)
第一条 この法律において「配偶者からの暴力」とは、配偶者からの身体に対する暴力(身体に対する不法な攻撃
であって生命又は身体に危害を及ぼすものをいう。以下同じ。)又はこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言
動(以下この項及び第二十八条の二において「身体に対する暴力等」と総称する。)をいい、配偶者からの身体
に対する暴力等を受けた後に、その者が離婚をし、又はその婚姻が取り消された場合にあっては、当該配偶者で
あった者から引き続き受ける身体に対する暴力等を含むものとする。
2 この法律において「被害者」とは、配偶者からの暴力を受けた者をいう。
3 この法律にいう「配偶者」には、婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含み、
「離
婚」には、婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にあった者が、事実上離婚したと同様の事情
に入ることを含むものとする。
(国及び地方公共団体の責務)
第二条 国及び地方公共団体は、配偶者からの暴力を防止するとともに、被害者の自立を支援することを含め、そ
の適切な保護を図る責務を有する。
第一章の二 基本方針及び都道府県基本計画等
(基本方針)
第二条の二 内閣総理大臣、国家公安委員会、法務大臣及び厚生労働大臣(以下この条及び次条第五項において「主
務大臣」という。)は、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護のための施策に関する基本的な方針(以下こ
の条並びに次条第一項及び第三項において「基本方針」という。)を定めなければならない。
2 基本方針においては、次に掲げる事項につき、次条第一項の都道府県基本計画及び同条第三項の市町村基本計
画の指針となるべきものを定めるものとする。
一 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する基本的な事項
二 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護のための施策の内容に関する事項
三 その他配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護のための施策の実施に関する重要事項
3 主務大臣は、基本方針を定め、又はこれを変更しようとするときは、あらかじめ、関係行政機関の長に協議し
なければならない。
4 主務大臣は、基本方針を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
(都道府県基本計画等)
第二条の三 都道府県は、基本方針に即して、当該都道府県における配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護の
ための施策の実施に関する基本的な計画(以下この条において「都道府県基本計画」という。)を定めなければ
ならない。
2 都道府県基本計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する基本的な方針
二 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護のための施策の実施内容に関する事項
三 その他配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護のための施策の実施に関する重要事項
3 市町村(特別区を含む。以下同じ。)は、基本方針に即し、かつ、都道府県基本計画を勘案して、当該市町村
における配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護のための施策の実施に関する基本的な計画(以下この条にお
いて「市町村基本計画」という。)を定めるよう努めなければならない。
4 都道府県又は市町村は、都道府県基本計画又は市町村基本計画を定め、又は変更したときは、遅滞なく、これ
を公表しなければならない。
5 主務大臣は、都道府県又は市町村に対し、都道府県基本計画又は市町村基本計画の作成のために必要な助言そ
の他の援助を行うよう努めなければならない。
第二章 配偶者暴力相談支援センター等
(配偶者暴力相談支援センター)
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第三条 都道府県は、当該都道府県が設置する婦人相談所その他の適切な施設において、当該各施設が配偶者暴力
相談支援センターとしての機能を果たすようにするものとする。
2 市町村は、当該市町村が設置する適切な施設において、当該各施設が配偶者暴力相談支援センターとしての機
能を果たすようにするよう努めるものとする。
3 配偶者暴力相談支援センターは、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護のため、次に掲げる業務を行うも
のとする。
一 被害者に関する各般の問題について、相談に応ずること又は婦人相談員若しくは相談を行う機関を紹介する
こと。
二 被害者の心身の健康を回復させるため、医学的又は心理学的な指導その他の必要な指導を行うこと。
三 被害者(被害者がその家族を同伴する場合にあっては、被害者及びその同伴する家族。次号、第六号、第五
条及び第八条の三において同じ。)の緊急時における安全の確保及び一時保護を行うこと。
四 被害者が自立して生活することを促進するため、就業の促進、住宅の確保、援護等に関する制度の利用等に
ついて、情報の提供、助言、関係機関との連絡調整その他の援助を行うこと。
五 第四章に定める保護命令の制度の利用について、情報の提供、助言、関係機関への連絡その他の援助を行う
こと。
六 被害者を居住させ保護する施設の利用について、情報の提供、助言、関係機関との連絡調整その他の援助を
行うこと。
4 前項第三号の一時保護は、婦人相談所が、自ら行い、又は厚生労働大臣が定める基準を満たす者に委託して行
うものとする。
5 配偶者暴力相談支援センターは、その業務を行うに当たっては、必要に応じ、配偶者からの暴力の防止及び被
害者の保護を図るための活動を行う民間の団体との連携に努めるものとする。
(婦人相談員による相談等)
第四条 婦人相談員は、被害者の相談に応じ、必要な指導を行うことができる。
(婦人保護施設における保護)
第五条 都道府県は、婦人保護施設において被害者の保護を行うことができる。
第三章 被害者の保護
(配偶者からの暴力の発見者による通報等)
第六条 配偶者からの暴力(配偶者又は配偶者であった者からの身体に対する暴力に限る。以下この章において同
じ。)を受けている者を発見した者は、その旨を配偶者暴力相談支援センター又は警察官に通報するよう努めな
ければならない。
2 医師その他の医療関係者は、その業務を行うに当たり、配偶者からの暴力によって負傷し又は疾病にかかった
と認められる者を発見したときは、その旨を配偶者暴力相談支援センター又は警察官に通報することができる。
この場合において、その者の意思を尊重するよう努めるものとする。
3 刑法(明治四十年法律第四十五号)の秘密漏示罪の規定その他の守秘義務に関する法律の規定は、前二項の規
定により通報することを妨げるものと解釈してはならない。
4 医師その他の医療関係者は、その業務を行うに当たり、配偶者からの暴力によって負傷し又は疾病にかかった
と認められる者を発見したときは、その者に対し、配偶者暴力相談支援センター等の利用について、その有する
情報を提供するよう努めなければならない。
(配偶者暴力相談支援センターによる保護についての説明等)
第七条 配偶者暴力相談支援センターは、被害者に関する通報又は相談を受けた場合には、必要に応じ、被害者に
対し、第三条第三項の規定により配偶者暴力相談支援センターが行う業務の内容について説明及び助言を行うと
ともに、必要な保護を受けることを勧奨するものとする。
(警察官による被害の防止)
第八条 警察官は、通報等により配偶者からの暴力が行われていると認めるときは、警察法(昭和二十九年法律第
百六十二号)、警察官職務執行法(昭和二十三年法律第百三十六号)その他の法令の定めるところにより、暴力
の制止、被害者の保護その他の配偶者からの暴力による被害の発生を防止するために必要な措置を講ずるよう努
めなければならない。
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(警察本部長等の援助)
第八条の二 警視総監若しくは道府県警察本部長(道警察本部の所在地を包括する方面を除く方面については、方
面本部長。第十五条第三項において同じ。)又は警察署長は、配偶者からの暴力を受けている者から、配偶者か
らの暴力による被害を自ら防止するための援助を受けたい旨の申出があり、その申出を相当と認めるときは、当
該配偶者からの暴力を受けている者に対し、国家公安委員会規則で定めるところにより、当該被害を自ら防止す
るための措置の教示その他配偶者からの暴力による被害の発生を防止するために必要な援助を行うものとする。
(福祉事務所による自立支援)
第八条の三 社会福祉法(昭和二十六年法律第四十五号)に定める福祉に関する事務所(次条において「福祉事務
所」という。)は、生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)、児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)、
母子及び父子並びに寡婦福祉法(昭和三十九年法律第百二十九号)その他の法令の定めるところにより、被害者
の自立を支援するために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
(被害者の保護のための関係機関の連携協力)
第九条 配偶者暴力相談支援センター、都道府県警察、福祉事務所等都道府県又は市町村の関係機関その他の関係
機関は、被害者の保護を行うに当たっては、その適切な保護が行われるよう、相互に連携を図りながら協力する
よう努めるものとする。
(苦情の適切かつ迅速な処理)
第九条の二 前条の関係機関は、被害者の保護に係る職員の職務の執行に関して被害者から苦情の申出を受けたと
きは、適切かつ迅速にこれを処理するよう努めるものとする。
第四章 保護命令
(保護命令)
第十条 被害者(配偶者からの身体に対する暴力又は生命等に対する脅迫(被害者の生命又は身体に対し害を加え
る旨を告知してする脅迫をいう。以下この章において同じ。)を受けた者に限る。以下この章において同じ。)が、
配偶者からの身体に対する暴力を受けた者である場合にあっては配偶者からの更なる身体に対する暴力(配偶者
からの身体に対する暴力を受けた後に、被害者が離婚をし、又はその婚姻が取り消された場合にあっては、当該
配偶者であった者から引き続き受ける身体に対する暴力。第十二条第一項第二号において同じ。)により、配偶
者からの生命等に対する脅迫を受けた者である場合にあっては配偶者から受ける身体に対する暴力(配偶者から
の生命等に対する脅迫を受けた後に、被害者が離婚をし、又はその婚姻が取り消された場合にあっては、当該配
偶者であった者から引き続き受ける身体に対する暴力。同号において同じ。)により、その生命又は身体に重大
な危害を受けるおそれが大きいときは、裁判所は、被害者の申立てにより、その生命又は身体に危害が加えられ
ることを防止するため、当該配偶者(配偶者からの身体に対する暴力又は生命等に対する脅迫を受けた後に、被
害者が離婚をし、又はその婚姻が取り消された場合にあっては、当該配偶者であった者。以下この条、同項第三
号及び第四号並びに第十八条第一項において同じ。)に対し、次の各号に掲げる事項を命ずるものとする。ただ
し、第二号に掲げる事項については、申立ての時において被害者及び当該配偶者が生活の本拠を共にする場合に
限る。
一 命令の効力が生じた日から起算して六月間、被害者の住居(当該配偶者と共に生活の本拠としている住居を
除く。以下この号において同じ。)その他の場所において被害者の身辺につきまとい、又は被害者の住居、勤
務先その他その通常所在する場所の付近をはいかいしてはならないこと。
二 命令の効力が生じた日から起算して二月間、被害者と共に生活の本拠としている住居から退去すること及び
当該住居の付近をはいかいしてはならないこと。
2 前項本文に規定する場合において、同項第一号の規定による命令を発する裁判所又は発した裁判所は、被害者
の申立てにより、その生命又は身体に危害が加えられることを防止するため、当該配偶者に対し、命令の効力が
生じた日以後、同号の規定による命令の効力が生じた日から起算して六月を経過する日までの間、被害者に対し
て次の各号に掲げるいずれの行為もしてはならないことを命ずるものとする。
一 面会を要求すること。
二 その行動を監視していると思わせるような事項を告げ、又はその知り得る状態に置くこと。
三 著しく粗野又は乱暴な言動をすること。
四 電話をかけて何も告げず、又は緊急やむを得ない場合を除き、連続して、電話をかけ、ファクシミリ装置を
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用いて送信し、若しくは電子メールを送信すること。
五 緊急やむを得ない場合を除き、午後十時から午前六時までの間に、電話をかけ、ファクシミリ装置を用いて
送信し、又は電子メールを送信すること。
六 汚物、動物の死体その他の著しく不快又は嫌悪の情を催させるような物を送付し、又はその知り得る状態に
置くこと。
七 その名誉を害する事項を告げ、又はその知り得る状態に置くこと。
八 その性的羞(しゆう)恥心を害する事項を告げ、若しくはその知り得る状態に置き、又はその性的羞恥心を
害する文書、図画その他の物を送付し、若しくはその知り得る状態に置くこと。
3 第一項本文に規定する場合において、被害者がその成年に達しない子(以下この項及び次項並びに第十二条第
一項第三号において単に「子」という。)と同居しているときであって、配偶者が幼年の子を連れ戻すと疑うに
足りる言動を行っていることその他の事情があることから被害者がその同居している子に関して配偶者と面会す
ることを余儀なくされることを防止するため必要があると認めるときは、第一項第一号の規定による命令を発す
る裁判所又は発した裁判所は、被害者の申立てにより、その生命又は身体に危害が加えられることを防止するた
め、当該配偶者に対し、命令の効力が生じた日以後、同号の規定による命令の効力が生じた日から起算して六月
を経過する日までの間、当該子の住居(当該配偶者と共に生活の本拠としている住居を除く。以下この項におい
て同じ。)、就学する学校その他の場所において当該子の身辺につきまとい、又は当該子の住居、就学する学校そ
の他その通常所在する場所の付近をはいかいしてはならないことを命ずるものとする。ただし、当該子が十五歳
以上であるときは、その同意がある場合に限る。
4 第一項本文に規定する場合において、配偶者が被害者の親族その他被害者と社会生活において密接な関係を有
する者(被害者と同居している子及び配偶者と同居している者を除く。以下この項及び次項並びに第十二条第一
項第四号において「親族等」という。)の住居に押し掛けて著しく粗野又は乱暴な言動を行っていることその他
の事情があることから被害者がその親族等に関して配偶者と面会することを余儀なくされることを防止するため
必要があると認めるときは、第一項第一号の規定による命令を発する裁判所又は発した裁判所は、被害者の申立
てにより、その生命又は身体に危害が加えられることを防止するため、当該配偶者に対し、命令の効力が生じた
日以後、同号の規定による命令の効力が生じた日から起算して六月を経過する日までの間、当該親族等の住居(当
該配偶者と共に生活の本拠としている住居を除く。以下この項において同じ。)その他の場所において当該親族
等の身辺につきまとい、又は当該親族等の住居、勤務先その他その通常所在する場所の付近をはいかいしてはな
らないことを命ずるものとする。
5 前項の申立ては、当該親族等(被害者の十五歳未満の子を除く。以下この項において同じ。)の同意(当該親
族等が十五歳未満の者又は成年被後見人である場合にあっては、その法定代理人の同意)がある場合に限り、す
ることができる。
(管轄裁判所)
第十一条 前条第一項の規定による命令の申立てに係る事件は、相手方の住所(日本国内に住所がないとき又は住
所が知れないときは居所)の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。
2 前条第一項の規定による命令の申立ては、次の各号に掲げる地を管轄する地方裁判所にもすることができる。
一 申立人の住所又は居所の所在地
二 当該申立てに係る配偶者からの身体に対する暴力又は生命等に対する脅迫が行われた地
(保護命令の申立て)
第十二条 第十条第一項から第四項までの規定による命令(以下「保護命令」という。)の申立ては、次に掲げる
事項を記載した書面でしなければならない。
一 配偶者からの身体に対する暴力又は生命等に対する脅迫を受けた状況
二 配偶者からの更なる身体に対する暴力又は配偶者からの生命等に対する脅迫を受けた後の配偶者から受ける
身体に対する暴力により、生命又は身体に重大な危害を受けるおそれが大きいと認めるに足りる申立ての時に
おける事情
三 第十条第三項の規定による命令の申立てをする場合にあっては、被害者が当該同居している子に関して配偶
者と面会することを余儀なくされることを防止するため当該命令を発する必要があると認めるに足りる申立て
の時における事情
四 第十条第四項の規定による命令の申立てをする場合にあっては、被害者が当該親族等に関して配偶者と面会
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することを余儀なくされることを防止するため当該命令を発する必要があると認めるに足りる申立ての時にお
ける事情
五 配偶者暴力相談支援センターの職員又は警察職員に対し、前各号に掲げる事項について相談し、又は援助若
しくは保護を求めた事実の有無及びその事実があるときは、次に掲げる事項
イ 当該配偶者暴力相談支援センター又は当該警察職員の所属官署の名称
ロ 相談し、又は援助若しくは保護を求めた日時及び場所
ハ 相談又は求めた援助若しくは保護の内容
ニ 相談又は申立人の求めに対して執られた措置の内容
2 前項の書面(以下「申立書」という。)に同項第五号イからニまでに掲げる事項の記載がない場合には、申立
書には、同項第一号から第四号までに掲げる事項についての申立人の供述を記載した書面で公証人法(明治
四十一年法律第五十三号)第五十八条ノ二第一項の認証を受けたものを添付しなければならない。
(迅速な裁判)
第十三条 裁判所は、保護命令の申立てに係る事件については、速やかに裁判をするものとする。
(保護命令事件の審理の方法)
第十四条 保護命令は、口頭弁論又は相手方が立ち会うことができる審尋の期日を経なければ、これを発すること
ができない。ただし、その期日を経ることにより保護命令の申立ての目的を達することができない事情があると
きは、この限りでない。
2 申立書に第十二条第一項第五号イからニまでに掲げる事項の記載がある場合には、裁判所は、当該配偶者暴力
相談支援センター又は当該所属官署の長に対し、申立人が相談し又は援助若しくは保護を求めた際の状況及びこ
れに対して執られた措置の内容を記載した書面の提出を求めるものとする。この場合において、当該配偶者暴力
相談支援センター又は当該所属官署の長は、これに速やかに応ずるものとする。
3 裁判所は、必要があると認める場合には、前項の配偶者暴力相談支援センター若しくは所属官署の長又は申立
人から相談を受け、若しくは援助若しくは保護を求められた職員に対し、同項の規定により書面の提出を求めた
事項に関して更に説明を求めることができる。
(保護命令の申立てについての決定等)
第十五条 保護命令の申立てについての決定には、理由を付さなければならない。ただし、口頭弁論を経ないで決
定をする場合には、理由の要旨を示せば足りる。
2 保護命令は、相手方に対する決定書の送達又は相手方が出頭した口頭弁論若しくは審尋の期日における言渡し
によって、その効力を生ずる。
3 保護命令を発したときは、裁判所書記官は、速やかにその旨及びその内容を申立人の住所又は居所を管轄する
警視総監又は道府県警察本部長に通知するものとする。
4 保護命令を発した場合において、申立人が配偶者暴力相談支援センターの職員に対し相談し、又は援助若しく
は保護を求めた事実があり、かつ、申立書に当該事実に係る第十二条第一項第五号イからニまでに掲げる事項の
記載があるときは、裁判所書記官は、速やかに、保護命令を発した旨及びその内容を、当該申立書に名称が記載
された配偶者暴力相談支援センター(当該申立書に名称が記載された配偶者暴力相談支援センターが二以上ある
場合にあっては、申立人がその職員に対し相談し、又は援助若しくは保護を求めた日時が最も遅い配偶者暴力相
談支援センター)の長に通知するものとする。
5 保護命令は、執行力を有しない。
(即時抗告)
第十六条 保護命令の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。
2 前項の即時抗告は、保護命令の効力に影響を及ぼさない。
3 即時抗告があった場合において、保護命令の取消しの原因となることが明らかな事情があることにつき疎明が
あったときに限り、抗告裁判所は、申立てにより、即時抗告についての裁判が効力を生ずるまでの間、保護命令
の効力の停止を命ずることができる。事件の記録が原裁判所に存する間は、原裁判所も、この処分を命ずること
ができる。
4 前項の規定により第十条第一項第一号の規定による命令の効力の停止を命ずる場合において、同条第二項から
第四項までの規定による命令が発せられているときは、裁判所は、当該命令の効力の停止をも命じなければなら
ない。
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5 前二項の規定による裁判に対しては、不服を申し立てることができない。
6 抗告裁判所が第十条第一項第一号の規定による命令を取り消す場合において、同条第二項から第四項までの規
定による命令が発せられているときは、抗告裁判所は、当該命令をも取り消さなければならない。
7 前条第四項の規定による通知がされている保護命令について、第三項若しくは第四項の規定によりその効力の
停止を命じたとき又は抗告裁判所がこれを取り消したときは、裁判所書記官は、速やかに、その旨及びその内容
を当該通知をした配偶者暴力相談支援センターの長に通知するものとする。
8 前条第三項の規定は、第三項及び第四項の場合並びに抗告裁判所が保護命令を取り消した場合について準用す
る。
(保護命令の取消し)
第十七条 保護命令を発した裁判所は、当該保護命令の申立てをした者の申立てがあった場合には、当該保護命令
を取り消さなければならない。第十条第一項第一号又は第二項から第四項までの規定による命令にあっては同号
の規定による命令が効力を生じた日から起算して三月を経過した後において、同条第一項第二号の規定による命
令にあっては当該命令が効力を生じた日から起算して二週間を経過した後において、これらの命令を受けた者が
申し立て、当該裁判所がこれらの命令の申立てをした者に異議がないことを確認したときも、同様とする。
2 前条第六項の規定は、第十条第一項第一号の規定による命令を発した裁判所が前項の規定により当該命令を取
り消す場合について準用する。
3 第十五条第三項及び前条第七項の規定は、前二項の場合について準用する。
(第十条第一項第二号の規定による命令の再度の申立て)
第十八条 第十条第一項第二号の規定による命令が発せられた後に当該発せられた命令の申立ての理由となった身
体に対する暴力又は生命等に対する脅迫と同一の事実を理由とする同号の規定による命令の再度の申立てがあっ
たときは、裁判所は、配偶者と共に生活の本拠としている住居から転居しようとする被害者がその責めに帰する
ことのできない事由により当該発せられた命令の効力が生ずる日から起算して二月を経過する日までに当該住居
からの転居を完了することができないことその他の同号の規定による命令を再度発する必要があると認めるべき
事情があるときに限り、当該命令を発するものとする。ただし、当該命令を発することにより当該配偶者の生活
に特に著しい支障を生ずると認めるときは、当該命令を発しないことができる。
2 前項の申立てをする場合における第十二条の規定の適用については、同条第一項各号列記以外の部分中「次に
掲げる事項」とあるのは「第一号、第二号及び第五号に掲げる事項並びに第十八条第一項本文の事情」と、同項
第五号中「前各号に掲げる事項」とあるのは「第一号及び第二号に掲げる事項並びに第十八条第一項本文の事情」
と、同条第二項中「同項第一号から第四号までに掲げる事項」とあるのは「同項第一号及び第二号に掲げる事項
並びに第十八条第一項本文の事情」とする。
(事件の記録の閲覧等)
第十九条 保護命令に関する手続について、当事者は、裁判所書記官に対し、事件の記録の閲覧若しくは謄写、そ
の正本、謄本若しくは抄本の交付又は事件に関する事項の証明書の交付を請求することができる。ただし、相手
方にあっては、保護命令の申立てに関し口頭弁論若しくは相手方を呼び出す審尋の期日の指定があり、又は相手
方に対する保護命令の送達があるまでの間は、この限りでない。
(法務事務官による宣誓認証)
第二十条 法務局若しくは地方法務局又はその支局の管轄区域内に公証人がいない場合又は公証人がその職務を行
うことができない場合には、法務大臣は、当該法務局若しくは地方法務局又はその支局に勤務する法務事務官に
第十二条第二項(第十八条第二項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の認証を行わせることができる。
(民事訴訟法の準用)
第二十一条 この法律に特別の定めがある場合を除き、保護命令に関する手続に関しては、その性質に反しない限
り、民事訴訟法(平成八年法律第百九号)の規定を準用する。
(最高裁判所規則)
第二十二条 この法律に定めるもののほか、保護命令に関する手続に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。
58
関 係 法 令
女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(抄)
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、近年、自らの意思によって職業生活を営み、又は営もうとする女性がその個性と能力を十分
に発揮して職業生活において活躍すること(以下「女性の職業生活における活躍」という。)が一層重要となっ
ていることに鑑み、男女共同参画社会基本法(平成十一年法律第七十八号)の基本理念にのっとり、女性の職業
生活における活躍の推進について、その基本原則を定め、並びに国、地方公共団体及び事業主の責務を明らかに
するとともに、基本方針及び事業主の行動計画の策定、女性の職業生活における活躍を推進するための支援措置
等について定めることにより、女性の職業生活における活躍を迅速かつ重点的に推進し、もって男女の人権が尊
重され、かつ、急速な少子高齢化の進展、国民の需要の多様化その他の社会経済情勢の変化に対応できる豊かで
活力ある社会を実現することを目的とする。
(基本原則)
第二条 女性の職業生活における活躍の推進は、職業生活における活躍に係る男女間の格差の実情を踏まえ、自ら
の意思によって職業生活を営み、又は営もうとする女性に対する採用、教育訓練、昇進、職種及び雇用形態の変
更その他の職業生活に関する機会の積極的な提供及びその活用を通じ、かつ、性別による固定的な役割分担等を
反映した職場における慣行が女性の職業生活における活躍に対して及ぼす影響に配慮して、その個性と能力が十
分に発揮できるようにすることを旨として、行われなければならない。
2 女性の職業生活における活躍の推進は、職業生活を営む女性が結婚、妊娠、出産、育児、介護その他の家庭生
活に関する事由によりやむを得ず退職することが多いことその他の家庭生活に関する事由が職業生活に与える影
響を踏まえ、家族を構成する男女が、男女の別を問わず、相互の協力と社会の支援の下に、育児、介護その他の
家庭生活における活動について家族の一員としての役割を円滑に果たしつつ職業生活における活動を行うために
必要な環境の整備等により、男女の職業生活と家庭生活との円滑かつ継続的な両立が可能となることを旨とし
て、行われなければならない。
3 女性の職業生活における活躍の推進に当たっては、女性の職業生活と家庭生活との両立に関し、本人の意思が
尊重されるべきものであることに留意されなければならない。
(国及び地方公共団体の責務)
第三条 国及び地方公共団体は、前条に定める女性の職業生活における活躍の推進についての基本原則(次条及び
第五条第一項において「基本原則」という。)にのっとり、女性の職業生活における活躍の推進に関して必要な
施策を策定し、及びこれを実施しなければならない。
(事業主の責務)
第四条 事業主は、基本原則にのっとり、その雇用し、又は雇用しようとする女性労働者に対する職業生活に関す
る機会の積極的な提供、雇用する労働者の職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境の整備その他の女性の
職業生活における活躍の推進に関する取組を自ら実施するよう努めるとともに、国又は地方公共団体が実施する
女性の職業生活における活躍の推進に関する施策に協力しなければならない。
第二章 基本方針等
(基本方針)
第五条 政府は、基本原則にのっとり、女性の職業生活における活躍の推進に関する施策を総合的かつ一体的に実
施するため、女性の職業生活における活躍の推進に関する基本方針(以下「基本方針」という。)を定めなけれ
ばならない。
2 基本方針においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 女性の職業生活における活躍の推進に関する基本的な方向
二 事業主が実施すべき女性の職業生活における活躍の推進に関する取組に関する基本的な事項
三 女性の職業生活における活躍の推進に関する施策に関する次に掲げる事項
イ 女性の職業生活における活躍を推進するための支援措置に関する事項
ロ 職業生活と家庭生活との両立を図るために必要な環境の整備に関する事項
ハ その他女性の職業生活における活躍の推進に関する施策に関する重要事項
59
四 前三号に掲げるもののほか、女性の職業生活における活躍を推進するために必要な事項
3 内閣総理大臣は、基本方針の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。
4 内閣総理大臣は、前項の規定による閣議の決定があったときは、遅滞なく、基本方針を公表しなければならな
い。
5 前二項の規定は、基本方針の変更について準用する。
(都道府県推進計画等)
第六条 都道府県は、基本方針を勘案して、当該都道府県の区域内における女性の職業生活における活躍の推進に
関する施策についての計画(以下この条において「都道府県推進計画」という。)を定めるよう努めるものとする。
2 市町村は、基本方針(都道府県推進計画が定められているときは、基本方針及び都道府県推進計画)を勘案し
て、当該市町村の区域内における女性の職業生活における活躍の推進に関する施策についての計画(次項におい
て「市町村推進計画」という。)を定めるよう努めるものとする。
3 都道府県又は市町村は、都道府県推進計画又は市町村推進計画を定め、又は変更したときは、遅滞なく、これ
を公表しなければならない。
第三章 事業主行動計画等
第一節 事業主行動計画策定指針
第七条 内閣総理大臣、厚生労働大臣及び総務大臣は、事業主が女性の職業生活における活躍の推進に関する取組
を総合的かつ効果的に実施することができるよう、基本方針に即して、次条第一項に規定する一般事業主行動計
画及び第十五条第一項に規定する特定事業主行動計画(次項において「事業主行動計画」と総称する。)の策定
に関する指針(以下「事業主行動計画策定指針」という。)を定めなければならない。
2 事業主行動計画策定指針においては、次に掲げる事項につき、事業主行動計画の指針となるべきものを定める
ものとする。
一 事業主行動計画の策定に関する基本的な事項
二 女性の職業生活における活躍の推進に関する取組の内容に関する事項
三 その他女性の職業生活における活躍の推進に関する取組に関する重要事項
3 内閣総理大臣、厚生労働大臣及び総務大臣は、事業主行動計画策定指針を定め、又は変更したときは、遅滞な
く、これを公表しなければならない。
第二節 一般事業主行動計画
(一般事業主行動計画の策定等)
第八条 国及び地方公共団体以外の事業主(以下「一般事業主」という。)であって、常時雇用する労働者の数が
三百人を超えるものは、事業主行動計画策定指針に即して、一般事業主行動計画(一般事業主が実施する女性の
職業生活における活躍の推進に関する取組に関する計画をいう。以下同じ。)を定め、厚生労働省令で定めると
ころにより、厚生労働大臣に届け出なければならない。これを変更したときも、同様とする。
2 一般事業主行動計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 計画期間
二 女性の職業生活における活躍の推進に関する取組の実施により達成しようとする目標
三 実施しようとする女性の職業生活における活躍の推進に関する取組の内容及びその実施時期
3 第一項に規定する一般事業主は、一般事業主行動計画を定め、又は変更しようとするときは、厚生労働省令で
定めるところにより、採用した労働者に占める女性労働者の割合、男女の継続勤務年数の差異、労働時間の状況、
管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合その他のその事業における女性の職業生活における活躍に関
する状況を把握し、女性の職業生活における活躍を推進するために改善すべき事情について分析した上で、その
結果を勘案して、これを定めなければならない。この場合において、前項第二号の目標については、採用する労
働者に占める女性労働者の割合、男女の継続勤務年数の差異の縮小の割合、労働時間、管理的地位にある労働者
に占める女性労働者の割合その他の数値を用いて定量的に定めなければならない。
4 第一項に規定する一般事業主は、一般事業主行動計画を定め、又は変更したときは、厚生労働省令で定めると
ころにより、これを労働者に周知させるための措置を講じなければならない。
5 第一項に規定する一般事業主は、一般事業主行動計画を定め、又は変更したときは、厚生労働省令で定めると
ころにより、これを公表しなければならない。
60
6 第一項に規定する一般事業主は、一般事業主行動計画に基づく取組を実施するとともに、一般事業主行動計画
に定められた目標を達成するよう努めなければならない。
7 一般事業主であって、常時雇用する労働者の数が三百人以下のものは、事業主行動計画策定指針に即して、一
般事業主行動計画を定め、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働大臣に届け出るよう努めなければなら
ない。これを変更したときも、同様とする。
8 第三項の規定は前項に規定する一般事業主が一般事業主行動計画を定め、又は変更しようとする場合につい
て、第四項から第六項までの規定は前項に規定する一般事業主が一般事業主行動計画を定め、又は変更した場合
について、それぞれ準用する。
(基準に適合する一般事業主の認定)
第九条 厚生労働大臣は、前条第一項又は第七項の規定による届出をした一般事業主からの申請に基づき、厚生労
働省令で定めるところにより、当該事業主について、女性の職業生活における活躍の推進に関する取組に関し、
当該取組の実施の状況が優良なものであることその他の厚生労働省令で定める基準に適合するものである旨の認
定を行うことができる。
(認定一般事業主の表示等)
第十条 前条の認定を受けた一般事業主(次条及び第二十条第一項において「認定一般事業主」という。)は、商品、
役務の提供の用に供する物、商品又は役務の広告又は取引に用いる書類若しくは通信その他の厚生労働省令で定
めるもの(次項において「商品等」という。)に厚生労働大臣の定める表示を付することができる。
2 何人も、前項の規定による場合を除くほか、商品等に同項の表示又はこれと紛らわしい表示を付してはならな
い。
(認定の取消し)
第十一条 厚生労働大臣は、認定一般事業主が次の各号のいずれかに該当するときは、第九条の認定を取り消すこ
とができる。
一 第九条に規定する基準に適合しなくなったと認めるとき。
二 この法律又はこの法律に基づく命令に違反したとき。
三 不正の手段により第九条の認定を受けたとき。
(委託募集の特例等)
第十二条 承認中小事業主団体の構成員である中小事業主(一般事業主であって、常時雇用する労働者の数が三百
人以下のものをいう。以下この項及び次項において同じ。)が、当該承認中小事業主団体をして女性の職業生活
における活躍の推進に関する取組の実施に関し必要な労働者の募集を行わせようとする場合において、当該承認
中小事業主団体が当該募集に従事しようとするときは、職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)第三十六
条第一項及び第三項の規定は、当該構成員である中小事業主については、適用しない。
2 この条及び次条において「承認中小事業主団体」とは、事業協同組合、協同組合連合会その他の特別の法律に
より設立された組合若しくはその連合会であって厚生労働省令で定めるもの又は一般社団法人で中小事業主を直
接又は間接の構成員とするもの(厚生労働省令で定める要件に該当するものに限る。)のうち、その構成員であ
る中小事業主に対して女性の職業生活における活躍の推進に関する取組を実施するための人材確保に関する相談
及び援助を行うものであって、その申請に基づいて、厚生労働大臣が、当該相談及び援助を適切に行うための厚
生労働省令で定める基準に適合する旨の承認を行ったものをいう。
3 厚生労働大臣は、承認中小事業主団体が前項に規定する基準に適合しなくなったと認めるときは、同項の承認
を取り消すことができる。
4 承認中小事業主団体は、第一項に規定する募集に従事しようとするときは、厚生労働省令で定めるところによ
り、募集時期、募集人員、募集地域その他の労働者の募集に関する事項で厚生労働省令で定めるものを厚生労働
大臣に届け出なければならない。
5 職業安定法第三十七条第二項の規定は前項の規定による届出があった場合について、同法第五条の三第一項及
び第三項、第五条の四、第三十九条、第四十一条第二項、第四十八条の三、第四十八条の四、第五十条第一項及
び第二項並びに第五十一条の二の規定は前項の規定による届出をして労働者の募集に従事する者について、同法
第四十条の規定は同項の規定による届出をして労働者の募集に従事する者に対する報酬の供与について、同法第
五十条第三項及び第四項の規定はこの項において準用する同条第二項に規定する職権を行う場合について、それ
ぞれ準用する。この場合において、同法第三十七条第二項中「労働者の募集を行おうとする者」とあるのは「女
61
性の職業生活における活躍の推進に関する法律第十二条第四項の規定による届出をして労働者の募集に従事しよ
うとする者」と、同法第四十一条第二項中「当該労働者の募集の業務の廃止を命じ、又は期間」とあるのは「期
間」と読み替えるものとする。
6 職業安定法第三十六条第二項及び第四十二条の二の規定の適用については、同法第三十六条第二項中「前項の」
とあるのは「被用者以外の者をして労働者の募集に従事させようとする者がその被用者以外の者に与えようとす
る」と、同法第四十二条の二中「第三十九条に規定する募集受託者」とあるのは「女性の職業生活における活躍
の推進に関する法律(平成二十七年法律第六十四号)第十二条第四項の規定による届出をして労働者の募集に従
事する者」とする。
7 厚生労働大臣は、承認中小事業主団体に対し、第二項の相談及び援助の実施状況について報告を求めることが
できる。
第十三条 公共職業安定所は、前条第四項の規定による届出をして労働者の募集に従事する承認中小事業主団体に
対して、雇用情報及び職業に関する調査研究の成果を提供し、かつ、これらに基づき当該募集の内容又は方法に
ついて指導することにより、当該募集の効果的かつ適切な実施を図るものとする。
(一般事業主に対する国の援助)
第十四条 国は、第八条第一項若しくは第七項の規定により一般事業主行動計画を策定しようとする一般事業主又
はこれらの規定による届出をした一般事業主に対して、一般事業主行動計画の策定、労働者への周知若しくは公
表又は一般事業主行動計画に基づく措置が円滑に実施されるように相談その他の援助の実施に努めるものとする。
第三節 特定事業主行動計画
第十五条 国及び地方公共団体の機関、それらの長又はそれらの職員で政令で定めるもの(以下「特定事業主」と
いう。)は、政令で定めるところにより、事業主行動計画策定指針に即して、特定事業主行動計画(特定事業主
が実施する女性の職業生活における活躍の推進に関する取組に関する計画をいう。以下この条において同じ。)
を定めなければならない。
2 特定事業主行動計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 計画期間
二 女性の職業生活における活躍の推進に関する取組の実施により達成しようとする目標
三 実施しようとする女性の職業生活における活躍の推進に関する取組の内容及びその実施時期
3 特定事業主は、特定事業主行動計画を定め、又は変更しようとするときは、内閣府令で定めるところにより、
採用した職員に占める女性職員の割合、男女の継続勤務年数の差異、勤務時間の状況、管理的地位にある職員に
占める女性職員の割合その他のその事務及び事業における女性の職業生活における活躍に関する状況を把握し、
女性の職業生活における活躍を推進するために改善すべき事情について分析した上で、その結果を勘案して、こ
れを定めなければならない。この場合において、前項第二号の目標については、採用する職員に占める女性職員
の割合、男女の継続勤務年数の差異の縮小の割合、勤務時間、管理的地位にある職員に占める女性職員の割合そ
の他の数値を用いて定量的に定めなければならない。
4 特定事業主は、特定事業主行動計画を定め、又は変更したときは、遅滞なく、これを職員に周知させるための
措置を講じなければならない。
5 特定事業主は、特定事業主行動計画を定め、又は変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
6 特定事業主は、毎年少なくとも一回、特定事業主行動計画に基づく取組の実施の状況を公表しなければならな
い。
7 特定事業主は、特定事業主行動計画に基づく取組を実施するとともに、特定事業主行動計画に定められた目標
を達成するよう努めなければならない。
第四節 女性の職業選択に資する情報の公表
(一般事業主による女性の職業選択に資する情報の公表)
第十六条 第八条第一項に規定する一般事業主は、厚生労働省令で定めるところにより、職業生活を営み、又は営
もうとする女性の職業選択に資するよう、その事業における女性の職業生活における活躍に関する情報を定期的
に公表しなければならない。
2 第八条第七項に規定する一般事業主は、厚生労働省令で定めるところにより、職業生活を営み、又は営もうと
する女性の職業選択に資するよう、その事業における女性の職業生活における活躍に関する情報を定期的に公表
するよう努めなければならない。
62
(特定事業主による女性の職業選択に資する情報の公表)
第十七条 特定事業主は、内閣府令で定めるところにより、職業生活を営み、又は営もうとする女性の職業選択に
資するよう、その事務及び事業における女性の職業生活における活躍に関する情報を定期的に公表しなければな
らない。
第四章 女性の職業生活における活躍を推進するための支援措置
(職業指導等の措置等)
第十八条 国は、女性の職業生活における活躍を推進するため、職業指導、職業紹介、職業訓練、創業の支援その
他の必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
2 地方公共団体は、女性の職業生活における活躍を推進するため、前項の措置と相まって、職業生活を営み、又
は営もうとする女性及びその家族その他の関係者からの相談に応じ、関係機関の紹介その他の情報の提供、助言
その他の必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
3 地方公共団体は、前項に規定する業務に係る事務の一部を、その事務を適切に実施することができるものとし
て内閣府令で定める基準に適合する者に委託することができる。
4 前項の規定による委託に係る事務に従事する者又は当該事務に従事していた者は、正当な理由なく、当該事務
に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
(財政上の措置等)
第十九条 国は、女性の職業生活における活躍の推進に関する地方公共団体の施策を支援するために必要な財政上
の措置その他の措置を講ずるよう努めるものとする。
(国等からの受注機会の増大)
第二十条 国は、女性の職業生活における活躍の推進に資するため、国及び公庫等(沖縄振興開発金融公庫その他
の特別の法律によって設立された法人であって政令で定めるものをいう。)の役務又は物件の調達に関し、予算
の適正な使用に留意しつつ、認定一般事業主その他の女性の職業生活における活躍に関する状況又は女性の職業
生活における活躍の推進に関する取組の実施の状況が優良な一般事業主(次項において「認定一般事業主等」と
いう。)の受注の機会の増大その他の必要な施策を実施するものとする。
2 地方公共団体は、国の施策に準じて、認定一般事業主等の受注の機会の増大その他の必要な施策を実施するよ
うに努めるものとする。
(啓発活動)
第二十一条 国及び地方公共団体は、女性の職業生活における活躍の推進について、国民の関心と理解を深め、か
つ、その協力を得るとともに、必要な啓発活動を行うものとする。
(情報の収集、整理及び提供)
第二十二条 国は、女性の職業生活における活躍の推進に関する取組に資するよう、国内外における女性の職業生
活における活躍の状況及び当該取組に関する情報の収集、整理及び提供を行うものとする。
(協議会)
第二十三条 当該地方公共団体の区域において女性の職業生活における活躍の推進に関する事務及び事業を行う国
及び地方公共団体の機関(以下この条において「関係機関」という。)は、第十八条第一項の規定により国が講
ずる措置及び同条第二項の規定により地方公共団体が講ずる措置に係る事例その他の女性の職業生活における活
躍の推進に有用な情報を活用することにより、当該区域において女性の職業生活における活躍の推進に関する取
組が効果的かつ円滑に実施されるようにするため、関係機関により構成される協議会(以下「協議会」という。)
を組織することができる。
2 協議会を組織する関係機関は、当該地方公共団体の区域内において第十八条第三項の規定による事務の委託が
されている場合には、当該委託を受けた者を協議会の構成員として加えるものとする。
3 協議会を組織する関係機関は、必要があると認めるときは、協議会に次に掲げる者を構成員として加えること
ができる。
一 一般事業主の団体又はその連合団体
二 学識経験者
三 その他当該関係機関が必要と認める者
4 協議会は、関係機関及び前二項の構成員(以下この項において「関係機関等」という。)が相互の連絡を図る
63
ことにより、女性の職業生活における活躍の推進に有用な情報を共有し、関係機関等の連携の緊密化を図るとと
もに、地域の実情に応じた女性の職業生活における活躍の推進に関する取組について協議を行うものとする。
5 協議会が組織されたときは、当該地方公共団体は、内閣府令で定めるところにより、その旨を公表しなければ
ならない。
(秘密保持義務)
第二十四条 協議会の事務に従事する者又は協議会の事務に従事していた者は、正当な理由なく、協議会の事務に
関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
(協議会の定める事項)
第二十五条 前二条に定めるもののほか、協議会の組織及び運営に関し必要な事項は、協議会が定める。
第五章 雑則
(報告の徴収並びに助言、指導及び勧告)
第二十六条 厚生労働大臣は、この法律の施行に関し必要があると認めるときは、第八条第一項に規定する一般事
業主に対して、報告を求め、又は助言、指導若しくは勧告をすることができる。
(権限の委任)
第二十七条 第八条から第十二条まで及び前条に規定する厚生労働大臣の権限は、厚生労働省令で定めるところに
より、その一部を都道府県労働局長に委任することができる。
(政令への委任)
第二十八条 この法律に定めるもののほか、この法律の実施のため必要な事項は、政令で定める。
第六章 罰則
第二十九条 第十二条第五項において準用する職業安定法第四十一条第二項の規定による業務の停止の命令に違反
して、労働者の募集に従事した者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
第三十条 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
一 第十八条第四項の規定に違反した者
二 第二十四条の規定に違反した者
第三十一条 次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
一 第十二条第四項の規定による届出をしないで、労働者の募集に従事した者
二 第十二条第五項において準用する職業安定法第三十七条第二項の規定による指示に従わなかった者
三 第十二条第五項において準用する職業安定法第三十九条又は第四十条の規定に違反した者
第三十二条 次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
一 第十条第二項の規定に違反した者
二 第十二条第五項において準用する職業安定法第五十条第一項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をし
た者
三 第十二条第五項において準用する職業安定法第五十条第二項の規定による立入り若しくは検査を拒み、妨
げ、若しくは忌避し、又は質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の陳述をした者
第三 十三条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関
し、第二十九条、第三十一条又は前条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して
も、各本条の罰金刑を科する。
第三十四条 第二十六条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者は、二十万円以下の過料に処する。(目
的)
64
関 係 法 令
仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章
我が国の社会は、人々の働き方に関する意識や環境が社会経済構造の変化に必ずしも適応しきれず、仕事と生活
が両立しにくい現実に直面している。
誰もがやりがいや充実感を感じながら働き、仕事上の責任を果たす一方で、子育て・介護の時間や、家庭、地域、
自己啓発等にかかる個人の時間を持てる健康で豊かな生活ができるよう、今こそ、社会全体で仕事と生活の双方の
調和の実現を希求していかなければならない。
仕事と生活の調和と経済成長は車の両輪であり、若者が経済的に自立し、性や年齢などに関わらず誰もが意欲と
能力を発揮して労働市場に参加することは、我が国の活力と成長力を高め、ひいては、少子化の流れを変え、持続
可能な社会の実現にも資することとなる。
そのような社会の実現に向けて、国民一人ひとりが積極的に取り組めるよう、ここに、仕事と生活の調和の必要
性、目指すべき社会の姿を示し、新たな決意の下、官民一体となって取り組んでいくため、政労使の合意により本
憲章を策定する。
〔いま何故仕事と生活の調和が必要なのか〕
(仕事と生活が両立しにくい現実)
仕事は、暮らしを支え、生きがいや喜びをもたらす。同時に、家事・育児、近隣との付き合いなどの生活も暮ら
しには欠かすことはできないものであり、その充実があってこそ、人生の生きがい、喜びは倍増する。
しかし、現実の社会には、
・ 安定した仕事に就けず、経済的に自立することができない、
・ 仕事に追われ、心身の疲労から健康を害しかねない、
・ 仕事と子育てや老親の介護との両立に悩む
など仕事と生活の間で問題を抱える人が多く見られる。
(働き方の二極化等)
その背景としては、国内外における企業間競争の激化、長期的な経済の低迷や産業構造の変化により、生活の不
安を抱える正社員以外の労働者が大幅に増加する一方で、正社員の労働時間は高止まりしたままであることが挙げ
られる。他方、利益の低迷や生産性向上が困難などの理由から、働き方の見直しに取り組むことが難しい企業も存
在する。
(共働き世帯の増加と変わらない働き方・役割分担意識)
さらに、人々の生き方も変化している。かつては夫が働き、妻が専業主婦として家庭や地域で役割を担うという
姿が一般的であり、現在の働き方は、このような世帯の姿を前提としたものが多く残っている。
しかしながら、今日では、女性の社会参加等が進み、勤労者世帯の過半数が、共働き世帯になる等人々の生き方
が多様化している一方で働き方や子育て支援などの社会的基盤は必ずしもこうした変化に対応したものとなってい
ない。また、職場や家庭、地域では、男女の固定的な役割分担意識が残っている。
(仕事と生活の相克と家族と地域・社会の変貌)
このような社会では、結婚や子育てに関する人々の希望が実現しにくいものになるとともに、「家族との時間」
や「地域で過ごす時間」を持つことも難しくなっている。こうした個人、家族、地域が抱える諸問題が少子化の大
きな要因の1つであり、それが人口減少にも繋がっているといえる。
また、人口減少時代にあっては、社会全体として女性や高齢者の就業参加が不可欠であるが、働き方や生き方の
選択肢が限られている現状では、多様な人材を活かすことができない。
(多様な働き方の模索)
一方で働く人々においても、様々な職業経験を通して積極的に自らの職業能力を向上させようとする人や、仕事
と生活の双方を充実させようとする人、地域活動への参加等をより重視する人などもおり、多様な働き方が模索さ
れている。
65
また、仕事と生活の調和に向けた取組を通じて、「ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)」の
実現に取り組み、職業能力開発や人材育成、公正な処遇の確保など雇用の質の向上につなげることが求められてい
る。ディーセント・ワークの推進は、就業を促進し、自立支援につなげるという観点からも必要である。
加えて、労働者の健康を確保し、安心して働くことのできる職場環境を実現するために、長時間労働の抑制、年
次有給休暇の取得促進、メンタルヘルス対策等に取り組むことが重要である。
(多様な選択肢を可能とする仕事と生活の調和の必要性)
いま、我々に求められているのは、国民一人ひとりの仕事と生活を調和させたいという願いを実現するととも
に、少子化の流れを変え、人口減少下でも多様な人材が仕事に就けるようにし、我が国の社会を持続可能で確かな
ものとする取組である。
働き方や生き方に関するこれまでの考え方や制度の改革に挑戦し、個々人の生き方や子育て期、中高年期といっ
た人生の各段階に応じて多様な働き方の選択を可能とする仕事と生活の調和を実現しなければならない。
個人の持つ時間は有限である。仕事と生活の調和の実現は、個人の時間の価値を高め、安心と希望を実現できる
社会づくりに寄与するものであり、「新しい公共」※の活動等への参加機会の拡大などを通じて地域社会の活性化
にもつながるものである。また、就業期から地域活動への参加など活動の場を広げることは、生涯を通じた人や地
域とのつながりを得る機会となる。
※「新しい公共」とは、行政だけでなく、市民やNPO、企業などが積極的に公共的な財・サービスの提供主体
となり、教育や子育て、まちづくり、介護や福祉などの身近な分野で活躍することを表現するもの。
(明日への投資)
仕事と生活の調和の実現に向けた取組は、人口減少時代において、企業の活力や競争力の源泉である有能な人材
の確保・育成・定着の可能性を高めるものである。とりわけ現状でも人材確保が困難な中小企業において、その取
組の利点は大きく、これを契機とした業務の見直し等により生産性向上につなげることも可能である。こうした取
組は、企業にとって「コスト」としてではなく、「明日への投資」として積極的にとらえるべきである。
以上のような共通認識のもと、仕事と生活の調和の実現に官民一体となって取り組んでいくこととする。
〔仕事と生活の調和が実現した社会の姿〕
1 仕事と生活の調和が実現した社会とは、「国民一人ひとりがやりがいや充実感を感じながら働き、仕事上の責
任を果たすとともに、家庭や地域生活などにおいても、子育て期、中高年期といった人生の各段階に応じて多様
な生き方が選択・実現できる社会」である。
具体的には、以下のような社会を目指すべきである。
① 就労による経済的自立が可能な社会
経済的自立を必要とする者とりわけ若者がいきいきと働くことができ、かつ、経済的に自立可能な働き方が
でき、結婚や子育てに関する希望の実現などに向けて、暮らしの経済的基盤が確保できる。
② 健康で豊かな生活のための時間が確保できる社会
働く人々の健康が保持され、家族・友人などとの充実した時間、自己啓発や地域活動への参加のための時間
などを持てる豊かな生活ができる。
③ 多様な働き方・生き方が選択できる社会
性や年齢などにかかわらず、誰もが自らの意欲と能力を持って様々な働き方や生き方に挑戦できる機会が提
供されており、子育てや親の介護が必要な時期など個人の置かれた状況に応じて多様で柔軟な働き方が選択で
き、しかも公正な処遇が確保されている。
〔関係者が果たすべき役割〕
2 このような社会の実現のためには、まず労使を始め国民が積極的に取り組むことはもとより、国や地方公共団
体が支援することが重要である。既に仕事と生活の調和の促進に積極的に取り組む企業もあり、今後はそうした
企業における取組をさらに進め、社会全体の運動として広げていく必要がある。
そのための主な関係者の役割は以下のとおりである。また、各主体の具体的取組については別途、「仕事と生
活の調和推進のための行動指針」で定めることとする。
66
取組を進めるに当たっては、女性の職域の固定化につながることのないように、仕事と生活の両立支援と男性
の子育てや介護への関わりの促進・女性の能力発揮の促進とを併せて進めることが必要である。
(企業と働く者)
(1) 企業とそこで働く者は、協調して生産性の向上に努めつつ、職場の意識や職場風土の改革とあわせ働き
方の改革に自主的に取り組む。
(国民)
(2) 国民の一人ひとりが自らの仕事と生活の調和の在り方を考え、家庭や地域の中で積極的な役割を果た
す。また、消費者として、求めようとするサービスの背後にある働き方に配慮する。
(国)
(3) 国民全体の仕事と生活の調和の実現は、我が国社会を持続可能で確かなものとする上で不可欠であるこ
とから、国は、国民運動を通じた気運の醸成、制度的枠組みの構築や環境整備などの促進・支援策に積極
的に取り組む。
(地方公共団体)
(4) 仕事と生活の調和の現状や必要性は地域によって異なることから、その推進に際しては、地方公共団体
が自らの創意工夫のもとに、地域の実情に応じた展開を図る。
67
男女共同参画に関する動き
年
世界の動き
国内の動き
1945(S20) ・国際連合設立
・婦人参政権実現
1947(S22)
・日本国憲法施行(基本的人権の尊
重、法の下の平等の明文化)
山形県の動き
1946(S21) ・国際連合に婦人の地位委員会発足 ・日本初の婦人参政権行使
1972(S47)
・国 連 総 会 で1975年 を 国 際 婦 人
年とすることを宣言
1975(S50)
・国際婦人年第一回世界女性会議開催
・国連総会で「国連婦人の10年」の決定
・婦人問題企画推進本部設置
・育児休業法の成立
・国内行動計画策定
・国立婦人教育会館開館
1977(S52)
1978(S53)
・山形県婦人問題推進本部設置
・婦人問題推進懇話会設置
・婦人問題推進のための県内行動計画策定
1979(S54) ・国連総会で女性差別撤廃条約採択
1980(S55) ・国連婦人の10年中間年世界会議開催
・婦 人の政策決定参加を促進する
特別活動推進要綱規定
1981(S56) ・女子差別撤廃条約発効
1985(S60)
・国 連婦人の10年最終年世界会議開催、婦人 ・男女雇用機会均等法成立
の地位向上のためのナイロビ将来戦略を採択 ・女子差別撤廃条約批准
1986(S61)
・労働基準法改正(母性保護の充実等)
1987(S62)
・西暦2000年に向けての新国内行動計画策定 ・新やまがた女性プラン策定
・女 性差別撤廃委員会(第7回)
1988(S63)
で日本の報告書の審議
1990(H2)
・婦人の地位委員会で「ナイロビ将来
戦略の実施に関する第1回見直し及
び評価に伴う勧告及び結論」の採択
1993(H5)
・世 界人権宣言「ウィーン宣言
及び行動計画」を採択
・男女共同参画推進本部及び男女 ・新やまがた女性プランの見直し
共同参画推進審議会の設置
(中間年)
1994(H6)
1995(H7)
・山形県婦人問題推進本部設置
(第2次)
・第4回世界女性会議
北京宣言及び行動綱領採択
1996(H8)
・新 たな国内行動計画「男女共
同参画2000年プラン」策定
1999(H11)
・男女共同参画社会基本法成立
2000(H12) ・国連特別総会「女性2000年会議」開催 ・男女共同参画基本計画策定
2001(H13)
・山形県男女共同参画計画策定
・配偶者からの暴力の防止及び被害 ・山形県男女共同参画センター
者の保護に関する法律制定
「チェリア」を開設
2002(H14)
・山形県男女共同参画推進条例制定
2005(H17) ・第49回国連婦人の地位委員会開催 ・第2次男女共同参画基本計画策定
・山形県男女共同参画計画改訂
・山形県DV被害者支援基本計画策定
2006(H18)
・男女雇用機会均等法改正
・チャレンジ応援サイトやまがたを開設
2007(H19)
・
「 仕 事 と 生 活 の 調 和( ワ ー ク・ ラ イ
・男 女いきいき子育て応援宣言
フ・バランス)憲章」
及び「仕事と生活の調和推進のため 企業総合支援事業の創設
の行動指針」策定
2008(H20)
・女性の参画加速プログラム策定 ・山形県ワーク・ライフ・バランス憲章の制定
2009(H21)
・ワーク・ライフ・バランス推進協定の締結
2010(H22) ・第54回国連婦人の地位委員会開催 ・第3次男女共同参画基本計画策定
・山形県男女共同参画計画策定
・山形県DV被害者支援基本計画策定
2011(H23) ・UN Women発足
2012(H24) ・APEC女性と経済フォーラム開催
2013(H25)
2014(H26)
・山形いきいき子育て応援企業認定制度を創設
・すべての女性が輝く社会づくり本部を設置 ・マザーズジョブサポート山形を開設
・女性活躍加速のための重点方針 ・山形県男女共同参画計画策定
2015決定
・山形県DV被害者支援基本計画策定
・持 続 可 能 な 開 発 の た め の2030
・女 性の職業生活における活躍 ・女 性活躍推進法に基づく推進
2015(H27)
アジェンダ国連採択
の推進に関する法律制定
計画策定
・第4次男女共同参画基本計画策定
68
第三次天童市男女共同参画推進計画
発行◆天童市総務部市長公室
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