エアコンの輸入が過去最高！

エアコンの輸入が過去最高！
全国・近畿圏いずれも台数・価額ともに過去最高を更新
平成 23 年 8 月 18 日
～節電効果期待で買い替え急増中！？～
大阪税関調査統計課
☆はじめに
今年は節電の夏。東日本大震災の影響で電力の供給が落ち込み、家庭でも積極的な節電への取り組み
が求められています。資源エネルギー庁の推計によると、夏の日中（14 時頃）の在宅世帯では消費電力
の約半分をエアコンが占めています。エアコンの節電対策には設定温度を高くする、扇風機を併用する、
など様々な方法がありますが、最新型への買い替えという方法もあります。最新型で省エネタイプのエ
アコンは消費電力が少なく、買い替えると大きな節電効果があるそうです。買い替え需要の影響はどの
程度現れているのか、今回はこの夏の主役家電、エアコンの輸入動向に注目したいと思います。
◎本特集のエアコン・・・統計品目番号 8415.10 項を集計
（窓または壁に取り付けるエアコンディショナーで、一体構造のもの又はスプリットシステムのもの）
☆年別輸入推移
昨年は記録的な猛暑に加え、家電エコポイントの特需もあり、エアコンの輸入は大きく伸び、全国で
417 万台（対前年比 132.4％）
、940 億円（同 124.8％）が、近畿圏で 199 万台（同 156.4％）、472 億円（同
143.2％）が輸入され、全国・近畿圏いずれも台数・価額ともに過去最高を更新しました。
さらに今年の上半期は全国で 300 万台（同 130.0％）、664 億円（同 130.8％）、近畿圏で 153 万台（同
144.1％）
、350 億円（同 140.0％）が輸入され、昨年を上回る伸びを示しています。
年別輸入推移
（億円）
1000
900
近畿圏価額
台数価額ともに過去最高!
600
400
全国価額
800
700
（万台）
450
さらに！
2010 年 全国・近畿圏
全国
台数価額ともに
前年比 1.3 倍
近畿圏台数
全国台数
300万台
664億円
350
300
250
500
153万台
350億円
400
近畿圏
台数価額ともに
前年比 1.4 倍
300
200
200
150
100
50
100
0
0
1
☆月別輸入推移
エアコンは例年夏を控えた時期に輸入を伸ばす傾向にあり、今年 6 月は全国で 91 万台（対前年比
122.2％）
、211 億円（同 126.5％）が、近畿圏で 41 万台（同 109.3％）、102 億円（同 121.2％）が輸入さ
れ、全国・近畿圏いずれも価額・台数ともに過去最高を更新しました。業界によると、震災以降、節電
対策が求められる中、これを機会により省エネ効果の高い最新型を購入する層が増えており、今年は例
年よりもピークが早く、5 月頃から大きく輸入を伸ばしているとのことです。また、昨冬は家電エコポイ
ント制度の駆け込み需要により、例年に比べ秋以降の輸入も増加したようです。
（億円）
（万台）
月別輸入推移
250
200
近畿圏価額
全国価額
近畿圏台数
全国台数
100
91万台
211億円
2011 年 6 月 全国・近畿圏
価額・台数ともに過去最高!
90
80
70
41万台
102億円
150
60
50
100
40
30
50
20
10
0
0
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6
2009
2010
2011
☆港別構成比
2011 年上半期の大阪港の構成比は、価額では１位（30.5％、203 億円）、台数では東京港に次いで 2 位
（30.0％、90 万台）で、価額・台数ともに過去最高を更新しました。
【2011年上半期】港別構成比
価額
大阪
203億円（30.5％）
台数
大阪
90万台（30.0％）
0%
10%
20%
東京
174億円（26.3％）
東京
92万台（30.7％）
30%
40%
50%
2
神戸
147億円（22.1％）
横浜
その他
73億円 67億円
（11.0％）
（10.1％）
横浜 その他
神戸
28万台 27万台
63万台（21.0％）
（9.2％）
（9.1％）
60%
70%
80%
90%
100%
☆国別構成比
輸入されるエアコンは中国製とタイ製のものがほとんどを占めており、2011 年上半期の中国製の構成
比は近畿圏では台数が 94.7％、価額が 89.3％、全国では台数が 95.8％、価額が 92.1％となっています。
【2011 年上半期】国別構成比
◎参考◎ ～なぜ省エネ！？ 最新型エアコンの仕組み～
資源エネルギー庁によると、何年も前に購入したエアコンを
最新型に買い替えるだけでも大きな節電効果があると言わ
れています。最新型のエアコンは、なぜ省エネになるのでしょ
うか。
この理由のひとつにインバーターが挙げられます。インバー
ターは直流電力を交流に変換する装置でモーターの回転
数をコントロールすることができます。インバーターが登場する
以前はモーターの回転は単純にオン（フルパワーで稼働）か
オフ（停止状態）の動きしかできず、設定温度に保つことがで
きないばかりではなく、運転中は大きな電力を消費し続けてい
ましたが、インバーターの登場で細かいモーターの制御が可
能になり、運転直後はフルパワーで回転し、設定温度に達
すると低パワーでの運転で設定温度を保つことが可能になりました。また、インバーターの性能自体も日々進化している
ため、最新型のエアコンは以前に比べより幅広い温度設定ができるようになり、強力な冷暖房能力と優れた省エネ性
能を兼ね揃えているというわけです。
☆業界の見通し
業界によると、昨年は家電エコポイント制度の影響で夏だけではなく冬にも需要が多く、買い替えや
２台目以降を購入する層が増えたそうです。今年は残暑が長引くと予想されており、さらに節電対策と
しての需要も増えているため、引き続き好調な輸入を見込んでいるとのことです。
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☆データ集
※本資料を他に転載するときは、大阪税関の資料に基づく旨を注記してください。
本資料に関する問い合わせは、大阪税関 調査部 調査統計課まで。
（電話 06-6966-5385）
※大阪税関ホームページ（http://www. customs.go.jp/osaka/）
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