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タイ国チャオプラヤ川流域洪水対策プロジェクト
航空レーザ測量の結果
2012年9月4日
株式会社パスコ
本地光一
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目次
1.
2.
3.
4.
5.
実施業務概要
航空レーザ測量とは？
得られた成果
活用事例
まとめ
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実施業務概要
・ 2011年に発生した洪水災害地域において、
氾濫を許容し、特に農地への氾濫をコントロ
ールすることを検討する必要がある。
・ この可能性や計画を検討するには氾濫域の
詳細な地形データの活用が必要である。
・ 航空レーザ測量によって詳細な地形データを
作成した。
実施期間 ： 2012/2/1 ～ 2012/8/27
実施場所 ： チャオプラヤ川流域
スコタイからチャオプラヤ川河口までの
24,700k㎡
作業仕様 ： 2m×2mに1点の地形（高さ）情報を取得
担当機関 ： 王立灌漑局（RID）
協力機関 ： 王立測量局（RTSD）
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航空レーザ測量（LiDAR）とは？
（LiDAR:Light Detection and Ranging）
各種ユニット
レーザ光アンプ、データ記録装置など
レーザ装置
（IMU : Inertial Measurement Unit、ミラ－装置は
この中に含まれる）
機体側GPSアンテナ
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航空レーザ測量の概念図
GPS衛星
GPS 0.5秒間隔
IMU 200回/秒
でデータ取得
機体の位置と姿勢
GPSとIMUから計測
レーザ発射時間
GPSから算出
地表の座標値
レーザの発射時間と往復時
間から地表までの距離を求
める
レーザ測距
200,000発/秒(最大)
地上基準局
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航空レーザ測量で得られるデータ
– 航空レーザ測量では航空機から発射されるレーザ光線によってそ
の場所の標高情報が得られる。
– 建物や樹木などを含んだ地表面データを(Digital Surface Model
「DSM」)と言い、建物と地盤との高さ情報が把握できる。
– 樹木や建物などを除去した地盤面データを(Digital Terrain Model
「DTM」)と言い、地盤面だけの高さを把握できる。
除去されるデータ
計測されるデータ(DSM)
地表面のデータ(DTM)
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得られた成果
• 航空レーザ測量で作成する主な成果
– オリジナルデータ ： 地表面を捉えたランダムな点群データ（DSM）
– グラウンドデータ ： オリジナルデータから地盤面のみを抽出した
ランダムな点群データ（DTM）
– グリッドデータ
： グラウンドデータから格子状にしたデータ
– 等高線データ
： グリッドデータより作成した等高線データ
– オルソフォトデータ ： 航空レーザ測量時に同時に所得した写真画像
グリッドデータ
等高線データ
オルソフォトデータ
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作成データのイメージ
オリジナルデータ（DSM）
拡大図
計測されたデータ（建物
や樹木を含む）
高い（緑）、低い（茶）
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グラウンドデータ（DTM）
拡大図
オリジナルデータから建
物や樹木を除去したデ
ータ
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グリッドデータ
拡大図
グラウンドデータから自
動処理にて格子状にし
たもの
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等高線データ
標高1mごとに描いた線（等高線）
グリッドデータから自動
処理にて等高線を発生
させたもの
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オルソフォトデータ
色調を変えたもの
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三次元表示の例
グリッドデータとオルソフォトを重ねて表示したもの
オリジナルデータ（建物や樹木を含む
地表面データ）を三次元表示したもの
建物の屋根や樹木と地盤が表現された断面
（左図の青い線の部分を断面表示したものが右図）
断面表示
平面表示
斜め表示
平面表示と斜め表示の赤が高い部分、青が低い部分
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得られた成果（三次元表示）
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（参考）得られた成果
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全域
（標高の高い部分（赤）、低い部分（青）を表現した図）
アユタヤ遺跡南部のチャオプラヤ川両岸に低い地形が集中している
のが分かる。
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サハ･ラタナナコン
この団地では標高が3.5m～4m程度であり、東側にある河川周辺、西側の国道1号の標高が高く、団
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地すぐ西側の南北に通る河川の周辺標高が低いため水が集まりやすい地形状況となっている。
ロジャナ
この団地では3m程度の標高であり、周辺道路よりも1mほど低い、アユタヤ遺跡南部のチャオプラヤ
川左岸部は1m～2mのかなり低い標高の地形が多い。
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ハイテク
この団地は3m程度の標高であり、両側の道路よりも1m程度低い、チャオプラヤ川右岸側に広がる農
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地ではさらに低い場所が広がり、また団地北側、南側に広がる農地も低い地形である。
バンパイン
この団地は3m程度の標高であり、北側には高い部分がある。チャオプラヤ川右岸側にかなり低い農
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地が広がっている。
ナワナコン
この団地は周囲よりも若干低い、チャオプラヤ川両岸共に低い場所が多く見受けられる。
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ファクトリーランド
この団地は元の地盤が周囲よりも高くなっている。
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バンガディー
この団地は周囲より低く、北側の河川からの影響を受けやすい。
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活用事例
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活用事例１（日本での事例）
■正確な解析と表現への活用
１週間後
１週間後
洪水予測解析のイメージ
地盤高モデル
洪水予測
１ヵ月後
１ヵ月後
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洪水予測図の表現イメージ
活用事例２（日本での事例）
■リアリティーのある表現への活用
三次元で表示したイメージ
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三次元をCGで表現したイメージ
まとめ
• 航空レーザ測量を用いた2m毎に１点の地形（標高）データを作成した。
• 成果は日本の航空レーザ測量の作業標準に基づいた品質にて作成し
た。
• 今年の洪水時期に間に合わせるために2月初めから8月末までの7ヶ
月間という短期間で24,700k㎡という膨大な作業を実施した。
• 今回の成果が今後の洪水対策に貢献することを期待している。
【謝辞】業務実施にあたり、タイ国王立灌漑局（RID）及びタイ国王立測量
局（RTSD）をはじめとするタイ国政府関係機関のご好意とご協力、JICA
及び日本国政府関係機関の方々からの貴重なご助言とご指導を賜りま
したことをこの場をお借りして心より謝意を表します。
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