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旭川市営住宅長寿命化計画 (案)

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旭川市営住宅長寿命化計画 (案)
旭川市営住宅長寿命化計画
(案)
旭
川
市
旭川市営住宅長寿命化計画(案)
目
次
第1章 計画の目的------------------------------------------------------------- 1
1-1
背景と目的・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1
1-2
計画の位置付け・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2
1-3
計画の対象・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2
1-4
計画の期間・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2
第2章 市営住宅の現状-------------------------------------------------------- 3
2-1
市営住宅の種別・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3
2-2
団地の位置・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3
2-3
団地別の概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
5
2-4
団地別の敷地面積・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
6
2-5
管理戸数の推移・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
7
2-6
住棟及び住戸の構造・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8
2-7
住戸面積・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
9
2-8
住戸及び住棟の設備・・・・・・・・・・・
2-9
建設年度・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11
・・・・・・・・・・・・・・ 10
2-10 入居者からみた建物の状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 13
2-11 市営住宅の現状における課題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 14
第3章 市営住宅を取り巻く状況----------------------------------------------- 15
3-1 人口・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
15
3-2 年齢構成・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
16
3-3 世帯数及び世帯の状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
16
3-4 地域の住宅事情・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
19
3-5 市営住宅の入居状況等・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
23
3-6 市営住宅の活用に考慮すべき視点・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
25
第4章 総合的な活用に関する基本目標等-------------------------------------4-1 総合的な活用に関する基本目標・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
26
4-2 目標管理戸数の設定・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
26
26
第5章 市営住宅の活用計画-------------------------------------------5-1 活用手法の種類・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
29
5-2 整備水準の目標・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
29
5-3 活用手法の選定・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
31
5-3-1 1次判定(団地及び住棟単位の社会的特性による判定)・・・・・・・・・
33
5-3-2 2次判定(住棟単位の物理的特性による判定)・・・・・・・・・・・・・
35
5-3-3 3次判定(団地単位の総合的検討)・・・・・・・・・・・・・・・・・・
38
29
第6章 建替事業の実施方針--------------------------------------------- 42
6-1 建替事業の実施方針・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
42
第7章 長寿命化のための維持管理計画----------------------------------- 43
7-1 長寿命化に関する基本方針・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
43
7-2 修繕・改善事業の実施内容・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
43
7-3 修繕及び改善の周期・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
44
7-4 長寿命化のための維持管理による効果・・・・・・・・・・・・・・・・・・
45
第 1 章 計画の目的
1-1
背景と目的
旭川市は,平成 23 年 8 月末現在,35 団地,263 棟,4,882 戸の市営住宅を管理しています。
このうち,
昭和 40 年代から昭和 50 年代にわたって建設された市営住宅が大量にあることから,
限られた予算の中,これらすべてを建替事業のみで更新することは困難と予想されます。
このような状況を踏まえると,建替事業は着実に実施する一方で,一定の住宅性能を備えた
住棟については,
“対症療法的な維持管理”から“予防保全的な管理・修繕”や“長期的な活用
に資する改善”を適切に実施して建物の長寿命化1を図り,更新コストの削減と平準化に努める
取組が必要になってきます。
また,
人口減尐や尐子高齢化の進展など,市営住宅を取り巻く状況も変化してきているため,
中長期的な観点から管理戸数の目標を設定し,市営住宅を的確に供給していくことも重要とな
ります。
こうした背景から,市営住宅の的確な供給と効果的な活用手法を定め,将来に向けて効率的
かつ円滑な更新を図ることを目的に「旭川市営住宅長寿命化計画」を策定します。
(住戸数)
建設後 30 年以上
700
610
600
548
552
489
500
444
376
400
313
406
330
302
300
208
200
154
150
100
0
S25~ S30~ S35~ S40~ S45~ S50~ S55~ S60~
H1~
H5~
▲図表 1-1 建設年度別の市営住宅(戸数)の推移
1
長寿命化:建物に求められる性能を確保しながら,より長く建物を活用すること。
- 1 -
H10~ H15~ H20~
(年)
1-2
計画の位置付け
本計画は,
「旭川市公共賃貸住宅ストック総合活用計画」
(平成 15 年度策定,平成 19 年度改
訂)に長寿命化の視点を加えて見直すとともに,旭川市の住宅施策の基本計画である「旭川市
住生活基本計画」の考え方を踏まえて策定します。
第7次旭川市総合計画
旭川市住生活基本計画
(関連計画)
旭川市都市計画マスタープラン
連携・調整
旭川市営住宅長寿命化計画
旭川市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画
旭川市障害者計画
移行
見直し (+長寿命化の視点)
旭川市次世代育成支援計画
など
旭川市公共賃貸住宅ストック総合活用計画
▲図表 1-2 計画の位置付け
また,公営住宅等整備事業又は公営住宅等ストック総合改善事業等に係る社会資本整備総合
交付金は,各自治体が定める「公営住宅等長寿命化計画」に基づいて行われる事業が対象2とな
ります。
1-3
計画の対象
本計画の対象は,旭川市が管理する市営住宅とします。
1-4
計画の期間
本計画の目標年度は平成 33 年度とし,計画の期間は,平成 24 年度から平成 33 年度までの
10 年間とします。
なお,今後の事業の進捗状況や社会経済情勢の変化などを踏まえて,おおむね中間時に見直
しを行うものとします。
計 画 の 期 間 (平成 24 年度 ~ 平成 33 年度)
前 期 (平成 24 年度 ~ 平成 28 年度)
後 期 (平成 29 年度 ~ 平成 33 年度)
▲図表 1-4 計画の期間
2
平成 26 年度以降は,「公営住宅等長寿命化計画」に基づく建替え,改善事業以外は助成対象とならない方針が国から示されている。
- 2 -
第2章
2-1
市営住宅の現状
市営住宅の種別
旭川市が管理する市営住宅には,公営住宅1,改良住宅2,特定公共賃貸住宅3及び市単独住宅4
の 4 種類があります。また,旭川市内には北海道が管理する道営住宅もあり,そのすべてが公
営住宅です。
これらの内訳については,図表 2-1 に示すとおりであり,市営住宅のうち公営住宅の管理戸
数が占める割合は,96.99%となっています。
※ ( )内は,市営住宅と道営住宅の割合
区
分
市営住宅
種 別 内 訳
住棟数
管 理 戸 数
備
考
公営住宅
34 団地
252 棟
4,735 戸
96.99%
改良住宅
1 団地
(2 団地)
10 棟
132 戸
2.70%
3 団地のうち 2 団地は,
公営住宅との混合団地。
特定公共賃貸住宅
(2 団地)
(2 棟)
13 戸
0.27%
公営住宅との同一団地で
同一住棟。
市単独住宅
(1 団地)
1棟
2戸
0.04%
公営住宅との混合団地。
35 団地
263 棟
4,882 戸
100%
(79.1%)
8 団地
48 棟
1,288 戸
(20.9%)
43 団地
311 棟
6,170 戸
(100%)
計
道営住宅
団地数
公営住宅
再
計
▲図表 2-1 種別ごとの団地数,棟数及び戸数 (資料~旭川市:平成 23 年 8 月末)
2-2
団地の位置
市営住宅 35 団地のうち都市計画区域5内には,中央団地ほか 29 団地が計画的に市街化を図る
市街化区域6内にありますが,旭正団地,瑞穂団地,第4東鷹栖団地の 3 団地は,市街化区域外
(市街化調整区域7内)に位置しています。
このほか,千代ヶ岡団地と江丹別団地の 2 団地は,都市計画区域外にあります。
なお,江丹別団地については,農村等の振興を図るために山村振興法に基づき指定された振
1
2
3
4
5
6
7
公営住宅:公営住宅法に基づき,住宅に困窮する低額所得者に対して低廉な家賃で供給する住宅。
改良住宅:住宅地区改良法に基づき,改良地区の整備などに伴う住宅困窮者に対して供給する住宅。
特定公共賃貸住宅:特定優良賃貸住宅の供給の促進に関する法律に基づき,中堅所得者に対して供給する住宅。
市単独住宅:公営住宅法等に基づかず,市独自の施策によって供給された住宅。
都市計画区域:都市計画法その他関係法令で,土地利用に関する規制を受ける区域。。
市街化区域:都市計画で定められた既に市街地を形成している区域及び概ね 10 年以内に優先的かつ計画的に市街化を図る区域。
市街化調整区域:都市計画で定められた市街化を抑制すべき区域。
-3-
興山村地域1内に位置しています。
比布町
当麻町
鷹栖町
東川町
14 江丹別団地
東神楽町
旭川市
深川市
26 千代ヶ岡団地
美瑛町
旭川市行政区域
市街化区域
28 第4東鷹栖団地
15 第1永山団地
27 東鷹栖団地
16 第2永山団地
11 新町団地
21 春光台団地
19 春光6区団地
12 南町団地
18 春光2区団地
32 新富団地
30 愛宕団地
31 朝日団地
6 東豊団地
17 春光1区団地
2 緑町団地
20 大町団地
35 川端団地
10 亀吉団地
5 第3豊岡団地
4 第2豊岡団地
1 中央団地
3 第1豊岡団地
8 第3東光団地
13 旭正団地
7 第1東光団地
33 忠和団地
9 神居団地
22 神楽岡団地
29 神楽岡ニュータウン団地
34 緑が丘東団地
24 瑞穂団地
25 高台団地
23 藤岡団地
▲図表 2-2 団地の位置 (資料~旭川市:平成 23 年 8 月末)
1
振興山村地域:林野率 0.75 など一定要件を満たしている山村(旧市町村単位)から,都道府県知事の申請に基づき,国土交通大臣,
総務大臣及び農林水産大臣が指定した地域。旭川市内は,江丹別地域のみ。
-4-
2-3
No
団地別の概要
団 地 名
所
在
1
2
中央
8 条通 8 丁目
緑町
緑町 24 丁目
3
第1豊岡
4
55
第2豊岡
第3豊岡
5・6 条通 24 丁目
豊岡 5 条 1 丁目
5豊岡 6 条 1 丁目
6
東豊
7
第1東光
8
9
10
11
地
構 造
棟数
1
耐火構造
公営住宅
耐火構造
3
90
S28,29,55,56
公営住宅
耐火構造
8
180
S30~33,S51
公営住宅
耐火構造
10
202
公営住宅
耐火構造
8
188
豊岡 4 条 3 丁目
S33,35~39
S39
公営住宅
16
S61~H1
公営住宅
耐火構造
耐火構造
1
東光 10 条 3 丁目
5
221
第3東光
東光 12 条 4 丁目
耐火構造
3
159
神居 4・5 条 11・12 丁目
H1~2
H7,H9~12
公営住宅
神居
公営住宅
耐火構造
5
241
亀吉
5 条西 8 丁目
H3,4
公営住宅
耐火構造
3
52
新町
東旭川北 1・2 条 6 丁目
東旭川南 2 条 6 丁目
13
旭正
東旭川町旭正
江丹別
第1永山
江丹別町中央
永山 1 条 17 丁目
S28,30,35
H20,22
S36,37,39
S36,37
公営住宅
簡易耐火構造
1
戸数
公営住宅
南町
15
種 別
S25
S55,58
12
14
建設年度
2
14
24
1
6
2
64
32
10
2
公営住宅
耐火構造
簡易耐火構造
簡易耐火構造
S63
公営住宅
木造
2
H14
市単独住宅
木造
1
H11
公営住宅
公営住宅
24
耐火構造
1
2
72
8
特定公共賃貸住宅
16
第2永山
永山 5・6 条 15 丁目
H13~15
公営住宅
耐火構造
3
200
17
春光1区
春光 5 条 1 丁目
H7,9
公営住宅
耐火構造
1
50
18
春光2区
春光 4 条 4 丁目
H5,7,10
公営住宅
耐火構造
3
190
S45
改良住宅
耐火構造
1
12
S37~44
公営住宅
耐火構造
4
198
H3~6
改良住宅
耐火構造
8
96
S36
S41~42,H1,
H16~19,21
S42~45
改良住宅
耐火構造
1
24
耐火構造
10
340
簡易耐火構造
69
19
春光6区
春光 1 条 7・8 丁目
20
大町
春光町
21
春光台
春光台 3・4・5 条 4・5 丁目
公営住宅
耐火構造
1
公営住宅
簡易耐火構造
4
213
45
5
15
S40
公営住宅
簡易耐火構造
4
14
S42,44
公営住宅
簡易耐火構造
8
32
西神楽 1 線 24 号
S43
公営住宅
簡易耐火構造
4
16
東鷹栖 4 条 4 丁目
H8,9
公営住宅
耐火構造
1
60
第4東鷹栖
神楽岡ニュータウン
愛宕
東鷹栖 4 線 15 号
緑が丘 1・2・3・4 条 1・2 丁目
豊岡 15 条 6 丁目
S41
S46~52
S53
公営住宅
公営住宅
公営住宅
簡易耐火構造
耐火構造
耐火構造
2
32
5
8
767
140
31
朝日
11 条通 23 丁目,豊岡 13 条 1 丁目
S54
公営住宅
耐火構造
4
100
32
新富
東 3 条 7・8 丁目
S54,55
公営住宅
耐火構造
3
60
33
忠和
公営住宅
耐火構造
11
400
緑が丘東
忠和 2・3 条 6・7・8 丁目
緑が丘東 2 条 4 丁目
S55~58
34
S59~62
公営住宅
耐火構造
250
35
川端
川端町 5 条 10 丁目
S61,63
公営住宅
耐火構造
計
8
2
263
4,882
22
神楽岡
神楽岡 12 条 2 丁目
H9,10
23
藤岡
西神楽南 2 条 4 丁目
S39
24
瑞穂
西神楽 2 線 10 号
25
高台
西神楽南 2 条 1 丁目
26
千代ヶ岡
27
東鷹栖
28
29
30
公営住宅
特定公共賃貸住宅
60
▲図表 2-3 団地別の概要(資料~旭川市:平成Kei
23 年 8 月末)
1
2
耐火構造:壁,柱,床などの主要構造部が鉄筋コンクリート造などの耐火構造で造られているもの。
簡易耐火構造:建築基準法(H4 改正前)で規定された構造で,外壁をブロック造などの耐火構造とし,屋根を不燃材料で葺いたもの。
-5-
2-4
団地別の敷地面積
市営住宅が立地する団地別の敷地面積は,図表 2-4 のとおりになっています。
また,これら団地敷地を1住戸当たりの敷地面積としてみると,江丹別団地が 441.67 ㎡/戸
と最も大きく,駐車スペースがない中央団地が 28.47 ㎡/戸と最も小さく,同じく駐車スペース
がない東豊団地も 41.07 ㎡/戸と小さい状況になっています。
なお, 全団地における 1 住戸当たりの平均敷地面積は 124.26 ㎡/戸となっています。
No
団 地 名
敷 地 面 積
戸
数
1 住戸当たりの
敷地面積
備
考
1
2
中央
緑町
683.27 ㎡
13,043.90 ㎡
24 戸
90 戸
28.47 ㎡/戸
144.93 ㎡/戸
3
第1豊岡
15,391.54 ㎡
180 戸
85.51 ㎡/戸
12,13 号棟を除き駐車スペースなし
4
55
第2豊岡
17,247.12 ㎡
202 戸
85.38 ㎡/戸
2,7,8 号棟を除き駐車スペースなし
第3豊岡
13,716.67 ㎡
188 戸
72.96 ㎡/戸
6
東豊
657.16 ㎡
16 戸
7
第1東光
20,474.49 ㎡
221 戸
41.07 ㎡/戸
92.64 ㎡/戸
8
第3東光
20,625.43 ㎡
159 戸
129.72 ㎡/戸
9
神居
25,234.03 ㎡
241 戸
104.71 ㎡/戸
10
亀吉
6,538.95 ㎡
52 戸
125.75 ㎡/戸
11
新町
5,265.22 ㎡
24 戸
219.38 ㎡/戸
12
南町
12,742.10 ㎡
96 戸
132.73 ㎡/戸
13
旭正
2,512.39 ㎡
10 戸
251.24 ㎡/戸
14
江丹別
1,766.69 ㎡
4戸
441.67 ㎡/戸
15
第1永山
9,157.34 ㎡
80 戸
114.47 ㎡/戸
16
第2永山
18,987.79 ㎡
200 戸
94.94 ㎡/戸
17
春光1区
4,628.83 ㎡
50 戸
92.58 ㎡/戸
18
春光2区
21,091.98 ㎡
202 戸
104.42 ㎡/戸
19
春光6区
33,202.47 ㎡
294 戸
112.93 ㎡/戸
20
21
22
大町
春光台
神楽岡
2,174.57 ㎡
115,279.52 ㎡
7,550.75 ㎡
24 戸
553 戸
50 戸
90.61 ㎡/戸
208.46 ㎡/戸
151.02 ㎡/戸
23
藤岡
1,983.46 ㎡
15 戸
24
瑞穂
3,557.48 ㎡
14 戸
132.23 ㎡/戸
254.11 ㎡/戸
25
高台
6,987.40 ㎡
32 戸
218.36 ㎡/戸
26
千代ヶ岡
2,412.52 ㎡
16 戸
150.78 ㎡/戸
27
東鷹栖
7,718.84 ㎡
60 戸
128.65 ㎡/戸
28
29
第4東鷹栖
神楽岡ニュータウン
1,520.00 ㎡
95,589.40 ㎡
8戸
767 戸
190.00 ㎡/戸
124.63 ㎡/戸
30
愛宕
12,966.15 ㎡
140 戸
92.62 ㎡/戸
31
朝日
10,763.11 ㎡
100 戸
107.63 ㎡/戸
32
新富
5,988.39 ㎡
60 戸
99.81 ㎡/戸
33
忠和
53,938.05 ㎡
400 戸
134.85 ㎡/戸
34
緑が丘東
30,116.65 ㎡
250 戸
120.47 ㎡/戸
35
川端
5,099.84 ㎡
60 戸
85.00 ㎡/戸
606,613.50 ㎡
4,882 戸
124.26 ㎡/戸
計
駐車スペースなし
駐車スペースなし
▲図表 2-4 団地ごとの敷地面積の状況(資料~旭川市:平成 23 年 8 月末)
-6-
2-5
管理戸数の推移
市営住宅の管理戸数は,近年,4,800 戸台で推移しています。
なお,平成 17 年度は,第 1 豊岡団地,第 2 豊岡団地及び第 3 豊岡団地に混在していた既設
道営住宅が旭川市に移管されたため,その管理戸数が大きく増加しています。
(単位:戸)
H15
H16
H17
H18
H19
H20
H21
H22
H23
公営住宅
4,447
4,464
4,771
4,786
4,702
4,725
4,663
4,706
4,735
改良住宅
132
132
132
132
132
132
132
132
132
13
13
13
13
13
13
13
13
13
2
2
2
2
2
10
10
2
2
4,594
4,611
4,918
4,933
4,849
4,880
4,818
4,853
4,882
+35
+29
種 別 \ 年 度
特定公共賃貸住宅
市単独住宅
計
対前年度の増減
-
+17
+307
+15
▲84
+31
▲62
▲図表 2-5(1) 種別ごとの管理戸数推移 (資料~旭川市:各年度 3 月末 ※平成 23 年度のみ 8 月末現在)
(戸数)
5,000
4,918
4,933
4,849
4,880
4,853
4,882
4,818
4,800
4,594
4,611
4,600
4,400
4,200
4,000
H15
H16
H17
H18
H19
H20
H21
H22
▲図表 2-5(2) 管理戸数の推移(資料~旭川市:各年度 3 月末 ※平成 23 年度のみ 8 月末現在)
-7-
H23
(年)
2-6
住棟及び住戸の構造
市営住宅の構造を住棟単位でをみると,全 263 棟のうち最も多いのが,耐火構造の中層住棟
で全体の 51.3%(135 棟)を占めており,次いで簡易耐火構造の平家建住棟が 35.4%(93 棟)
,
簡易耐火構造の 2 階建住棟が 7.6%(20 棟)となっています。
同様に,住戸単位でみると,全 4,882 戸のうち最も多いのが,耐火構造の中層住棟で全体
の 77.4%(3,783 戸)を占めており,次いで耐火構造の高層住棟が 15.0%(731 戸)
,簡易耐火
構造の平家建住棟が 5.8%(283 戸)となっています。
構 造 種 別
木
規 模・階 数
造
住 棟 数
住 戸 数
住戸数/1 棟当たり
平家建
3棟
4戸
≒ 1.3 戸/棟
平家建
93 棟
283 戸
≒ 3.0 戸/棟
2 階建
20 棟
81 戸
≒ 4.1 戸/棟
中 層
3~5 階建
135 棟
3,783 戸
≒ 28.0 戸/棟
高 層
6 階以上
12 棟
731 戸
≒ 60.9 戸/棟
263 棟
4,882 戸
低 層
簡易耐火構造
耐 火 構 造
計
-
▲図表 2-6(1) 住棟及び住戸の構造 (資料~旭川市:平成 23 年 8 月末)
木造
1.1%
0%
簡易耐火(平家建)
35.4%
10%
20%
簡易耐火(2階建)
7.6%
30%
▲図表 2-6(2)
40%
耐火(中層)
51.3%
50%
60%
70%
耐火(高層)
4.6%
80%
90%
100%
住棟及び住戸の構造 [住棟] (資料~旭川市:平成 23 年 8 月末)
簡易耐火(平家建)
5.8%
木造
0.1%
0%
耐火(中層)
77.4%
簡易耐火(2階建)
1.7%
10%
20%
30%
▲図表 2-6(3)
40%
50%
耐火(高層)
15.0%
60%
70%
80%
90%
住棟及び住戸の構造 [住戸] (資料~旭川市:平成 23 年 8 月末)
-8-
100%
2-7
住戸面積
市営住宅の住戸面積を構造別にみると,簡易耐火構造の住戸のうち住戸面積が 40 ㎡未満のも
のは 42.8%を占めています。その一方,住戸面積 50 ㎡以上のものは,耐火構造の住戸総数の
うち 86.6%を占めているほか,木造については,すべての住戸が 60 ㎡以上の面積となってい
ます。
なお,簡易耐火構造の中には,春光台団地のように 2 住戸を 1 住戸にするなど,住戸面積を
増やす改善を行った住棟もあるため,住戸面積が 60 ㎡以上のものも 37.1%あります。
住戸面積 \ 構 造
木
造
簡易耐火構造
耐 火 構 造
計
40 ㎡未満
0戸
0.0%
156 戸
42.8%
48 戸
1.1%
204 戸
4.2%
40 ㎡以上 50 ㎡未満
0戸
0.0%
73 戸
20.1%
544 戸
12.1%
617 戸
12.6%
50 ㎡以上 60 ㎡未満
0戸
0.0%
0戸
0.0%
1,018 戸
22.6%
1,018 戸
20.9%
60 ㎡以上 70 ㎡未満
4戸
100%
132 戸
36.3%
2,297 戸
50.8%
2,433 戸
49.8%
70 ㎡以上
0戸
0.0%
3戸
0.8%
607 戸
13.4%
610 戸
12.5%
計
4戸
100%
364 戸
100%
4,514 戸
100%
4,882 戸
100%
▲図表 2-7(1) 住戸面積 [構造別] (資料~旭川市:平成 23 年 8 月末)
また,住戸面積を建設年度別にみると,40 ㎡未満の住戸は昭和 50 年度まで建設されていま
したが,昭和 51 年度以降は建設されていません。
昭和 50 年代頃までの住棟は,
標準設計により 2DK などの画一的な間取りがほとんどでしたが,
近年は,多様な世帯の入居に応えることができるように,1LDK が約 50 ㎡,2LDK が約 60 ㎡,3LDK
が約 70 ㎡の住戸面積を確保した複数の間取りタイプで住戸が供給されています。
住戸面積\建設年
~S40
S41~S45
S46~S50
S51~S55
S56~S60
S61~H2
H3~
計
129 戸
67 戸
8戸
0戸
0戸
0戸
0戸
204 戸
18.0%
18.4%
1.5%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
4.2%
40 ㎡以上
78 戸
67 戸
339 戸
12 戸
0戸
6戸
115 戸
617 戸
50 ㎡未満
10.9%
18.4%
61.5%
1.8%
0.0%
1.1%
8.0%
12.6%
50 ㎡以上
284 戸
15 戸
144 戸
152 戸
0戸
54 戸
369 戸
1,018 戸
60 ㎡未満
39.6%
4.1%
26.1%
22.8%
0.0%
10.0%
25.5%
20.9%
60 ㎡以上
196 戸
200 戸
60 戸
504 戸
594 戸
348 戸
531 戸
2,433 戸
70 ㎡未満
27.3%
54.7%
10.9%
75.4%
100%
64.2%
36.7%
49.8%
30 戸
16 戸
0戸
0戸
0戸
134 戸
430 戸
610 戸
4.2%
4.4%
0.0%
0.0%
0.0%
24.7%
29.8%
12.5%
717 戸
365 戸
551 戸
668 戸
594 戸
542 戸
1,445 戸
4,882 戸
100%
100%
100%
100%
100%
100%
100%
100%
40 ㎡未満
70 ㎡以上
計
▲図表 2-7(2) 住戸面積 [建設年度別] (資料~旭川市:平成 23 年 8 月末)
-9-
2-8
住戸及び住棟の設備
住戸内に整備された設備の状況をみると,昭和 61 年度以降に建設された住戸は,浴室に浴槽
が設置されていますが,それ以前は浴室のみ,又は浴室自体がない住戸もあります。
なお,昭和 45 年度以前に建設された住戸の中には,住戸改善が行われた春光台団地や大町団
地のように浴槽が設置されている住戸もあります。
3 箇所給湯1や床の段差についても,住戸改善された一部住戸を除き,平成 3 年度以降に建設
された住戸から対応がなされています。
また,エレベーターの設置については,公営住宅等整備基準2で昭和 50 年度から 6 階建以上
の住棟に,平成 14 年度からは 3 階建以上の住棟に対して,その設置が義務付けられています。
旭川市においては,平成 3~5 年度に建設された亀吉団地の 3 階建住棟を除き,昭和 63 年度
以降,建設されたすべての住棟にエレベーターが設置されています。
浴
建設年代
S41~S45
S46~S50
S51~S55
S56~S60
S61~H2
H3~
計
2
エレベーター
浴室あり
浴槽あり
な し
設置
あ り
135 戸
510 戸
72 戸
645 戸
72 戸
72 戸
0戸
18.8%
71.2%
10.0%
90%
10%
10%
0%
98 戸
199 戸
68 戸
305 戸
60 戸
60 戸
0戸
26.8%
54.6%
18.6%
83.6%
16.4%
16.4%
0%
0戸
551 戸
0戸
551 戸
0戸
0戸
0戸
0%
100%
0%
100%
0%
0%
0%
0戸
668 戸
0戸
668 戸
0戸
0戸
0戸
0%
100%
0%
100%
0%
0%
0%
0戸
594 戸
0戸
594 戸
0戸
0戸
0戸
0%
100%
0%
100%
0%
0%
0%
0戸
353 戸
189 戸
381 戸
161 戸
2戸
380 戸
0%
65.1%
34.9%
70.3%
29.7%
0.4%
70.1%
0戸
0戸
1,445 戸
0戸
1,445 戸
1,445 戸
1,391 戸
0%
0%
100%
0%
100%
100%
96.3%
233 戸
2,875 戸
1,774 戸
3,144 戸
1,738 戸
1,579 戸
1,771 戸
4.8%
58.9%
36.3%
64.4%
35.6%
32.3%
36.3%
717 戸
365 戸
551 戸
668 戸
594 戸
542 戸
1,445 戸
4,882 戸
▲図表 2-8
1
3 箇所給湯
床の段差なし
浴室なし
~S40
室
計
住戸及び住棟の設備 [建設年度] (資料~旭川市:平成 23 年 8 月末)
3 箇所給湯:浴室,洗面所,台所の 3 箇所で給湯が可能なこと。
公営住宅等整備基準:公営住宅法第 5 条第 1 項の規定で定める公営住宅及び共同施設の整備に関する基準。
-10-
2-9
建設年度
建設年度別に住棟をみると,全 263 棟のうち,昭和 30 年度以前に建設された住棟が 21 棟,
昭和 31~40 年度に建設された住棟が 39 棟,昭和 41~50 年度に建設された住棟が 112 棟,昭和
51~60 年度に建設された住棟が 46 棟,
昭和 61 以降に建設された住棟が 45 棟となっています。
また,昭和 50 年度までに建設された住棟は,全体の 65.4%を占めています。
(棟数)
120
100
80
簡易耐火構造
83
60
40
20
0
木造
1
簡易耐火構造
18
簡易耐火構造
12
耐火構造
9
耐火構造
29
耐火構造
21
S21~
耐火構造
46
S31~
木造
2
耐火構造
13
S41~
S51~
S61~
耐火構造
29
H3~
(年)
▲図表 2-9(1) 建設年度ごとの構造別住棟数(資料~旭川市:平成 23 年 8 月末)
公営住宅法では,建物の構造ごとに標準的な管理期間である耐用年限1が定められており,耐
用年限の 1/2 を経過し,引き続き管理することが不適当な場合には,建替え又は用途廃止を行
うことができるとされています。
市営住宅の耐用年限の経過状況を住戸単位でみると,耐用年限を経過している住戸の割合は
6.0%,耐用年限の 1/2 を経過している住戸の割合は 27.4%あり,合わせると 33.4%が耐用年
限の 1/2 以上経過している状況にあります。
0%
10%
20%
30%
40%
耐用年限経過
6.0%
耐用年限1/2経過
27.4%
耐用年限1/2以下
66.6%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
▲図表 2-9(2) 耐用年限経過状況 [戸数] (資料~旭川市:平成 23 年 8 月末)
この耐用年限の経過状況を構造別にみると,耐火構造の住宅は 1 棟に抱える住戸数が多いた
め,耐用年限の 1/2 以上を経過している住戸数は,平成 23 年 8 月末現在で 1,269 戸となってい
ます。
1
耐用年限:耐火構造の住宅は 70 年,簡易耐火構造(2 階建)の住宅は 45 年,簡易耐火構造(平家建)及び木造の住宅は 30 年。
-11-
(戸数)
5,000
4,500
耐用年限1/2以上経過
1,269
4,000
3,500
3,000
2,500
2,000
1,500
1,000
耐用年限1/2以上経過
2
500
0
木造
耐用年限1/2以上経過
283
簡易耐火構造(平家建)
耐用年限1/2以上経過
耐用年限1/2以上経過
81
簡易耐火構造(2階建)
耐火構造
耐用年限1/2以下
▲図表 2-9(3) 住戸の構造別の耐用年限経過状況 (資料~旭川市:平成 23 年 8 月末)
耐用年限の経過状況を団地別にみると,簡易耐火構造の住棟が多い団地は,耐用年限の 1/2
以上を経過した住戸で構成されている状況となっているほか,中央団地や第1~3豊岡団地,
神楽岡ニュータウン団地等の耐火構造の住棟においても,耐用年限の 1/2 以上を経過した住戸
数が多くなってきている状況にあります。
(住戸数)
900
800
700
600
500
400
300
200
100
0
中 第 第
央 1 2
豊 豊
岡 岡
第 新 南 旭 東 春 藤 瑞 第 高 千 神 大 春 春 愛 朝 新 忠 緑 緑 川 江 第 第 亀 春 神 第 第 神 東
3 町 町 正 豊 光 岡 穂 4 台 代 楽 町 光 光 宕 日 富 和 町 が 端 丹 1 3 吉 光 居 1 2 楽 鷹
豊
永 永 岡 栖
東
丘
6 2
1
台
ヶ 岡
別 東 東
岡 N
岡
区 区
光 光
区
山 山
鷹
東
T
栖
耐用年限1/2以上経過
耐用年限1/2以下
*注*神楽岡NTは神楽岡ニュータウン団地
▲図表 2-9(4) 団地別の耐用年限経過状況
-12-
(資料~旭川市:平成 23 年 8 月末)
2-10
入居者からみた建物の状況
市営住宅の現状を入居者の視点から把握するため,団地の自治会等に対してアンケート調査
を実施し,建物の改善に関する入居者の回答を分析・整理した内容については,次のとおりにな
ります。
住戸内をみると,浴室,便所,台所,洗面台といった水まわりの住宅性能に関する内容が全体の 3
割を超えているほか,断熱性や換気設備といった住戸内結露等に関する内容が 22%となっています。
間取り 給湯設備 換気設備 建具
6%
7%
10%
4%
0%
10%
20%
断熱性
12%
30%
段差 手すり 便所
5%
4%
9%
40%
50%
浴室
12%
60%
台所
8%
洗面台 配管
6%
6%
70%
80%
その他
11%
90%
100%
▲図表 2-10(1) 住戸内に関する改善意向(資料~旭川市:平成 23 年 11 月)
住棟の共用部分をみると,建物自体の耐久性を高める外壁の塗替えやひび割れ補修等の外壁
改善に関する内容の占める割合が全体の 25%と最も高く,次いでエレベーターの設置に関する
内容が 20%,段差解消や手すりの設置がそれぞれ 14%と 11%となっています。
手すり
11%
0%
段差
14%
10%
20%
共用配管
9%
30%
外壁
25%
40%
バルコニー
7%
エレベーター
20%
50%
60%
70%
80%
その他
14%
90%
100%
▲図表 2-10(2) 共用部分に関する改善意向(資料~旭川市:平成 23 年 11 月)
団地内の共同施設をみると,駐車台数の増加や舗装等の駐車場に関する内容の占める割合が
全体の 32%と最も多く,次いで駐輪場の整備に関する内容が 20%,集会所の整備や設備等の更
新に関する内容が 14%となっています。
駐車場
32%
0%
10%
駐輪場
20%
20%
30%
40%
集会所
14%
50%
60%
児童遊園 団地内通路 外灯
10%
6%
8%
70%
80%
▲図表 2-10(3) 共同施設に関する改善意向(資料~旭川市:平成 23 年 11 月)
-13-
90%
その他
10%
100%
2-11
市営住宅の現状における課題
耐用年限の経過時期を住戸数の推移でみると,図表 2-11 で示すとおり平成 30 年代に最初の
ピークが訪れ,その後,住戸数が多い耐火構造の中層住棟が耐用年限を経過する平成 50 年代か
ら 70 年代にかけて最大のピークを迎えることになります。
この時期に建替事業が一斉に求められてくることになりますが,財政事情や既存入居者の仮
住居確保等から対応が困難となると予測されます。
このため,一定の住宅性能を備えた耐火構造の住棟については,建物の長寿命化を図って集
中する建替時期の分散化に取り組むとともに,長期的に活用するため,建物の耐久性や住宅性
能の維持・向上を図っていく必要があります。
上記を踏まえ,次のとおり課題を整理します。
老朽化が進む市営住宅の効率的かつ円滑な更新
老朽化が進む市営住宅の円滑な更新を図るため,敷地条件や住戸・住棟の状況等に応
じて,建替え,改善,用途廃止等の多様な取組を早い段階から適切に進めていくことが
求められています。
長期的に活用するため,建物の耐久性や住宅性能の維持・向上
市営住宅を長期間,安定的に活用するため,建設後の経過年数を考慮しつつ,建物の
耐久性向上に努めるほか,住宅性能の維持・向上を図り,安全で安心できる住環境の形
成を進めていくことが求められています。
(住戸数)
1,300
1,200
1,100
1,000
900
800
700
建設戸数
耐用年限1/2経過戸数
耐用年限経過戸数
600
500
400
300
200
100
0
S20~ S30~ S40~ S50~ S60~ H10~ H20~ H30~ H40~ H50~ H60~ H70~ H80~ H90~
▲図表 2-11 耐用年限経過時期(住戸数)
-14-
(年)
第 3 章 市営住宅を取り巻く状況
3-1
人口
旭川市の人口は,平成 22 年国勢調査1によると 347,095 人であり,昭和 60 年の 363,631 人を
ピークに,平成 7 年からは緩やかに減尐しています。
(人)
400,000
350,000
363,631
360,568
320,526
300,000
359,536
359,071
352,619
347,095
355,004
288,492
250,000
245,246
200,000
188,309
164,971
150,000
123,238
100,000
50,000
0
S25
S30
S35
S40
S45
S50
S55
S60
H2
H7
H12
H17
H22
▲図表 3-1(1) 旭川市の人口の推移 (資料~国勢調査)
また,国立社会保障・人口問題研究所2が平成 20 年に行った人口推計では,平成 32 年の旭
川市の人口を 322,142 人と推計しており,さらに人口減尐が続くものと予測されます。
総 人 口 (人)
※推計値
地 域
H17
2
H27
H32
H37
H42
H47
北海道
5,627,737
5,513,158
5,359,697
5,165,785
4,937,453
4,684,420
4,412,839
旭川市
355,004
346,898
336,044
322,142
305,602
287,164
267,570
▲図表 3-1(2)
1
H22
日本の市区町村別将来推計人口 (資料~国立社会保障・人口問題研究所:平成 20 年 12 月推計)
国勢調査:統計法に基づき実施する我が国の人口や世帯などの状況を明らかにする調査。
国立社会保障・人口問題研究所:人口問題や社会保障などの政策研究を行う厚生労働省に設置された国立の政策研究機関。
-15-
(年)
3-2
年齢構成
旭川市の年齢別の人口をみると,年尐人口(15 歳未満)及び生産年齢人口(15 歳以上 65 歳
未満)は減尐する一方,高齢者人口(65 歳以上)が 1 万人単位で急速に増加し続けています。
さらに,高齢化率1でみると,その値は 26.6%となっており,既に市民の 4 人に 1 人が高齢
者という「超高齢社会2」を迎えています。
(人)
400,000
350,000
9.0%
11.6%
14.8%
18.3%
22.4%
26.6%
300,000
65 歳以上
250,000
200,000
69.4%
150,000
70.3%
69.9%
68.2%
65.0%
61.7%
15~64 歳
100,000
50,000
0
21.6%
18.1%
15.3%
13.5%
S60
H2
H7
H12
12.6%
11.7%
H17
H22
15 歳未満
(年)
▲図表 3-2 旭川市の年齢別人口の推移 (資料~国勢調査) *注*年齢不詳を除く。
3-3
世帯数及び世帯の状況
(1) 世帯数及び世帯人員
旭川市の世帯数は,平成 22 年国勢調査によると 154,393 世帯であり,人口の減尐傾向とは異
なり,一貫して増加となっています。
(世帯数)
180,000
160,000
154,393
146,400
140,000
128,924
117,300
150,384
138,350
120,000
123,280
100,000
99,948
82,965
80,000
64,295
60,000
40,000
44,704
25,283
33,994
20,000
0
S25
S30
S35
S40
▲図表 3-3(1)
1
2
S45
S50
S55
S60
H2
旭川市の世帯数の推移 (資料~国勢調査)
高齢化率:総人口に占める高齢者(65 歳以上)の割合。
超高齢社会:高齢化率が 21%を超えている状態。
-16-
H7
H12
H17
H22
(年)
また,世帯人員別の推移をみると,世帯人員が単身又は 2 人の世帯が増加している一方,3
人以上の世帯は減尐しており,世帯の尐人数化が進んでいます。
(世帯数)
160,000
3.7%
4.9%
6.3%
140,000
120,000
8.4%
12.4%
16.9%
20.3%
100,000
40,000
17.7%
3人
33.9%
2人
19.5%
80,000
60,000
婦のみ
4人
19.0%
19.3%
23.5%
11.1%
12.8%
14.6%
10.3%
5人以上
20.1%
20.3%
33.4%
31.4%
29.3%
26.8%
23.4%
単身
20,000
20.4%
22.5%
25.9%
S60
H2
H7
28.4%
29.9%
H12
H17
33.6%
0
H22
(年)
▲図表 3-3(2) 旭川市の世帯人員別世帯数の推移 (資料~国勢調査) *注*施設等の世帯及び不詳を除く。
(2) 世帯の家族類型別の状況
世帯の状況を,国勢調査の家族類型別一般世帯数でさらに詳しくみると,単身世帯と夫婦の
み世帯が増加傾向にあるほか,離婚率の上昇に伴い,ひとり親と子供の世帯の増加が続いてい
ます。
(世帯数)
160,000
140,000
10.4%
120,000
100,000
12.9%
7.0%
11.3%
9.1%
8.2%
8.7%
9.7%
29.1%
26.5%
6.8%
その他
9.9%
ひとり親と子供
24.0%
夫婦と子供
25.6%
夫婦のみ
7.8%
8.3%
32.4%
80,000
41.1%
36.1%
60,000
24.7%
23.5%
40,000
18.6%
25.7%
21.8%
20,000
20.4%
22.5%
S60
H2
単身世帯
25.9%
28.4%
H7
H12
29.9%
33.6%
H17
H22
0
(年)
▲図表 3-3(3) 旭川市の家族類型別世帯数の推移 (資料~国勢調査) *注*施設等の世帯及び不詳を除く。
-17-
一方,減尐傾向にある夫婦と子供の世帯のうち,18 歳未満の子供のみの世帯数を割合
でみると,平成 17 年から 60%を割ってさらに減尐が続いています。
100%
90%
22.8%
27.0%
80%
34.2%
38.3%
40.7%
18歳以上の
子供の世帯
41.9%
65.8%
61.7%
59.3%
18歳未満の
子供のみの世帯
58.1%
H7
H12
H17
H22
70%
60%
50%
40%
77.2%
73.0%
30%
20%
10%
0%
S60
H2
(年)
▲図表 3-3(4) 旭川市の 18 歳未満の子供のみがいる夫婦と子供世帯の推移 (資料~国勢調査)
*注*施設等の世帯及び不詳を除く。
(3) 高齢者世帯の状況
高齢者世帯の状況をみると,65 歳以上の高齢者の単身世帯と高齢者の夫婦のみ世帯のいずれ
も増加していますが,平成 22 年には高齢者の単身世帯が夫婦のみ世帯より多くなっています。
(世帯数)
20,000
18,053
17,088
18,000
16,000
14,694
13,686
14,000
12,000
10,604
10,000
8,324
7,302
8,000
5,485
5,135
6,000
4,000
17,519
3,351
2,262
2,000
0
S60
H2
H7
高齢者(65歳以上)の単身世帯
H12
H17
高齢者(65歳以上)の夫婦のみ世帯
▲図表 3-3(5) 旭川市の高齢者(65 歳以上)世帯の推移 (資料~国勢調査)
-18-
H22
(年)
3-4
地域の住宅事情
(1) 住宅数
旭川市における住宅数(持ち家,借家等)は,住宅・土地統計調査1をみると年々着実に増加
しており,数としては充足されている状況にあります。また,空き家率2も昭和 58 年を除き,
おおむね 10~13%で推移しています。
(住宅数)
175,810
180,000
160,000
135,800
140,000
144,500
154,190
162,070
123,350
120,000
100,000
80,000
60,000
空き家率
40,000
8.8%
空き家率
空き家率
空き家率
空き家率
空き家率
12.5%
13.2%
10.3%
10.1%
12.8%
S63
H5
H10
H15
H20
20,000
0
S58
(年)
▲図表 3-4(1) 旭川市における住宅数の推移 (資料~住宅・土地統計調査)
(2) 所有関係
所有関係別の住宅数の推移をみると,持ち家及び借家の住宅数は増加し続けている一方,給
与住宅3は減尐傾向にあります。また,総住宅数に占める持ち家の割合は,おおむね 6 割で推移
しています。
(住宅数)
160,000
140,000
120,000
給与住宅
7,830
100,000
80,000
借家
38,500
給与住宅
6,190
借家
42,460
給与住宅
6,120
給与住宅
4,290
借家
44,810
借家
47,620
給与住宅
4,840
給与住宅
4,260
借家
52,200
借家
53,270
持ち家
84,810
持ち家
86,690
H15
H20
60,000
40,000
20,000
持ち家
63,590
持ち家
68,130
持ち家
73,180
持ち家
75,420
S58
S63
H5
H10
0
(年)
▲図表 3-4(2) 旭川市における住宅所有関係別戸数の推移 (資料~住宅・土地統計調査)*注*所有関係不詳を除く専用住宅数。
1
2
3
住宅・土地統計調査:統計法に基づき実施する住宅や住宅に居住する世帯に関する調査。
空き家率:総住宅数に占める空き家の割合。
給与住宅:社宅のように会社が所有したり管理してその職員を居住させている住宅。
-19-
(3) 建築時期
住宅の建築時期を所有関係別にみると,持ち家は,昭和 46 年から昭和 55 年までに建築され
た住宅が 22,920 戸と最も多く,次いで昭和 56 年から平成 2 年までに建築された 20,670 戸の順
となっています。
一方,借家は,平成 3 年から平成 12 年までに建築された住宅が 14,480 戸と最も多く,次い
で昭和 56 年から平成 2 年までに建築された 12,250 戸の順となっています。
借家は,賃貸住宅市場で新しい住宅の借り手需要が高いことなどの理由から,持ち家と比較
すると新しい住宅の比率が高い状況となっています。
(戸)
40,000
35,000
30,000
借 家
7,870
25,000
借 家
12,250
借 家
14,480
20,000
借 家
10,140
15,000
借 家 1,690
10,000
5,000
持ち家
22,920
持ち家
20,670
持ち家
20,340
持ち家
12,710
借 家 1,050
持ち家 6,570
0
持ち家 2,960
S35以前
S36~S45
S46~S55
S56~H2
H3~H12
H13~H20
(建築年)
▲図表 3-4(3) 旭川市における住宅所有関係別の建築年度 (資料~平成 20 住宅・土地統計調査)*注*建築時期不詳を除く
(4) 居住面積
所有関係別の居住面積について,住生活基本計画(全国計画)1で定める最低居住面積水準2や
誘導居住面積水準3との関係でみると,借家は,最低居住面積水準を満たす住宅の割合が約 9 割,
そのうち誘導居住水準を満たす住宅の占める割合が約 5 割となっています。
一方,持ち家は,ほぼすべてが最低居住面積水準を満たしており,さらに誘導居住面積水準
を満たしている住宅の占める割合も 8 割を超えています。
1
2
3
住生活基本計画:住生活基本法に基づき,住生活安定向上施策を総合的かつ計画的に推進するために国が策定した計画。
最低居住面積水準:住生活基本計画(全国計画)で定める健康で文化的な住生活を営む基礎として必要な面積に関する基準。
誘導居住面積水準:住生活基本計画(全国計画)で定める豊かな住生活の実現の前提として,多様なライフスタイルに対応するため
に必要と考えられる住宅の面積に関する基準。
-20-
借 家
42.70%
8.17%
49.13%
最低居住面積水準未満
最低居住面積水準以上
誘導居住面積水準以上
0.04%
持ち家
16.26%
0%
83.70%
20%
40%
60%
80%
100%
▲図表 3-4(4) 旭川市における所有関係別の居住面積状況 (資料~平成 20 年住宅・土地統計調査)
(参考)住生活基本計画(全国計画)における最低居住面積水準及び誘導居住面積水準の内容
【 最低居住面積水準 】
①
単身者 25 ㎡
② 2 人以上の世帯 10 ㎡×世帯人数+10 ㎡
【 誘導居住面積水準 】
(1)一般型誘導居住面積水準
① 単身者 55 ㎡
② 2 人以上の世帯 25 ㎡×世帯人数+25 ㎡
(2)都市居住型誘導居住面積水準
① 単身者 40 ㎡
② 2 人以上の世帯 20 ㎡×世帯人数+15 ㎡
* 注1 *
1
上記の式における世帯人数は,3歳未満の者は0.25人,3歳以上6歳未満の者は0.5人,6歳以
上10歳未満の者は0.75人として算定する。ただし,これらにより算定された世帯人数が2人に
満たない場合は2人とする。
2
世帯人数(注1の適用がある場合には適用後の世帯人数)が4人を超える場合は,上記の面積
から5%を控除する。
3
次の場合には,上記の面積によらないことができる。
①
単身の学生,単身赴任者等であって比較的短期間の居住を前提とした面積が確保されてい
る場合
②
適切な規模の共用の台所及び浴室があり,各個室に専用のミニキッチン,水洗便所及び洗
面所が確保され,上記の面積から共用化した機能・設備に相当する面積を減じた面積が個室
部分で確保されている場合
-21-
(5) 借家世帯の世帯人数
借家に住む世帯人数の構成割合は,単身及び 2 人の世帯が借家世帯全体の 74.6%を占めてい
ます。
5人
2.5%
単身
51.2%
0%
10%
20%
2人
23.4%
30%
40%
50%
60%
3人
13.0%
70%
4人
9.4%
80%
90%
6人以上
0.5%
100%
▲図表 3-4(5) 旭川市における借家に居住する世帯人数の構成割合 (資料~平成 20 年住宅・土地統計調査)
(6) 借家世帯の世帯類型
借家に居住する世帯類型の構成割合は,単身世帯は借家世帯全体の約 5 割を占めており,そ
のうち 65 歳以上の単身高齢者世帯は 9.9%となっています。
また,夫婦とも又はいずれか一方が65歳以上の高齢夫婦のみ世帯は2.8%,夫婦と18歳未満
の者の世帯は16.7%となっています。
65歳未満の単身
40.0%
0%
10%
20%
65歳以上の単身
9.9%
30%
40%
夫婦と18歳未満の者
16.7%
高齢夫婦
2.8%
50%
60%
70%
その他
30.7%
80%
90%
100%
▲図表 3-4(6) 旭川市における高齢者の世帯別の住宅所有関係(資料~平成 20 年住宅・土地統計調査)
(7) 高齢者等のための設備
高齢者等が安全・安心に生活できるように,手すりや入浴しやすい浴槽の設置,段差のない
屋内となっている住宅は,持ち家が 59.2%を占めているのに対し,借家は 26.7%となっていま
す。
高齢者のための設備が
ある
26.7%
借 家
ない
73.3%
高齢者のための設備が
ある
59.2%
持ち家
0%
10%
20%
30%
40%
ない
40.8%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
▲図表 3-4(7) 旭川市における住宅所有関係別の高齢者等のための設備の状況(資料~平成 20 年住宅・土地統計調査)
-22-
(8) 社会施設の入所者数
老人ホームや児童保護施設など,旭川市における社会施設1の入所者数を国勢調査でみると,
平成 12 年以降,急激に増加しています。これは,平成 12 年以降,介護保険制度導入によりグ
ループホーム等が増加した結果と考えられます。
また,平成 23 年 10 月 20 日から「サービス付き高齢者向け住宅」登録制度2が導入されるな
ど,今後,高齢者の住まい方がより多様になると予測されます。
(人)
6,593
7,000
6,000
4,582
5,000
4,000
3,000
2,000
1,518
1,559
1,794
S60
H2
H7
2,128
1,000
0
H12
H17
H22
(年)
▲図表 3-4(8) 旭川市における社会施設への入所者数の推移(資料~国勢調査) *注*不詳を除く。
3-5
市営住宅の入居状況等
(1) 入居状況
平成 23 年 3 月末における市営住宅の入居状況は,建替事業の実施に伴う政策空き家3や修繕
中のものなどを除いた住戸に 4,614 世帯が入居しています。
(2) 応募状況
市営住宅への応募状況は,平成 16 年度までは年間応募者数が 2,000 人を超えていましたが,
平成 20 年度以降は応募者数が減尐し,応募倍率も 4 倍台で推移しています。
項目 \ 年度
H15
H16
H17
H18
H19
H20
H21
H22
応募者数 (件)
2,051
2,331
1,665
1,546
1,600
1,404
1,358
1,396
募集戸数 (戸)
279
310
283
265
252
287
280
305
応募倍率 (倍)
7.35
7.51
5.88
5.83
6.34
4.89
4.85
4.57
▲図表 3-5(1) 市営住宅の応募者数,募集戸数及び応募倍率(資料~旭川市:各年 3 月末)
(3) 入居者の特性
① 世帯主の年齢
平成 23 年 3 月末現在における入居世帯 4,614 世帯のうち,世帯主の年齢をみると 60 歳代の
1
2
3
社会施設:国勢調査では,世帯を「一般世帯」と「施設等の世帯」に区分しており,「施設等の世帯」のうち社会施設は,老人ホームや
養護施設などを対象としている。
「サービス付き高齢者向け住宅」登録制度:バリアフリー構造等を有し,生活相談などと高齢者を支援するサービスを提供する「サー
ビス付き高齢者向け住宅」として都道府県知事等への登録する制度。
政策空き家:建替事業又は住戸の改善事業などの政策的理由で,新たな入居の募集を停止して生じた空き住戸のこと。
-23-
割合が 26.1%を占めており,60 歳代以上の世帯主の割合は,市営住宅に入居している全世帯の
5 割を超えています。
~20歳代
2.2%
0%
40歳代
13.0%
30歳代
9.3%
10%
50歳代
17.1%
20%
30%
60歳代
26.1%
40%
50%
70歳代
20.5%
60%
70%
80歳以上
11.8%
80%
90%
100%
▲図表 3-5(2) 市営住宅の世帯主の年齢構成割合(資料~旭川市:平成 23 年 3 月末)
② 世帯概要
平成 23 年 3 月末における入居世帯の人数をみると,全世帯のうち単身世帯の占める割合は
42.7%となっており,次いで 2 人世帯の割合が 34.0%となっています。
また,市営住宅に居住する単身世帯の割合 42.7%は,平成 22 年国勢調査からみる旭川市の
単身世帯の割合 33.6%より多い状況にあります。
単身世帯
42.7%
0%
10%
20%
2人世帯
34.0%
30%
40%
50%
60%
4人世帯
7.5%
3人世帯
13.4%
70%
80%
90%
5人以上世帯
2.4%
100%
▲図表 3-5(3) 市営住宅の世帯人数構成割合(資料~旭川市:平成 23 年 3 月末)
さらに,入居世帯の状況を家族類型別で詳しくみると,入居世帯全体に占める高齢者の単身
世帯の割合は 25.8%で,高齢者のみの 2 人以上世帯と合わせた高齢者世帯の割合は 35.6%とな
っています。
国勢調査の結果で,旭川市の高齢者人口及び高齢者世帯が一貫して増え続けている中,市営住
宅の入居状況においても同様の傾向が続くものと予測されます。
①
25.8%
0%
10%
20%
①:
②:
③:
④:
⑤:
⑥:
②
9.8%
③
10.7%
30%
40%
④
6.1%
50%
⑤
8.8%
60%
⑥
38.8%
70%
80%
90%
高齢者(65歳以上)が,単身で居住する世帯
高齢者(65歳以上)のみが,2人以上居住する世帯
①及び②を除き,高齢者(65歳以上)が同居する世帯
ひとり親世帯(15歳未満の子どもが同居する世帯)
夫婦と子ども(15歳未満)世帯
①から⑤以外の世帯
▲図表 3-5(4) 市営住宅の家族類型別世帯構成割合 (資料~旭川市:平成 23 年 3 月末)
-24-
100%
③ 入居者の収入
公営住宅の入居対象者は,住宅に困窮しており,公営住宅法施行令で定める方法により算出
された世帯の月収が 158,000 円を超えない者となっています。
また,高齢者や障害者世帯等のように,特に居住の安定を図る必要がある世帯については,
月収が 214,000 円を超えないこととされています。
平成 23 年 3 月末における市営住宅入居者の世帯状況を収入分位1別にみると,最も収入の尐
ない階層であるⅠ分位が 3,904 世帯で,入居世帯全体の 84.5%を占めています。
なお,収入超過者及び高額所得者については,公正な住宅供給のため,明渡し等の適切な対
応を図っていきます。
収入分位
【Ⅰ分位】
0% ~ 10.0%
【Ⅱ分位】
10.1% ~ 15.0%
【Ⅲ分位】
15.1% ~ 20.0%
【Ⅳ分位】
20.1% ~ 25.0%
政令月収
0 ~ 104,000 円
104,001 ~ 123,000円
123,001 ~ 139,000円
139,001 ~ 158,000円
世 帯 数
3,904世帯 (84.5%)
182世帯 (3.9%)
118世帯 (2.6%)
112世帯 (2.4%)
収入分位
【Ⅴ分位】
25.1% ~ 32.5%
【Ⅵ分位】
32.6% ~ 40.0%
【Ⅶ分位】
40.1% ~ 50.0%
【Ⅷ分位】
50.1% ~
政令月収
158,001 ~ 186,000円
186,001 ~ 214,000円
214.0001 ~ 259,000円
259,001円 ~
世 帯 数
100世帯 (2.2%)
76世帯 (1.7%)
54世帯 (1.2%)
68世帯 (1.5%)
▲図表 3-5(5) 収入分位別の世帯数 (資料~旭川市:平成 23 年 3 月末)
3-6
市営住宅の活用に考慮すべき視点
旭川市の人口は,平成 7 年から減尐が続き,今後も人口減尐が続くと見込まれています。
また,尐子高齢社会の進展が続く中,世帯の尐人数化も進んでおり,特に高齢者の単身世帯
は,今後も増加するものと予想されます。
旭川市における住宅数は世帯数を上回っており,住宅の量としては充足している状況にあり
ますが,借家については,約 1 割が最低居住面積水準を満たしておらず,約 7 割が高齢者等の
ための設備が整備されていないなど,住宅性能が低いものも存在しています。
このほか,高齢者の居住形態は,福祉サービスが受けられる社会福祉施設等への居住も増えて
いるなど,より多様化してきており,これらの動きも視野に入れた検討が必要です。
市営住宅の入居世帯においても,高齢者が居住する世帯が 5 割近くを占める状況となってお
り,高齢者世帯をはじめ多様な住宅困窮世帯に対して,引き続き安全で安心できる住環境の形
成が求められています。
このような社会背景や市営住宅の入居状況から,市営住宅の活用に考慮すべき視点を次のと
おり整理します。
○ 旭川市の人口動態に応じた市営住宅の供給
○ 尐子高齢社会に対応した住環境の形成
1
収入分位:家計調査(総務省)の結果から,全世帯を収入順に並べて各世帯が下位から何%の範囲に位置しているかを示した数値。
-25-
第 4 章 総合的な活用に関する基本目標等
4-1
総合的な活用に関する基本目標
市営住宅の供給は,公営住宅法の目的を踏まえ「住宅に困窮する低額所得者」を対象に行いま
すが,市営住宅の現状からみた課題や,市営住宅の活用に考慮すべき視点を踏まえ,市営住宅の
総合的な活用に関する基本目標を次のとおりとします。
基本目標1
将来の人口・世帯数を見据えた市営住宅の的確な供給
旭川市の人口減尐が進む中,本計画の最終年である平成 33 年の人口や世帯数の動向,地域の
住宅事情等も見極めながら,市営住宅の目標管理戸数を設定し,将来的に市営住宅の総量が余
剰とならないように的確な供給に努めます。
基本目標2
効率的かつ円滑な更新に向けた市営住宅の有効活用
昭和 40 年代から 50 年代にかけて大量に建設された市営住宅が老朽化し,今後,一斉に更新
時期を迎えるため,建替えや建物の長寿命化に資する改善等の手法を組み合わせながら,集中
する更新時期の分散化を図り,効率的かつ円滑な更新に向けて市営住宅の有効活用に取り組み
ます。
また,目標管理戸数を踏まえた中で,建替えに伴う団地の統合集約や用途廃止による団地再
編の検討も進め,市営住宅全体における居住水準の向上を図っていきます。
基本目標3
高齢者世帯など多様な世帯が安全で安心して暮らせる住環境の形成
尐子高齢化が進む社会状況にある中,高齢者世帯の増加や子育て世帯への支援の必要性など
多様な世帯に対するセーフティネットとして,安全で安心して暮らせる住環境の形成が求めら
れることから,市営住宅の整備はユニバーサルデザインの視点を持って行います。
また,これまでも市営住宅ストックの 1 階部分を身体障害者や高齢者向けの特定目的住宅と
して設定し,
入居機会の拡大を行ってきましたが,
今後は子育て世帯も含めて拡充を図ります。
4-2
目標管理戸数の設定
(1) 将来の人口及び世帯数
市営住宅の目標管理戸数の設定に必要な将来の人口及び世帯数については,全国的な将来動
向や,旭川市の国勢調査の数値などを踏まえて,次のとおり推計します。
-26-
【 平成 33 年の人口 】
320,045
人
(推計値)
(推計方法) 平成 22 年国勢調査における旭川市の人口を基にコーホート要因法1で推計。
【 平成 33 年の世帯数 】 143,884
世帯(推計値)
(推計方法) 平成 22 年国勢調査における旭川市の 5 歳階級別男女人口を基に世帯主率法2で推計。
なお,旭川市の人口及び世帯数の実績値3と推計値をグラフに示すと,次のようになります。
(人)
実績値
400,000
359,071
360,568
359,536
推計値
355,004
347,095
350,000
336,624
323,180
307,505
◆
300,000
290,073
平成33年
320,045人
250,000
200,000
150,000
100,000
50,000
0
平成2年
平成7年
平成12年
平成17年
平成22年
平成27年
平成32年
平成37年
平成42年
▲図表 4-2(1) 旭川市の人口の実績値と推計値
(世帯)
推計値
実績値
180,000
160,000
140,000
128,924
138,350
146,400
150,384
154,393
148,914
144,922
139,731
◆
133,172
平成33年
143,884世帯
120,000
100,000
80,000
60,000
40,000
20,000
0
平成2年
平成7年
平成12年
平成17年
平成22年
平成27年
平成32年
平成37年
平成42年
▲図表 4-2(2) 旭川市の世帯数の実績値と推計値
1
2
3
コーホート要因法:男女別・5 歳階級別の人口について「自然増減(出生・死亡)」及び「純移動率(転出・転入)」それぞれについて将来
値を仮定し,将来人口を推計する方法。
世帯主率法:人口に世帯主率(人口に占める世帯主数の割合)を乗じることによって世帯主数,すなわち世帯数を求める手法。
実績値:国勢調査の結果に基づく,人口及び世帯数の数値。
-27-
(2) 公的な支援により居住の安定の確保を図るべき世帯数
公営住宅は,
「住宅に困窮する低額所得者への健康で文化的な生活」を実現するための住宅で
あり,その的確な供給にあたっては,将来における「住宅に困窮する低額所得者」の世帯数を
推計する必要があります。
公営住宅の入居対象である「住宅に困窮する低額所得者」は,低い所得のために世帯構成に
適した規模の住宅を自らの収入で確保することができない世帯(公的居住支援の対象世帯)を
指します。
将来において上記に該当する世帯数については,人口や世帯数の将来推計値のほか,住宅・
土地統計調査や総務省の家計調査などの結果を基に推計した結果,公的居住支援の対象世帯数
は,6,000 世帯(推計値)となります。
【平成 33 年の公的居住支援の対象世帯数】
(推計方法)
6,000 世帯(推計値)
旭川市内の賃貸住宅市場において,年収が低く,適切な家賃負担で最低居住面積水準を満たす
住宅を確保することができない世帯数を推計。
推計された平成 33 年(本計画の最終年度)の公的居住支援の対象世帯数 6,000 世帯を,旭川
市における市営住宅や道営住宅の目標管理戸数 6,000 戸と考えます。
この目標管理戸数に対して,平成33年における道営住宅の管理戸数がおおむね1,200戸と想定
し,その数を引いた4,800戸を市営住宅の目標管理戸数として設定します。
【平成 33 年における市営住宅の目標管理戸数】 4,8004 戸(設定値)
今後,老朽化が著しい市営住宅の解体や用途廃止等により管理戸数の減尐も見込まれますが,
その一方で新たに建設する(仮称)中心市街地団地で 150 戸の供給も予定しています。
計画期間中には,管理戸数の一時的な増減もありますが,社会情勢や地域の住宅事情等に留
意するとともに,おおむね中間時に目標管理戸数の精査・点検も行いながら,市営住宅の的確
な供給に努めていきます。
-28-
第 5 章 市営住宅の活用計画
5-1
活用手法の種類
第4章で示した総合的な活用に関する基本目標を踏まえて,現在管理している市営住宅を有効
かつ適切に活用するため,次の4つの活用手法を選定し,この選定された活用手法を原則に市営
住宅の整備等を進めます。
建 替 え
既存の住棟を除却し,その土地の全部又は一部の区域に新たな住棟を建設するもの。(他の団
地への統合集約など非現地建替えを含む。)
個別改善
活
改
を改善するもの。
善
用
全面的改善
手
修繕対応
法
居住性向上,福祉対応及び安全性確保の観点から,部分的に不足している機能
柱,床,壁等の建物の構造体のみを残して,全面的又はそれに準ずる状態で改
善するもの。
維持保全のための点検や,経常的に必要となる小規模な修繕を行い,既存住棟の良好な住環
境を維持していくもの。
敷地条件や利便性,需要等を勘案して,市営住宅として引き続き適切に管理することが不適当と
用途廃止
認められる場合,入居状況や入居者の移転先確保等を踏まえて,最終的に住棟の解体除却を行う
もの。 また,解体除却後の土地は,行政目的として利用がない場合,その処分を基本とする。
▲図表 5-1 活用手法の種類
5-2
整備水準の目標
市営住宅の整備に当たっては,公営住宅法,建築基準法及び消防法等その他関連法令に適合
させるとともに,本計画においては,次のとおり建替え(新規建設含む。)
,改善及び修繕対応
ごとに整備水準の目標を設定します。
(1) 整備水準の目標:建替え(新規建設を含む。)
① 住戸タイプと住戸面積
市営住宅の建替えは,既存入居者の状況にも配慮しつつ,団地内のコミュニティバランス
を保つことを目的に,
図表 5-2 に示すような多様な住戸タイプの供給に努めることとします。
なお,住戸面積は,住生活基本計画(全国計画)に定められている最低居住面積水準以上
を確保します。
住
戸
タ
イ
プ
の
例
1 L D K
住戸面積
40 ㎡ ~ 55 ㎡ 程度
2 D K
住戸面積
40 ㎡ ~ 55 ㎡ 程度
2 L D K
住戸面積
55 ㎡ ~ 70 ㎡ 程度
3 L D K
住戸面積
70 ㎡ ~ 80 ㎡ 程度
▲図表 5-2 建替えにおける住戸タイプと住戸面積の基準
-29-
② ユニバーサルデザイン1
住戸,住棟及び敷地のバリアフリー化を図るとともに,
「旭川市の公営住宅等の整備におけ
るユニバーサルデザインの導入に関する指針2」に即して,次のとおり入居者誰もが安全で安
心して暮らせる住環境の形成を目指して整備を行います。
・住戸:浴室及びトイレ等に手すり設置,出入口の有効開口幅 75 ㎝以上 など
・住棟:共用部分における床面の防滑性に配慮,共用の廊下や階段に手すり設置 など
・敷地:歩行者と自動車の通路を原則分離,外灯の適切な配置 など
③ 環境共生3
住戸又は住棟の高断熱化・高気密化による環境負荷の低減や,北国に適した快適な住環境
の形成を図るため,北海道が定めた環境共生型次世代エネルギー基準や環境共生型公共賃貸
住宅整備指針の規定水準を確保するなど,次のとおり環境共生に資する整備を行います。
・建物の各部仕様について水準を確保した高断熱化,高気密化
・維持管理や運用エネルギーの効率化,将来の更新に配慮した建築設備
・敷地の規模及び形状,管理体制等に応じた緑地や広場,雪処理スペースの確保 など
④ 駐車場及び自転車置場
市営住宅の入居世帯のうち自動車を保有する世帯の占める割合は 5 割を超えており,今後
とも自動車を保有する世帯の増加が見込まれることから,建替えに当たっては,整備する住
戸数に応じた駐車場を敷地内に確保します。
なお,良好な駐車場を保持するため,受益者等負担の適正化の観点から入居者に応分の負
担を求めることも必要と考えており,先進他都市の状況も踏まえた上で,駐車場の有料化に
ついて検討を行います。
また,入居者の自転車置場についても,整備する住戸数に応じてスペースを確保します。
⑤ その他
その他,市営住宅の建替え等に当たっては,建設コストの縮減に努めるほか,次のとおり
住戸,住棟及び敷地の良好な住環境形成を図るとともに,地域環境の向上に貢献できる整備
内容も合わせて検討するものとします。
・3 箇所給湯設備の設置や浴室(浴槽)の整備
・衛生,利便及び周辺環境に配慮したごみ置場の設置
・見通しが確保された住棟の配置や構造等による防犯性への配慮
・敷地周囲の狭幅員道路の改良 など
1
2
3
ユニバーサルデザイン:年齢や身体の状態にかかわらず,より多くの人が使用しやすいように配慮して設計する考え方。
旭川市の公営住宅等の整備におけるユニバーサルデザインの導入に関する指針
:ユニバーサルデザインを導入した導入した市営住宅の整備イメージを具体的に示した指針(平成 21 年度策定)。
環境共生:周辺環境や地球環境への負荷低減を考慮し,建物の省エネルギー化に配慮するなど,次世代につなげていける住環境を
目指すこと。
-30-
(2) 整備水準の目標:改善(全面的改善及び個別改善)
① 全面的改善
全面的改善は,改善後の標準管理期間(30 年)以上の活用を踏まえるとともに,次のとお
り躯体の劣化状況を確認した上で実施するものとします。
・コンクリートの強度が設計基準強度以上であること
・外壁の中性化深さ(平均値)が設計かぶり厚より小さいこと
・柱や壁に目視で容易に確認できる大きなひび割れが無いこと など
なお,住戸及び住棟における整備水準の目標は,原則として建替えの整備水準の目標に準
拠し,エレベーター未設置の住棟は,法規制や技術的内容,費用対効果等を精査した上で可
能となる場合は設置を原則とします。
このほか,敷地内のバリアフリー化(段差解消,手すりの設置等)に努めるものとします。
② 個別改善
個別改善は,
居住性向上,
福祉対応及び安全性確保の観点から改善を行ったものについて,
おおむね 10 年以上活用することを踏まえ,整備水準の目標を次のとおり設定します。
これら目標とする整備水準については,建物の状況や建築材料の更新周期,費用対効果,
工事に伴う入居者の負担等を総合的に検討し,個々の団地・住棟に応じて適宜実施するもの
とします。
・3 箇所給湯設備の設置や浴室(浴槽)の整備
・結露防止等を考慮した換気設備の設置
・気密・断熱サッシへの更新など住戸内の高気密・高断熱化
・住棟共用部分等への手すり設置
・ガス管等の取替
・その他,建物の長寿命化を図るために耐久性の高い材料や仕様への変更
(3) 目標整備水準:修繕対応
耐用年限まで使用することを前提に,躯体や設備の性能を維持するための修繕や部分的な
交換等の維持管理を適切に行います。
5-3
活用手法の選定
前述の4つの活用手法については,団地別又は住棟別に選定しますが,その選定方法は,次
の図表 5-3 で示す「手法選定のフロー」
(以下「フロー」という。
)に沿って,経過年数や高度
利用の必要性・可能性等を検討する1次判定から行い,住棟の構造や居住性など技術的な検討
を行う2次判定,そして1次判定及び2次判定の結果を踏まえて総合的に検討する3次判定で
本計画における最終的な活用手法を選定します。
なお,2次判定においては,建物の長寿命化を図り,市営住宅の効率的かつ円滑な更新を推
進する観点から,予防保全的な改善の必要性も合わせて検討し,適用する住棟を選定すること
とします。
-31-
≪手法選定のフロー≫
▲図表 5-3 活用手法の選定フロー(資料~公営住宅等長寿命化計画策定指針(国土交通省):平成 21 年 3 月)
-32-
5-3-1 1次判定(団地及び住棟単位の社会的特性による判定)
1次判定は,経過年数,需要の状況,高度利用の必要性及び可能性,改善履歴の観点から次の
評価基準に基づき,フローに沿って建替え,維持管理,用途廃止の活用手法を選定します。
また,1次判定で建替え,維持管理,用途廃止の選定ができなかった団地又は住棟については,
継続判定とし,2次判定で検討するものとします。
(1) 1次判定における評価項目
経過年数
次のいずれかに該当する団地又は住棟は,建替え又は用途廃止の候補とします。
① 現在,建替事業実施中のもの。
② 現時点で公営住宅法に基づく耐用年限を経過しているもの。
③ 昭和 20 年代に建設され,老朽化が著しいもの。
<該当する団地又は住棟> ・新町 ・南町 9~14 ・春光台 611~930 ・旭正 ・藤岡 ・瑞穂 ・高台
・千代ヶ岡 ・第 4 東鷹栖 ・中央 ・第 1 豊岡 1,2,21~23
需要の状況
耐用年限の 1/2 を経過した団地又は住棟のうち,入居可能な住戸で 5 年間以上入居が無く
空きが生じているものは,需要が無いと判定し,建替え又は用途廃止を検討します。
<該当する団地又は住棟>
・該当する団地又は住棟はありません。
高度利用の必要性及び可能性
経過年数から選別された団地又は住棟で,次のいずれかに該当する場合は,土地利用にお
ける高度利用の必要性及び可能性が低いと判断し,用途廃止とします。
① 市街化調整区域に位置するもの。
② 都市計画区域外に位置するもの。
③ 敷地面積や形状,条件等から,建替えが困難又は土地の高度利用が図れないもの。
<用途廃止に該当する団地又は住棟>
・旭正 ・瑞穂 ・第 4 東鷹栖 ・千代ヶ岡 ・中央
上記以外の団地又は住棟は,建替えとします。
<建替えに該当する団地又は住棟> ・新町 ・南町 9~14 ・春光台 611~930 ・藤岡 ・高台 ・第 1 豊岡 1,2,21~23
改善履歴の状況
過去 10 年間に建替え又は全面的改善を行った団地又は住棟は,維持管理とします。
<維持管理に該当する団地又は住棟>
・南町 ・第 2 永山 1~3 ・春光台 1~6
-33-
(2) 1次判定のまとめ
経過年数
需 要
高度利用の
可能性・必要性
建替え・全面的改善の
履歴(過去 10 年間)
1 次判定
S25
-
現地建替え困難
なし
用途廃止
-
-
-
-
なし
継続判定
-
-
S28,29
-
-
なし
建 替 え
11~13
1~10
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
なし
なし
継続判定
継続判定
1~8
-
-
-
-
-
なし
継続判定
継続判定
団 地 名
住棟番号
建替事業
耐用年限
S20 年代
建 設
-
-
1~3
-
1,2,21~23
第2豊岡
第3豊岡
中央
緑町
第1豊岡
東豊
-
-
-
-
-
なし
-
-
-
-
-
なし
継続判定
-
なし
継続判定
-
-
なし
継続判定
なし
継続判定
なし
建替え(H20,22)
なし
なし
なし
建 替 え
維持管理
建 替 え
用途廃止
継続判定
第1東光
1~5
第3東光
1~3
神居
1~5
-
-
-
亀吉
1~3
-
-
-
-
S28
政策空き家
-
建替事業
-
-
新町
南町
○
9~14
旭正
江丹別
第1永山
第2永山
1~3
春光1区
春光2区
春光6区
大町
春光台
-
経過
-
-
-
-
-
-
○
経過
-
政策空き家
建替事業
-
経過
-
-
市街化調整区域
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
なし
継続判定
維持管理
-
-
-
-
-
建替え(H13~15)
-
-
-
-
-
なし
継続判定
継続判定
1~3
-
-
-
-
-
なし
改良
-
-
-
-
-
なし
継続判定
1~4
-
-
-
-
-
なし
継続判定
改良 1~8
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
なし
なし
継続判定
改良
21,22,25
27
1~6
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
経過
-
政策空き家
建替事業
-
611~712,721,722,801,802,804,
806~825,827~902,921~928
713~716,723~726,803,805,
826,903~907,929,930
神楽岡
○
-
-
-
-
-
藤岡
-
経過
瑞穂
-
経過
なし
なし
建替え(H16~19,21)
継続判定
継続判定
継続判定
維持管理
なし
建 替 え
なし
建 替 え
-
-
なし
継続判定
-
-
-
なし
建 替 え
-
-
市街化調整区域
なし
用途廃止
なし
建 替 え
高台
-
経過
-
-
-
千代ヶ岡
-
経過
-
-
都市計画区域外
なし
用途廃止
東鷹栖
-
-
-
-
-
なし
継続判定
用途廃止
継続判定
継続判定
第4東鷹栖
神楽岡ニュータウン
愛宕
-
経過
-
-
市街化調整区域
1~32
1~5
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
なし
なし
なし
朝日
1~4
-
-
-
-
-
なし
継続判定
新富
1~3
-
-
-
-
-
なし
継続判定
忠和
1~11
-
-
-
-
-
なし
継続判定
緑が丘東
1~8
-
なし
川端
1,2
-
なし
継続判定
継続判定
-
-
-
-
-
-
-
-
▲図表 5-3-1 1次判定のまとめ (平成 22 年 8 月末)
-34-
5-3-2 2次判定(住棟単位の物理的特性による判定)
2次判定は,1次判定で継続判定とした住棟を対象に,躯体や避難の安全性,居住性の観点か
ら次の評価基準に基づき,フローに沿って修繕対応,改善,建替えの活用手法を選定します。
また,1次判定で維持管理と判定した住棟については,予防保全的な改善や修繕の必要性を2
次判定で検討するものとします。
(1) 2次判定における評価項目
躯体の安全性
昭和 56 年の建築基準法施行令(以下,
「新耐震基準」という。
)に基づき設計・施工された
住棟及び新耐震基準に基づかないが耐震診断等により一定の耐震性を確認している住棟以外
は,改善又は建替えとします。
<該当する住棟>
・昭和 55 年度以前に建設された住棟については,北海道が定めた耐震診断実施方針(平成 18 年)に基づき調査を
行い,所定の性能を有することを確認しているため,該当する住棟はありません。
避難の安全性
二方向避難や防火区画が確保されていない住棟は,改善又は建替えとします。
<該当する住棟>
・該当する住棟はありません。
居住性
次のいずれかに該当する住棟は,改善又は建替えとします。
①
住戸面積 40 ㎡1未満の住戸があるもの。
②
浴室(浴槽)が未整備のもの。
③
3 箇所給湯設備が未整備のもの。
<該当する住棟>
・第 1 豊岡 11~13 ・第 2 豊岡1~10 ・第 3 豊岡 1~8 ・東豊 ・春光台 21,22,25,27
・神楽岡ニュータウン 1~32 ・愛宕 1~5 ・朝日 1~4 ・新富 1~3 ・忠和 1~11 ・緑町 1~3 ・緑が丘東 1~8
・川端 1,2 ・第 1 東光 1~5
居住性の評価で該当した上記の住棟については,改善の必要性があると判断します。
次に,改善の必要性がある住棟のうち,新耐震基準に基づき設計・施行された住棟やこれま
で建物の長寿命化に資する改善工事を行った住棟は,長期的な活用が見込める住宅性能を持つ
と判断し,部分的に居住性や安全性の維持・向上を図る個別改善の対象とします。
1
40 ㎡:住生活基本計画(全国計画)における世帯人数 3 人の場合の最低居住面積水準
-35-
個別改善の対象
次のいずれかに該当する住棟は,個別改善の対象とします。
① 新耐震基準で設計・施行されたもの。
② これまでに建物の長寿命化に資する改善工事を行ったもの。
<該当する住棟>
・第 1 豊岡 12,13 ・春光台 21,22,25,27 ・愛宕 2~5 ・朝日 1~4 ・新富 1~3
・忠和 1~11 ・緑町 1~3 ・緑が丘東 1~8 ・川端 1,2 ・第 1 東光 1~5
個別改善の対象とならなかった住棟は,躯体の強度や劣化の状況を確認した上で全面的改善
の可能性を検討することになりますが,費用対効果等を考慮し,改善後における一定期間の活
用が可能かどうかを評価する必要があります。
このため,次のとおり本計画の最終年度から全面的改善実施後の標準管理期間(30 年)を経
過するまでに耐用年限を超える住棟は建替え,超えない住棟は全面的改善とします。
全面的改善の対象
全面的改善実施後の標準管理期間(30 年間)を経過するまでに耐用年限を超えないもの。
建替えの対象
全面的改善実施後の標準管理期間(30 年間)を経過するまでに耐用年限を超えるもの。
<全面的改善に該当する住棟>
<建替えに該当する住棟>
・該当する住棟はありません。
・第 1 豊岡 11 ・第 2 豊岡1~10 ・第 3 豊岡 1~8 ・東豊
・神楽岡ニュータウン 1~32 ・愛宕 1
さらに,建物の長寿命化の観点から予防保全的な改善の必要性について評価します。
評価対象は,1次判定を含め,建替えや用途廃止の対象となっていない住棟となります。
長寿命化型改善の対象
外壁,屋上・屋根,給排水管の改善等の履歴,さらにこれらの老朽度の実情を踏まえて,
改善周期から必要性があると判断された住棟は,長寿命化型改善の対象とします。
<該当する住棟>
・第 1 豊岡 12,13 ・春光 6 区改良 1~4,7,8 ・春光 6 区 1~4 ・春光台 27
・春光 2 区1~3 ・忠和 1~11 ・緑が丘東 1~8 ・川端 1,2 ・第 1 東光 1~5 ・第 3 東光 1~3
-36-
(2) 2次判定のまとめ
住棟
番号
団地名
第1豊岡
11
住戸面積(㎡)
浴
室
3 箇所
給湯
○
66.5
○
△2
×
×
-
-
-
建 替 え
○
△2
○
-
あり
あり
あり
個別改善(居・福・安・長)
躯体の
安全性
避難の
安全性
○
全面的
改 善
の
対 象
長寿命化型改善
の必要性
外 屋上 給排
壁
等
水管
個 別
改 善
の
対 象
居住性
2次判定
12,13
○
○
66.5
第2豊岡
1~10
○
○
49.7~71.4
○
△2
×
×
-
-
-
建 替 え
第3豊岡
大町
1~8
○
○
○
△2
×
×
-
-
-
改良
○
○
56.6~67.7
49.9
○
○
-
-
-
-
-
建 替 え
修繕対応
改良 1~4,7,8
○
○
53.3~68.0
○
○
-
-
あり
あり
-
個別改善(長)
改良 5,6
○
○
○
○
-
-
-
-
-
1~4
○
○
53.3,68.0
53.6~76.9
○
○
-
-
あり
あり
-
修繕対応
個別改善(長)
○
○
39.9
×
△1
×
×
-
-
-
建 替 え
○
△2
○
-
-
-
-
○
△2
○
-
個別改善(居・福・安)
個別改善(居・福・安・長)
定
修繕対応
春光6区
東豊
春光台
21,22,25
○
○
60.1~78.9
27
○
○
62.7,72.6
1~6
春光2区
神楽岡
ニュータウン
愛宕
あり
あり
-
-
-
-
改良
○
○
54.9,70.9
○
○
-
-
-
-
-
修繕対応
1~3
○
○
○
-
-
あり
あり
-
個別改善(長)
○
△2
×
×
-
-
-
16,17
○
○
50.4~76.9
40.9~67.8
39.9~67.8
○
1~15,18~32
○
○
○
△2
×
×
-
-
-
1
○
○
63.4
○
△2
×
×
-
-
-
建 替 え
○
△2
○
-
-
-
-
個別改善(居・福・安)
建 替 え
2~5
○
○
59.9,63.4
朝日
1~4
○
○
62.1,64.6
○
△2
○
-
-
-
-
個別改善(居・福・安)
新富
1~3
○
○
62.1,66.5
○
△2
○
-
-
-
-
個別改善(居・福・安)
忠和
1~11
○
○
64.6,66.5
○
△2
○
-
-
-
あり
個別改善(居・福・安・長)
緑町
1~3
○
○
64.6~67.7
○
△2
○
-
-
-
-
個別改善(居・福・安)
緑が丘東
1~8
○
○
65.7,68.3
○
△2
○
-
あり
-
-
個別改善(居・福・安・長)
川端
1,2
○
○
69.2
○
△2
○
-
あり
あり
-
個別改善(居・福・安・長)
第1東光
1~5
○
○
46.2~68.0
○
△2
○
-
あり
あり
-
第3東光
1~3
○
○
61.8~74.9
○
○
-
-
あり
あり
-
亀吉
1~3
○
○
50.4~76.0
○
○
-
-
-
-
-
個別改善(居・福・安・長)
個別改善(福・長)
)
修繕対応
春光 1 区
○
○
49.7~79.3
○
○
-
-
-
-
-
修繕対応
東鷹栖
○
○
52.7~79.8
○
○
-
-
-
-
-
修繕対応
○
○
54.8~79.6
○
○
-
-
-
-
-
修繕対応
○
○
49.9~79.9
○
○
-
-
-
-
-
修繕対応
○
54.8~84.8
○
○
-
-
-
-
-
修繕対応
-
-
-
修繕対応
-
-
-
修繕対応
-
-
-
修繕対応
神楽岡
神居
1~5
第 1 永山
第 2 永山
○
1~3
南町
江丹別
○
○
65.6~68.8
○
○
-
-
※ 居住性の判定における三箇所給湯で,△1は台所一箇所のみ,△2は台所と風呂の2箇所を示す。
※ 「居」は居住性向上型改善,「福」は福祉対応型改善,「安」は安全性確保型改善,「長」は長寿命化型改善を示す。
▲図表 5-3-2 2次判定のまとめ (平成 22 年 8 月末)
-37-
5-3-3 3次判定(団地単位の総合的検討)
3次判定は,1次判定及び2次判定の結果を踏まえ,団地単位又は地域単位での効率的な整備
や事業量の平準化などの観点から総合的に評価し,本計画における市営住宅の最終的な活用手法
を選定します。
(1) 3次判定における評価項目
団地単位での効率的な整備
① 建替えや個別改善と判定された住棟が混在する場合で,配置計画や事業手順,高度利
用の可能性等を考慮して,隣接住棟と一体的な建替えが効果的と考えられるもの。
② 建替事業中で,既存入居者の移転再入居がおおむね終了し,建替えとしての役割が終
了したと考えられるもの。
<該当する住棟>
① ・第 1 豊岡 12,13
※
第 1~3 豊岡団地の建替事業に合わせた住棟や駐車場の効率的配置など,団地単位で一体的な整備
が効果的であるため,個別改善から建替えに判定を修正します。
② ・春光台 611~726,812~814,832~835(簡易耐火構造住棟) ・南町 9~14(簡易耐火構造住棟) ・新町
※
春光台団地の上記建替住棟については,すべての世帯が移転したことから,建替えから用途廃止に判
定を修正します。
※
南町団地の建替住棟に再入居を希望する南町及び新町団地すべての世帯が移転したことから,建替
えから用途廃止に判定を修正します。なお,南町団地 2 号棟の建設は行わないことにします。
地域単位での効率的な整備
建替えが必要な複数の団地が一定の地域内に近接する場合は,より効果的かつ効率的に
事業を実施する観点から統合集約する形での建替えが可能と考えられるもの。
<該当する住棟>
・東豊
※
第 1~3 豊岡団地へ統合集約型の建替えとします。
2次判定までの結果で,建替えの対象となったのは,簡易耐火構造の住棟・住戸数が 101 棟
316 戸,耐火構造の住棟・住戸数が 58 棟 1,339 戸となっています。また,改善の対象となった
ものは,耐火構造の住棟・住戸数が 62 棟 2,036 戸に上ります。
現在,新規建設事業を進めている(仮称)中心市街地団地の 3 棟 150 戸1を加えて,これらの
整備を本計画の最終年度までに対応する場合,単純計算で約 181 戸の建設事業と,約 204 戸の
改善事業を毎年度実施することになります。
このため,現下の財政事情を踏まえると,事業量の平準化に努める必要があります。
1
(仮称)中心市街地団地 3 号棟の実施設計が完了していないため,整備戸数 150 戸は予定。
-38-
事業量の平準化
①
建替え対象のうち,建設年度が古く,住戸数の多い団地を優先します。
②
改善対象のうち,建物の劣化に影響の大きい外壁や屋上等の改善周期が近い住棟を
優先します。
<該当する住棟>
① ・第 1 豊岡 1,2,11~13,21~23 ・第 2 豊岡 1~10 ・第 3 豊岡 1~8 ・東豊
② ・春光 6 区1~4,改良 1~4,7~8 ・川端 1,2 ・第 1 東光 1~5 ・第 3 東光 1~3
・忠和 1~11 ・春光台 27 ・緑が丘東1~8 ・春光 2 区 1~3
なお,活用手法を建替えとした次の住棟又は団地については,事業内容の精査も必要と考え
るため,その実施時期を次期計画以降としています。
・ 春光台団地の簡易耐火構造の住棟は,昭和 58 年度から平成 4 年度までに 2 住戸を 1 住戸
にするなどの大規模な住戸改善を実施しているため,建替事業の実施時期を延伸します。
ただし,実施時期を次期計画以降とするため,現入居者の意向等を踏まえ,同団地に建
て替えた 1~6 号棟への移転再入居の検討も合わせて行います。
・ 高台団地及び藤岡団地は,当面の間,応募倍率や入居状況などの需要を見極めながら,
敷地条件等の精査を行い,一体的な建替えの可能性も含めて検討することとします。
また,事業量の平準化から計画期間後に建替えや改善を行う予定の住棟については,本計画
期間内は修繕対応とし,修繕及び改善周期を踏まえて適切な時期に対応し,居住性・安全性の
維持・向上に努めていきます。
(2) 活用手法別戸数
市営住宅の住宅種別ごとに,計画期間内の活用手法別戸数を整理すると,次の表のとおりに
なります。
対
象
公営住宅管理戸数
維持管理予定戸数
合 計
対
4,735 戸
象
特定公共賃貸住宅管理戸数
3,927 戸
維持管理予定戸数
合 計
13 戸
13 戸
うち 修繕対応戸数
2,419 戸
うち 修繕対応戸数
13 戸
うち 改善対応戸数
1,508 戸
うち 改善予定戸数
0戸
建替え予定戸数
586 戸
建替え予定戸数
0戸
用途廃止予定戸数
222 戸
用途廃止予定戸数
0戸
-39-
対
象
改良住宅管理戸数
維持管理予定戸数
合 計
対
132 戸
象
市単独住宅管理戸数
132 戸
維持管理予定戸数
合 計
2戸
2戸
うち 修繕対応戸数
60 戸
うち 修繕対応戸数
2戸
うち 改善対応戸数
72 戸
うち 改善予定戸数
0戸
建替え予定戸数
0戸
建替え予定戸数
0戸
用途廃止予定戸数
0戸
用途廃止予定戸数
0戸
※ 改善予定戸数については,全面的改善・個別改善の合計とする。
※ 計画期間後に建替え又は改善予定である市営住宅は,本計画期間内には維持管理予定とする。
▲図表 5-3-3(1) 活用手法別戸数
(3) 3次判定のまとめ
本計画における市営住宅の最終的な活用手法をまとめた3次判定までの結果は,図表
5-3-3(2)のとおりになります。
なお,用途廃止と判定した団地(住棟)については,入居者が居住している間,維持管理を行
いますが,今後,新たな入居者の募集停止や,これらの団地の入居者の意向に配慮しながら他の
市営住宅等への移転等も検討し,中長期的な観点で用途廃止を行うこととします。
建替え
第 1 豊岡 1,2,11~13,21~23
大町
第 2 豊岡 1~10
春光 6 区改良 5,6
第 3 豊岡 1~8
春光台 1~6,21,22,25,
801~811,821~831,901~930
東豊
個別改善
春光 6 区1~4,改良 1~4,7~8
春光 2 区改良
春光台 27
神楽岡ニュータウン 1~32
春光 2 区 1~3
愛宕 1~5
忠和 1~11
朝日 1~4
緑が丘東 1~8
新富 1~3
川端 1,2
緑町 1~3
第 1 東光 1~5
用途廃止
修繕対応
亀吉 1~3
第 3 東光 1~3
春光1区
中央
東鷹栖
春光台 611~726,812~814,832~835
神楽岡
南町 9~14
神居 1~5
新町
第1永山
旭正
第2永山 1~3
瑞穂
南町
第 4 東鷹栖
江丹別
千代ヶ岡
藤岡
高台
▲図表 5-3-3(2) 3次判定のまとめ
-40-
5-3-4 団地別及び住棟別の活用計画総括表
1次判定評価項目
2次判定評価項目
経過年数
構造/団地名
住棟番号
第2豊岡
第3豊岡
大町
春光6区
22
64
1 S43~45
713~716,723~726
8
30
2 S45
春光1 区
東鷹栖
神楽岡
1~5
第1永山
1~3
南町
小計
木 江丹別
造 小計
春光台
簡
易 南町
耐
火
新町
構
造 旭正
藤岡
瑞穂
第4東鷹栖
高台
千代ヶ岡
小計
合計
建設年度
611~712,721,722
812~814,832~835
21,22,25
27
1~6
春光2区
改良
1~3
神楽岡ニュータウン 1~15,18~32
耐
16,17
火
構
1
愛宕
造
2~5
朝日
1~4
新富
1~3
忠和
1~11
緑町
1~3
緑が丘東
1~8
川端
1,2
第1東光
1~5
第3東光
1~3
亀吉
1~3
春光台
第2永山
階数
24
120
16
44
202
188
24
72
24
198
16
52
30
258
12
190
711
56
30
110
100
60
400
90
250
60
221
159
52
50
60
50
241
80
200
64
4,514
4
4
1,2,21~23
11
12,13
1~10
1~8
改良
改良1~4,7,8
改良5,6
1~4
東豊
神居
戸数
1
5
1
2
10
8
1
6
2
4
1
3
1
6
1
3
30
2
1
4
4
3
11
3
8
2
5
3
3
1
1
1
5
1
3
1
147
3
3
中央
第1豊岡
棟数
801,802,804,806~811,821~825
4
4
4
4,5
4
4
3
4
4
4,7,9
4
4
5
5
4
5
4,5
4
5
5
5
5
5
5
5
5
5,6,7,9,10
5,6,9
3,4
5
5
5
5
9
6
5
S25
S28,29
S55
S56
S30~33,51
S33,35~39
S36
S37~40,43,44
S41,42
H3~6
S39
S40~42
H1
H16~19,21
S45
H5,7,10
S46~48,49~52
S49
S53
S53
S54
S54,55
S55~58
S55,58
S59~62
S61,63
S61~H1
H1,2
H3,4
H7,9
H8,9
H9,10
H7,9~12
H11
H13~H15
H20,22
1 S63,H14
建替
事業
耐用
年限
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
○
躯体の安全性
S20
年代
建設
需要
高度利用の
可能性・必要性
建替え・全面的改善の
履 歴 ( 過 去 10年 間 )
新耐震
基準
現地建替え困難
なし
用途廃止
なし
なし
なし
なし
なし
なし
なし
なし
なし
なし
なし
なし
建替え
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
経過
-
-
-
政策空き家
建替事業
全面的改善の
対象
居住性
1次判定
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
S25
S28,29
避難の安全性
耐震
診断
二方向
避難
防火
区画
住戸面積(㎡)
浴室
個別改善
3箇所 の対象
給湯
長寿命化型改
善の必要性
2次判定
H73
築年数
外壁
屋上等
給排
水管
計画期間内の
活用手法
(3次判定)
用途廃止
継続判定
-
継続判定
継続判定
○
-
-
○
○
66.5
○
○
△2
×
71
×
-
-
-
建替え
○
○
○
66.5
49.7~71.4
56.6~67.7
○
○
○
○
○
○
△2
△2
△2
○
×
×
-
-
あり
あり
あり
個別改善(居・福・安・長)
○
○
○
○
○
74~96
87~93
×
×
○
○
○
49.9
○
○
○
-
-
-
-
-
-
継続判定
-
○
○
○
53.3~68.0
○
○
○
-
-
-
あり
あり
継続判定
-
○
○
53.3,68.0
○
○
○
-
-
-
-
-
修繕対応
修繕対応
継続判定
○
○
-
-
-
-
-
-
建替え
-
-
-
-
継続判定
○
○
53.6~76.9
○
○
○
-
-
-
あり
あり
-
個別改善(長)
個別改善(長)
継続判定
-
-
○
○
○
○
39.9
60.1~78.9
×
○
×
○
△1
△2
×
○
87
-
-
-
-
-
-
-
建替え
建替え
-
個別改善(居・福・安)
修繕対応
継続判定
○
○
○
-
×
継続判定
○
○
62.7,72.6
○
○
△2
○
-
-
あり
あり
-
個別改善(居・福・安・長)
個別改善(居・福・安・長)
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
修繕対応
修繕対応
継続判定
建替え(H16~19,21)
維持管理
なし
なし
なし
なし
なし
なし
なし
なし
なし
なし
なし
なし
なし
なし
なし
なし
なし
なし
なし
なし
継続判定
-
継続判定
○
-
建替え(H13~15)
維持管理
建替え(H20,22)
維持管理
なし
継続判定
なし
建替え
なし
建替え
○
-
○
-
○
○
54.9,70.9
○
○
○
-
-
-
-
-
○
○
50.4~76.9
40.9~67.8
○
○
○
○
○
△2
-
×
-
74~80
-
あり
あり
×
×
×
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
あり
-
-
-
-
-
-
-
-
-
あり
あり
あり
あり
あり
あり
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
○
○
○
-
-
○
○
○
○
○
○
39.8~67.8
63.4
×
○
○
○
△2
△2
×
×
77
73
-
-
○
○
○
○
○
○
59.9,63.4
62.1,64.6
○
○
○
○
△2
△2
○
○
-
-
-
○
○
-
○
○
○
○
62.1,66.5
64.6,66.5
○
○
○
○
△2
△2
○
○
-
-
○
○
-
-
○
○
○
○
64.6~67.7
65.7,68.3
○
○
○
○
△2
△2
○
○
-
-
継続判定
○
○
○
-
-
-
○
○
○
○
○
○
69.2
46.2~68.0
61.8~74.9
○
○
○
○
○
○
△2
△2
○
○
○
-
-
-
-
継続判定
○
-
○
○
50.4~76.0
○
○
○
-
-
継続判定
○
-
○
○
49.7~79.3
○
○
○
-
-
継続判定
○
-
○
○
52.7~79.8
○
○
○
-
-
継続判定
○
-
○
○
54.8~79.6
○
○
○
-
-
継続判定
○
-
○
○
49.9~79.9
○
○
○
-
-
継続判定
○
-
○
○
54.8~84.8
○
○
○
-
-
継続判定
継続判定
継続判定
継続判定
継続判定
継続判定
継続判定
継続判定
継続判定
継続判定
継続判定
○
-
○
-
65.6~68.8
○
○
○
-
-
-
あり
建替え
建替え
修繕対応
修繕対応
個別改善(長)
個別改善(長)
修繕対応
修繕対応
個別改善(長)
個別改善(長)
建替え
修繕対応
建替え
個別改善(居・福・安)
個別改善(居・福・安)
修繕対応
修繕対応
個別改善(居・福・安)
修繕対応
個別改善(居・福・安・長)
個別改善(居・福・安・長)
個別改善(居・福・安)
修繕対応
個別改善(居・福・安・長)
個別改善(居・福・安・長)
個別改善(居・福・安・長)
個別改善(居・福・安・長)
個別改善(居・福・安・長)
個別改善(居・福・安・長)
個別改善(福・長)
個別改善(福・長)
修繕対応
修繕対応
修繕対応
修繕対応
修繕対応
修繕対応
修繕対応
修繕対応
修繕対応
修繕対応
修繕対応
修繕対応
修繕対応
修繕対応
修繕対応
修繕対応
修繕対応
修繕対応
用途廃止
827~831,901,902,921~928
29
80
1 S42~44
経過
-
なし
建替え
803,805,826
903~907,929,930
10
39
2 S42~44
-
-
なし
建替え
4
2
14
2
4
4
2
8
4
113
263
20
12
24
10
15
14
8
32
16
364
4,882
建替え
建替え
用途廃止
9~12
13,14
1
2
1
1
1
1
1
1
1
S36,37,39
S37,39
S28,30,35
S36,37
S39
S40
S41
S42,44
S43
○
経過
経過
○
経過
-
-
-
-
-
-
経過
経過
経過
経過
経過
経過
修繕対応
-
政策空き家
建替事業
S28
-
-
-
-
-
-
政策空き家
建替事業
なし
なし
なし
-
-
-
-
-
-
市街化調整区域
なし
用途廃止
用途廃止
-
なし
建替え
修繕対応
市街化調整区域
なし
用途廃止
用途廃止
市街化調整区域
なし
用途廃止
用途廃止
-
なし
建替え
修繕対応
都市計画区域外
なし
用途廃止
用途廃止
建替え
※ 居住性の判定における三箇所給湯で,△1は台所一箇所のみ,△2は台所と風呂の2箇所を示す。
※ 2次判定及び3次判定の「居」は居住性向上型改善,「福」は福祉対応型改善,「安」は安全性確保型改善,「長」は長寿命化型改善を示す。
▲図表 5-3-4 団地別及び住棟別の活用計画総括表(計画期間内の活用手法)
-41-
用途廃止
第 6 章 建替事業の実施方針
6-1
建替事業の実施方針
計画期間内に建替事業を開始する第 1~3 豊岡団地及び東豊団地については,第 5 章で示した建
替えの整備水準を目標としながら,次に示す実施方針に基づき建替事業を進めます。
(1) 団地の統合集約及び一体的整備
第 1~3 豊岡団地及び東豊団地の建替事業においては,地域単位で効率的な市営住宅の供給を
図るため,第 1~3 豊岡団地の敷地全体を有効活用します。
なお,今後,具体的な設計作業等を進める中で必要戸数の確保が一部困難となる場合は,効
率的かつ効果的な整備内容を考慮した上で,隣接地等に事業用地を求めることも検討します。
(2) 地域環境の向上
住棟の配置計画は,景観との調和や日影への影響,近隣の公園や道路等の都市施設の状況を
考慮するほか,建替事業の実施に当たっては,まちづくりの観点からみて地域環境の向上に貢
献できる整備内容を検討します。
(3) 多様な世帯の居住促進
建替事業で移転再入居の対象となる世帯状況に配慮しつつ,中長期的な観点から団地内のコ
ミュニティバランスが図られるよう,これまでの市営住宅への申込状況等も考慮に入れて,多
様な世帯が居住できる住戸タイプの供給や住環境の形成に努めます。
(4) コミュニティの増進
集会所や広場等の共用スペースは,良好なコミュニティの形成に寄与するものと考えられる
ことから,これらの整備に当たっては,入居者の利便性のほか,地域住民の交流の場としての
機能を持つように整備内容を検討します。
また,尐子高齢化が進展する社会状況も考慮し,建替事業の中で高齢者福祉や子育て支援の
機能導入についても合わせて検討します。
(5) 居住者との合意形成
計画段階から対象となる入居者等に事業説明や意向確認等を行うなど,合意形成を図りなが
ら建替事業を進めるものとします。
(6) 政策空き家の確保
効率的かつ円滑に建替事業を進めるには,住棟解体に伴う入居者の仮住居を確保する必要が
あることから,
事業の計画段階から建替団地の空き住戸については,
入居の募集を停止します。
-42-
第 7 章 長寿命化のための維持管理計画
7-1
長寿命化に関する基本方針
市営住宅における建物の質の維持向上と効果的な活用を図るために,次のとおり長寿命化に関
する基本方針を定めます。
基本方針1
市営住宅の状況把握及び日常的な維持管理
日常的な保守点検や法令に定められた定期点検1の実施によって市営住宅の物理的状況を適
切に把握し,躯体の劣化や不具合による事故等の防止に努めるとともに,これらの修繕・改善
履歴を団地又は住棟単位で整理し,適切に管理します。
基本方針2
長寿命化及びライフサイクルコスト2の縮減
対症療法型の維持管理から,予防保全的な維持管理及び仕様の質の向上等による耐久性の向
上を図る改善を実施することにより,建替時期の延長など一定の性能を持つ市営住宅の長寿命
化を推進し,ライフサイクルコストの縮減と平準化を図ります。
7-2
修繕・改善事業の実施内容
計画期間内に実施する修繕・改善事業は,
第 5 章で示した改善の整備水準を目標としながら,
次の内容で実施します。
(1) 修繕対応
定期点検等の結果に基づき予防保全的な修繕も含めて適切に実施することで,住棟の長期
的な居住性及び安全性の維持・向上に努めます。
【実施内容】
保守点検,定期点検,入居者等の日常生活の支障等に対応する小破修繕,入居者の退去
に伴う退去修繕,市営住宅の機能・財産保全等のための計画修繕
(2) 改善事業
個別改善については,次に示す改善事業類型ごとの実施内容を,団地別又は住棟別に3次
判定のとおり実施します。
なお,計画期間内には,全面的改善事業を実施する住棟はありません。
1
2
定期点検:建築基準法第 12 条第 2 項及び第 4 項に定められた点検
ライフサイクルコスト:企画・設計段階から工事,維持管理,解体撤去されるまでに要する費用の合計。
-43-
① 居住性向上型改善
住戸及び共用部の設備等の機能向上を行い,居住性の向上を図る改善を実施します。
【実施内容】
3箇所給湯設備及び換気設備の設置,内窓の断熱化,浴室のユニットバス化,
給水方式の変更 など
② 福祉対応型改善
高齢者等が安全・安心して居住できるように住環境の改善を実施します。
【実施内容】
共用廊下・階段の手すり設置,設備等の高齢化対応,流し台・洗面台の更新 など
③ 安全性確保型改善
入居者の安全を確保するため,建物の安全性能を維持する改善を実施します。
【実施内容】
ガス管の更新,外壁落下防止改修 など
④ 長寿命化型改善
耐久性の向上,躯体への影響の低減,維持管理の容易性等を図るための予防保全的
な改善を実施します。
【実施内容】
躯体・屋上・外壁・給排水管等の耐久性向上 など
⑤ その他の改善
①~④に掲げた以外の「公営住宅等ストック総合改善事業対象要綱」等に定められ
た改善項目についても,建物や設備の劣化状況等に応じて適宜実施します。
7-3
修繕及び改善の周期
市営住宅における居住性や安全性の維持・向上を図るためには,建物や設備の劣化状況を適
宜判断して対応することも必要ですが,あらかじめ修繕及び改善の周期を想定することで,計
画的な対応が可能となります。
修繕周期は修繕を実施する一定の時期を,改善周期はその材料や部材の更新周期を示してお
り,これらの周期を目安にしながら市営住宅の計画的な修繕・改善に取り組みます。
-44-
改修項目
修繕周期
改善周期
壁
8 ~ 10 年
15 ~ 20 年
屋 上 防 水
5 ~ 10 年
20 ~ 30 年
屋
5 ~ 10 年
20 ~ 30 年
外
根
給
水
管
20 ~ 30 年
排
水
管
25 ~ 40 年
ガ
ス
管
30 年
ポ
ン
プ
4 ~ 7年
20 年
▲図表 7-3 修繕及び改善周期の目安(資料~平成 17 年版 建築物のライフサイクルコスト(国土交通省))
7-4
長寿命化のための維持管理による効果
(1) 予防保全的な維持管理による効果
定期点検等により建物の物理的状況を把握し,修繕周期等を考慮しながら予防保全的な修繕
や改善を実施することは,建物の長寿命化を図り,ライフサイクルコスト(以下「LCC」という。
)
の縮減につながります。
(2) LCC 縮減の効果
予防保全的な修繕・改善を実施しながら建物を活用した場合,実施しない場合よりも LCC の
縮減効果が大きくなります。
① 1棟の LCC 改善効果 =
LCC(計画前)-
LCC(計画後)
② LCC(計画前)=(修繕費+建替え費) / 建替えまでの活用年数(例:50 年)
③ LCC(計画後)=(修繕費+改善費+建替え費) / 建替えまでの活用年数(例:70 年)
▲図表 7-4 LCC 比較イメージ
(3) LCC 縮減に対する検討
長寿命化型改善事業の実施に当たっては,具体的な計画又は設計段階で,実施しない場合と
の両方について建設時点から次回の建替えまでに要するコストを比較・検討し,その効果を確
認しながら進めていきます。
-45-
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