...

アメリカの相続税嫌い - 中央経営コンサルティング

by user

on
Category: Documents
16

views

Report

Comments

Transcript

アメリカの相続税嫌い - 中央経営コンサルティング
DailyCMC
〒500-8847
2010 年 11 月 4 日(水)
岐阜県岐阜市金宝町 1-3
岐阜第一生命ビル 4F
株式会社中央経営コンサルティング TEL:058-264-8858 FAX:058-264-8708
Email: [email protected]
アメリカの相続税嫌い
とは言え、この廃止法は時限立法だった
ので、時限消滅を止める手立てをする予定
だったと思われますが、アフガン・イラク
戦争の泥沼化により政権への国民支持が離
2010 年に死んだ人には相続税がかからな
反してしまい、予定が狂ってしまいました。
い、というアメリカ事情はちょっと驚きで
時間の経過とともに廃止法が廃止となるこ
すが、2011 になるとまた再び適用停止にな
とになってしまいそうです。
っていた 2001 年時の 60%という最高税率
アメリカが共和党支持に振れるときには
の「連邦遺産税」という名の相続税法が復
相続税は嫌われ、民主党支持に振れるとき
活する、というのも更に驚きです。
には相続税が復活するようです。
アメリカ相続税法の歴史
アメリカと日本のアベコベ
アメリカにおける相続税は、最初の立法
アメリカの相続税は遺産そのものを課税
が南北戦争前の 1862 年で8年後に廃止さ
対象にする財産税なので相続人には納税義
れ、その後 1894 年、1898 年、1916 年、1924
務はありません。それなのに、相続人の取
年と立法がなされるもののそれぞれ数年に
得する相続財産の取得費は相続時時価です。
して廃止となってきました。
日本の相続税は「相続税」という名の一
最初の戦費調達目的の相続税を除き、そ
種の所得税なので、納税義務は相続財産を
の後は立法される都度、相続課税は合衆国
取得する相続人にあります。それなのに、
憲法に違反するのではないかとの訴訟が起
相続人の取得する相続財産の取得費は相続
きており、1894 年の相続税法は憲法違反と
税の課税評価額ではありません。(ただし、
の最高裁判決により 1 年で廃止となってお
最高裁の二重課税禁止判決が出たので、今
ります。その後の立法については合憲判断
後は二重課税にならないように規定の解釈
を得ているものの、みな短命でした。
と適用をすることになると思われます。
)
アフガン・イラクが相続税を復活
最後の相続税立法は 1932 年で、数次の改
正を経つつ現在に至っていましたが、1990
年代のアメリカの保守化の潮流に乗ってブ
ッシュ大統領が登場してきて 2001 年に時
限立法としての相続税廃止法が可決成立し
ました。
ビル・ゲイツ
の 財 産 は
530 億 ド ル
だそうだよ
Fly UP