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H25年度ガイダンス(PDFファイル 499KB)

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H25年度ガイダンス(PDFファイル 499KB)
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1.はじめに
本市の下水道施設の地震対策については、これまで耐震診断を順次実施し、管きょにつ
いては重要な幹線等の耐震化、水処理センター・ポンプ場については下水道施設を管理・
運営するために必要な施設である管理棟やポンプ設備などが設置されている建屋などの耐
震化を優先して進めてきている。こうしたなか、東日本大震災で新たに課題となった津波
への対応を図るとともに、被災しても速やかに下水道サービスを市民に提供できるよう、
構造的な耐震化による防災対策と、耐震化が完了するまでの間において被害を軽減させる
減災対策を組み合わせた地震対策が必要となっている。今回、下水道地震・津波対策計画
の策定に向けて、今後の地震対策についての考え方をまとめたので報告する。
2.報告内容
1)地震対策
(1)管きょ
本市には 3,000 km を超える管きょがあり、効率的・効果的な取組みを実現するため、重
点化に向けた検討を行った。検討の結果、老朽管が多く地盤の液状化による被害が想定さ
れるJR川崎駅以南の地域の重要な管きょに重点化を図るとともに、その他の地域(JR
川崎駅以北)の重要な管きょについては耐震診断を実施し耐震化が必要な箇所を抽出した
上で、必要に応じて工事を進めていく。
(2)水処理センター・ポンプ場
これまで進めてきた施設の各構造物単体での耐震化のみでは、被災時の一連の水の流れ
を保障することができない状況にあるため、各施設における下水道機能の確保の考え方を
取り入れ、重点化に向けた検討を行った。検討の結果、下水道が有すべき機能のうち「公
衆衛生の確保」を優先した揚水・消毒機能の確保に向けた取組みに重点化を図り、防災対
策と減災対策を組み合わせて、対策に取り組む。また、防災対策としてこれまで進めてき
た建築構造物(管理棟等)の耐震化や地震時の躯体のずれ対策とともに、新たな耐震対策
指針に基づく耐震性能3の考え方を取り入れた耐震診断を進めていく。
2)津波対策
神奈川県設定・公表の津波浸水想定のうち、本市において最大の津波被害となる慶長型
地震による津波浸水深と本市の対象施設の周辺地盤高などの条件から津波対策を検討した。
検討の結果、防水扉・防水板の設置、開口部の閉塞・嵩上げ、設備の高所移転、耐水壁化
により、被災時に要求される耐津波性能である揚水機能を確保する。
3.おわりに
防災・減災の視点に立った今後の地震対策についての考え方をまとめた。今回報告した
考え方をもとに、下水道地震・津波対策計画を策定していく予定である。
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1.はじめに
近年、雨水排水能力を超える局地的な大雨が頻発し、都市機能に甚大な影響を及ぼし
ており、雨水増補管、雨水貯留施設等のハード整備も進められているが、多大な費用と
時間を要するため、既存施設の機能を最大限活用するソフト対策の整備が望まれている。
本検討では、危機管理時の信頼性の確保、情報基盤の拡張及び情報・機能の高度化を
図るため、最近の動向を踏まえて、雨量情報システムの再構築及び下水道光ファイバー
の布設の可能性について検討を行ったので報告をする。
2.問題点の解決方法
現状の問題点を把握し、その解決方法について検討を行った。
○雨量情報システムの未整備施設への「情報システムの拡張」
○雨量情報の具体的把握のため、雨量情報と下水道施設の「関連性の可視化」
○急激な流入対応として、「ポンプの先行起動・待機運用」
○排水区広域的運用を想定した「広域ネットワーク運用」
○既存施設能力を最大限に図るための「貯留管、滞水池の容量の有効利用」
3.下水道光ファイバーネットワークシステム
下水道光ファイバーケーブルの特徴と他都市の利用状況を調査し、今後の整備方針を
検討した。
4.今後の本市の導入システムの検討
現状の活用システムについては、高機能化を図りシステム更新を実施し、他システム
についても、局地豪雨時の浸水対策や震災時対策としての活用を視野に検討を行った。
1)雨量情報システム
2)遠方監視(制御)システム
3)BCP 対策通信システム
4)ケーブル監視システム
5.まとめ
近年の都市型集中豪雨の多発や大地震・津波の発生など、下水道を取り巻く環境は目
まぐるしく変化しており、その対応に緊急的に取組む必要性が高まっている。
本検討で、下水道光ファイバーケーブルネットワーク及び雨量情報システム等の情報
システムは、まだまだ発展の余地が多く、さまざまな用途に利用できることがわかった。
今後、既存のストックを最大限活用し、最新の情報技術を積極的に活用したソフト対策
について関係部署を含め検討を行い、効率的な下水道整備を推進していきたい。
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1.はじめに
地球温暖化対策のため、下水道から排出される温室効果ガスの削減が求められている。
温室効果ガスの中で、一酸化二窒素(以下「N2O」)は、地球温暖化の程度を示す温暖化
係数が二酸化炭素の 310 倍であり、影響が非常に大きい。平成 24 年度の川崎市下水道事業
の温室効果ガス排出割合では、最も大きい「電力使用」(48.2%)及び2番目の「汚泥処理
(36.0%)は、それぞれ削減対策を進めている。3番目の「水処理(N2O)」
(11.0%)
(N2O)」
は、削減手法の検討など課題はあるが、新たな温室効果ガス削減が期待されている。本報
告では、4水処理センターでN2O連続測定を実施し、水処理工程におけるN2O排出の挙
動と水質を把握し、排出傾向や運転因子について検討した結果を報告する。
2.調査概要
1)4水処理センター10系列の反応タンクでのN2O連続測定及び水質分析
2)N2O連続測定結果の解析及び運転操作因子の検討
3.調査結果
1)入江崎担体利用A2O法の好気槽後部では、N2O発生量が少なかった。担体に硝化細
菌が保持されているためDO確保すれば硝化工程からの発生を抑制できると考えられた。
2)加瀬北1系嫌気好気法と北2系擬似嫌気好気法は、ほぼ同様の流入水量・水質だが、
北1系嫌気好気法のN2O発生量が多く、処理方式の影響を大きく受けると考えられた。
3)等々力嫌気好気酸素法はN2O発生量が少なく、N2Oの発生が硝化や脱窒反応に起因
することを裏付けていた。また、好気性ろ床法では常時N2Oが発生していた。
4)麻生擬似嫌気好気法と担体利用A2O法では、担体利用A2O法のN2O発生量が多く、
原因として、若干DO不足気味の硝化反応及び脱窒反応からの発生と考えられた。
5)法令で定めるN2O排出係数と比較して、加瀬北1系が上回っており、等々力好気性ろ
床法及び麻生担体利用A2O法が近い値を示した。
6)反応タンクで発生するN2Oを抑制するには、運転方法として、DO濃度を高く、A−
SRTやHRTを長くすることが有効と考えられた。
4.まとめ
N2O連続測定を実施した結果、適切な排気ダクトの試料採取口がない場合や、N2O発
生原因の解明には、精度の高い測定方法を確立する必要がある。今後、東京湾流域別下水
道整備総合計画の水質目標を目指す上で、優先順位の高いA2O法でのN2O排出量を抑制
していく必要があり、影響因子の解析をさらに進めていきたいと考えている。
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1.はじめに
汚水沈砂池には、沈殿した沈砂を除去するために除砂設備が設置されている。本市では、
集砂ノズルから水を噴射して沈砂を集め、ポンプで揚げる揚砂ポンプ方式の除砂設備の導
入を進めているが、集砂時に発生する沈砂の撒き上げや集砂ノズルの閉塞によって発生す
る沈砂の堆積などが確認されており、これらに対応した新たな集砂技術が求められている。
本報告では、新たな集砂技術であるエジェクタ式(吸込み式)集砂装置を、大師河原ポ
ンプ場№2 汚水沈砂池に設置して実証実験を行い、№1 汚水沈砂池の既設高圧式集砂装置と
除砂性能などについて比較した結果を報告する。
2.実証実験方法
1)実証実験期間 平成 25 年 6 月 10 日から 7 月 20 日
平成 25 年 8 月 10 日から 9 月 20 日(追加実験)
2)運転頻度
エジェクタ式集砂装置 週 3 回(追加実験:週 1 回)
既設高圧式集砂装置
週 3 回(追加実験:週 3 回)
3.実験結果
①
エジェクタ式集砂装置と高圧式集砂装置の運転頻度を週 3 回として運転した結果、実
証実験期間中のエジェクタ式集砂装置の積算除砂量は、高圧式集砂装置に比べて 5.2 倍
となり、十分な除砂性能を有していることを確認した。
②
エジェクタ式集砂装置の運転頻度を週 3 回として運転した結果、降雨後の1回当たり
の平均除砂量は 92.0 kg/回であった。これは晴天時の平均除砂量 24.6 kg/回の 3.7 倍の除
砂量であり、降雨に伴って増加する沈砂を適切に集砂できることを確認した。
③
エジェクタ式集砂装置の運転頻度を週 1 回、高圧式集砂装置の運転頻度を週 3 回とし
て追加実験を行った結果、エジェクタ式集砂装置の積算除砂量は、高圧式集砂装置に
比べて 6.7 倍となり、週 3 回運転の場合(5.2 倍)と同等以上の量となった。大師河原
ポンプ場における沈砂発生量の場合、エジェクタ式集砂装置では、週 1 回の運転頻度
でも十分に除砂できる能力があることを確認した。
④
エジェクタ式集砂装置を約 3 か月運転した後、沈砂池内部の状況を確認したところ、
沈砂の堆積も無く、ノズルの閉塞等もないことを確認した。
4.まとめ
実証実験の結果、エジェクタ式集砂装置はノズル式集砂装置の課題である沈砂の撒き上
げやノズルの閉塞に対応した新たな集砂装置として、有用な技術であることを確認した。
今回の実証実験結果を活用し、今後もノズル式集砂装置の改善と沈砂池における除砂性能
の向上に取り組んでいきたいと考えている。
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1.はじめに
本市では、社会経済情勢の変化とともに入札・契約制度の見直しがその都度行われてお
り、また、それに関わる設計・積算を取り巻く環境も大きく変化してきている。
一般競争入札の拡大をはじめとする諸制度の見直しにより設計・積算における透明性、
公平性が求められるとともに、設計・積算の誤謬等による入札中止等が全庁的に課題とな
るなど、設計・積算の適正化に向けた取り組みが強く求められることとなった。
また、下水道事業に関しては、下水道の積算システムとして未成熟な点や、設計・積算
に携わる職員の経験不足、その経験不足を補うための環境整備などが、業務を推進するう
えでの課題として浮き彫りとなっている。本稿では、入札・契約制度や設計・積算の変遷
などを踏まえ、設計・積算ミスの発生要因を検証するとともに、下水道部管路課における
設計・積算の適正化に向けた取り組みについて報告する。
2.下水道部における設計積算の現状と課題
1)現状
(1)経験年数の若い設計者および積算システムの導入
(2)施工業者の積算能力の向上および積算疑義申し立て制度の導入
2)課題
(1)積算疑義申し立てなどによる入札中止等の増加
(2)設計者および審査者の業務量の増加
(3)下水道経験者の減少に伴う職員全体の技術力の低下
(4)下水道用積算システムとしての改良の余地
3.設計・積算の適正化に向けた取り組み内容
1)全庁的な取り組み
(1)設計積算事務適正処理検討委員会の設置
2)下水道部管路課における取り組み
(1)設計・積算チェックリストの活用(2)設計書のチェック方法の見直し
(3)審査部署の設置(4)業務の効率化(共通単価表の策定)
(5)積算システムの改良(6)設計・積算内容に関する会議の開催
4.まとめ
今年度、前述の設計・積算の適正化に向けた取り組みにより、下水道部管路課において
は平成25年12月末現在、積算疑義申立てによる入札中止等に至った案件は発生してい
ない。このことから、これまでに行われてきた取り組みの成果が表れていると考えられる。
今後も新たな設計・積算の適正化に向けた取り組みを継続、実行していくとともに、設計
積算業務の適正化における最終目標として、積算ミスの根絶をめざし、その時代の社会情
勢に応じた対策を講じていきたいと考える。
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1.はじめに
本市では、昭和 40 年半ばにポンプ場からの排水が社会問題になったことを受け、旧建設
省、他都市と共同で合流式下水道区域の水質調査を実施し昭和 52 年に「合流式下水道雨天
時越流対策」を策定し、以降改善計画を検討してきたところである。
平成 16 年下水道施行令の改正により当面の改善目標は汚濁負荷量の削減、公衆衛生上の
安全確保、夾雑物の削減とし、本市の経過措置期間は H35 年までの事業実施とされた。
本稿では、当面の改善目標の一つである夾雑物の削減を行う中で、自然吐きで未施工の
丸子、新城の吐口での対策方法を検討したので報告する。
2.これまでの経過
本市の合流式雨水吐きは入江崎処理区のポンプ場 9 か所と加瀬処理区のポンプ場 5 か所、
それに加瀬処理区の自然吐き 5 か所である。夾雑物削減対策としてはポンプ場については
雨水スクリーンの目幅変更を行い、これについては H26 年度末完成の予定である。また、
自然吐きのうち、苅宿その1は廃止、井田その1、その2は機械式のスクリーンを設置す
ることで完了しており、丸子、新城を残すのみとなっている。
3.夾雑物対策の再検討
対策開始当初、夾雑物削減は機械式の8種類の技術から選定することから始まったが、
構造的に対応不可となる場合が発生し、その施策は広がりを見せ、近年では「水面制御装
置」も有効であると報告された。丸子、新城ではすでに対策済の自然吐き同様の方法を選
定していたが、効果とコストや維持管理性から計画の再検討を行い、実際の吐口の状況を
撮影などにより検証し、その効果が期待できるとの判断から、無動力かつ設置コストが安
価である「水面制御装置」に決定した。
4.まとめ
比較的早い時期の都市部での下水整備において合流式下水道は、合理的であったもので
あるが、希釈されているとはいえ、汚水を含む下水が直接放流されることからその対策が
急務である。
分流式にすることが最善の方法と考えられるが、すでに供用されている下水管の布設替
えには莫大な時間と費用がかかることから、今の施設で実施可能な対策の一つとしては夾
雑物の削減が有効である。
近年のゲリラ豪雨から浸水被害を防止するためには、合流式下水道からの雨天時排水は
必要不可欠であり、浸水対策と合流改善対策を同時に進めていかなければならない。
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川崎市のほぼ中心部に位置する丸子地区は多摩川に隣接した地域であり、大雨や集中豪
雨による道路冠水や浸水被害のほかに、多摩川の上流地域の降雨による水位上昇が要因と
なる同様な被害も発生している。丸子その1雨水幹線その2工事は、それらの被害を軽減
するために外径3150mm延長約1836mの、雨水を貯留する機能を持った「丸子その1雨水幹
線」を泥土圧式シールド工法にて築造する浸水対策工事である。本稿は、本工事において
実施した施工事例を紹介するものである。
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1)
狭小・異形の発進立坑
公道と立坑ヤードに約 3m の高低差があるため、車両や資機材の搬入を考慮し、
仮設桟橋を設置した。また、発進立坑の火打ちに油圧ジャッキを配置して緊張す
ることにより、2本の切梁のうち発進側の1本を省略し、有効開口を広げた。
2)
硬質地盤中での掘進・到達立坑の築造
到達立坑は、重クラムバケットでその重量と落下の衝撃によって硬質地盤を掘
削するものであるが、その際の地盤への影響は大きく、近接する周辺家屋への振
動影響が大きい。その対策として、鋼製セグメントを圧入する外周箇所だけでな
く、掘削面全体にもオーガー掘削による先行緩めボーリングを行った。
3)
道路幅員が狭く住宅や商店街が密接した路線(20R)
R=20m の急曲線箇所において、テールクリアランスが 8mm という検討結果が
出たため、φ3150mm のセグメントを急曲線部のみφ3140mm の縮径セグメン
トに変更した。また、坑内の排土について、ベルトコンベアーの配置等で安全性
に問題があったため、内面ライニングホースを採用した。
4)
鉄道橋脚への近接施工
東急電鉄、JR 東海、JR 東日本の3社の架道橋と近接するため、事前に FEM 解
析による影響検討および計測を行った。
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ライフラインが整備された都市型の下水道工事においては、小さなミスが大きな事故に
つながる可能性がある。その事態を防ぐためには、小さなことでも一つ一つ問題意識を持
って段階を踏みながら現場条件に応じた対策を実施する必要があると考える。今回の内容
が、今後の設計・施工の参考となることを期待する。
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ධ໐‫ئ‬କൽমྩਫ਼! ‫ۯ‬ၑ‫୒ !ه‬Ἥ! ੴ!
1.はじめに
本市の下水道事業は昭和 6 年に着手し、現在約 3000km の下水道管きょが布設されている。
これまでは処理人口普及率の向上に努め管きょの整備を推進してきたが、すでに老朽化し
た施設も多く、マンホール蓋や足掛金物の劣化、管路施設の破損、これらに伴う道路陥没
等が発生しており日々の対応が必要となっている。また管路課の改築更新事業については、
事業を進めていく中で整備方針の見直しが行われていることから、改築更新事業を開始し
た当初は「更新対象外」であったマンホールの蓋や陶管の取付管に不具合が発生している
箇所もある。
南部下水道事務所では日々発生する破損等の不具合に対応する維持管理業務に加え、管
路課が進める改築更新事業との整合を図りながら、主にマンホール蓋および取付管を対象
として施設の更新を実施し、老朽化した施設の維持管理を行っている。本報告では実際に
発生している不具合への対応状況やマンホール蓋および取付管の更新について紹介する。
2.南部下水道事務所における整備の考え方
南部下水道事務所における整備の考え方としては、特に布設年度の古い「入江崎処理区」
の中でも管路課における改築済みとなっているエリア内において、未更新となっているマ
ンホール蓋および取付管を対象としている。整備対象エリアの抽出については、マンホー
ル蓋および取付管の改築状況を示す図面から更新が必要な路線を抽出し、整備対象エリア
としている。また、これに加え交通量の多い路線やバス通り、過去の陳情や日常のパトロ
ールにおいてリスクが高い個所を把握することで整備箇所の優先順位を判断し更新を進め
ている。
3.まとめ
南部下水道事務所管内には老朽化した下水道施設が非常に多く、これらの施設を効率良
く維持管理していくためには、これまで以上に管路課と連携を図りながら、効率的で効果
的な更新を推進していくことが必要である。このためには、老朽化した施設の未更新エリ
アの抽出に加え、日常のパトロールや陳情等の情報を利用して施設の健全度をより詳細に
把握し、更新計画に反映させていくことが重要となる。
南部下水道事務所では、市民の安全で快適な暮らしを確保することはもちろんのこと、
今後も様々な手法を用いながら老朽化の進んだ下水道施設の効率的・効果的な維持管理を
推進していく所存である。
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1.はじめに
全国規模で下水道事業の進展に伴い、下水道施設のストックが着実に増加している。
本市においても、下水道事業着手から 80 年以上が経過し、耐用年数を超える施設・設備
が急増する傾向にある。また、効率的な事務執行や情報公開のため、今後、下水道事業の
適切な「経営評価」や維持管理業務の「定量的な評価」が求められる可能性がある。
本業務は、維持管理担当者が中心となり、所管施設・設備の状態を定量的に評価する手法
の検討や施設調査を複数年度にわたり実施し、計画的・効率的な維持管理体制の確立に資す
るものである。
2.調査内容及び検討
本業務は、下水道施設の適切な維持管理のため、将来の工事中期計画への反映並びに予
算要求の適正化を図ることにより設備の延命化を目指すことを目的として、業務指標等を
活用し既存設備の運転状態や故障発生状況等を調査し定量的に評価する手法の検討を行っ
た。
3.まとめ
分析評価手法の策定、施設調査手法及び故障履歴蓄積方法の確立等一定の成果を上げる
ことができたが、故障等の各種情報の蓄積が不十分であった。そのため各種調査から抽出
できるデータの精度向上には、さらに複数年度にわたる調査が必要とされる。
今後の課題としては、調査内容の再分析、対象設備の再選定、長寿命化計画との整合及
び中央監視装置仕様の検討等が上げられ、将来の中期計画及び予算要求業務の質的向上に
繋げていきたい。
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1.はじめに
平成24年度末現在、本市ではほぼ全域に渡って下水道が普及しており、健全な水環境
保全のためには公共下水道での良好な水処理が必須となる。一方、下水道へは様々な事業
場等からの下水が流入しており、これらの事業場を指導・監視することは重要である。本
市では、重点的に排水の監視が必要な事業場を定期立入対象事業場とし、平成24年度は
172 社に対して年2∼6回程度の定期立入調査を実施している。
2.立入調査及び結果
定期立入調査は、年間延べ500∼600回程度行い、施設等の状況確認及び水質検査
を実施している。水質検査において、下水の排除基準を超過した件数について、平成15
∼24年度の10年間の集計を行った。結果を以下に示す。
1)分類別違反数
・違反の合計数は、平成15年度は63件であったが、24年度は25件であり、10年
間で60%減少した。
・重金属類については、違反数が平成19年度まで減少し、その後は大きな変化がなく推
移していた。減少した要因は主にニッケルとクロムが改善されたことによるものであっ
た。
・下水処理場で処理可能な項目については、7項目中5項目(pH・ノルマルヘキサン抽出
物質(鉱油類・動植物油脂類)・窒素・りん)が減少し、10年間で65%減少した。
2)業種別の傾向
・電気メッキ業については違反数が減少傾向にあるが、近年でも全違反数の半数を占めた。
・金属製品製造業は電気メッキ業に次いで違反数が多く、10年間では大きな変化なく推
移していた。
・それ以外の業種では、一般機械器具製造業、電気機械器具製造業、洗濯・理容・美容・
浴場業において違反数が減少傾向にあった。
3)違反原因
・違反の原因については、人為的ミスと除害施設の機械故障等に分類して集計した結果、
機械故障等については10年間で86%減少し、人為的ミスに関しては33%減少した。
・近年は人為的ミスが大半を占め、今後はこの点を重点的に指導する必要がある。
3.まとめ
本市での事業場の定期立入調査における違反事業場数は10年間で56%減少したが、
重金属類の違反数が近年横ばい傾向であること及び人為的ミスによる違反原因が多いこと
から、今後はこれらの点に留意しながら継続的な指導と監視が必要と思われる。
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1.目的
下水道施設担当では災害時の対応の強化を図るため危機管理検討部会を設置し、危機管
理に資する取組事項について検討を進めている。本年度は、迅速な被害状況把握及び被害
対応を目的として、被害状況の可視化及び、被害想定の作成とそれに対する的確な被害対
応方法の検討を行ったので報告する。
2.検討事項
まず加瀬水処理センターの施設をベースに事務局で素案を作成し、議論・精査を実施し、
統一した方針を決定した上で、他の水処理センターやポンプ場、スラッジセンターに水平
展開するという手法をとった。これにより手戻りが少なくなり、作業効率が向上した。
1)「施設被害状況(健全度)図」の作成
災害時における被害状況の可視化と被災に対応するシミュレーションを迅速に実
施するためのツールとして、施設ごとに「施設被害状況(健全度)図」を作成した。
2)「施設被害状況(健全度)チェック表」の作成
「施設被害状況(健全度)図」の基礎資料となる現場状況を把握(地震対応マニュ
アルの二次対応)するために使用する「施設被害状況(健全度)チェック表」を作
成した。
3)「緊急対応手順フロー」の作成
下水道業務継続計画との連携を念頭に、各施設の特徴を考慮した基本的な災害時の
対応方法をフローチャート形式で表現した。
4)「被害想定、被害対応」の作成
設備のもつ機能をグループ分け(揚水・沈砂池・消毒・・)し、それぞれの設備が
50%被災した状況を想定し、具体的対応方法を整理した。
3.まとめ
将来起こり得る災害に対して十分な備えをしておく必要があるのはいうまでもない。特
にソフト面での対応は、諦めない限り際限なく展開できるはずである。今回行ったことの
精査、知恵やノウハウを活かしての更なる検討を進めていき、将来的には下水道システム
の中核を担うものとして発展させていきたい。
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1.はじめに
川崎再生フロンティアプランの基本政策のひとつである「安全で快適に暮らすまちづく
り」を目的として、下水道施設の効率的かつ安定した管理・運営を進めるため、加瀬処理
区ポンプ場施設の運転管理業務は、段階的に民間へ委託することになった。
今回、本委託の第 1 期(平成 22 年度∼平成 24 年度)の委託執行の妥当性を確認するた
め、受託者の履行状況や本市の管理監督体制等の評価及び委託執行の検証を行ったので、
その結果を報告する。
2.受託者の履行状況
受託者はポンプ場や雨水貯留管、仮排水所の運転管理および保守点検に必要な設備知識、
運転技術、運転管理項目、運転指標などを習得し、運転操作業務、保守点検業務、事故・
故障及び苦情陳情対応、緊急管理対応などについて特記仕様書を遵守した確実な業務遂行
により 3 年間を通して支障なく実施された。
3.管理監督体制等について
平成 22 年度に配置された設備係で加瀬処理区ポンプ場運転管理業務委託の管理監督を実
施した。管理監督業務の執行状況は、構築した受託者との連絡体制や各種報告書等により
委託履行状況や設備状況を把握し、必要に応じて現場立会いを行い職員全体で情報の共有
に努め、円滑な業務遂行ができた。
4.総合評価(平成 22 年度∼平成 24 年度)
受託者の業務履行について四半期ごとに運転操作業務、保守点検業務、事故・故障及び
苦情陳情対応、緊急対応などを業務評価シートで客観的に評価した。
5.今後の課題
ポンプ場運転管理業務委託に必要な技術知識として施設の維持管理や監督業務などの知
識がある。これらは監督職員としてイニシアティブを取り続けるために重要な知識であり、
現監督職員のさらなる技術知識の向上のみならず、将来の監督職員への技術継承は非常に
重要な課題である。
6.まとめ
近年のゲリラ豪雨等異常気象が頻発する状況下にあっても、市民の生命と財産を保全す
るため、受託者のポンプ場運転管理業務委託に必要な知識の維持・向上が求められ、監督
職員が的確な指示・指導できるよう運転管理のスキルアップに努め、良い協力関係を構築
し適切な施設管理を実施していく。
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1.はじめに
等々力水処理センターは、反応槽での滞留時間が短いため、水質汚濁防止法上乗せ条例
の将来基準及び東京湾流域別下水道整備総合計画の窒素基準遵守が困難な状況となってい
る。これまでの研究開発の結果、「担体利用酸素循環式硝化脱窒法+脱窒ろ過法」により、
処理性能として各基準を遵守できる見込みとなった。そこで、等々力水処理センターにお
ける「担体利用酸素循環式硝化脱窒法+脱窒ろ過法」の処理性能の向上を目的とし、pH の
調整による硝化性能の調査、最終沈殿池における持込みの DO 低減による脱窒性能の調査、
脱窒ろ床におけるメタノール無添加時の脱窒性能の調査、ゴムメンブレン式超微細気泡散
気装置(以下メンブレン散気装置とする。)の酸素循環式好気槽への適用性の調査を行っ
た。
2.調査内容
「担体利用酸素循環式硝化脱窒法+脱窒ろ過法」は硝化工程と脱窒工程に分かれている。
1)硝化工程
原水槽、密閉式の反応槽と最終沈殿池から構成され、反応槽は1槽目が脱窒槽、2 槽目と 3
槽目は担体を投入した硝化槽である。この工程で最終沈殿池における脱窒性能の向上に関す
る調査、硝化に対する pH の影響調査等を行った。
2)脱窒工程
脱窒原水槽、脱窒塔、脱窒処理水槽、逆洗排水槽から構成される。硝化工程の処理水を
脱窒原水とし、脱窒塔の入り口でメタノールを注入、無酸素状態の下向流でろ過する方式
である。この工程でメタノール無添加時の脱窒ろ過性能の調査等を行った。
3)装置化に関する調査(硝化工程)
省エネ運転を目指すため、酸素溶解効率の高いメンブレン散気装置の適用性を確認した。
3.調査結果
・最終沈殿池における脱窒性能の向上に関する調査等では、低負荷時に後段硝化槽の DO を
下げて運転し、1 割程度脱窒能力を上げることができた。
・硝化に対する pH の影響調査では多量の NaOH を注入して反応槽を中和することで、1 割程
度硝化能力を上げることができた。
・メタノール無添加時の脱窒ろ過性能の調査ではメタノールを添加しないと、脱窒が起き
ず、メタノール添加の必要性を確認できた。
・メンブレン散気装置に関する調査では、五ヶ月間運転したが閉塞はしなかった。
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1.はじめに
近年、貴金属類やレアアースは、エレクトロニクス製品の性能向上に必要不可欠なもの
である。その一方、産出国が偏在していることや他の金属の副生成物として生成されるな
ど生産上の制約があることから、国内製造業への安定的な供給が危惧されている。
このような状況を背景に、ごみの焼却過程や下水汚泥の焼却過程から発生する焼却灰は
「都市鉱山」のひとつとして注目を浴びているが、これまで下水汚泥焼却灰の金属含有量
の知見はほとんど得られていない。
そこで本調査では、川崎市内の4水処理センターで発生した下水汚泥、および入江崎総
合スラッジセンターで発生する汚泥焼却灰の金属類の含有量を調査し、それらの資源価値
を評価した。
2.調査内容
1)試料
下水汚泥:入江崎総合スラッジセンター汚泥受入設備で採取した本市4水処理センター
で発生した下水汚泥3検体(入江崎汚泥、加瀬汚泥、等々力系汚泥)
。
焼却灰:入江崎総合スラッジセンター焼却設備の1系サイクロン、1系乾式電気集塵機、
4系冷却塔+バグフィルタ、4系バグフィルタで集塵された灰4検体。
以上の下水汚泥3検体、焼却灰4検体の計7検体
2)分析
ICP発光分光法を用い、貴金属7種、レアアース16種、ベースメタル等その他の金
属33種の計56元素の試料中の金属含有量を定量した。
3)資源価値の評価
2)の結果から焼却灰中各金属の潜在量(t/年)、潜在価値(円/年)を算出し、下水汚
泥焼却灰の資源価値を評価した。
3.まとめ
調査の結果、川崎市において発生した下水汚泥や汚泥焼却灰には鉱石品位を満足するよ
うな金属はないものの、多くの種類の金属を含有していることが確認できた。また、下水
汚泥や汚泥焼却灰は、銀のような高価な金属、銅や亜鉛のような枯渇性の高い金属を地殻
中の10倍程度と比較的高濃度で含有していることが明らかとなった。
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1.はじめに
アルキルフェノール類の一種であるノニルフェノール(以下NPという)は理論上 200
種程度の異性体を有する混合物であり、主に非イオン界面活性剤の製造原料、プラスチッ
ク樹脂の酸化防止剤原料等に使用されている。NPは魚類の内分泌撹乱作用を通じ生態系
に影響を及ぼすとして、2012 年環境基準項目に新たに追加された。NP異性体はエストロ
ゲン様活性がそれぞれ異なるため異性体別濃度を把握することが重要であり、公定法は異
性体13種の個別定量法と定められた。
そこで、本稿では 2012 年に環境省が告示したNPの分析法を検討し、得られた結果を
報告する。また、その分析法により測定した本市4水処理センターの流入水等についての
調査結果、及び従来の分析法で測定した過去5年間のデータとの比較による知見も併せて
報告する。
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2.環境省告示の分析法における検討項目
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1)GC/MS の分析条件の検討
2)NP標準試薬に含まれるNP異性体の組成比
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3)装置の感度確認と検量線の精度確認
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4)固相カラムの選択
5)シリカゲルカラムでの各対象物質の溶出パタ
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を右図に示す。
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1)∼5)の結果から確立した分析法のフロー
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3.水処理センターの調査結果と過去データとの比較検証
水処理センターの流入水・放流水について、本分析法で調査を行った。それらの結果
と従来の分析法(総量測定法)でのデータとを比較すると、本分析法での結果の方が低
い傾向にあった。従来の分析法では対象物質ではない夾雑物等のピークまで定量してい
る可能性が示唆されたが、本分析法では今年度分の結果しか得られていないため、さら
なる検証が必要である。
4.まとめ
環境基準項目に新たに追加されたNPについて分析法の検討を行い、一定の方向性を見
出せた。また、この分析法にて各水処理センターの流入水等の調査を行うこともできた。
今後もさまざまなデータを集積しながら、下水道におけるNP異性体別濃度の挙動を把握
したい。
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1.はじめに
入江崎水処理センターは、入江崎総合スラッジセンターからの返流水を受け入れている
ことから、他の水処理センターに比べてりんの流入負荷が高く、脱りん処理が不安定にな
る懸念を抱えている。現状のまま、水質汚濁防止法の本則基準が適用された場合には、放
流水の基準遵守が困難となるため、返流水中のりんを削減するための技術開発は、喫緊の
課題となっている。本研究では、スラッジセンター返流水中のりん濃度低減に向け、ポリ
鉄やPACの無機凝集剤を用いてりん除去の調査を行った。
2.調査概要
1)水質汚濁防止法の本則基準遵守に必要な返流水質の検討
2)テーブル試験でのポリ鉄、PACによるりん除去の確認
3)ポリ鉄、PACの比較(注入量・薬品費用)
4)実施設でのポリ鉄によるりん除去の確認
3.調査結果
1)スラッジセンター返流水中のりん濃度で年々増加しているのはPO4−P濃度であり、
PO4−P除去に重点をおいたりん除去が必要である。
2)入江崎の東系標準系列において、現在のりん除去能から本則基準値である 2 mg/L を満
足するには、返流水のT−P濃度を 19 mg/L にする必要がある。
3)返流水のT−P濃度を 19 mg/L にするために必要な越流水のPO4−P濃度は 23 mg/L
である。
4)ポリ鉄・PACテーブル試験の結果から、注入量、薬品費用ともにポリ鉄に優位性が
認められた。
5)実施設では、原水のPO4−P濃度に変動があるため、原水の水質を考慮し、ポリ鉄
注入量を適正に管理する必要がある。
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