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「港区地球温暖化対策地域推進計画」概要版(PDF:2753KB)
【平成 25 年度 平成 32 年度】 「港区地球温暖化対策地域推進計画」は、区域の自然的社会的条件に応じて、温室効果ガスの排出の抑制等のため施策を総合的 かつ計画的に行うために策定する計画であり、地球温暖化対策の推進に関する法律(平成 10 年法律第 117 号)第 20 条第 2 項 に基づく地球温暖化対策地方公共団体実行計画(区域施策編)として策定するものです。 世界の平均気温は、過去 100 年間で 0.74℃上昇 地球温暖化とは、経済活動などによって発生す る温室効果ガスの大気中の濃度が高くなり、大気 が持っている温室効果が強まることをいいます。 18 世紀半ばから始まった産業革命以降、石炭 などの化石燃料の消費によって、大量の温室効果 ガスが大気中に放出されるようになりました。特 に 20 世紀半ば以降、大気中の温室効果ガス濃度 が急激に増加し、地球全体が温暖化しています。 世界の平均気温は、1906 年から 2005 年まで の 100 年間に 0.74℃上昇したと報告されており、 22 世紀初頭までに 1.1 ∼ 6.4℃の範囲で気温が上 昇すると予測されています。 地球温暖化の仕組み 出典:IPCC第 4 次評価報告書 2007 全国地球温暖化防止活動推進センターウェブサイト(http://www.jccca.org/) 私たちの生活に様々な影響を及ぼす地球温暖化 地球温暖化は、地球全体の気候に変動をもた らし、自然環境や私たちの生活に大きな影響を及 ぼすことが懸念されています。 そのため、温室効果ガスを削減し、地球温暖 化の影響を未然に防ぐ取組が必要です。 さらに、地球温暖化による影響への対応を予め 考え、 変化に備える「適応策」も必要とされています。 地球温暖化等により現在確認されている影響の例 災害への影響 狭い範囲に短い時間で集中的に降る豪雨の頻度 が増加し、洪水のリスクが高まる 健康への影響 熱中症患者が増加 感染症を媒介する生物の分布域が拡大 国民生活への影響 都市部では、ヒートアイランド現象の影響も加わっ て、より大きな気温上昇が発生 増加傾向にある港区の温室効果ガス(二酸化炭素)排出量 排出削減の対象となる温室効果ガ スは、二酸化炭素(CO2)、メタン、 (千t-CO2) 4,000 港区では排出量の 96%を二酸化炭 3,000 運輸部門 民生業務部門 民生家庭部門 産業部門 2009 年度 計 3,897 千 t-CO2 5,000 一酸化二窒素などの6種類ですが、 素が占めています。 廃棄物部門 1990 年度 計 2,970 千 t-CO2 2,000 港区全体の二酸化炭素排出量は、 増加しています。 0 90 19 91 19 92 19 93 19 94 19 95 19 96 19 97 19 98 19 99 20 00 20 01 20 02 20 03 20 04 20 05 20 06 20 07 20 08 20 09 成 21)年度までの 20 年間で 31.2% 1,000 (年度) 19 1990(平成 2)年度から 2009(平 港区の部門別温室効果ガス(二酸化炭素)排出量の推移 出典:みどり東京・温暖化防止プロジェクト、オール東京 62 市区町村共同事業 計画でめざす将来像と温室効果ガスの削減目標 めざすべき将来像 ΥσΆȜͬ࢘ၚ̩͢հ̱̀၌ဥ̧́ͥȂ ̨̳̜̻̩ͣͥ̿ͤͬ͘͞ૺ͛Ȃ ߊྦྷ͈ ਰ̱̹༥̱ͣȂ মު৪͈ڰอ̈́ڰ൲Ȃ ౷أݩ̈́৽͈اါ֦̯͂ͦͥඵॸا ౢள͈ෳၾ͈ॉࡘͬ൳শͅో଼̱̳͘ȃ 温室効果ガス(二酸化炭素)の削減目標 多くの人や事業所が集まり、活発な社会経済活動を営んでいる港区では、今後も人口・世帯数、オフィ スビルの延床面積の増加が見込まれます。これに伴って、二酸化炭素排出の総量は、何も対策をしなけ ればさらに増加します。このため、国、東京都、区の施策により約 61 万 t の二酸化炭素排出量を削減 することとし、目標を以下の通り設定します。 ࢽߊ͈ 3131Ȫ଼ 43ȫාഽ͈ඵॸاౢளෳၾȪၾȫͬ 3118 ȡ 311:Ȫ଼ 2: ȡ 32ȫාഽ͈͂൳କ̳͂̓͛͘ͅȃ (千t-CO2) 6,000 5,000 対策を行わなかった場合 国、都、区の施策により 15% 増加 約 61 万 t-CO2 削減 (90 年度比 61%増加) 2007 2009 年度の 平均と同水準 4,000 3,000 4,161 2,000 4,772 11%削減 4,161 2,970 2,681 1,000 0 1990年度 2007∼2009年度 3年平均 総量削減目標の達成に必要な 2020(平成 32)年度の削減量 2020年度 (対策前) 2020年度 (対策後) 2020年度※ ※世帯数と業務系建築物の 延床面積が1990年度当時 と同規模であったと仮定 した場合の排出量 1世帯あたり 2009(平成 21)年度と比較して6%程度削減 業務系建築物の 床面積1㎡あたり 2007 ∼ 2009(平成 19 ∼ 21)年度の平均と 比較して 18%程度削減 温室効果ガス削減に向けた取組 ૻུ༷ܖ 1 زೳȂા͈ș͈৾ழ̳̱ͬ͘׳ Ȫȸ ef) ́ * ͙̩̈́͂ȹ͈ଔૺȫ 『エコ de みなとく』をキャッチフレーズに、家庭、地域、職場の行動を促す運動を展開し、省エネ等の取 組に関する正確できめ細かな情報の提供、エネルギーの利用状況の見える化、熱中症に関する啓発等により、 それぞれの取組を支援します。また、次世代を担う子どもたちに、省エネルギーの大切さを伝える環境教育・ 環境学習を推進します。 家庭、職場の 日々の取組を進める キャッチフレーズ 「港区(みなトク)のエコ」を意味し、 港区ならではのエコな取組をみんなで 実践することによって、生活を楽しみ、 賢く節約しながら積極的に環境保全に 貢献することを表す3つの「トク」が実 「de」は英語の「of」にあたる フランス語の単語 現するという意味が込められています。 3つの「トク」 港区ならではの洗練された エコな暮らしや行動 光熱費の節約などによって 得する暮らしや行動 環境保全に広く貢献する エシカル※な暮らしや行動 ※エシカル(ethical):「倫理的、道徳的」を意味する言葉ですが、近年では「環境や社会に貢献する」という意味で用いられています。 ૻུ༷ܖ 2 ઁ̞̈́ΥσΆȜ́հȂհȂ ١ഐͅ༥̵̻̩ͣͥ̿ͤͬ͘ૺ̳͛͘ 建物のエネルギー効率の向上、高効率な自立分散型エネルギーの導入、環境に配慮した交通手段の提供 等により、二酸化炭素排出量を減らしつつ、災害時のエネルギー供給の確保等を実現できる安全、安心なま ちづくりに取り組みます。また、ヒートアイランド対策、集中豪雨対策により、気温上昇に適応し、快適に暮ら せるまちづくりを進めます。 ૻུ༷ܖ 3 സߊ̱͂̀Ȃࢩ֖എ̈́ΥΛΠχȜ·͈ڰဥ͞ ୶ૺഎ̈́৾ழ͈ঔͤ͢ͅ౷أݩاచॐͬ୶൵̱̳͘ 区外の排出量の削減や森林吸収量の増加に貢献するよう、他の地域との連携による施策の実施や先進技術 の実証等に取り組みます。 ૻུ༷ܖ 4 ߊ͉ၚ୶̱̀౷أݩاచॐ৾ͤͅழ͚͂͂͜ͅȂ ু͈ͣ৾ழͬঔॐ̬̳̾̈́͘ͅ 区は、自ら事業者として省エネ対策、国産木材の利用等に率先して取り組むとともに、取組を通じて得られ た知見を生かし、一層の施策の強化に努めます。 施 策 の 体 系 基本方針 施策の方向 1 (1)家庭の取組支援 ○最重点施策 / ・重点施策 削減効果 ①省エネライフスタイルの推進 ○みなとエコチャレンジによる環境行動の促進 ○集合住宅の省エネ・節電の取組推進【新規】 ・新エネルギー・省エネルギー機器等設置への助成【拡充】 ( ( ②家庭ごみの排出抑制と資源化の推進 ・3R関連の情報提供の充実 ・家庭系ごみ量の「見える化」事業の実施 ○プラスチックリサイクルによる環境負荷低減の推進 ③温暖化への適応策 ・熱中症予防に関する普及啓発 ④環境教育・環境学習の推進 ○港区立エコプラザを活用した環境学習の推進 ・みなと区民の森を活用した環境学習の推進 ①省エネビジネススタイルの推進 ○エコオフィス・エコショップ登録事業【新規】 ○テナントのエネルギー使用状況の見える化【拡充】 ○ビル管理における省エネ運用の支援【新規】 ・新エネルギー・省エネルギー機器等設置への助成 ②事業系ごみの削減と資源化の推進 ・3R関連の情報提供の充実 ・ごみ減量優良事業者等への表彰制度の実施 ・事業系ミックスペーパー・生ごみの資源化促進 ①建築物等の環境性能の向上 ○港区民間建築物低炭素化促進制度の運用【拡充】 ②エネルギーの面的利用 ○田町駅東口北地区公共公益施設の低炭素化 ○自立分散型エネルギーの導入に向けた検討【新規】 ○スマートエネルギーネットワークの推進【新規】 ①公共交通の利用促進 ○コミュニティバスの利用促進 ○ちぃばす路線を活用した電気自動車バスの実証実験への協力 <再掲> (2)職場の取組支援 2 (1)エネルギーを効率よく安定して 利用できるまちづくり (2)環境に配慮した交通手段の提供 3 4 削減効果 ②クリーンエネルギー自動車の普及促進 ③自転車の利用促進 ・クリーンエネルギー自動車の普及促進 【拡充】 ①熱を溜めにくいまちづくり ・路面温度低減舗装の推進 ・緑のカーテンプロジェクトの推進 ②集中豪雨に強いまちづくり ・雨水浸透施設の助成 (1)広域的なネットワークに よる地球温暖化対策の推進 ①国産木材の利用促進とみなと区民の森づくり ○みなとモデル二酸化炭素固定認証制度の運用 (2)先進技術の実証による対策の先導 ①田町駅東口北地区のまちづくり ② 気自 車 ②電気自動車のコミュニティバス普及 バ 普 ○田町駅東口北地区公共公益施設のエネルギー制御 ①区有施設等の省エネ化・再生可能エネルギー導入推進 17,485 t-CO2 ( 7,260 , 1,320 3 672 ( 3,672 2,080 t-CO2 ) t-CO2 t-CO CO2 ) t-CO2 175,000 t-CO2 1,990 t-CO2 14,071 t-CO2 115 t-CO2 3,276 t-CO2 ・自転車利用環境整備の推進 (3)ヒートアイランド対策や 適応策の展開 (1)区有施設等の率先的な取組 697 t-CO2 ) 65 tt-CO CO2 ) 1,361 t-CO2 92 t-CO2 310 t-CO2 ○ちぃばす路線を活用した電気自動車バスの実証実験への協力 ○「港区区有施設環境配慮ガイドライン」の運用 ・電力の購入に関する環境配慮方針の策定【新規】 ・区有施設の電力使用量の見える化【拡充】 ・緑のカーテンプロジェクトの推進 1,732 t-CO2 7 t-CO2 ②職員の行動推進 区民への情報提供・広報によって取り組まれる省エネルギー効果(民生家庭部門の 5%) 施策の推進を支える区民・事業者への情報提供・広報 区民・事業者 21,980 t-CO2 事業者への情報提供・広報によって取り組まれる省エネルギー効果(民生業務部門の 8%) 129,633 t-CO2 区の施策による削減効果 370,453 t-CO2 東京都の施策による削減効果 240,550 t-CO2 国、都、区の施策による削減見込み 611,003 t-CO2 ( )で示した削減効果は、区民または事業者への情報提供・広報によって取り組まれる省エネルギー効果の一部に含まれます 主な最重点施策の紹介 集合住宅の省エネ・節電の取組推進 港区には集合住宅(延床面積 300 ㎡以上の住宅)が多く、集合住宅の共用部での省エネ・節電の取 組が必要ですが、技術的な情報が整理されたものがないことや、合意形成など、家庭ごとの取組にはな い難しさがあります。 省エネ ガイド 共用部の対策を進めるため、以下の施策を実施します。 1 જΥȆ୯ഩచॐ༹͈Ȃࣣփࠁ଼൝͈ ̧͈ૺ̧༷̹͛ͬ͂͛֨͂̈́ͥ͘Ȃ ȶࢽ ߊζϋΏοϋજΥ΄ͼΡήΛ·ȷ͈ै଼ 2 ୭͈ဥ٨Ȇ٨ਘࣣ͞փࠁ଼̳ͬͥ׳Ȃ ۯၑழࣣ̫࢜જΥϋσΗϋΠ͈෩ࡍ ζϋΏοϋ ۯၑழࣣ マンション省エネガイドブック ࢽ!ߊ 集合住宅省エネコンサルタント 省エネ 35% 3 ۯၑழࣣ̫͈࢜જΥΓηȜ͈ٳट 管理組合向け省エネセミナー ビル管理における省エネ運用の支援 区は区内の中小ビルに対し、様々な省エネ機器の導入を支援しています。しかし、新たな設備の導入は、 ビルを利用しているテナントとの調整や、初期投資を必要とするため、事業者にとっては簡単に取り組め ることではありません。そのため、区はビルの運用管理を見直すことで、省エネを進める新たな支援策 を検討します。 1 ΫσȜȜȆΫσۯၑ৪ȆΞϋΠ̫࢜̈́̓ުఠ༆͈જΥΓηȜ͈ٳट 2 ΫσȜȜ͂ۯၑমު৪͈͂ͅۼၛ̽̀Ϋσ͈डഐ̈́ဥۯၑ͈൦̳ͬͥ׳ͬز෩ࡍȂ ഐ୨̈́ͬزমު৪ͅત̳ٚͥଷഽ͈൦̈́̓ スマートエネルギーネットワークの推進 自立分散型エネルギーの普及に合わせ、複数のエネルギーセンターを結んで熱や電気を融通し、エネ ルギーを面的に利用することで、さらに地域全体のエネルギー効率を上げることができます。 区は、都市の低炭素化の促進に関する法律の趣旨も踏まえつつ、低炭素まちづくり計画の策定など、 都市における高効率なエネルギー供給を実現するための施策について検討します。また、まちづくりに 関する計画の策定に際してエネルギーの面的利用の検討や取組の促進を進め、コージェネレーションシ ステム等を核としたスマートエネルギーネットワークの導入を推進し、高効率なエネルギー利用を行うま ちづくりをめざします。 区民、事業者、区が連携・協働して計画を推進します 推進体制 港区地球温暖化対策推進協議会を中心に、区民、 ࢽߊ۪݈ૣޏٛ 事業者、区が連携・協働しながら計画を推進します。 進捗管理 毎年、二酸化炭素排出量を広報や区のホームペー ジ等で公表するとともに、港区地球温暖化対策推進 協議会に計画の進捗状況を報告します。 区民・事業者への情報提供、広報 ࢽߊ౷أݩاచॐ ଔૺ݈ފٛ মު৪! ߊ!ྦྷ! ౬!ఘ! とともに、家庭や事業所における日々のエネルギー ੩࡞ ! ߊ ࢽߊ౷أݩا൝ చॐտ֥ٛ ༭࣬! 区の取組の状況に関する区民・事業者への情報提 供、広報に努め、区の施策への理解と協力を求める ༭࣬ ! փࡉȆފႁ! 使用量の削減を促します。 港区地球温暖化対策地域推進計画の全文は、港区ホームページでご覧になれます。 http://www.city.minato.tokyo.jp/ 編集・発行 港区 環境リサイクル支援部 地球温暖化対策担当 〒105-8511 港区芝公園 1 丁目 5 番 25 号 電話:03-3578-2111(代表) 刊行物発行番号:25012-5621