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お集まりいただきましてありがと うございます。

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お集まりいただきましてありがと うございます。
記者会見要旨
日
場
会
清
見
時:2016 年 11 月 30 日(水) 15:30~16:30
所:大阪取引所(北浜)
者:取締役兼代表執行役グループ CEO 清 田 瞭
田 本日は、お忙しいところ、お集まりいただきましてありがと
うございます。
日本取引所グループ CEO の清田でございます。
本日の私からの説明は、2点ございまして、
・「フィンテックに関する取組み」、
・「2016 年のIPOの状況」
についてです。
Ⅰ.フィンテックに関する取組み
まず、フィンテックに関する取組みについてです。
内容につきましては、適宜、お手元の資料をご覧いただければ
と思いますが、フィンテックの中でも、インパクトが大きいと言
われているブロックチェーンについての取組みでございます。
今年の前半に、ブロックチェーンを使って実証実験を行いまし
たが、今回は、これを更に発展させた実験を実施するというもの
です。
前回との違いは大きく2点あります。
1点目は、前回は、6社の証券会社にご参加いただきましたが、
今回は幅広く証券会社に参加頂くことで業界連携を図り、規模を
拡大したいという点です。
2点目は、JPXだけが実証実験の対象となるアプリケーショ
ンを提供した前回と異なり、参加各社が独自のアプリケーション
を展開することが可能となっているという点です。
こうしたことにより、実験の参加者層が厚みを増すとともに検
証対象となるアプリケーションも多様化するため、より的確な知
見が得られるものと期待しております。
前回の実証実験の後、その結果をまとめまして、JPXワーキ
1
ングペーパーとして公表しました。
ペーパーをご覧くださった方もおられるかと思いますが、かな
り詳細に実験結果を公表しており、そうした事例は国際的にも珍
しく、専門家の方を中心に、国内外問わず極めて高い評価を頂戴
し、お問合せや協力のご依頼も、相当数、いただきました。
こうした経験から、情報を囲い込まないこと、オープンな姿勢
でいることが、技術の発展のためには必要だと確信しておりまし
て、今回の取組みのポイントである参加者拡大やJPX以外のア
プリケーション展開も、「オープン」というキーワードから導き
出した考えです。
また、現場の担当者と話をしていて、印象的だったのは、100
の資料を読むよりも実際に1回触った方が、より良く理解できる
ということです。ブロックチェーン技術に関心は持ちながらも、
単独で実証実験を進めるということはハードルが高いと感じて
おられる証券会社さんも多くいらっしゃると思います。
この第2弾の実証実験に、多くの証券会社にご参加いただき、
ブロックチェーン技術について、「手ざわり感」のある体験をし
て頂ければと考えています。
証券会社間での競争激化やビジネスモデルの多様化で、こうし
た横連携の機会が少なくなっており、少し残念に感じておりまし
たので、今回の実証実験が、業界で協力し合える機会となれば大
変嬉しく思います。
また、ブロックチェーン技術については、現在のところ、海外
中心であり、日本勢の存在感が十分示せているわけではありませ
ん。
業界関係者だけでなく技術者も交えてオープンに検証を進め
るこの実証実験は、国際的にも注目を集める可能性があり、日本
の存在感を示すことにつながるという期待も込めております。
Ⅱ.2016 年の IPO の状況について
続きまして、2016 年の IPO の状況についてご報告いたします。
まず、IPO の社数でございますが、東証では、本日までに 70
社の IPO があり、上場承認されている会社を含めますと、85 社の
2
IPO が見込まれております。
昨年は 95 社でしたので、IPO 社数は、2009 年の 19 社を底に一
貫して増加していましたが、今年は 10 社減少ということになり
ます。
ただし、アベノミクス元年の 2013 年が 57 社、一昨年(2014
年)が 78 社であったことを考えますと、本年の 85 社という数字
もそんなに悪いということではなく、IPO の意欲は引き続き強い
と認識しています。
なお、東証以外の国内他市場においては、名証で 2 社の IPO が
ありましたので、国内全体の IPO 社数は 87 社(昨年は 98 社)と
なる見込みでございます。
次に、注目された IPO ということで申しますと、昨年 11 月に
日本郵政、ゆうちょ銀行、かんぽ生命の3社が上場したことは皆
さまの記憶にも新しいかと思いますが、本年も、6 月に LINE、10
月に JR 九州が市場第一部への上場を果たされるなど、大型銘柄
の IPO が実現いたしました。
こうした大型銘柄の IPO のほか、マザーズ市場への上場が 55
社と昨年と同様に全体の 6 割以上(63.2%。昨年は 62.2%)を占め
るなど、新興企業の上場も引き続き堅調となりました。
また、東京以外の地域に本社を置く企業の IPO 社数は 31 社と
昨年同水準を維持しており、IPO の全国的な広がりは継続してい
ます。
これは、各地域の証券会社や監査法人などの関係者と協力して
IPO を推進し、最近では、地銀さんなど地域金融機関との連携も
深めた取組みを進めており、その効果が表れてきたものではない
かと考えております。
様々な地域の企業が上場を果たすことは、地域活性化の観点か
らも大変重要な事と認識しておりますので、今後も IPO 推進の取
組みを継続して参ります。
IPO 社数や大型銘柄の上場なども重要なポイントですが、IPO
の真の活性化のためには、株主・投資者の方々の信頼性を確保す
ることが極めて大切なことであると考えています。
引受証券会社、監査法人などのご協力を得ながら、IPO の品質
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確保に努めて参りたいと考えております。
私からは、以上でございます。
記
者 トランプ氏が当選し、一度株価が大幅に下落して、その後、
元に戻したということがありました。ブレグジットのときもそ
うでしたけれども、海外動向が株式市場に与える影響に関して
どういう見通しをお持ちでしょうか。
清
田 ご指摘のとおり、トランプ氏が大統領選挙で優勢になったと
いうニュースは東証市場の立会時間中に刻々と入ってまいりま
して、それに応じて株価は一気に下がって 919 円安で終わった
わけですけれども、翌日にはアメリカ株式市場の大幅高を受け、
1,092 円高という大きな反発となりました。日本はトランプ氏の
大統領選の勝利の影響について、みずから判断する立場でなか
ったこともあり、やはりアメリカの反応は想定外だったという
のが日本市場にとっては大きな乱高下の要因ではないかと思い
ます。
トランプ氏の経済政策については、ポジティブな反応が続い
ております。正式な就任までの間は、そういった期待値による
相場展開が引き続き続くのかもしれませんが、就任後の金融経
済政策がどのようなものになるかについては、まだ確信が持て
る状況ではないので、これからトランプ大統領の就任に向けて、
調整局面があってもおかしくない。やはり、根拠がそれほど大
きくない中で株価は反発をしているということであろうかと思
います。
ただ、トランプ氏の政策によって想定されているビジネス環
境の変化そのものは、為替を通じて日本の株式市場にプラスの
影響を与えていると思います。ドル円の為替のチャートと日経
平均株価のチャートは、11 月9日の大幅下落以降、ほぼ平行に
推移しました。為替がこの水準で推移すれば、企業業績が上方
修正されるのではないかという見方もあって、海外の投資家も
含め、日本企業の業績を評価する株価水準になっているのでは
ないか。
したがって、アメリカの政策がいつまでこのドル高円安を容
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認するのか。政府高官からネガティブな発言が出るか、出ない
か、また出るとしても、どこからそういった発言が出るのか、
これによって株価は揺れると思っております。
これまで上がった分についてどの程度持続力があるかという
ものをこれからウォッチしていくんではないかなと思っており
ます。
記
者 IPO について、引き続き企業の意欲は高いという説明がありま
したけれども、今年は久しぶりに年間の IPO 件数が昨年比で減
少した点をどのように受けとめていますか。自主規制法人の上
場審査が厳格化されたということも減少の理由になっているの
でしょうか。
清
田 IPO の件数が昨年から減少したということについては、IPO の
環境が大きく変化したとは私どもは思っておりません。ただ、
今年1月の中国株を起点にした株式市場の波乱、マイナス金利
政策の導入や、ブレグジットといったイベントにネガティブに
反応したマーケット環境の中で、IPO のタイミングを図っている
企業が必ずしもスケジュールどおりどんどん上場したというわ
けではない。
年初では、今年も昨年と同程度の IPO 件数が期待できるんで
はないかというのが各証券会社の引受担当者の方々の見方だっ
たので、それから見るとちょっと減ったんですけれども、必ず
しも IPO の企業そのものの環境が悪化したというわけではない
と思っております。マーケットがかなり波乱含みであったので、
予定の IPO が少し後ろに延びた企業もあるというふうに思って
おります。
私がまだ東証の社長だった昨年の3月 31 日に、自主規制法人
の佐藤理事長と連名で日本証券業協会と公認会計士協会に対し
て IPO の正常化についてご協力依頼の文書を出しました。いわ
ゆる上場そのものが最後のターゲットになるような IPO はまず
いのではないかというような、いろいろなご批判に対して、IPO
の正常化をお願いしたことは、IPO のクオリティーを上げるとい
う意味で役に立つことがあっても、それによって IPO そのもの
をやめる企業が出たとは、私どもは今のところ感じておりませ
んし、そういった声もほとんど上がっておりません。IPO を目指
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す企業の経営者が、上場企業の経営者のあるべき姿についてよ
く考えていただくように指導やサポートを強化するということ
と、上場審査をする自主規制法人と引受審査をする証券会社が
審査について、より具体的な指導をしてサポートを強化すると
いうこと。監査法人も、上場時の財務の監査について、いろい
ろな明確な指導方針をとっていただくようにしたことによって、
IPO そのものの信頼性の向上という形でプラスになることはあ
っても、マイナスにはならない。そして、もしそこに適合しな
いような企業が IPO しようとしていたのであれば、それが減る
ことがむしろプラスになるのではないかと。
記
者 2点ございます。1つは為替が大きく動く中で、やはり為替
の商品があったほうがいいのではという声があるかと思うんで
すが、今休止なさっている FX の再開もしくは為替関連の商品を
新しくつくるという計画のほうはいかがか。
もう一つ、ブロックチェーンですけども、これが実現すれば、
投資家や参加者というもののメリットとしてどういったものが
見込めるかというのを改めましてお願いいたします。
清
田 まず最初の為替関連の商品についてでございますが、FX は JPX
の誕生の後、一旦取引を休止したという経緯があります。上場
FX の税制上の取り扱いにメリットがあるというところで一時増
えたんですけれども、店頭 FX と上場 FX の税制上の差がなくな
ったということから、やはり店頭 FX の流動性と、あと取引時間
が24時間といったところなど利便性が非常に高かったので、
今、取引所を通じた FX が、それほど投資家のニーズが見えない
ということで、FX に復帰するタイミングとしては、まだ早いの
かなと。ただ、デリバティブそのものを通じて、為替関連の商
品が必要であれば、我々としては当然検討していきたいと思っ
ております。
為替関連の商品で FX 以外のものとしては、将来、為替のデリ
バティブを上場するかしないか、デリバティブではなくて ETF
等がもう既に一部あるわけですけれども、為替に絡む ETF 等は
引き続き商品としてニーズがあれば上場を促進していきたいと
思っております。
2つ目のご質問、ブロックチェーンについては、ブロックチ
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ェーンの安全性とか信頼性というものがどの程度であるかにつ
いては、多数の参加者が同じデータを共通で認証しているとい
うことなので、安全性が高いというふうに言われております。
一方において、ブロックチェーンの現状の限界というものも幾
つか、私どもの今年の春までの実証実験によって上がってきて
おります。現状では、トレーディングには向かないなというこ
とが一応見えております。
ブロックチェーンを使って証券取引の世界にフィンテックを
導入しようとすれば、取引の前のデータの集計だとか、ポスト
トレード、取引が終わった後の清算・決済という段階に使える
可能性があります。特にポストトレードの処理について、もし
これが有効であれば、将来コストダウンにつながる可能性があ
り、それは利用者への還元も可能になるかもしれません。
したがって、全体としては、金融取引のコストダウンにつな
がる可能性があると同時に、安全性は確保されるという夢のよ
うな期待もあり、実証実験をやって取り組んでいきたいと思っ
ているところでございます。
記
者 東芝の子会社で発覚した売上の過大計上に関連して、今回の
過大計上については債権管理強化の過程で見つかったもので、
東芝としては、内部統制が有効に機能し始めている証拠だとい
うふうにしているんですけれども、この点について、清田さん
のお考えをお聞かせください。
清
田 東芝の子会社で不正会計が発覚したということについて、私
どもも注意深く見守っているところです。9月 15 日に提出して
いただいた内部管理体制確認書以降の東芝の内部管理体制の改
善状況の審査については、自主規制法人に全て委ねています。
自主規制法人の調査の結果をもって、東京証券取引所として東
芝に通告するということになるかと思います。その途中でこの
子会社の問題が出たわけでございますけれども、東芝の説明は、
今ご指摘があったように、内部統制が効いているから発見でき
たと。確かに 13 年間にわたって不正会計が行われていて、過大
計上5億ですから、全く 13 年間見抜けなかったのかということ
に驚くと同時に、一方において、それを発見したというのは、
東芝の言い分もなるほどと思わないでもないんですけれども、
7
私どもとしてはその実情がわかりません。おそらくこの件につ
いても自主規制法人のほうできちっとした報告を受けているは
ずでございますので、その自主規制法人でこの件も含めて調査
した上で、早ければ年内、この件で遅れるかどうかわかりませ
んが、何とか結論が出ればいいなと思っております。いつまで
も時間かけてもいいというわけでもないかと思いますが、ただ、
この件については、私自身が個別のことで知っていることは極
めて少ないので、お答えが非常に中途半端になって申しわけな
いんですけれども、よろしくお願いしたいと思います。
記
者 確認なんですが、結論の時期なんですけれども、自主規制法
人のほうで今審査されているということで、清田さんとしては、
特注指定解除するかどうか、継続するかという結論は、早けれ
ば年内に出したいと、こういうことでいいんでしょうか。お願
いします。
清
田 9月 15 日の確認書受領直後の取締役会の後の記者会見の席で
ご質問受けたときに、東芝は巨大組織、グローバルにネットワ
ークのある会社ですから、内部統制、内部管理体制がどれほど
改善したかのチェックについては相当時間かかりますと。少な
く見積もっても3カ月程度を覚悟しておかなければいけないん
ではないかというお話をしたと思うんですけれども、もうその
3カ月が近づいてまいりましたので、私としては、年内には結
論を出してもらいたいという気持ちでおります。ただ、実際に
は、東芝の組織だとかインタビューも含めて、自主規制法人が
具体的な取り組みをやっている最中でございますので、いつ出
るかについては、私自身はまだ捉えておりません。
記
者 金融庁の金融審議会で議論されているフェア・ディスクロー
ジャー・ルールでは、開示の対象となる情報の範囲や、情報受
領者の範囲が曖昧になるのでは、と上場企業や投資家から戸惑
いの声が上がっています。上場企業による情報開示の後退のよ
うな副作用が起こる懸念があると考えていますが、ご見解を伺
えますでしょうか。
清
田 これもなかなか難しい問題ではあるかと思います。企業情報、
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特に株価等に影響を与えるような重要な情報の開示に関するフ
ェア・ディスクロージャー・ルールは、アメリカ等で既に導入
されているもので、特定の第三者に情報を伝達した場合には、
速やかに一般に公表してくださいというのが根幹にあるものな
ので、ルールとしては何ら違和感はありません。ただ、どの範
囲の情報がこのルールの対象になるのかという点については、
もう少しこれから見ていく必要があるかと思います。
今年前半の定例記者会見で、新聞等で企業の財務情報、特に決
算情報がかなり正確に、企業の決算発表の前に報道されて、それ
に対して海外の投資家が変だというクレームをつけたという話
についてご質問を受けたときに、私としては、そういったことが
あまり頻繁に発生することについてはいろいろな意見があって、
不満も出るかもしれませんが、報道の自由、取材の自由といった
分野と、情報を伝達するに当たって、公平に伝達してほしいとい
う問題との絡みで、非常に難しいポイントがありますということ
をお答えしたと思います。
機関投資家やアナリストに対して、上場企業側が情報開示につ
いて萎縮するのではないかとか、後ろ向きになるんではないかと
いうような懸念については、私のほうに伝わってくるご意見もあ
りますが、上場企業に対して決して後ろ向きになる必要はないん
だと、ただし、情報を提供した以上は速やかに公表してください、
ということを要請するということかなと思っております。この件
について、もう少し細かいルールを有識者会議で制度設計の過程
で検討していただく必要はあるかと思いますが、今のところ、こ
の点について、企業側はおそらく、機関投資家やアナリストから
建設的な対話を求められてくる中で、どうやって情報交換を、コ
ミュニケーションをとればいいかと迷いがあるかもしれません
けれども、必要な対話をしていただきたいと考えています。ただ
し、必要な対話の中に重要な情報が含まれていれば、その情報に
ついては速やかに公表してくださいということで、怖がる必要は
ありませんということを上場企業にお伝えしていきたいと思っ
ています。
記
者 大阪取引所のデリバティブシステムが7月にリニューアルさ
れましたが、その後の取引状況についてどのように評価してい
るかをお聞かせください。また、システムリニューアルと同時
9
に取引を開始した東証マザーズ指数先物の取引が伸び悩んでい
るようですが、どう受けとめているか、今後の取引活性化策に
ついてお伺いできますでしょうか。
清
田 7月 19 日に大阪取引所のデリバティブシステム J-GATE をリ
ニューアルし、それに伴い、リスク管理機能の強化や、キャパ
シティーの増強を重視しました。細心の注意を払って新システ
ムへの移行を実施しました。
ご指摘のように、J-GATE リニューアルと同時に取引を開始した
東証マザーズ指数先物、JPX 日経 400 オプション、台湾加権指数、
そして、FTSE 中国 50 先物という4商品は、低調なスタートにな
っております。マーケットの環境が悪かったせいだけではなく、
流動性が低いことも要因と思いますので、マーケットメイカーに
よる流動性の提供等の手を打っていきたいというふうに思って
おります。
記
者 デリバティブの新商品ということで、為替も考えていらっし
ゃるというお話がありましたけれども、その商品の上場時期等
について具体的にお聞かせください。また、為替以外の新商品
の見通しについてもお答えいただければと思います。
清
田 為替については、まだ具体的に決まっていることはありませ
ん。
ただ、為替を含んだ外国ものの商品の ETF 等については、こ
れから検討していかなければいけないと考えています。これに
ついては、私どもが商品拡充をするよりも、アセットマネジメ
ント会社に ETF を組成していただく必要があるので、アセット
マネジメント会社といろいろなご相談をしていかなければいけ
ないと思っています。
記
者 先ほどフェア・ディスクロージャー・ルールについて、怖が
る必要はないので必要な対話はすべきだというお話がありまし
たが、現在のルール案ですと、規制の対象となる情報の範囲が、
特に株価等に影響を与える重要な情報とされています。ただ、
その情報の重要性については企業がみずから判断してください
というふうに、極めて曖昧な形で設定されているということに
10
なるわけです。そうすると、業種によって、株価に影響を与え
る情報というのは、新製品だったり、月次売上高だったり、そ
れぞれ異なるわけで、そこの判断を企業に全て委ねてしまうと、
結局企業が投資家とか、アナリストに対して何も語らないほう
がいいとリスクを回避する方向に傾く可能性が高いと思われま
すし、実際に懸念を表明している発行体も存在するということ
なんですが、こういう形で法制化されてしまうと、結果的に市
場の機能が低下するとか、事前に導入されたアメリカでは、ワ
ン・オン・ワン・ミーティングが減少したとか、良くない影響
も出たというふうに聞いております。この点についてのご不安
あるいは懸念といったものはないのでしょうか。
清
田 フェア・ディスクロージャー・ルールについては、今ご指摘
のような声は既にこのワーキングでも出ているわけでございま
して、有識者会議でもう少し制度設計を詰めていくということ
になっているように聞いております。
金融庁も、上場企業の情報発信が萎縮してしまうことは本意
ではないということをはっきり明言しておりますので、もう少
し有識者会議で議論し、具体的な制度設計をしていただけるの
ではないかと期待しているところでございます。
いずれにしても、上場企業が触らぬ神に祟りなしということ
になりかねないというご懸念はあると思いますので、先ほども
申しましたように、上場企業に対しては萎縮しないように我々
自身も働きかけていきたいと思っております。ルールがわかり
やすいということも非常に大事だというふうに思っております。
以
11
上
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