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鳳と |江戸詞を中心として|| 都 (はゆ 時一語お晴雄日間

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鳳と |江戸詞を中心として|| 都 (はゆ 時一語お晴雄日間
杉
本
つ
と
む
の
詞
み なけれ ば なら ないし、後期 においては 、こLで今述 べようと す
般的 にいうと初 期 は 今までより 、もう少 し俳 請者の役割を考え て
はじめ に
の事をあ ら かた出し此皇都午睡 にも思ひ出す健書付置ど も此五福
五ヶ年 の内見来り 開来る事の多 ければ締語文草十 二巻の内に三 都
の「東 の家土産 」を見た事によるらしい。 即ち ll (前略 〉予は
の言語 上 の相違 を記録 して みようとした直 接動機は 安心斉五福子
気持が実 にあ ると考え られる。そして 彼が京都 ・大阪 ・江 戸 三都
しと別に巻を分ち て 三 都呉 言と題し有のまLに書かけしが是 も皇
未彼地に遊 ば ぬ若 人達 叉世間見ずの婦子にも読 せ笑 草にもなれか
五年 〈一八 五ニ )残・五十 二才) の小伝 に よれば 、著わすところ 百
都午睡 の内ならめ と此巻に書込侍り ぬ。叉最後の処で||ふと吾
子の吾妻の家土産 より 当時に移り かわし事叉もれたるをしるして
五十 一 巻 と い L殊 に 大切 なものとして 「伝 奇作書 ・脚色 余録 ・皇
有のま与 に筆に任 せて 婦女 子の夜話の一笑 共成れかしと書記す事
妻 の家 づと L云 書を見 るより 思ひ付て 俗々たる事乍 ら文を飾らず
に時A 「家づ と (家土 産 〉には 」の断り が見られる事によって も
になん。ー! と あ る の でわかろう。その他 三都の詞を論じる処
うか主う事ができ いわば職 業柄とも言え よう。 「伝 奇作書・作者
となる近道の事」の条 に、近松半 二の話を載 せると共に学者と作
・
勿 論、 彼がコトパ に相当関心のあ った事 は著書の随所 に
わかる 0
家を峻 別して ||歌舞 妓の作者は商家民間工 匠遊 里婦女子の情に
皇都 午 睡 を 執 筆する動 機に つ い て 「表 題の起源 枕 を砕く」に こ
寝 朝 寝 宵 惑に 開たる種々の話に 虚実 を撰 まず我僻案 も打交 へ書集
う述 べて いる。ーl l
(前略) 白星
都の午 睡 と 題して 今迄 三 都にて 昼
る べ く 彼自身 の ことば を用 いる事にした。
ブリ ッジ した際 な
をうか 立 って み たいと 思う。 なお 彼の説明をア.
陸
(
認等課一)」を中心に上にあげた諸書を参 照して彼の言語考察
都午 睡 ・締語 文 草 ・讃仏 乗 」 があるとい う。 私は この中「皇都午
一ページ がねむって いるのである。 水谷 不倒 翁によ る一鳳 (嘉永
(
註
1
)
尊 しとした 国 学者グ ル ープ に は あまり期 待する事は でき ない。
る 一 鳳 な ど の 考 察 に 耳 を か た む けね ば なら なレ。 ひ た す ら 古 を
言也 。11 いわば「兎角田舎の学問 より 京の昼寝 」 (諺 〉という
言と も笑 は Y笑へと東 都浅草に三 とせが問 仮寝 せし枕 石山人が戯
考察
鳳と
|江戸詞を中心として||
都
江戸時 代の国語 、殊 に話し コトパ につ いて の考察は 一
沢
る 事 に なん是 や宰 予 が昼 寝 ならで日 本人の寝 言 ならで日 本人の寝
47
西
官 まさに書き 加え らるべき 国語研 究史 の
一語お
晴
雄
日間一
山
例
措)
(
は
ゆ時
.
西沢一鳳と三都の 詞考察
(随筆家之いって もよい。)のほとんど すべて がものして いると
れば こ与に 入る 。)・方 一
言 (地方 及び職 業・階 層をも意味する。 上
1
1
通 ず るを要 と すoll -と い与 、又同容「歌舞 妓の 作を草とい ふ事」
マ
マ
(
)
掲の引用 文を参 照。)など である。ωのようなのは江戸時 代の雑学
(
マ
)
マ
曙抄をは じめ 古 代の物語の詞を交 へ俗に通易 き 様に用 ひ武士は 武
ことにする。さ て 彼の考察記述の仕方 を概 観して二一一口でいえば、
い ない
一鳳 たらしめ るのは 闘の方 言であり 、殊 に、単 なる語会に終って
ころであり 特に注 意しなくともよかろう。なんといって も一鳳 を
者
歌舞 妓作者 は〕 上は 公卿太 夫 より 下は 乞 食 非人に
の 条 に も|| 〔
(中略 )公家は 公
土ら しく源 平時 代ならば 盛衰 記( 義経 記〉の詞 を用 ひ北条 足利 の
文化史 的な生 活派として の言語 観察の方 法であるといえよう。 コ
家らしく女藤 は いかにも女麗 らしくし源 氏 物語伊 勢物語 あるは 春
至 るまで常 に通 話を記臆 して 用 ゆる事物論也。
世界 なら ば 太平記の詞 をかるべしま して や世話 時 代交へし狂 言の
トバ それ 自身の観察でなくて コトパ の変化のよって くる要因を広
川の部分である。拙論ではこのところを中心に述べていく
す吉原 のざ んすなど それぞれの方 言を用 ひ一日 の世界を定 め 小説
武士 には 東 都の方 言をまじへて いは せ傾 城は 里説 とて 新 町のなま
えようとして いる事である。 コトパ に内在する諸 機能の考察では
く 文 化・生 活・性別・土 地・身分・階 層更には 時代にわたって 考
なくて 外部 との関係における コトパ の相 (宿命 〉をとらえようと
にもあ る如 く 法則 を極め 切 連琢磨 の功成て 一部 の大筋 を かく事
して いる態度である。であるから一見よそごとの様にさえ見られ
也 。l! と述 べて いる。( なお一鳳 がは じめ て 江戸に遊 んだのは
にて 東 都に遊 ぶ。(絡語 文草)||とある如 くに天 保十 二辛 丑〈一八
風など 。)も、 こと近代日 本語への展開を考える上に は大いに意義
る考察記述 ( 後述するが、江戸広 おける男女の人口差と女子の気
|| 五十 にて 四 ッ谷 を見たり とは 雪中奄の句 にして 、予は 四十壱
四乙 である。)只 こ与で残念 なのは 「締語 文(
革
斡娯一
叫ん
師
qE
限
側
一維
持
千
け
←)
t 」 の 全 貌 を 知 り 得 ない 事 で あ る 。 恐 ら く そ の 中 に
あり と一
言わねばならない。江戸詞が東京語になり 更に日 本の標 準
と いうこと で あろう。 ハ
社会的なものとして の言語である。)いわ
団であり 、雪ロ
語それ自身でなく言語をとり まく広義の環 境である
準語成立の一 般性を考える上から見逃しえないのは 個人でなく集
いうより もむしろ外部 要因が大き いと考えられるからである。標
に
あると
qa
g
H
は 三都 の事につ いて 種々記録 さ れて いる事であろうと思う。この
。方 言||
方 法という程 のものでは ないが彼の考察の分野を
語ともなり 得 る一 つの大きな フ ァクタ ーは 言語それ自身
O考'"の仕 方
機会に同書の所 在の御 指示を諸 兄 姉に切 にお 願いして お く。
同地方附
。 三 都と地方
互比較。
倒 1流行 詞、 2遊 里語 、 3俗 言と 雅 言
ごく大ま かに分 類して みると次のようになる。
ω 国語 一 般
ば政 治都市 であり 文化都市 であり 国家の中心地であるという事こ
川 三 都 及び そ れ ら の 相
互関係があ ることは 言うま でもない。たとえ
右 のうち 倒 仰 は 相
と言って 過 言では ない。外国の例で考えて も、 ロンド ン方 言↓イ
そその国の標 準語 (共通語 〉となって いくべき 第一歩を踏 出した
ω
の両方 にまたがって 考えねば な
ら ぬというが如 き である。 言語の様態を表 わすには、流行 詞・通
ギリ ス標 準語の成立には 江戸詞 ↓東 京語↓共通話への過程 と類似
ば大阪 の流行調 という時は ーと
言( 通の調 とも。階 層・職 業 を含 む。 )・靴 ハ雅 俗も考え方 に よ
48
あ る 。 そ し て ソ ビ エト 制 度 の 下 に 各 民族 の 自 治 を 認 め た 結 果 は モ
厭 っ た 卑 俗 な 俗 語 表 現 が 大 手 を ふ っ て 文 語の 中 に 入 っ て 来 た の で
因 が あ り 、 ロ シ ヤで も 革 命 後 に こ そ 従 来 、 有 識 階 級 が 聞 く を さ え
が 一 段 上 位 で あ る 。 下 女 も 他 の 者 は 珍 し く 、 五 里、 十 塁の 近 在 よ
い 。 い わ ば 、 京 ・ 大 阪 よ り 威勢 よ く 殊 に 中 以 下 で は 夫 よ り 妻 の 方
あ っ て こ れ は 少 い 〈上 の 川 )上 に 大 方 遠 国 又 は 在 所 へ 引 寵 っ て い
な っ て い る 。 二 親 共 に 江 戸産 れ の 中 に で き た の が 真の 江 戸ッ 子 で
方 の 親 が 江 戸 生 れ 〉削
混血 の 子 ( 片
切一
(一一信一
スク ワ の 標 準 語に 変 化 を も た ら す 事 に な っ た の で あ る 。
臥M
J
M
持いγ
は 一棚
雄 日一
初一緒
一
比 鳩
吻)
町h 更 に フ ラ ン ス 語 で は ど う で あ ろ う
(
匙一
行Lf
一 倒
語)を へ て 国 民意 識 が 目 ざ め 国 家統 一
し て の し 上 っ て く る の で あ る 。 こ れ に は 地 理 的位 置 も 関 係し よ う
み ・ き ゃ ん な ど の 市 民性 は 、 一 鳳 の い わ ゆ る 武 家 の 都 と い う 事
る 。 ーー な お 一 鳳 に は 指 摘が な い が 江 戸 ッ 子 の も つ い な せ ・ い さ
は 武 家 の み 多 し 〉 と 指 摘し て い て こ れ は 気 質 の 蘭 に も 関 係し て く
二分 で あ る 。 従 っ て 自 ず か ら 女 が 強 く 小 娘 の 内 か ら 気 ば か り 強
る 。 次 に 刷 男 女 の 比 率 を 考 え る と市 中 は 男 が 八 、 九 分 で 女 は 一 、
他 国 及び 在 郷 の 者 附 ーー と い う 割 合 い に
か 。百 年戦 争
が 多 い oMWそ の 人 種 構 成 を 考 え る と 、 江 戸 ッ 子 川
が 促 さ れ る と 共 に 各 地 の 方 言 も 僅 語 へ と 顛 落し 、 シ ャル ル 七 世 治
り )を 持 っ て く る 。 八 皇 都 に 長 袖 と 職 人 多 く 大 阪 は 商 人 多 く 江 戸
り 出 、 江 戸を 見 習 う 故 自 然 と大 風に な り 江 戸中 心 の 考 え 方 ハ 誇
肘九ω政 治 的・ 文 化的・ 地 理(
的
哨
洋一山
崎一
一比 一
か
が
わ 一昨
山
w
-L
UVM)
サ要
下 の パリ の 著 し い 発 展 ( 政 治 ・ 文 化 の 中 心 と し て 尖 端 的 〉と あ い
社 会 的情 勢 が 強 く 働 い て い る の で あ る 。
が 国 王 が 宗 教 的 ・ 経 済 的勢 力 を 背 景 と し て の 民衆 を 掴 ん だ と い う
仁
(
鳩
諮問ル
ト
ど日)
に 一 起 因 が 求 め ら れ る騨戸
と
。 木場 ・ 鮮 魚 の
売買
(
唱
忠一
惜
別
山
)・ 所 謂 伊豆 前(大 味 )に 対す る 江 戸前の 発
尚一守
か ら も き て い よ う が 、 深川 が 江 戸府 内 の 一 つ に 加 わ っ て き た 事
り 切 っ て い る 。)
や数 千 年 の 伝 統 を も ち 当 時 な お 標 準 語 的で あ っ た
し て よ い も の で あ ろ う 。 天 保 四 年 の 飢 鐙に も 裏 応 住 い の も の は 十
生 ・ 貨 物 集 散 地 とし て の 特 殊 相 な ど 辰 巳 風 の 深 川 芸 者 と共 に 留意
相似て 以 上 の よ う に 一 鳳 の 考 察 態 度 は 、 当 時 既 に 大 分 共 通 語 的 性
割削
a喝
・・・
格 ( 口 語・ 文 語 共 に 〉を そ な え て き た 江 戸 詞 ( 基 準 語 に は 既 に な
こ れ ら 三 都 の コ ト パ の 環 境・ 実 態 を 知 る 上 に ま さ し く 正 当 な 仕 方
長 兵 衛 的な も の は次 第 に 昔 とな り 天保 の 頃 に は 必 ず し も そ う で は
土地 や 人 口 の 影 響 と も 言 っ て い る 。)し か し 時 の 推 移 と 共 に 幡 随 院
く 、 自 ず と随 弱
(
民一
Wゆ
M
い
説
諒一一等
一引計一
往)
k に な る 。 〈こ れ は
摂 ま れ た ら 命 が け で や り 表 向 立派 を 好 み 気 情 強 い が 叉 心 も 解 易
富 ん で い た か わ か ろ う 。 更 に 文、 江 戸 気 質 に つ い て は 、 侠 気 強 く
三 人 し か い な か っ た と い う 事 を 見 れ ば 木場 と そ の 附 近 が ど ん な に
京 都 語、 更に 流 行 語の 本 源 地 とも 目 さ れ て い た 大 阪 調 な ど とい う
と震 っ て よ か ろ う か と思 う 。
(
臨
時一川ま初
川
代
J3,
γ
湖
町一旬
)
ω 言語生 活 の 環 境
本 国 の人 の寄 場 であり 日本 国 中の集 会 の大 都 会 である 。(人 口の
な い 。 〈大 阪 の 項 も 参 照 せ よ 。 )
商 人 な ど で は 大 阪 が 余程 、 頭の 血
主 と し て 土 地 と 人 間 関 係の 面 か ら こ う 論 じ て い る 。 同 江 戸 は 日
仙江戸 闘
E
多 い 順 で は 江 戸 ・ 大 阪 二 日出
都 で あ る 。〉
そ の 為 に 刷 関 東八 州 の 男 女
49
ま っ て 結 局 パリ 及 び そ の 近 傍 の イ ル ・ ド ・ フ ラ ン ス 方 言 が 国 語 と
西 沢 一鳳と三 都 の罰 考察
述 べ て い る 。 又 消 費 都 市 江 戸 に つ い て 、 湯 -髪 月代 ・ 下 肴 ・ 焼 芋
が 多 く 江 戸 が 武 家な ど を 観 客 に し て い る の で そ の 点の 異 る こ と を
の 延 縮 云 ひ放 し な ど に
尤 貴 人 方 に も き口
中略 〉
た る 事な き 物 也 。 (
言葉 を つ め て 短 く
E 古 風 を 守 り 町 略な 物 言 い || 大 体 京 ・ 大 阪 の 一
れ は ど ち ら か と い う と 中 以 下の 階 層 で あ る 。
と 説 明 を加 え
。 V
は 各 国 の 詞 を 持 生 れ 給 ふ な れ ば 少 し の 事 は 有 :・
い う 言 い 方 。 こ れ に は 〈 江 戸と し て も 貴 き 人々 に は 柳も 言葉 替 り
て い る 。 ( こ れ は 次 の 純 粋な 江 戸 詞 の 一 資 格 を 語 っ て い る 。)
い 、 こ う 述 べ て い る 。 ヘ尤
田
吉
な ど は 安 い が そ の 他 は 一 切 が 高い と 一
半高 く江 戸は 又 京都 よ り一割 半二 割 も高 し。大 阪 と江 戸にては 三
物 に よ る ベ け れ ど 大 坂 に て 諸 品を 買 ふ 割 に は 京 都 は 一 割 よ り 一 割
割 四割 は 高直なりとしる べし。V
あ ら わ れ て い る 。そ の 前に す こ し ばか り 補 足を じ て お こ う 。江 戸
以 上の よ う な 一 鳳の 考 察は 次 に 江 戸詞 に つ い て の 考 察と な っ て
べ て い る 。 こ 与 で 彼 の 言 う 純 粋( 真 〉 な 江 戸 詞 の 意 を 考 え て お こ
て い な い の で あ る か ら 哀 を か えせ ば 三 都 と も に 説 る 者 は 多 い と 述
E純 粋 な 江 戸 詞 || こ れ は 少 い 。 い わ ば 他 の 国 の もの が 混入 され
n'
“
"
口 〈 召仕 ま で 合 し て 〉 五 十 万 士宮千 三 百 九 十 四 人 。 ( 男 二 ニ十 二 万
の 人 口 は 享 保 以 後 は ほ Y不 変 化 で 享 保 六 年 ( 一七 二 一〉 町 人 総 人
が そ の 規 準 と 思 わ れ る 。 別の 処 で 〈 江 戸 で も 賢 人 高 位 は 勿 論 真の
う 。 既 に U で 引 用 し た よ う に 〈 言 葉 替 り た る 事な き 物 〉 と い う の
ち ら か と い う と 混 合 物 で な く 化合 物 と 言 っ た よ う な も の で あ る 。
て い る 。こ れ は 三 馬 の い う 〈 お 歴 々 の 言葉 〉に も 通 じよ う が 、 ど
江 戸 産 れ の 身 を 持 た 人 は 詞 に 余計 の か わ り め は な き 物 也 〉 と 述 べ
三 千 三 百 八 十 五 人 )武 家 二 十 三 万 四 千 八 人 。 || 合 計 七 十 三 万 五
ニ〉 町 人 ・ 五 十 六 万 二 千 二 百 五
千 四 百 二 人 。 天 保 十 四 年 ( 一八 四 一
反 面 か ら 言 え ば 共 通 語 ( 文 章 語 と も な り 得る も の 〉 と し て の 江 戸
十 七 人。武 家・二 十六 万六 千三 百三 人 。そ の他を 含め て合計 八 十
比 は 三 対二 と な っ て い る ( 天明 七 年 だけ は 六 対七 で 女 が 多 い の は
七 万 二 千 八 百 四 十 四 人。 と な っ て い る 。 町 人の み を 考 える と 男 女
詞 で あ る 。 男 重 宝記 一
切 な 考 察 記 録 と い っ て も 過 言 で は な い 。 な お 下 で 観 察 記 事を す こ
設課)な どを 受 継ぐ大
呼
)・物 類称(
山鉾
鳩
切
(
特 異 )文 政 十 一 年 の 町 方 書 上 を 見 れ ば 、 い か に 江 戸 ッ 子 が 少 な い
か が わ か ろ う 。 「江 戸 に 多 い は 伊勢 屋 稲 荷と 犬 の 糞」 と い う の も
肯 づ け よう 。な お 三馬や 一九を は じ め とす る 作 家群 に よ っ て も多
司 馬 江 漢 が 「西遊 日記 」で 〈 江 戸 者 七 八 人 同 宿 す 。 江 戸 辞を 久 し
し 出 し た が 他 国 で 聞 く 江 戸詞 は 〈 耳 に 立つ〉もの で あ っ た ろ う 。
5
註
か れ 少 な か れ 江 戸 詞 の 生 活 環 境は 描 か れ て お り 、 そ れ ら に つ い て
振 に聞 く に 真 に
)〉と述 べ てい
一お間
耕
(
重
い物 言 に て 聞 き に く し 。
制
a
F
U
、i
'
は 他 日 ま と め て み た い と 思 っ て い る 。 次 の コト バ の 実 際 の と こ ろ
殊に I の 江 戸 詞 を 考 え る 上 に 。)
る の も 参 照 で き よ一
う。 (
ω のような環
で 更に 考 察の 跡 を た ど っ て み る が 江 戸詞 の 性 質 は か Lる 生 活 環 境
を 通 し て 理 解 さ れ ね ば な ら な い 。 倒 コト パ の 実 際
間 京 ・穴 阪 の詞
〈 東 都 の 人 の 口 に か く れ ば 京 も 大 坂 も ひと つ国
- 世 俗 で い う 江 戸詞 || 主 体 と し て 関 東 八 州 の 男 女 の コト パ が 皆
の 様 に 心 得 る 其 京 と 大 阪 と の 言 語 い か 程 か 逮 ひ物 の 唱 も 逮 は 三 ニ
記録 し て い る 。
境か ら 一 鳳 は 江 戸 詞 を 次 の よ う に 考 察 -
取合 せ ら れ た も の で 田 舎 在 郷 の 靴 り が 寄 せ ら れ て で き て い る 。 こ
E
50
十 石 の乗 合に毎度比論 を聞こ と也 。さ れ共京の者 の物静 にそろそ
とあり 「皇都午睡 」には 〈唯我雑にて 花 やかに 陽気 なるを好み任
〉
。
楼 多く陽気 を好む:・
江南 は宇一円
場は豪華軒 をつ らね人気 潜 上也 。
般
に 八商家のみにて 中に も 東 都に似たる風は ::・堂 島の侠客也 。
や
ゃ
ち
二都と詞をわけて 云時 に
る故 先 大坂 が言 かった様也 。 :・(中略〉一
ろと大坂 を謹る大坂 者 は 頭に血多 く口 やかましく大音 にて のLし
んな直ならばこっち へ買ます余所にあるか尋ねて ござ れ杯といら
ぬお 世話にぼん/\と云ふを土地の風儀とせり 。 (三都の商人比
V H 〈一 流有て 気 短く直 段の付よふ違 へば直 にそ
侠の気 骨あり 。
て 温 順なるを好め る :::。 〈
伝奇作書 ・三 都狂 言の異 なる事)〉
る大阪 の気 質 や その 言語生 活への投影が 考え られて いるの であ
較〉〉 と指示 して いる。強い生 活力のある天下の商人の土 地であ
は 江戸計は 耳立て 聞え 京 大坂 とはさまで 替り たる詞 もなし。〉 と
と言 って るように風俗神 妙で和らかに華事告を本 体とし商人には 女
述 べて いる。京都につ いて いうと、〈公 卿堂 上の高 情庶民に移り
も 多 く つ い 安いものも高 く買 って しまうという。 更に、 コトパ に
に 天 子 将 軍 家 に 云 ひ 賜 ふ 詞 を 透 ふ 其 上医 者 の 諸 生 の 詞 を 聞 は づ り
をじ やり ひく駈 落 したをど ろ/\く わ す だ まっているをだんま
し。少 し袋 にのするぼん/\と云をどん/\と云金棒ひくといふ
女が云ひは やらす 調 を聞 なれて わからぬ なり に 云改らる与は 情
〉 といLつ L次
る。 〈大坂 に流行詞絶え ずして 追 々に詞変れり 。
専 ら漢 語をつ かひ、のぼすは の腰 が痛 むのと素人らしくいわいで
つ いて 、 同じ 京都も 上京 と下京とでは 少 し違 いがある と して い
逆 上の気 味じ ゃの痛 の業 か殊 の外腰 痛 するのと大路 次操り 此太夫
にならぬ事を附にならぬうぬが手
り 向ふのわからぬ事 を黒 幕相 談
の相 応
なお 内 儀やお 家様とか呼れる人が芝 居の楽屋 詞や遊 所の下
が 開 て あ き れそ ふ 也 。
-漢 語遺ひ荒 くなり て 安ふ落 下った者は 先生
にあわぬ者を人が悪ひ内証 のかひ物を用 内聞賃 を受代なんど 素人
のように注 意すべき 事 を述べて い る。 〈中にも片腹いたき は 市中
也。 円
中略〉愛 に 又よひ 事もあり 江戸に似 合は ぬお まんま・お み
の若 手合がいふ をよひ事 に心得 役者か芝 居者の女房気 取になって
る 。そ して 〈 (前略〉一
言語に銭 金は いらぬと心得 都て の詞を高 情
おつ け・お っかさ ん・お と っさん とて 何 事によらずお の字 を付 る。
古風にいひたき 物也 其 身ば かり にあらず亭主の顔が詠らる与娘子
に云也 いは ば 誰それを調 伏 して 誰々開て 大逆 鱗 など と酒落 の言 葉
〈
中略 )是 も古 き より 町略 に云なれば 甚宜 し。
〉 と 述 べ て いる 。
自8
・・
しか も 江戸 ・大阪 でも一 統にお せいじ をいえ か八 一事に 拘わ ら ず
こ れは 〈都て 梨園の上賓 とするものは 町家の御家御寮人嬢様若 旦
供 がそれを手本 にいひならふとさり とは 下策なる物也 ・
:。
〉 と。
接 な関係 が充分に考え られて いる。大阪 は たしかに流行語 の都で
那 等也 。 (伝奇作書〉〉 というように劇 場|流行 詞l市 民語の密
お
き
ゃ
,、
いは る与は さり とは 受られぬ物也 町は 町らしく昔 の詞にいふ通り
冒
シ
bマ
4 9
ム7
ウ
ヨ
薄 情に口 先 ば かり で上手を云は ど ふして も本 家根 元だ けで京の人
〉 と指摘 し
旦那 殿 よノウ など L巽 上り の音 声にで きもぷこ っ也 。
の片辺 (入瀬 ・大原 女〉のコトパ につ いて 〈和御寮行 かよノウ 。
〈大坂 は 古浄 稿璃 の子供 のせり ふにもと与さまの名は 阿波の十 郎
あ る。 更に一鳳 は 京の丁寧さと比して 次のようにも述べて いる。
9
註
につ いては ど うであ ろ うか 。 「伝奇作害 ・三 都狂 言の異 なる事 」
て いる点 、
狂 言 など と比較して 注 意 されよう。 大阪(当時 は 大坂 〉
51
〉 とち ょっぴ り 皮肉 をもらして いる。 なお 、京の田舎
が 上手也 。
西 沢 一鳳と三 都 の 飼考察
あ 様 に な っ た る は 何 と 口 が 高 ふ な っ た で は な い か 。 V ーー さ て こ
州
一広
炉
(
ん お と っ さ ん と 官 位 昇 進 し け り ( 中 略 )是 も 前 に 云 先 生
官 と同 格 で 哀 住 の 子 が そ ふ い へば 乞 食 の 子 迄 が お とっ 様 お か
球一)
雪は 俳 諮 の 席 に て 人 の 句 の と り 渡 し に 説 り が 有 て は 口 惜 い と 、 京
の 種 が 今 に 残 っ て 代 々 上 野の 鴬 は 妙 音 じ ?と も 云 ひ、 叉雪 中 庵 嵐
京 よ り 鴬 を 取ょ せ 上 野の 山 へ 数 千 羽 放 し 給 ふ 。 京 の 詑 り の な い 鷲
江 戸 は 土地 ひら け で よ り 新 し き ゅ へ賎 し と 有 て 上 野の 宮 様 は 前 方
事 な し 。 京 摂 に い る 折も 同 じ 調 に て 贈 答 し け り 。 ま し て 芝 居の 正
う し た 大 阪 の 調 も 次 の よ う に 分 け て 考 え て い る 。 三 郷 で 大 同小 異
わ り め は な き 物 也 。 我 等 長 ら く 彼 地 に 居た れ ど 終 に そ ら つ か ふ た
)
日明 子
当 日一
(
が あ る 。 安 部 川 辺 の 者 は 、 そ こ が 四 国 九 州 中 国 の 寄 場 故 西国 の 詞
戸 太 夫は 江 戸 産 な れ ど 上 方 で 調 直 し せ し が 一 寸も 靴 な し 。 開 ぬ か
兵 衛 か 与さ ん の 名 は お 弓 と 申 ま す と 云 裂 な れ ば 我 ら が
に な れ て い る 。 上 町 玉 造 の 者 は 大 和 伊賀 伊勢 の 詞 に 移 り 、 堺 の 者
大満 の 者 は 丹 波 丹 後 の 言 葉 が ま じ っ て い
は 紀 州 和 泉 路の 調 に 通 じ-
と 彼 の 三 都 の 詞 観 を あ と づ け て き た が 、 進 歩 的 な 市 民性 の 旺 溢 し
ら は い は ぬ 筈 也 。 是 程 正 直 な る は な し 。 ( 後 略 〉〉 と 。 以 上 一 鳳
が 八 大 坂 で ど ゑ ら ひは 京 で 仰 山 江 戸 で は 大 騒 。 大 坂 の そ ふ じ ゃ さ
以 上 ご く簡 単 に 京 阪 に つ い て 一 鳳の 言 う とこ ろ を 紹 介 し て き た
か し込み 他 の も の を も 合 せ て 新 しい 装を 持 っ て 生 れ 出て き て い る
所 と い う 誇 を 持 つ 京 都 調 と を 一 つ の 江 戸 と い う 熔鉱 炉 に 入 れ て と
て い る 大 阪 詞 と 保 守 的な し か し 伝 統 意 識 に 強 い 文 化・ 政 治の 大 御
大 阪 へ 三 四 年 も 詞 直 し に 来 ら れ た と も い ふ 。 曾 て 中 興 浄 溜 璃の 宮
本 な ど 書 に も 江 戸 詞 に は 書 ぬ也 。 そ れ で も 通 る か ら 也 。 (
中略 〉
る で あ ろ う 。 と 述 べ て い る 。 〈上 の 「 伝 奇 作 書 」 の 記 事も 参 照の
供 の 時 分 は 専 ら と 与さ ん 喰 さ ん に て 有 し が い つ の 程 に か お か あ さ
こ と 。)
か ひは 京 の そ じ ゃ け ん ど 江 戸 で は そ う だ に よ っ て :・
〉 な ど 上で も
江 戸 詞 il 少 く と も そ の 一 端 ーー は 一 鳳 の す る ど い 観 察 眼 と 筆 を
L正 し い つ な が つ も 肯 づ か れ よ う 。 し か も そ れ は 単 に コト パ だ け
れ る 過 程 を 考 え れ ば 一 鳳 が 真 の 江 戸 詞 ハ 江 戸 )と 言 っ て い る も の
見 を 加 え る 暇を 多 く 持 ち 合 せ な い が 江 戸 詞 が 東 京 語 に 発 展 解 消 さ
通 して 描 か れて い る の で は な か ろ う か 。今 は 紹 介を 中 心 に して 私
明 の こ と ば を 註 記 し て い る とこ ろ も あ る 。 (
な お 彼の 説明 文 中 に
,
ヒ
タ
ヒ
「浪 花
下 ・ 七 な ど 大 阪 式 発 音 ル ピ の 見 え る の も 面 白 く 思 わ れ る 。)
(
議一ヰ
)や「 浪花 み やげ 」(
認
可江計
剛
)に 江 一戸との 対比 で
註
m
述 べ た が 三 都 の 詞 を 比 較 記 載し て い る 点 も 多 い 。 中 に は 行 聞 に 説
大 阪 の 調 が 記 録 さ れ て い る が 、 そ れ ら と 相 ま っ て 一 一周一 鳳 の 考 察
の 問 題で は な く 明 治維 新 とい う 半 プル ジ ョ ワ 革 命 の 性 格 に 深 く つ
開書」
実 例 は 光 輝 を そ え る と 確 信 す る 。最 後 に ま と め と し て 「詑の 惣 評 」
ぶら ん こ 」 な ど 俗 言 や 流 行 語 に あ っ て も 種 々 興 味 あ る 記 録が あ り
な が っ て い く 問 題で も あ ろ う 。 「も て た ネ 。 ふ ら れ た 。 見 へ坊 。
叉彼 の 記 録 に つ い て も 批 判す べ き 点 や 補 足 す べ き 処 も あ る が 今 回
の 事 を 言 出 せ ば 中 々 お か し き 事 、 詞 の 違 ひ諸 品 の 物 の 唱 て 常 の 詞
に も 、 江 戸 靴 り は 一 寸も な い と 感 心 さ せ る 名 人 も 有 。 然 ら ば ど ふ
コト パ を 背 風 に 分 類 し 「 東 西方 言 競 い 」 と 名 づ け て ま と め て お レ
は す べ て 割 愛 す る 事に し た 。 最後 に 一 鳳 が 処 々 に 記 載 し た 東 西の
の コト パ を 記し て お こ う 。 八 東 海 道 岐 蘇 路 を 始 め 三 都 の 近 国 近 在
戸で も 賢 人 高 位 は 勿 論 真 の 江 戸 産 れ の 身 を 持 た 人 は 詞 に 余 計 の か
云 て も 詞 は 京摂 が 能 い に 相 違 な く 、 江 戸 詞 は 悪 い の で は な い 。 江
52
西沢一鳳と 三都の罰考察
、、ー,〆
大騒
江
(
戸
(上
方〉
大 )・仰山 〈京〉
どゑ ら ひ(
せく 事
一 一倍気
一強 い 事
一暇 の 入 る 事
一暇 の 入 る こ と
一替 っ た 事
タ
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イ
ν
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タタ
ツ
タ&r
ツ
4
オ
一
お や f\
お ばけ
上 方 唄 ・ めり や す
一是 は lt
一怪談
一 鋪唄
一し初め て
河童 の 毘 の よ ふな 男 だ
かつぐ
駈る
恰好
けへる
け んのん
買 って来る
借りて来 る
きつく
結 構な
けちな
御 出 生 様 (出 産 の 進 物 に 建国く 。 上 方 に は な い )
一 貫 ふ て 来 る ハ大 〉 調へ て 来 る(京 )
一借って来る
一き つ ふ
一 仰山
一気 の ち い さ い
一帰る
一あ ぶ な き
一こ け ら 木 屑 の 火 は 用 に た Lぬ 事
一荷 な ふ
一走る
合
一 一頃
お初 に
※ お ん ぶ お ぶ さ る は 「 芝 居遊 所 へ 引 っ き に て 只ゆ く 事 」 も い う 。
お ん ぶ し て あ げ ま せ ふ (子 を 背 に 負 う 事 〉
お つ つ く ・ と つ つ く ・ く っ つ く 一 追付 ・ 取付 ・ 喰付
お株をいふ
一久 し い 物 じ ゃ
一 お 前 は い つ もそ ん な 事 する
お前に限る
おぶ さる
一負 れ る
おっな事
大急
岡焼 (甚助 と も い う )
おっかない
お問がござ り ま す
おっくうな
、J
大 き ひ(大〉・ い っ か い(京 )
追従
よ い 背番し
ヲ、 す か ん
一
向
何ぼ
界性 のない
わるさ
結ぶ
置銭
おだ てる
灸 すへ る を い ふ
(い か 〉 登 す
あど ない
ノ
ポ
意地検 なき
樟 り お 世 話 様 ・ 御 面倒 様
大ひ
(上
京 と略〉
一民町一)必 要 に応 じ て 大 阪 (大 と 略 )・京 都 (
月間前…紘一町
一一
噂護持卵 子 炉納於
た 。仮 名遣 いも 原本 の鐙 と し 、私 見を 加 え ず (
と 分 け て お いた 。
東西方 言競 い
、、-〆
行
芳
、../
落る
惚た
53
Oコト パの部 ハ1〉
恐 お お お お 色 い徒いいいいい赤 ( あ あ 荒有 あ
ろ っ つベ ひ
わ ら く く っ や ひ 団 た どゆ ひ 難 た
へ
し こ こ つや
ぢら そ だ お 子 こ け む
ふ じ
いちち か る
る
が
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(往を 〉な
る /へ
な
ね 居す 上Eい
な江
胡近
〉な よ る
い
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J".
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と
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す供
な
時を
る
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こわす
尻端 折
そぼろ
(江
そ ふ だに よ っ て
せっかち
すばく
敵
素
しよ って行
しらぬ
しゃれ る
(江
戸)
)
2
部(
の
パ
ト
。コ
四 文 もな ひ
じれ たい
しばる
さっぱ り
し だらがな い
じれ る
こわ れ る
こそ ぐ ったい
図 り 物 ( 難作 と も )
戸
そ ね む ( 法界 と も )
そふしろ
ちょ っぴり
誰 が よ ヲ /\
借時
刻
生
国
京
取'
ピ
タ
下
地
気
強
掻砕
つぶれ る
こそ ばい
上
すめ?
、】ノ
方
方
妬む
すば く?
いら /\ す る
そ ふ じ ゃさ か ひ (大)
そ じゃけん ど〈 京〉
みす ぼ ら し い
厳
敷
ほたへ る
背負 っ て 行
(上
括る
一文 も な ひ
尻か ら げ
身 を もが く
辛気 な
し ど のな き
仕方 のな き
頓
r­
そ ふ せい
小売 す る
だ れ か し た /\
地べ た
猫
犬
少し
大 き しV
通
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江
'-./
F
とげが立 た
弔ら ひ
へゑ る
吹す
ベら坊
鞠唄
※ ほめ こ と ば
手 鞠取
粋
丸で
這
入
あ ほう
方〉
J
お 暇 申ま す
引ばる
芝居 が 果 る こ と
※ 類 似 のこ と ば に
ぞ め き ・ 71
青 田を あ げ て い る 。
あ ば ず れ す るな
蒸す
訟っ て 見 い
キ
プ
知っ た 顔を す る
乞食 に マ ア 往 て お く れ
仕方 のな き
すこし酔
そ げ の立 し
葬
礼
好き な 物 に て 銭を 遺 ふ
滅相な
胆の太 い
馬
鹿
者
わなる
そ ふ でな い
上
江 戸 は 京 阪と す こ ぶ る 具 る と い う 。
」
f例 え ば 成 駒 やア 。
へ
ふ ざけ な ア ん な
ひやかし
刻る
走 っ て ナ ニ /\
ハイ さ や う な ら
挙て見い
無よ
酔
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ン
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タ
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乍「
治
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制
即
決
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・
生
生
間
飛 ん だ事
道 楽 (女 道 楽 ・ 着物 道 楽〉
とん ちき
どやぐ
度胸 が よ い
どふ して何に
手玉取る
f、、
ゑ ぢめ な ざま 見 ろ
まづい
f、、
見味手
ら な 鞠
れい唄
ぬ
風
イ谷
、、ノ
54
む
だ
戸
、、J
無
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上
老老
下車 に 付 た
r、
方〉
。り か ん ( 江 〉i 李冠 ハ 上 )0 け ん か ( 江 )l 陪一
嘩 (上 〉
。か じ ( 江 〉| 火事 ハ 上 〉0 や か ん ( 江 )l 薬繕 ハ 上 )
。か し ( 江 〉| 菓子 ハ 上 〉。 一か ん ( 江 〉l 一貫 ( 上 〉
やるせが なひ
甲斐 な き
よし まし ょ
よし に し ませふ
よし てく ん ねへ
ょ せ へftI
よし に せい
宜しく
宜しふ
順気 の よ し あ し
陽気 が よ い 悪 ひ
よ ふな り まし た
よ く なり まし た
利口
賢
。 な お 音 韻 上 の 例 と し て ( 特 に 音 の よ の 現象 と は 説 い て い な い
が )次 の 誇 が あ げで あ る 。参 考 ま で に 記載 し て お く 。
。述懐 ( 江 )| 述懐 ハ 上 〉o 観 音 ( 江 )| 観 音 ( 上 )
も ふろく し た
安 上り
江
八 李冠 を 江 戸 で り か ん と い ふ 〉 と い う よ う に 説 明 し て い る 。
書 法
味煮
芋殻
今坂 餅
糸
業
一
一焚 合 物
一ず い き
薄 皮餅
一
一水 菜
円上
方)
f江
戸〉
田舎 汁 粉 ( 餅 の 入っ た の )
おちゃ
おかふ
おみ をつ け
おし たじ
おそ なへ
雁 も どき
唐 茄子
プ
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株
す まし
善哉
鰹節
l
お筋
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年
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二焚 食
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弐
飛電 臼
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蕪
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戸
方)
油揚
も斗ん ちい と同 じ
揚物
魚 の 回楽
刻午 房
金 ぴ ら ( 天獄 羅 を み よ 〉
魚田
・
午 房煮 付
胡麻揚
紅葉
熟柿
き やり
善哉
r---.上
さわ し 柿
さん ま
汁 粉 ( 白玉 入 〉
そばや
棒銀
鉄 火味 噌
太万 の魚
ちそ
祉計ハ 切 り 鮮 )
う どん や
柿
泥坊 潰
大刀 魚
紫蘇
55
r---.
r---.
塩 さい ふぐ
名 古 屋腹
に つ い て で な く 音 の 上 か ら の 相 違 と考 え る の が よ か ろ う 。初 の 二 シ
タ
少
地
醤
油
「じ ゅつ l 下
わ か ら な い が 、やは り : フ
例 は 、そ の ま ふ で は 何 んの 事 か 、
ー
諸
事鍋
鍋焼
('
( 加役 鍋 ・ 設康 鍋 ・ 白 魚 鍋 ・ 鴨 鍋 )
ロ の 違 い を い う の で あ ろ う 。 ルピ が あ る の は 一語 の み 。
」
鴫焼
茄 子 田楽
泥亀 煮
ご ろ 煎肴
O
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モノ
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部
齢叶( 握 り 鮮 )
西沢一鳳と三都 の詞考察
(江
回脚
数
天
と うもろこし
なまり ぶ し
挙
物
煮豆
煮付
煮 こ ろば し
はんべ ん
ひらめ
冷かし
藤豆
ふり 甥
無塩 座
牡丹
豆 煮 (手 製 の お こ し 〉
丸瓜
戸)
揚
物
黍
蛮
南
生
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味 噌 に ℃ 金 山寺 の 類
禅豆
鮮 魚
も も ん ちいと 同 じ
隠元豆
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ご ろ煮
摺身
銭
数 の子 の水に漬 たの
肴
芳
、、J
ろ く ・山 鯨 (猪鹿 の 肉 〉
合 せ酒
明盲
陰門
足 のきびす
Lyy
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ひがらめ
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ヲヨ
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も A ん ち い・ も ふ ん が ア
劉酒
(江
Oカ ラ ダ の 蔀
おまんこ
明じい
屈折
たぼ
癒
っ
すがめ
歯
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上
- r、
仲居
方〉
一お 家 さ ん (大 )・ 名 を 呼 ぶ (京 )
子 ど も の 方 か ら 相手 の 男 の 人 を よ ぷ 〉
伯 父 様(あ の 子 主 呼 ぶ 時 に 、
大屋
一家 守
一お 清 ど ん
お 三 どん
御 上様
方〉
京 摂 で 猿 な ど呼 役 人
忠七
お糸様
女子
手 な し (月水 の あ る 女 〉
妓
女子
i
主T
中 が ち 手猿
風 ん ん な狼
ち ばベ坊
一引 す る 女
一町 々 の 仲 衆 ・ 軽 子 は 女 郎 度 の掛
一
一女 乞食 の 三味 線引 て 来 る の
お 科 (下 男 惣 名 信濃 よ り 出 る 奉公 人 か ら )
折 助 (屋敷 者 の 下 男 )
玄
一京 摂 に て モウ ロ タ と 一
一舞 の 師匠
腕 の 師匠
女 大夫
軽 子 (荷 を は こ ぶ も の )
56
(江
ちんぽこ
てんぽ
びっこ
めっか ち
ょ い fI、
Oヒ ト の 部
同 っ曳
お で r 子 ( 一旦
蔵 と も〉
お嬢様
おてんば
猿 猿坊
あまっ ちょ
いち 子
尼 (貧乏 人 の き た な い 口 で )
(江
戸〉
あ の 子 ( 親類内 の 子 供 を 呼 ぶ )
、ーノ戸
お 袋 (中 分 以下 の 我母 で も 余所 の 老母 に て も )
女子衆
男 上
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上
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上
E7 う ヘ上 き わだ ・ 中 か し き ・/ は つ の み
t〈 J F下 し び
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・ 人 の 名 を 呼 ぶ (京 〉
車方
酒 の酔
戸)
(江
\芝 居 で 看板 を みて い る 〆
河 章 一人 を 引 っ ぱり こ む の に 」 河 太 郎
\
〆も つ か う
餓鬼
男子
義 太夫
慶庵
ロ入
御新 造
御 人
小 僧 AA (男 女 共 子 供 の 内 〉
三助 (風呂 屋 の 体 を 洗 う 男 )
様
車力
ずぶ六
世街
肝煎
キ
冒
イ
色着
履 物直 し
十五 の 淀 く り
a
を
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名主
噺家
ア
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戸〉
古 着 (着 物 以外 は 古 手 〉
坊様
豆蔵
まげ
無尽
め ろ の が 晶C
も み療 治
家体庖
わっち
鷹
夜
Oシ ナモノ の都
惣年 寄
噺仕
姥
古手
男の子
七
忠
者
頼母 子
女子
按
摩
出し府
惣録
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髪付
下駄
(上
方)
方)
泊
足駄
写し画
影函
桶 の輪
番傘
飯橿
四文銭
家主
行過 者
桶 のたが
大 黒傘
おはち
大銭
履 物産 し
倒者
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初日放務 者 の こ と)
鯨口
人開
盗(
ト
イ
守
問屋
※ 上 方 で は 家 号 (人別 帳 の 書
方〉 を入れ る
RFa
惣嫁 ・ 売 女
そちが
戸
'-'
ぜ ふ 貝 ( せr 貝 と も )
神折 敷
一文銭
切炭
いか き
上
江
江
f、上
日九一f(城 戸 〉
金 砂子
組入
小銭
佐倉 炭( 至っ て 駄 も の を 務 駐 炭〉
ざる
,.--_
f、、
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施主
雪 踏 直 し (で い/\ と も 〉
惣領 甚 六
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底
庖主
高懐 も の
女 街 〈 遊 女 の 肝煎 〉
ち ゃ ん (幼稚 の 者 )
地獄
手 前が
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何町 何兵 衛庖何兵 衛
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問屋
西沢一鳳と三都 の飼考察
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山半と先 り 文瓶5ふ み 炭帯葉
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Oイ フ タ の部 (杉本 註 ・ル ピ な い のは 誤 あ るや も 不 知 〉
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黒 八丈 ハ袖口 に す る)
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芝居 茶 屋 の 土 門
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町 名 を 上 に付 て 湯 と呼
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まい /\ つ ぶ れ ­
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口 合〈 函口 合〉
冠附 ( 笠附 〉
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{o町 と呼 ぶ 所 多く町 少 し(京)
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桜 湯 ・ 大和 湯 の よ う に い ふ
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碗卵四71<へ瓶箱は飯刷流当土ド天茶焚竹たた造膳摺さ
植主だ毛し百瓶5秤'碗落ぼはこ 作箱子る
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忠七 の 身ぶ り物 ま ね
つらまへごくら
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俄(狂言〉
江戸出 来の道行
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小路
一向 ふ な ぞ
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44
シ
立子
日
十能
回楽
〈 以上 〉
あんば いよし
震へ 来 し ゃ ( 大 〉
東 へ 行 とか 南へ 入 る
おつかき
こっちへ お こしゃ(京)
道の上 る下 る
手主
1こ の 本 の 所 在 を つ き と め 得 な か っ た 。 文 化 十 三 年 ・ 三 月 中 旬 の
旅 の 折 の 記 事 で 金 二 冊 と い う 。種 々コ ト パ の 事 が 記 録 さ れ て い
る と 恩 わ れ る 。「 五福 子 の 書 に 日 」と し て 八 日 本 を 人 聞 の 体 に た
と へ て い は E 五幾 内 は 胸 腹 に し て 四 境 へ よ く 通 じ 安 く 叉 何 れ の
むく ろ じ夜
勤繍 手鞠
何ベ んも
(大〉
一や 二 や 三 つ に 四 つ や と 云( 上 )
ヒ
トフ
タ
一 子 に 二 子 三わ た し嫁 子 い つ や
の 武 蔵 七 重 の 薬 師 九 つ 十( 江 )
一く じ た く さ ん
せんど
一( 京 〉
一
一
一ち ろ り
たんぽ
お こした
お こさ ぬ
※ 医 者 の 看 板 も東 西 で 国間る
※ 桃 太 郎 は 江 戸 で 上 方 で は 猿 が 島 へ 鑑賞の 敵 討 に 行 く 。
※ 辻 番 の 布 子 ( 冬 の 日 の 援 弘、)( 江 〉 小 春 日 和 ( 上 〉
大)
ハ
白瓜
南京
どゑ ら い
でんぼ
・ 新 宿 区 史 ( 二 五一 ペ ー ジ ) を 参 照 。
が 大 変 参考 に な る 。
6ホ フ マ ン を は じ め 幕 末 の 欧 米 人 に よ る 俗 語 ( 文 典 ・ 会 話 〉 考 察
5式 亭 三 馬 ・ 狂 言 回 令 操 を 参 照 せ よ 。
4深 川 区 史
(
区一
)
照 せよ。
( 〉 同ν巴 2 ロ回 。}内
) 同由問。・英 語 学 辞 典 の ロ ン ド ン 方 言 の 項 な ど 参
3日 ・ 英 両 語 で 大 変 よ く 似 て い て 参 考 に な る 。 OZ門戸 田
口問富岡巾
照 のこと。
2拙 論 「早 大 ・ 国 文 学 研 究 ・ 江 戸 詞 の 性 格」 〈 昭和 廿 六 年 〉 を 参
共 同官は r い か に 。〉 と 引 用 し て い る 。 正当 な 見 方 と い え よ う 。
東 は 頭 の 如 く 紀 州 と越 路 は 両 手 に 属 し 中国 四国 九 州 は 腰 よ り脚
大 阪 へ 出 て 居 る 人 に て も図 説 り 出 て 直 り が た し 然 ら ば 江 戸 よ り
か の 地 に い れ ば い つ し か 移 り 染 る 他国 の 人 は 然 ら ず 幼 年 よ り 京
地 の 詞 風 儀 に て も 移 り 易 し 江 戸 へ い っ て も長 崎へ い て も一 一一月
※羽根 突打 。
※ 童 謡 。例 えば
お 月 様 い く つ 十 三 七 つ ( 江 〉| お 月 様 い く つ 十一 一一一 っ そ り ゃ ・まだ
若 ひ こ ん ど京 へ 登 っ て ( 上 )
践 の ず い よ り天 象を 見 る( 江)| 針 の 穴 か ら 天 覗 く ( 上)
※ 究 室 の か る た の 諺 の こ と ば 。例 えば
戸
、、J
Oそ の他 聞
掠取
手玉 取
弓破 魔
茶番 ( 狂 言 )
璃
瑠
浄
鬼ご っ こ
にらめくら
四谷 鳶
豆蔵 声 色
尻取 附 廻 し
r-­
※附 記H 京と大阪の詞のちが い 。
(京〉
浅瓜
かぼちゃ
でかい
出来物
59
ム
AV
ν
西沢一鳳と三都の詞考察
7説 り は 、同 国 批 り
同 不 純 な コ ト パ ( 二ヶ 国 以 上 の 方 言 が ま じ
る 〉 に 大別 し て 考 え られ る 。
8江 戸 商 人 の 事 を 〈 気 転 よ く 利 て 便 利 甚 よ ろ し 比 余 前 人 に て も 物
)
マ
マ
(
い ひ 町 略 に し て す こ し の 物 を 売 る に も ぷ せふ な る 飼 は 遣 わ ず 夫
と い ふ が 武 家 大 屋 方 軽 き 形 り に て 出 ら る ιうゆへ朝 夕 是 に 相 手 馴
鯛 俗 語 注 解 の 事」 に 〈 けん も ほ ろ込 ・
町一
「
)・ 脚
繍
開
(
し と 恩 わ る 。〉 と 述 べ て い る 0
9脚 色 余 録
むち ゃ く ち ゃ ・ど さ 草 ・ 絞 れ 冠 れ じ ゃ 畳 ん で 仕 舞 〉 な ど の 劇 場
)
鏡一
(
の コ ト パ が 俗 家 の 常 の 詞 と な っ た と 指 摘 し 、 叉 「伝奇 作 香 ・ 中
禁)
伯
正) (
均一
閥
(
・
古 江 戸 三 座 通 の 調 の 事」 に も 〈 おべ っ か ・ 楽 屋 落 ・ 首
反 ・ 柑相当
〉 な ど 二十 五 語 程 あ げ
て そ れ ら の 一般 化 を 述 べ て い る 。
と ん ちき ・は ね た
安 藤 正次 「国 語 史 序 説 」 を 参 照 せ よ 。
閉山
(一九 五六 ・ 三 ・ 十
早稲 田大 学副手)
。 文 中 特 に 断 り な い の は 皐 都 午 睡 よ り の 引 用。
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