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平成 25 年度 地 学 Ⅰ (50 分)

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平成 25 年度 地 学 Ⅰ (50 分)
第2回
平成 25 年度 地 学 Ⅰ (50 分)
注 意 事 項
1
試験開始の合図があるまで,この問題冊子の中を見てはいけない。
2
この問題冊子は 15 ページである。
試験中に問題冊子の印刷不鮮明,ページの落丁・乱丁及び汚れ等に気付いた場合は,手を挙げて
監督者に知らせること。
3
試験開始の合図前に,監督者の指示に従って,解答用紙の該当欄に以下の内容をそれぞれ正しく
記入し,マークすること。
・①氏名欄
氏名を記入すること。
・②受験番号,③生年月日,④受験地欄
受験番号,生年月日を記入し,さらにマーク欄に受験番号
(数字)
,生年月日(年号・数字),
受験地をマークすること。
4
受験番号,生年月日,受験地が正しくマークされていない場合は,採点できないことがある。
5
解答は,解答用紙の解答欄にマークすること。例えば,
10
と表示のある解答番号に対して
2 と解答する場合は,次の(例)のように解答番号 10 の解答欄の 2 にマークすること。
(例)
解答
番号
解 答 欄
10
1 2 3 4
6
問題冊子の余白等は適宜利用してよいが,どのページも切り離してはいけない。
7
試験終了後,問題冊子は持ち帰ってよい。
2013KN2A-13-001
地 学 Ⅰ
(解答番号
1
1
∼
20
)
今から 52 年前,人類として初めて宇宙飛行に成功したのは,ソビエト連邦のガガーリンであ
る。彼は,宇宙から地球を見て「地球は青かった」と言ったといわれている。地球が青く見える理
由は,海と大気が存在するからである。地球表面はチョモランマ
(エベレスト山)
の高さ 8848 m か
らマリアナ海溝のチャレンジャー海淵の深さ 10920 m まで約 20 km の高低差がある。また,地
球の赤道半径 6378 km と極半径 6357 km の差は約 21 km である。地球に関する,問 1 ∼問 4 に
答えよ。
問 1 図 1 は地球表面の陸の高さ・海の深さの分布を 1000 m ごとに面積の割合(%)で表したも
のである。地球表面のうち海の面積と陸の面積の割合を示した円グラフとして,最も適当な
ものを,下の 1 ∼ 4 のうちから一つ選べ。解答番号は
陸の高さ
8000
6000
4000
2000
(m)
0
2000
4000
6000
8000
(m) 10000
1
。
最高点 8848 m
海の深さ
海水面
最深点 10920 m
0
5
10
15
20
25
面積の割合(%)
図 1 地球表面の陸の高さ・海の深さの分布
1 2 3 4
海
陸
陸
陸
陸
海
海
海
― 1 ―
2013KN2A-13-002
問 2 図 1 を参考に,地球表面の特徴を述べた文として,誤っているものを,次の 1 ∼ 4 のうち
から一つ選べ。解答番号は
2
。
1 1000 m ごとの高さ深さで見た場合,最も面積が大きいのは,海の深さ 4000 m ∼ 5000 m
の範囲である。
2 1000 m ごとの高さ深さで見た場合,最も面積が小さいのは,陸の高さ 3000 m ∼ 4000 m
の範囲である。
3 海の深さの平均はおよそ 4000 m 程度である。
4 陸の高さの平均はおよそ 800 m 程度である。
問 3 地球の形は,赤道半径を長半径に,極半径を短半径に持つ楕円を,両極を結ぶ地軸の周り
に回転させた回転楕円体に非常に近いものになる。回転楕円体が球からどの程度つぶれてい
a-b
[ a :長半径, b :短半径]
であらわされる
(図 2 )
。
るかを表す値を偏平率といい, f =
a 地球の偏平率のおおよその値として,最も適当なものを,下の 1 ∼ 4 のうちから一つ選べ。
解答番号は
3
。
長半径
a
b 短半径
図2
1 1
300
2 1
30
3 30
4 300
― 2 ―
2013KN2A-13-003
問 4 地球は図 3 のように 1 つの大きな磁石と考えることができ,地球の周りには磁場が存在し
ている。東京に住むMさんは次のような実験を行った。はじめに針金の重心を求めて糸でつ
り下げた(図 4 )。次に針金を磁化させ,針金がどのような向きを向くのかを調べた。針金の
向きとして,最も適当なものを,下の 1 ∼ 4 のうちから一つ選べ。解答番号は
4
。
自転軸
北極
糸
地球
南極
針金
磁力線
図3
1
2
南
北
― 3 ―
金
S
S
針
北
糸
金
南
糸
針
S
4
N
針金
北
針金
3
N 糸
糸
N
図4
S
南
北
N
南
2013KN2A-13-004
― 4 ―
2013KN2A-13-005
2
地球の内部に関する問 1 ∼問 4 に答えよ。
問 1 次の文は地球内部を伝わる地震波について説明したものである。空欄に入る語句の組合せ
として最も適当なものを,下の 1 ∼ 4 のうちから一つ選べ。解答番号は
5
。
図 1 は地震波速度の地球内部の深さによる変化を示している。マントル内ではP波
とS波の両方が伝わる。深さ 2900 km になると,P波の速度は小さくなり,S波は伝
わらなくなる。これは外核が
A
の状態であるためである。図 2 ,図 3 はそれぞ
れ の 地 震 波 の 伝 わ り 方 を 表 し た モ デ ル 図 で あ る。 図 2 は
C
B
を 表 し, 図 3 は
を表している。
15
振動方向
地震波速度
P波
10
S波
5
(km/s)
マントル
0
0
外核
内核
1000 2000 3000 4000 5000 6000
振動方向
波の伝わる方向
波の伝わる方向
深さ(km)
図1
図3
図2
A
B
C
1
固体
S波
P波
2
固体
P波
S波
3
液体
S波
P波
4
液体
P波
S波
問 2 地球内部は,地殻,マントル,外核,内核の 4 つの部分に分けられる。これらの説明とし
て誤っているものを,次の 1 ∼ 4 のうちから一つ選べ。解答番号は
6
。
1 地殻の厚さは,大陸部分で厚く海洋部分で薄い。
2 地殻の密度はマントルの密度より大きい。
3 マントル上部は主にカンラン岩でできている。
4 内核と外核は鉄を主成分としている。
― 5 ―
2013KN2A-13-006
問 3 日本で発生する地震について説明した文として最も適当なものを,次の 1 ∼ 4 のうちから
一つ選べ。解答番号は
7
。
1 海底で発生する地震の場合,震度と震央からの距離は必ず比例関係が成り立っている。
2 震源が浅い地震の場合,規模が小さくとも大きな被害になることがある。
3 マグニチュード 8.0 以上の地震では余震は絶対に発生しない。
4 活断層によって発生する地震の周期は,ほぼ 10 万年で一定している。
問 4 図 4 は東北地方を X-Y で切って見たときの震源の分布を示している。100 km より深い地
震では,震源は西側ほど深くなっている。この部分の説明として最も適当なものを,下の 1
∼ 4 のうちから一つ選べ。解答番号は
8
。
北
X
Y
0
深さ
100
日本海
溝
200
(km)
300
400
震源
X
Y
図 4 震源の分布を表した断面図
1 トランスフォーム断層がすれ違っているところ
2 ホットスポットが存在しているところ
3 海側のプレートが沈み込んでいるところ
4 固体のマントル物質が上昇しているところ
― 6 ―
2013KN2A-13-007
3
次の文を読み,問 1 ∼問 4 に答えよ。
Hさんと先輩のTさんは,九州のN海岸へ地質調査に出かけた。そこは「鬼の洗濯岩」と呼ば
れ,主に十数 cm の厚さの砂岩と泥岩が繰り返す地層(互層)が連続していた
(図 1 )。Tさんの説
明によると,N海岸はこの様な互層が多いとのことだった。泥岩は砂岩に比べ波の侵食を受けや
すく,このような独特な形状になったと説明した。Hさんは,砂岩中に級化成層(級化構造)を見
⒜
つけ,堆積した当時の地層の上下関係(新旧)を確認した。次に地層の走向を測定したところ,
N 20°W であった。
図 1 海岸にみられる砂岩と泥岩の互層
問 1 砂岩や泥岩は,その岩石のもととなった堆積物の粒子の大きさにより分類される。砂と泥
の粒子の直径の組合せとして最も適当なものを,次の 1 ∼ 4 のうちから一つ選べ。
解答番号は
9
。
砂の粒子の直径
泥の粒子の直径
1
2 mm 以上
2 mm 未満
2
2 mm 以上
1
mm 以上 2 mm 未満
16
3
1
mm 以上 2 mm 未満
16
2 mm 以上
4
1
mm 以上 2 mm 未満
16
1
mm 未満
16
― 7 ―
2013KN2A-13-008
問 2 走向が N 20°W と測定された際のクリノメーターの針の方向として最も適当なものを,
次の 1 ∼ 4 のうちから一つ選べ。解答番号は
10
1
3
2
N
E
N
W
E
S
。
4
N
W
N
E
S
W
E
S
W
S
問 3 下線部砂岩中に級化成層(級化構造)を見つけ,堆積した当時の地層の上下関係(新旧)を確
⒜
認したについて,級化成層(級化構造)と地層の上下関係を表した模式図として最も適当なも
のを,次の 1 ∼ 4 のうちから一つ選べ。解答番号は
11
1 上
上
2 上
3 。
4 上
下
下
下
下
問 4 互層の中に見られる砂岩と泥岩の説明として最も適当なものを,次の 1 ∼ 4 のうちから一
つ選べ。解答番号は
12
。
1 砂岩は陸上で堆積し,泥岩は海で堆積してできた。
2 泥岩は陸上で堆積し,砂岩は海で堆積してできた。
3 泥岩と砂岩はともに陸上で堆積してできた。
4 泥岩と砂岩はともに海で堆積してできた。
― 8 ―
2013KN2A-13-009
4
次の文を読み,大気に関する問 1 ∼問 4 に答えよ。
AさんとBさんは,春休みにアメリカでのホームステイをするために,成田空港から飛行機で
ワシントン DC に向かった。離陸直後,機長から機内放送で気流が不安定なので揺れる恐れがあ
るとのアナウンスがあった。しばらく雲の中を上昇し,やがて雲海の上に出ると太陽がまぶしく
見えた。
Bさん:さっきは揺れたね。
Aさん:今朝,家を出る前に見た天気予報で,今日は大気の状態が不安定だと言っていたよ。
⒜
前の座席の背中側に小さな液晶モニターがついており,画面には飛行コース,速度,高度,外
気温度
(機外の温度)がリアルタイムで表示されていた。やがて飛行機は高度 9500 m 付近に達し
た。機内は快適だったが,外気温度は -58 ℃ を示していた。
図 1 飛行中のモニター
A さん:外はずいぶん温度が低いね。気圧も低いんだって。
B さん:ここよりももっと高くなると気圧はさらに低くなるのかな?
⒝
A さん:下の方に雲が 絨 毯のように広がっているね。
B さん:空の色がずっと青く濃くなったような気がする。
飛行機が夜のアラスカの付近を通過している際,窓から北の空を見ると,空が緑色に輝いてい
るように見えた。
― 9 ―
2013KN2A-13-010
A さん:なんだか,空が光っているね。星や天の川には見えないけどなんだろう。
B さん:もしかするとオーロラが見えるかもしれないと出発前に先生が話していたけど,あれは
⒞
オーロラじゃないかな。
アメリカに到着した彼らは,観光とホームステイを楽しみ,たくさんの思い出とともに帰路に
ついた。
A さん:行きと帰りで飛行機の速さがずいぶん違うね。
⒟
B さん:高い空の風の影響なのかな。
問 1 下線部大気の状態が不安定について述べた文として,最も適当なものを,次の 1 ∼ 4 のう
⒜
ちから一つ選べ。解答番号は
13
。
1 暖かい地上と冷たい上空の温度差が小さく,ところによって落雷や突風が発生すること
がある。
2 暖かい地上と冷たい上空の温度差が小さく,全国的に天気は穏やかな晴れになる。
3 暖かい地上と冷たい上空の温度差が大きく,ところによって落雷や突風が発生すること
がある。
4 暖かい地上と冷たい上空の温度差が大きく,全国的に天気は穏やかな晴れになる。
問 2 下線部もっと高くなると気圧はさらに低くなるについて,気圧は高さ約 5500 m ごとに半
⒝
1
分になることが知られている。気圧が地上の
になる高さとして,最も適当なものを,次
4
の 1 ∼ 4 のうちから一つ選べ。解答番号は
14
。
1 2750 m
2 8250 m
3 11000 m
4 22000 m
問 3 下線部オーロラについて述べた文として,最も適当なものを,次の 1 ∼ 4 のうちから一つ
⒞
選べ。解答番号は
15
。
1 オーロラは太陽からの荷電粒子によって,上空の大気の分子が光る現象である。
2 オーロラは太陽からの赤外線によって,上空の大気の分子が光る現象である。
3 オーロラは地表からの荷電粒子によって,上空のオゾンが光る現象である。
4 オーロラは地表からの赤外線によって,上空のオゾンが光る現象である。
― 10 ―
2013KN2A-13-011
問 4 下線部行きと帰りで飛行機の速さがずいぶん違うについて,アメリカと日本の間を飛ぶ飛
⒟
行機に影響を与える風について述べた文として,最も適当なものを,次の 1 ∼ 4 のうちから
一つ選べ。解答番号は
16
。
1 中緯度の上空には偏西風が吹いているため,東へ向かう飛行機は速く,西に向かう飛行
機は遅くなる。
2 中緯度の上空には偏西風が吹いているため,西に向かう飛行機は速く,東へ向かう飛行
機は遅くなる。
3 中緯度の上空には貿易風が吹いているため,東へ向かう飛行機は速く,西に向かう飛行
機は遅くなる。
4 中緯度の上空には貿易風が吹いているため,西に向かう飛行機は速く,東へ向かう飛行
機は遅くなる。
― 11 ―
2013KN2A-13-012
― 12 ―
2013KN2A-13-013
5
図 1 は NASA が公開したハッブル宇宙望遠鏡(図 2 )がとらえた画像で,約 5500 の銀河が見ら
れるという。この画像に写っている最も遠い銀河は,132 億光年先にあることがわかっている。
ハッブル宇宙望遠鏡は高度 600 km の軌道で地球を周回している人工衛星である。問 1 ∼問 4 に
答えよ。
図 1 (NASA の HP より)
図 2 (NASA の HP より)
― 13 ―
2013KN2A-13-014
問 1 ハッブル宇宙望遠鏡は天文学者のエドウィン・ハッブルの名にちなんで名付けられた。
ハッブルは「ハッブルの法則」の発見で知られている。ハッブルが発見した法則はどのような
ものか。最も適当なものを,次の 1 ∼ 4 のうちから一つ選べ。解答番号は
17
。
1 私たちの銀河系から近い銀河ほど,大型の銀河が多い。
2 私たちの銀河系から遠い銀河ほど,大型の銀河が多い。
3 私たちの銀河系から近い銀河ほど,速い速度で遠ざかっている。
4 私たちの銀河系から遠い銀河ほど,速い速度で遠ざかっている。
問 2 ハッブル宇宙望遠鏡が高度 600 km の軌道上から観測する理由は何か。最も適当なもの
を,次の 1 ∼ 4 のうちから一つ選べ。解答番号は
18
。
1 少しでも観測する天体までの距離を短くするため。
2 地球の大気の影響を受けずに観測できるため。
3 地球の影に望遠鏡を入れることにより,太陽風の影響を避けることができるため。
4 無重力状態のため,地上より大きな望遠鏡が容易に建設できるため。
問 3 図 1 には多くの銀河が写っている。これらの銀河のなかには私たちの銀河(銀河系)と似た
ような形の銀河も多く見られる。私たちの銀河と形がよく似ているものはどれか。最も適当
なものを,次の 1 ∼ 4 のうちから一つ選べ。解答番号は
1
2
3
4
― 14 ―
19
。
2013KN2A-13-015
問 4 銀河には星間物質がたくさん含まれているものがあり,今も新しい星が誕生している。こ
の星間物質の主なガス成分として最も適当なものを,次の 1 ∼ 4 のうちから一つ選べ。
解答番号は
20
。
1 水素,ヘリウム
2 アルゴン,メタン
3 ケイ素,炭素
4 窒素,酸素
― 15 ―
2013KN2A-13-016
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