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消化器術後敗血症 - 日本消化器外科学会

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消化器術後敗血症 - 日本消化器外科学会
日消外会誌 1 3 ( 8 ) : 9 5 0 ∼ 9 5 5 , 1 9 8 0 年
特
集 4Ⅲ
消化器術後敗血症
慶応義塾大学医学 部外科
石
引
久
弥
安
藤
暢
敏
POSTOPERATHVE SEPTICEMIA FOLLOWINC DICESTIVE SURCERY
Kyuya ISHIBIKI and NObuloshi ANI)0
Dcpartmcnt or Surgcry,School of Medicine Keio University,TOkyo
消化器術後敗血症50例について感染症治療 と呼吸循環機能管理 の観点か らの検討を行 った 。血中分離菌
`
その うち38%と
は腸 内細菌 を主体 とす る好気性 グラム陰性浮菌 が64%を 占め, Klebsiella Pneumoniacヵ
最 も多かった .ブ ドウ糖非醗酵 グラム陰性梓菌,嫌 気性菌 も注 目された .敗 血症性 シ ョックは58%に 発生
し,そ の致死率は69%で 非 シ ョック例におけるそれは29%で あ った 。汚染菌源 は内因性 で手術対象臓器 と
考え られ,消 化管縫合不全が大 きな背景因子であった .適 正な化学療法剤投与 は有意 に死亡率を低下 させ
生存率は70%で あるのに対 し,非 適合 の場合 のそれは47%で あ った 。 4型 にわける呼吸循環動態 の把握は
臨床治療上有用 であ った。
索引用語 : 消 化器術後敗血症 , 敗 血症性 シ ョック, ブ ドウ糖 非醗酵 グラム陰性惇菌 , 化 学療法 , 呼 吸
循環 動態
I は じめに
術後感染症中,敗 血症は最 も重篤であ り, とくに消化
器術後 では消化器内の豊富な細菌叢 が内因性汚染細菌源
となる可能性が高 いため術後敗血症 の発生頻度は高率で
あ る。術後敗血症 の治療 は感染症対策 とともに高頻度に
発生す る敗血症性 シ ョック対策が必要 であ る。われわれ
は この観点か ら,最 近約 4年 間に教室で経験 した消化器
術後敗血症 50例を検討 した。
II 症 炉 1
1975年8月 よ り1979年12月までの期間 に消化器術後症
例 で臨床的 に敗血症を強 く疑わせ る症状 を示 し,血 中か
ら細菌 または真菌 が分離 されたものは50例であった 。年
齢 は40歳か ら79歳にわた り,男 子40例,女 子 10例で,手
術対象臓器'Uでは食道 12例,胃 十 指腸21711,小腸 ・大
腸 5例 ,肝 ・胆道 ・膵 10例,そ の他 2例 であった .
IH 成
1.血 中分離菌の構成
中
血中分離菌87株の構成をみ ると, StaPh・Zlureusを
心 とす る好気性 グラム陽性球菌 は10株11.5%であるのに
対 し,腸 内細菌 を主体 とす る好気性 グラム陰性梓菌は56
とくに Klebsiella pneumoniae
株64.4%と過半数を 占め,ア
で Enterobacter,
はその うちの 38%と 最 も 多 く, 次 ヽヽ
Serratia,Pseud.acruginosaが
それぞれ14%で あ った.
ム
また, ブ ドウ糖非発酵 グラ 陰性浮菌 をまとめると21株
3以 上 を 占めていた。嫌気性菌 は Bacteroides
とな り1′
fragilisを
主体 として16%,真 菌 は Candidaを中心 に 7
%で あ った 。なお,単 一菌種 が分離 された症例は31例60
%,混 合感染 5例 ,菌 交代 14例であったが, グラム陰性
博菌 の関与 した症例 は35例70%に 上 った .
手術対象 となった臓器別に血中分離菌 をみ ると,食 道
手術では他手術に くらベ グラム陽性球菌 の 占める割合が
績
大 きいが,Klebsiellaをは じめ とす るグラム陰性梓菌 が
半数 であ り,嫌 気性菌 も認め られ ている.胃 ・十二 指腸
* 第 1 5 回日消外会総会 シンポ 1
消化器外科 と感染
手術 では Klebsiella,EnterObacterを
中心 とす るグラム
どの嫌気性菌
陰性拝菌が 62%で あ るが, BacterOidesな
1980年 8月
43(951)
表 1 術 後 敗血症分離菌 と手術臓器
血中分離菌
Staph aur
Staph epid
Streptococcus
Enterococcus
E coli.
Citrobacter
Actttobacter.
Proteus
Pseud. aerug.
Pseud- not aerug.
Bacteroldes
他嫌気性菌
真 菌
が22%を 占めている点は注 目された 。小腸 ・大腸手術 で
は嫌気性菌,と くに Bacteroidesの比率 が 高 い 特徴 が
み られた .肝 ・胆 ・膵手術では グラム陰性標菌 が86%を
占め るが, Klebsiellaが半数以上 である点 と Serratia,
Pseudomonas aeruginOsaも
少な くない点が特異的であっ
た。菌種別にまとめ るとグラム陽性球菌は上部消化管術
的 に低率であったが,50%で あ った点 は注 目され る。致
死率は ショック発生例 に高率であ り,全 症例をま とめる
と69%と な り,シ ョックを伴わない症例 における29%よ
り有意 に 高値を示 した。 致死率 は小腸 ・大腸手術例 が
100%と予後は 極 めて不 良であ ったが, 平均 しても52%
とな り消化器術後 の予後 は重篤であ るといえる (衰 2).
後例 に多い傾 向があ り, グ ラム陰性梓菌 では Klebsiella
が 全 ての 消化器術後 で 最 も高頻度に 分離 され Entero
bacterは胃 ・十二指腸手術 に特異的 に多かった。 また,
シ ョックと予後を血中分離菌 と分離 された術後 よ りの
日数をみ ると,術後30日以内に血中 よ り菌 が証明され,シ
ョックの 発生す る傾向のある Klebsttna,Enterobacter,
PscudomOnasを中心 とす る ブ ドウ糖非発酵 グラム陰性浮
菌 は上部消化管,肝 ・胆 ・膵手術 に10%以 上を 占めてい
E.coliな どの グラム 陰性埠菌群 と StaPh.aureusな
ど
の グラム陽性球菌, Serratia,PscudomOnas aeruginosa
る.嫌 気性菌 は BacterOidesが
約 8害Jを構成 し,消 化管
手術全般 に分離 されているが,小 。大腸手術後には多か
などの グラム陰性標菌 のよ うに術後長期 に分散す る群 と
に大 きくわけることがで きる。 Bacteroidesを
主体 とす
った .真 菌 は Candida中 心 で, 上 部消化管術後 に多い
る 嫌気性菌 は 前者, 真菌 は 後者 に 近 い 傾向 を 示 した
( 図1 ) .
特徴が うかがえた.
2.敗 血症性 シ ョックと予後
敗血症性 ショ ックは50例中29例58%に 認め られ,手 術
対象臓器別では小腸 ・大腸手術例 で80%と 最 も高率であ
術後感染における汚染菌源は空気,病 院職員,手 術 お
よび病室 で使用 され る器材 に由来す る外困性汚染菌源 と
った。シ ョック発生率は食道,肝 ・胆 ・膵手術 では比較
思者皮膚 お よび呼吸器,消 化器,尿 路な どの臓器 に存在
3.汚 染菌源
消化器術後 敗血症
44(952)
日消 外会 誌 1 3 巻
8号
表 2 術 後 敗血症 のシ ョック発 生率 と致 死率
経過予後
手
シ ョック発生率
致
死
率
術
(十 )
食
6/12( 50夕 し)
(
50夕し)
6/12(50%)
(
17%)
道
)
( 一
12/21( 57夕ど)
(十 )
胃 ・十二 指暢
( 一
)
(十)
小 陽 ・大 陽
(―
)
(十 )
肝 ・胆 ・膵
(―
7/12(58%)
9/21(43%)
2/9 ( 22レし)
4/5(80%)
4/4(100%)
1/5 ( 20夕ち)
1/1(100%)
5/10(511%)
4/5 ( 80レ 彰)
50%)
)
(
40レし)
2/2(1∞ %)
2/2(llXl%)
29/50(韓 %)
20/29( 69夕し)'
(十)
他
(―
9/21(43%)
5/5 (100ラと)
6/10( 60%)
2/ 2(100ラじ)
)
(+)
計
(―
4/12( 33夕し)
21/50(42%)
)
26/50(52%)
6/21(29%)'
(, x2:7.%2. P<0.005)
図 1 術 後敗血症 におけ る菌種毎 の分離 日
であるが,血 中分離菌種 と患者 のおかれ た細菌学的環境
か ら推定 され ることが少 な くない。
肯住 日
日 配
0
2
0
O
m
α
6
0
的
l
m
日
●
逆
経過 で 最 も多か ったのは 消化管縫合不全か ら生 じた 胸
腔,腹 腔内膿易 であ った,す なわち,食 道,胃 ・十二 指
腸,小 腸 ・大腸手術群 では この種 の膿瘍 が汚染菌源 と考
Staph ●P,ど
│●
Entar@@cu3.
G P R
E. coli.
Citrobaotor.
S..ratia
静
O お
Acirtobact...
●
P9aud. aa.utl.
P6aiJd. @b.n
│ ●●
。
・ °
け
他椋 気性 百
真
白
1 0
・
。
生0
す
( ―) ●
え られた症例がそれぞれ 2/3以上を 占めてお り,血 中分
離菌種 の分布は吻合消化管 の細菌叢を強 く反映 した 。肝
・胆 ・膵手術 で も肝 ・胆道 の一般的な細菌分布が示 され
ていた .こ れ ら内因性汚染は50例中43例86%に 及 ぶ と考
え られた 。外因性汚染 としては IVHが ,そ の回路 の細
菌学的検索 に よ り2例 ,ま た 。 1例 の汚染輪血 が推定 さ
れた (表 3).
4.化 学療法 と予後
.
す
0
”
Protda.
8加
Ent.robat...
。
o
品
Kl.b.
│
l
対象症例 の汚染細菌源を推定す るのに背景 となる臨床
。
す る細菌叢 に出来す る内囚性汚染菌源 に 2大 別 して考え
られ る。しか し,敗 血症, と くに術後敗血症 では血中分
離菌 の汚菌源,汚 染経路を決定す ることは実際 には困難
血 中 よ り菌 が分離 された時点において投与 されていた
抗生剤 に血 中分離菌が 示 した diSC感受性 と予後 を 検討
した 。全症例50例中,常 用抗生剤 には感受性 を示 さず,
抗真菌剤を使用 しなか った真菌分離 の 3例 ,新 抗生剤使
用例 で diSC法では正確な感受性検査 の 確立 されていな
い11例を除外 した。血中分離菌 が感受性 のある抗生剤が
投与 され ていた20例と感受性 のない薬剤が投与 され てい
た19例における生存曲線をみ ると,後 者 では血中 よ り菌
が分離 され てか ら5日 目までの死亡例が急激 にみ られ,
8日 目には両者 の生存率に有意差が認め られた。それ以
後 は両者共に生存率 の低下 は緩徐 とな り,両 者 の開 きが
198038月
45(953)
表 3 術 後 敗血症 の原因菌 の推定細菌源
内
樵
食
因
性
汚
上部消化管
下部消化管
9例
1例
道
胃 ・十二 指陽
(21)
小 陽 ・大 腸
( 5 )
肝 ・胆 ・膵
( 1 0 )
染
外因性汚染
肝胆道
IVH
汚染保存血
12別
1例
1
2例
1
4
他 (2)
1
1
言
十 (50)
8
図 2 術 後敗血症症例 の生存 曲線
It+llt*+
a lrt!.Aat
1
2
1
表4 術
(!}t)
不明
後 敗血症 の治療
1 感 染症対策
a 原 因菌検索 (血液培養,薬 剤感受性測定,血 中
エン ドトキシ測定)
b 汚 染細菌源,侵 八日の検索,処 置 (排膿,洗 浄
体内留置 カテ ーテル交換,抜 去など)
C 抗 菌化学療法剤,ガ ンマグ ロブ リン製剤投与,
免疫賦活剤などの投与
2 シ ョック対策
a_呼 吸循環動態 モニ ター (血圧,脈 拍数,呼 吸数
時間尿量 の測定,心 電図,血 液 ガス,血 清 ・尿
▲中田白分ta湖 問 〈日)
1':″
たよ獄 ::よ器 │
あると思われた23日目には明らかな差異は証明で きなか
った .死 亡例の出なか った40日以後 の生存率は夫 々70,
47%で あった (図2).
IV 考
察
浸透圧測定,中 心静脈圧測定,Swanヽ Ganz
カテ ーテルを用いた熱稀釈法による呼吸循環動
態観察)
b_体 液の補給,補 正
C 心 血管作働剤投与 (ジキタ リス,ドパ ミン ,イツ
プロテ レノ ール,フ ェノキシベ ンザ ミン等)
d_利 尿剤投与 (フ ロセマイ ド,ア ルダク トンなど)
e 副 腎 ステ ロイ ド投与, ト ラジロール投与
f。 抗血液凝固剤投与
消化器術後 の敗血症治療 の基本は感染症対策にあるの
は もちろんであるが,半 数以上 に発生す るショック対策
も重要 である (衰4).感 染症対策では原因菌を把握す
ることが必要 である。菌検索 の中心 となる血液培養 にあ
たっては動,静 脈血を問わず反覆 して採血培養す ること
く反映す るが,消 化管 の通過障害を伴 う場合や経 口摂取
停 止時には下部腸管 に優勢な グラム陰性標菌,Bacterふ
deSを 中心 とす る嫌気性菌 が上部消化管 に 出現す ること
と, 嫌 気性培養を 実施す ることが 培養陽性率 をたかめ
るつ。血 液培養 が陰性 でなお敗血症が疑われる場合 は血
中 エン ドトキシン検出成績は短期間で得 られ るため大 き
管縫合不全などに よる腹腔内膿易 などの汚染菌源か らの
な情報 となる。菌検索 に よって菌 の同定,抗 菌薬剤感受
性成績を得 るには早 くても数 日を要す るため,原 因菌種
続発性敗血症が主体 となっている。そのため,腹 腔内 ド
レー ンの菌検索成績 を参考 とした り,積 極的 に腹腔,胸
の推定 に基づ き,適 合 した化学療法剤投与を開始せねば
な らない。この 目的 のために血中分離菌 の種 の分布 と薬
腔内感染巣を検討する必要 もあ り,こ れ らが存在する場
合は効果的な ドレナージを計 らなければな らない 。同様
剤感受性傾向を理解 してお く必要がある。検出され る菌
種 は一般 に手術対象 となった 消化器 の 常在細菌叢のを強
に近年増加 している輸液,IVH,循 環動態 モ ニター用 の
長期血管内留置 カテーテルに も注意を要す る。
が多 くなる。また,成 績 の項 で示 した ように消化器術後
の敗血症は白血病 の敗血症 と異 り,原 発性 よ りも,消 化
46(954)
日消 外会 議 1 3 巻
消化器術後 敗血症
今回検討 した症例か らの血中分離菌 の分布 では グラム
め
陰性菌, と くに ブ ドウ糖非発酵 グラム陰性梓菌 と真菌
が注 目されたが,胸 部外科,脳 神経外科を合めた教室 の
全症例 か らの血液分離菌 の分布をみ て も1976年に比較 し
て1979年には同様 の傾 向が うかがわれた 。これ らの菌 は
かつては ヒ トに 対す る 病原性 が 無視 された ものである
毒菌感染,
が, 日和見感染 (。
pportunistic infection),弱
ー
平素無害菌感染 などと呼ばれ る新 しい 1つ のカテ ゴ リ
の感染症 の原因菌 として重視 され,病 院感染症 の流行菌
株 ともなることも報告 され ている.こ の感染症 は他菌種
表 5 外 科患者由来 の代表的血中分離菌種別抗生剤
耐性率 ( % ) ( 1 9 7 9 。 1 ∼1 2 )
PCC 180 0
DMPPC 60 0
cBPC 十
40 0
c E R l o
K
M
1800
AMK 1 0
0 1 91
1431273
E M 1800
80 0
LC M 60 0
80 0
TC 10
28 6 1
0
18 2
1431 182
1 濃度 d i s c 法
表 6 外 科感染症 よりの代表的分離菌種 別抗生剤耐
性率 ( % )
( 上段1 9 7 6 。1 ∼ 1 2 , 下 段1 9 7 9 . 1 ∼ 6 )
一慨 麟 儲 齢 僻 鶴 隅 饉
をほ
そ の詳細は省略す るが,我 々は ショック発生早期 に積極
Canz catheterを挿入 し,呼 吸循環動態を把
的 に SWan‐
.子
(表 6).
シ ョック対策は表 4に 示 した内容 よ りなるが,呼 吸循
環動態 のモ ニターが極 めて重要な指針を与えて くれ る。
。
ア ミノ配糖体系薬剤 に 効果 が 期待 しうる.嫌 気性菌 の
Bacteroidesに
は LCM,TC,CPの
耐性率 は 低値 であ
の代表的分離菌 の
か
.こ
の
は
ら
った
傾向 外科感染症全般
一
成績 とは必ず しも 致 しない点は注意 す べ き であろ う
亀
■4L
膿菌用 ア ミノ配糖体 が良好 で あ り,Serratia,Pseudom‐
onas aeruginosa以
外 の PSeudmonasに は 抗緑膿菌用
弓
と 毛
を こ
外 には耐性率が低 く,Klebsicllaは AMK,TC,CPの
は 抗緑
効果 が 期待 された 。PSeudOmOnas aeruginosaに
一 一麟 鶴
は CER,TC,CP,AMKに
,
球菌中 StaPhylococCusで
Enterococcusでは CER)ABPC,TC,CPに
耐性率が低
か った .グ ラム陰性将菌 では E.coliは ABPC,KM以
一儲
おけ る1979年度 の成績 の うち代表的な血中分離菌 の抗生
剤耐性率を と りあげ た(表 5).こ の成績 では グラム陽性
0
42.9| 36.4
一 一側 側 齢 隅 儀 儲
に関連あ ると考え られ るので,施 設毎 の最新 の成績 が必
要 である。対象 とした症例 の株数 が少数 のため,教 室 に
1431864
80 0
GM 40 0
8
5
9
︲
ゅ
師
仰 一
9
的
血中分離菌 の抗菌剤感受性 に適合 した化学療法 の有用
性 は今回 の成績 で示 されたが,薬 剤感受生成績 を得 るま
での薬剤選択ゆには菌種別 の薬剤感受性傾向を理解 しお
くことが大 いに参考 になる。この傾 向は頻用 され る薬剤
0
が911溝
28611000
一
ポ リン剤ではその可能性 の強 まる傾向が臨床例 か ら うか
がえる。また,術 後症例 では原疾患,合 併疾患 か ら感染
剤投与 な ど感染防御力を低下 させ る治療法 の頻度 の増加
つ
も, この感染症増大 の生体側因子 と解釈 され ている。
40 0
40 0
ABPC 180 0
に強力な抗菌特性 を示す抗菌剤が多用 され,菌 交代現象
として出現す るとも考えられてお り,と くに近年 に開発,
臨床導入 されつつ ある広域合成ペ ニシ リン,セ フア ロス
防御力の低下 している症例 にまで手術適応 が拡大 され,
同時 に手術侵襲 の増大,放 射線照射,抗 癌剤,免 疫抑制
8号
接 1 由 度 」1 ●
●な
握 して C a r d i O g e n i c c o m p o n e n t d o m i n a n t t y p e , h y P o v o l
emic comPcent dOminant type, vasogenic comPonent
d o m i n a n t t y p e , 3 c o m p o n e t t s d o m i n a n t t y4P型e の
にわ
けた病態 とそれ に基 づ く治療を実施す る方針を とって い
る 。この方法 は 臨床的 に 極 めて 有用 で あ る と 考 え てい
6).
る
1980年 3月
47(955)
V お わ りに
あ らゆ る感 染症 においてその発症機序 の解 明 は最 も基
本的 で あ り,治 療 も含 め る と生 体 一 微生物一 抗菌剤 3者
1)富
術後 の感染症 では手術侵襲を うけた生体 の感染防御力 の
3)醸
変動,細 菌密度 の高 い消化器における汚染防止対策,さ
らに消化器内の常在細菌叢 と生体 との関連性,種 々の菌
学
つ
の
の
の
。化
が
互
ら
と
る
相
関
連
性
必
な
観
点
解
釈
要
消
か
器
の
の
の
と
て
が
い
種
間
共
生
な
ど
さ
病
原
協
同
効
現
れ
性
果
解
残
・
`
医
4)石
る。抗菌特性 のす ぐれた抗菌剤 の導入 は感染症 に対す る
臨
床成績 の向上を もた らす一方 よ り複雑な感染症発生
5)相
れ,安 易な化学療法依存
6)僚
血
の
唇
と
た
反
露
子
艦
畳
愛
難
桑
象
多
手
前
啓
術
手
技
態し
,術
術
後
管理 の重要性を再認識 させ るもの と思われ る。
7)石
文 献
岡 一 :敗 血症 の近況 と抗生物質療法 .慶 応
学 ,53:9-20,1976.
2)童
,:昏
]暑
景
号
17魯
骨
富
暑
暑
[者
螢
替
言
畳
]楊
霜
│]器
啓
を
言
を
督
若
接
倫
暑
署
fl椿
告
番
苫
楊
内
書院,東 京 ,1978.
引久弥ほか :免疫不全息者 における術後感染
川
症.臨 床外科 ,34:1391-1399,1979.
沢洋太郎ほか :細 菌性 シ ョックの治療におけ
晶
母
暑
号
;f苫
督
言
景
暑
│ヒ
魯
暑
楊
暑
魯
暑
ど
母
暑
倫
5!会
医学
総会 々誌 ,1195-1200,1979.
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