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輸血・輸液マニュアル

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輸血・輸液マニュアル
輸血・輸液マニュアル
白鷹町立病院
2007年7月1日改訂3
A.具体的な手順
1.説明と同意
・医師による説明と同意 ⇒ 輸血に関する説明
・説明したら署名捺印してもらう ⇒輸血に関する同意書 記載後カルテに綴る
・血漿成分製剤輸注同意書 記載後カルテに綴る
2.検査依頼
検査室へ輸血検査申込み伝票を提出する。交叉適合試験用の血液を採取し提出する。
検査室でスクリ-ニング結果が出るまで薬局へ注文伝票を下ろさない。
3.血液の発注
・看護師は血液型を確認し、血液注文伝票に必要事項を記入し薬局へ提出する。
(血液型が判らないときは検査依頼をする)
・薬局で血液製剤発注票に必要事項を記入の上、山形県赤十字血液センターへFAX
する。血液センターよりFAX受信確認の返信が届く。
⇒休日または夜間は直接電話で血液センターへ発注する。
4.薬局における確認事項 (薬局へ血液が届いたら)
1)血液製剤発注票と確認の上、検品する。
2)届いた血液製剤を血液製剤管理簿に必要事項を記入する。
3)注文した各科へ連絡する。
4)薬剤師と看護師のダブルチェックの上、血液製剤を保冷バッグに入れ、血液製剤管
理簿と共に検査室へ搬入する。
5.検査室での確認事項
1)保冷バッグで検査室に輸血血液搬入する。
2)確認のため、また、ラベルテープに貼る血液番号をとるため血液製剤を取り出す。
3)血液製剤管理簿で確認の上、輸血検査申込み伝票に使用血液番号記載。
4)患者情報(カルテNo、氏名、年齢、診療科、当日日付、血液番号)を血液型毎に色分
けしたラベルテープに確認しながら記載。
5)血液製剤管理簿・輸血検査申し込み伝票・ラベルテープそれぞれ看護師・技師で読
み合わせしながら確認。
6)ラベルテープを血液製剤に貼る。
7)ラベルの貼られた血液製剤を保冷バッグに入れ、薬局へ搬送。
6.血液の保管
薬局にて保管。
7.試験結果の保管
検査室で交叉試験が終了したら、輸血検査申込み伝票がナースステーションに届く。
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交叉試験で不適合の場合は検査技師が主治医に連絡する。
⇒カルテに綴る
血液製剤管理簿は検査室から交叉試験終了のサインが入って薬局へ届く。
8.血液の出庫方法
当日使用分の血液を薬局より出庫するには、出庫伝票により、薬剤師と看護師のダブル
チェックで血液製剤管理簿に必要事項を記入の上出庫する。
2本以上の時は病棟の冷蔵庫で一時保管。
9.使用前の確認
看護師2人以上で声を出してカルテと血液型照合し、シールをカルテと伝票に貼り二人
のサインをする。
※照合事項 カルテN0、氏名、年齢、診療科、当日日付、血液番号
2本以上の時はその都度チェックする。
10.アフターフォロー
3ケ月後追跡調査をするため、退院の場合外来カルテに血液製剤使用日を記載する。
B.輸血事故防止のチェックポイント
1.事前準備
書類、カルテの点検をする。必ず伝票で確認し、電話など口頭での確認はしない。
1) 患者輸血同意書 (医師の説明と同意)
2) 血液型判定の検査結果 本人にも告げる
3) 医師の指示 血液注文伝票 薬局への提出
4) 輸血検査申し込み (交叉適合試験) 検査室への提出
2.輸血製剤の照合確認
輸血製剤の受領時、準備時、実施時には以下の項目すべて、各部署にて2人以上で照
合しサインをする。指をさして声を出し復唱する。
1) 患者氏名、カルテ番号、年齢、診療科、血液番号
2) 血液型判定の検査結果 (ABO式、Rh式)
3) 輸血製剤の血液型及び血液製造番号
4) 血液製剤管理簿の血液型及び血液製造番号
5) 交叉適合試験結果
6) 有効期限
7) 輸血製剤の外観(色調、溶血等の異変)
3.患者さんの取り違え防止のために
リストバンドは輸血に同意した患者さんに遅くとも交叉試験提出時までには装着する。
1) 自分の名前を名乗ってもらう。
2) ベッドネーム、リストバンド、血液型の確認を患者さんに見せながら声を出して行
なう。
3) 自分の名前が名乗れない場合は、さらに2人以上で患者さんの確認を行なう。
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4.輸血中の観察
1) 開始5分間はベッドサイドを離れず、状態を観察。
2) 5分後、ベッドサイドを離れる時にもう一度血液型を確認する。
3) 5分後、再度状態観察をする。その後も適宜観察し、異常の早期発見につとめる。
4) 終了時も再度輸血バックを確認する。
輸液マニュアル
A.輸液の調合
1.薬剤師と看護師が協同し、ナースステーションで調合を行う。
2.十分に石鹸、流水で手洗いをし、ぺ-パ一タオルで拭いてから調合を行う。
3.少しでも清潔操作が疑わしい場合には、ためらわずに輸液製剤や輸液ラインなど
を全て廃棄し、新たに調合し直す。
B.使用物品
1.アルコール綿は、毎朝8時30分に容器ごと交換する。前日の残ったアルコール綿は
廃棄する。
2必要な患者にはヘパフラッシュ(テルモ)を使用する。
C.末梢静脈ライン
1.必要な患者に、必要時、必要期間に限り施行する。
2.留置針挿入者は、十分に石鹸、流水で手洗いをし、ペーパータオルで拭き、70%ア
ルコール消毒液を噴霧してから施行する。
3.刺入部は上肢を優先とする。
4.アルコール綿にて刺入部を消毒する。アルコールは自然乾燥させる。イソジン消毒は
必ずしも行わなくてもよい。
5.留置針刺入部には透明ドレッシング材を使用する。ドレッシング材は滅菌でなくてもよ
い。
6.刺入日を記入し、留置針および輸液ラインは72~~96時間で交換する。
7.刺入部の観察は毎日行う。感染が疑われる場合には、速やかに留置針を抜去する。
8.三方活栓の使用は可能とするが、はずしたキャップと接続口はアルコール綿で十分消
毒する。
9.輸血、血液製剤、脂肪乳剤を投与した場合は、留置針および輸液ラインは24時間(1
日間)で交換する。これらは、あらかじめ別にラインをとって投与することが望ましい。
10.側管注の輸液ラインは、使い捨てとする。
D.中心静脈ライン
1.中心静脈ラインを挿入する医師は、十分に石鹸、流水で手洗いをし、ペーパータオル
で拭き、70%アルコール消毒液を噴霧してから施行する。マスク、帽子を着用する。
2.刺入部はイソジンで消毒する。刺入部の汚染がひどい場合などを除いて、アルコール
綿での清拭は省略してもよい。
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3.滅菌手袋を着用する。
4.十分な大きさの滅菌覆布をかけ、清潔野を十分確保する。
5.穿刺後は、刺入部をイソジンで消毒し、滅菌したドレッシング材で覆う。
6.中心静脈ラインは、72~96 時間ごと(週 2 回)交換する。
7.刺入部の観察は毎日行う。感染が疑われる場合には、速やかにカテーテルを抜去し、
刺入部位を変えて挿入する。
8.輸血、血液製剤、脂肪乳剤は、原則として末梢ラインより投与する。
E.血液製剤(アルブミン製剤、γ-グロブリン製剤等)投与時の注意点
1.薬局に血液製剤使用管理簿を置く。(この管理簿は20 年間保存する。)
2.血液製剤使用の指示が出た場合、薬局で血液製剤使用管理簿に患者ID番号、氏名、
血液製剤名、Lot 番号及び投与日を記載する。
3.血液製剤投与時は、看護師が外来ではカルテに、入院では看護記録に Lot 番号シ
ールを貼る。
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