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観光立町実現に向けた理念と目標、観光立町実現に向け

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観光立町実現に向けた理念と目標、観光立町実現に向け
富士河口湖町観光立町推進基本計画
(平成 21 年 6 月 15 日現在 最終報告書案)
“住民一人一人が楽しく参画する観光まちづくりプラン”
2009 年 3 月
富士河口湖町
目
次
■富士河口湖町観光立町推進基本計画
0.計画の目的
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
1
1)計画の目的
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
1
2)計画の期間
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
1
3)観光立町とは
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
2
4)富士河口湖町の観光の現状
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
4
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
9
1)社会状況等の変化
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
9
2)観光動向・ニーズ
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
12
1.後期計画策定にあたっての視点
3)前期計画に基づく施策の進捗状況・目標達成度 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 14
2.観光立町実現に向けた理念と目標
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 16
1)理念
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
16
2)将来像
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
18
3)目標値の設定
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
21
3.観光立町実現に向けた方向性
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 24
1)全体の方向性
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
24
2)施策の骨格
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
26
3)ゾーン別の方向性
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
27
4)観光動線整備の方向性
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
29
4.観光立町実現に向けた施策
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 30
1)前期計画からの施策見直しの視点
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
30
2)施策の体系
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
31
3)全体施策
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
35
4)戦略プロジェクト
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
76
5)ゾーン別施策
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
77
5.計画推進のための留意事項
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 84
1)まちづくりに関わる各主体の連携体制の確保 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
84
2)計画推進の仕組み
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
87
3)適切な観光統計の実施
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
90
4)世界遺産登録を踏まえた取組み
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
91
~
よくある質問に対する索引
質問
~
掲載ページ
Q.何のためにつくった計画な
の?
⇒
p.1
計画の目的
Q.
『観光立町』、
『観光まちづく
り』って何ですか?
⇒
p.2
観光立町とは
p.7
観光まちづくりとは・・
Q.富士河口湖町の観光地とし
ての魅力は何なの?観光地
としての問題はどこにある
の?
⇒
p.4
富士河口湖町の観光の現状
Q.町は観光ばかりに力を入れ
すぎじゃないの?
⇒
p.5
観光産業振興とまちづくり(地域振興)の
関係の現状と課題
Q.これからどんな町になる
の?
⇒
p.8
地域のそれぞれの人に観光まちづくりの効
果がある
p.16
観光立町実現に向けた理念と目標
p.24
観光立町実現に向けた方向性
p.30
観光立町実現に向けた施策
p.5
観光産業振興とまちづくり(地域振興)の
関係の現状と課題
p.84
まちづくりの各主体の連携体制の確保
p.35
まちづくりと観光に関わる人材の育成
p.36
住民の観光意識の向上と接遇向上
p.37
住民参画の促進
p.48
国際交流の推進
Q.具体的に私たちの周りで何
がおこなわれるの?
⇒
Q.観光に携わっている人以外
も観光まちづくりに参加す
るの?
⇒
Q.私たちが気軽に参加できる
機会はあるの?まずは何を
すればいいの?
⇒
Q.観光開発で、自然環境が悪
化しませんか?
⇒
p.91
世界文化遺産登録を踏まえた取組み
Q.この計画は本当に実現でき
るの?
⇒
p.1
計画の期間
p.84
計画推進のための留意事項
富士河口湖町観光立町推進基本計画
0.計画の目的
1)計画の目的
本計画は、平成 19 年3月に施行された「富士河口湖町観光立町推進条例」に基づき策
定するものである。
条例第1条で、目的として、
『活力ある地域づくり、本町経済の持続的な発展及び町民生
活の向上に資すること』
と謳っており、このために、施策を総合的かつ計画的に推進するとしている。
富士河口湖町の主要産業である観光産業の振興と、そのための施策の推進の過程と結果
により地域住民の豊かで幸福な暮らしを創造する“まちづくり”を推進することを目的と
している。
条例第7条では、そのために計画づくりを行うことを、
『観光立町の実現に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、
富士河口湖町観光立町推進基本計画を定める』
としており、これに基づき、総合的かつ計画的に推進する施策の策定を行うものである。
また、計画策定の進め方として、条例第7条3項において、基本計画を定めるにあたっ
ては、あらかじめ、町民等の意見が反映されるよう必要な措置を講じるとともに、第 23
条に定める、『富士河口湖町観光立町推進会議』の審議を経るものとしている。
2)計画の期間
本計画の計画対象期間は 10 年とし、本計画が定める長期目標の達成状況を点検するた
めにできるだけ具体的な指標を示した前期5ヵ年の中期目標を定め、5年後にその進捗状
況を踏まえた見直しによる後期5ヵ年の中期目標を定めることとする。
基本計画
前期中期目標
後期中期目標
平成 21 年 4 月 1 日~平成 31 年 3 月 31 日(10 年間)
平成 21 年 4 月 1 日~平成 26 年 3 月 31 日(5年間)
平成 26 年 4 月 1 日~平成 31 年 3 月 31 日(5年間)
なお、基本計画の各施策を具体的に実施し、中期目標を達成するために、行政の施策運
営上見通しの付けやすい3年程度の期間をもって実施計画を定めるものとする。
1
3)観光立町とは
<観光立国>
・平成 19 年6月 29 日に閣議決定された、
「観光立国推進基本計画」によれば、観光立国
とは、「地域における創意工夫を生かした主体的な取組みを尊重しつつ、地域の住民が
誇りと愛着を持つことのできる活力に満ちた地域社会の持続的な発展を通じて国内外
からの観光旅行を促進すること」で「将来にわたる豊かな国民生活」を実現することで
ある。
・これを実現するために、理念において、
①地域の主体的な取組みによる「住んで良し、訪れて良しの国づくり」が重要
②国民の観光旅行の促進が図られなければならない
③国際的な視点に立たなければならない
④行政・住民・事業者らの相互の連携の確保が重要
といったことを規定している。
・そして、観光立国の意義として、
~観光交流人口の拡大による日本の再生~
-人が行き交う、開かれた美しい国づくり-
をあげている。
<観光立町>
・富士河口湖町の産業別人口構成は、第1次 2.2%、第2次 30.1%、第3次 67.7%(05
年国勢調査、旧上九一色村を除く)と全国の平均的な構成に近いが、第3次産業におけ
る「宿泊、飲食サービス業」の割合が高いことが推定される。
・観光関連の産業は、地域内での経済波及効果が高く、観光消費額の2倍近い経済波及効
果(平成 17 年度の日本の旅行消費の経済効果は 2.3 倍あったと推計-国土交通省)があ
ると言われている。これは、製造業(1.4 倍程度)などに比して高い効果である。また
近年、経済活性化効果の高い産業として注目され、全国で観光まちづくりに取組む地域
が増加している。
・観光を基軸にしたまちづくりの効果としてもう一つ期待できるのが、社会的な効果であ
る。具体的には、来訪者との観光交流の機会を活かして、伝統的な行事や伝統工芸の振
興、生活環境整備等によるアメニティの向上、また住民の生き甲斐づくり等の場面にお
いて意識の維持・向上に貢献する。
・富士河口湖町における観光立町とは、まちづくりの方法として、経済波及効果、社会的
効果の高い観光交流を基軸に、住民、事業者(関連事業者も含め)、行政が一体となっ
て、それぞれが主体的に取り組むことで、地域全体の価値を向上させ、持続的な地域づ
くりを進めるものである。
・この取組みに対して、それぞれの主体が自らの役割について充分な認識を持ち、積極的
な態度を維持することが計画の推進に欠かせないものとなる。
2
・富士河口湖町においては、既に「富士河口湖町観光立町推進基本条例」が施行され、そ
の目的は第1条であげられているように“活力ある地域づくり、本町経済の持続的な発
展及び町民生活の向上に資すること”で、暮らしの豊かさが総合的に向上することであ
り、具体的には、以下のようなことがあげられる。
●活力ある地域づくり:
・地域住民の生き甲斐・生活の楽しみづくり
・楽しくまちづくりに参画する意識の醸成
・住民が協力して取り組む仕組みづくり
・伝統行事の維持、伝統工芸の維持等地域文化の振興
等
●本町経済の持続的な発展:
・観光を軸とした経済の持続的振興
・経済の活性化による住民の安定的収入の確保
等
●町民生活の向上:
・環境整備による空間の質の向上
・生活空間のユニバーサル化※1によるアメニティ※2の向上
・防災、防犯対策の推進による住民の安心・安全の向上
等
・以上のような効果を具体化し、それを維持し続けることが富士河口湖町にとっての“観
光立町”である。
※1 ユニバーサル化:できるだけ多くの人が利用可能にすること
※2 アメニティ:快適さ、心地よさ
3
4)富士河口湖町の観光の現状
(1)富士河口湖町の観光の現状と問題点
・富士河口湖町の観光は、主に団体旅行に対応するかたちで発展してきたが、団体旅行の減少傾向
等大きく観光の志向が変化している中で、個別に見れば、外国人観光客の受入れを進めたり、個
人客対応にモデルチェンジするなど経営努力も進められつつあるが、まち全体としても引き続き
対応が求められている状況にある。
・観光地整備に関しては、富士山だけに頼らない観光地を目指し、確実に観光施設や体験
プログラムの充実を図り、地域産業として発展してきているが、点と点を繋ぎ、面的に
捉える環境整備が進んでいない部分が残り、これが、観光客が良好な観光地と感じる上
で妨げになっている場面が見られる。
・また、資源活用に関しても、最大の魅力であり、国際的にも誇ることの出来る富士山や
湖水湖岸、森林山岳環境を持続的に活用する手法の模索が始まったところであり、今後
どのように広げていくのかといったところまで充分に認識が深まっていない状況にあ
る。
・すなわち、これまでの取組みは充分に機能を果たしてきたが、観光の志向の大きな変化
に対して、まちとしてどのように対応していくのかという点については共通認識が得ら
れておらず、足踏み状態にあり、ターゲットや提供する観光の魅力等、将来を見据えて
見直すべき状況に置かれている。
・今後は、
●入り込みの問題:
・観光客について単純に数が多ければ良いというものではなく、施設や地域の経営を
考えて、どのような人にどのくらい来て欲しいのかを考える必要がある。どのよう
に過ごしてもらいたいかを想定し、そのための対策を検討していくためには、まず
は“数”より“滞在時間(一人当たりの)
”を重視した入り込みの捉え方を共有化す
ることが必要である。
●滞在環境の問題:
・ヒューマンスケールの散策環境などについては必ずしも良い印象ばかりではなく、
猥雑とした街並みや湖畔環境の改善が必要となっている。滞在環境は観光地の基礎
を築く重要な観光資源であり、景観整備や外部空間の快適性の向上等重要な要素と
なっている。
・特に富士河口湖町は、日本唯一の富士山を擁し、4つの湖を抱える観光地であり、
国民的な要望に応えうる環境整備の責務を担っている。
4
●「もてなしの質」の問題:
・宿泊施設、飲食店、土産品店等の来訪者への接客の最前線でのもてなしに加え、観
光行動の背景となる農業の風景の中での農家とのふれあいや、散策などを行う際に
出会う地域の子どもたちなどとのふれあいも、来訪者にとっては“地域のもてなし”
として判断し、地域の評価を行うものである。
・このことは来訪者に対してだけでなく、住民同士のコミュニケーションとしても重
要な要素である。人と気持ちよく接することができる住民の多いまちは、来訪者に
とっても心地よいまちとなる。
●プロモーションの問題:
・将来的な観光の動向把握の問題も含めて、戦略的にプロモーションを実施できる体
制が十分ではないことも問題である。
・これは、地域のマネジメントを行うようなDMO(DM=ディスティネーションマネ
ジメント、ディスティネーションマーケティング O=オーガニゼーション(組織))
的役割が育っていないためであり、半ば場当たり的なプロモーション活動となって
いることから、先ずはプロモーション活動とその評価を行える体制づくりを進める
ことが課題となる。
●観光先進地としての役割:
・関東という日本最大の市場を前にし、日本を代表する資源を保有している富士河口
湖町には、その資源性を保全しながら持続的に活用していく手法を創造していく責
務が課せられている。
・国民的な財産を共有化していくために、国民全体(住民と来訪者)で支える仕組み
づくりが重要であり、その財源を広く来訪者に求めるような具体的な制度づくりを
来訪者と一緒になって構築していくことが求められている。
といった面で課題解決を進めていく必要がある。
(2)観光産業振興とまちづくり(地域振興)の関係の現状と課題
・まちづくりは、住民の幸福(豊かで快適な暮らし)のための取組みとその継続であり、
そのため産業振興に大きく関わるが、それだけがまちづくりではないということに対す
る住民の理解が充分ではない。住民の幸福のために何をなすべきかという根本的な発想
から、暮らしの向上と産業振興を結びつけて考えることに対する共通認識が得られてい
ない面がある。
・しかし、富士河口湖町においては、観光産業振興が偏重されてきたというイメージ(実
際には、平成 19 年度決算では、商工(観光)費は町予算の 3.8%程度)を持っている
人も少なくはなく、観光産業振興を基軸に他の産業を連携させ、また、住民の暮らしを
豊かにすることに繋げていこうとする意識が育っていないということに問題があると
いえる。
5
・この傾向は住民意識だけでなく、行政内部にもあり、そのことが行政施策の横の繋がり
を阻害していることも大きな問題である。
・これは、観光まちづくりと産業振興の関係に対する認識が曖昧で、最終的な住民の幸福
のために何をすべきなのかということの共通認識が充分に確立していないという面が
あるからだと考えられる。
・こうした問題は、“観光地”と呼ばれる地域には多少の違いはあるが、どこにでも存在
するものであり、富士河口湖町特有の問題点ではないが、重大な課題であることは確か
であり、この課題を克服しない限り、まちづくりは進まないといっても過言ではない。
・このため、全国的にも叫ばれつつある“観光まちづくり”というまちづくりの進め方が
必要とされるが、このまちづくりの進め方そのものもまだ芽生えたばかりで、富士河口
湖町が独自にその手法を創造し、進める必要がある。(p7参照)
・まちづくりの本旨である、まちとしての暮らし良さ、住み続けたいと思える環境維持は、
結果的に観光振興に繋がるものであり、まちづくりを進めることが観光産業振興にもつ
ながるものであるということ、まちづくりがなければ豊かな観光地に成り得ないことを
住民が深く理解することが先ず求められ、一番の課題となっている。
・つまりは、
●住民にとっても誇りとなる美しく暮らしよい環境整備を進める
●住民の文化的環境を向上させ誇りと愛着を育む
●まちの産業に対する住民の正しい理解を深める
●産業間の連携を深め、相互支援により産業全体の底上げを図る
といったことが今後の“まちづくり”の課題となる。
6
観光地におけるまちづくり→
『観光まちづくり』←観光を意識したまちづくり
富士河口湖町にとっての“観光まちづくり”とは・・・
<観光まちづくりという言葉>
これまでも“観光からのまちづくり”や“住んで良し、訪れて良しのまちづくり”など、
観光を一つの産業と捉えるのではなく、
“観光”という“魅力的なものに人が興味を持って訪
れる”行為(人間活動)を活かして、地域の文化的、経済的、環境的な質を向上させ、活気
ある地域づくりが各地域ですすめられて来た。
そうした取組みに、 “観光まちづくり”という言葉が用いられたのは、2000 年 12 月にま
とめられた、観光政策審議会の答申『21 世紀初頭における観光振興方策』のなかで主要施策
の柱の一つとして掲げられたのが初めてといわれているが、そのことがすぐにまちづくりの
取組みなどで使われては来なかった。
<まちづくりの視点から観光を捉えて>
しかし、約 10 年が経過し、少子高齢化などにより、定住人口を基礎にした都市計画等の手
法ではなかなか解決できない“まちの活力の低下”等の問題がより深刻化するなかで、交流
人口を基礎にした観光地計画等の意義が徐々に認識されて来るに至り、従来の“まちづくり”
の側からも様々な機会で“観光まちづくり”という言葉が使われるようになってきている。
そこでまちづくりの将来像を描く際には、この観光まちづくりという言葉の意味を共有化し
ておく必要性が増してきている。
観光政策審議会の後、
「観光まちづくり研究会」
(国土総合研究機構)で 2000 年に作成した
『観光まちづくりハンドブック』においては“
『住み続けたい』、
『訪れてみたい』と思わせる、
魅力と活力あふれる、持続的な地域の実現”を達成するための取組みを“観光まちづくり”
と位置付けており、これを一般的な定義とすることができる。
観光まちづくり
観光施設だけでなく、まちそのものの
魅力が求められるようになっており、
観光地にとって住み良い豊かなまち
づくりが欠くことが出来ない
活力ある美しいまちを形成することで
まちそのものが観光の対象となる。ま
ちづくりに観光的な視点を加えること
は、まちづくりの総仕上げに繋がる
観光地づくり
まちづくり
<観光地づくりをすすめてきた富士河口湖町での“観光まちづくり”>
改めて、富士河口湖町において『観光まちづくり』について考えると、2007 年 10 月より観
光地域プロデューサーが赴任し、その取り組みの中で“観光まちづくり推進会議”が組織さ
れている。
ここでは、
『観光は旅館や土産品店のものではなく、農業にとっても、工業にとっても、商
業にとっても、また町民生活一般にとっても大切なものとするように「町民と観光客の心の
交流を全町民の経済に繋げるような」町民自らの活動によって観光を町全体のものにしなけ
ればならない。それが町民主体の「まちづくり」である』としている。
これまで、観光地づくりを主体に進めてきた富士河口湖町においては、住民にとっても魅
力的で住み良いまちづくりが観光地づくりに結びつくという認識に立ち、住民主体のまちづ
くりを進める手法として“観光まちづくり”を捉え、教育分野、福祉、産業振興など様々な
分野を結びつけて総合的に振興を図るための施策として取組む体制を整えつつ、計画づくり
に取り組んでいるところである。
7
■地域のそれぞれの人に観光まちづくりの効果がある
8
1.後期計画策定にあたっての視点
1)社会状況等の変化
●東日本大震災の発生
・平成 23 年3月 11 日に発生した東日本大震災は、その後の原子力災害もあり、観光業界
に大きな影響を与えた。このような中、観光地における観光危機管理(帰宅困難者対応、
正確な情報収集・発信 等)の必要性に対する認識も広まりつつある。
<後期計画策定の視点>
⇒自然災害の発生を想定した、観光危機管理にあたっての行政、観光連盟、観光事業者
等の役割分担を明確にし、災害時の情報発信や協力体制を構築することが求められる。
●富士山の世界文化遺産登録
・平成 25 年 6 月 22 日に富士山および関連する文化財群が「富士山-信仰の対象と芸術の
源泉」の名で世界文化遺産に登録された(日本の文化遺産としては 13 件目)。
・世界文化遺産登録により、メディアに取り上げられる機会も増加しているが、9月末に
富士五湖観光連盟が東名高速道路の富士川SAで実施したアンケートでは、世界遺産登
録に対する認知度は高いものの、
「文化遺産」との認知度は 55.4%となっており、富士山
の“文化遺産”としての価値は十分には認知されていないのが現状である。
・
「フジヤマNAVI」が実施したアンケートでは、富士山の世界遺産登録に対する認知度
について、中国人は認知度が比較的高いのに比べ、韓国人、台湾人はそれぞれ 66.0%、
59.5%と、まだ世界遺産登録の認知が十分には広がっていない状況が伺える。
・富士吉田商工会議所が富士北麓地域の事業所に対して 10 月に実施したアンケート結果
(209 事業者配布、63 事業者回答)では、富士山の世界遺産登録に伴う売り上げや客足
などの影響について、6割超の事業者は「影響がない」との回答となっている。観光客
の増加が商業の活性化にまだ上手く結びついていない状況も伺える。
■富士山の世界遺産登録に関する認知度
本計画は、平成 19 年3月に施行された「富士河口湖町観光立町推進条例」に基づき策
定するものである。
出典:フジヤマ NAVI(http://www.fujiyama-navi.jp/report/heritage130822/)
9
<後期計画策定の視点>
⇒富士山が世界文化遺産に登録され、登山客は史上最高を記録しているが、宿泊客数は
増加しておらず、麓での滞在につながっていない。個人客であれば麓でもう1泊して
観光するという行動もあり得るが、旅行商品の場合、2泊の商品にすると料金が高く
なるため、5合目で宿泊する1泊2日の商品が多い。そのため、世界文化遺産登録を
観光振興につなげていくための対応策を立案し、後期計画の中で位置付けていくこと
が求められる。
⇒既往アンケート結果を見ても、文化遺産としての認知度は高いとは言えず、周辺も含
めた“文化遺産”としての富士山の魅力をしっかりと発信していくことが重要となる。
そのためにも、文化遺産としてのストーリー立った“見せ方”の強化を図るなど、世
界文化遺産に対して高まる来訪者の期待に如何に応えていくかが課題となる。
●外国人観光客の動向(東南アジア観光客の増加)
・訪日外国人数は、2008 年のリーマンショック、2011 年の
東日本大震災、2012 年の尖閣諸島問題等で停滞または一時
■外国人宿泊客数
(各年9~8月の 12 ヶ月実績)
H20-21
138,400 人
H21-22
178,359 人
H22-23
86,306 人
8月の実績(138,400 人)と比べて約1割減少している。
H23-24
106,022 人
外国人宿泊客数は東日本大震災の影響で大きく落ち込み、
H24-25
125,799 人
減少したが、2013 年には初めて 1,000 万人を超えた。
・富士河口湖町における外国人宿泊客数は、H24 年9月~H
25 年8月で約 126,000 人と震災前のH20 年9月~H21 年
かなり戻ってきてはいるものの、まだ震災前の数値までは回復していない。
・一方、富士河口湖町では、タイ人観光客の増加が顕著となっている。今年の7月からタ
イとマレーシアは日本への短期滞在ビザが不要となったこともあり、タイをはじめとす
る東南アジアからの観光客の増加傾向は今後も続くものと推察される。
■富士河口湖観光総合案内所 外国人来所者数
(人) 16,000
14,000
12,000
10,000
8,000
6,000
4,000
2,000
0
タイ
台湾
中国
シンガポール
香港
オーストラリア
アメリカ
フランス
マレーシア
インドネシア
イギリス
2001年 2002年 2003年 2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年
135
239
66
344
1,150
402
1,420
382
120
43
977
93
466
158
530
1,435
706
1,865
415
63
17
1,794
151
309
152
530
1,269
602
1,316
504
116
54
1,371
195
485
193
460
1,361
784
1,533
647
65
56
1,545
300
469
168
555
1,222
706
1,790
733
138
47
1,563
287
423
229
741
1,533
820
1,680
894
142
69
1,675
10
635
668
664
937
1,597
1,369
1,930
1,431
157
44
1,808
1,029
954
512
1,426
1,603
1,897
1,739
1,928
206
90
1,623
1,548
722
779
1,640
1,265
2,036
2,100
2,374
351
119
1,232
2,826
1,724
1,491
2,691
1,868
2,407
2,241
2,775
609
303
1,567
2,421
1,545
1,228
1,417
961
1,346
1,247
867
659
406
787
7,588
3,474
2,707
2,200
2,074
2,320
2,240
1,922
1,886
1,604
1,327
14,746
6,935
4,323
3,696
3,439
3,217
2,861
2,776
2,713
2,459
1,503
●2020 年東京オリンピック・パラリンピック招致
・2020 年の東京オリンピック・パラリンピックの開催は、これまで日本への関心が高くな
かった外国人旅行者の訪日意欲を喚起し、観光産業に大きな波及効果をもたらすことが
期待されている。
・オリンピック開催期間に観戦目的で訪日する外国人旅行者の増加だけでなく、事前プロ
モーションや関連する催事などのメディア露出に伴う訪日意向の拡大も想定される。
<後期計画策定の視点>
⇒5年前と比べて外国人観光客数は増加しているが、その構成比は、尖閣諸島国有化の
問題から、中国人客が減少し、タイやシンガポール、マレーシア、インドネシアとい
った東南アジアからの旅行者が急増している。また、団体旅行から小グループや個人
の旅行者が増加している。このような状況を踏まえ、MICE※誘致を含めたターゲッ
トを絞った戦略的なプロモーションが必要である。
⇒東南アジア観光客の増加を踏まえると、今後は食事等におけるイスラム教対応が課題
となる。
⇒また、案内サインやサービスの多言語化、無料公衆無線LANの整備、各種セミナー
の開催など、外国人観光客の受け入れ体制の更なる充実が求められる。
●スマートフォン・SNS等の普及
・近年では、スマートフォンやタブレットPC、双方向型の情報発信であるSNS(ソー
シャル・ネットワーキング・サービス)等が普及している。
・SNS等の進展により観光客や地域住民の体験やお勧め情報を「生の声」として提供す
ることが容易になり、こうした情報を求める観光客も増えている。SNSを介して見た
場所に惹かれて出かけたり、SNSで知り合った友人に会うために出かけたりするなど、
SNSをきっかけとした外出・旅行需要が新たに生まれている。
<後期計画策定の視点>
⇒今後、スマートフォンユーザーやSNSユーザーのニーズや特性を踏まえたコンテン
ツの充実が求められる。また、町の観光情報総合サイトでは facebook ページを作成し、
情報発信を行っているが、今後、SNS等を情報発信に有効に活用していく上では、
専門家による監修など、サイト運営の体制強化が求められる。
※企業等の会議(Meeting)、企業等の行う報奨・研修旅行(Incentive Travel)、国際機関・
団体、学会等が行う国際会議(Convention)
、展示会・見本市、イベント(Exhibition/Event)
の頭文字で、多くの集客交流が見込まれるビジネスイベントなどの総称
11
●町村合併(H15.11.15)から 10 年が経過
・町村合併から 10 年が経過し、地域間連携による広域観光も定着しつつある。
・一方、国による市町村合併に係る地方財政措置は、合併から 10 年間(その後5年間の緩
和期間)であり、富士河口湖町では平成 26 年度から交付税措置の減額が始まり、32 年度
をもって交付税措置が完全に終了する。これによりおよそ9億円の歳入が減少する見込
み。
・社会保障費に代表される義務的経費が増大する流れの中で、観光のような投資的経費の
増大は期待しにくい状況。
<後期計画策定の視点>
⇒地域間連携による広域観光の更なる定着化を目指すとともに、厳しい財政状況を踏ま
え、観光推進の軸足を行政から民間へシフトしていくことが必要。
2)観光動向・ニーズ
●「自立型」の観光まちづくり組織の展開
・観光ニーズの多様化、成熟化、また人口減少や厳しい財政状況といった社会情勢から、
観光協会等の観光関連組織にも多様な役割が期待されるようになっており、自立した財
政基盤を持ち、行政と対等なパートナーシップを持って活動している観光まちづくり組
織も増えつつある。
・具体的には、不断のマーケティング調査に基づき地域の観光戦略を立て、自ら地域資源
を商品化して観光客を呼び込むような取組みを行っている組織であり、これら取組みを
展開するために必要な収益事業を行い、行政の補助金に頼らない自立的な活動を展開し
ている。
・各地の観光協会でも法人格を持ち、上記のような取組みを展開している地域が増加して
いる。
<後期計画策定の視点>
⇒観光地の振興を考える上で、行政と民間の間にある観光協会の役割は重要であり、こ
れらが観光地域づくりの推進組織として力を発揮している地域は観光振興に成功して
いる場合が多い。そのため、更なる観光振興に向けては、法人化による有料サービス
の提供も視野に、観光連盟の機能強化に関する取組みが求められる。
12
●観光施設等に対する満足度/ニーズ・要望等(H25 年度調査結果)
・観光施設等に関する評価で、総合満足度で「満足」との回答率は、平成 20 年度の調査結
果と比べて 10%以上増加している。一方、「宿泊施設」については、「満足」との回答率
が約 20%減少している。
■観光施設等に対する満足度(平成 25 年度、20 年度比較)
0%
総合満足度
10%
20%
飲食施設
地域の人の対応
H25
8.6%
29.3%
H20
36.6%
39.3%
20.6%
H25
32.9%
31.4%
35.5%
H20
41.0%
H25
40.7%
H25
H25
H25
28.8%
47.9%
41.5%
31.7%
やや満足
やや不満
4.5% 1.6%
8.0%
19.0%
28.2%
どちらともいえない
0.6%
1.7%
0.3%
4.3%
4.8% 0.7%
17.6%
37.0%
59.7%
満足
0.3%
1.5%
26.9%
30.3%
40.0%
H20
28.8%
17.2%
35.2%
43.2%
1.0%
6.6% 0.6%
19.7%
35.8%
0.7%
6.3% 1.0%
19.6%
35.4%
0.0%
19.1%
30.1%
40.3%
2.8%
6.6%
22.4%
32.7%
0.5%
6.4% 0.3%
29.5%
34.8%
3.2%
3.9%
31.5%
31.4%
0.0%
2.4%
5.9% 0.2%
1.0%
27.6%
20.2%
29.0%
0.1%
0.7%
7.3%
1.6%
38.1%
H25
4.2%
7.2%
28.0%
65.3%
0.5%
1.5%
7.3%
29.8%
62.5%
100%
11.1%
37.8%
H20
宿泊施設
90%
H25
H20
道路標識等のわかりやすさ
80%
33.1%
59.3%
H20
情報提供
70%
60.9%
H25
H20
休憩スペース
60%
38.9%
H20
観光施設(宿泊施設以外)
50%
45.7%
H20
自然環境
40%
56.3%
H25
H20
風景
30%
7.6%
3.5%
3.6%
1.0%
0.5%
0.9%
不満
・富士河口湖町での観光に対するニーズ・要望としては、主に以下のものが挙げられてい
る。
<ニーズ別の情報提供>
○(子どもの)年代別のおすすめ観光スポットに関する情報があるとよい。
○車がなくても行ける施設の情報がほしい。
<ペット連れの旅行者に対する対応>
○ペットと入れる施設(飲食施設、観光施設、宿泊施設)の情報がほしい。
○料金が発生してもよいので、ペット連れの対応があった方がよい。
<地域らしい「食」>
○地域らしいものが食べられるお店がもう少し増えるとよい。
○飲食施設が目に付かない。地域らしい美味しいものを食べたい。
<後期計画策定の視点>
⇒平成 20 年度の調査結果と比べて評価が低下している「宿泊施設」について、何らかの
対応が求められる。
⇒主な要望として挙げられた「ニーズ別の情報提供」
「ペット連れの旅行者に対する対応」
「地域らしい「食」」等に対する何らかの対応が求められる。
13
3)前期計画に基づく施策の進捗状況・目標達成度
・基本計画に位置づけている施策について、大部分の施策はこの5年間で事業を実施し、
その成果も確認することができるが、まだ実施できていない事業もある。
・基本計画に基づく取組みの達成度を測る 14 の指標の内、平成 25 年の目標を達成できて
いるものは7項目となっている。なお、目標を達成できていない項目の内、
「⑩宿泊者数
の増加」「⑫外国人宿泊者数の増加」に関する指標ついては、平成 19 年実績を下回って
いる。(目標達成状況については、次ページ参照)
<後期計画策定の視点>
⇒施策については、上述した社会状況の変化や観光動向・ニーズを踏まえ、必要な施策
を追加する必要がある。また未実施の事業については、後期計画における事業の位置
づけについても再検討が必要である。
⇒目標の達成状況では、外国人を含めた宿泊者数が平成 19 年実績を下回っており、宿泊
地としてのPR強化、温泉地としての認知向上を図る必要がある。外国人宿泊者の受
け入れについてはキャパシティの問題もあることから、小グループや個人客をターゲ
ットとしたセールスプロモーションも求められる。
⇒中小規模の宿泊施設では、オフシーズンは閉めている施設も少なくないことから、宿
泊者数を増やすためには、このような中小規模の宿泊施設を中心に、オフシーズンの
集客に関する何らかの対策を講ずる必要がある(一人旅ニーズの取り込み等)。
⇒また経営者が高齢な施設では、IT対応の遅れからインターネットを通じた宿泊予約
者を取り込めていない施設も少なくなく、何らかの対応を講ずることも求められる。
14
■目標達成状況
達成度を測る指標
政策課題
0
指標内容
総合満足度
※観光ニーズ調査
①町立観光施設における町民利用者数の増加
河口湖美術館
河口湖ミューズ館
西湖いやしの里根場
住民の暮らしと観光が結びついた
1
まちづくり
2 観光交流を活かした産業・文化の振興
②観光まちづくり関係団体会員数の増加
観光まちづくり推進会議
ネイチャーガイド協議会
ふるさとガイドの会
ウェルカム富士
国際交流協会
ステラサポーター
美術館協力員
いやしの里協力員 等
③農産物直売所における農産物販売額の増加
JA北富士物産館 (H24:おおいし屋)
道の駅かつやま
④観光客アンケートにおける
『飲食施設満足度』の向上
※観光ニーズ調査
H20年実績
H25年目標
(対基準年比)
H30年目標
(対基準年比)
33%
40%
50%
7,227人
8,000人
(110.7%)
526人
H25(またはH24)年実績
対H20年実績
(変化率)
対H25年目標
(達成率)
56%
+23%
+16%
9,000人
(124.5%)
6,302人
87.2%
78.8%
650人
(123.6%)
800人
(152.1%)
1,050人
199.6%
161.5%
1,154万円
1,300万円
(112.7%)
1,500万円
(130.0%)
2,162万円
(H24)
187.3%
166.3%
60.2%
65%
75%
61.9%
+1.7%
▲3.1%
16,675人
107.5%
83.4%
110基
(H24)
51基増
▲30基
3 エコツーリズム(持続可能な観光)の推進
⑤富士河口湖町公認ネイチャーガイドツアー
利用者数の増加
15,511人
20,000人
(128.9%)
25,000人
(161.2%)
4 都市的生活基盤の高度化
⑥観光活性化標識ガイドラインに準拠した
標識類の設置基数の増加
59基
[H19]
140基
160基
⑦イベント来場者数の増加
冬花火・湖上の舞
ハーブフェスティバル
紅葉まつり 等20 催事
815千人
900千人
(110.4%)
1,000千人
(122.7%)
958千人
117.5%
106.4%
⑧1回の旅行あたりの富士河口湖町での宿泊数
※観光ニーズ調査
1.4 泊
1.6 泊
1.8 泊
1.4 泊
変化なし
▲0.2泊
19,692人
22,000人
(111.7%)
25,000人
(127.0%)
59,795人
303.7%
271.8%
2,288,470人
[H19]
2,450,000人
(107.1%)
2,600,000人
(113.6%)
2,183,107人
(H24)
95.4%
89.1%
3.5回
4.0回
4.5回
4.1回
+0.6回
+0.1回
187,662 人
[H19]
210,000 人
(112.0%)
250,000 人
(133.2%)
109,555人
(H24)
58.4%
52.2%
5路線
7路線
10路線
10路線
+5路線
+3路線
5 観光・リゾート滞在プログラムの充実
⑨富士河口湖観光総合案内所の
来所外国人数の増加
6 観光競争力の強化
⑩宿泊者数の増加:全体目標
指標⑦と同じ
7 誘致対象に向けた的確なプロモーション
⑪富士河口湖町へのリピート回数
※観光ニーズ調査
8 外国人観光客の来訪促進
⑫外国人宿泊者数の増加:全体目標
9 広域連携の推進
⑬通年高速バス路線の増加
新宿富士五湖線、東京河口湖線、横浜河口湖線、
新松田河口湖線、大阪富士吉田線(H20)
15
2.観光立町実現に向けた理念と目標
1)理念
<目指すもの>
・富士河口湖町は、一級の資源である富士山と湖を有しており、これを舞台とし、住民が
主体となって資源の活用をすすめ、生き生きとした交流が展開されることで輝きを増す
“富士河口湖町の人の魅力”を前面に出しながら、自然や歴史・文化的資源を“地域の
資産”としていく“観光まちづくり”による“観光立町”を目指す。
<背景として>
・
“観光まちづくり”を観光立町に向けた理念とする背景としては、観光をとりまく状況や
社会的な背景が変化している点も大きく関わっている。
・未知のものへの興味や心身ともに癒しを求めるなど、観光を行う本質は変化していない
と言えるが、国民の観光に関する経験が豊富になるにつれ、国内の観光地や海外の観光
地との比較が行われ、その欲求は高度化し、より魅力的なもの、本物や本質への関心が
益々高まっており、地域に由来のない観光施設や文化的に根のないものに対する評価は
得にくい状況にある。同時に、その土地の風土や歴史文化を踏まえた“地域ならではの
もの”が望まれる状況にあり、その上でさらに、
“質の高い空間ともてなし”が求められ
ている。
・つまり単なる自然景観といった“単一の資源”から“資源を守り育てる人”や“資源を
成立させる歴史・文化”といった、資源をとりまく状況全体が魅力として捉えられるよ
うになっており、“地域で採れているもの”や“地域の伝統の技術で作られているもの”、
“歴史的な事実”といった、“地域との関わり”が不可欠である。
・観光施設で見ると、単に珍しい動物を檻に入れて見せていた動物園では魅力がなく、そ
の動物がどのように生きているのかを見せる“行動展示”が評価されていることからも、
観光に求められる魅力の内容が高度化していることがうかがえる。
・観光地としてこれに応えるには、
“暮らし良さを含めた、その地域ならではの魅力を大切
にし、それを高める努力”が“観光の魅力要素”となっている。
<富士河口湖町の現状は>
・富士河口湖町の現状は、富士山と湖の風景や環境を利用した観光レクリエーションを売
りにした“資源依存型”の観光であり、外国人観光客を含めて、一見の観光客対応が主
となっている。
・現在、入込みの大半は、唯一無二の富士山と湖と自然環境という一級の資源によって来
訪する観光客であるが、そうした来訪者は移り気であり、その移り気に依存した集客構
造となっている。
16
<富士河口湖町の位置付け>
・富士河口湖町は、富士山がなくても誘客できる観光地づくりなど、着実に観光の基礎体
力を高めてきた、観光地としての先進地である。また、富士山という一級の資源を持つ、
日本を代表する観光地であることも事実であり、その資源を保全活用した、新しい観光
地づくりは富士河口湖町の責務であると言える。
・つまり、
“まちの魅力”そのものを高め、更に滞在環境やもてなしの質など、観光地とし
ての質を向上させる、
“まちづくりとしての観光地づくり”が求められており、それが“観
光まちづくり”である。
<地域住民と観光客双方から求められるまちづくり>
・住民にとって暮らしよく、観光客にとって魅力的であることが、これからの観光地のま
ちづくりに求められることであり、そのためには、地域住民の関わりを持続し、観光客
から評価し続けられる状況をつくり出すことが重要である。
・つまり、富士河口湖町の魅力の源となる富士山や湖等の自然環境のポテンシャルを維持
することを前提として、
① 人の営みや取組みを含めた、地域としての魅力を向上させること=地域力アップ
② 観光地としての滞在の質やもてなしの質を向上させること=観光力アップ
③ 向上した滞在環境やもてなしの質を観光客に伝えること=発信力アップ
が、観光まちづくりをとおして求められ、これによって地域の持続的な発展が期待でき
る。
・以上のことを踏まえて、
『富士山と湖の自然と歴史・文化を
・
風景として溶け込ませる
魅力的な観光まちづくり』
~住民一人一人が楽しんで参画する観光まちづくり~
を富士河口湖町の観光立町の理念とする。
17
2)将来像
・将来の目標像(狙い)を、観光行動に対応した『場所:どんなまちに』
、
『人(まち)
:ど
んな出会いを求めて』、
『楽しみ(活動)
:なにをするために』という側面からそれぞれ具
体的に設定すると以下のようになる。
①どんなまちにするか : 場所のイメージ
『様々な場所で、富士山と湖を色々な見方で楽しめる、自然と文化を背景とした
“美しく魅力的な風景を楽しめるまち”』
~美しく、一度は訪れたいまち~
[ 美景化 ]
・富士山の北西麓に広がり、広大な原生林と四つの個性ある湖があり、風光明媚で富士
山をいろいろな場所から眺められる。
・富士山や湖の風景を保全することを前提に、散策や憩いなど様々な活動空間において
感動をもって見られるように美しいまちづくりを行うことで、国際的にも誇れる美し
い風景を創造していく。
・住宅地、観光エリア、そして活気のある商業エリアなどが、周囲の自然と調和する落
ち着いた街並みを形成し、美しく花で修景された、暮らしよいまちを演出した“風景
を楽しめるまち”を目指す。
■バンフ/カナダ:ロッキーをアイストップにしたバンフ大通り
■バンフ/カナダ:ロッキーを背景にし、自然に溶け込ませた建物
■ツェルマット/スイス:統一感のある家並み
18
②どんな人がいて : 人(まち)のイメージ
『まちの人が誇りを持ち、訪れ、滞在する人たちを温かく迎え入れるとともに、
お互いにふれあう機会が豊富な
“人が魅力の交流滞在型のまち”』
~何度でも訪れたいまち~
[ リピート化 ]
・住民が誇りをもって生活し、訪れる側も一回限りではなくふれあう“交流滞在型のま
ち”
・住民が、観光客、リゾート客に対して、ガイドや案内などの直接的な対応を行うこと
はもとより、街なかの道案内や挨拶など来訪者とのふれあいを実践し、また訪れたい
と思う交流がある。
・住民も日常的に自然環境や地域文化を活用した生涯学習等の地域活動を実践し、来訪
者が憧れるようなリゾートタウンに、豊かに暮らしている。
・
“交流滞在型のまち”となれば、日帰りと一泊中心の現状から、
“連泊”と“リピート”
滞在へと変化する。
・また、連泊とリピートを拡大するために、“各宿泊施設における連泊魅力の向上”と
“まち全体の魅力の向上”を図る必要がある。
◎フットパスイベン
ト/甲州市
■イベントで縁側
カフェとして参加
した地元住民
と、イベント参加
者との交流
19
③どんなことが出来るのか : 楽しみ(活動)のイメージ
『富士山と湖の風景を随所で楽しむと同時に、
“美しく、快適な滞在環境の下に、
多様な滞在プログラムを楽しめるまち”』
~できるだけ長く滞在したいまち~
[ 滞在化 ]
・富士山の裾野に広がる美しく爽やかな高原の環境の中で、富士山を背景とした地域の
風景と自然環境を活用した様々な活動を求めて、町内の温泉旅館、ホテル、民宿、貸
別荘、キャンプ場等を訪れる。
・富士山麓や四つの湖、御坂山系、富士ヶ嶺等において、様々な体験メニューを通じて
自然環境やアウトドアレクリエーション、農酪林漁業体験等を堪能する。
・芸術文化、健康増進、スポーツ等多様な魅力による滞在プログラムを楽しむ。
・町内や周辺市町村の多様な観光・学習施設群において、富士五湖の歴史や民俗芸能、
芸術文化等に触れる。
・富士山を観光の主目的とした、国内外の周遊観光客や教育旅行生などが、町内の宿泊
施設に滞在する。
・町内のネットワークが整い、観光施設やレクリエーション施設、フィールドを公共交
通や自転車、徒歩で移動できる。
■アウトドアレクリエーション
■お祭り参加
■ハイキング/ツェルマット
■農業体験
■エコツアー
■生活技術、農業体験
20
3)目標値の設定
(1)主要ターゲット
・人の欲求は、諸説あるが、モチベーション理論などで有効とされている心理学者アブラ
ハム・マズローの“自己実現理論(欲求段階説)
”やその後の研究などから下表のように
整理できる。
S・R・コヴィー
独立
Independent
依存
Dependent
横山哲夫
共同体発展欲求
Community Development
(共 生)
(後の研究により指摘された欲求)
マズローの欲求段階説
欲求段階
相互依存
Inter-dependent
A・H・マズロー
自己実現欲求
個 立
承認・自尊欲求
個 別
帰属・愛情欲求
集 団
安全欲求
安 定
生理的欲求
生 存
・社会的な成熟によって、観光に対する欲求も、他の人が見たり体験したりするものを欲
するものから、より自己実現に近いものへと変化すると予測できる。
・日本人観光客の志向の変化を見ると、観光の本質に変化はないが、社会の成熟とともに、
欲求の段階が変化し、
“団体”から“個人”、“見る”から“体験”
、といった変化が現れ
ている。
・従って、観光地としては、よりきめ細やかな魅力づくりが課題となってくるが、その魅
力を充分に活かすには、繰り返し訪れ、長期間滞在する、時間的に余裕を持った来訪者
を誘致することが望ましい。
・富士河口湖町においては、日本における最大で社会的な成熟度も高い観光市場を近くに
抱えており、主要な誘致対象としては、
関東圏・中部圏からのリピート・滞在客
を重視する。さらに日本の代表的な資源を擁する観光地として“見る”観光にも対応し
ていくことが求められることから、
国内外からの周遊観光の拡大
も目指すものとする。
21
(2)目標値(全体)
①平均宿泊数
・滞在化を測る指標として、一回の来訪における宿泊数を指標とし、その増加を図る。
・戦略として、観光客数の増加よりも、一人の来訪者に、より長く滞在してもらうことで
延べ泊数を増加させることとする。
・平成 19 年度版『観光の実態と志向』において、全国平均宿泊数は[1.60 泊]、平均希望
宿泊数は[2.09 泊]であった。また、10 年前の調査では、
[1.61 泊]、
[2.29 泊]であっ
たことから、十年間の伸びはほとんどなく、希望としては2泊を越えるものがあっても、
なかなか実現は難しいことがうかがえる。
・平成 25 年実績は、平成 20 年度調査結果と同じ 1.4 泊であったが、5年後の平成 30 年は
全国平均値である 1.6 泊を目指すこととする。
指標項目
平均宿泊数
【富士河口湖町観光客動向
把握アンケート調査(夏期)】
基準値
平成 25 年実績
1.4泊
1.4泊
<平成 20 年度夏調査>
<平成 25 年度夏・秋調査>
平成 30 年目標
1.6泊
②宿泊者数
・富士河口湖町のような成熟した観光地では、宿泊客を1%増加させるだけでも2万泊以
上の増加が必要であり、世界経済の不透明感が強まりつつあるなか、宿泊客を持続的に
増加させていくには相当な努力を必要とする。
・平成 25 年実績は、東日本大震災や尖閣諸島問題等で外国人宿泊者数の減少もあり、基準
値を下回っているが、回復傾向にある。前述のように一人一回当たりの宿泊数を 1.4 泊
から 1.6 泊にすることで、宿泊客数は増加しなくても延べ宿泊数は増加する(宿泊客数:
2,288,470 人/1.4=1,634,621→2,600,000/1.6=1,625,000)
。目標としては延べ宿泊客数増加
させることとし、実数はほぼ横ばいとする。
指標項目
基準値
平成 25 年実績
平成 30 年目標
宿泊者数
2,288,470 人
2,183,107 人
2,600,000 人
【山梨県観光客動態調査】
*延数
<平成 19 年>
<平成 24 年>
(13.6%増)
22
③旅行満足度
・リピート化を促すためには、再来訪意欲を高める必要がある。満足度が高ければ高いほ
ど再訪意欲も高くなるということが経済産業省の調査によっても明らかになっている。
・従って、満足度を5段階で評価してもらったうちの一番高い満足の割合を指標とし、こ
の割合を増加させることを目標とする。
・傾向として夏よりも秋の方が満足度が高くなる傾向があり、平成 25 年度調査結果を夏調
査と秋調査の合算値で見たところ、総合満足は 56%という結果で、平成 30 年目標として
設定していた 50%をすでに達成していることから、平成 30 年目標を 60%として再設定
する。(基準値は平成 20 年度の夏調査結果)
指標項目
総合満足度
【富士河口湖町観光
動向把握アンケート調査】
基準値
平成 25 年実績
満足:33%
56%
<H20 年度夏調査>
<H25 年度夏・秋調査>
平成 30 年目標
60%
④外国人宿泊者数
・訪日外国人数は、2008 年のリーマンショック、2011 年の東日本大震災、2012 年の尖閣諸
島問題等で停滞または一時減少したが、2013 年には初めて 1,000 万人を超えた。
・富士河口湖町では、これらの社会状況的な影響により、平成 25 年実績は基準値を大きく
下回っている。一方で、直近のデータを見ると外国人宿泊者数はかなり回復してきてい
る状況もあることから、平成 30 年の 250,000 人(33.2%増)という目標はそのまま据え
置くこととする。
指標項目
基準値
平成 25 年実績
平成 30 年目標
外国人宿泊者数
187,662 人
109,555 人
250,000 人
【富士河口湖町
観光連盟調査】
<平成 19 年>
<平成 24 年>
(33.2%増)
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3.観光立町実現に向けた方向性
1)全体の方向性
・観光の魅力要素は、個々の資源の魅力から、風土の魅力、さらにはそこに暮らす人の魅
力が求められるようになっており、より深い魅力が求められている。
・ただし、地域の魅力は、集客施設づくりのように一朝一夕には成し得ない。確かな環境
ポテンシャルを本物の技術や知恵によって“魅力化=観光対象化”することが必要であ
り、またその“過程も含めて地域の魅力”となるため、地域の人々の意識と取組みが重
要になる。
・観光産業における、受入れ能力やもてなしの質が向上することを“観光力アップ”と表
現するなら、地域の人々の地域での暮らしを豊かにしようとする意識とその取組みが継
続され、蓄積されることは、“地域力アップ”と表現できる。
・また、観光は集客がなければ成立しないため、資源を磨き、資産とすると同時に、その
魅力を的確に集客対象に対して伝える“発信力”の向上が求められる。
・従って、観光まちづくりにおいては、①地域力アップ、②観光力アップ、③発信力アッ
プが主要政策課題となり、それぞれの向上のために取組むべき具体的な課題があげられ
る。
(1)政策課題
<地域力アップ:まちづくりの視点>
①住民の暮らしと観光が結びついたまちづくり
○観光客があこがれ、住民が誇りうる魅力あるまちの実現と、そのためのまちづくりを推進
する地域の人材の育成
②観光交流を活かした産業・文化の振興
○住民の暮らしを向上させ、滞在の魅力要素ともなる産業や文化を観光交流の仕組みを活か
して振興する
③エコツーリズム(持続可能な観光)の推進
○自然環境を保全育成し、地球環境に配慮した暮らしと産業をベースにした、持続型の観光
地づくりを推進する
④都市的生活基盤の高度化
○官民の連携による着実な景観整備・風景づくりの推進
○富士五湖の玄関口としての都市整備と多様な交通手段(公共交通網等)の充実
○ユニバーサルデザインにより、観光客のみならず住民にとっても住みよい空間づくり
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<観光力アップ:観光・リゾート地整備の視点>
⑤観光・リゾート滞在プログラムの充実
○既存資源や人材の活用、産業、芸術文化、健康増進、スポーツ等の分野の振興により滞在
プログラムの充実
⑥観光競争力の強化
○高級施設から低廉施設までが適切に配置された、懐の深い観光リゾート地の整備
○明確なテーマ性のアピールと既存施設・資源の有効活用
○温泉リゾート、キャンピングリゾート(キャンプ、合宿)
、ファームリゾート(牧場、農場)、
エコツアーなどを活用したエデュケーショナルリゾート等、多様な滞在プログラムの展開
○遊歩道や景観スポットの整備による、徒歩や自転車を利用した観光の充実
○外国人も楽しめる環境整備を推進
<発信力アップ:誘客の視点>
⑦誘客対象に向けた的確なプロモーション
○来てもらいたい人々に対する的確なプロモーション活動を展開
⑧外国人観光客の来訪促進
○国の違いや様々な客層に対応した、きめ細かな情報提供を展開
⑨広域連携の推進
○世界に誇りうるリゾート滞在エリアとして広域の連携によるイメージの向上や周遊観光の
受入体制の充実、広域の観光地間や都市間を周遊観光連携で結び、交通網を充実させる
■まちを含み、観光行動全体を包括する政策課題
富士河口湖町の将来像
*施策実現のための留意事項
⑧外国人観光客
の来訪促進
外国人観光客
観光客
他地域・他観光地
国内観光客
⑨広域連携の推進
⑦誘致対象に向けた的確
なプロモーション
⑤観光・滞在プログラムの充実
観光地環境
⑥観光基盤の強化
①住民の暮らしと観光が
④都市的生活
②観光交流を活かした
結びついたまちづくり
基盤の高度化
産業・文化の振興
暮らしの環境
産業環境
③エコツーリズム(持続
可能な観光)の推進
自然環境
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2)施策の骨格
・政策課題を具体化するために、それぞれいくつかの分野に分け、事業展開を図る必要が
あるが、それを施策の骨格として以下のように設定する。
・また、具体的な施策の推進のために、施策の骨格毎に“主導施策”を設定し、その中で
社会情勢などを鑑み、適切な事業を実施できるように、実施の際に調整を行う。
狙い
1)住民の暮らしと (02)住民の観光意識の向上と接遇向上
観光が結びつい
(03)住民参画の促進
たまちづくり
滞在化
(01)まちづくりと観光に関わる人材の育成
リピー
ト化
施策の骨格(施策分野)
美景化
政策課題
○
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●
●
○
●
地域力アップ
(04)国際交流の推進
●
(05)観光交流を活かした農林漁業の振興
2)観光交流を活か (06)観光交流を活かした街のにぎわいづくり
した産業・文化
(07)観光交流を活かした魅力的な食文化の創造
の振興
○
●
○
○
●
○
●
○
○
●
(08)観光交流を活かした文化・芸術・体育の振興
3)エコツーリズム (09)自然環境の保全と活用
(持続可能な観
(10)地域資源の発掘・活用
光)の推進
○
4)都市的生活基盤 (11)良好な景観整備(風景づくり)
の高度化
(12)交通基盤の充実
●
●
○
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○
○
○
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○
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○
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●
●
○
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●
●
(20)旅行者の安全・安心の確保
●
○
(21)ユニバーサル観光の推進
●
●
7)誘致対象に向け (22)近距離市場に向けたリピート滞在利用促進プロモーション
た的確なプロモ
(23)中長距離市場に向けた周遊利用促進プロモーション
ーション
○
●
5)観光・リゾート (13)イベントの充実
滞在プログラム
(14)地域資源を活かした滞在プログラムの充実
の充実
○
観光力アップ
(15)自然との触れ合い環境の充実
(16)国際観光対応の充実
(17)観光産業の競争力強化
6)観光競争力の強
(18)観光情報提供体制の強化
化
(19) 観光まちづくり事業体の形成
発信力アップ
8)外国人観光客の (24)特定地域から来訪促進
来訪促進
(25)訪日機会を確実に富士河口湖町への来訪に繋げる
9)広域連携の推進
●
○
○
(26)富士五湖地域の結びつけの強化
(27)観光地・都市間の結びつけの強化
●
●
○
●
○
●
○
○
●:主に関わる
○:関係する
26
3)ゾーン別の方向性
・地域の特徴でまとめられる“ゾーン”を設定し、施策を展開する。
・ゾーンの特徴を明確にし、他のゾーンとの連携を深めることが優先されるべきであるが、
地域の要望も踏まえ、全体の環境的なポテンシャルを最大限に活かした、ゾーン毎の特
色を出していく、いわば“顔づくり”の施策が重要である。
施策展開ゾーン区分
まちなかゾーン
展開の方向性
河口湖南岸
リゾート・タウン・センター
滞在・滞留型観光
リゾート滞在
周遊観光(文化施設)
河口湖北岸
保養休養滞在・滞留型観光
里のグリーンツーリズム
周遊観光(芸術文化)
西湖
暮らしの文化交流・観光
エコツーリズム
キャンピング・リゾート
アウトドアレクリエーション
団体合宿
ウォーターレクリエーション
精進湖
保養休養滞在・滞留観光
団体合宿
エコツーリズム
ウォーターレクリエーション
本栖湖
周遊観光
エコツーリズム
ブルーツーリズム
グランドスポーツ
富士ヶ嶺
まきばのグリーンツーリズム
船津胎内・くぬぎ平周辺
エコツーリズム
スポーツレクリエーション
三ツ峠・御坂山塊
トレッキング
ハイキング
エコツーリズム
青木ヶ原
エコツーリズム
トレッキング
湖水湖畔ゾーン
まきばゾーン
森林山岳ゾーン
・
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■ゾーン区分と方針
<森林山岳ゾーン>
*三ツ峠・御坂山塊
■展開方向
トレッキング
ハイキング
エコツーリズム
<湖水湖畔ゾーン>
*西湖
<湖水湖畔ゾーン>
*河口湖北岸
■展開方向
暮らしの文化交流・観光
エコツーリズム
キャンピング・リゾート
アウトドアレクリエーション
団体合宿
ウォーターレクリエーション
■展開方向
保養休養滞在・滞留型観光
里のグリーンツーリズム
周遊観光(芸術文化)
<まちなかゾーン>
■展開方向
リゾート・タウン・センター
滞在・滞留型観光
リゾート滞在
周遊観光(文化施設)
<湖水湖畔ゾーン>
*精進湖
■展開方向
保養休養滞在・滞留観光
団体合宿
エコツーリズム
ウォーターレクリエーション
<森林山岳ゾーン>
*船津・くぬぎ平周辺
<湖水湖畔ゾーン>
*本栖湖
■展開方向
周遊観光
エコツーリズム
ブルーツーリズム
グランドスポーツ
<森林山岳ゾーン>
*青木ヶ原
■展開方向
エコツーリズム
スポーツレクリエーション
■展開方向
エコツーリズム
トレッキング
<まきばゾーン>
*富士ヶ嶺
■展開方向
まきばのグリーンツーリズム
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4)観光動線整備の方向性
・生活動線に配慮した、観光動線を以下のように設定する。
・歩行・自転車観光動線に関しては、今後ゾーン別に個別に地域の中で検討して生活動線
と観光動線を区別していく中で設定していくことが望ましい。
■観光導線の設定
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