第211回 北陸企業：歯愛メディカル 2

第211号
2014年9月29日
＜第211回
無店舗販売＞
無店舗販売とは店舗を経由しない販売方法のことで特殊販売とも呼ばれて
います。訪問販売や通信販売、カタログ、テレビショッピング番組、インター
ネット、ホームパーティなど店舗以外の販売形態で消費者に商品を提供しま
す(注1)。無店舗販売の原点は「行商」や「御用聞き」と呼ばれる日本古来の商
売であり、商人と顧客が直接1対1でやり取りし、商人が顧客の要望に応える
商法です。「行商」がはじめて登場する文献は「日本書紀」の「雄略天皇13年
の条」で、行商人が船に商品を積んで水面を往復している様子が記されてい
ます(注2)。
歯愛メディカルは「無店舗販売」に分類される通信販売を行っています。無
店舗販売は店舗や設備への初期投資を必要としませんが、顧客の開拓と獲
得が困難なので工夫が必要とされています。歯愛メディカルの無店舗販売
は、主にカタログやホームページを通じて顧客に直接商品を提供しています。
新商品は随時ホームページで公開し、カタログは全国の歯科医院に向けて不
定期で発送されます。このカタログには季節感を取り入れたり、現物の商品と
写真のイメージが一致するように色や写真のサイズなど「魅せる工夫」がなさ
れています。
また、歯愛メディカルの主要な顧客である歯
科医師はインターネットよりも電話での注文が
多いという特徴があります。医師と直接話す機
会を活かして、環境やニーズを探りながら商品
の開発・改良に取り組んでいます。歯愛メディカ
ルはこれらの無店舗販売の強みを最大限に活
かし、弱みをカバーすることで成長を続けてい
ます。
←歯愛メディカルのホームページバナー
上から家庭向け・歯科医師向け・歯科材料の直接輸入
とホームページが分かれています！
注1：二神恭一編著「ビジネス・経営学辞典」中央経済社、2006年、p615。
注2：高向嘉昭「行商の研究(1)」商経論叢第23号、1974年、p35。
（取材・制作：経済学部3年：
岩倉佑眞、前田吏永、真下夏輝）