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人間工学・認知心理学に基づいた ヒューマンエラー防止対策について
学 術 Arts and Sciences 原 著 人間工学・認知心理学に基づいた ヒューマンエラー防止対策について About a Human Error prevention countermeasure based on Human Factors and Cognitive Psychology. 社会医療法人医真会 医真会八尾総合病院 放射線科 西村 健司(30178) Key words: Human Factors, Ergonomics, Cognitive Psychology, Risk management, Human error 【Summary】 The human error happens by all means. The human error cannot prevent it. Various gimmicks to remind an error are necessary. Devised the work contents classification that became definite newly. Analyzed an adverse event by a new classification method. After analyzing an adverse event, the countermeasure every grasp and classification of the situation became easy. Among the adverse events in this hospital radiation technology section, the example about human error accounted for half approximately. For two adverse events that had difficulty in countermeasure, I performed a human error countermeasure based on ergonomics, cognitive psychology and inspected it for a certain time (more than one year). A result. Similar adverse event did not occur in an investigation period. It was suggested that it was an effective policy 【要旨】 必発するヒューマンエラーは防止するのではなく,エラーに気付かせ,有害事象を防止するさまざまな工夫が必要となる.そこで明確に 切り分けのできる作業(タスク)分類方法を新たに考案した.新分類方法で有害事象を分析しピックアップしたところ,状況の把握と分類 ごとの対策が容易になった.当院放射線技術部門における有害事象のうち,ヒューマンエラーに関わる事例がほぼ半数を占めていた.対 策に難渋していた 2 事例の有害事象に対し,人間工学・認知心理学に基づいたヒューマンエラー対策を行い一定期間(1 年以上)検証した. その結果検証期間において同様な有害事象を発生させていないことから,有効な方策であったことが示唆される. 類されるとの報告もある1).ここにヒューマンエラー 【はじめに】 対策の問題点がある.なぜならシステムの潜在危険に 安全の定義を考えれば,そこに安全という言葉はな 対する有効な手段は個々では関与できないし,ヒュー く,リスクが常在していることはよく知られている. マンエラーという用語は全ての不安全行動をひとくく そこでリスクを管理するリスクマネジメントが必要に りにしているが,エラーの発生形態はさまざまで心理 なるのだが,医療においてもそれは全く変わらない. 的背景も異なり,システムの異なる部分で発生し管理 医療では人が人へ医療行為を提供することからヒュー 方法も異なっている2).すなわち事例分析により適切 マンエラーは必発し,ヒューマンエラーの定義を鑑み で有効な対策を行うとすれば,有害事象の発生要因が れば,有害事象の 80∼90% はヒューマンエラーに分 ヒューマンエラーによるものなのか,他の要因によっ て引き起こされているのかを明確に切り分ける必要が Kenji Nishimura (30178), Department of Radiology, Ishinkai Yao General Hospital ある.ヒューマンエラーはその行為をやめない限りゼ ロにはできないことから,ヒューマンエラーを防止す るという考え方ではなく,できるだけ早い段階でエラ ーに気付かせ,有害事象につながることのないさまざ まな工夫が必要となる. 【目 的】 人間工学・認知心理学に基づいたヒューマンエラー 対策という工夫が,有効な対策と成り得たのかを有害 事象事例を通して検証する. 24(160)◆ 日本診療放射線技師会誌 2013. vol.60 no.724 【方 法】 た項目である.その項目の中から,特に防止対策に難 放射線科の特徴として,マン−マシンインターフェ に基づいたヒューマンエラー対策を行った結果,同様 ースを通過しなければ診療放射線技師業務本来のサー な有害事象が発生したかどうかを一定期間(1 年以上) ビスは提供できない.そこで明確に切り分けができる 検証する. 渋した二つの有害事象に対し,人間工学・認知心理学 放射線科独自の作業(タスク)内容で,有害事象を分 類する方法を新たに考案(Table 1)し現状を把握す る.例えば(Table 1)の分類 1 の患者情報伝達ミス 【結 果】 では,コミュニケーションの手順から分析しエラーの 当院では 2005 年 12 月に,電子カルテ・PACS など 要因を特定する.システムの変更など,具体的な方策 インフラ整備のイノベーションがあった.分類する で改善すれば同様な有害事象は減少できるはずだ.分 タスクのカテゴリー変化が激しいため,以降 2010 年 類 2 の機器操作方法未熟であれば,どのように教育し ていく.1∼8 までのタスク分類項目はヒューマンエ 6 月末までに報告された 166 事例について考案した分 類方法で分析したところ,ヒューマンエラーは 81 事 例 49% とほぼ半数を占めていた(Fig. 1) .有害事象 ラーとは切り離し,分類 10 の業務確認不足がヒュー 事例をタスクで分類することで,状況の把握と分類ご マンエラーそのもので,有効な対策ができていなかっ との対策が容易になった. 習熟させれば効果的なのかを具体的対策として実行し Table 1 作業(タスク)分類項目 作業(タスク)分類項目 具体的な内容例 患者情報伝達ミス 患者に付随する必要な情報が伝わっていない 2 機器操作方法未熟 機器,装置など操作方法が習熟できていない 3 ルール違反 決められたことを分かっていながら行わなかった 4 業務手順未整備 マニュアルの未整備部分や不備 5 患者説明不足 どのような検査でも(基本的には)患者の協力がなければできない 6 装置故障 予測不可能な突然の故障 7 技術未熟 技術,能力不足による判断や操作ミス 8 環境未整備 環境の中で不必要なものがあったか,必要なものがなかった 9 クレーマー 1 10 業務確認不足 一方的な訴えや理不尽な要望 作業中や作業に入る前に,確認ができていない Work (a task) sort item A concrete content example 1 A patient communication error Necessary information pertaining to the patient is not communicated 2 Apparatus operating instruction is unripe An apparatus, the manner of operation including the device cannot master it 3 A rule infringement The rule understood it, but did not perform it for some reason 4 The undevelopment of the work procedure Inadequate or incomplete part of the manual 5 The explanation to a patient is short Any inspection is not possible without the cooperation of the patient basically 6 Device Failure Unpredictable sudden death 7 Technical immaturity A technique, a judgment and Failure by the deficiency in performance 8 Environmental undevelopment There was an unnecessary thing in environment, or there was not a necessary thing 9 Claimer(A complainer) The one-sided suit that is not a fact and an unreasonable demand 10 Confirmation of the work is short Confirmation is not done before beginning working state and work 学 術 ◆ 25(161) 04 Environmental undevelopment 7.8% Claimer(A complainer) 0.6% Confirmation of the work is short 1.2% A patient communication error 16.9% Technical immaturity 4.8% Device Failure 3.6% Apparatus operating instruction is unripe 7.2% The explanation to a patient is short 4.2% The undevelopment of the work procedure 4.8% A rule infringement 48.8% Fig. 1 エラー要因別分類 Fig.1 エラー要因別分類 The classification according to the error factor 【人間工学の対策例】 【概 要】 CT で,操作盤(Fig. 2-1)の黒いボタン はスキャン停止,白いボタンはスキャン開始とする. これを押し間違え,スキャン途中で停止させたため, 造影剤を追加しなければならない有害事象が発生し, 対策を行った. 【有害事象の背景】 位置決めの時は停止ボタンに指を 置いて,画像の撮影範囲を見ながらボタンを押しスキ ャンを停止させる.以後は使用することはないが,ボ ーラス撮影で頭頸部 CTA など,インジェクターとト リガー同期を掛けていないシーケンスでは,その停止 ボタンの右 1 センチのところにあるスキャン開始ボタ ンを,造影されていることを確認しながらタイミング を見計らって押す.頭頸部 CTA では,単純撮影で血 管が同定しにくいこともあり,至適タイミングが取り にくいのでオートは使用せず,マニュアルでボタンを 押すことになっている. 【1 回目の対策】 すぐに押してしまうのなら,押しに くくするためにカバーを付ければ良いのではないかと の発想で,前だけに開口部を設けた小さなアクリル製 のカバーを作成し取り付けた(Fig. 2-2) .しかし数 カ月後,押しにくいが押せないわけではなく,同様の 有害事象が起こった.メーカーにはボタンの位置を変 えるか, もっと間隔を離してほしいと要望を伝えたが, 対応は難しいとのことであった. 【2 回目の対策】 スキャン開始ボタンを押す時,押す 準備をしていることや操作盤は見ていないことから, 準備中でも触ればすぐにスキャン停止ボタンと分かる ように,ブラシのようなシリコン製の突起をボタン表 面に張り付けた (Fig. 2-3) .ところが数カ月後,今度 26(162)◆ 日本診療放射線技師会誌 2013. vol.60 no.724 2-1 2-1 2-1 2-2 2-2 2-2 2-3 2-3 2-3 2-4 Fig. 2-1∼3 操作盤の対策歴 2-4 2-4 2-3 原 著 人間工学・認知心理学に基づいたヒューマンエラー防止対策について 学 術 Arts and Sciences はオペレーターが全く押した記憶もなく,装置の故障 ではと勘違いするほどボタンを押した自覚はないが, 同様の有害事象が発生した. (昨今の装置では,操作・ 故障ログが記録されており,解析することで停止スイ 2-4 ッチを押したのか故障であったのかは判別できる) 【3 回目の対策】 人間工学の 間違える可能性のある ものは,それができるようになっている限り,いつか 必ず間違いが起こる 3) との考え方に基づき,運用や 操作マニュアルを総点検し見直した.すると CT 担当 Fig. 2-4 操作盤の対策歴 スタッフから,スキャン停止はマウスで操作可能との 報告を受け,これで停止ボタンは押せないように完全 にふたをし,開始は左手で操作盤を,停止は右手でマ ウスを使用することとした(Fig. 2-4) . Table 2 5Sの項目 1. 整理(せいり,Seiri) ・いらないものを捨てる 04 2. 整頓(せいとん,Seiton) 【認知心理学の対策例】 【概 要】 撮影後,補助具や苦痛軽減用クッションを 取り忘れ, 背中などに敷いたまま患者を帰してしまう. 【有害事象の背景】 これまでにも同様な有害事象は発 生していたが しっかり確認しなさい という曖昧な 対策で終わっていた.撮影部位やそれ以外に,補助具 や苦痛軽減用クッションなどを敷くことは日常的な行 為であるが,対象となる患者さんは,取り忘れに対し て訴えることができない方(自覚も含めて)も多い. 【1 回目の対策】 撮影室内において,認知心理学的に 5S(Table 2)の整備で 注意のしやすさ と ワー キングメモリーの解放 という対策を行った.撮影補 助具それぞれの写真を撮って,決められた場所に張り 付けておき,整理しやすく,また仮に一つでもなくな れば, 何がないのかがすぐ分かるようにしておく(Fig. 3-1).産業界などで,工具の置き場所に,その輪郭 をフェルトペンでなぞっておくことと同じ発想であ ・決められた物を決められた場所に置き,いつでも取り 出せる状態にしておく 3. 清掃(せいそう,Seisou) ・常に掃除をして、職場を清潔に保つ 4. 清潔(せいけつ,Seiketsu) ・3S(上の整理・整頓・清掃)を維持する 5.躾(しつけ,Shitsuke) ・決められたルール・手順を正しく守る習慣を付ける 1. Seiri (Rearranging) Throw away a thing not to need 2. Seiton (Good order) Put a decided thing in the decided place, and do it in a state to be able to take out anytime Make a state to be able to take out anytime 3. Seisou (Cleaning) Cle a n it, an d a lw ay s ke e p the wo rkpla ce cleanliness 4. Seiketsu (Cleanliness) Maintain 3S (rearranging, order, cleaning) 5. Shitsuke (Discipline) Attach a custom to protect a decided rule and procedure definitely る. (Fig. 3-2)はその応用で,撮影室全体を撮影補 助具も含めて環境と設定し,その環境を定期的にチェ ックする.これにより,いつごろその補助具がなくな き添いの方 3 名と来られた.車いすから立てずに座位 ったかの時間軸も含めた管理が可能となる.またこの で胸部撮影を行おうとしたが,円背がきつく,かなり 環境チェック表では備品だけでなく,清掃具合まで確 理解力の乏しい方だったので,背中に敷くカセッテを 認することができるように工夫されている.ファミリ 安定させる目的でスポンジを 2 個,背中と腰に敷き, ーレストランの手洗いなどにある清掃チェック表と同 介助しながら撮影した.撮影後,背中のスポンジ 1 個 じイメージである.しかしその後,3 カ月間で 2 件の とカセッテを取ったが,もう 1 個の腰の高さに入れた 同様な事例が発生してしまった.その 1 事例の分析報 スポンジは,画像確認後に除去しようと考えそのまま 告を以下に示す. にした.確認した画像は良好だったので,施設の方を お呼びし着衣をしてもらった. 事故の概要 診療放射線技師 A から引き継いだ夕診担当の診療 車いすの患者さんが胸部撮影のため,介護施設の付 放射線技師 B が,業務終了時の環境チェックを行った 学 術 ◆ 27(163) Fig. 3-1 撮影補助具の整理棚の例 Fig. 3-2 環境チェック表 ところ,スポンジ 1 個が見当たらないとのことが発覚 In use, be recognizable した. 現場の状況 当日は,特に忙しいということはなかった.患者さ んは認知症が進んでいるのか,ひどく暴れて撮影が困 難であった. スタッフの心理状況 動いていれば再撮影しなければならず,早く確認し Fig. 4 補助具に取り付けた赤いひも たかったためすぐに施設の付き添いの方に,患者さん のそばに付いてもらった.補助具のスポンジは再撮影 だともう一度使用する必要がある.スポンジは背中に させるために推奨されていることとして,指さし呼称 クッションのように当てていたので,しばらくそのま などが挙げられる.そこでそれらの積極的な実行を全 まにしていても,患者さんの苦痛や違和感はほぼない スタッフで行動規範とするとともに,フールプルーフ だろうと考えていた. の一工夫として(Fig. 4)のような長い赤いひもを補 助具に付けた.取り忘れのヒューマン ・ エラーが発生 タスクの状況 しても,事故に結び付けないようにするためである. 通常は一つしか使わない補助具を,患者さんが動く 現在,1 年半以上経過しているが,例に挙げた有害 ので二つ使った. 一つは回収したがもう一つを忘れた. 事象は 2 事例とも発生していない. 撮影補助具は撮影後所定の位置へと片付ける.補助具 は保管場所と位置が画像付きで示されており,なくな ればすぐに分かるような工夫はしてあった. 【考 察】 人間工学とは,システムにおける人間と他の要素と ヒューマンファクターズ分析 のインタラクションを理解するための科学的学問であ 一連の作業の中で,補助具であるスポンジを取り除 り,人間の安寧とシステムの総合的性能との最適化を くという工程の前に,画像の確認を優先させた.作業 図るため,理論・原則・データ・設計方法を有効活用 工程を完結させず自分自身で中断させてしまった. する独立した専門領域である4).医薬品では 2003 年 あんねい 医薬品類似性ワーキンググループ で,規格 ・ 名称 ・ 【2 回目の対策】 認知心理学の正書を読み込むと,現 注射薬の外観 ・ 輸液 ・ 眼科用剤を検討する五つの分野 状の 5S 対策では 1 次記憶の完全な忘却には対応でき のそれぞれに,人間工学の専門家が含まれていた3). ていないことが分かった.1 次記憶を 2 次記憶へ変換 前述したように,マン−マシンインターフェースを通 28(164)◆ 日本診療放射線技師会誌 2013. vol.60 no.724 原 著 人間工学・認知心理学に基づいたヒューマンエラー防止対策について 学 術 Arts and Sciences 過しなければ,診療放射線技師業務本来のサービスは ようとしても, 徹底することはそもそも不可能であり, 提供できない. すなわちヒューマンエラー対策として, そのような手法ではこれらの有害事象はいつまでたっ マシン設計段階からの人間工学的な検討も必要なので ても減少しない.仕事をしている時,いつでもずっと はないだろうか.各メーカー間で異なる主要スイッチ 注意のレベルを最高点に保ち続けることは不可能であ の形状や位置など,現在,筆者が使用している機器で るし,注意の限界を超えても超えなくてもヒューマン も問題点が散見される.その他にも,キーボードだけ エラーの起こる可能性が存在しているからである.有 でほとんどの操作が行えてしまうことや,ある条件で 害事象対策に有効で効果的な方法とは,ヒューマンエ 異なる結果となるモードの変わるスイッチ,進行と停 ラーが発生しても有害事象に結び付けないように 何 止ボタンが1cm も離れていない操作盤など,まだま かの仕組み を作ることである.人間工学や認知心理 だ改善の余地は多いと感じる.しかしながら,昨今は 学の考え方を応用すれば,その 何かの仕組み づく わずかな装置の変更でも装置を改造したことになるた りの一助となり,安全な職場環境を醸成させ得る. め,ユーザビリティーに優れていて安全だとしてもそ 今まで取り組んできた事故対策と比較して,人間工 の変更はかなり難しい.メーカーへの要望は訴え続け 学・認知心理学に基づいた対策は,その後に同様な有 るとしても,ヒューマンエラー対策として医薬品同様 害事象を発生させていないことから,本事例に関して に,統一していこうとする考え方も必要なのではない は有効であったことが示唆される.一方その他のヒュ だろうか. ーマンエラーについては,さらなる分析と対策が必要 認知心理学とは,人間の心を情報処理システムと捉 不可欠である. える立場(認知的アプローチもしくは情報処理的アプ ローチ)から研究する学問, あるいは知覚, 記憶, 思考, 言語,学習などの認知の働きを解明しようとする心理 【謝 辞】 学である5).認知心理学といっても難しく考えること 本研究を発表する機会を与えていただきました,近 はなく,5S を自然とできるような工夫をするだけで 畿地域放射線技師会学術大会播間利光大会長ならびに も,その考え方に沿った対策といえる.5S の対策は 選考委員の皆さまに,謹んで感謝申し上げます.あり どのような効果があるのかを,認知心理学における がとうございました. 注意 という視点で探ってみる.補助具などを使用 して撮影する場合,基本的には分割的注意と呼ばれる 状態にあり,さまざまなポイントに注意が向けられて いる.経験により,注意の余裕容量には個人差がある だろうが,感度の高い集中的注意は主に患者に向けら れているはずである.撮影に補助具などを使用して, 元通りに片付けることを考えれば,このような工夫を することで単一特徴探索が行いやすくなっている.つ まり個別の刺激を順番に探索するのではなく,並列操 作の特性を示しているといえる.赤いひもはさらにこ れらを補った工夫である.これでヒューマンエラーを 未然に防止するため,整理 ・ 整頓を撮影ごとに促し, 限られたワーキングメモリーの中でも,記憶の減衰を さほど考慮せずエラーを具現化できることになる.こ のようにして,撮影ごとに全スタッフに 5S を実践さ せ,教育し,より安全な職場環境を醸成させてゆくの である6).認知心理学の範囲は大変広く,人間工学と オーバーラップする部分は多いと認識されている.す なわち認知心理学と人間工学は相互に包括(クロスオ ーバー)されているともいえよう. もっと確認を とか もっと注意を と徹底させ 引用文献 1)河野龍太郎 (2004). 医療におけるヒューマンエラー: なぜ間 違えるどう防ぐ: 医学書院 2)Reason, J. (1990). Human error, New York: Cambridge University Press, ) 土屋文人 (2006). 医療事故対策と人間工学: 労働の科学, 3 61(3), 133-136. 4)日本 人 間 工 学 会. http://www.ergonomics.jp/ (2011. 4. 10) 5)日 本 認 知 心 理 学 会. http://www.cogpsy.jp/about.html (2011. 4. 11) 6)箱田祐司, 都築誉史, 川畑秀明, 萩原滋,. (2010). 認知心 理 学. Cognitive Psychology: Brain, Modeling and Evidence, 有斐閣 学 術 ◆ 29(165) 04