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35 図 2-3-6 土壌分布図(原縮尺 1:200,000)

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35 図 2-3-6 土壌分布図(原縮尺 1:200,000)
図 2-3-6 土壌分布図(原縮尺 1:200,000)
出典:国土庁、土地分類図(土壌図)岐阜県・富山県、1973・1975
凡例:高山岩屑性土壌(LH)、岩屑性土壌(L)、 乾性ポドゾル化土壌(P-d)、
湿性ポドゾル化土壌(P-w)、 乾性褐色森林土壌(B-d)、褐色森林土壌(B)
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2-3-6 植 物
【概 況】
白山山系の森林植生は、標高(気温)
・地形に加えて、冬の季節風と積雪の影響を受けて発
達したものである。
白山山系の森林植生を垂直的に見ると、山地帯、亜高山帯、高山帯に分けられ、水平的に
は、それぞれ冷温帯、亜寒帯、高山帯に対応している。
白山を中心とした「白山山系現存植生図」(1981・1988)を図 2-3-7 に示す。
森林植生の垂直的な分布は、標高 900∼1,600mの範囲にある山地帯では、自然植生として
日本海側のブナ林の特徴である下層にチシマザサを伴ったブナが発達しているほか、代償植
生としてヒノキ・スギ・カラマツ等の植林地が見られる。
標高 1,600∼2,300(2,400)mの範囲にある亜高山帯では、耐雪性夏緑広葉樹のダケカンバ群
落が広範囲にわたり発達しており、針葉樹の少ないことが当地域の大きな特徴である。
標高 2,350m(2,300∼2,400m)以上に位置する高山帯では、ハイマツの群生地とともに崩壊
砂礫地や高山荒原群落が介在している。
我が国で白山以西に白山より標高の高い山はなく、白山は高山帯がある山としては我が国
で最も西に位置している山である。そのため、当地域には西限に目される植物が多く(約 120
種)
、さらには白山の名を冠した植物も 20 種類に及ぶなど、植物分布上から重要な地域にあ
る。
【山地帯】
標高約 1,600mより下方は、ブナ林に代表される山地帯の森林が広がっている。
ブナは冷温帯を代表する落葉高木で、北海道南部から九州まで分布するが、関東以西では
山の中腹以上に見られる。高木になり、大きなものは樹高 30m、直径 1.5mほどにもなる。
ブナの木の肌は本来灰白色だが、多くの場合コケや地衣類が着生し、様々な模様となって見
える。
日本海側のブナの葉は、太平洋側のものに比べて大きく薄手で「オオバブナ」と呼ばれる
ことがある。これに対して太平洋側のものを「コハブナ」と呼ぶことがある。
ブナ林の高木層は、ほとんどがブナで占められ、ミズナラ、ダケカンバ、トチノキなども
混じる。林内にはハウチワカエデ、オオカメノキなどの小高木、低木層は、オオバクロモジ、
エゾユズリハ、ハイイヌツゲ、ハイイヌガヤなどが主体のところと、チシマザサが主に林床
を覆っているところがある。
沢筋や渓谷の湿潤で不安定な土地には、サワグルミ、シナノキ、トチノキを主体とした渓
谷湿性林が発達している。林床には、ジュウモンジシダ、リョウメンシダなどのシダ類が多
いのが特徴である。
このほか、やせた尾根や露岩地など土壌が浅く乾燥した土地条件のところには、クロベ、
ヒメコマツ、ヒノキ、コメツガなどの常緑針葉樹からなる森林(クロベ−シャクナゲ群落)
が見られる。
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【亜高山帯】
白山の亜高山帯は、1,600∼2,300(2,400)mの範囲に見られる。
大白川から白山を登ると、登山口から標高 1,600mあたりまでは落葉広葉樹林帯であるブ
ナ林が広く見られる。通常この落葉広葉樹林の上には典型的な亜寒帯性の常緑針葉樹林が出
現するはずであるが、白山においてはそれが見られず、1,600mあたりからダケカンバが混じ
ってきて、1,700mを過ぎるとほとんどダケカンバ林になる。
高標高地では、積雪や風の影響を強く受けて、低木化したり、根曲がりした樹形となる。
特に積雪が多く、雪崩地となっている斜面地には、ミヤマハンノキを主体とした低木林が見
られる。2,200m前後からはそれもなくなってハイマツが出現し、高山帯に入る。
本来ならあるはずの明らかな常緑針葉樹林が白山に欠けている様子は、御嶽山や乗鞍岳と
比べるとよく分かる。これらの山では標高 1,800m前後から森林限界の 2,500mあたりまで、
シラビソ、オオシラビソ(アオモリトドマツ)、トウヒ、コメツガを主体とする針葉樹林によ
って占められる。ダケカンバ林は森林限界などに少し出現するだけである。これは、積雪量
の違いが原因と考えられる。
日本では大まかな植生は気温によって決まるが、積雪量も規定要因になることがある。日
本海側の多雪地帯に少ないシラビソは、積雪荷重に弱いためと考えられている。より雪には
強いはずのオオシラビソ(アオモリトドマツ)もあまりに雪が多いと成立できないようであ
り、特に雪崩の起きやすい地形のところでは全く成立できない。そのため、白山ではこれら
に代わって、雪に強いダケカンバが優占したものと考えられる。
しかし、それさえも生育できないところは背丈の高い草からなる高茎草原になり、雪崩が
頻繁に起きるところでは、崩壊地となって植物がほとんどない。亜高山帯の上部ではこれら
が入り混じった状態になっている。
このように、白山には明らかに亜高山性の針葉樹林帯がなく、山麓から森林限界まで落葉
広葉樹林が優占しているが、針葉樹が全くないわけではない。南龍ガ馬場の近辺など、比較
的積雪の少ない急な尾根や強風で雪が吹き飛ばされる場所(風衝地)など限られた場所に、
比較的丈の低いオオシラビソがまばらに見られる。
ダケカンバは、
「岳樺」の名のとおり、本州では亜高山(北海道では低山から)に分布する
落葉広葉樹で、日当たりの良い土地に先駆的に生える陽樹である。樹高は 15m以上に達する
高木で、樹皮は赤みを帯びた褐色∼灰白褐色、紙のように薄くはがれるのが特徴で、別名「ソ
ウシカンバ(草紙樺)
」とも呼ばれている。
【高山帯】
白山の高山帯は、標高約 2,300∼2,400m以上に分布している。
ここでは、ハイマツ、ウラジロナナカマド、タカネナナカマド、ミヤマハンノキなどの低
木が優占するところと、丈の低い植物の多いお花畑、岩礫地、雪渓などがモザイク状に入り
混じっている。
風が極端に強い尾根筋では、ガンコウラン、チングルマ、クロマメノキなどの高さ 10 数㎝
の樹木がマット状の群落をつくる風衝草原が見られる。
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北西向きの斜面は冬の季節風によって雪が吹き飛ばされ、雪解けが早いため比較的雪に弱
いハイマツが群落をつくっている。風の強い場所(風衝地)では、地面にへばりつくように
極端に低木化するが、場所によっては 2m程度になることもある。林床には、コケモモやガ
ンコウランなどのごく背丈の低い木が見られ、ゴゼンタチバナ、マイヅルソウといった草本
も見られる。白山は、高山帯の面積が狭く、積雪も非常に多いことから、ハイマツ林の発達
は他の高山に比べあまり良くない。白山のハイマツは分布の西限にあたる。
東∼南東向きの斜面は吹き飛ばされた雪が堆積し、雪解けが遅いため、積雪荷重に強いミ
ヤマハンノキやナナカマド類などの風衝低木林が発達する。
谷筋など夏場遅くまで残雪があるところでは、植物の生育期間が非常に短く制限されるた
め樹木は発達せず、ハクサンコザクラ、アオノツガザクラ、イワイチョウ、ミツバノバイカ
オウレン、ミヤマキンバイ、クロユリなどのお花畑を形成する雪田群落が発達する。
このほか、急斜面や谷には雪、強風や凍結、乾燥など厳しい立地条件のため樹林は発達せ
ず、砂礫地の中にイワツメクサ、コメススキ、オンタデなどがパッチ状に見られる荒原群落
が形成されている。
【白山の高山植物】
高山植物といわれる植物の大半は、氷河時代に氷河の南下によって広がった北方系の植物
が気候の温暖化によって寒冷な高山帯に取り残されて分化したものである。一般に、高山植
物は草丈の割には花が大きく、また、冬越しする種類では、地を這うような枝を持ち、堅く
小さく細い葉を持つものが多い。高山特有の厳しい環境条件に適応した姿と言えよう。
白山の高山帯は約 2,000ha の広さしかないため、高山植物の種類は多くはないが、一種類
ごとの個体数が多いのは他の高山に比べても特徴的である。クロユリ、ハクサンコザクラ、
ハクサンオオバコ、イワイチョウなどの群生は見事である。
また、我が国では白山より西南で 2,000m以上の高山がないため、高山帯を持つ山がない。
そのため、ここに生育する植物は、分布の西限や南限となっているものが数多くある。白山
を分布の西限あるいは南限とする植物としては、表 2-3-3 に示すとおり、ハイマツ、オオシ
ラビソ
(アオモリトドマツ)
、
クロユリなど約 120 種ほどが知られている
(亜高山植物を含む)
。
しかし、白山では上述したように高山帯そのものの面積が狭いことに加え、白山火山の活
動が比較的最近まで活発であったことを反映して、立山などに比べると高山植物の種類はあ
まり多くなく、白山を唯一の産地とする固有の植物は見られない。
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表 2-3-3 白山を分布の西限または南限とする主な植物
科
名
ヒカゲノカズラ
メシダ
マツ
ヤナギ
カバノキ
タデ
ナデシコ
キンポウゲ
オトギリソウ
アブラナ
ベンケイソウ
ユキノシタ
バラ
マメ
トウダイグサ
フウロウ
ガンコウラン
ニシキギ
スミレ
アカバナ
セリ
イワウメ
ツツジ
サクラソウ
リンドウ
ミツガシワ
シソ
ゴマノハグサ
ハマウツボ
オオバコ
スイカズラ
キキョウ
キク
ユリ
イ(イグサ)
イネ
ミクリ
カヤツリグサ
ラン
39 科
種
名
タカネスギカズラ
オクヤマワラビ、オオメシダ
ハイマツ、オオシラビソ
ドロノキ
ヤマハンノキ
オンタデ、ムカゴタトラノオ、タカネスイバ、タカネトラノオ
イワツメクサ、タカネナデシコ、タカネツメクサ
ハクサンイチゲ、ミヤマキンポウゲ、シナノキンバイ、ハクサントリカブト、
ミツバノバイカオウレン
イワオトギリ(シナノオトギリ)
ミヤマタネツケバナ
イワベンケイ、ミヤママンネングサ
アラシグサ
チングルマ、ミヤマキンバイ、コガネイチゴ、ウラジロナナカマド、
タカネナナカマド、ベニバナイチゴ、カライトソウ、ゴヨウイチゴ
タイツリオウギ、イワオウギ、シロウマオウギ
ハクサンタイゲキ
ハクサンフウロ
ガンコウラン
クロツリバナ
ウスバスミレ
ヒメアカバナ、ミヤマアカバナ
ミヤマゼンコ、ハクサンボウフウ、シラネニンジン、ミヤマセキシュウ、
ハクサンサイコ、オオカサモチ
イワウメ
イワヒゲ、ミネズオウ、アオノツガザクラ、キバナシャクナゲ、クロマメノキ、
クロウスゴ、ハクサンシャクナゲ
ハクサンコザクラ、オオサクラソウ
ミヤマリンドウ、シロウマリンドウ
イワイチョウ
タテヤマウツボグサ
ミヤマコゴメグサ、ヨツバシオガマ、ミヤマクワガタ、エゾシオガマ、
ヒメクワガタ
オニク
ハクサンオオバコ
リンネソウ、オオヒョウタンボク
ハクサンシャジン、イワギキョウ、ヒメシャジン
ウサギギク、タカネヨモギ、クロトウヒレン、ミヤマタンポポ、フジアザミ、
ミヤマオトコヨモギ、アサギリソウ、タテヤマアザミ、ミヤマアザミ
クロユリ、キヌガサソウ、ヒロハユキザサ、ヒメタケシマラン、コバイケイソウ、
タカネアオヤギソウ、オオバタケシマラン
ミクリゼキショウ、ミヤマホソコウガイゼキショウ、クモマスズメノヒエ
ミヤマアワガエリ、アイヌソモソモ、ハクサンイチゴツナギ、エゾヌカボ、
タカネイトゴツナギ
ホソバタマミクリ
イトキンスゲ、キンチャクスゲ、キンスゲ、アシボソスゲ、イワスゲ、ダケスゲ、
クモマシバスゲ、ヒラギシスゲ、ヒメカワズスゲ、ハクサンスゲ、ホスゲ、
ハガクレスゲ
ハクサンチドリ、タカネトンボ、タカネサギソウ、ホテイアツモリ、
キバナアツモリソウ、ニョホウチドリ、ミヤマチドリ
119 種
出典:(社)日本林業技術協会:白山森林生態系保護地域バファーゾーン整備事業調査報告書と、岐阜県・石川県:環境庁委
託業務報告書 平成 9 年度生態系多様性地域調査(白山地区)報告書[井上好章・田中俊弘・後藤稔治]を追加して作製した。
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【白山の名のつく植物】
白山は、古くから知られた山であり、信仰のための登山の歴史も長いことから、そこに住
む生物も古くから注目されていた。
白山の植物が世に紹介されたのは、江戸時代後期に紀州藩士畔田伴存によって著された「白
山草木志」(1822)が最初であるといわれている。以来、明治以降も多くの植物学者が訪れ、
ここで最初に発見された植物も多く、
「ハクサン」が和名に入った植物が多く見られる理由と
なっている。
現在、白山を名前の由来とする植物は 20 種ほどある。このほかに白山に関わる名として、
「オヤマ」
(御山)
、
「ゴゼン」
(御前)
、
「シラヤマ」
(白山)などの名を持つ植物もある。また、
学名や通俗的に用いられる名も含めると、表 2-3-4 に示したようなものがある。
表 2-3-4 白山にちなんだ名のある植物(後藤常明他による)
○ハクサンアザミ(キク科)
○ハクサンカニコウモリ(キク科)…オオバコウモリとオオカニコウモリの中間種
○ハクサンオミナエシ(オミナエシ科)…別名、コキンレカ
○ハクサンシャジン(キキョウ科)
○ハクサンオオバコ(オオバコ科)
○ハクサンカメバヒキオコシ(シソ科)
○ハクサンコザクラ(サクラソウ科)
○ハクサンシャクナゲ(ツツジ科)
○ハクサンボウフウ(セリ科)
○ハクサンサイコ(セリ科)
○ハクサンタイゲキ(トウダイグサ科)
○ハクサンフウロ(フウロソウ科)
○ハクサンハタザオ(アブラナ科)
○ハクサンイチゲ(キンポウゲ科)
○ハクサントリカブト(キンポウゲ科)
○ハクサンチドリ(ラン科)
○ハクサンスゲ(カヤツリグサ科)
○ハクサンイチゴツナギ(イネ科)
○ハクサンミズゴケ(蘚類ミズゴケ科)
○ハクサンナガダイゴケ(蘚類シッポゴケ科)
・ハクサンオトギリ(オトギリソウ科)…シナノオトギリやイワオトギリの別名
・ハクサンハンノキ(カバノキ科)ヤハズハンノキの別名
・ハクサンタデ(タデ科)オンタデの別名
・オヤマリンドウ(リンドウ科)御山→白山の別名
・ゴゼンタチバナ(ミズキ科)御前→白山御前峰を指す
・カライトソウ(バラ科)hakusanensis の学名を持っている
・ハクサンモチ(モチノキ科)シイモチの別名で白山にはない
・ハクサンモミジ(カエデ科)ミネカエデの別名
・ハクサンガヤ(ツツジ科)アオノツガザクラの別名
・ハクサンヒョウタンボク(スイカズラ科)コウグイスカグラの別名
・ハクサンボク(スイカズラ科)暖地の植物で白山にはない
・ハクサンヨモギ(キク科)アサギリソウの別名
・ハクサンイワギク(キク科)イワギクの別名
・シラヤマギク(キク科)白山菊
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【白山の生育する植物種】
白山山系に生育する植物種を調査した報告はいくつかあるが、他の山に比べてそれほど多
くはないようである。それでも高度差が著しいことから、白山全体で 1,321 種を挙げた報告
もある(橋本・里見、1962)
。
調査報告により、調査範囲や対象類目が異なることから、全体で何種類とは言い難い。
表 2-2-1 にまとめた既往文献リストの中から、最近行われた調査から例示する。
「岐阜県・石川県:環境庁委託業務報告書 平成 9 年度生態系多様性地域調査(白山地区)
報告書、1998」
(1993・1994 年、石川県自然保護センター調査)では以下のとおりである。
石川県と岐阜県にまたがる白山高山帯及びその周辺部における高等植物(シダ植物、裸子
植物、被子植物(双子葉植物・単子葉植物))インベントリー調査では、62 科 361 種が確認さ
れている(表 2-3-5)
。このうち、環境庁自然保護局野生生物課(1997)植物版レッドリストに
挙げられ、調査地内に分布していた種は、カミコウチテンナンショウ、テングノコズチ、ヒ
メハナワラビ、イワギク、ダケスゲ、タカネトンボ、クモマスズメノヒエの 7 種であった。
また、同様に概ね標高 1,600m以上の高山帯及び亜高山帯の区域におけるキノコ類(真菌
類の担子菌類及び子のう菌類)の調査では、21 科 125 種が確認された(表 2-3-6)。
白山山系のうち主に岐阜県側のブナ帯において実施された高等植物調査では、123 科 705
種が確認された。これは、白山のブナ帯という限られた区域やこの地域の寒冷な気候と、そ
れによる生育環境の単純さなどに起因していると考えられる。我が国における保護上重要な
植物種の現状(1989)に記載されている危急種としては、ヤシャビシャクとダケスゲの 2 種で
あった。白山山系の多様な地形と寒冷な気象の影響を受け、ミヤマシグレ、タンナサワフタ
ギ、ハクウンボク、ミヤマカタバミなどの冷温帯系要素の植物が多く見られた。多雪地帯で
あることから、ハイイヌガヤ、チャボガヤ、ヒメモチ、マルバマンサク、オオバキスミレ、
スミレサイシン、オオカニコウモリなどの積雪の保温効果を生かし適応分化したといわれる
日本海側山地系要素植物が認められた。白山が西南限とされる貴重な植物の中で 79 種が確認
されている(表 2-3-7)
。
「岐阜森林署荘川事務所:大白川植生等調査報告書、2003」
(2002 年(財)林野弘済会調査)
では、大白川国有林内にある白山・白川自然休養林森林スポーツゾーン等で植生等を実施し
た。当地域は、標高 1,200∼1,380m、ブナ−チシマザサ群落が主体を占める。調査結果は、
72 科 266 種の高等植物が確認され、うち、希少種としてヤシャビシャク(環境省絶滅危惧種
Ⅱ類)
、ミヤマシシガシラ、ヤシャビシャク、キンラン、ハクサンアザミ(以上、岐阜県レッ
ドデータブック準絶滅危惧種)の 5 種が確認されている。
このほか、岐阜県及び富山県のレッドデータブックに掲載され、白山山系に生育している
と考えられる植物を表 2-3-8 に示す。
43
表 2-3-5 白山山系高山帯及びその周辺部における高等植物目録(その 1)
出典:岐阜県・石川県:環境庁委託業務報告書
平成 9 年度生態系多様性地域調査(白山地区)報告書、1998
44
表 2-3-5 白山山系高山帯及びその周辺部における高等植物目録(その 2)
45
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