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研究のプランニング、データ解析、 学会発表、論文作成のための実践

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研究のプランニング、データ解析、 学会発表、論文作成のための実践
研究のプランニング、データ解析、
学会発表、論文作成のための実践講座
日時:平成23年10月16日(日)
会場:社会保険中央総合病院
主催:日本血液浄化技術学会
http://www.jyouka.com
理事長挨拶
第4回血液浄化工学セミナー開催にあたって
日本血液浄化技術学会
理事長 山家敏彦
元来、研究とは、物事を深く突き詰め新たな知見を得ることとされて
いますが、この新たな事実や解釈は、学術大会や論文などで公開するこ
とにより初めて価値あるものになると考えます。
医療人としての使命の一つは、より質の高い医療を提供することであ
ることに異論はないと思います。現代医療における良質な医療は、各専
門職種で構成されたチーム医療によって提供されると言われています。
「チーム」とは、構成するチーム員がチーム目標の達成に向けて一人一
人に与えられた役割を全うすることで完成されます。血液浄化療法では、
高度な知識と技術を有するそれぞれの専門職種が患者を中心とした問題
解決志向をもち、職種間の連携を保つことが極めて重要です。では、役
割を全うするためにどうすればいいのでしょうか。それには、患者さん
のQOL向上のために常に創意・工夫を凝らし、率先して学術大会や論文で
の発表を行うことにより知識と専門性を獲得することが必要であると考
えます。
研究は自分がしなくても…、学会発表は苦手だから…、好きじゃなき
ゃ学会発表なんてできないよ…、そんな声を良く耳にします。しかし、
臨床現場で患者さんと向き合う以上、そのような他力本願的な考えを捨
て自らの探求心を維持することが何よりも大切であろうと思います。
今回は、このような研究心を育むための「研究のススメとジッセン」
を学ぶセミナーを企画しました。プログラムからは、初学者向けと感じ
られた方もいらっしゃると思いますが、むしろ後進を育成していかなけ
ればならないベテランの方々にも是非ご参加頂きたい内容であると思い
ます。
これを機会に、研究の目的を再認識して頂き、多くの方々が“臨床研
究、学会発表、論文作成”などの扉を開けていただくことを期待してお
ります。
1
インターネットによる論文検索サイトとその利用方法
東京工科大学医療保健学部臨床工学科
塚尾 浩
1
「論文」について
此処で言う論文とは、学術的な研究、調査、経験、思索の結果などを述べた文章
のことである。日本血液浄化技術学会の発表抄録(=会議録)、学校で使用した教
科書(=図書)、クリニカルエンジニア(=雑誌)の記事も論文である。論文を読
むことにより先達がこれまでに何を行い、何を得たかを知ることができる。
2
論文の形式について(医学中央雑誌より)
インターネットによる論文検索により個人でも多くの論文を集めることが可能と
なった。しかしながら、論文には様々な形式があるため、検索する目的に沿わない
ものも場合によってはあるかもしれない。我々は論文形式により、信頼性、速報性
は異なることを理解しなければならない。以下に論文検索サイトの医学中央雑誌に
おける論文の形式の代表的な定義について述べる。
・ 原著論文----医学・薬学・歯学・看護学・獣医学およびその関連分野に関わる研
究、開発、調査で、独創性、新規性のある文献で、著者名と所属機関名が必ず記
載されており、目的、対象、方法、結果、考察、結論で構成されているもの。図、
表、写真、参考文献を含み、要旨、要約があるもの。講演または会議録でも、原
著的内容、形式を有するもの。論文の簡略化された形式をとった記事(速報・短
報)も含む。症例報告は原著論文とする。
・ 会議録----学会、研究会や各種機関、団体で発表される抄録及び要旨。会報。
・ 解説----特定の分野や主題について解説した記事。
・ 総説----特定の分野や主題について、関連文献、資料に基づいて総括的に論評し
た記事。
上記のなかで速報性が1番高いのは学会発表の内容を簡潔にまとめた会議録にな
る。しかし、会議録は研究途上での報告であることが多くエビデンスとしての信頼
度は低い場合もある。研究結果の最終的なまとめである原著論文は会議録に比し速
報性には劣るが信頼度は高くなる。第三者が複数の原著論文を総括したものが総説
(レビュー)や解説となる。
3
主要な文献検索サイト
一般の検索サイトでも論文を検索することは可能である。しかしそこで得られる
結果は論文とは限らず研究目的にはそぐわないことが多い。専用の検索サイトを使
用した方がより確実に目的とする論文を得ることが出来る。以下に主な論文検索サ
イトを記す。
・ 医学中央雑誌(http://www.jamas.or.jp/ )
特定非営利活動法人医学中央雑誌が運営する国内最大級の医学文献情報データ
ベース。論文の登録数は 760 万件以上。有料だが無料のデモ版もある。
・ CiNii(NII 論文情報ナビゲータ[サイニィ])(http://ci.nii.ac.jp/)
50
NII(国立情報学研究所)が運営する広範囲の文献情報、学術情報データベース。
論文の登録数は約 1200 万件。無料で論文検索が可能。医学系のみならず理工系、人
文・社会科学系論文が収載されている。
・ J-STAGE(http://www.jstage.jst.go.jp/browse/-char/ja)
独立行政法人科学技術振興機構が運営する電子ジャーナルデータベース。CiNii と
同様に医学系のみならず理工系、人文・社会科学系論文が収載されている。国外の
文献可能。検索された論文にもよるが無料のものが多い。
・ Journal@rchive(http://www.journalarchive.jst.go.jp/japanese/top_ja.php)
独立行政法人科学技術振興機構が運営するデータベース。国内で発行された医理
工系の学術雑誌をデジタル化して無料公開を行っている。
・ FREE MEDLINE 日本語ゲートウェイ(http://www.healthy.pair.com/)
「MEDLINE」は医学分野で世界最大の文献データベース。1966 年から NLM(米
国国立医学図書館)でデータ収集が始まり,現在毎月約 3 万件の文献が新たに追加
されている。現在では,米国を中心に約 70 ヵ国から,900 万件を超える文献が収録
されている。検索語は英語。
・ Pubmed(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/)
米国国立生物工学情報センター(NCBI)が一般公開している医学関係文献データベ
ース。英語で書かれた医学・生物関連の論文のほとんどを収載。
・ Google scholar(http://scholar.google.co.jp/schhp?hl=ja&tab=ss)
Google が運営する学術研究資料検索サイト。分野や発行元を問わず検索可能。
4
日本語による文献検索の実際
医学中央雑誌(http://www.jamas.or.jp/ )のデモ版を用いて使用方法を以下に概説
する。
①医学中央雑誌(http://www.jamas.or.jp/ )へアクセス
②
画面上の「デモ版」をクリック
51
③
検索方法としては
ADVANCED モード(詳細検索)と BASIC モードがある。
④BASIC モードの検索ページ。検索語に「血液浄化」と入力。
52
⑤441 件の論文がヒット
53
5
英語による論文検索の実際
Pubmed(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/)を用いて目的とする論文を検索する
方法を概説する。例として 2003 年に Vanholder R が書いた尿毒素に関する論文の検
索を行う。
① Pubmed(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/)にアクセス。
② 検索語に著者名である「Vanholder R」を入力
552 編の論文がヒットした。初期設定では発行年の新しいものから順に結果が出さ
れる。
54
③ 検索結果をスクロールし 2003 年に発表された論文を探す
④ 目的の論文を見つけたら題名をクリック
55
⑤ リンク先に画面が切り替わり、アブストラクトが表示される。
⑥ 画面右上にあるリンクをクリック
56
⑦ 論文発行元の該当論文の HP が開く
⑧
画面右側に有る Download PDF をクリック
57
⑨PDF 書類がダウンロードされる
*必ずしもすべての論文が無料でダウンロード出来るわけではないが相当数の英語
論文が検索サイトを通して入手可能である。
58
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