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PDF:4691KB - いずもオロチネット
平成 29 年度(2017) 理科学習指導案 【小学校】 【中学校】 出雲市教育委員会 出雲科学館 〒693-0001 TEL FAX E-mail URL 島根県出雲市今市町 1900-2 0853 (25) 1500 0853 (24) 8383 [email protected] http://www.izumo.ed.jp/kagaku/ 目 次 1 より良い「連携,協力」を図った理科学習指導へ ······· 1 2 「科学館理科学習における指導目標」の観点一覧 ········ 3 3 「科学館理科学習における指導内容」の系統一覧 ········ 4 4 小学校学習指導案 ····················· 6 5 中学校学習指導案 ····················· 22 より良い「連携,協力」を図った理科学習指導へ 平成 20 年 3 月に新しい学習指導要領が告示され,平成 23 年度から小学校で,平成 24 年度から中学校で全面実施と なりました。その学習指導要領「指導計画の作成と内容の取り扱い」の中では,指導計画作成の配慮事項として,次の ことが示されています。 【小】(3)博物館や科学学習センターなどと連携,協力を図りながら,それらを積極的に活用するよう配慮すること。 【中】(5)博物館や科学学習センターなどと積極的に連携,協力を図るよう配慮すること。 科学館理科学習は,まさにこの「連携,協力」を図ったものといえます。出雲科学館では,平成 14 年度より「小・ 中学校との連携,協力」を図った理科学習指導に努めてきました。その「連携,協力」を図る取り組みは,科学館理科 学習カリキュラムの準備段階,理科学習指導の事前段階・事後段階において,表 1~3 に示すように行ってきました。 さらに,科学館スタッフはティーム・ティーチング(T T)指導における役割分担を明確にし,表 4 のような学習支援 を行っています。 ※なお,小学校・中学校ともに教科書改訂が実施され,小学校は平成 27 年度より,中学校は平成 28 年度より新し い教科書が使われています。学習指導案の単元名や内容は新しい教科書に準じています。 表 1 科学館理科学習カリキュラムの準備段階 理科学習内容検討委員会 教務主任者会 小・中学校の科学館理科学習カリキュラムや学校利用全般について協議し,より効率的で効果 的な理科学習の実施体制を検討している。 次年度の理科学習年間計画と学校行事との調整などを行い, 科学館理科学習が確実に実施でき るよう協議している。 表 2 理科学習指導の事前段階 理科主任者会 単元別事前打合せ会 各学校における科学館理科学習の推進役をお願いし,全単元における指導内容や TT 指導のよ り良い方法等,情報交流を図り,改善へ向けた協議をしている。 (必要に応じて実施) 理科を指導する教員が単元ごとの観察や実験を実際に体験し,観察・実験上の技術指導や安全 指導のポイント,また TT 指導における役割分担など,細やかな部分まで協議する。 表 3 理科学習指導の事後段階 児童生徒の自己評価 教員アンケート データ集計表 学習プリントに「学習を終えて」と設問し,児童生徒は自分の取り組む状況を「四択評価と自 由記述」により記入する。 理科を指導する教員は, 「サイエンスホールの学習」と「実験室・実習室の学習」についてそ の有効性を「四択評価と自由記述」により記入する。 児童生徒の自己評価および教員アンケートのデータ集計を行い, 単元ごとの学習プログラムの 成果と課題を導き出し,指導方法の改善に向けてフィードバックを行っている。 -1- 表4 学習場面における教員の支援 学習場面(担当) 児童生徒への主な学習支援事項 導入(T1) 学校での学習内容及びサイエンスホールでの演示実験との関連付けを図る 観察・実験(T1,T2,T3) 観察や実験の方法を児童生徒が理解しやすいように説明する ・安全上の注意を促す ・観察器具や実験装置などをビデオカメラで拡大して示す ・観察や実験の手順を順序立てて簡潔に説明する ・観察や実験の要点を明確にする ・児童生徒一人一人の役割分担を明示する 児童生徒一人一人が行う観察や実験へ助言する ・器具や装置の誤った使用方法の訂正をする ・記録の取り方の個別指導をする 考察(T1,T2,T3) 観察や実験結果から,共通性や法則を児童生徒が導く過程の助言をする ・観察や実験結果をグラフ化する ・言語(文章)やイラストを用いた分かりやすい整理をする まとめ(T1) 観察や実験結果から明らかになった事象をまとめて説明する 理科と実生活との関連付けを説明する まとめ補足(T2,T3) 観察や実験の様子(技能や表現などを含む)で良かった点を積極的に認めて褒める 大学や研究所などの研究事例と学習内容との関連付けを説明する 以上のような学校と科学館とが「連携,協力」して実施する理科学習は,これまでの児童生徒の自己評価や引率の教 員アンケートの結果などから良好な状況であると判断しています。 (*資料参照 科学館理科学習プログラムの評価資料) 今後は,学習指導要領の趣旨を生かしてさらに深い連携を図った理科学習を進めていくことが大切であると考えます。 科学館のスタッフが児童生徒と対面する時間は各学校の先生方と比べると一瞬に過ぎません。観察や実験時の児童生徒 の「関心・意欲・態度」や「観察・実験の技能・表現」の良好な状況を科学館側では具体的に評価するように心がけて います。しかし,これまで実験への取組に消極的であった児童生徒が科学館では主体的に参加するようになった場合な ど,一人一人の「成長」の部分まで把握することは難しい状況です。各学校の先生方で一人一人の学習プリントを十分 ご覧いただき,児童生徒個人の「成長」の部分を認め,日々の学習へつなげていただければと思います。さらに,各学 校で当該学習内容との連続性を考慮した科学的体験の場を設定したり,科学概念について補充学習をしたりなど科学館 では十分指導できない事後の学習を行っていただければと思います。 学校と科学館で役割を分担し合い,それぞれの良さを生かして今後も理科学習を推進して行くよう考えています。次 の 2 つの視点を共にもち,児童生徒も教員も「理科が楽しい」と感じられるような理科学習を創り,児童生徒の『科学 する心』として知的好奇心・探究心・創造性を育むことができればと願っています。 1 学校と科学館での理科学習の内容との連続性に配慮して指導をする 2 児童生徒の良さや成長を積極的に認め,お互いに前向きに伝え合う -2- 平成29年度 科学館理科学習における学習指導目標の評価観点一覧 科学館理科学習 第2・3時:実験室・実習室の学習 学年 テーマ 小3 評価項目 風やゴムで動かそう 主な観察・実験 □風の強さと車が走る距離の関係を調べる。 主な機器・装置など 送風機 個別化対応 観点(1) 観点(2) 観点(3) 観点(4) 関心・意欲・態度 科学的 思考・表現 観察・実験 技能 知識・理解 ● 2~3人/1セット □風の強さと車が走る距離の関係をまとめる。 月や星の動き プラネタリウム ● ■ガリレオ式簡易望遠鏡づくり・月の模擬観察行う。 小4 水のすがたと温度 ● ● □水を冷やしたときの水の様子を観察する。 ● ● □水を冷やした時の温度変化を調べ,グラフに表わす。 ● ● ● □ヒメダカの受精卵の変化を調べる 双眼顕微鏡 1人/1台 □水槽や池の水を観察して,魚の食べ物を調べる 双眼顕微鏡 1人/1台 流れる水のはたらき □流水のはたらきを調べる。 流水実験装置 4~7人/1台 ● ● ふりこのきまり □ふりこの1往復する時間は何によってかわるか調べる。 ふりこ実験器 2人/1台 ● ● 物の燃え方と空気 〼酸素発生装置による酸素の捕集と燃焼実験を行う。 ● ● ● ● 魚のたんじょう 小5 □夏の星座や星の観察を行う。 ● ● -3- 小6 〼電熱線の太さや長さによる発熱の違いについて調べる。 電熱線実験装置 3~4人/1台 ■電流計を使って電流の強さを調べる。 電源装置・電流計 3~4人/1台 □光合成が葉緑体で行われていることを確かめる。 双眼顕微鏡 1人/1台 ● □水中の小さな生物を観察する。 双眼顕微鏡 1人/1台 ● 物質の姿と状態変化 □水とエタノールの混合物の蒸留実験を行う。 リービッヒ冷却器 3~4人/1台 物質どうしの化学変化 □マグネシウムの燃焼実験(定比例の法則)を行う。 電子天秤 (秤量0.01g) 3~4人/1台 電気の世界 □電熱線の発熱量を決める条件を調べる。 電気と私たちのくらし 植物の世界 中1 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● 中2 電流計・電圧計 3~4人/1台 電源装置 科学技術の発展 ■選択A:キャッチロボットの制御を行う。 レゴマインドストームNXT 2人/1台 ■選択B:ホッケーロボットの制御を行う。 レゴマインドストームNXT 2人/1台 ■選択C:車型ロボットの制御を行う。 イーガジェット 2人/1台 ■選択D:虫型ロボットの制御を行う。 イーガジェット 2人/1台 ● ■印は発展的学習内容を,〼は発展的学習を一部含んだ内容を示している。 ●印について: 理科学習指導案において,評価項目としている観点を示している。 小・中学校-A区分・第1分野(物理・化学領域) エネルギー 学 年 小 学 3 年 エネルギーの見方 風やゴムの働き(11 月) ・風の働き ・ゴムの働き エネルギーの変換と保存 光の性質 ・光の反射・集光 ・光の当て方と明るさや暖 かさ 磁石の性質 ・磁石に引きつけられる物 ・異極と同極 小 学 6 年 中 学 1 年 エネルギー資源の有効利用 振り子の運動(2月) ・振り子の運動 粒子の結合 粒子の保存性 金属,水,空気と温度 ・温度と体積の変化 ・温まり方の違い ・水の三態変化(12月) 空気と水の性質 ・空気の圧縮 ・水の圧縮 物の溶け方 ・物が水に溶ける量の限度 ・物が水に溶ける量の変化 ・重さの保存 電気の利用(1月) ・発電・蓄電 ・電気の変換(光,音,熱などへの変換) ・電気による発熱 ・電気の利用(身の回りにある電気を利用した道具) 燃焼の仕組み(4月) ・燃焼の仕組み 物質のすがた ・身の回りの物質とその 性質(含:プラスチック) ・気体の発生と性質 光と音 ・光の反射・屈折 ・凸レンズの働き ・音の性質 水溶液の性質 ・酸性,アルカリ性,中性 ・気体が溶けている水溶液 ・金属を変化させる水溶液 水溶液 ・物質の溶解 ・溶解度と再結晶 -4電流(2月) ・回路と電流・電圧 ・電流・電圧と抵抗 ・電気とエネルギー(含:電力量,熱量) ・静電気と電流(含:交流) 中 学 2 年 物質の成り立ち ・物質の分解 ・原子・分子 電流と磁界 ・電流がつくる磁界 ・磁界中の電流が受ける力 ・電磁誘導と発電(含:交流) 中 学 3 年 化学変化 ・化合 ・酸化と還元 ・化学変化と熱 化学変化と物質の質量(5月) ・化学変化と質量の保存 ・質量変化の規則性 水溶液とイオン ・水溶液の電気伝導性 ・原子の成り立ちとイオン(含:電子,原子核) ・化学変化と電池 運動の規則性 ・力のつり合い(含:力の合成・分解) ・運動の速さと向き ・力と運動 力学的エネルギー ・仕事とエネルギー (衝突,含:仕事率) ・力学的エネルギーの保存 粒子のもつエネルギー 物と重さ ・形と重さ ・体積と重さ 電流の働き ・鉄心の磁化,極の変化 ・電磁石の強さ てこの規則性 ・てこのつり合いと重さ ・てこのつり合いの規則性 ・てこの利用 (身の回りにあるてこを利用した道具) 力と圧力 ・力の働き(含:力とばねの伸び,質量 と重さの違い) ・圧力(含:水圧) 粒子の存在 電気の通り道 ・電気を通すつなぎ方 ・電気を通す物 電気の働き ・乾電池の数とつなぎ方 ・光電池の働き 小 学 4 年 小 学 5 年 粒 子 エネルギー ・様々なエネルギーとその変換(含:熱の伝わり方,エネルギー変換の効率) ・エネルギー資源(含:放射線) 科学技術の発展(10月) ・科学技術の発展 自然環境の保全と科学技術の利用 ・自然環境の保全と科学技術の利用 酸・アルカリとイオン ・酸・アルカリ ・中和と塩 状態変化(10月) ・状態変化と熱 ・物質の沸点と融点 小・中学校-B区分・第2分野(生物・地学領域) 学 年 小 学 3 年 小 学 4 年 生 命 生物の構造と機能 生命の多様性と共通性 人の体のつくりと運動 ・骨と筋肉 ・骨と筋肉の働き(含:関節の働き) 地球の内部 地 球 地球の表面 天気の様子 ・天気による1日の気温 の変化 ・水の自然蒸発と結露 動物の誕生 ・卵の中の成長 (6月) ・水中の小さな 生物(6月) ・母体内の成長 植物の養分と 水の通り道 ・でんぷんのでき方 ・水の通り道 流水の働き(9月) ・流れる水の働き(侵食・運搬・堆積) ・川の上流・下流と川原の石 ・雨の降り方と増水 生物と環境 ・生物と水,空気とのかかわり ・食べ物による生物の関係(食物連鎖) 地球の周辺 太陽と地面の様子 ・日陰の位置と太陽の動き ・地面の暖かさや湿り気の違い 季節と生物 ・動物の活動と季節 ・植物の成長と季節 植物の発芽,成長, 結実 ・種子の中の養分 ・発芽の条件 ・成長の条件 ・植物の受粉, 結実 人の体のつくりと 働き ・呼吸 ・消化・吸収 ・血液循環 ・主な臓器の存在 (肺,胃,小腸, 大腸,肝臓, 腎臓,心臓) 生物と環境のかかわり 身近な自然の観察 ・身の回りの生物の様子 ・身の回りの生物と環境とのかかわり 昆虫と植物 ・昆虫の成長と体のつくり ・植物の成長と体のつくり 小 学 5 年 小 学 6 年 生命の連続性 月と星(7月) ・月の形と動き ・星の明るさ,色 ・星の動き 天気の変化 ・雲と天気の変化 ・天気の変化の予想 月と太陽 ・月の位置や形と太陽の位置 ・月の表面の様子 土地のつくりと変化 ・土地の構成物と地層の広がり ・地層のでき方と化石 ・火山の噴火や地震による 土地の変化 -5中 学 1 年 植物の体のつくりと働き(5月) ・花のつくりと働き ・葉・茎・根のつくりと働き 生物の観察 ・生物の観察 火山と地震 ・火山活動と火成岩 ・地震の伝わり方と地球内部の働き 地層の重なりと過去の様子 ・地層の重なりと過去の様子 動物の体のつくりと働き ・生命を維持する働き ・刺激と反応 中 学 2 年 植物の仲間 ・種子植物の仲間 ・種子をつくらない植物の仲間 気象観測 ・気象観測 生命と細胞 ・生物と細胞 天気の変化 ・霧や雲の発生 ・前線の通過と天気変化 動物の仲間 ・脊椎動物の仲間 ・無脊椎動物の仲間 日本の気象 ・日本の天気の特徴 ・大気の動きと海洋の影響 生物の変遷と進化 ・生物の変遷と進化 中 学 3 年 生物の成長と殖え方 ・細胞分裂と生物の成長 ・生物の殖え方 生物と環境 ・自然界のつり合い ・自然環境の調査と環境保全(含:地球温暖化,外来種) 天体の動きと地球の自転・公転 ・日周運動と自転 ・年周運動と公転 遺伝の規則性と遺伝子 ・遺伝の規則性と遺伝子(含:DNA) 自然の恵みと災害 ・自然の恵みと災害 太陽系と恒星 ・太陽の様子 ・月の運動と見え方(含:日食, 月食) ・惑星と恒星(含:銀河系の存 在) 自然環境の保全と科学技術の利用 ・自然環境の保全と科学技術の利用 出雲科学館理科学習指導案 新編 新しい理科3年(東京書籍) pp.94~103 小3 風やゴムで動かそう(第1時 サイエンスホール) 1 本時の目標 ・風やゴムが物を動かす現象を見て,風やゴムの働きについて興味や関心をもつことができる。 2 展 開 学 習 活 動 内容および支援(または留意点) (★ 担任または理科担当) ○科学館学習の流れの説明を聞く。 ・初めての科学館理科学習のため,科学館での学習についての説明をする。 ○本時の学習内容を知る。 ・風やゴムの働きについて学習することを伝える。 ○ゴムの働きについて知る。 ・輪ゴムを使ってゴムの伸縮を観察する。 ・輪ゴムセットを使って,児童一人一人にゴムの伸縮する様子を観察するように伝える。 ・強力なゴムの使用例を知る。 時間 30 分 教材・教具など 3 10 ・輪ゴムセット ・バンジージャンプ用ゴム ・大型ゴム動力車 ・ストッパー用金属板 ・スカイスクリュー ・保護眼鏡 ・三角コーン 15 ・うちわ ・吹き流し ・空気砲 (大型バケツ製,バケツ製) ・スモークマシーン ・ドライヤー ・ブロワ ・発泡ポリスチレンカップ ・スチロール球 ・連結風船 ・大型送風機 ・ヘルメット ・ライフジャケット ・新聞紙 1 日分 ・大型風動力車 ・ミニ風力発電装置 ・風力発電所写真 ・強力なゴムの例として,バンジージャンプに使われているゴムの紹介をする。 ・伸びたゴムが元に戻ろうとする力で物が動 ★代表児童を指名する。 (大型ゴム動力車に乗る) く様子を観察する。 ・ゴムの力で大型ゴム動力車が走る様子を演示する。 ・ねじれたゴムが元に戻ろうとする力で物が ・輪ゴムセットを使って,児童一人一人にゴムのねじれる様子を観察するように伝える。 動く様子を観察する。 ★代表児童を指名する。 (スカイスクリューを飛ばす) ・ゴムの力でプロペラが回り,真上に飛ぶおもちゃの飛ぶ様子を演示する。 ○風の働きについて知る。 ・空気砲で空気が動く様子を観察する。 ・大型バケツ製空気砲から出る空気のかたまりがよく分かるように,スモークを入れ演示す る。 ・バケツ製空気砲から出てくる空気の勢いを,児童が体感できる場を設ける。 ・風の力で物が浮かぶ現象を観察する。 ・ドライヤーやブロワを使って発泡ポリスチレンカップや球,風船を浮かす様子を演示する。 ・強風によって起こる現象を観察する。 ★代表児童を指名する。 (大型送風機の風を体感する) ・大型送風機を使って風速 20m/秒の風を発生させ,強風によって物が飛ばされる様子や,人 が歩きにくくなる様子を演示する。 (参考) 平均風速 10~15m/秒,瞬間風速 20m/秒 (風に向かって歩きにくくなる。傘がさせない。 ) 平均風速 20~25m/秒,瞬間風速 30m/秒 (何かにつかまっていないと立っていられない。 ) 気象庁 予報用語「風の強さと吹き方」より ・風の力で物が動く様子を観察する。 ★代表児童を指名する。 (大型風動力車に乗る) ・帆に受けた風の力で大型風動力車が走る様子を演示する。 ・風の利用例を知る。 ・ミニ風力発電装置で発電の様子を演示する。 ・風が物を動かすことを利用して,風力発電装置の羽根を回転させ,電気エネルギーを得て いることを伝える。 ・強い風は災害にも繋がるが,上手に使えば便利なものであることを伝える。 ○次時の学習内容を知る。 ・実験室では,風で動く車を作り,風の強さと車の動く距離について調べていくことを伝え る。 -6- 2 出雲科学館理科学習指導案 小3 風やゴムで動かそう(第2・3時 実験室・実習室) 新編 新しい理科3年 (東京書籍) pp.94~98 1 本時の目標 ・風の力で物が動く現象に興味をもち,進んで風で動く車を作製することができる。【 自然事象への関心・意欲・態度 】 ・風の強さによる走行距離の違いを調べ,その結果を記録することができる。【 観察・実験の技能 】 ・風が物を動かす働きは,風の強さと関係することを理解することができる。【 自然事象についての知識・理解 】 2 展 開 内容および支援と評価 学 習 活 動 T1(担任または理科担当) ○本時の学習課題を知る。 時間 T2・T3 ・風で動く車を見せ,車を作製することを 伝える。 ○風で動く車を作製する。 ・作製方法について説明する。 ・竹ひごの折り方について説明する。※1 90 分 3 ・プラスチック段ボ ール板 ・竹ひご ・ストロー ・ゴムタイヤ ・発泡ポリスチレン トレイ ・面ファスナー ・はさみ 5 ・風で動く車 17 ・送風機 ◆進んで風で動く車を作製することができる。 【 自然事象への関心・意欲・態度 】 〈行動・記録分析〉 ・帆に風を当てて車を走らせながら,車輪のゆがみを直 すことなどを伝える。 ・見本の車 15 ・作製に困っている児童への支援,安全面の指導を行う。 ○作製した車を試走させる。 教材・教具など ・走行させることに困っている児童への支援,安全面の指導を行う。 ○風の強さを変えると車の動く様子はどのよう に変化するか予想する。 ・送風機を使って実験することを伝え,風 の強さを変えると車の動く様子はどの ように変化するか問いかける。 車の動く速さが速くなる 車の動く距離が長くなる 車の動く時間が長くなる など ・車の動く距離に注目し,距離がどのように 変化するか予想する。 ○実験方法について知る。 ○風の強さを変えると,車の動く距離が変化す ることを調べる実験を行う。 ・車が風を受けて動く距離について,風の強 さを変えて調べる。 ・実験結果を記録する。 ※2 できるだけ 3 人 構成の班で実験 を行う。12 班ま で対応可能。 ・車の動く距離について調べることを伝え,課題を確認 する。 ・実験の方法について説明する。 ・3 人組で係を交代しながら行うことを伝える。 (スタート係・送風機係・記録係) ・3 人の車それぞれについて,風の強さが弱・中・強のと きに車の前部が到達した距離を 50cm 単位で記録するこ となどを説明する。 ・より正確な実験データを得るために,同じ条件で繰り 返し実験することの必要性と,実験データには誤差が あることを伝える。 25 ・実験に困っている班への支援,安全面の指導を行う。 ◆風の強さによる走行距離の違いを調べ,その結果を記録することができる。 【 観察・実験の技能 】 〈行動・記録分析〉 ・ストッパー ・距離テープ ・送風機 ・記録用バインダー ・早く終わった班には課題例を提示し,実験するように 促す。 5 移動 休憩 ○風の強さと動いた距離の関係についてまとめ る。 ・実験結果から分かったことを記入し,発表 ・児童の指名を行う。 する。 ・それぞれの風の強さごとに測定結果の最高記録に赤鉛 筆で印をつけることを伝える。※1 ・学級全員の結果をホワイトボードにまとめ,風の強さ と走行距離の関係を視覚的に分かりやすく示す。 ・風の強さが強くなれば,車の動く距離が長くなること を確認する。 15 ◆風が物を動かす働きは,風の強さと関係することを理解することができる。 【 自然事象についての知識・理解 】〈行動・記録分析〉 ○本時の振り返りをする。 5 ・今日の学習について肯定的な評価をする。 ・「学習を終えて」を記入する。 ・今日の学習について振り返り,学習プリントの「学習を 終えて」を記入するように伝える。 備考 ※1 各自,13 ㎝を測ることができる定規と赤鉛筆が必要です。 ※2 実験を行う班は,できるだけ 1 班 3 人になるようにしてください。 -7- ・マグネット 出雲科学館理科学習指導案 小4 月や星の動き(第1時 サイエンスホール) 1 本時の目標 ・三日月や半月(上弦の月)の動きの画像の観察を通して,「月の動き方」や「月の形が変わる順序」について興味や関心をもつことができる。 ・太陽系の惑星の特徴を知るとともに,月面の映像の観察を通して,月や星(太陽系の惑星)についての興味や関心をもつことができる。 新編 新しい理科4年(東京書籍) pp.60~63, 68~73 新編 新しい理科6年(東京書籍) pp.84~85, 88~90, 91~96 2 展 開 学 習 活 動 ○本時の学習内容を知る。 ・太陽の動きの復習をする。 内容および支援(または留意点) (★ 担任または理科担当) 時間 35 分 教材・教具など ・月や星の動き方や太陽系の惑星について学習することを伝える。 ・小 3 で学習した太陽の動きについて,東の方から南の空を通って西の方に動いているよう に見えることを復習する。あわせて東,西,南,北の方位も復習する。 3 ・スポットライト ○月の動きを考える。 ・30 分ごとに観察した三日月の観察画像から ・三日月を同じ場所から 30 分毎に観察した写真を示し,三日月の位置を確認する。 考える。 ・ 「位置」を「方位(方角) 」と「高さ(角度) 」により表していることを伝える。 ・観察から月の見える位置は,時間によって変化することが意識できるよう助言し,次の点 を導く。 「月は,時間の経過とともに西の空へ沈むように動いているように見える」 ・太陽の動きを提示することにより,月の動きと関連付けできるようにする。 8 ・午後 8 時頃の三日月 ・30 分毎の三日月の観察画像 (定点観察) ・午後 10 時頃撮影した三日月 ~上弦の月(定点・定時観察) 5 ・月の画像(三瓶自然館提供) ・スポットライト ・月の満ち欠け実験器 ・太陽の表示 12 ・毛利衛宇宙飛行士によるメッ セージ映像 (JAXA・日本科学未来館提供) ・惑星の画像(国立天文台他) ・太陽,惑星の模型 ・Mitaka ・宇宙服(JAXA より借用) ・スポットライト ・衛星かぐや撮影の映像 (JAXA より提供) 6 ・山崎直子宇宙飛行士のメッセ ージ映像 ・水素-酸素ロケット装置 ・保護眼鏡 ・防音用イヤーマフ ・国際宇宙ステーション (模型) ・ロケットの模型 (H2 ロケット) ・1 日ごとに観察した三日月の観察画像から ・月を同じ場所から同時刻で 1 日毎に数日間観察した連続画像を使い,三日月から上弦の月 考える。 までを提示する。 ・観察から月の見える位置は,時間によって変化することを意識付け,次の点を導く。 「同じ時刻の月を観察すると,1 日ごとに見える位置は変化する」 ・時間(日)によって月の見える位置が変化するだけでなく,月の形が変わって見えること (月の満ち欠け)にも気付けるような言葉がけをする。 ○月の見え方がなぜ変わるのかを知る。 ・月の写真を見る。 ・三日月,上弦の月,満月,下弦の月,新月の画像を提示することにより,月はいろいろな 形で見えることを示す。 ・月が約 1 か月で地球の周囲を 1 回転することが,月の形が変わって見えることに関係して いると知らせる。 ・月の満ち欠け実験器で見え方を確認する。 ★代表児童を指名する。 (月の満ち欠け実験器を回転させる) ※1 ・太陽はスポットライト,月は白球で例えていることを説明する。また,地球模型には小型 カメラを設置して,地球から観察していることを伝える。 ・月が地球の周囲を 1 回転するとき,月の見える形が新月から下弦の月へと変化する様子を 連続的に示す。 ・太陽と地球と月の位置関係によって,月の形の見え方が変化することを説明する。 ○地球の仲間の星を調べる。 ・毛利宇宙飛行士のメッセージを聞く。 ・惑星や月について興味や関心が広げられるように,毛利宇宙飛行士の「宇宙は不思議がい っぱい」というメッセージを流す。 ・太陽系の主な惑星を知る。 ・実際に撮影した映像を示しながら惑星の名前を紹介する。 ・惑星の特徴(大きさ,色)や地球から惑星までの距離を知らせる。 ・惑星や月への旅行を擬似探検する。 木星 土星 月 ・Mitaka を使い,太陽系の惑星への旅を疑似体験することを伝える。※2 ・惑星の特徴を説明する。 ・月に着陸し,地表の様子が観察できるよう操作する。 ・月周回衛星「かぐや」が捉えた実際の月表面の映像を流す。※3 ・船外活動と称して科学館スタッフが宇宙服で登場し,宇宙の雰囲気に浸ることができるよ うにする。 ・空気,水,生命の存在について説明する。 ○山崎宇宙飛行士のメッセージを聞く。 ・山崎直子宇宙飛行士の国際宇宙ステーションでの活動の様子やメッセージの映像を流す。 ○水素-酸素ロケットの実験を見る。 ★代表児童を指名する。 (水素-酸素ロケットの発射実験をする) ・ロケットの推進力を得る方法と同じ原理の水素-酸素の混合気体を用いて実験する。 ・保護眼鏡と防音用イヤーマフを着用させ,安全上の配慮をする。 ○次時の学習内容を知る。 ・実験室では望遠鏡作りをし,プラネタリウム学習では夏の代表的な星座や星座早見の使い 方について学ぶことを伝える。 1 備考 ※1 太陽と月の位置や月の見え方との関係については,小 6「B(5)月と太陽」で詳細に扱う内容です。出雲科学館では,スポットライトや月の満ち欠け実験器を用いて効果的に 演示できることから,本時の学習に含めています。なお,地球の外から月や太陽をみる見方については,中学校第 2 分野「 (6)地球と宇宙」で扱います。 ※2 Mitaka は,国立天文台4次元デジタル宇宙プロジェクトで開発している, 天文学の様々な観測データや理論的モデルを見るためのフリーソフトウェアです。 ※3 月の表面の様子については,小 6「B(5)月と太陽」で扱う内容です。そのため,月を調査するために日本が打ち上げた人工衛星「かぐや」の撮影した月の表面の様子が、新 編 新しい理科 6(東京書籍)で紹介されています。出雲科学館では「かぐや」で撮影された映像資料を所有していることから,本時の学習に含めています。 -8- 出雲科学館理科学習指導案 小4 月や星の動き(第2・3時 実験室・実習室) 新編 新しい理科4年(東京書籍) pp.70~72 1 本時の目標 ・月や星を観察することに関心をもち,進んで簡易望遠鏡を作製することができる。【 自然事象への関心・意欲・態度 】 2 展 開 内容および支援と評価 学 習 活 動 T1(担任または理科担当) ○本時の学習課題を知る。 時間 T2 ・月や星を観察するための望遠鏡を作製す ることを知らせる。 ○ガリレオ式望遠鏡を作製する。 ・凸レンズと凹レンズの特徴を知る。 45 分 2 20 ・各レンズの形や見え方などの特徴を紹介する。 ・凸レンズと凹レンズを組み合わせると望遠鏡を作製す ることができることを伝える。 ・望遠鏡を組み立てる。 教材・教具など ・作業を演示しながら,手順を説明する。 ・レンズに接着剤が付かないよう注意を促す。 ・凸レンズ ・凹レンズ ・紙筒(大・中・小) ・ドーナツ型厚紙 ・接着剤 ・名前シール,台紙 1 つの実験机につ き,2~4 人の班で 作業を行う。10 班まで対応可能。 ・工作について支援をする。 ◆進んで簡易望遠鏡を作製することができる。 【 自然事象への関心・意欲・態度 】 〈行動・記録分析〉 ○月を観察する方法を知る。 ・月の表面の模擬観察をする。 10 ・望遠鏡の基本的な操作について説明する。 (持ち方・使い方) ・望遠鏡の操作について説明する。 ・月や星の位置は「方位と高さ」で表すことができるこ とを伝え,にぎりこぶし法で月などの高さを調べるこ とができることを説明する。 ・月の位置を調べる。 ・観察方法について説明する。 ・9 月からの学習「月の動き」へとつなげられるように, 模擬月の観察を行い,実際の月の動きを調べるよう促 す。 移動 ※1 ・模擬月 ・方位磁針の写真 5 ○望遠鏡の使い方の注意を聞く。 3 ・望遠鏡の使い方の諸注意をする。特に,太陽を見ては いけないこととその理由を確認する。 ・望遠鏡の保管について説明する。特に,直射日光の当 たらない場所に保管することとその理由を確認する。 ○本時の振り返りをする。 5 ・今日の学習について,肯定的な評価をする。 ・ 「学習を終えて」を記入する。 ・今日の学習について振り返り,学習プリントの「学習 を終えて」を記入するように伝える。 備考 ※1 第 3 時にプラネタリウム学習を行う場合,注意事項の説明や「学習を終えて」の記入は、望遠鏡作りの部屋に戻ってから実施します。 -9- 出雲科学館理科学習指導案 小4 月や星の動き(第2・3時 実験室・実習室) 新編 新しい理科4年(東京書籍) pp.60~64, 74~79 1 本時の目標 ・夏の代表的な星座(夏の大三角,さそり座など)についてプラネタリウムを利用して調べ,空に見られる月や星に興味や関心をもつことができる。【 自然事象への関心・意欲・態度 】 ・星にはいろいろな明るさや色があること,星の位置は時間とともに変わるが,星の並び方は変わらないことを理解することができる。【 自然事象についての知識・理解 】 2 展 開 内容および支援と評価 学 習 活 動 T1(担任または理科担当) ○本時の学習課題を知る。 時間 T2 ・プラネタリウムを使って星について学習することを伝 える。 ・視聴上のマナーを伝える。 40 分 2 教材・教具など ・プラネタリウム ・児童の様子に応じて,視聴上のマナーに関する説明をする。 ○今夜の星空を観察する。 ○星座早見を利用して調べる。 ○夏に見られる星や星座について知る。 ・さそり座について知る。 ・夏の大三角について知る。 ○星の動きを見る。 ・北極星について知る。 ・授業実施日の現在時刻の空をプラネタリウムで映し, 空がだんだん暗くなっていく様子を観察していくこ とを伝える。 ・おおぐま座の星座線を映し出し,星々をつないだもの を星座とよぶことを伝える。 ・星座早見によって星や星座の位置が確認できることを 伝え,使い方を説明する。 月日や時刻,方位の合わせ方 見方(さそり座,カシオペヤ座など) 10 ・プラネタリウム ・レーザーポインター ・星座早見 (1 人 1 枚)※1 18 ・プラネタリウム ・レーザーポインター 5 ・隕石標本 ・南の空に見られることを確認する。 ・S 字に結べる星の並びから星座の形を説明する。 ・赤い星(アンタレス)が,さそりの胸付近にあること を説明する。※2 ・天の川の中央付近に見られることを確認する。 ・こと座のベガ,はくちょう座のデネブ,わし座のアル タイルを結び,夏の大三角ができることを説明する。 ・夏の大三角を構成する星座を例に,一等星のほかに明 るさの違う星があることを説明する。 ・星は時間がたつと見える位置は変化するが,星の並び 方は変わらないことを,実際より時間を速く進めるこ とで,気付くことができるよう支援する。 ・光跡を残して星の動きを観察させ,星は北極星を中心 に反時計回りに動いているように見えることを確認 する。 ・東の空,南の空,西の空についても同様に,光跡を残 して星の動きの特徴を説明する。 ・おおぐま座の北斗七星やカシオペヤ座を手がかりにし て北極星を見つける方法を説明する。 ○冬に見られる星や星座について知る。 ・冬の星座などについて簡単に紹介し,季節によって見 える星座が異なることなどを伝える。 ◆星にはいろいろな明るさや色があること,星の位置は時間とともに変わるが,星の並び方は 変わらないことを理解することができる。【 自然事象についての知識・理解 】〈行動分析〉 ◆月や星に興味や関心をもち,進んで探したり,観察したりしようとする。 【 自然事象への関心・意欲・態度 】 〈行動分析〉 ○本時のまとめをする。 ・野外観察(夜間)時の注意を聞く。 ・安全上の留意点とともに,大人と観察するよう伝える。 ・隕石標本を観察する。 移動 ※3 5 備考 ※1 学校で児童に配布された星座早見を携行されることを推奨します。携行されない場合は,出雲科学館で所有している星座早見(渡辺教具製作所のスターディスク)を用います。 ※2 プラネタリウムでの星の色の見え方には個人差があります。 ※3 プラネタリウム学習は交代で行います。 「学習を終えて」の記入は第 3 時後に望遠鏡作りの部屋で実施します。 - 10 - 出雲科学館理科学習指導案 新編 新しい理科4年(東京書籍) pp.108~121 小4 水のすがたと温度(第1時 サイエンスホール) 1 本時の目標 ・水を熱したときや冷やしたときの現象を見て,水の状態変化について進んで調べていこうとする意欲を高めることができる。 2 展 開 学 習 活 動 ○本時の学習内容を知る。 内容および支援(または留意点) (★ 担任または理科担当) ・物を熱したときに,その様子や温度がどのように変化していくのか学習することを伝える。 ○水を熱したときの温度変化や様子を調べる。 ★代表児童を指名する。 (蒸気機関車を走らせる) ・蒸気機関車が走る様子を観察する。 ・児童が火を付けた固形燃料を速やかに蒸気機関車に挿入する。 ・蒸気機関車が走る仕組みに,水の沸騰や水蒸気の力が関係していることを伝える。 ・日常生活の中で,水蒸気の力を感じられる場面を確認する。 時間 30 分 教材・教具など 1 12 ・蒸気機関車 ・蒸気機関車用レール ・固形燃料 ・ガスライター ・プラスドライバ ・シリンジ ・ピンセット ・電気ポット ・水が沸騰しているときの様子を観察する。 ・水が沸騰しているときは,中から盛んに泡が出ていることを確認する。 ・白く見えているものは「湯気」で, 「水蒸気」は見えないことを伝える。 ・突沸の映像を見て,沸騰石の役割を確認する。 ・丸底フラスコ ・沸騰石 ・ガラス管つきゴム栓 ・ガスバーナー ・突沸の映像 ・水が沸騰しているときの温度を測る。 ・ガスコンロ ・棒温度計 ・丸底フラスコ ・棒温度計を使って温度を正しく測る方法を確認する。 ★代表児童を指名する。 (温度を測る) ・水が沸騰しているときの温度を測定する。 ・沸騰中は,温度が一定になることを確認する。 ・棒温度計の誤差を,画像を使って確認する。 ○いろいろな物の 3 つの姿(固体・液体・気体) を知る。 ・水の 3 つの姿を知る。 ・水は,熱せられると「水蒸気」になり,冷やされると「氷」になることを確認する。 ・水を例に固体・液体・気体の定義を知る。 ・水のような状態を「液体」 ,氷のような状態を「固体」 ,水蒸気のような状態を「気体」と いうことを伝え,それぞれの粒子モデルを確認する。 ・ろうの 3 つの姿を観察する。 13 ・湯気は,固体・液体・気体のどれになるか問う。 ・湯気は,水の小さいつぶ(液体)であることを確かめる。 ・ガスコンロ ・ビーカー ・湯気を CCD カメラで撮影した 映像 ・ろうが熱せられると,固体から液体に状態変化することを確認する。 ・ろうそくは気体のろうが燃えていることを確認し,ろうも固体・液体・気体と変化するこ とを伝える。 ・ろうそく ・ガスライター ・ろうそくの炎消し ・金属トレー ・固体の金属が液体になる様子を観察する。 ・鉄は 1500℃ぐらいの高温で固体から液体に変化することを伝える。 (参考)鉄の融点 1536℃,沸点 2863℃ ・水以外の物質も固体・液体・気体と変化することを伝える。 ・鉄が溶解している映像 ・低融点金属 ・やかん ・コンロ ・金属トレー ・保護眼鏡 ・軍手 ★代表児童を指名する。 (低融点金属にお湯をかける)※1 ・低融点金属の全体にお湯をかけるように促し,固体から液体に変化する様子がよく分かる ようにする。 ○水が液体から固体に変化する様子を観察す る。 ・水が一瞬で凍る様子を観察する。 ○次時の学習内容を知る。 3 ★代表児童を指名する。 (ペットボトルから水を注ぐ) ・過冷却水をゆっくり注ぐよう促し,液体から固体へ変化する様子がよく分かるようにする。 ・実験室では,水を冷やしたときの様子や温度変化を調べることを伝える。 備考 ※1 低融点金属(ビスマス,錫,鉛,カドミウムの合金)の融点は 70℃です。 - 11 - 1 ・冷蔵庫 ・ペットボトル ・トレー ・ゴムマット 出雲科学館理科学習指導案 小4 水のすがたと温度(第2・3時 実験室・実習室) 新編 新しい理科4年(東京書籍) pp.118~120 1 本時の目標 ・実験器具を正しく扱い,水が氷になるときの体積や温度の変化を調べ,その結果を記録することができる。【 観察・実験の技能 】 ・水が冷やされて氷になると体積が増えることを理解することができる。 【 自然事象についての知識・理解 】 ・水は,冷やされると 0℃で凍り始め,すべて凍るまで 0℃のままであることを理解することができる。【 自然事象についての知識・理解 】 2 展 開 内容および支援と評価 学 習 活 動 T1(担任または理科担当) 時間 T2・T3 ○前時の学習内容を復習する。 ・水を例に物の 3 つの姿を復習する。 教材・教具など 90 分 5 ・第 1 時の学習等から,水を例に固体液体・ 気体のそれぞれの状態を確認する。 ・水を熱したときの温度変化や様子を復習す ・水を熱したときの温度変化や様子を確認 る。 する。 ○本時の学習課題を知る。 ・水を冷やす実験を行い,水が凍るときの 様子や温度を調べることを伝える。 1 ○試験管に入った水を冷やしたときの水の様 子や温度変化を予想する。 ・凍るときの様子や温度変化を予想する。 9 ・予想を確認する。 ・試験管に入った水を冷やしたとき,凍る様子や体積変 化の予想を確認する。 ○試験管に入った水を冷やしたときの水の様 子と体積変化を観察する。 【実験 1】 ・氷と食塩水を使って冷やすことを知る。 ・寒剤を使って試験管に入った水を冷やし, 様子を観察する。※1 ・観察結果を記録する。 30 ・水を冷やすために寒剤として氷と食塩水を使うことを 説明し,寒剤の温度を測定し,提示する。 ・試験管内の水を冷やし,水の様子を調べる方法を説明 する。 ・実験に困っている班の支援,安全面の指導等,個別の指導をする。 ◆実験器具を正しく扱い,水が氷になるときの体積の変化を調べ,その結果を記録することが できる。 【 観察・実験の技能 】〈行動・記録分析〉 ・ビーカー ・断熱材 ・ゴムマット ・プラスチック板 ・印付き試験管 ・氷 ・食塩 ・スプーン ・観察結果を確認する。 ◆実験結果から,水が氷になると体積が増えることを理解することができる。 【 自然事象についての知識・理解】〈行動・記録分析〉 ・実験結果から, 「水は凍ると体積が大きくなる」こと を確認する。 5 休憩 ○試験管に入った水を冷やしたときの水の温 度変化を調べる。 【実験 2】 ・凍り始めからすべて凍るまでの温度変化を 予想する。 ・予想を発表する。 ・試験管に入った水を冷やし,温度を測る。 ・実験結果を記録する。 30 ・ビーカー ・断熱材 ・ゴムマット ・プラスチック板 ・試験管 ・棒温度計 ・氷 ・食塩 ・スプーン 5 ・過冷却水の固化 (映像) ・実験 1 の結果をふまえ,水の凍り始めからすべて凍る までの温度変化の予想を確認する。 ・試験管内の水を冷やし,温度を測る方法を説明する。 ・実験に困っている班の支援,安全面の指導等,個別の指導をする。 ・実験結果を折れ線グラフにする。 ・グラフの書き方を説明する。 ・グラフの作成に困っている児童を支援する。 ◆実験器具を正しく扱い,水が氷になるときの温度を調べ,その結果を記録することができる。 【 観察・実験の技能 】〈行動・記録分析〉 ・実験結果を確認する。 ・各班の実験データをグラフで示し,確認する。 ・実験結果から, 「水を冷やすと 0℃で凍り始め,すべて 凍るまで 0℃のままである」ことや「すべて凍ると 0℃ よりも温度が下がる」ことを確認する。 ・ 「零下から 0℃になると氷が溶け始め,すべて溶け終わ るまで 0℃のままである」ことを確認する。 ◆実験結果から,水が氷になるときの温度変化を理解することができる。 【 自然事象についての知識・理解】〈行動・記録分析〉 ○身近な現象と実験結果が関係していること を知る。 ○本時の振り返りをする。 ・第 1 時に観察した過冷却水が凍る様子と温度の関係を 伝える。 ・ペットボトル飲料の「凍らせないでください」の注意 書きの意味について問いかける。 ・今日の学習について肯定的な評価をする。 ・「学習を終えて」を記入する。 備考 ・今日の学習について振り返り,学習プリントの「学習 を終えて」を記入するように伝える。 ※1 水を凍らせる実験では,試験管が割れることがあります。 - 12 - 5 出雲科学館理科学習指導案 小5 魚のたんじょう(第1・2・3時 実験室・実習室) 1 本時の目標 ・ヒメダカの卵を観察し,日が経つにつれて卵の中が変化する様子をとらえて,絵や文で記録することができる。【 観察・実験の技能 】 ・水中の小さな生き物を進んで顕微鏡で観察し,それらに興味や関心をもつことができる。【 自然事象への関心・意欲・態度 】 新編 新しい理科5年(東京書籍) pp.41~49 新編 新しい理科6年(東京書籍) pp.68~71 2 展 開 内容および支援と評価 時間 学 習 活 動 T1(担任または理科担当) ○本時の学習課題を知る。 T2・T3 ・メダカの卵について学習することを伝え る。 ・受精について復習し,メダカの卵の変化 について予想を聞く。 135 分 教材・教具など 5 ・教科書 p.41 図 60 ・双眼顕微鏡 ・スライドガラス ・メダカの受精卵 (受精 1 日目・2 日目 ・3 日目・6 日目) ・チャック付ビニル袋 ・デジタル生物顕微鏡 ・小さな卵一つ一つに命があることを伝える。 ○ヒメダカの卵の変化を調べる。 ・顕微鏡の使い方について知る。 ・顕微鏡の使い方について説明する。 ・受精してから 1 日目,2 日目,3 日目,6 日目の卵を各 班に配付していることを伝える。 ・メダカの卵の観察の仕方を説明する。 ・4 種類の卵の様子を観察し,受精してから の日数を予想する。 ・卵の様子を観察し,記録するとともに,各卵の受精し てからの日数を予想するように伝える。 ※1 できるだけ 4 人 構成の班で観察 を行う。10 班ま で対応可能。 ・ピント調節など観察に困っている児童を支援する。また,目的のものが顕微鏡ではっきりと 見えているか確認する。 ・観察した卵の様子を発表する。 ・児童を指名する。 ・児童の発表を板書し,観察の着眼点を整理する。 ・観察記録や発表をもとに,観察した卵の受精してから の日数を考えるように伝える。 ・判断理由とともに,各卵の受精してからの 日数の予想を発表する。 ◆4 種類の卵の成長の目立った変化を,受精してからの時間経過に着目して記録することがで きる。 【 観察・実験の技能 】 〈行動・記録分析〉 ・各段階の卵の特徴を観察し,確認する。 ・各段階の卵の受精してからの日数と特徴を知らせる。 ・発生の各段階による卵の様子の違いを顕微鏡で観察す るように伝える。 ・スケッチの仕方を説明する。 ・1 つの卵の中の様子をスケッチする。 ◆1 つの卵の中の様子を観察し,絵や文で記録することができる。 【 観察・実験の技能 】 〈行動・記録分析〉 休憩 ○水中の小さな生き物について調べる。 ・プレパラートを作る。 ・顕微鏡で観察する。 10 ・水槽や池の水を観察して,メダカの食べ 物を調べることを伝える。 55 ・水中の小さな生き物を観察するためのプレパラートの 作り方を説明する。 ・ピント調節など観察に困っている児童を支援する。また,目的のものが顕微鏡ではっきりと 見えているか確認する。 ・代表的な水中の小さな生き物を紹介する。 ・見つけた生き物についてプリントに記録するように伝 える。 ・双眼顕微鏡 ・水槽や池の水 (ミジンコなど入り) ・スライドガラス ・カバーガラス ・ピンセット ・スポイト ・ガーゼ ・水生生物資料 ・デジタル生物顕微鏡 ◆水中の小さな生き物に興味をもち,進んでいろいろな生き物の観察に取り組むことができる。 【 自然事象への関心・意欲・態度 】 〈行動・記録分析〉 ・使用した器具を片付ける。 ・使用した器具の片付け方を説明する。 ・水中の小さな生き物がえさとなる様子を観 察する。 ・メダカが水中の小さな生き物を捕食する様子を観察す るように伝える。 ・生き物の間には,食べる・食べられるという関係があ ることを伝える。※2 ・食物連鎖や世代交代を例に,生命の連続性について伝 える。 ○本時の振り返りをする。 ・水槽 ・メダカ 5 ・今日の学習について肯定的な評価をする。 ・ 「学習を終えて」を記入する。 ・今日の学習について振り返り,学習プリントの「学習 を終えて」を記入するように伝える。 備考 ※1 1 つの実験机に 4 段階の受精卵を配付するため,できるだけ 4 人の班で観察を行うようにしてください 10 班まで対応可能です。 ※2 生き物どうしの「食べる」 「食べられる」という関係については,小 6「B(3)生物と環境」で詳細に扱う内容です。出雲科学館では,メダカと水中の小さな生き物を用いて 効果的に演示できることから,本時の学習に含めています。 - 13 - 出雲科学館理科学習指導案 新編 新しい理科5年(東京書籍) pp.70~87 小5 流れる水のはたらき(第1時 サイエンスホール) 1 本時の目標 ・斐伊川の様子を観察したり,流れる水の力の大きさを実験により体感したりすることを通して,流れる水の働きについて調べようとする意欲を高めることができる。 2 展 開 学 習 活 動 ○本時の学習内容について知る。 内容および支援(または留意点) (★ 担任または理科担当) ・斐伊川の様子を上流・中流・下流の順に Google Earth を利用した上空写真や近影写真,ビ 時間 教材・教具など 30 分 7 ・Google Earth(斐伊川源流か デオ映像を用いて提示し,川幅や川の形,石の大きさ,流れている水の量が異なることに ら下流・中海までの上空写 着目するように伝える。 真) ・観察した上流・中流・下流地点の高度を知らせ,各地点の川の傾きについて確認する。 ・源流,上流,中流,下流の写 ・本時は, 「水の量(重さ)に関すること」 「流れる水の速さに関すること」の 2 つに視点を 真とビデオ映像※1 あてて学習を進めていくことを確認する。 ○水の量や重さと流れる水の力の関係を調べる。 7 ・水が入ったウォーターマットを,児童数名 ★代表児童を指名する。 (ウォーターマットを持ち上げる) で持ち上げる。 ・ウォーターマット ・斐伊川(写真) ・水の量感を実感するために,ウォーターマット(水 200L 入り)を 4~12 人の児童で持ち上 ・円柱形大型容器 げる。 ・200L の水は,200kg の重量があることを知らせ,水をたくさん集めるとかなりの重さにな ることを説明する。 ・水量が変わると,流れる水の力の大きさが ・水の量を変えると,流れる水のもつ力の大きさが変わることを実験で確かめる。 変わることを実験で確かめる。 ・水槽 ・水の重さのエネルギーを水力発電などに生かしていることを説明する。 ・アクリル筒 ・おもり ・2L ビーカー ・牛乳パック ・水力発電所(写真) ○川の傾きの違いと流れる水の力の関係を調 べる。 7 ★代表児童を指名する。 (アクリル筒の傾きを変え,水を流す) ・羽根車 ・川の傾きの違いによる流れる水の速さの違 ・川の傾きを急にすると水の流れが速くなることを実験で確かめる。 いを調べる。 ・アクリル筒 ・高圧洗浄機 ・水の流れが速くなった場合の流れる水の力の大きさをイメージできるようにする。 ・保護眼鏡 ・バルサ板 ★代表児童を指名する。 (高圧洗浄機の操作) ・植木鉢 ・水の速さが変わると,流れる水の力の大き ・高圧洗浄機の水を板や植木鉢に当てたときに,板が割れたり植木鉢に穴があいたりする様 さが変わることを実験で確かめる。 子を観察し,水の流れが速くなることによって力が大きくなることを実感できるようにす る。 ○水の量と速さが両方増したときに,流れる水 ・大量の水が速いスピードで流れている様子を想像するように促す。 5 の力の大きさがどうなるのかを,洪水の映像 ・雨が短時間に多量に降ったり,長時間降り続いたりしたときは水の量や速さが増し,建造 で観察する。※2 ・洪水の映像 ・大水の後に運ばれて積もった 物さえも押し流すほどの大きな力が生まれることを確認する。 土砂(写真) ・濁流の色に着目するように伝え,流れる水の働きによって土砂が上流から運ばれることや 下流には大量の土砂が堆積することに気付けるように説明する。 ・流れる水の働きによって土地や地面の様子が,短時間で大きく変化する場合があることを 説明する。 ・水による災害から生命を守るために,学んだ内容を活用するように伝える。 ○流れる水の「けずる」 「運ぶ」 「積もらせる」 ・流れる水の働きを確かめるために,大型流水実験装置に水を流し,流れる水が地面の様子 の 3 つの働きを観察する。 3 を変えていくことをカメラで拡大しながら観察できるようにする。 ・表示板 ・大型流水実験装置に水を流し,水を流した 時の地面の様子を観察する。 ・大型流水実験装置 (けずる・運ぶ・積もらせる) ・流れる水には,地面を削ったり土砂を運んだり,積もらせたりする働きがあることを確認 する。 「けずる:侵食」 「運ぶ:運搬」 「積もらせる:堆積」という用語についても説明する。 ○次時の学習内容を知る。 ・実験室では,流れる水の働きについて詳しく調べていくことを伝える。 1 ※1 サイエンスホールでは,宍道湖へ注ぐ河口の部分を便宜上斐伊川の下流と表現しています。斐伊川は,宍道湖・大橋川・中海・境水道を経て日本海までつながっています。 ※2 防災教育の一環として,川の増水によって起きた災害の写真や映像を扱います。配慮の必要な児童が在籍している場合には,事前打合せ会のときにお知らせください。 - 14 - 出雲科学館理科学習指導案 小5 流れる水のはたらき(第2・3時 実験室・実習室) 新編 新しい理科5年(東京書籍) pp.77~87 1 本時の目標 ・流れる水の量や川の傾きなどの条件を変え,水の流れが速くなると,流れる水の侵食する働きが大きくなることを理解することができる。【 自然事象についての知識・理解 】 ・流れの曲がっている川の内側と外側で水の流れの速さの違いを観察し,記録することができる。 【 観察・実験の技能 】 ・流れの曲がっている川の内側と外側では水の流れの速さが異なり,水の侵食する働きに違いが生じることを理解することができる。 【 自然事象についての知識・理解】 2 展 開 内容および支援と評価 学 習 活 動 T1(担任または理科担当) ○本時の学習内容を知る。 時間 T2・T3 ・流れる水の 3 つの働き(けずる,運ぶ, 積もらせる)について第 1 時の学習を振 り返り, 「侵食,運搬,堆積」の用語を 用いて説明することを伝える。 ○流れる水の侵食する働きが大きくなるのは ・流れる水の 3 つの働きのうち,侵食する働きに注目し どのような条件のときかを調べる。 (実験 1) て考えることを伝える。 ・自分の予想をプリントに記入する。 ・児童を指名し,予想を発表するように伝 ・発表したことをホワイトボードに記録する。 ・変える(調べる)条件とそろえる条件を整 える。 ・変える条件として,水の量と川の傾きに限定すること 理する。 を確認する。 ・変える(調べる)条件とそろえる条件を意 ・比較実験を行うため,1 つの装置の中に川を 2 つ作っ 識してまっすぐな川を 2 本作り,実験を行 て確かめることを伝える。 う。※2 ・発芽の実験を参考に,条件制御について確認する。 ≪前側・後側の班で水の量・ ・目的に沿った実験ができるよう,T1,T2,T3 で分担して支援する。 川の傾きの実験を分担≫ ・役割を分担したり協力したりしながら,川作りや実験ができるよう支援する。 ・実験結果を発表する。 ・わかったことをプリントに記入する。 95 分 2 35 ※1 3~7 人の班で 6 班まで実験でき る。 ・流水実験装置※1 (傾き可変式) ・バケツ ・川作り用具 (川の型,プラス チック容器) ・調べる条件を示す カード ・水量調節用ペット ボトル ・タイマー ・児童を指名し,実験結果を発表するよう ・ 「流れる水の量が多くなったり川の傾きが大きくなった に伝える。 りとすると,水の流れが速くなる。さらに,水の流れ が速くなると,流れる水の侵食する働きが大きくなる」 ことを導き出す。 ◆水の流れが速くなると,流れる水の侵食する働きが大きくなることを理解する。 【 自然事象についての知識・理解 】 〈発言・記録分析〉 休憩 ○流れの曲がっている川では,流れる水の速さ や侵食のされ方はどうなるか調べる。(実験 2) ・流れの曲がっている川を作る。 ・川の形や作り方を示し,川を作るように伝える。 ・流れの曲がっている川で,水の流れが速い ・水の流れが速いところ(長い矢印) ,ゆるやかなところ ところやゆるやかなところはどこかを予 (短い矢印)の記入の仕方を伝え,自分の予想をプリン 想してプリントに記入する。 トに記入するよう伝える。 ・予想したことを発表する。 ・児童を指名し,予想を発表するように伝 ・児童が記入したプリントを書画カメラで提示し,予想 える。 をホワイトボードに記録する。 ・実験方法について説明する。 ・流水実験装置に水を流して実験する。 ・カーブの外側と内側に注目して観察するように助言し, ≪前側の班で実験≫ 結果を記号や言葉で記入するよう伝える。 48 ・流水実験装置 (傾き可変式) ・川作り用具 (川の型,プラス チック容器) ・水量調節用ペット ボトル ・インク ・おがくず ・実験方法や記録の取り方について支援する。 ・実験結果をプリントに記録する。 ・すべての班の実験結果を発表する。 教材・教具など ・カーブの外側は流れが速く,内側では流れがゆるやか なことに気付くことができるよう支援する。 ・記録の仕方を伝え,プリントに記入するよう伝える。 ・児童を指名し,結果を発表するように伝 える。 ◆流れの曲がっている川の内側と外側で水の流れの速さの違いを観察し,記録することができる。 【 観察・実験の技能 】 〈行動・記録分析〉 ・流れの速さと侵食の関係について実験す る。 ≪後側の班で実験≫ ・実験方法について説明する。 ・流れの速さと侵食のされ方の関係を,インクなどを流 すことにより気付きやすくする。 ・ 「流れの速いところは,侵食する働きがより大きい」 「流 れのゆるやかなところは,土や砂が堆積する」ことを まとめとして導き出す。※3 ◆流れの曲がっている川の内側と外側では水の流れの速さが異なり,水の侵食する働きに違いが 生じることを理解する。 【 自然事象についての知識・理解 】 〈発言・記録分析〉 ・実際の川の写真と実験の結果を比べ,自然 の中でも同じ結果になることを知る。 ○川と人とのかかわりについて考える。 ・水害を防ぐための工夫について知る。 ○本時の振り返りをする。 ・ 「学習を終えて」を記入する。 備考 ・実験で得られた知識をもとに, 実際の川の流れの曲がっ ているところの外側や内側の様子を観察することに よって,流れる水の速さや川の深さなどを推測できるこ とを説明する。 ・河川の増水や氾濫等の災害を防ぐ目的で,川の周辺に は様々な防災設備が備えてあることに気付くことがで きるように写真資料を提示する。 ・今日の学習について肯定的な評価をする。 ・斐伊川中流の写真 5 ・防災設備の写真 5 ・今日の学習について振り返り,学習プリントの「学習 を終えて」を記入するよう伝える。 ※1 流水実験装置は,各教室に 6 台設置してあります。1 班の人数は 3~7 人とし,最大 6 班までの偶数班を編成してください。 (実験 1・2 ともに,2 班がペアになり行います。 ) ※2 川の形は,削られる様子の観察しやすいまっすぐな川を基本案としています。 ※3 出雲科学館所有の流水実験装置を使うと,流れの曲がっているところの様子を効果的に観察できるため,侵食・堆積の違いに着目した学習活動を取り入れています。 - 15 - 出雲科学館理科学習指導案 新編 新しい理科5年(東京書籍) pp.140~150 小5 ふりこのきまり(第1時 サイエンスホール) 1 本時の目標 ・振り子の動きに興味や関心をもち,振り子の 1 往復する時間を変える条件について進んで調べていこうとする意欲を高めることができる。 2 展 開 学 習 活 動 ○本時の学習内容を知る。 内容および支援(または留意点) (★ 担任または理科担当) ・振り子や振り子を利用したものを紹介し,振り子について調べていくことを伝える。 ★代表児童を指名する。 (共振ブランコに乗る) ○振り子とはどのようなものなのか知る。 ・振り子とはどのようなものか知る。 時間 30 分 5 教材・教具など ・共振ブランコ 10 ・振り子(単振り子) ・物理振り子(実体振り子) ・二重振り子 ・ブラックバーン振り子 5 ・振り子時計 ・メトロノーム ・制振実験装置 ○同じ振り子であれば,振り子の 1 往復する時 ・おもりが真下に来た時に音が鳴る仕組みになっている振り子を使い,振り子の等時性を体 間がいつも同じであることを知る。 感的にとらえられるようにする。 ・リズム振り子の音を聞く。 2 ・リズム振り子 ○振り子によって1 往復する時間が異なること ・いろいろな種類の振り子の 1 往復する時間を調べる。 を知る。 ★代表児童を指名する。 (長いブランコに乗る) ・ブランコに人形・代表児童を交代で乗せて,1 往復する時間をそれぞれ計る。同じ振り子な ら,1 往復する時間はいつも同じであることを確かめる。 ・他の振り子の場合では,1 往復する時間はどのくらいになるのか問いかけながら測定する。 ・振り子によって,1 往復する時間が異なることを確認する。 5 ・ブランコ ・共振ブランコ ・ターザンロープ ・分度器付き振り子 ○振り子の1 往復する時間を長くするには何を ・ 「ブランコに長く乗りたい」という願いを提示し, 「振り子の 1 往復する時間を長くするに どうしたらよいか予想する。 は何をどうしたらよいか」という課題について予想できるようにする。 2 ・振り子は「糸や棒などにおもりがつけてあり,左右にふれるようにしたもの」であること を知らせる。 ・振り子の動きに関わる 3 つの条件を知る。 ・振り子の動きに関わる条件として,おもりの重さ,振れ幅(振り出す時の角度の 2 倍) ,振 り子の長さ(ひもや棒がついている支点から,おもりの中心まで)を知らせる。 ・振り子にもいろいろな種類や振れ方がある ・振り子に対する興味や関心が高まるように,物理振り子(実体振り子) ,二重振り子,ブラ ことを知る。 ックバーン振り子を紹介する。 ★代表児童を指名する。 (ブラックバーン振り子により砂絵のリサージュ図形を作る) ○身の回りにある振り子を知る。 ・身の回りに振り子があることを知らせるために,振り子時計やメトロノームなど,振り子 が利用されている道具を紹介する。 ・ビルのモデルを示し,振り子を使った制振装置が実用化されていることを紹介する。 ・予想を発表する。 ○次時の学習内容を知る。 ・何人かの児童に予想を聞く。 ・実験室では,振り子の 1 往復する時間を長くするには何をどうしたらよいか調べることを 伝える。 - 16 - 1 出雲科学館理科学習指導案 小5 ふりこのきまり(第2・3時 実験室・実習室) 新編 新しい理科5年(東京書籍) pp.140~150 1 本時の目標 ・振り子の 1 往復する時間は何に関係しているのかを条件を変えて調べ,その結果を処理して記録することができる。【 観察・実験の技能 】 ・振り子の 1 往復する時間は,おもりの重さや振れ幅に関係なく,振り子の長さによって変わることを理解することができる。【 自然事象についての知識・理解 】 2 展 開 内容および支援と評価 学 習 活 動 T1(担任または理科担当) ○本時の学習課題を知る。 ○振り子の 1 往復する時間を変えるには,何を どうしたらよいか調べる。 ・予想を発表する。 ・実験方法について考える。 【条件の制御について】 時間 T2・T3 ・振り子の動きに関わる条件について確認 する。 ・振り子の1往復する時間を長くするには, 何をどうしたらよいのか調べることを伝 える。 ・サイエンスホールの様子を参考に予想するように伝え る。 教材・教具など 90 分 2 58 ・ストップウォッチ ・振り子実験器 ・実験用おもり ・電卓 ・巻尺 15 ・掲示用グラフ ・マグネット 10 ・演示用振り子実験器 ・児童の予想を聞く。 ・振れ幅,おもりの重さ,振り子の長さについて調べる とき,条件を整えることが大切であることを伝える。 ・実験の方法について説明する。 【1 往復する時間の計り方について】 ・同じ振り子の1往復の時間を計ることで,1 往復では 誤差が大きいことに気付くようにする。 ・往復させる回数を増やしたり,複数回の実験を行った りして平均を出すなど,誤差の影響を減らすための工 夫について説明する。 ・実験をする。※1 ・主体的な活動になるように,振り子の長さやおもりの 重さは,子どもたちが選べるようにする。 振れ幅を変えて調べる。 ・正しく条件制御し,正確に時間を測定できるように支援する。 ・実験結果を適切に処理するように支援する。 おもりの重さを変えて調べる。 ◆振り子の 1 往復する時間を変える条件は何かを条件制御して調べることができる。 【 観察・実験の技能 】 〈行動・記録分析〉 ◆調べた結果を適切に処理し記録することができる。 【 観察・実験の技能 】 〈行動・記録分析〉 振り子の長さを変えて調べる。 ・早く実験を終えた班に,発展課題に取り組むように促 す。 ○実験結果から振り子の1 往復する時間を変え る条件について考える。 ・実験結果をグラフに表す。 ・分かったことをプリントに書く。 ・実験結果をグラフに表し,変化の様子を視覚化する。 ・実験結果には,誤差が含まれていることを伝える。 ・クラス全体の結果から,考察するように伝える。 ◆振り子の 1 往復する時間は,おもりの重さや振れ幅に関係なく,振り子の長さによって変わ ることを理解することができる。【 自然事象についての知識・理解 】〈行動・記録分析〉 ・分かったことを発表する。 ・振り子の 1 往復する時間と振れ幅,おもりの重さ,振 り子の長さとの関係をまとめる。 ○演示用振り子を使い,振り子の性質を確認す る。 ・振り子の演示実験により, 「振り子の長さ」が「振り子 の 1 往復する時間」を変える条件であることを確認す る。 ○振り子のきまりを発見した人を知る。 ・振り子の等時性を発見したガリレオの紹介をする。 ○本時の振り返りをする。 ・ 「学習を終えて」を記入する。 ・今日の学習について肯定的な評価をする。 ・今日の学習について振り返り,学習プリントの「学習 を終えて」を記入するように伝える。 備考 ※1 実験は 2 人 1 組で行います。できるだけ各テーブルが 2 名か 4 名になるようにしてください。 - 17 - 5 出雲科学館理科学習指導案 新編 新しい理科6年(東京書籍) pp.12~18 小6 物の燃え方と空気(第1時 サイエンスホール) 1 本時の目標 ・物が燃えるときに必要な 3 条件を実験によって確かめるとともに,物を燃やす働きのある気体について興味や関心をもつことができる。 2 展 開 学 習 活 動 ○本時の学習内容を知る。 内容および支援(または留意点) (★ 担任または理科担当) ・キャンプファイヤーの薪は,なぜ井桁に組んであるのか問いかける。 時間 40 分 10 ンガス ・固体,液体,気体の物質に炎を近づけて, 「燃えるかどうか」を調べる実験を行う。 ・シャボン液 ・ 「物が燃えるときに必要な条件は何か」を問い,それを調べていくことを伝える。 ・ガスライター ・濡れ雑巾 ・ 「燃える物」が必要なことを確認する。 ○物が燃える時に必要な条件を考える。 12 ・虫めがね ・光源装置 ・炎のない状態から物を燃やす方法を考え ・小学3年生の学習で行った,太陽の光を虫めがねで集めて紙を燃やした経験から,炎がなくて る。 ・薪 ・バルサ材,エタノール,ブタ ・いろいろな物に炎を近づけ,燃える様子 ・本時の学習では,物質から炎が出た状態を「燃えた」と判断するよう説明する。 を観察する。 教材・教具など ・パラボラ集光器 も火がつくことを確認する。 ・マッチ ・温度計 ★代表児童を指名する。 (パラボラ集光器を使い,集めた光でマッチを燃やす) ・保護眼鏡 ・代表児童が,安全に実験が行えるようにするため,保護眼鏡を用意する。 ・電気コンロ,金属板 ・実験結果から, 「物が燃える時に炎は必要ない」ことを確かめる。 ・大型ピンセット ・集光すると「高温」になることを確認し,熱(発火温度)が必要かどうかを調べることを伝 ・紙 ・ステンレス製スタンド える。 ・ 「熱」は必要かどうかを調べる。 ・丸型フラスコ,発熱装置 ・電気コンロで加熱した金属板と加熱していない金属板上に紙を置き,紙が燃えるかどうかを ・スライダック 調べる実験を行う。 ・真空ポンプ ・実験結果から, 「物が燃えるときには,熱(発火温度)が必要である」ことを導く。 ・空気のある状態と空気のない状態(真空)でそれぞれ紙が燃えるかどうかを調べる実験を行 う。 ・ 「空気」が必要かどうかを調べる。 ・実験結果から, 「物が燃えるとき,空気が必要である」ことを導く。 ・物が燃える場合に必要な 3 条件を整理する。条件が 1 つでも欠ければ,燃焼を継続できない (消火できる)ことを説明する。 ・授業の最初に紹介した薪の組み方が,新鮮な空気の流入に関係していることに気付くことが できるようにする。 ○空気中のどの気体に物を燃やす働きがあ ・空気の組成について説明し,物を燃やす働きのある気体は何かを調べることを説明する。 12 ・三角フラスコ るかを考える。 ・二酸化炭素について調べる。 ・塩酸,石灰石 ・活栓付ろうと ・塩酸と石灰石の化学変化により二酸化炭素を発生させ,水上置換で捕集し,調べていくこと ・丸型水槽 ・集気びん を伝える。 ・石灰水 ・捕集した気体を石灰水中に通すと白濁する現象を提示し,発生した気体が二酸化炭素である ・ろうそく ことを説明する。 ・燃焼さじ ★代表児童を指名する。 (空気中と二酸化炭素中での燃焼実験をする) ・ふた(ガラス,木) ・空気中と二酸化炭素中でろうそくを燃やす実験を支援する。 ・ガスライター ・実験結果から, 「二酸化炭素には物を燃やす働きがない」ことを確かめる。 ○エネルギー利用について知る。 ・物が燃えることを利用してエネルギーを得ている事例を紹介する。 5 ・水素‐酸素ロケット装置 ・酸素ボンベ ★代表児童を指名する。 (ロケット発射の点火スイッチを押す) ・水素ボンベ ・代表児童が,安全に実験が行えるようにするため,保護眼鏡と防音用イヤーマフを用意する。 ・点火装置 ・保護眼鏡 ・防音用イヤーマフ ○次時の学習内容を知る。 ・実験室では, 「空気中の窒素と酸素について,物を燃やす働きのある気体は何か」を実験して 調べることを伝える。 - 18 - 1 出雲科学館理科学習指導案 小6 物の燃え方と空気(第2・3時 実験室・実習室) 新編 新しい理科6年(東京書籍) pp.17~18 1 本時の目標 ・安全な方法で,酸素を発生させ集めたり,酸素中で物を燃やしたりすることができる。 【 観察・実験の技能 】 ・実験結果から,酸素には物を燃やす働きがあり,窒素には物を燃やす働きがないことを理解することができる。 【 自然事象についての知識・理解 】 2 展 開 内容および支援と評価 学 習 活 動 T1(担任または理科担当) 時間 T2・T3 ○本時の学習課題を知る。 ・物を燃やす働きのある気体は何かを調べ ることを伝える。 ○空気中の気体の体積の割合を確認する。 ・空気中の気体の組成を質問する。 ・空気中の気体の体積の割合を提示する。 空気のおよそ 4/5:窒素 空気のおよそ 1/5:酸素 15 ○窒素及び酸素には,物を燃やす働きがあるか ・窒素と酸素の中でろうそくを燃やす実験 ・集気びんの中でろうそくを燃やす方法を説明する。 調べる。 をすることを説明する。 ・窒素及び酸素入りの集気びんを各班に配付する。 ・窒素と酸素の中でろうそくを燃やし,燃え 方を比較する。 ・正しい方法で実験を行うことができるように支援する。 ・実験結果をプリントに書く。 ・発表する。 教材・教具など 85 分 2 ・結果を発表するように伝える。 ・ろうそくは酸素中でしばらくの間燃えて いるが,窒素中では一瞬で消えるという 結果から, 「酸素には物を燃やす働きが ある」及び「窒素には物を燃やす働きが ない」ことを導く。 ・窒素ボンベ ・酸素ボンベ ・集気びん ・ふた(ガラス,木) ・燃焼さじ ・ガスライター ・ろうそく ・燃えかす入れ ・ピンセット(大型) ・濡れ雑巾 2~4 人の班で 10 班まで実験でき る。 ◆酸素には物を燃やす働きがあり,窒素には物を燃やす働きがないことを理解することができ る。 【 自然事象についての知識・理解 】 〈発言・記録分析〉 ・サイエンスホールの演示実験(水素‐酸素ロケットに 注入した気体)について説明する。 ○酸素の中で,いろいろな物を燃やして,燃え る様子や燃えた後の様子を調べる。 ・酸素を発生させ,水上置換で集気びんに酸 素を集める。 ・酸素の発生方法と水上置換法について演示する。 ・過酸化水素水の扱いについて注意を促す。 58 ・正しい方法で実験を行うことができるように支援する。 ・ろうそくを酸素の中で燃やし,空気中での 燃え方と比較する。 ・集気びんの中でろうそくを燃やす方法を説明する。 ・観察のポイント(炎の明るさ,ろうの溶ける速さ,燃 え続ける時間等)を説明する。 ・正しい方法で実験を行うことができるように支援する。 ・実験結果をプリントに書く。 ・結果を発表するように伝える。 ・発表する。 ・酸素の割合が異なる集気びんの中で,ろう そくが燃える様子を観察する。 ・木,木綿,スチールウールなどをそれぞれ 酸素の中で燃やす。 ・酸素中でろうそくの炎は激しく燃えたことについて, 説明する。 ・物の燃え方と酸素の割合が関係していることを実感で きるように,酸素濃度(10%と 50%)が異なる集気び んの中でろうそくを燃やす。 ・集気びんの中で,物を燃やす方法を説明する。 ・観察のポイント(炎の大きさ,色,燃え続ける時間等) を説明する。 ・正しい方法で実験を行うことができるように支援する。 ・実験の結果から, 「酸素 100%の中では,物は激しく燃 えること」 「金属の燃え方の特徴」について説明する。 ・実験結果をプリントに書く。 ◆正しい方法で,酸素を発生させたり,酸素中で物を燃やしたりすることができる。 【 観察・実験の技能 】 〈行動・記録分析〉 ◆酸素には物を燃やす働きがあることを理解することができる。 【 自然事象についての知識・理解 】 〈発言・記録分析〉 ○演示実験を観察する。 ・火を消したマッチの軸が酸素 100%にした 集気びんに入れると再び燃える様子を見 る。 ・酸素の入ったシャボン玉に火を近づける実 験を見る。 ○本時の振り返りをする。 ・ 「学習を終えて」を記入する。 ・完全に消火するためには何に気をつけると良いのか, 燃焼の 3 条件をもとに説明することができるか問いか ける。 5 ・酸素自体は燃えないことを実験で演示する。 ・今日の学習について肯定的な評価をする。 ・今日の学習について振り返り, 「学習を終えて」を記入 するよう伝える。 - 19 - 5 ・集気びん ・三角フラスコ ・活栓付ろうと ・過酸化水素水 ・二酸化マンガン ・丸型水槽 ・ふた(ガラス,木) ・燃焼さじ ・ガスライター ・ろうそく ・木,木綿, スチールウール ・燃えかす入れ ・棒磁石 ・酸素入り集気びん ・ふた ・窒素スプレー缶 ・長軸マッチ ・シャボン液 ・酸素スプレー缶 ・ブタンガス ・ピンセット(大型) ・濡れ雑巾 出雲科学館理科学習指導案 新編 新しい理科6年(東京書籍) pp.166~170, 176, 181, 184~185 小6 電気と私たちのくらし(第1時 サイエンスホール) 1 本時の目標 ・電気の利用の仕方や発電の様子などを知ることによって,電気の性質や働きについて興味や関心を高めることができる。 2 展 開 学 習 活 動 内容および支援(または留意点) (★ 担任または理科担当) ○電気は,運動・光・熱・音などに変換できる ことを知る。 時間 30 分 教材・教具など 5 ・モーター ・LEDイルミネーション ・冷蔵庫(ペルチェ素子) ・スピーカー 15 ・発電所の映像 ・磁石とコイルの発電機の模型 ・モーター発電機 ・懐中電灯 ・自転車発電機 ・ラジカセ ・扇風機 ・テレビ 7 ・モーター発電機 ・発電用LED ・電子メロディ ・ペルチェ素子発電実験装置 ・氷 ・LED付き圧電スピーカー ・発電鍋 2 ・ホットプレート ・電気ストーブ ・ドライヤー ・発泡スチロールカッター ・電気が,運動・光・熱・音などに変えられている例を提示する。 ★代表児童を指名する。 (電気製品のプラグをコンセントに差し込み作動させる) 運動に変えられている例として,モーターを提示する。 光に変えられている例として,LEDイルミネーションを提示する。 熱に変えられている例として,冷蔵庫(ペルチェ素子)を提示する。 音に変えられている例として,スピーカーを提示する。 ○発電について考える。 ・電気は発電所で作られていることを確認し,水力・火力・原子力・地熱・太陽光・風力な ・家庭で使用している電気はどこから来るの ど発電所の種類も様々あることを紹介する。 か,どのように発電されているのか考える。 ・発電している様子を,三隅発電所(石炭火力)の発電機の映像で紹介する。 ・発電機は,磁石とコイルによってできていて,磁石を回すことによって電気を作っている ことを説明する。 ・自分で電気を作る方法を考える。 ・電気が届かなくなったら不便になることを想像できるように,サイエンスホールの照明を 消して,身の回りにあるものを使って自分で電気を作りだすことができないか問いかけ る。 ・モーターの中には磁石とコイルがあり,モーターを使って発電できることを紹介する。 ・もっとたくさんの電気を発電するために,モーターと同じような仕組みを使った自転車発 電を紹介する。 ★代表児童を指名する。 (自転車発電をする) ・自転車発電によって電気製品を動かすことはできるが,ペダルをこぐための運動が必要な 様子から, 「電気を無駄にせず,限りある資源を大切に」と節電・省資源を推奨する。 ○様々なエネルギーが電気エネルギーに変えられ ・様々なエネルギーを電気に変えることができることを,次の例を提示することによって伝 ることを知る。 える。 運動エネルギーは,モーターによって電気に変えられることを確認する。 光エネルギーは,LEDによって電気に変えられることを確認する。 熱エネルギーは,ペルチェ素子を冷やすことによって電気に変えられることを確認す る。 振動エネルギー(音)は,スピーカーに向かって音を響かせることによって電気に変え られることを,児童に配布済みの LED 付き圧電スピーカーで確かめる。 ・加熱によって発電する発電鍋(ペルチェ素子利用)が,実用化されていることを紹介する。 ○電熱線を紹介する。 ・ホットプレートなどの家電製品は,電気を熱に変えるために電熱線が使われていることを 紹介する。 ・電気ストーブやドライヤーなどに使われている電熱線を提示し,電熱線には太さや長さが いろいろとあることを紹介する。 ・発泡スチロールカッターを紹介する。 ○次時の学習内容を知る。 ・発泡スチロールカッターについて,詳細は実験室で説明することを伝える。 - 20 - 1 出雲科学館理科学習指導案 小6 電気と私たちのくらし(第2・3時 実験室・実習室) 新編 新しい理科6年(東京書籍) pp.176~180 1 本時の目標 ・電熱線をより熱くする方法を予想し,それについて調べ,結果を記録することができる。【 観察・実験の技能 】 ・電池の数を増やしたり,電熱線をより太くしたり,より短くしたりすれば,電熱線がより熱くなることを理解できる。【 自然事象についての知識・理解 】 ・電流が強くなると,電熱線がより熱くなることを理解できる。【 自然事象についての知識・理解 】 2 展 開 内容および支援と評価 学 習 活 動 T1(担任または理科担当) 時間 T2・T3 ・発泡スチロールカッターを紹介し,使い方を説明する。 90 分 12 ○発泡スチロールカッターを使う。 ○電熱線をもっと熱くする方法を予想する。 ○電池を増やして直列つなぎにすると,電熱線 がより熱くなるか調べる。 ・各自で実験する。 ・児童の指名をする。 ・正しく実験が行われるように支援する。 ・児童の指名をする。 ○電池を増やして直列つなぎにすると,電流が 強くなることを想起する。 ・電池を増やして直列つなぎにすると,電熱線がより熱 くなることを確認する。 ・発泡スチロールカ ッター(電熱線の 太さと長さの違う 3 種類) ・発泡スチロール ・充電池 ・電池ボックス ・目玉クリップ ・導線 ・電流計 ・検流計 ・小学 4 年生「電気のはたらき」の学習内容を提示した り小学 5 年生「電流がうみ出す力」の学習内容に触れ たりして,電池を増やして直列つなぎにすると,電流 が強くなることを伝える。 ・電池を増やして直列つなぎにすると,電熱線に流れる 電流が強くなることを,電流計を用いた演示で確かめ る。 ○本時の学習課題を知り,どのような電熱線が ・児童の指名をする。 より熱くなるか,長さや太さについて予想す る。 ○電熱線が太いときと細いとき,また長いとき ・適切な条件制御や正しい実験器具の使い方ができるように支援する。 と短いときではどちらがより熱くなるのか調 べる。 ・グループごとに実験をする。 ・実験の結果を記録する。 ○結果を発表する。 教材・教具など ・児童の指名をする。 50 ・電源装置 ・電熱線各種 ・みつろう粘土 ・ストップウォッチ ・導線 ・定規 ・わりばし ※1 実験は,各班 2 人 以上で,できるだけ 12 班になるように してください。 ・電熱線が太いほどより熱くなること,短いほどより熱 くなることを確認する。 ◆電熱線をより熱くする方法を予想し,それについて調べ,結果を記録することができる。 【 観察・実験の技能 】〈行動・記録分析〉 ◆電池の数を増やしたり,電熱線をより太くしたり,より短くしたりすれば,電熱線がより熱 くなることを理解できる。 【 自然事象についての知識・理解 】 〈行動・記録分析〉 ○電熱線を太くしたり,短くしたりするとより 熱くなることが電流の強さと関係があるの か予想する。 ○電熱線が太いときと細いとき,長いときと短 いときの電流の強さを調べる。 ・グループごとに実験する。 ・実験の結果を記録する。 ○結果を発表する。 ・電池を直列つなぎにすると電流が強くなっていたこと を提示する。 ・電熱線が太いときや短いときに電流の強さはどうなっ ているか問いかける。 20 ・電熱線各種 ・電源装置 ・電流計 ・導線 ・電流計を正しく使い電流の強さを正確に読み取ることができるように支援する。 ・電流計の使い方を説明する。 ・児童の指名をする。 ・電熱線がより熱くなるときは電流が強くなっているこ とを確認する。 ◆電流が強くなると,電熱線がより熱くなることを理解できる。 【自然事象についての知識・理解 】〈行動・記録分析〉 ○電熱線がより太く短い発泡スチロールカッ ターを使い,さらに切れ味(発熱)が増して いることを確かめる。 ・電熱線がより太く短い発泡スチロールカッターを提示 する。 ○身の回りで使われている電熱線を知る。 ・身の回りで使われている電熱線は,使用目的に応じて その長さや太さなどが工夫(省エネルギー化を含む) されていることを紹介する。 ○本時の振り返りをする。 ・電熱線がより太く 短い発泡スチロー ルカッター 3 5 ・今日の学習について肯定的な評価をする。 ・ 「学習を終えて」を記入する。 ・今日の学習について振り返り,学習プリントの「学習 を終えて」を記入するよう伝える。 備考 ※1 各班 2 名以上で,できるだけ 12 班になるようにしてください。最大 12 班まで実験をすることが可能です。 - 21 - 出雲科学館理科学習指導案 中1 植物の世界(第1・2・3時 実験室・実習室) 新編 新しい科学1年(東京書籍) pp.14~15, 31~36 1 本時の目標 ・顕微鏡を用いて,進んで観察することができる。 【 自然事象への関心・意欲・態度 】 ・顕微鏡を正しく用いて観察することができる。 【 観察・実験の技能 】 ・光合成と葉緑体の関係,光との関係について理解することができる。 【 自然事象についての知識・理解 】 2 展 開 内容および支援と評価 学 習 活 動 T1(理科担当) 時間 T2・T3 ○本時の学習課題を知る。 ・既習事項(日光と葉とデンプン)について ・小学 5 年生「植物の発芽と成長」及び 6 年生「植物のからだのはたらき」の学習で,植物の成長に 説明を聞く。 日光が必要なことや日光にあてた葉にデンプンができることを振り返る。 ・デンプンの有無を調べるために用いた薬品名や色の変化はどのようであったかを,生徒に問う。 ・光合成について知る。 教材・教具など 135 分 5 ・植物が光を受けてデンプンなどの養分を作るはたらきを光合成と説明する。 ・光合成が葉のどこで行われているのかを確 ・葉のどこで光合成は行われているのか,細胞の中まで観察するために顕微鏡を用いることを伝える。 かめる観察を行うことを知る。 ○葉のつくりを観察する。 (観察 1) ・オオカナダモについて説明を聞く。 ・プレパラートを作る。 ○顕微鏡の仕組みや操作方法を知る。 ・操作方法について説明を聞く。 ・自分でピント調節して観察を行う。 25 ・オオカナダモ ・スライドガラス ・スライドガラス立 て ・カバーガラス ・ピンセット ・ろ紙 ・ガーゼ ・双眼顕微鏡 (一人一台) ・デジタル顕微鏡 25 ・オオカナダモ(じ ゅうぶんに光を当 てたもの,暗所に 数日間置いたも の) ・水槽 ・LED 照明 ・電子サーモスタッ ト ・ヒーター ・炭酸水 ・シャーレ ・ヨウ素液 ・オオカナダモを試料に用いる理由を説明する。 ・オオカナダモの葉のプレパラートの作り方を説明する。 ・双眼顕微鏡の使い方を簡単に説明する。 ・目的のものがはっきりと顕微鏡で見えているかを確認する。 ・顕微鏡の操作で困っている生徒へ個別に支援する。また,次の 2 点について具体的に助言 する。 (1) 対物レンズを換える際にはレボルバーを回すこと。 (2) プレパラートの交換時にはステージと対物レンズを遠ざけること。 以下,顕微鏡観察時は同様の支援をする。 ・植物細胞のつくりについての説明を聞き, 緑色の部分は葉緑体であることを知る。 ・細胞や葉緑体など植物細胞のつくりについて説明する。 特に,葉緑体は葉だけでなく,植物の緑色の部分にそ の粒があることを伝える。※1 ・若い茎など緑色をしている部分にも葉緑体があること を提示する。 ・原形質流動の様子を例に,植物も生きていることを紹 介する。 ○光合成が葉緑体で行われているか確かめる。 (観察 2) ・光合成が葉のどこで行われているか確かめ るためには,どのような実験を行うとよい か考える。 ・光合成が葉のどこで行われているか確かめるには,ど のような実験を行うとよいか,生徒に問う。 ・じゅうぶんに光を当てたオオカナダモと暗所に数日間 置いたものを試料として準備し,ヨウ素液を用いて確 かめることができることを伝える。 ・じゅうぶんに光を当てたオオカナダモの観察を生徒が 担当し,暗所に数日間置いたものは教員が担当するこ とを伝える。 ・ヨウ素液で染色する。 ・オオカナダモの葉をシャーレに取り,ヨウ素液で染色 する方法を説明する。 ・熱湯及び脱色処理について紹介する。 ・ヨウ素液で処理をしている時間に,教科書に記載され ている熱湯及びうすい塩素系漂白剤などでの処理につ いて紹介する。※2 ・プレパラートを作る。 ・自分でピント調節して観察を行う。 ・プレパラートを作って,観察するように伝える。 ◆顕微鏡を用いて,進んで観察することができる。 【 自然事象への関心・意欲・態度 】 〈行動・記録分析〉 ◆顕微鏡を正しく用いて観察することができる。 【 観察・実験の技能 】 〈行動・記録分析〉 ・じゅうぶんに光を当てたオオカナダモと, 暗所に数日間に置いたものを比較する。 ・暗所に数日間置いたオオカナダモの葉をヨウ素液で染 色したものを提示し,じゅうぶんに光を当てたオオカ ナダモの葉との結果を比較するように伝える。 ・比較した結果を整理し,青紫色に染まっている部分に デンプンがあり,葉緑体の中にデンプンがあることを 説明する。 - 22 - 出雲科学館理科学習指導案 ○葉の内部のつくりを知る。 ・葉の表側と裏側に違いがあるか,断面を観 察する。 ・植物の葉のつくりについての説明を聞く。 ○観察 1・2 のまとめをする。 ・光合成が葉緑体で行われていること,葉の 表側に葉緑体のある細胞が揃って並んで いることなどを,光との関係を手掛かりに まとめる。 5 ・ツバキの葉の断面のつくりを紹介する。 ・葉の表側と裏側の様子の違いを問いかけ,どのような 違いがあるか紹介する。 ・葉の切片の作り方を簡単に紹介する。 ・ツバキの葉の表側 と裏側の写真 ・ツバキの葉の断面 のプレパラート ・デジタル顕微鏡 ・葉の表側の方が細胞は揃って並んでいて隙間が小さく, 裏側の方は隙間が大きくなっていることを説明する。 15 ・ヨウ素液で染色したツバキの葉を提示し,ツバキの葉 の表側に葉緑体を含む細胞が揃って並んでいる理由 を,オオカナダモの葉の観察結果と関連付けながら考 えるように伝える。※3 ・光合成はおもに葉でおこなわれるが,葉緑体を含む緑 色をしている若い茎などでもおこなわれていることを 紹介する。 ・ツバキの葉のプレ パラート(ヨウ素 液で染色したも の) ・斑入りの葉(コリ ウスやオリヅルラ ンなど) ◆光合成と葉緑体の関係,光との関係について理解することができる。 【 自然事象についての知識・理解 】 〈発言・記録分析〉 ・器具の片付けをする。 休 憩 ・スライドガラス,カバーガラス等の片付けについて説 明する。 ・休憩中に,次時の観察に必要な教材・教具を準備する。 ○水中の小さな生物の観察をする。 (観察 3) ・既習事項(メダカの受精卵や食べ物)につ ・小学 5 年生「魚のたんじょう」の学習で,メダカの受精卵やメダカの食べている水中の小さな生物 いて説明を聞く。 を顕微鏡で観察したことを振り返る。 ・水田や湖などに生活する様々な生物につい ・試験管の中の試料を肉眼やルーペで観察し,顕微鏡で拡大するとどのような様子が見えるのか興味 ての説明を聞く。 をもって観察できるようにする。 ・水田や湖などの水面が緑色になっている様子を紹介し,緑色の原因は何なのかを生徒に問う。 ・水中の小さな生物にも葉緑体をもつ植物の仲間がいることを説明し,これらを顕微鏡で観察するこ とを伝える。 ・プレパラートを作る。 ・自分でピント調節して観察を行う。 ・プレパラートの作り方を説明する ・双眼顕微鏡の使い方を簡単に説明する。 10 5 ・水田や湖などの写 真 ・ルーペ ・試料入り試験管 ミカヅキモ ミドリムシ ボルボックス アオミドロ ゾウリムシなど 30 ・スライドガラス ・スライドガラス立 て ・カバーガラス ・ピンセット ・ろ紙 ・ガーゼ ・双眼顕微鏡 (一人一台) ・デジタル顕微鏡 ・メチルセルロース 水溶液 ◆顕微鏡を用いて,進んで観察することができる。 【 自然事象への関心・意欲・態度 】 〈行動・記録分析〉 ◆顕微鏡を正しく用いて観察することができる。 【 観察・実験の技能 】 〈行動・記録分析〉 ○観察のまとめ ・観察した生物の体のつくりについての説明 を聞く。 ・器具の片付けをする。 ○本時の振り返りをする。 ・ 「学習を終えて」を記入する。 10 ・水中の小さな生物の中には,葉緑体をもっていて光合 成をおこなうものがあり,それによってデンプンなど の養分だけでなく酸素も合成し,水中に放出すること を説明する。 ・スライドガラス,カバーガラス等の片付けについて説 明する。 ・今日の学習について肯定的な評価をする。 5 ・今日の学習について振り返り,学習プリントの「学習 を終えて」を記入するよう伝える。 備考 ※1 葉緑体及び細胞壁以外の核・液胞・細胞膜などは, 「第 2 分野(3)動物の生活と生物の変遷(ア)生物と細胞について」で扱う内容のため,ここでは詳細について説明しません。 ※2 熱湯であたためたエタノールによっても脱色処理できることも簡単に伝える。 ※3 顕微鏡で観察した各試料の記録写真を学習プリントに貼り付けます。 - 23 - 出雲科学館理科学習指導案 新編 新しい科学1年(東京書籍) pp.114~129 中1 物質の姿と状態変化(第1時 サイエンスホール) 1 本時の目標 ・いろいろな物質の状態変化の観察を通して融点及び沸点の概念について理解し,身の回りの物質の状態変化に興味や関心をもつことができる。 2 展 開 学 習 活 動 内容および支援(または留意点) (★ 理科担当) ○本時の学習内容を知る。 ・液体窒素の冷たさを体験する。 時間 35 分 5 教材・教具など ・液体窒素 ・温度計で液体窒素の温度を測定し,低温であることを確かめる。 ・皮手袋 ★代表生徒を指名する。(液体窒素で硬化させたネギを握る) ・保護眼鏡 ・デジタル温度計 ・物質の融点と沸点について知る。 ・液体窒素を床に撒いて気化する様子を提示し,物質には固体・液体・気体の3つの姿がある ・ネギ ことを示す。物質が状態を変えるとき,熱の出入りが関わっていることを説明する。 ・デュワー瓶 ・柄杓 ・小学 4 年生「水のすがたと温度」の水の加熱(沸騰)や冷却の実験を振り返りながら,融点 と沸点について説明する。 ○冷却したときの物質の状態変化について観 察する。 ・身近な物質を冷却して,それぞれの物質が状態変化する様子や温度を調べることを伝える。 15 ・空気に含まれる物質を想起できるように,小学6年生「物の燃え方と空気」の科学館理科学 ・液体窒素 ・デュワー瓶 習で用いた資料を提示する。 ・窒素 【気体の冷却】 ・二酸化炭素 ・二酸化炭素の固化する様子を観察する。 ・液体窒素中で冷却し,二酸化炭素を固体に,窒素と酸素を液体にする実験を行う。 ・酸素 ・窒素の液化する様子を観察する。 ・液体酸素に火のついた線香を入れ,酸素の助燃性を確かめる。 ・風船 ・酸素の液化する様子を観察する。 ・試験管 ・ガスライター ・物質の種類によって融点や沸点は異なるこ ・物質によって沸点・融点が決まっていることをグラフで示す。 ・線香 と,熱の出入りによって状態変化すること ・熱の出入りと物質の状態変化について説明する。 ・皮手袋 を知る。 ・保護眼鏡 ・真空ポンプ 【液体の冷却】 ・窒素の固化する様子を観察する。 ・極低温型デジタル温度計 ・液体窒素をデュワー瓶中で減圧して冷却し,固体にする実験を行う。 ・エタノール ※可能であれば,固体の窒素が液体の窒素へ沈む現象を見せる。 ・ピンセット(大型) ・20℃1気圧で気体状態にある物質も,熱を奪って低温にすると液体,固体へと姿を変え,状 ・駒込ピペット 態変化することを説明する。 ・アルミニウムトレイ ・かき出し棒 ・エタノールが固化し,再び液化する様子を ★代表生徒を指名する。(液体窒素の中に駒込ピペットでエタノールを加える) 観察する。 ・液体窒素を用いて,エタノールを固化する実験を行う。それを常温中に放置して再び液体に 状態変化する様子を観察するように伝える。 ○加熱したときの物質の状態変化について観 ・身近な物質を加熱して,それぞれの物質が状態変化する様子を調べることを説明する。 11 察する。 ・沸騰石 【液体の加熱】 ・エタノールの沸騰する様子を観察する。 ・エタノール ・ガスコンロ ・エタノールを湯で加熱し,液体から気体に状態変化する実験を行う。 ・ビーカー ・エタノールを直に加熱しない理由や沸騰石を入れることなどを説明する。 ・試験管 ・エタノールの沸騰の様子を観察しながら,蒸発と沸騰の違いを説明する。 ・デジタル温度計 ・エタノールの蒸気を取り出し,それを冷却して液化させ,火がつくことを確かめる。 ・蒸発皿 ★代表生徒を指名する。(エタノールの液体にガスライターで火をつける) ・ポリ袋 【固体の加熱】 ・ガスライター ・アルミニウムの融解する様子を観察する。 ・固体も加熱されると液体や気体へと状態変化することを確かめる。 ・食塩,アルミニウム ・食塩の融解する様子を観察する。 ・るつぼ ・石英蒸発皿 ・すべての物質には三つの姿があり,融点・沸点を境としてその姿を変えること,また,融点・ ・ガストーチ 沸点は物質によって固有であることをまとめる。 ・放射型デジタル温度計 ・保護眼鏡 ・皮手袋 ・濡れ雑巾 ○物質の状態変化を粒子のモデルで考える。 ・状態変化すると物質の体積が変化することを,粒子のモデルを使って説明する。 3 ○次時の学習内容を知る。 ・実験室では,混合物を加熱して出てくる物質を調べる実験を行うことを伝える。 1 - 24 - 出雲科学館理科学習指導案 中1 物質の姿と状態変化(第2・3時 実験室・実習室) 新編 新しい科学1年(東京書籍) pp.127~129 1 本時の目標 ・混合物(水とエタノールの混合物)を熱して出てきた物質を調べる実験を適切に行い,実験結果を整理することができる。【 観察・実験の技能 】 ・蒸留によって混合物からエタノールと水が分離されたのは,沸点の違いによることを説明できる。【 科学的な思考・表現 】 2 展 開 内容および支援と評価 学 習 活 動 T1(理科担当) ○本時の学習内課題を知る。 時間 T2・T3 ・状態変化について粒子のモデルで確認す る。 ・水とエタノールの沸点と融点を確認する。 85 分 5 教材・教具など 2~4 人の班で 12 班まで実験でき る。 ・混合物を加熱して出てくる物質を調べる ことを伝える。 ○出てくる物質を予想する。 ・成分の確認 ・予想,発表 55 ・混合物の成分,蒸留装置の仕組みを説明する。 ・加熱するとどのような物質が出てくるか予想し,発表 するように伝える。 ・蒸留装置の使い方や物質の集め方について説明する。 ・ガスバーナーの使い方について説明する。 ・弱火で完全燃焼できるように伝える。 ※室内の換気を十分に行う。 混合物 ※1 ・エタノール +水+食紅 ・蒸留装置一式 (枝付きフラスコ,ス タンド,リービッヒ ・安全で正確な実験が行えるよう支援する。特に弱火で完全燃焼できるように支援する。 ○実験をして出てくる物質を集める。 ・出てくる蒸気の温度帯と液量計に集まった液体の色を 記録するように伝える。 ○結果の分析をする。 ・結果から対象の物質をエタノールと水に絞り,これら の物質を特定する方法を考えるように伝える。 ・水とエタノールの性質(色・におい・燃え方・沸点) を確認する。 ○物質の特定方法を考える。 ○実験をして集めた液体を特定する。 冷却器,温度計等) ・液量計 ・沸騰石 ・ガスバーナー ・蒸発皿(芯入り) ・ガスライター ・エタノール入りの 小瓶 ・集めた液体それぞれのにおい,火を近づけたときの様 子について調べる方法を説明する。 ・蒸発皿 ・アルコールランプ の芯 ・ガスライター ・濡れ雑巾 ・安全で正確な実験が行えるよう支援する。 ○結果を発表する。 ・集めた液体のにおい,火を近づけたときの様子につい て結果をまとめる。 ◆混合物を熱して出てきた物質を調べる実験を適切に行い, 実験結果を整理することができる。 【 観察・実験の技能 】<行動・記録分析> ○集めた液体を調べた実験結果から考察する。 ・それぞれの液量計に集まった物質は何かを ・液量計1~3のそれぞれに含まれる液体は 考察し,発表する。 何かを考察し,発表するように伝える。 ・液量計1~3で,エタノールを多くふくんだ ・エタノールを多くふくんだ蒸気(気体) 蒸気(気体)が先に出て集まった理由を考 が先に出たこと,出てきたときの温度帯 察し,発表する。 を確認する。また,エタノールを多くふ くんだ蒸気(気体)が先に出てきた理由 について考察するように伝える。 20 ・棒温度計の図 ・班での意見交換を随時取り入れる。 ・「エタノールの沸点が水より低いので, エタノールが先に沸騰して蒸気(気体) になったから」とまとめる。 ◆混合物からエタノールと水が分離されたのは沸点の違いによることを説明できる。 【 科学的思考・表現 】<発言・記録分析> ○蒸留について知る。 ○本時の振り返りをする。 ・液体を熱して沸騰させ,出てくる蒸気(気体)を冷や して再び液体にして取り出すことを「蒸留」といい, 沸点の違いを利用して混合物をそれぞれの物質に分 離することができることを説明する。 ・原油の分留などの話をし,身近な生活の中で蒸留が利 用されていることを説明する。 ・今日の学習について肯定的な評価をする。 ・ 「学習を終えて」を記入する。 ・今日の学習について振り返り,学習プリントの「学習 を終えて」を記入するように伝える。 備考 ※1 混合物は,エタノール,水,食紅を基本として用います。 - 25 - ・原油を分留したサ ンプル 5 出雲科学館理科学習指導案 中2 物質どうしの化学変化(第1時 サイエンスホール) 新編 新しい科学2年(東京書籍) pp.10~83 1 本時の目標 ・物質を燃焼させたり,その際の質量変化を調べたりしながら,物質が燃えるときの化学変化について興味や関心をもつことができる。 ・物質どうしが結びついて別の物質ができる化学変化を,原子や分子のモデルで説明できるよさを感じることができる。 2 展 開 学 習 活 動 ○本時の学習内容を知る。 ・燃焼の 3 条件を復習する。 ○物質を酸素中で燃やす実験を観察する。 内容および支援(または留意点) (★ 理科担当) 時間 35 分 教材・教具など 2 ・小学 6 年生の時に科学館で学習した,物質が燃えるための 3 条件を確認する。 ・燃焼は化学変化の 1 つであり,化学変化を原子や分子のモデルで考えると理解しやすいこ とを伝える。 ・物質を酸素中で燃やす実験をし,燃えた後にできた物質を調べることを伝える。 ・水素の燃焼を観察する。 ・水素と酸素の混合気体に点火すると,水ができることを確認する。 ・100m ホースを用いた全員参加の水素燃焼実験の際に,安全のためホースを折り曲げないよ う生徒に注意を促す。 ※水素の燃焼に関して,演示実験では内径 10 ㎜程度のホースを使うが,生徒の実験では 内径 6 ㎜のホースを使用し,大音量の爆鳴を生じないように配慮する。また,ホースの破 損がないか使用前に毎回点検をする。 ・ダイヤモンドの燃焼を観察する。 ・ダイヤモンドは燃えてなくなり,二酸化炭素ができることを確認する。 11 ・透明ホース ・圧電素子 ・スタンド ・水素‐酸素混合気体 ・濡れ雑巾(静電気除去用) ・ダイヤモンド ・ダイヤモンド燃焼装置 ・酸素ガスボンベ ・スライダック ・石灰水 5 ・マグネシウム (粉末,削り節状) ・薬品さじ ・ドライアイス(本体とふた) ・ガストーチ ・防護カバー ・保護眼鏡 ・防炎マット ・消火砂 6 ・電子顕微鏡で見た原子の写真 ・周期表 ・元素鉱物(金・銀・銅) ・酸素や窒素,二酸化炭素を詰 めた袋 ・電子天秤 ・透明容器 ・二酸化炭素スプレー缶 ・ろうそく ・ガスライター 10 ・スチールウール ・丸底フラスコ(砂入り) ・蒸発皿(砂入り) ・ピンセット ・酸素ボンベ ・スライダック ・電子天秤 ・両方の実験とも,燃えた後の物質は,燃える前とは異なる物質に変化していることを示す。 ○化学変化と状態変化の違いを知る。 ・原子や分子のモデルを使って,化学変化と状態変化の違いを説明する。 ○化合の定義を知る。 ・ 「化合」は 2 種類以上の物質が結びついて,新しい物質ができる化学変化であることを説明 する。 ○化学変化を原子や分子のモデルで説明でき ることを知る。 ・ 「物質は小さな粒子(原子)からできている」と考え,水素やダイヤモンドの燃焼を原子や分 子のモデルを用いて説明する。 ○ドライアイス中で物質は燃えるのか調べる。 ・ドライアイス中でのマグネシウムの燃焼を ・二酸化炭素を満たした集気瓶へ火のついたろうそくを入れる。 観察する。 ・ドライアイス(二酸化炭素)の中でマグネシウムが燃焼した後には「白い粉と黒い粉」がで きていることを示す。 白い粉状物質:酸化マグネシウム 黒い粉状物質:炭素 ・ 「黒い粉は何なのか」を原子や分子のモデルを用いて説明する。その後,この実験を原子や 分子のモデルとアニメーションで説明する。 ・化学変化は,原子や分子のモデルで表すことで理解しやすくなることを伝える。 ※ここでは還元について,物質間での酸素の授受であることに簡単に触れる。 ○身のまわりの物質に含まれる原子を知る。 ・原子の電子顕微鏡写真を見る。 ・電子顕微鏡で見た原子の様子を紹介する。 ・物質を構成している単位は原子や分子であることを,金・銀・銅などの金属や酸素・窒素 などの非金属を例に,実物と周期表を用いて確認する。 ・原子の記号を知る。 ・原子は記号で表されることを,炭素や鉄や酸素などで例示する。 ・原子に質量があることを知る。 ・透明な容器に二酸化炭素の気体を注入し,はじめよりも全体の質量が増えたことを示し, 原子や分子にも質量があることを確認する。その後,ろうそくの炎に二酸化炭素の気体を 注ぎ,気体が二酸化炭素であることを確認する。 ○空気中で物質を燃焼させた時,反応前後の質 量の変化について調べる。 ・スチールウールの燃焼実験について,開放 ・空気中で物質を燃やすと反応後の物質の質量はどうなるのか,実験を通して調べることを 系と閉鎖系を比較して調べる。 伝える。 ★代表生徒を指名する。 (開放系でスチールウールを燃やす) ・スチールウールの燃焼前後の質量を調べ ・開放系での実験結果から, 「鉄が酸素と化合し酸化鉄ができた。結びついた酸素の分だけ, る。 質量が増えた」ことを原子や分子のモデルを用いて説明する。 ・スチールウールの燃焼前後で,密栓した容 ・閉鎖系での実験結果から, 「密閉した容器内で実験をすると,その前後で全体の質量は変わ 器全体の質量を調べる。 らない」 「化学変化によって,物質をつくる原子の組み合わせが変わっても,全体の原子の 数は変わらない」ことを原子や分子のモデルを用いて説明する。 ・質量保存の法則を知る。 ○次時の学習内容を知る。 ・化学変化の前後で物質全体の質量は変わらない「質量保存の法則」を説明する。 ・実験室では,マグネシウムを燃やした時の質量変化について実験することを伝える。 - 26 - 1 出雲科学館理科学習指導案 中2 物質どうしの化学変化(第2・3時 実験室・実習室) 新編 新しい科学2年(東京書籍) pp.64~67 1 本時の目標 ・金属(マグネシウム)を熱して,反応の前後の質量を正しく測定し,その結果を表やグラフに表すことができる。 【 観察・実験の技能 】 ・金属(マグネシウム)の質量と化合する酸素の質量との間には,一定の関係が成り立つことを理解することができる。 【 自然事象についての知識・理解 】 2 展 開 内容および支援と評価 学 習 活 動 T1(理科担当) 時間 T2・T3 ○本時の学習課題を知る。 ・マグネシウムに結びつく酸素の質量には ・マグネシウムに結びつく酸素の質量には限 限界があるかについて調べることを伝 界があるか予想する。 える。 ○マグネシウムを空気中で燃焼させ,化合する 酸素の質量を求める。 ・班ごとに,異なる質量のマグネシウムの質 量変化について調べる。 ・電子天秤の皿の上に熱い状態の燃焼皿が乗せられるよ うにタイルを利用するなど,実験方法を演示する。 ・空のステンレス皿の質量を量り,プリントに記入する ことを説明する。 ・燃焼時に明るく発光するマグネシウムの光と熱に十分 注意するよう伝え,その飛散による事故を防ぐために 保護眼鏡の着用を確認する。 42 ・強火で熱するため,火力調整の支援をする。火力調整を終えた班へ加熱開始の 合図を出す。 ・燃焼後には燃焼皿を一旦冷まし,質量を速やかに測定 するよう伝える。 ・未反応のマグネシウムを完全に燃焼させるため,加熱 を繰り返し行い,十分に酸素と化合させることを伝え る。 ・班や個人への支援をする。特に安全面に配慮するよう声を掛ける。 ・実験結果を記録する。 教材・教具など 85 分 5 ・保護眼鏡 ・マグネシウム(粉末) ・薬品さじ (プラスチック) ・ステンレス皿 ・タイル ・電子天秤 ・三脚 ・三角架 ・ガスバーナー ・るつぼばさみ ・ステンレスヘラ付 き薬品さじ ・ステンレストレイ ・濡れ雑巾 ・ガスマッチ 2~4 人の班で 10 班まで実験でき る。 ◆マグネシウムを熱して,反応の前後の質量を正しく測定することができる。 【 観察・実験の技能 】 〈行動・記録分析〉 ・一定の質量のマグネシウムに化合する酸素の質量には, 限界があることを確認する。 ・マグネシウムの質量の多い班ほど,結びついた酸素の 質量も多くなっているのか問いかける。 ○マグネシウムの質量と化合する酸素の質量と の関係を調べる。 ・各班の実験結果を整理する。 ・各班のデ-タからグラフを作成する。 ・グラフ作成における留意点を伝える。 ・記入する点の大きさ ・変化の見極め(直線か曲線か) ・すべての測定値のなるべく近くを 通る線の引き方 等 ・ホワイトボードに各班の実験結果を書き込むよう伝え る。 ・プリントの表に各班の実験結果を記入するよう伝える。 ・化合するマグネシウムと酸素の質量にどのような関係 があるのかを調べるために,実験結果をグラフにする とよいことを確認する。 30 ・表やグラフ作成に困っている生徒を支援する。 ◆実験結果を表やグラフに適正に表すことができる。 【 観察・実験の技能 】 〈行動・記録分析〉 ○化学変化する物質の質量には,一定の関係が ・グラフから,マグネシウムの質量とマグ あることを確かめる。 ネシウムに化合する酸素の質量は比例 関係にあり,質量比が 3:2 になること ・マグネシウムと化合する酸素の質量比 3:2 は,原子 1 を確認する。 個ずつの質量比であることを,原子のモデルや原子量 などをもとに説明する。 ◆マグネシウムと酸素から酸化マグネシウムができるとき,一定の関係で化合することを理解 することができる。 【 自然事象についての知識・理解 】 〈発言・記録分析〉 ○本時のまとめをする。 ・生活の中で見られる化学変化について考え る。 3 ・化学かいろ(鉄粉の酸化)などを紹介し,生活の中に も化学変化が使われていることを紹介する。 ○本時の振り返りをする。 5 ・今日の学習について肯定的な評価をする。 ・ 「学習を終えて」を記入する。 ・今日の学習について振り返り,学習プリントの「学習 を終えて」を記入するよう伝える。 - 27 - ・提示用グラフ ・マグネット ・提示用直線 出雲科学館理科学習指導案 新編 新しい科学2年(東京書籍) pp.214~223 中2 電気の世界(第1時 サイエンスホール) 1 本時の目標 ・静電気によって生じる現象や放電の様子を観察しながら,静電気の性質や静電気と電流の関係について興味や関心をもつことができる。 2 展 開 学 習 活 動 〇本時の学習内容を知る。 ・静電気によって生じる現象を観察する。 ・本時の学習内容を把握する。 〇静電気の性質と発生のしくみを調べる。 ・静電気の発生の条件を調べる。 内容および支援(または留意点) (★ 担任または理科担当) 時間 40 分 3 ・静電気クラゲ (ポリエチレン製の平テープ) ・塩化ビニルパイプ ・キッチンペーパー 12 ・はく検電器 ・ガラス,ナイロン,木綿,木 材,紙,鉄,ゴム,アクリル, 塩化ビニルなど ・発電棒支持台 ・簡易帯電ガン ・カラーサンド ・コピー用紙 10 ・プラスチックコップ ・アルミニウムはく ・塩化ビニルパイプ ・キッチンペーパー ・バンデグラフ ・アース球 ・蛍光灯 ・ネオン管 ・下敷き 14 ・誘導コイル ・蛍光灯(中が見えるもの) ・真空ポンプ ・クルックス管 (移動型回転車入り) (偏光極板入り) ・導線 ・静電気クラゲが浮遊したり人のからだに付着したりする様子を見せ,静電気による現象で あることを伝える。 ・静電気や静電気と電流の関係について学習することを伝える。 ★代表生徒を指名する。 (静電気の発生実験を行う。 ) ・さまざまな組み合わせで物質どうしをこすり合わせることで,組み合わせによって静電気 の起こりやすさに違いがあることを導く。 ・帯電列について紹介し,こすり合せる物質の組み合わせによって静電気の起こりやすさに 違いがあることを知らせる。 ・帯電した物質間に働く引力と斥力について ・帯電した物体を近づけることにより,引き寄せられたりしりぞけ合ったりする様子を観察 知る。 することで,帯電した物体間に働く力には引力と斥力があることに気付けるようにする。 ・静電気発生のしくみを知る。 ・静電気の利用例を知る。 ・静電気の起こるしくみを説明し,-の電気の移動が静電気の正体であることを伝える。 ・静電気の引力と斥力を利用したものを紹介する。 (花粉防止マスク,空気清浄機,コピー機,静電植毛など) ○静電気が放電する様子を観察する。 ・身近な放電現象を想起する。 ・静電気が放電する様子を観察する。 教材・教具など ・衣服を脱いだ時にパチパチしたことや金属のドアノブに触れてビリッとした経験がないか 問いかける。 ★代表生徒 (百人おどしを体験する) ・ライデンコップに蓄電した静電気で百人おどしを行い,静電気が一瞬で流れることを体験 できるようにする。 ・静電気を安全に逃がす方法や工夫を紹介する。 ・バンデグラフ(静電気発生装置)から静電気の放電する様子を観察させ,雷も同じ仕組み で起きることを説明する。 ・静電気で蛍光灯等を光らせる実験をする。 ・バンデグラフで発生させた静電気で蛍光灯の光る現象を確認した後,生徒がネオン管を光 らせる実験を体験できるようにする。 ・静電気によって蛍光灯やネオン管を光らせることができることから,電池や家庭用電源の 電気と静電気は同じ電気なのか問いかける。 ○電流の正体を調べる。 ・蛍光灯の光るしくみを知る。 ・電流の正体を知る。 ○次時の学習内容を知る。 ・蛍光灯の両端にある電極の間には導線がないことを確認し,蛍光灯の中は真空に近い状態 で,放電が継続して起きていることを知らせる。 ・クルックス管(移動型回転車入り)に誘導コイルで電圧をかけ,管内の回転車が移動する 様子を観察することで,-極から+極に向かい,目に見えない何かが流れていることを確 認する。 ・クルックス管(偏光極板入り)を使い,-極から+極に向かい流れているものが,-の電 気を帯びていることを確認する。 ・2 つの実験結果から,クルックス管内を-極から+極に向かい,-の電気を帯びたもの「電 子」が流れていることを導く。 ・静電気の放電も電子の移動であることを説明する。 ・電池や家庭用電源から流れる電流も,金属中に存在する電子(自由電子)の移動であるこ とを説明する。 ・実験室では,電熱線の発熱量について調べていくことを伝える。 - 28 - 1 出雲科学館理科学習指導案 中2 電気の世界(第2・3時 実験室・実習室) 新編 新しい科学2年(東京書籍) pp.244~246 1 本時の目標 ・電力の値の異なる電熱線を使って一定電圧のもと水の上昇温度を測定し,その結果を表やグラフに表すことができる。【 観察・実験の技能 】 ・電流による発熱量は,電流を流した時間や電力に比例することを理解することできる。【 自然事象についての知識・理解 】 2 展 開 内容および支援と評価 学 習 活 動 T1(担任または理科担当) 時間 T2・T3 ○本時の学習課題を知る。 ・電気器具の表示の意味や電力と消費電力に ・電気器具の表示が何を意味しているの ついて知る。 かを問い,電力と消費電力について説 明する。 ・電熱線から発生する熱量は,電力によって ・電力の異なる電気ポットを示し,どの どのように変化するのか予想する。 ポットが一番早く湯を沸かすことがで きるのか問いかける。 ○実験の準備をする。 ・実験の目的を意識しながら方法を確認す ・電熱線の電力によって発熱量に違いがあるのかを調べるた る。 めには,電力の値の異なる電熱線を使って実験する必要が あることを説明する。 ・複数の電熱線を班で分担し,水の上昇温度を測定すること で発熱量の違いを調べることを伝える。 ・条件制御についてふれ,電圧,水の量,電流を流す時間は 揃えなければならないことを確認する。 ・実験装置を組み立てる。 ・実験回路を説明し,実験装置の組立てを支援する。 85 分 10 ・電気器具の画像 ・電気ポット ・ドライヤー ・ホットプレート 10 ・鉄製スタンド ・断熱紙コップ ・メスシリンダー ・水(常温) ・デジタル温度計 ・かき混ぜ棒 ・電熱線 ※1 ・電源装置 ・電圧計 ・電流計 ・導線 ・ストップウォッチ ・計算機 ・実験装置を正しく組み立てることができるように支援する。 ○電熱線から発生する熱量は, 電力によってど のように変化するのか調べる。 ・実験方法について説明を聞く。 ・実験を行い,水温を記録する。 教材・教具など 25 ・実験方法を説明する。 一定電圧(6.0V)を加え,電流の値を記録する。 容器内の水温を一様にするため,かき混ぜ棒で撹拌し続 ける。 1 分ごとに水温を記録し,5 分間測定する。 ほかの電熱線についても同様に測定する。 2~4 人の班で 12 班まで実験可能。 ※2 ・実験器具を安全に正しく操作し,測定ができるよう支援する。 ◆電力の値の異なる電熱線を使って水の上昇温度を測定し, その結果を記録することができる。 【 観察・実験の技能 】 〈行動・記録分析〉 ・実験結果を整理する。 ○実験結果について考察する。 ・実験結果からわかることを発表する。 ・電流を流した時間と水の上昇温度,電力と 水の上昇温度の関係のグラフを作成する。 ・はじめの水温からの上昇温度を計算し,プリントに記入す るよう指示する。 30 ・実験結果から電流を流した時間が経過するほど水の上昇温 度は大きくなっていること,電熱線の電力の値が大きいほ ど水の上昇温度は大きいことを確認する。 ・電流を流した時間と水の上昇温度,電力と水の上昇温度が どのような関係にあるかを調べるためには,実験結果をグ ラフにするとよいことを導く。 ・グラフ作成の留意点を確認し,グラフの作成を支援する。 ・グラフ作成に困っている生徒を支援する。 ◆実験結果を適正にグラフに表すことができる。 【 観察・実験の技能 】 〈行動・記録分析〉 ・電流による発熱量は,電流を流した時間や 電力とどのような関係にあるか考察する。 ・グラフから水の上昇温度は電流を流した時間や電熱線の電 力に比例することを導く。 ・水の上昇温度は,水が得た熱量に換算できることを説明し, 一定電圧のもとでは電流による発熱量は,電流を流した時 間や電力に比例することを確認する。 ◆電流による発熱量は,電流を流した時間や電力に比例することを理解することができる。 【 自然事象についての知識・理解 】〈行動・記録分析〉 ・実験結果から電気ポットの問いを考える。 ・実験結果からわかった比例関係を利用 して,本時の始めに予想した電気ポッ ・実験の測定値が理論値よりも下がる理由を トの問いの正解を導き出す。 ・電熱線から発生した熱量の一部が逃げていくことを伝え, 考える。 (発展問題) どこに逃げていくのかを問う。 ○身近な電気器具と消費電力の関係について ・家電製品の消費電力には上限があることを確認し,電力を 知る。 たくさん使用した時の安全装置としてブレーカー等があ ることを説明する。 ○本時の振り返りをする。 ・今日の学習について肯定的な評価をする。 ・「学習を終えて」を記入する。 5 ・電気器具の画像 ・ブレーカーの画像 5 ・今日の学習について振り返り,学習プリントの「学習 を終えて」を記入するように伝える。 備考 ※1 電熱線は,6W・9W・12W・18Wの 4 種類を使用します。各班 2 種類ずつ実験を行うことを基本にします。学校の希望に応じ,実験する電熱線の組み合わせや数を変更する ことも可能です。 ※2 2 班ペアで実験を行うため、班の総数は偶数になるようにしてください。 - 29 - 出雲科学館理科学習指導案 中3 科学技術の発展(第1時 サイエンスホール) 新編 新しい科学3年(東京書籍) pp.264~273 1 本時の目標 ・私たちの日常生活の便利さや豊かさは科学技術によって生み出されていることを知り,科学技術の発展について関心をもつことができる。 ・最先端ロボットの動きを観察することで,ロボットに利用されている技術とその可能性について興味や関心をもつことができる。 2 展 開 学 習 活 動 ○本時の学習内容を知る。 内容および支援(または留意点) (★ 理科担当) ・私たちの生活と密接に関わりのある科学技術について調べていくことを伝える。 ○私たちが利用している科学技術について,特 に新素材の開発,進歩している科学技術につ いて関心をもつ。 ・新技術や新素材について知る。 ・新技術や新素材をいくつか取り上げ,科学技術の発展の過程を紹介し,その進歩への関心 を高める。 時間 50 分 教材・教具など 1 25 ・新技術,新素材に関する物 例:光触媒 ナノテクノロジー 発光ダイオード 人工骨 iPS 細胞 飲む内視鏡 など ・超電導とその輸送分野への応用について知 ・-196℃に冷却した超電導物質にネオジム磁石を近づけ,磁石が浮遊する様子を提示する。 る。 ・超電導の状態となった電線(超電導電線)に電流を流すと,電気抵抗がゼロのため豆電球 が明るく点灯する様子を演示する。 ・超電導の技術を用いると極めて強力な電磁石(超電導磁石)を作ることができることを伝 える。 ・超電導の技術を応用して開発されているリニア新幹線を紹介する。 ・超電導物質 ・超電導電線 ・ネオジム磁石 ・液体窒素 ・発泡スチロール容器 ・電磁石 ・豆電球 ・電子セラミック部品を観察し,製品の小型 ・電子機器の基板や部品を示し,電子機器の小型化の実現は部品の小型化技術にあることを 化について知る。 知らせる。 ・ドローン ・チップ積層セラミックコン デンサー ・繰り出しルーペ ・コンデンサー実験装置 ・チップ積層セラミックコンデンサーをルーペで観察し,部品の小型化が実感できるように する。※1 ・コンデンサーの役割としくみ,小型化への工夫について説明する。 ○最先端ロボットの技術に関心をもつ。 ・ロボットの動く様子を観察する。 ・ロボットと人間の共通性について知る。 23 ・世界初の自律型二輪走行ロボットを紹介する。※1 ・人間の行動のしくみを研究することによりロボットが開発されたことを説明し,その共通 性に気付くことができるようにする。 ・最先端ロボット(二輪型) ・無線通信用コントローラー ・二輪走行ロボットの開発映像 ・500 枚紙束 ・ロボット技術の中で,モーター制御技術と ・搭載されている各種センサーについて簡単に説明し,認識技術とモーター制御について説 センサー技術について知る。 明する。 ロボット演示 1:前進~不倒停止~後退(ジャイロセンサーの利用とモーター制御) ロボット演示 2:無線通信(加速度センサー,ジャイロセンサーによる認識技術と無線 通信,モーター制御) ロボット演示 3:S 字平均台走行(アイカメラによる画像認識技術とモーター制御) ★代表生徒を指名する。 (ロボット演示 2 で,無線通信用のコントローラーを動かす) ・研究開発の様子の映像を示し,ロボットの完成に至るまでの研究者の試行錯誤の姿や完成 時の喜びを紹介する。 ・地元企業の方の話を聞く。 ○次時の学習内容を知る。 ・技術開発や仕事に対する思いなどを聞き,次の技術開発を担っていくのは生徒たちの世代 であることを伝える。 ・実験室ではセンサーを用いたロボット制御に取り組むことを伝える。 1 備考 ※1 出雲村田製作所の協力によりコンデンサーの説明,ムラタセイサク君(ロボット)の演示及び搭載されているセンサーや通信技術などについて解説します。 - 30 - 出雲科学館理科学習指導案 中3 科学技術の発展(第2・3時 実験室・実習室) 新編 新しい科学3年(東京書籍) pp.264~273 1 本時の目標 ・ロボットの仕組みやプログラミングに関心をもち,進んでロボット制御に取り組むことができる。 【 自然事象への関心・意欲・態度 】 2 展 開 学 習 活 時間 内容および支援と評価 動 T1(理科担当) T2 ○本時の学習課題を知る。 ・目標とするロボットの動きを演示し,2 人 1 組で考えな がら取り組むことを伝える。 ・ロボットの制御は,コンピュータを使ってプログラミ ングし,その命令をロボットに伝達して行うことを説 明する。 2 ○プログラミングの基本を学習する。 ・プログラムの入力や伝達方法など,ロボット制御の基 本について説明する。 53 ○基本プログラムを応用し,発展的な動きに挑 戦する。 ・演示用ロボット ※選択A~Dの 各ロボットは, 2 人1組で使用 する。各学級に 5 セットずつま で準備するこ とが可能。 ・プログラムの入力とロボットの動きとを相互に確認しながら,よりよい動きができるよう 支援する。 ・操作方法などで困っている生徒を支援する。 ◆ロボットの仕組みに関心をもち,進んでロボット制御に取り組むことができる。 【 自然事象への関心・意欲・態度 】 〈行動分析〉 【選択A:キャッチロボ】 (タッチセンサー,光センサー) 教材・教具など 70 分 【選択A】 課題 1:前進 課題 2:タッチセンサーによる制御をしよう 課題 3:光センサーによる制御をしよう 発展:ボールレスキューに挑戦しよう ・ノート PC ・レゴ NXT 【選択B】 課題 1:前進 課題 2:音センサーによる制御をしよう 課題 3:超音波センサーによる制御をしよう 発展:ナイスシュートに挑戦しよう ・ノート PC ・レゴ NXT 【選択C】 課題 1:ライントレースに挑戦しよう 課題 2:接触センサーによる制御をしよう 課題 3:車庫入れに挑戦しよう 発展:LED 点灯や液晶画面への文字表示 ・ノート PC ・e-Gadget 【選択D:虫型ロボ】 (明暗センサー,接触センサー) 【選択D】 課題 1:明暗センサーによる制御をしよう 課題 2:接触センサーによる制御をしよう 課題 3:迷路脱出に挑戦しよう 発展:LED 点灯や液晶画面への文字表示 ・ノート PC ・e-Gadget ○ロボット技術の進歩について考える。 ・科学技術が日々進歩していることを実感できるように, 最先端ロボットの映像を紹介する。 ・開発の方向性や開発された技術をどのように活用する のかを科学者や技術者だけでなく,利用者も考えてい くことが大切であることを伝える。 ※1 回あたり,最大 4 学級(160 人) が 8 部屋に分かれて学習する。 【選択B:ホッケーロボ】 (音センサー,超音波センサー) 【選択C:車型ロボ】 (明暗センサー,接触センサー) ・各部屋での生徒の取り組み状況 について確認する。 ・プログラムの入力とロボットの 動きとを相互に確認しながら, よりよい動きができるよう支援 する。 ・操作方法などで困っている生徒 を支援する。 ○本時の振り返りをする。 ・ 「学習を終えて」を記入する。 ・今日の学習について肯定的な評価をする。 ・今日の学習について振り返り,学習プリントの「学習 を終えて」を記入するよう伝える。 ※ 選択A~Dの学習内容については,使用するロボットの変更等により,内容を変更する場合があります。 - 31 - 10 5 ・最先端ロボットの 映像 平成 29 年(2017) 4月 1日 発行 出雲市教育委員会 出雲科学館 〒693-0001 島根県出雲市今市町 1900-2 TEL 0853 (25) 1500 FAX 0853 (24) 8383 E-mail URL [email protected] http://www.izumo.ed.jp/kagaku/