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芸術鑑賞教室会 「杜子春」
由利本荘市立由利中学校 校報 「チーム由利中 心ひとつに」 平成28年9月12日 根堀台だより 根堀台だより 第 40 号 校 訓 「 進 歩 (文 )」 「 健 康 (武 )」 「 協 力 (道 )」 芸術鑑賞教室会 「杜子春」 9月8日(木)の午後、カダーレを会場に 「芸術鑑賞教室」が行われ、本荘北中・西目 中と一緒に観劇をしました。 今年は「劇団め組」による「世界名作劇場」 で、芥川龍之介の「杜子春」の「演劇」を鑑 賞しました。小・中学生を鑑賞対象とする関 係から、ユーモアを交え、現代風の語り口で あることから芥川龍之介の世界観とは少し異 なる感じを受けました。 閻魔大王が畜生道に落ちてやせ馬に変わった両親を鬼 に責めさせるクライマックスの場面です。「母親はこん な苦しみの中にも、息子の心を思ひやつて、鬼どもの鞭 に打たれたことを、怨むけしきさへも見せないのです。 大金持になれば御世辞を言ひ、貧乏人になれば口も利か ない世間の人たちに比べると、何といふ有難い志でせう。 何といふ健気な決心でせう。杜子春は老人の戒めも忘れ て、まろぶやうにその側へ走りよると、両手に半死の馬 の頸を抱いて、はらはらと涙を落しながら、 『お母さん。』 と一声を叫びました。……」このような原作のもつ重い 雰囲気はないものの、「人が生きていく上で本当に必要 なものは何か。」という作品の大きな「問い」に対し、 「お金」や「不老不死」ではなく、 「愛 情」や「心」であるということが、子どもたちには大変分かりやすく演出されていました。 給食後で「睡魔が襲う時間帯」でしたが、子どもたちは物音も立てず休憩なしの80分間、 熱心に舞台に見入っていました。各教科書会社では以前に比べて中学生向けの題材として芥 川龍之介の作品があまり取り扱われなくなってきています。これを機会に是非図書館で芥川 の作品を手にとって読んでほしいものです。 これから「読書の秋」となります。よい本と出会うことで人生は豊かなものとなります。 「読書離れ」ということがよく話題になりますが、特に若い時に読んだ「名作」と呼ばれる 作品は大人になっても忘れることなくいつまでも記憶に残っているものです。 子どもたちが「人生の一冊」に出会えることを願っています。 救急救命講座開催 真剣に取り組む2年生 9月12日{月}の午前、 由利分署から3名の講師の 先生をお迎えして、2年生 を対象に「救急救命講座」 を行いました。 最初は講習で、秋田県で 特に多いと言われている「脳 卒中」について、「片方の手 足がしびれる」「急に手足か ら力が抜ける」「片足を引き 講師は由利分署の〇〇さん 真剣に聞き入る2年生 ずっていると言われる」「も のにつまずきやすい」「片方の目にカーテンが掛かったよう に、一時的にものが見えなくなる」 「物が二重に見える」 「言 葉が出てこない」などの「脳卒中の症状の色々」を勉強し ていました。これは自分だけでなく家族の健康状態を日常 的に把握する意味でも大変役立つものだと思います。 私たちは、いつ、どこで突然のけがや病気に襲われるか 予測できないものです。特に突然、心臓が止まってしまう 「心筋梗塞」や「不整脈」などでは、一刻も早い「心肺蘇 生法」が生命を左右します。2009年3月、東京マラソ ンにランナーとして参加したお笑いタレントの松村邦洋さ 心肺蘇生法に挑戦 んが、15キロ地点手前の路上で倒れ、一時心肺停止状態 になった事案は有名です。ぐったりした様子で、口から泡 を吹き、目はうつろで、呼びかけても、反応がなかったと いいます。幸い近くにいた医師らが駆けつけ、心肺停止状 態を確認し、電気ショックを与えるAED(自動体外式除 細動器)で緊急処置をして、やっと呼吸を回復したそうで す。一般に心臓停止では3分間、呼吸停止では10分間放 置されると、死亡率が5割を超すといいますから、松村さ んは処置が早かったために一命を取り留めたと言えます。 講習で子どもたちが「心肺蘇生法」を行う際、倒れてい る人が呼吸をしているかどうかを確かめるのですが、実際 AEDと心臓マッサージ に分署の方に横になってもらい確認してみると、意外にも これが結構難しくて、最初はほとんどの子どもが間違ってしまいました。これで胸とお腹の 動きをしっかりと見なければならないことがよく分かったようです。 また、「心室細動」が起こると、心室のポンプ機能は失われ、血液を送り出せなくなりま す。そのため血圧はほぼゼロになり、脳は虚血状態になり意識は消失し、そのまま心室細動 が続けば死に至ります。心室細動が自然におさまることはまれです。適切な治療が行われな いと、3~5分間で脳死になる可能性が高くなるといわれています。子どもたちはAEDと 心臓マッサージの併用で真剣に実習に取り組んでいました。 最後に全員が認定証を頂きました。万一の時にしっかり経験を生かしてほしいものです。