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自動車産業における クリーンエネルギー製造 - Asia Biz Connect Group
環境に配慮したものづくり/Green ManufacturinG Article by Pissanuwat Keowamrat, Technical Writer References: www.corporate.ford.com, www.mitsubishi-motors.com, www.honda.com, www.toyota.com 自動車産業における クリーンエネルギー製造 世界における環境問題を語った際、 自動車産業は常に悪者となっています。 これは、 気候変動問題に関しては特にそうです。 しかし、 自動車メーカーは、 自動車のライフサイクルのあらゆる段階において最大限の環境配慮を実現する為、 多額の費用や労力を費やしています。 多くの自動車メーカーは、 ただ 単に環境規制へ対応するだけで無く、 カーボン・フットプリントの削減に向け真剣に取り組んでおり、 あらゆるオプションを実施したいと考えています。 自動車製造における再生可能エネルギー ドイツの大手自動車メーカーであるフォルクスワーゲンもまた、 北海にお 二酸化炭素の排出削減を実現する為には、 化石燃料から再生可能エネル を計画しています。 フォルクスワーゲンによる投資計画は、 将来的なエネル ギーへの電力源の変更が最も確実な方法です。 アメリカのゼネラルモータ ける風力発電所2ヶ所の建設へ、 10億ユーロ(8億6,200万ポンド)の投資 ギー価格の変動への対応を目的としていますが、 同社の社会的責任への ーズ(GM)は最近、 メキシコ工場へ風力エネルギーを導入しました。 同社は コミットメントとしても高く評価されています。 生可能エネルギーが占める割合は12パーセントに達していると述べてい 製造プロセスにおけるエネルギー消費量の削減 ムカンパニーであるサンロジックスへの750万ポンドの出資を発表しまし 自動車産業にとっては、 自動車の製造プロセスにおけるエネルギー消費量 ネル充電用キャノピーを設置する予定です。 GMはこれにより、 今年末まで や完成品の品質を最優先しており、 これらを向上させる為、 革新的な製造 これにより、 北米地域の自動車製造事業における総電力供給量のうち、 再 ます。 また、 GMの子会社であるGM Venturesは、 太陽エネルギーシステ た。 サンロジックスは、 GMの工場、 及びチボレーの販売店に、 太陽電池パ に、 太陽光発電による発電量を現状の30メガワットから60メガワットへと 2倍に引き上げたいと考えています。 フォードモーターもまた、 代替エネルギーの導入に力を入れて取り組んで います。 同社は、 2012年の一年間に、 独自の再生可能エネルギー発電によ る電力23,650キロワット、 及び外部より購入した再生可能エネルギー発 電による電力936,291 キロワットを事業へ導入したと述べています。 フォ ードモーターはまた、 ヨーロッパ、 及びアメリカの工場において、 太陽電地 の削減は、 以前は優先事項ではありませんでした。 メーカーは常に、 生産性 プロセスを開発してきました。 ただ、 偶然にも、 これらの革新的な製造プロ セスを導入した結果ムダが削減され、 メーカーはそれ以降、 製造プロセス におけるエネルギー消費量の削減により利益がもたらされる事に気付きま した。 トヨタ自動車は、 多くの意味において、 革新的な製造プロセスの導入 で知られており、 製造工程におけるエネルギー消費量、 及び温室効果ガス の排出量の削減をリードしてきました。 トヨタは、 カイゼンという独自の理 念を有しています。 以下は、 同社が導入しているカイゼン活動の例です。 アレイ、 及び太陽熱吸収装置への投資を行っています。 さらに、 フォードモ アルミニウム溶解プロセス: カナディアン・オートパーツ・トヨタは、 カナ のは、 アメリカオハイオ州のリマエンジン工場に設置された地熱発電シス ます。 同社は、 アルミニウムチップの溶解プロセスの向上により、年間22 実現しています。 同社の持続可能性報告書2013/4によると、 賞を受けた セスでは、 アルミニウムチップは溶解炉に入れられたのち洗浄される保 ーターによる再生可能エネルギーの導入を語る上で見逃してはならない テムです。 このシステムにより、 工場内が涼しくなり、 より快適な作業環境を この地熱発電システムにより、 毎年4,300メートルトンの二酸化炭素の排 出削減を達成しています。 26 Asia Pacific Plant Management ダのブリティッシュコロンビア州でトヨタのアルミホイールを製造してい 万立方フィートの天然ガス消費量削減に成功しています。 従来型のプロ 持炉へ入れられ、 その後鋳造法により加工されます。 しかし現在では、 溶 融アルミニウムは、 トラフを通し溶解炉から鋳造プロセスへ直接移され る為、作業においてエネルギー必要としません。 カナディアン・オートパ ーツ・トヨタは、2013年に、 アルミニウム1万9千メートルトンの溶解を おこない、 アルミホイール140万個を製造しました。 同社は、 このアルミニ ウムの溶解プロセスの向上により、毎年336メートルトンの温室効果ガ 及び8,900メートルトンの温室効果ガス排出の削減を実現しました。 こ のカイゼンプロジェクトは、 エネルギー技術者協会(AEE)による2013年 第三地域プロジェクト賞を受賞しました。 ス削減を実現しています。 他の日本の大手自動車メーカーも、 自動車製造工程におけるエネルギー 冷却システム: アメリカケンタッキー州ジョージタウンの自動車組み立て ーンファクトリー」 イニシアチブを通し、世界の全製造事業所へ、事業の 工場では、 自動車生産の停滞を防ぐ為、非生産時においても、V6エンジ 消費量の削減に取り組んでおり、 成果が見られています。 ホンダは、 「グリ 環境影響の低減を義務付けています。 この取り組みは成功しており、 北米 ンの機械加工を行っています。 それゆえ、 同工場では、 3つの30馬力ポン で稼働するホンダの14製造工場のうちの10工場は、 2011年以降、 稼働 ポンプを開発しました。 この小型1馬力ポンプは、 冷却装置をつなぎバク ゼロ)を実現しています。 プの代替として、 毎時最大4,000ガロンの揚水が可能な高効率な1馬力 テリアの増殖を防ぐ為にスプレーノズルを搭載しています。 同工場では、 において廃棄物ゼロ(ゴミ廃棄場に埋め立てなければならないゴミの廃出 このカイゼンにより、V6エンジンの冷却システムにおける年間エネルギ 三菱もまた、 二酸化炭素の排出削減により地球温暖化を防ぐと同時に化 塗装ブース: アメリカインディアナ州プリンストンにあるトヨタの自動車組 用した熱硬化性樹脂の開発に成功しており、 ミニキャブのオイルフィルタ ンにダウンドラフトを発生させる事で、 ブースで調整が必要な空気量の削 レンファイバーを結合した繊維を開発し、 自動車のフロアマットに使用し 量が減る事で、 エネルギー消費量も削減されます。 同工場では、 この塗装 ュに導入されています。 ー消費量を67万キロワット削減することに成功しています。 み立て工場では、 塗装ブースにおける気流速度を減少させ、 スプレーゾー 減に成功しました。 最適な温度や湿度に調整されなければならない空気 ブースにおけるカイゼンにより、 12万5千MMBtuのエネルギー消費量、 石燃料の使用を削減する為、 植物由来の材料を開発しており、 同社の自動 車へ導入しています。 まず、 カシューナッツの殻から抽出されたオイルを使 ーキャップに使用しています。 また、 サトウキビの糖液を使用したポリエチ ています。優れた耐久性を有するこれらのフロアマットは、小型ミラージ Clean Energy Manufacturing in the Auto Industry The automotive industry is always the bad guy when talking about global environmental concerns, especially when any mention is made of climate change. However, automakers have invested large sums of money and effort to make every step in an automobile’s life cycle as green as possible. Many automakers have demonstrated that they are willing to entertain all options, not just in terms of meeting (and often exceeding) regulations, but as part of serious effort to reduce their carbon footprint. Renewable Energy for Car Manufacturing Changing power sources from fossil fuels to renewable energy is the most tangible aspect of the pursuit of reduced carbon emissions. GM has recently brought wind power to its Mexican facilities. With this addition, the company claims that 12% of overall energy demands at its North American operations are now supplied by renewable energy. Another step towards renewable energy has been made by GM Ventures, a GM subsidiary, which has announced an equity investment of 7.5 million pound in Sunlogics, a solar energy systems company that will install solar panel charging canopies at GM facilities and Chevrolet auto dealerships. This is a part of GM’s commitment to double its solar power capacity from the existing 30 MW to 60 MW by the end of 2015. April - May 2015 27 環境に配慮したものづくり/Green ManufacturinG Ford Motor Company has also been involved in the move to alternative sources of energy. In 2012 alone, the company claimed that it used 23,650 kWh of direct (or self-generated) renewable energy and purchased 936,291 kWh of indirect renewable energy. Ford has also invested in a photovoltaic array and solar thermal collectors at its operation plants in both Europe and the US. However, the most notable development in renewable energy for the company is the geothermal system installed at the Lima Engine Plant in Ohio. The system helps to cool the plant making for a more comfortable working environment. This award-winning project eliminates the emission of 4,300 metric tons of CO2 each year, according to the company’s Sustainability Report 2013/14. Volkswagen, the German-based auto giant plans to invest one billion euro (862 million pound) in two North Sea wind farms. Though the move is a hedge against future volatility in energy prices, it has scored the company big social responsibility points. reducing the amount energy used in the production process would be beneficial. In many ways, Toyota, a company noted for its operational practices, has led the way in reducing energy consumption and greenhouse gas emissions. The company follows its own philosophy: Kaizen. Kaizen is best explained with following examples: Aluminum melting Kaizen: Canadian Auto Parts Toyota, Toyota’s aluminum wheel manufacturer in British Columbia, has reduced annual natural gas usage by about 220,000 cubic feet by improving the chip melting process. In the previous process, aluminum chips entered a melting furnace and were then poured off into a holding furnace where the metal was cleaned. The molten metal was then distributed to the casting process. Now, molten metal is transferred directly from the melting furnace to the casting process through a trough, which does not require any energy to operate. In 2013, the company melted about 19,000 metric tons of aluminum to produce 1.4 million wheels. With the improved process, the company reduces GHG emissions by 336 metric tons per year. Reducing Energy Used in the Process Reducing the amount of energy used in the automotive manufacturing process was not a priority for the industry. Productivity and the quality of the finished product were always the top priorities for manufacturers. In pursuit of those goals, manufacturers developed innovative operational practices. A fortuitous by-product of these practices was waste reduction and the realization that 28 Asia Pacific Plant Management Coolant system Kaizen: The machining process for V6 engines at the assembly plant in Georgetown, Kentucky, requires constant circulation - even during non-production times - to prevent stagnation. Now, the company has developed a high-efficiency, one-horsepower pump that can pump up to 4,000 gallons per hour replaced three 30-horsepower pumps. The small one-horsepower pump has a spray nozzle to aerate the coolant and prevent bacteria from growing. This kaizen has reduced annual energy use in the V6 coolant system by 670,000 kWh. Paint Booth Kaizen: Toyota's assembly plant in Princeton, Indiana was able to reduce the volume of air that has to be conditioned in the paint booths by reducing the air velocity in the booths and the downdraft in the spray zones. Less air to be conditioned to the proper temperature and humidity lead to less energy used. This project reduced energy use by 125,000 MMBtus and GHG emissions by 8,900 metric tons. This kaizen received the 2013 Region III Project of the Year Award from the Association of Energy Engineers (AEE). Other big names of Japanese automakers have also shown efforts to reduce energy consumption with tangible results. Honda's "Green Factory" initiatives require that every Honda manufacturing plant works to reduce the environmental impact of its operations. This initiative has been a success, and since 2011, ten of 14 Honda plants in North America have been operating with absolutely zero waste sent to landfills. Mitsubishi Motors has developed plant-based materials and is employing them in its automobile manufacturing in order to prevent global warming (reduce CO2 emissions) and reduce the use of fossil resources. The research has resulted in a thermoset resin made from oil extracted from the shells of cashew nuts that is used in the oil filler cap of minicab model, and floor mats that use a fiber made by combining Bio-PE (polyethylene) fiber manufactured from sugar cane molasses. These high durability floor mats are used in the compact Mirage model. Enquiry No. 93 • 104 Please turn to page 85 April - May 2015 29