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大阪市中央卸売市場 本場改革ビジョン

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大阪市中央卸売市場 本場改革ビジョン
大阪市中央卸売市場
本場改革ビジョン
―
行動計画編
―
平成26年3月
大阪市中央卸売市場
目
次
1 大阪市中央卸売市場・改革ビジョンについて ···························· 1
2 本場の基本方針(概要) ·············································· 2
3 行動計画実施主体取組一覧 ············································ 3
4 平成25年度の取組状況 ················································ 4
5-1 平成26年度以降の取組内容 ········································ 6
Ⅰ 市場の基本機能の強化 ·············································· 6
戦略1:品揃えナンバーワンをめざす集荷力強化 ························ 6
戦略2:市場ブランドの価値向上による販売力強化 ······················ 7
戦略3:安全・安心対策の一層の強化 ·································· 9
Ⅱ 市場の社会的役割の発揮 ············································ 10
戦略4:食の情報受発信機能の強化 ···································· 10
戦略5:環境と災害対策の強化 ········································ 11
Ⅲ 市場の経営改善 ···················································· 13
戦略6:市場会計の健全化 ············································ 13
5-2 平成26年度以降の取組内容(中長期) ······························ 14
Ⅰ 市場の基本機能の強化 ·············································· 14
戦略1:品揃えナンバーワンをめざす集荷力強化 ························ 14
戦略2:市場ブランドの価値向上による販売力強化 ······················ 14
戦略3:安全・安心対策の一層の強化 ·································· 14
Ⅱ 市場の社会的役割の発揮 ············································ 15
戦略4:食の情報受発信機能の強化 ···································· 15
Ⅲ 市場の経営改善 ···················································· 15
戦略6:市場会計の健全化 ············································ 15
6 おわりに ···························································· 16
1
大阪市中央卸売市場・改革ビジョンについて
(1) 基本方針
中央卸売市場は、日常生活に欠かすことのできない青果物や水産物などの生鮮食料品につい
て、取引の適正化、生産及び流通の円滑化を図り、安定供給を行うための流通拠点施設であり、
社会的に重要な役割を担っています。
しかしながら、少子高齢化等による食料消費の減少、加工食品需要の高まりや情報技術の発
達による流通形態の多様化に伴う市場外流通の増加等の影響により、全国的に中央卸売市場の
取扱高は減少傾向にあり、中央卸売市場を取り巻く経営環境は厳しさを増してきています。
こうした中、農林水産省策定の「第9次卸売市場整備基本方針」(平成22年10月)において
は、今後の市場の運営方針やめざすべき将来方向の確認等のため、市場の事業者(民間)と開
設者(行政)が一体となって、市場毎に経営展望を策定することとされてきました。
本市としては、今後とも将来にわたって生鮮食料品の安定供給を行うという役割・使命を、
安定的・継続的に果たしていくために、市場の特性、潜在能力等を活かしつつ、将来を見据え
た戦略的な視点をもった経営展望を策定することとしました。
平成 24 年度には、市場内事業者と開設者が一体となって議論を行いながら、
「市場の基本機
能の強化」
「市場の社会的役割の発揮」
「市場の経営改善」を基本的な視点とした市場改革ビジ
ョン(基本方針)について、本場、東部市場それぞれの市場において策定してきました。
市場改革ビジョンでは、中央卸売市場が将来にわたって生鮮食料品の安定供給という役割・
使命を、安定的・継続的に果たしていくために存在し、その機能を発揮し続けることが求めら
れることを踏まえ、20 年先を見通しつつ、今後 10 年間の取組等について明示することとして
います。
(2) 行動計画編
行動計画編については、基本方針を基にした具体的な取組等を示すものであり、その策定に
際しては、民間(市場内事業者)の経済活動を通して生鮮食料品の安定供給を図るという中央
卸売市場の特性を踏まえつつ、集荷や販売など市場内事業者が主体となる事項と、市場経営や
施設整備など開設者が主体となる事項について、それぞれの役割分担の整理も行いながら、課
題の前進や解決等に向けた市場全体としての認識の共有化を基本に、検討・議論を進めてきま
した。
具体的な取組等については、実効性・実現性に重点を置きつつ、基本的には現在の取組みの
継続・充実等をベースに、必要に応じて拡充や新設等も勘案しながら、市場として取組んでい
くべき課題について、取組の主体や時期等を整理したものを市場全体的な行動の指針として明
示しています。
なお、今後の法令改正や社会経済情勢の変化等を見据え、時宜に応じて柔軟に対応していく
ことも不可欠であることから、具体的な取組の推進にあたっては、実働組織として課題ごとの
「部会」等の設置も含め、柔軟かつ効果的に取組んでいきます。
1
2
本場の基本方針(概要)
【本場基本方針】
本場は、将来も長期的に中央卸売市場として重要な役割を発揮し続けることが求められます。
そのため、本場の外部環境及び内部環境の評価を踏まえた、10年後のあるべき姿を示す将来ビジョ
ンと、その実現に向けた方向性として基本方針を策定しました。
■10 年後の将来ビジョン
量・質兼ね備えた「広域流通拠点市場」
Ⅰ
市場の基本機能の強化
全国各地から多種多様で、安全・安心な商品を集荷し、大阪・関西を中心に西日本広域にわた
る事業者や消費者のニーズに応じて、迅速かつ効率的に必要な品目と量を分荷(販売)するとい
う市場の最も基本的な機能をさらに強化するため、市場関係者はそれぞれの役割、責務を果たす
とともに、中心となって、本場のブランド価値向上に取り組むとともに、安全・安心対策等を進
めます。
●戦略1:品揃えナンバーワンをめざす集荷力強化
●戦略2:市場ブランドの価値向上による販売力強化
●戦略3:安全・安心対策の一層の強化
Ⅱ
市場の社会的役割の発揮
市場の社会的役割を引き続き発揮していくため、市民の健康な生活を支える「食」や、社会経
済に欠かせない「食の流通」を担っている市場の役割について、生産者や事業者、さらには消費
者に対して、正しい知識・理解を深めていただく取組みを進めます。さらに、災害時にも食料供
給の拠点としての役割を果たせるように、そして、地球温暖化や循環型社会形成に資する環境保
全の取組みを進めます。
●戦略4:食の情報受発信機能の強化
●戦略5:環境と災害対策の強化
Ⅲ
市場の経営改善
社会的に重要な役割を果たす市場が、長期的に安定して機能するように、市場経営の合理化や
民間活力の導入を含めた市場の経営改善を進めます。
●戦略6:市場会計の健全化
2
3
行動計画実施主体取組一覧
実 施 主 体 及び 取 組 一覧
平成26年度以降の取組内容
本 場 行 動 計 画
平成25年度の
取組状況
実 施 主 体
取組時期
卸
仲卸
関連
事業者
市場協会
開設者
買出人
Ⅰ 市場の基本機能強化
戦略1 品揃えナンバーワンをめざす集荷力強化
≪品揃えの幅、質、量の一層の充実≫
・トップセールスを活用した産地開拓
実施中
継 続
○
○
・市場内事業者間の連携強化
実施中
継 続
○
○
○
○
≪個性的な産地の掘り起し・育成支援を通じた集荷力拡大≫
・産地表彰制度の導入
実施中
継 続
○
○
○
・産地PRを条件とした産地開拓
未実施
新 規 (中長期)
○
○
○
・卸売会社の目利き力(専門性)を活かした目玉となる商品開拓・開発
実施中
継 続
○
○
・ブランド価値を高めるための価格形成機能の強化
実施中
継 続
○
○
・他業界との連携
実施中
継 続
○
○
実施中
継 続
○
○
戦略2 市場ブランドの価値向上による販売力強化
≪市場ブランドの価値向上≫
○
≪他市場や海外等への販売強化≫
・他市場等への販売を前提とした集荷力の強化
≪市場内事業者の経営力の強化≫
・経営戦略、事業計画の策定、従業員教育による人材育成
実施中
拡 充
○
○
・量販大型化に対応した市場内事業者の規模拡大(統合等)
未実施
新 規 (中長期)
○
○
・業界ルールや条例等の必要に応じた見直し
実 施
継 続
○
○
・経営改善セミナー・経営相談・専門相談員派遣の実施
実施中
継 続
未実施
新 規 (中長期)
・品質管理のより一層の強化
実施中
・安心と清潔な市場づくり
実施中
・市場まつり等
・Web等情報ツールを活用した市場PR及び情報発信
○
○
○
○
○
○
○
○
○
継 続
○
○
○
拡 充
○
○
○
○
○
実施中
継 続
○
○
○
○
○
実 施
拡 充
○
○
○
○
○
・食育等の推進及び情報発信
実施中
継 続
○
○
○
○
・食文化館、すし棟などの他都市事例の検証
未実施
新 規 (中長期)
○
・教育機関との連携
未実施
新 規 (中長期)
○
実施中
継 続
○
○
実施中
拡 充
○
○
○
○
○
○
戦略3 安全・安心対策の一層の強化
≪コールドチェーンの確立等≫
・適切な温度管理を活用した施設の改善
≪安心・清潔な市場づくり≫
○
○
Ⅱ 市場の社会的役割の発揮
戦略4 食の情報受発信機能の強化
≪中央卸売市場の果たしている役割の認知度向上≫
≪市民等への食育等の推進≫
≪川上・川下との情報交流の推進≫
・産地と買出人の交流する機会の設置 (交流会、見学会等)
○
戦略5 環境と災害対策の強化
≪環境にやさしい市場づくり≫
・省エネルギーの推進・低公害車導入の推進
≪災害に強い市場づくり≫
・大規模災害への備え
実 施
拡 充
○
○
○
○
○
・BCP(業務継続計画)の策定
未実施
新 規 (短 期)
○
○
○
○
○
・経費の見直し及び増収対策
実施中
継 続
○
・立地環境を踏まえた施設の有効活用の検討
未実施
新 規 (中長期)
○
実 施
新 規 (短 期)
○
Ⅲ 市場の経営改善
戦略6 市場会計の健全化
≪市場経営の合理化≫
≪民間活力の導入≫
・指定管理者制度等の検討
3
○
4
平成25年度の取組状況
平成25年度においては、昨年度に策定された市場改革ビジョン(基本方針)の方針に基づき早期
に着手可能な取組について、行動計画策定に先駆けて、以下のとおり取組みを行いました。
Ⅰ
市場の基本機能の強化
戦略1:品揃えナンバーワンをめざす集荷力強化
≪ 品揃えの幅、質、量の一層の充実 ≫
取組:取引データの標準化による流通業務の効率化に向けた市場情報システムの整備
市場情報システムについては、生鮮食料品流通環境の変化に対応するため、市場業務の効率化、
市場機能の向上を図ることを目的として稼働しているが、さらに電子取引の円滑化に資するため、
計画的に生鮮標準EDI品目対応機能を追加し、情報処理の正確性・迅速性・効率性の向上を図
りました。
今後、整備・改修した市場情報システムを活用し、現在提供している市場の取引・統計情報を
ベースに地図情報や食に関する情報などを付加した統計情報の内容拡充等を図っていきます。
戦略2:市場ブランドの価値向上による販売力強化
≪ 市場内事業者の経営力の強化 ≫
取組:青果における野菜と果実の相互乗り入れ(業界ルールや条例等の見直し)
量販店から専門小売店まで幅広く顧客のニーズに対応できるよう制度の改善を図り競争力を
向上させるため、青果における野菜と果実の相互乗り入れについて、規制緩和を実施しました。
Ⅱ
市場の社会的役割の発揮
戦略4:食の情報受発信機能の強化
≪ 市民等への食育等の推進 ≫
取組:Web等情報ツールを活用した市場PR及び情報発信
統計情報の拡充に伴うシステム改修完了までの対応として、現在あるホームページを活用
し、市場内事業者による食育活動等の紹介を行うことにより、消費者の食生活の向上や市場
の役割の認知度向上とともに、生鮮食料品の消費拡大に繋げる情報発信を図りました。
4
戦略5:環境と災害対策の強化
≪ 災害に強い市場づくり ≫
取組:大規模災害への備え
大規模災害発生時に対応できうる市場全体の防災体制の確立を目的に、開設者において防災基
本方針策定に向けた検討会を設置しました。
Ⅲ
市場の経営改善
戦略6:市場会計の健全化
≪ 民間活力の導入 ≫
取組:指定管理者制度等の検討
民間事業者の有するノウハウを導入し、施設の管理運営をより一層効果的かつ効率的に行うこ
とにより、市場施設利用者へのサービス向上及び市場経営の健全化に資することを目的に、指定
管理者制度の導入に向けた検討及び制度設計を実施しました。
5
5-1
平成26年度以降の取組内容
基本方針に基づき平成25年度においては、行動計画を策定するにあたり市場関係者へのアンケー
ト調査等を実施し、調査結果をとりまとめたものを、基本方針において示された「基本機能の強化」
「社会的役割の発揮」
「経営改善」という3つの柱と6つの戦略をベースに整理を行いました。
平成26年度以降の取組内容については以下のとおりです。
Ⅰ
市場の基本機能の強化
●戦略1:品揃えナンバーワンをめざす集荷力強化
本場は、「ないものはない」ほど、圧倒的な量と品揃えが特徴であり、それにさらに磨きをか
けて、品揃えナンバーワンの集荷力が高い市場をめざします。
≪ 品揃えの幅、質、量の一層の充実 ≫
取組1:トップセールスを活用した産地開拓
現状の集荷力を継続しつつ、さらなる取扱い品目の一層の充実を図るために、開設者を含む市
場関係者による産地へのトップセールスなどを進めることにより、新たな産地を開拓し出荷促進
につなげ、品揃えの幅、質、量の一層の充実をめざします。
取組2:市場内事業者間の連携強化
需要者ニーズを踏まえた商品提供ができるよう、卸・仲卸・買出人等が情報の共有化など、引
き続き連携していくことにより、産地・量販店等との円滑な取引関係の構築に努めます。
≪ 個性的な産地の掘り出し・育成支援を通じた集荷力拡大 ≫
取組3:産地表彰制度の導入
西日本最大の中央拠点市場に対応した多種多様な品揃えを本場の特徴とするために、産地表彰
制度を活用することにより、全国から新たな農産品や水産品、加工品等を積極的に展開する産地
や生産者を発掘・連携し、集荷力の拡大をめざします。
6
○戦略1にかかる取組主体団体等
青果部
水産物部
関連事業者
卸売業者
仲卸業者
卸売業者
仲卸業者
取組1
○
○
○
○
取組2
○
○
○
○
取組3
○
○
○
○
市場協会
開設者
○
○
●戦略2:市場ブランドの価値向上による販売力強化
「西日本最大の市場」である本場というブランド価値を自覚し、高めることにより、市場内事
業者の経営基盤の安定の上に立った圧倒的な販売力のある市場をめざします。
≪ 市場ブランドの価値向上 ≫
取組1:卸売会社の目利き力(専門性)を活かした目玉となる商品開拓・開発
卸売会社は、多様な現場や商品などを見ることで経験した目利きの能力を有している、いわば
プロフェッショナルであることから、その専門性を顕在化させ活用することにより、目玉となる
商品の開拓・開発し、市場のブランド価値向上をめざします。
取組2:ブランド価値を高めるための価格形成機能の強化
規格品や輸入品の増加に伴い、中央卸売市場の取引方法については、相対取引の増加などによ
り、青果、水産ではせり・入札取引の割合が減少しているが、個別の商品単位毎の値決めが必要
な商品などは依然として、せり・入札機能が必要とされており、今後もブランド価値を高めるた
めにもこれらの商品については、現物を見て取引を行う「せり」による価格形成が必要であり、
本場としてもこの機能を担うため、消費者ニーズの早期把握や産地・商品等の情報収集を図り、
価格形成機能の強化に努めます。
取組3:他業界との連携
近年多様化する業務用需要や消費者ニーズに合わせた市場商品の提案等について、量販店・小
売店と連携するとともに、中食・外食業界については取引の維持拡大を図るため、加工機能の充
実など、それぞれの特性に応じた検討を行うことにより、販売力の強化をめざします。
7
≪ 他市場や海外等への販売強化 ≫
取組4:他市場等への販売を前提とした集荷力の強化
本場は大規模かつ拠点的卸売市場であり、近畿圏の生鮮食料品流通の中心として、川上(産
地)・川下(小売・飲食店など販売業者)をつなぐ流通の結節点であり、いわゆるハブ市場として、
多くの産地から、多くの品目や等階級の集荷を行うとともに、卸・仲卸業者のもつ目利きの専門
技術に加え、流通業務の効率化をめざし改修した情報処理システムを活用することにより、集荷
力の一層の強化をめざします。
≪ 市場内事業者の経営力の強化 ≫
取組5:経営戦略、事業計画の策定、従業員教育による人材育成
拡
充
各市場内事業者において経営戦略・事業計画を策定するとともに、集荷・販売力の強化に取り
組んでいくためには、その基礎となる従業員教育による人材育成や情報力の強化などを通じて、
市場の活性化及び経営力の強化に努めます。
取組6:業界ルールや条例等の必要に応じた見直し
市場内におけるルールや条例等、例えば買出人駐車場の管理のあり方など、社会的なニーズの
変化と本場の特性を踏まえて適切に判断し、市場関係者間の協力を得ながら、今後も必要に応じ
て見直し等の取組みを行います。
取組7:経営改善セミナー・経営相談・専門相談員派遣の実施
開設者による経営改善セミナー等を引き続き実施することにより、市場内事業者の経営診断を
通じた経営改善の指導・助言等のサポートを、公認会計士等の専門家より継続的に行うことで、
市場内事業者の経営力の強化に努めます。
8
○戦略2にかかる取組主体団体等
青果部
水産物部
卸売業者
仲卸業者
卸売業者
仲卸業者
取組1
○
○
○
○
取組2
○
○
○
○
取組3
○
○
○
○
取組4
○
○
○
○
取組5
○
○
○
○
取組6
○
○
○
○
取組7
○
関連事業者
市場協会
開設者
○
○
○
○
○
●戦略3:安全・安心対策の一層の強化
信頼の原点となる「食の安全・安心」を第一に考え、その一層の強化のために適切な温度管理
に努め、安心・清潔な市場づくりをめざします。
≪ 安心・清潔な市場づくり ≫
取組1:品質管理のより一層の強化
「食」を扱う市場として、開設者による食の安全・安心に関するハンドブックの整備等や、個
別事業者による品質管理ガイドラインの作成等により、市場関係者における食品取扱いに関する
意識の向上と、生鮮食料品の品質管理のより一層の強化に努めます。
取組2:安心と清潔な市場づくり
拡
充
交通事故件数の減少や運転マナーの向上に向けた啓発活動など、安全・安心対策についてより
効果的な手法を検証することにより、施設利用者が安全に利用できる市場をめざします。
また市場全体としての場内清掃、クリーンアップ運動、鳥獣対策は継続しつつ、市場内事業者
の事業活動により発生する廃棄物などの分別方法の周知啓発・指導の徹底を強化し、適正分別に
より再資源化によるごみの減量を図るとともに、不法投棄の防止に向けた取組みを強化すること
により、安心で清潔な市場をめざします。
9
○戦略3にかかる取組主体団体等
青果部
水産物部
関連事業者
Ⅱ
卸売業者
仲卸業者
卸売業者
仲卸業者
取組1
○
○
○
○
○
取組2
○
○
○
○
○
市場協会
開設者
○
○
○
市場の社会的役割の発揮
●戦略4:食の情報受発信機能の強化
「食」に関わる産地側や消費側の情報、生鮮食料品等に関する栄養や健康等の情報などを受発
信し、関係者間で交流させることによって、消費者の食生活の向上や市場の役割の認知度向上と
ともに、存在価値の高い市場をめざします。
≪ 中央卸売市場の果たしている役割の認知度向上 ≫
取組1:市場まつり等
市民等へ「食」の大切さや、その生鮮食料品を扱う「市場」としての役割や魅力などをアピー
ルすることも重要であることから、市場についての市民の認知度向上に向けて、周年記念事業等
を活用しながら市場内関係者が一丸となって市場の活性化をめざします。
取組2:Web等情報ツールを活用した市場PR及び情報発信
拡
充
中央卸売市場の役割について、新しい市場情報システムを活用し、市場の取引・統計情報に市
場内事業者による食に関する情報などを付加することで、市場関係者向けの情報に重点を置きつ
つも、惹いては消費者まで興味を引く情報提供を行うことで、消費者の食生活の向上や市場の役
割の認知度向上に繋げる情報発信に努めます。
≪ 市民等への食育等の推進 ≫
取組3:食育等の推進及び情報発信
生鮮食料品のより適切な「消費」を高めていくために、今後も引き続き市場見学ツアーや料理
教室を継続して開催することはもとより、市場情報ツールを活用した食育活動の推進及び情報発
信を行うことにより、市場内事業者の食育の取組みを一層推進します。
10
≪ 川上・川下との情報交流の推進 ≫
取組4:産地と買出人の交流する機会の設置(交流会、見学会等)
近年多様化する業務用需要や消費者ニーズに対応するため、生産側と消費者側の情報を相互に
伝えることを基本に、交流会や見学会等を行うことにより、流通システムの比較検討など両者の
情報交流の機会を通じ連携強化に努めます。
○戦略4にかかる取組主体団体等
青果部
水産物部
関連事業者
市場協会
開設者
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
卸売業者
仲卸業者
卸売業者
仲卸業者
取組1
○
○
○
取組2
○
○
取組3
○
取組4
○
○
●戦略5:環境と災害対策の強化
中央卸売市場は、環境への負荷が高い大規模事業者でもあること、そして災害時においても食
料の安定供給が求められる「食品流通のインフラ」であることから、環境にやさしく、災害に強
い市場をめざします。
≪ 環境にやさしい市場づくり ≫
取組1:省エネルギーの推進・低公害車導入の推進
拡
充
環境保護が叫ばれる中、環境にも配慮した卸売市場をめざし、中央卸売市場では電力をはじめ
とするエネルギー消費、輸送用自動車利用に伴う排気ガスなどを伴う施設であることから、市場
内の照明のLED化や省エネ型装置・施設への更新などを推進するとともに、引き続き再生エネ
ルギー(太陽光発電)を活用するなど、環境への負荷の低減に努めます。
また、場内ではトラックをはじめ、様々な運搬車が活躍しており、低公害車の導入やアイドリ
ングストップ運動の推進などを行うことにより、環境への負荷の低減に努めるとともに、周辺地
域への配慮に努めます。
11
≪ 災害に強い市場づくり ≫
取組2:大規模災害への備え
拡
充
開設者において、
「大阪市地域防災計画」等に基づき、災害発生に際して迅速かつ適確に行動
できるよう、市場関係者の理解と協力を得ながら、市場全体の防災基本方針を策定します。
また、災害時における生鮮食料品等の安定的な集荷・供給体制が継続できるよう、「全国中央
卸売市場協会災害時相互応援に関する協定」及び「災害時における生鮮食料品等の供給協力等相
互応援に関する協定」
(近畿支部)により、他市場との連携強化に努めます。
なお、災害を想定した訓練なども継続して実施することにより、非常時対応のための体制整備
を進めます。
取組3:BCP( 業務継続計画 )の策定
新
規
新たに策定する防災基本方針に基づき、災害時には早急かつ効果的に中央卸売市場の本来的な
役割である「食品の安全・安心の確保や安定供給」の機能を最短で復旧すべく、事前に必要な資
源の準備や対応方針・手段を定めた、BCP(業務継続計画)等を策定し、市場内関係者全ての
災害意識をより高め、不測の事態に備えます。
○戦略5にかかる取組主体団体等
青果部
水産物部
関連事業者
市場協会
開設者
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
卸売業者
仲卸業者
卸売業者
仲卸業者
取組1
○
○
○
取組2
○
○
取組3
○
○
12
Ⅲ
市場の経営改善
●戦略6:市場会計の健全化
市場会計の収入増を図り、またより効率的な運営によって支出を減らすことにより、健全経営
の市場をめざします。
≪ 市場経営の合理化 ≫
取組1:経費の見直し及び増収対策
市場経営の収入は、面積割や売上高割の施設使用料が主であることから、取扱高の向上を進め
ると共に、稼働率の向上・空き店舗の活用・必要な施設への転用などを行い、また、費用対効果
の面から経費を見直すことにより、より効率的な市場経営をめざします。
≪ 民間活力の導入 ≫
取組2:指定管理者制度等の検討
新
規
指定管理者制度の導入に向けた公募・選定を実施し、民間活力を導入することにより、市場経
営のさらなる効率化・合理化を進めます。
○戦略6にかかる取組主体団体等
青果部
水産物部
関連事業者
卸売業者
仲卸業者
卸売業者
市場協会
開設者
仲卸業者
取組1
○
取組2
○
13
5-2 平成26年度以降の取組内容(中長期)
市場改革ビジョン(基本方針)に基づき、平成25年度行動計画策定にあたり市場関係者へのアン
ケート調査等を実施し、調査結果をとりまとめ、基本方針において示された「3つの柱・6つの戦略」
に応じて精査したところ、以下の取組については、中長期的課題として、今後の社会環境や経済の
変化などを的確に受け止めていく必要があることから、今後引き続き議論・検討対象とし必要に応
じて見直しを行います。
Ⅰ
市場の基本機能の強化
●戦略1:品揃えナンバーワンをめざす集荷力強化
≪ 個性的な産地の掘り出し・育成支援を通じた集荷力拡大 ≫
取組1:産地PRを条件とした産地開拓
●戦略2:市場ブランドの価値向上による販売力強化
≪ 市場内事業者の経営力の強化 ≫
取組2:量販大型化に対応した市場内事業者の規模拡大(統合等)
●戦略3:安全・安心対策の一層の強化
≪ コールドチェーンの確立等 ≫
取組3:適切な温度管理を活用した施設の改善
○Ⅰ市場の基本機能の強化にかかる取組主体団体等
青果部
水産物部
関連事業者
市場協会
開設者
卸売業者
仲卸業者
卸売業者
仲卸業者
取組1
○
○
○
○
○
取組2
○
○
○
○
○
取組3
○
○
○
○
○
14
Ⅱ
市場の社会的役割の発揮
●戦略4:食の情報受発信機能の強化
≪ 市民等への食育等の推進 ≫
取組1:食文化館、すし棟などの他都市事例の検証
取組2:教育機関との連携
Ⅲ
市場の経営改善
●戦略6:市場会計の健全化
≪ 市場経営の合理化 ≫
取組3:立地環境を踏まえた施設の有効活用の検討
○Ⅱ市場の社会的役割の発揮及びⅢ市場の経営改善にかかる取組主体団体等
青果部
水産物部
関連事業者
卸売業者
仲卸業者
卸売業者
仲卸業者
市場協会
開設者
取組1
○
取組2
○
取組3
○
15
6
おわりに
これまで述べてきたように、中央卸売市場を取り巻く環境については、流通業界の動きや世界的
な消費動向の変化など、今なお流動的であり、将来の状況を予測することは極めて困難な状況にあ
ります。
このような中で、今後とも生鮮食料品の安定供給を行うという役割・使命を、安定的・継続的に
果たしていくためには、何よりもまず、開設者である大阪市と市場内事業者が、大阪市中央卸売市
場が置かれている現状並びに互いの役割を双方が十分に認識しつつ、適切なパートナーシップを築
いて、各々の役割をそれぞれの責任において果たし、協力して取り組んでいく必要があると考えて
います。
こうしたことから、今後とも市場改革ビジョンを基に、市場内事業者と開設者による意見交換等
も行いながら、具体的な取組状況の点検・確認、或いは必要な見直し等も行いつつ、市場関係者が
一体となって、10 年後のあるべき姿を示す将来ビジョンとして、
「量・質兼ね備えた『広域流通拠
点市場』」をめざしていきます。
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