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講義スライド
古代ギリシアの宇宙像 太陽系の天体は特別な存在だった 地球中心 プラトン,アリストテレス(BC4c) 太陽中心 太陽,月,水星,金星,火星,木星,土星 アリスタルコス(BC3c) 天動説の完成 (プトレマイオス,AD2c) 観測データ重視 地動説 コペルニクス “天体の回転について”(1543) ネオ・プラトン哲学 恒星 土 木 火 地 金 水 自然法則は単純であるべきだ 太陽 惑星の位置,日食・月食の予測が可能に キリスト教と結びつき 1400年間生き続ける 地動説による惑星の動きの説明 地動説の完成 16c後半~17c前半 ティコ・ブラーエ ケプラー 精密な天体の位置観測 ケプラーの法則 1. 惑星は太陽を1つの焦点とする楕円軌道を描く. 2.惑星と太陽を結ぶ線が一定時間に掃く面積は一定である. 3.惑星の公転周期の2乗は軌道長半径の3乗に比例する. 1 外惑星(火,木,土)の公転周期 外惑星(火,木,土)の公転半径 火星(T2) 地球(T1) 火星 X 地球は1日あたり 太陽 太陽 地球 R 速く周る. 正弦定理より 会合周期をKとすると 360 360 360 K T1 T 2 内惑星(水星,金星)の軌道半径 X R sin sin カッシーニ(伊・仏)の観測 1672年 火星の大接近 地球上の2点からの三角測量により 火星までの距離 R2-R1 を求める 金星 Keplerの法則 太陽 太陽 2 R1 地球 max:最大離角 X R R2 火星 T 2 R2 T 1 R1 3 R1=1.4×108 (km) 現在の値は,およそ R1=1.5×108 (km) 地球 地動説の完成 17c後半 ニュートン 力学の確立 ⇒ 運動のメカニズムを説明 運動の法則 ma f 万有引力の法則 f G Mm r2 1608 1610 望遠鏡の発明 ガリレオ “星界の報告” 月のクレーター,木星の衛星 金星の満ち欠け 1687 ニュートン “プリンキピア“ 1781 天王星の発見(ハーシェル) 1846 海王星の発見(ガレ) 1930 冥王星の発見(トンボー) m:質量 a:加速度 f:力 m:質量,a:加速度,f:力 地上の運動と 天界の運動が 同じ法則に従う ニュートン力学に 基づく予測を検 証??? (ただし,2006年以降惑星には含めない) ケプラーの法則を満たすような引力はどう表されるべきか? 2 太陽系: 太陽+太陽を回る天体 (光学)望遠鏡観測で得られる情報 太陽,惑星,小惑星,衛星,彗星,太陽系外縁天体 ・大きさ: 視直径から ・質量: 衛星の軌道観測から v2 Mm G 2 r r m イトカワ ⇒ M ・大気組成: ・表面温度: 平均密度 (構成物質) v r m M rv 2 G 分光観測から 分光観測から ヘール・ボップ彗星(1997) 惑星の質量と平均密度の関係 惑星の内部構造 岩石惑星 ガス惑星 地殻(岩石) 大気(水素,ヘリウム) 大気(水素,ヘリウム) コア(氷, 岩石,鉄) コア(鉄) マントル(岩石) コア(氷,岩石,鉄) 地球と火星は 衛星をもつ 1960年代後半~ 氷惑星 多くの衛星,リングをもつ 水星 Mercury 新たに得られた情報 表面地形 ⇒ 過去の歴史を読み取ることが 可能になった 重力,磁場 ⇒ 内部構造についての情報 マリナー10(1974-5) ・最近の地質活動はみられない (衝突クレーターが多い,月に似ている) ・磁場が存在(流体核の存在) 3 金星 Venus パンケーキ状ドーム(D=20km) ドーム状地形(D=25km) 厚い大気に覆われているため表面地形が見えない ⇒ 電波(レーダー)で見る 金星の火山の分布 陥没地形(D=100km) ・最近の火山活動 ・プレートテクトニクスはない シフ山 (高さ2km,直径200km) 火星 Mars 火星の火山の分布 極冠(ドライアイス) 最大:400km オリンポス山(太陽系最大の火山) 高さ: 25km,直径:600km プレート・テクトニクスは存在しない 4 地球型惑星の大気の比較 金星 大気組成 CO2: 96.5% N2: 3.5% H2O: 0.1% 表面気圧 (気圧) 流水地形 砂丘 かつては温暖な気候で表面に水が存在した 地球 N2: 78.1% O2: 20.9% H2O: 3~0.1% Ar: 0.9% 火星 CO2: 95.3% 2.7% N 2: Ar: 1.6% ~90 ~1 ~0.07 >400 ~15 ~-20 表面温度 (C) 木星 Jupiter 木星の衛星 イオ:火山活動が存在 太陽系外縁天体 エウロパ: 氷の下に水? 比較惑星学から比較惑星系学へ 他の惑星系の探索 1AU = 1.5x108 km 天文単位(太陽ー地球) 巨大望遠鏡 ハッブル宇宙望遠鏡 中心星(恒星)のふらつきを検出する 現在までに200個近く発見されている カイパーベルト: 短周期彗星(<200年) オールト雲: 長周期彗星(>200年) 5