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無菌製剤工場における 製造プロセス
無菌製剤工場における 製造プロセス 2015年8月21日 第3事業本部 産業システム設計部 中村 健太郎 All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 1 無菌製剤の製造プロセス (基礎編) 無菌製剤をつくる若者の一日 (サイトツアー編) All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 2 無菌製剤の製造プロセス (基礎編) All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 3 目 次 無菌製剤とは ガイダンスと清浄度区分 ラミナーブース/RABS/アイソレータ ゾーニング 主要な製造工程(無菌操作法) All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 4 目 次 無菌製剤とは ガイダンスと清浄度区分 ラミナーブース/RABS/アイソレータ ゾーニング 主要な製造工程(無菌操作法) All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 5 無菌製剤とは 日本薬局方(製剤総則) ① 注射剤 ② 眼軟膏剤 ③ 点眼剤 製品(製剤)が無菌であることが 求められる。 注射剤とその他の製剤の違い 注射剤は、直接体内に投与するため、異物、微生物に加え てパイロジェン(エンドトキシン)と呼ばれる外因性発熱物質 が含まれていてはならない。(=パイロジェンフリー) All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 6 安全な無菌製剤を製造するには・・・ 経口剤(固形・液剤)や外用剤などに比べて高度な製造設備と 製造環境の菌・異物の管理が必要となる。 言い換えると 無菌製剤は、製品劣化につながる汚染のリスクが高く、万一 汚染された製品が患者さんに投与されると、生命の危険に 晒す可能性がある。 All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 7 様々な無菌製剤の容器形態 All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 8 無菌製剤の製造方法 最終滅菌法 無菌操作法 容器を密封した後に 加熱等により薬剤を 無菌化する方法 ※溶液状で耐熱性の 高い製剤に適用 最終滅菌法が適用 出来ない場合、 ろ過滅菌による製剤の 無菌化を行うか 無菌原料を使用する方法 All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 9 最終滅菌法による注射剤の製造フロー(例) 製品 充填 包装 ろ過 ( 滅菌) 検査 溶解 洗浄 最終滅菌 秤量 容器 密封 原料 最終滅菌法 注)最終滅菌法の場合は、「ろ過」や「(滅菌)」は バイオバーデンコントロールが目的となる。 All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 10 無菌操作法による注射剤の製造フロー(例) 充填 製品 ろ過滅菌 滅菌 包装 溶解 洗浄 検査 秤量 容器 密封 原料 All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 無菌操作法 11 目 次 無菌製剤とは ガイダンスと清浄度区分 ラミナーブース/RABS/アイソレータ ゾーニング 主要な製造工程(無菌操作法) All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 12 無菌製剤のガイドライン(日本) 最終滅菌法 最終滅菌法による無菌医薬品の製造に関する指針 (2012年11月 事務連絡) 無菌操作法 無菌操作法による無菌医薬品の製造に関する指針 (2011年4月 事務連絡) All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 13 清浄度レベルによる作業所の分類 無菌操作区域 その他の 支援区域 直接支援 区域 清浄度レベル 高 重要(操作) 区域 重要(操作) 区域 直接支援 区域 その他の 支援区域 清浄度レベル 高 滅菌された製品等/資材、これらとの直接接触面が、環 境に曝露される製造作業区域 ・・・ グレードA 直接支援 区域 クリーンルームに設置した開放系の重要区域(クリーン ブースやRABS)を用いて無菌操作を行う場合、重要区域 のバックグラウンドとして、重要区域内の運転操作・運転 監視を行う作業員の作業区域 ・・・ グレードB その他の 支援区域 滅菌前の製品等/資材が、環境に曝露される製造作業 区域(薬液の調製、無菌操作に使用する装置、器具等の 洗浄)・・・グレードC(秤量、調製など)、グレードD All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 14 清浄区域の分類 環境微生物の許容基準(作業時) 注)1 3 最大許容微粒子数(個/ m ) 空気の清浄度レベル 非作業時 空中微生物 浮遊菌 落下菌注)2 作業時 3 表面付着微生物 コンタクトプレート 手袋 2 ≧0.5μm ≧5.0μm ≧0.5μm ≧5.0μm (CFU/m ) (CFU/plate) (CFU/24~30cm ) (CFU/5指) (Class100) 3,520 20 3,520 20 <1 <1 <1 <1 (Class10,000) 3,520 29 352,000 2,900 10 5 5 5 (Class100,000) 352,000 2,900 3,520,000 29,000 100 50 25 ---- 3,520,000 29,000 作業形態に よる* 作業形態に よる* 200 100 50 ---- グレードA (ISO5) グレードB (ISO7) グレードC (ISO8) グレードD * 最大許容微粒子数を規定しないケースもある。 All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 注)1 許容基準は平均評価とする。 注)2 1枚あたりの測定時間は、最大4時間までとし、 作業時間中測定を行う。 15 製造工程のゾーニング例 溶解 秤量 原料 ろ過滅菌 クリーンエリア (グレードC,D) 一般管理エリア 製品 包装 検査 密封 充填 All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 滅菌 洗浄 容器 無菌エリア (グレードB) 一方向気流エリア (グレードA) 16 クリーンルームの給気フィルター 各国ガイダンスでは重要区域(グレードA)および直接支援区域 (グレードB)に供給する空調の空気はHEPAフィルターでろ過し た空気とすることを求めている。 現実には、グレードA、Bのみならず、グレードC、Dエリアについ ても、日本で建設される無菌製剤の工場ではHEPAフィルターを 用いるケースが多い。 All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 17 グレードA(重要区域) グレードA区域の気流は 一方向気流として、浮遊 微粒子を区域外へ速や かに排出可能とすること が求められる。 通常0.45m/s±20%の 平均風速が推奨される。 HVAC - Fans HEPA Filters 3-6" From HEPAS Class 10,000 (ISO 7) Class 100 (ISO 5) Filling Mechanism Nozzle Vial Conveyor 図の出展:ISPE Baseline Guide Seminar 資料(2012) All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 18 室間差圧と気流 0Pa 20Pa 35Pa 40Pa 35Pa 35Pa 20Pa 15Pa 0Pa 室圧 10~15Pa 10~15Pa (Pa) 製品保管室 クリーン廊下 P R 器具洗浄室 無菌廊下 充填室 バイアル 洗浄滅菌室 バイアル 供給室 All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず P R 19 目 次 無菌製剤とは ガイダンスと清浄度区分 ラミナーブース/RABS/アイソレータ ゾーニング 主要な製造工程(無菌操作法) All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 20 グレードAを守るための各種設備 アイソレータ 従来型のラミナーブース RABS(アクセス制限バリアシステム) All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 弊社施工事例より RABS : Restricted Access Barrier Systems 21 各種設備の位置付け 図の出展:ISPE Baseline Guide Seminar 資料(2012) All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 22 従来型のラミナーブース 出展:ISPE Baseline Guide Seminar 資料(2012) All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 23 従来型のラミナーブースの例 出展:ISPE Baseline Guide Seminar 資料(2012) All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 24 従来型のラミナーブース Conventional Clean Room HVAC - Fans HEPA Filters HEPA Filters 3-6" From HEPAS Filling Mechanism Class 100 (ISO 5) Nozzle Class 10,000 Class 100 (ISO 7) (ISO 5) グレードA Filling Mechanism グレードA Nozzle Vial Vial Conveyor Conveyor グレードAゾーンへのアクセス制限が十分なされていないこれらの システムは、適切なSOPの設定とその遵守度合いが汚染の発生確 率に影響する。 図の出展:ISPE Baseline Guide Seminar 資料(2012) All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 25 従来型のラミナーブースの特徴 作業者のアクセス制限は、開閉可能な仕切り(ソフト/ ハード)による。(明確な仕切りが無い場合もある) グレードBの環境(いわゆる無菌室)に設置する。 プロセス部への作業者のアクセスが許容されており(厳 格に管理されておらず)、適切なSOPの設定とその遵守 が汚染防止のために求められる。 標準的な手動の消毒を作業前に行い、ブースの開放が あれば都度消毒を行う。 モノの搬入・搬出のためにブースの開放を許容するため、 モノの搬入・搬出に伴う汚染リスクが高い。 All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 26 RABS(アクセス制限バリアシステム) 出展:ISPE Baseline Guide Seminar 資料(2012) All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 27 RABSの歴史 RABSは、1992年にPharmacia(当時・現ファイザー)が導入し、 S. M. Davenport氏がコンベンショナルラミナーとアイソレータ の中間概念として1990年代後半に紹介したのが起源。 初期投資 低い 高い ランニングコスト 高い 低い 直接介入 可能 不可(無菌ブレイク) 封じ込め対応 不適 適 All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 28 RABSの例 出展:ISPE Baseline Guide Seminar 資料(2012) All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 29 RABSの特徴 ISPEやPHSS(英)から RABSの定義が提唱されて いる。 作業者のアクセスを制御する物理的バリア(ハードな間仕 切り)と周辺環境へ流出するダウンフロー気流による空気 力学的バリアを組み合わせている。 グレードBの環境に設置する。 高水準の消毒を作業前に行い、原則としてその後はブー スの開放を行わない。(稀に開放することは許容する) モノの搬入・搬出はブース内の環境を汚染することの無 い方法によって行う。(例:RTPの使用) All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 30 ガイダンス類におけるRABSの記述 ISPE RABS Definition (2005年) <記載内容(抜粋)> ★ハードタイプの隔壁により、無菌操作と作業者を分離する。 ★殺芽胞薬剤でRABS内部の表面を消毒した後にRABSの扉 を開ける必要が無いようにする。 ★扉を開放する作業が必要な際には、RABS外における ISO5(クラス100)の縦向きの単一方向流を設置することが RABS内部の環境を保護する手段となる。 ★扉を開放した後には、適切な薬剤を使用して、 RABS内部 の表面を消毒する。 ★RABSの扉を開放する作業は、重大な事象として記録する。 関連ガイド: ISPE Baseline Guide vol.3 Sterile Products Manufacturing Facilities (2011年9月) All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 31 アイソレータ 出展:ISPE Baseline Guide Seminar 資料(2012) All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 32 アイソレータの例 出展:ISPE Baseline Guide Seminar 資料(2012) All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 33 アイソレータの特徴 現在の技術レベルにおいては最も高いレベルで重要区域 (グレードA)を外部の汚染から守ることが出来るシステム ステンレスおよびガラスで構成された筐体により、作業者を グレードAのプロセス部から完全に隔離することが可能。 グレードCあるはDの環境に設置が可能。 内部を設定された陽圧に保つことにより、外部からの汚 染侵入リスクを低減させる。 過酸化水素ガスなどの殺芽胞薬剤を使用して、6log減少 レベルのバリデートされた除染を定期的に実施可能。 All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 34 目 次 無菌製剤とは ガイダンスと清浄度区分 ラミナーブース/RABS/アイソレータ ゾーニング 主要な製造工程(無菌操作法) All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 35 バイアル製剤のフロー例 WFI(水) 原料 開梱 秤量 バイアル ゴム栓 アルミキャップ 開梱 開梱 開梱 洗浄・滅菌 洗浄・滅菌 滅菌 調製 充填・半打栓 ろ過滅菌 凍結乾燥 巻締め 外観・異物検査 包装 All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 36 ゾーニング適用例(RABSの場合) WFI(水) 原料 開梱 秤量 バイアル ゴム栓 アルミキャップ 開梱 開梱 開梱 洗浄・滅菌 洗浄・滅菌 滅菌 調製 充填・半打栓 ろ過滅菌 凍結乾燥 巻締め 外観・異物検査 包装 All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 37 バイアル製剤のフロー例(RABSの場合) 秤量、調製作業は、グレードC 充填部はグレードA(RABS内)、その周囲環境はグレードB グレードBとはいわゆる「無菌室」で滅菌された更衣(無菌 衣)を着用する。 All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 38 ゾーニング適用例(アイソレータの場合) WFI(水) 原料 開梱 秤量 バイアル ゴム栓 アルミキャップ 開梱 開梱 開梱 洗浄・滅菌 洗浄・滅菌 滅菌 調製 充填・半打栓 ろ過滅菌 凍結乾燥 巻締め 外観・異物検査 包装 All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 39 バイアル製剤のフロー例(アイソレータの場合) 秤量、調製作業は、グレードC(RABSの場合に同じ) 充填部はグレードA(アイソレータ内)、その周囲環境はグ レードCもしくはD グレードC、Dは非無菌のクリーンルームであり、環境管理 がグレードBほど厳しくない。 All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 40 目 次 無菌製剤とは ガイダンスと清浄度区分 ラミナーブース/RABS/アイソレータ ゾーニング 主要な製造工程(無菌操作法) All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 41 バイアル製剤のフロー例 WFI(水) 原料 開梱 秤量 秤量 バイアル ゴム栓 アルミキャップ 開梱 開梱 開梱 洗浄・滅菌 洗浄・滅菌 滅菌 調製 充填・半打栓 ろ過滅菌 凍結乾燥 巻締め 外観・異物検査 包装 All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 42 秤 量 パイロジェンが除去された原料を電子天 秤により計量する。 秤量された原料容器は別の作業者に よって検査することが望ましい。(自動化 によって代替することも可能) 秤量作業は、原料が環境に曝露される ため、通常グレードC以上の環境で行わ れる。 All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 43 バイアル製剤のフロー例 WFI(水) 原料 開梱 秤量 調製 調製 バイアル ゴム栓 アルミキャップ 開梱 開梱 開梱 洗浄・滅菌 洗浄・滅菌 滅菌 充填・半打栓 ろ過滅菌 凍結乾燥 巻締め 外観・異物検査 包装 All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 44 調 製 秤量された原料(主薬、副原料)を注射 用水(WFI)あるいはその他の溶媒に溶 解、撹拌する。 M 調製タンクへの原料投入は開放系操作 となることが多い。 調製作業は、原料および溶媒が環境に 曝露されるため、通常グレードC以上の 環境で行われる。 All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 45 注射剤で使用される水の種類 注射剤の原料となる水はパイロジェンが 除去された注射用水(WFI:Water For Injection)でなければならない。 従って、注射剤製造工場には、専用に製 薬用水設備が必要になる。 飲料水を製薬用水設備へ供給し、精製 水、注射用水(WFI)および純蒸気を製造 し、必要箇所へ供給する。 All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 46 バイアル製剤のフロー例 WFI(水) 原料 開梱 秤量 バイアル ゴム栓 アルミキャップ 開梱 開梱 開梱 洗浄・滅菌 洗浄・滅菌 滅菌 調製 充填・半打栓 ろ過滅菌 ろ過滅菌 凍結乾燥 巻締め 外観・異物検査 包装 All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 47 ろ過滅菌 調製された薬液を0.22µm以下の目の粗 さのフィルターを用いて加圧ろ過すること をろ過滅菌という。 製品の無菌化はこのろ過滅菌によって なされる。 PIC/S加盟により、今後2段ろ過が主流と なっていくと考えられる。 日本ポール「エンフロンPFR」カタログより All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 48 2段ろ過の方法(例) 2段ろ過実施時のタンク/フィルター構成例 調製タンク 調製タンク F1 F1 ろ過受けタンク F2 F2 充填へ 充填へ All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 49 バイアル製剤のフロー例 WFI(水) 原料 開梱 秤量 バイアル ゴム栓 開梱 アルミキャップ 開梱 洗浄・滅菌 洗浄・滅菌洗浄・滅菌 開梱 滅菌 調製 充填・半打栓 ろ過滅菌 凍結乾燥 巻締め 外観・異物検査 包装 All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 50 バイアル充填一貫ライン(例) ボッシュパッケージングテクノロジー カタログより All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 51 バイアル洗浄・滅菌 供給されたバイアルは洗浄機により内外 部の洗浄と内部のWFIリンスを行う。 薬液が接触する容器内面は、注射用水 (WFI)で最終リンスを行う必要がある。 (パイロジェン除去のため) 洗浄後のバイアルは、連続する滅菌トン ネル(乾熱滅菌機)に供給され、容器の 無菌化を行う。 滅菌トンネル内で滅菌された容器はグ レードAの環境で保護されなければなら ない。 All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 52 バイアル洗浄機(例) 日本バウシュ カタログより ロータリータイプ All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず イマ・ライフ・ジャパン カタログより バケットタイプ 53 トンネル滅菌機(例) イマ・ライフ・ジャパン カタログより All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 54 バイアル製剤のフロー例 WFI(水) 原料 開梱 秤量 バイアル ゴム栓 アルミキャップ 開梱 開梱 開梱 洗浄・滅菌 洗浄・滅菌 滅菌 調製 充填・半打栓 充填・半打栓 ろ過滅菌 凍結乾燥 巻締め 外観・異物検査 包装 All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 55 充填・ゴム栓打栓 滅菌された容器に、充填機によりろ過滅 菌済の薬液を充填する。 充填が行われる環境は、薬液が環境に 曝露するため、グレードAとする必要があ る。 充填済の容器は、汚染リスクを下げるた めに速やかに打栓される。 凍結乾燥を行う場合は、通気のため半 打栓となる。 ボッシュパッケージングテクノロジー カタログより All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 56 薬液配管の洗浄・滅菌 ろ過滅菌された薬液が接触する配管・タ ンクは、滅菌され、パイロジェン管理がさ れていなければならない。 バイアル同様に洗浄後、注射用水(WFI) によるリンスを行い、その後、純蒸気によ り滅菌を行う。 洗浄、滅菌を定置で(装置を分解せず に)行える場合、それをCIP/SIP(Clean In Place/Steam In Place)という。 分解して手洗浄する場合は、WFIリンス 後オートクレーブ滅菌をする。 All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 57 バイアル製剤のフロー例 WFI(水) 原料 開梱 秤量 バイアル ゴム栓 アルミキャップ 開梱 開梱 洗浄・滅菌 洗浄・滅菌 洗浄・滅菌滅菌 開梱 調製 充填・半打栓 ろ過滅菌 凍結乾燥 巻締め 外観・異物検査 包装 All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 58 ゴム栓洗浄・滅菌 充填容器に打栓するゴム栓もまた、滅菌 され、パイロジェン管理がなされていなけ ればならない。 ゴム栓洗浄滅菌装置により、洗浄後、注 射用水(WFI)によるリンスを行った後、純 蒸気でゴム栓の滅菌を行うことが多い。 滅菌済のゴム栓は無菌化された密閉容 器を用いて充填機へ供給される。 Atec カタログより All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 洗浄済のゴム栓を滅菌バッグに入れて オートクレーブ滅菌する場合もある。 59 ゴム栓洗浄滅菌機(例) ゴム栓洗浄滅菌機 プロセスタンク All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず ゴム栓投入用 リフター 60 バイアル製剤のフロー例 WFI(水) 原料 開梱 秤量 バイアル ゴム栓 アルミキャップ 開梱 開梱 開梱 洗浄・滅菌 洗浄・滅菌 滅菌 調製 充填・半打栓 ろ過滅菌 凍結乾燥 凍結乾燥 巻締め 外観・異物検査 包装 All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 61 真空凍結乾燥 充填・半打栓されたバイアルを凍結乾燥 機に投入し、凍結→昇華(真空・入熱)に より、水分(溶剤)を除去する工程。 凍結乾燥した固形物は「ケーキ」と呼ば れ、患者さんに注射する時に注射針で注 射用水(WFI)で溶解する。 凍結乾燥工程終了後、凍結乾燥機の内 部の棚板によりゴム栓は全打栓される。 イマ・ライフ・ジャパン カタログより All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 凍結乾燥機の内部はグレードAと同等の 環境が求められるため、CIP/SIP機能を 備えている場合が多い。 62 凍結乾燥時のバイアルの推移 イマ・ライフ・ジャパン カタログより 充填半打栓 All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 凍結 昇華 全打栓 63 凍結乾燥機の入出庫(HEPAカート) All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 64 凍結乾燥機の入出庫(AGV方式) AGV 凍結乾 燥機1 凍結乾 燥機2 凍結乾 燥機3 AGV 整列 装置 払出 装置 充填機 巻締め 機 AGV:Automated Guided Vehicle All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 65 凍結乾燥機の入出庫(AGV方式) AGV 凍結乾 燥機1 凍結乾 燥機2 凍結乾 燥機3 AGV 整列 装置 払出 装置 充填機 巻締め 機 AGV:Automated Guided Vehicle All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 66 凍結乾燥機の入出庫(AGV方式) AGV 凍結乾 燥機1 凍結乾 燥機2 凍結乾 燥機3 AGV 整列 装置 払出 装置 充填機 巻締め 機 AGV:Automated Guided Vehicle All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 67 凍結乾燥機の入出庫(AGV方式) AGV 凍結乾 燥機1 凍結乾 燥機2 凍結乾 燥機3 AGV 整列 装置 払出 装置 充填機 巻締め 機 AGV:Automated Guided Vehicle All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 68 凍結乾燥機の入出庫(AGV方式) AGV 凍結乾 燥機1 凍結乾 燥機2 凍結乾 燥機3 AGV 整列 装置 払出 装置 充填機 巻締め 機 AGV:Automated Guided Vehicle All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 69 凍結乾燥機の入出庫(AGV方式) AGV 凍結乾 燥機1 凍結乾 燥機2 凍結乾 燥機3 AGV 整列 装置 払出 装置 充填機 巻締め 機 AGV:Automated Guided Vehicle All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 70 凍結乾燥機の入出庫(コンベヤ方式) 出庫用 プッシャー 出庫用 プッシャー 凍結乾 燥機1 凍結乾 燥機2 入庫 装置 入庫 装置 充填機 All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 巻締め 機 71 コンベヤ-プッシャー方式 出庫用 プッシャー 出庫用 プッシャー 凍結乾 燥機1 凍結乾 燥機2 入庫 装置 入庫 装置 充填機 All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 巻締め 機 72 凍結乾燥機の入出庫(コンベヤ方式) 出庫用 プッシャー 出庫用 プッシャー 凍結乾 燥機1 凍結乾 燥機2 入庫 装置 入庫 装置 充填機 All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 巻締め 機 73 凍結乾燥機の入出庫(コンベヤ方式) 出庫用 プッシャー 出庫用 プッシャー 凍結乾 燥機1 凍結乾 燥機2 入庫 装置 入庫 装置 充填機 All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 巻締め 機 74 バイアル製剤のフロー例 WFI(水) 原料 開梱 秤量 バイアル ゴム栓 アルミキャップ 開梱 開梱 開梱 洗浄・滅菌 洗浄・滅菌 滅菌 調製 充填・半打栓 ろ過滅菌 凍結乾燥 巻締め 巻締め 外観・異物検査 包装 All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 75 アルミキャップ巻締め バイアルは全打栓されただけでは密封さ れたとはみなされない。全打栓されたバ イアルは、出来るだけ速やかに、アルミ キャップを巻締めする必要がある。 巻締めは、グレードAの環境もしくは「グ レードAの空気」で保護されたグレードC の部屋で行う。 アルミキャップはグレードA環境下で巻締 めを行う場合は滅菌が必要。 ボッシュパッケージングテクノロジー カタログより All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 76 アルミキャップ巻締めのゾーニング(例1) (無菌操作として巻締めを行う場合) 滅菌済みアルミキャップを 無菌的に供給 All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 77 アルミキャップ巻締めのゾーニング(例2) (グレードA空気の保護下で巻締めを行う場合) 非滅菌のアルミキャップを 開放系操作で供給 All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 78 バイアル製剤のフロー例 WFI(水) 原料 開梱 秤量 バイアル ゴム栓 アルミキャップ 開梱 開梱 開梱 洗浄・滅菌 洗浄・滅菌 滅菌 調製 充填・半打栓 ろ過滅菌 凍結乾燥 巻締め 外観・異物検査 外観・異物検査 包装 All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 79 外観・異物検査 目視可能な異物(不溶性微粒子)や、外 観上の不良が無いかを検査する工程。 液剤の場合は、容器を高速回転→停止 させることで異物を浮遊させて検知する。 凍結乾燥ケーキの場合は、外観の検査 が主流。 日立情報制御ソリューションズ カタログより 検査を行う環境は一般(非クリーンルー ム)でよい。 自動検査機を採用している場合でも、目 視検査との併用が多い。 All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 80 外観・異物検査 アピ HPより All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 81 バイアル製剤のフロー例 WFI(水) 原料 開梱 秤量 バイアル ゴム栓 アルミキャップ 開梱 開梱 開梱 洗浄・滅菌 洗浄・滅菌 滅菌 調製 充填・半打栓 ろ過滅菌 凍結乾燥 巻締め 外観・異物検査 包装 包装 All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 82 ラベル貼り・包装 検査済のバイアルは、ラベラーにより製 品ラベルを貼付する。 その後、添付文書を入れて各種包装形 態に包装される。 最終出荷形態は段ボール箱とするケー スが多い。 岩田レーベル HPより All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 83 包装ライン オーエム機械 HPより All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 84 目 次 無菌製剤とは ガイダンスと清浄度区分 ラミナーブース/RABS/アイソレータ ゾーニング 主要な製造工程(無菌操作法) All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 85 ご質問がありましたらお願いします All rights reserved ⓒ 日揮株式会社 無断転載・複写を禁ず 86