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(2) プレキャンプ
(2) プレキャンプ 【実施日・場所】平成 26 年 7 月 5 日(土)~平成 26 年 7 月 6 日(日) 1 泊2 日 大分県立社会教育総合センター香々地青少年の家 【参加者】小学生9 名 家族 10 名 ボランティア 1 名 【スタッフ】実行委員 6 名 メンタルフレンド大学生 14 名 9 事務局員 9 名 看護師 1 名 【プレキャンプの様子】 プレキャンプのねらいは、 「人への信頼感を高める」 。主に子どもにマンツーマンで付くメンタルフレ ンド(以下MF )との信頼関係構築を目指し「安心と協同」というテーマを意識したプログラムにした。 初日、受付を済ませた参加者は、MF と出会い、一緒に自分のバンガローに表札を貼りに行った後、 受付前の芝生広場で集合の時間までボールやフリスビーといった遊具を使って遊んだ。 出会いのつどいは、キャンプ場のマリンセンター2 階(フローリングの大きめの部屋)で行った。話 が聞こえる範囲で床の好きな場所にMF や家族と一緒に座って始めたが、初対面の人が多い緊張感も あってか、落ち着かず部屋の隅にあった太い鉄骨の梁に登る子がいて、担当のMF はそばについて 下りるように声を掛けたり落ちないように気を配ったりした。アイスブレイキングとしてMF と一緒にでき る簡単なゲームを行った。 「海のステージ」は、海の中でいかだやパドルボードに乗ってみる活動で、それぞれの子どもが海 に入ることにどのくらい抵抗感があるのか心配していたが、実際には、海岸から見学する子はなく、全 員が海に入った。遠浅の海だが、安全のために水着の上からライフジャケットを着用した。また、おま けで用意していたドラム缶風呂が予想以上に好評で、気持ちよさそうに温まる姿が見られた。 「カレーの王様ステージ」は、カレーを作る調理活動である。昨年は体育館でカセットコンロを使っ て行ったが、今年は野外炊飯場で行った。1 人ずつ野菜を洗う場所・切る場所とビニールテープで区 切り、材料と用具も個別にボウルにセッティングし、作業の方法も写真入りのカードを用意する等、構 ※ 造化 を試みた。活動の最初に全員を集めて簡単に説明をしたが、 「グルメ大王」 (出来上がったカレ ーを味見する役のスタッフ)がかぶる金紙の王冠に強く引き付けられて話がきけない子がいた。集中 を阻害する余計な刺激になってしまったようだった。グループで誰がどの具材を切るか話し合って分担 した後、炊飯場に移動して野菜を切った。この場面では、構造化や視覚支援が手がかりになって、自 主的に作業が進んだ。今回、火熾しはスタッフが行ったが、薪で熾す火に興味をもって進んで火の番 をする子もいた。野菜を鍋に入れると、煮えるまでの時間ができてしまい、炊飯場を離れてしまう子が いたので、この間に何をすればいいのか設定し明確に伝える必要があると感じた。ただ、作業場所を 離れた子も付き添うMF の声かけで戻ってきた。 夕食を食べた後は、本館へ歩いて上がり入浴し、その後休憩時間をとった。 「のんびりタイム」という夜の活動は、マリンセンターの2 階に用意した複数の遊び道具の中から 好きなものを選び、同じ遊びを選んだ子ども同士が緩やかにつながることを期待したが、半数以上の 子がやわらかいボールやフリスビーをMF と投げたり蹴ったりする比較的激しい遊びを選んだ。何人 かは、床に座って行う動きの少ないカードを使ったゲームや工作を選んだので、あらかじめ準備してお いたアコーデオンカーテンやパーテーション、ブルーシート等を利用して「動チーム」と「静チーム」 のテリトリーを分けた。遊びに参加せず自分のバンガローで休憩することを申し出た子もいた。この間、 保護者は別の場所で談話や個別相談を行った。 2 日目は、朝から雨が降り始め、マリンセンターの下で「年輪づくりのステージ」 (ドラム缶コンロで 竹棒を芯にしてバームクーヘンづくり)を行った。竹棒を両側から持つ役とおたまで生地を流しかける 役の2 ~3 人グループを子どもたちが相談して決め、根気強く竹棒に生地をかけては炙り、かけては 炙りの作業を繰り返した。1 回1 回をしっかり焼かないと、後で竹棒から生地が剥がれ落ちる危険性 があったので、活動指導者に焼き加減を見てもらうための「○○さん見てください! 」カードを用意し た。カードを上手に使い、焼き加減を見てもらいながら進めるグループと、独自のペースをつかみ、 10 アドバイスなしでも確実に太く焼き上げていくグループ等、各々が各々の方法でバームクーヘンの「年 輪」を焼き重ねていった。企画の段階では、単調な作業に飽きてしまわないかと心配した活動だった が、雨がカーテンのように活動範囲を限定し、丹精こめればこめた分、大きくなるバームクーヘンに 子どもたちは集中した。予定していた時間をオーバーしても、ボウルに残った生地が全部なくなるま で焼きあげた子どもたちは、達成感にあふれ、笑顔でグループごとに記念写真を撮った。 プレキャンプ実施前に、事前調査票から心配していた子どもたちの課題はほとんど顕在化しなかっ た。プレキャンプで見えた子どもの様子とプログラムの改善点をメインキャンプのプログラム細案づくり につなげた。 ※「構造化」…時間と空間の意味を、視覚的に理解可能な形で伝えていくための合理的配慮。 11