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 専門職業人として看護に必要な能力の全体像 : フレームワーク (神戸大学医学部附属病院看護部版)
フレームワークは看護師の役割を明確にすることを目指しています。「目標管理面接」「ラダー評価」時は必ず自己評価してください。
このフレームワークは、自己の実践を確認し、学ぶべきことを明確にすることに活用してください。
自分が確認したいときにいつでも活用してください。
項目
1専門的・倫理的・法的実践 1.1説明責任
1.2倫理的実践
1.3法的実践
2看護の提供とマネジメント
2.1看護の主要原則
2015/5/11
内容
自己の責任と能力を的確に認識し、実施した看護について個人としての責任をもつ。
a)自らの専門的な判断と行動に対する説明義務や責任を持つ。
b)自らの役割と能力の限界を十分に理解する。
c)自らの現在の能力や業務範囲を超える専門知識が必要な看護ケアを実施する場合は、
必要な専門知識を持った看護師に相談する。
d)個人や集団のニーズが看護実践の範囲外である場合は、他の医療専門職種に相談する。
人間の生命、人間としての尊厳および権利を尊重し、看護者の倫理綱領に基づいて看護を実践する。
a)倫理綱領に従って実践する。
b)倫理的意思決定に基づいて実践を行う。
c)擁護者としてかかわる。
d)書面、口頭による情報の秘密保持と安全管理を保障する。
e)患者のプライバシーの権利を尊重する。
f)患者の自己選択権および決定権を尊重する。
g)患者の安全やプライバシー、尊厳を損なうおそれがある場合、適切に異議を唱える。
h)危険あるいは好ましくない習慣(喫煙、アルコール、薬物)を明らかにし、適切に対処する。
i)自らの信念と価値観、それらがケアに及ぼす影響を理解する。
j)個人や集団の価値観、習慣、宗教的信念、文化を尊重する。
医療法、保健師助産師看護師法に基づき、日本看護協会等のガイドライン、神戸大学医学部附属病院の
ガイドラインなどに沿って実践を行う。
専門的知識に基づく判断を行い、系統的アプローチを通して個別的な実践を行う。
a)看護実践に関連した知識を応用する。
b)エビデンスに基づいた看護を実践する。
c)看護およびヘルスケアの変化について理解する。
d)批判的思考と問題解決スキルを活用する。
e)様々な専門的状況やケア提供状況において、信頼できる臨床判断と意思決定を適用する。
f)提供する看護ケアの理論的説明を行う。
g)仕事に優先順位をつけ、時間を効果的に管理する。
h)職能団体の活動を理解し、自分がその一員であることを意識している。
i)健康状態の変化、障害、死に対処するうえで、人的資源となる。
j)明確かつ簡潔に情報を提示する。
k)看護を安全に提供するために、客観的主観的データおよびその重要性について正確に理解する。
l)災害時対策について理解する。
2.2看護の提供
2.2.1アセスメント
3専門能力の開発
看護過程を展開するために必要な情報の収集・分析と健康問題の判断を行う。
a)適切で体系的な看護アセスメントを実施する。
b)データを分析、解釈、正確に記録する。
2.2.2計画
看護上の問題の明確化と解決のための方策を提示し、問題解決のための方法を選択する。
a)患者とともに看護計画を立案する。
b)医療チームで協議する。
c)患者に十分な情報提供を行い患者の同意を得てケアの計画を立てる。
d)患者が支援を要請した場合や、意思決定能力を十分に持っていない場合に擁護する。
e)患者と協力しながら、ケアの優先順位を決める。
f)患者と協力しながら、予測される結果とその達成や見直しに要する時間を明らかにする。
g)患者と協力しながら、看護計画を定期的に見直して修正する。
h)看護計画を記録する。
患者・家族へのインフォームドコンセント、直接的看護方法・相談・教育を実施する。
2.2.3実施
a)目標を達成するために、計画したケアを実施する。
b)患者との相互関係を尊重し専門職として看護を実践する。
c)看護介入として実施したことを記録する。
d)患者の急激な変化に効果的に対応する。
e)緊急事態や災害時に効果的に対応する。
2.2.4評価
実施した看護の事実に即した記録作成、実施した看護の評価、計画の修正・再構成を行う。
a)目標達成へ向けての進捗状況を評価し、記録する。
b)患者およびケア提供者と協力し、目標達成へ向けての進捗状況を再検討する。
c)評価データを利用して看護計画を修正する。
2.2.5
対象となる人々に対して、適切なコミュニケーションと対人関係技術によって治療関係を築く。
治療的コミュニケーション a)患者およびケア提供者との適切なコミュニケーションおよび対人関係のためのスキルを活用して治療関係を結ぶ。
と対人関係 b)患者の健康状態に関する適切で正確な情報を絶えず伝達する。
c)患者およびケア提供者に与える情報を、適切かつ明白な方法で提示する。
d)患者およびケア提供者の質問や要請、問題に適切に対応する。
e)患者およびケア提供者の考え方を尊重しながら対話する。
f)利用可能な情報、技術を効果的かつ適切に利用する。
すべての人々を対象として身体的、精神的、社会的に完全に良好な状態に到達するために、個人や集団が
2.2.6健康増進
自己の目標を確認・実現し、ニーズを満たし、環境を改善し、環境に対処できるようにする。
a)国民健康保険・介護保険および社会福祉政策を理解する。
b)他の専門職や地域社会と協議する。
c)健康を左右する多様な要因を考慮に入れて、全体的な視点から個人・家族・地域社会をとらえる。
d)健康増進や疾病予防に指導的役割を果たす。
e)健康増進と保健教育に関する知識や資源を活用する。
f)個人・家族・地域社会に適切な保健関連情報を提供し、最良の健康やリハビリテーションを得ることができるよう支援する。
g)自立した生活を維持するための支援(教育)を行う。
h)個人・家族・地域社会を対象とする様々な教育および学習戦略に関する知識を応用する。
2.3ケアマネジメント
2.3.1安全な環境
対象となる人々へ安全な看護を提供し、人々が危機的状況にさらされているときは、保護し安全を確保する。
a)質保証およびリスクマネジメントでの展開方法を利用することで、安全なケア環境を整備し、維持する。
b)適切なアセスメントツールを利用し、実際のリスクと潜在的リスクを明らかにする。
c)適切な原則を用い、薬剤の安全な管理を保証する。
d)感染防止の手続きを実施する。
e)医療の質・安全管理部に安全に関する問題を報告し、検討する。
2.3.2
病院内外の看護師および看護師以外の職種とともに協働して看護を提供する。
多職種間ヘルスケア
a)効果的な多職種間の実践、知識を応用する。
b)同僚看護師および看護師以外の職種との建設的な協力関係を確立し、維持する。
c)協力関係を維持して、効果的な職種横断的チームワークに貢献する。
d)多職種の役割とスキルを高く評価する。
e)患者に関する意思決定は、多職種とともに行う。
f)多職種のメンバーとともに、ケアを再検討し、評価する。
g)多様な専門化チームによる意思決定において患者あるいはケア提供者の視点を考慮する。
2.3.3委任と監督
病院内外の看護師および看護師以外の職種に委任する場合には、自己および相手の能力と実践可能範囲の
活動を正しく判断し、委任し管理する。
a)その能力と実践範囲に合った活動を他者に委任する。
b)他者に委任したケアを管理するうえで、様々な支援方略を利用する。
c)ケアを部分的に他者に委任する場合にも、自らの説明義務や責任を持つ。
研究や実践を通して、専門的知識・技術の創造と開発に努め、看護学の発展に寄与する。
3.1専門性の向上
a)看護の専門的イメージを促進し、維持する。
b)効果的な役割モデルとして行動する。
c)看護およびヘルスケアの提供において主導的役割を示す。
d)政策策定及びプログラム計画に参加する権利を活用する。
看護業務の質を評価する際に、妥当性のある根拠を用いて、質の向上のための取り組みに参加する。
3.2質の向上
a)確かな根拠を示し看護実践の質を評価する。
b)質の向上および保証にかかわる。
3.3継続教育
常に、個人の責任として継続学習による能力の維持・開発に努める。
a)自らの実践を定期的に見直す。
b)継続教育および能力維持のニーズを満たすよう行動する。
c)生涯学習への責任をもつ。
d)学生および同僚の教育、専門性の開発に貢献する。
e)効果的なメンターとして行動する。
f)ヘルスケアに関わる多職種の人とともに学ぶ機会を得る。
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