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イエレンFRB議長、12月利上げに傾斜(PDF/178KB)

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イエレンFRB議長、12月利上げに傾斜(PDF/178KB)
イエレンFRB議長、12月利上げに傾斜
2016年 9月 5日
ゼーン・ E ・ブラウン
パートナー、債券ストラテジスト
米ワイオミング州ジャクソンホールでの米連邦準備理事会(FRB)年次会合において注目を
集めたイエレン FRB 議長の講演で、イエレン議長は 12 月利上げの可能性が一段と高まっ
ていることを示唆しました。
2010 年、ベン・バーナンキ FRB 前議長は、米ワイオミング州ジャクソンホールで夏の終わりに開
催される FRB 年次会合において、量的緩和第 2 弾(QE2)という予想外の政策を示唆する発言を
行いました。このときのメディア報道と記憶から、投資家の関心が 2016 年会合におけるジャネッ
ト・イエレン現 FRB 議長の開会講演に集まりました。ジャクソンホール会議は本来のところ、広範
な経済問題や政策課題について取り組む場であり、近年の変化はさておき、FRB 高官たちが市
場を動かすような政策を表明する場では必ずしもなかったのです。しかし投資家たちは、8 月 26
日のイエレン議長の講演で、より明確な政策メッセージの発信を期待していました。
そうした期待に対して、イエレン議長はひとつの意味深い発言を行いました。「フェデラル・ファン
ド(FF)金利が上昇する状況がここ数カ月で強まっていると考えている」。しかしながらこの発言は
あいまいで、多くの投資家が期待した政策の時間軸を含むものではありませんでした。同時にこ
の発言は、エスター・ジョージ(カンザスシティ)、ジョン・ウィリアムズ(サンフランシスコ)、ロバー
ト・カプラン(ダラス)、ウィリアム・ダドリー(ニューヨーク)各地区連銀総裁、そしてスタンレー・フィ
ッシャーFRB 副議長による最近の発言を受けて、一部が暗に期待していた 9 月利上げへの傾斜
を認めるものでもありませんでした。むしろ、イエレン議長の発言によって、9 月の利上げの可能
性はあるものの低いこと、そして、この先発表される経済指標次第であることは当然ながら 12 月
利上げの確率が高まっていることが確認されました。
イエレン議長発言への市場の反応は最小限に留まりました。ブルームバーグによれば、例えば 2
年物米国債の利回りは講演発表直前から直後にかけて 0.78%から 0.79%に、また 10 年物米国債
は 1.55%から 1.57%に、それぞれ上昇しました。米ドルは他通貨に対してわずかに上昇。また米国
株式市場は小幅上昇で始まり、その後も若干のじり高となりました。
イエレン議長の観点から言えば、講演は議長の意図した影響を与えたかもしれません。講演直
後の市場は安定ないしはわずかながら上昇しました。さらに重要なのは、FRB 議長が 12 月の利
上げへの市場期待をうまくコントロールできたと見られることでしょう。
リスクについての注記:債券の投資価値は金利変動によってまた市場動向に応じて変化します。一
般に、金利上昇時には債券価格は下落し、逆に金利低下時には債券価格は上昇します。
フェデラルファンド(FF)金利とは預貯金取扱金融機関が即日利用可能な資金(FRB に預けている準
備預金)を他の預貯金取扱金融機関にオーバーナイトで貸し出す際の利率です。
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前述の経済レポートで示された見解は発表日現在のものであり、今後その内容が変更となる可能性
があります。また弊社の見解を表明するものではありません。本資料は特定の投資または一般的な
市場に関する予測、リサーチ、投資アドバイスとしての利用を目的として作成されておらず、また法的・
税務上の助言を提供するものでもありません。本資料は当社が信頼できると思われる情報に基づい
て作成されておりますが、当社はその正確性および完全性について保証するものではありません。
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