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Brugada症候群
Brugada症候群 循環器内科 鎌田 和宏 概論 1992年,Brugada兄弟らにより報告. 安静時12誘導心電図で右脚ブロックパターン, 右側胸部誘導(V1-3)でST上昇. 複数の 明らかな心疾患なく,電解質異常,QT延長もなく, 心室頻拍/心室細動をきたす. 心筋のNaチャネルの遺伝子変異を15~25%で認める. 主として若年〜中年男性が夜間に心室細動で突然死(男:女=9:1). QT延長症候群(先天性・二次性)とBrugada症候群の診療に関するガイドライン 正常心電図 正常心電図 Brugada型心電図 coved型 saddle back型 Eur Heart J.2002;23(21):1648-1654 Brugada型心電図≠Brugada症候群 Brugada症候群~診断基準~ coved型心電図 1)多形性心室頻拍・心室細動が記録 2)45才以下の突然死の家族歴 3)家族に典型的type1の心電図 4)多形性心室頻拍・心室細動が電気生理学的検査により誘発 5)失神や夜間の瀕死期呼吸 *1)~5)のうち一つ以上を満たすもの *saddle back型は,薬物で典型的なcoved型になった場合 QT延長症候群(先天性・二次性)とBrugada症候群の診療に関するガイドライン 診断法 *心電図ST上昇は時期によって正常化する例もある. 1)薬物負荷試験:ピルジカイニド,フレカイニド,プロカインアミド 2)運動負荷試験:カテコラミンの増加に伴いST上昇は軽減. 3)経口糖負荷試験 4)1~2肋間上での心電図記録 VF発作は安静時または夜間睡眠中に生じやすい. 心房細動も合併しやすい. 冠攣縮性狭心症や神経調節性失神も合併しやすい. 予後 不整脈事故発生率 心停止蘇生例:62% 失神既往例:19% 無症候性例:8%以下 治療(1) 突然死予防に唯一の有効な治療法は植込み型除細動器(ICD). QT延長症候群(先天性・二次性)とBrugada症候群の診療に関するガイドライン 治療(2) ○急性期の心室細動の予防 イソプロテレノールを0.01γで投与 ○慢性期の心室細動の予防 1)キニジン 2)シロスタゾール 3)ベプリジル 救急外来で失神を見たら 緊急を要する疾患を除外 再度心電図V1-3を見直し, 失神の既往歴・家族歴の問診を. 失神の診断・治療ガイドライン ご清聴,ありがとうございました.