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はじめに:三角比・三角函数で出てくる公式一覧

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はじめに:三角比・三角函数で出てくる公式一覧
中 3(75 期)数学 1 体系数学 3 第 5 章 [三角比]
No.1
はじめに:三角比・三角函数で出てくる公式一覧
これから勉強する三角比と, この次の三角函数の単元は公式がとても多いことで知られ
ているが,出てくる公式を全て挙げてみる.
sin2 θ + cos2 θ = 1,tan θ =
sin θ
1
,1 + tan2 θ =
cos θ
cos2 θ
1
tan θ
◦
◦
◦
sin(180 − θ) = sin θ,cos(180 − θ) = − cos θ,tan(180 − θ) = − tan θ
sin(90◦ − θ) = cos θ,cos(90◦ − θ) = sin θ,tan(90◦ − θ) =
a
b
c
=
=
= 2R
sin A
sin B
sin C
a2 = b2 + c2 − 2bc cos A,b2 = c2 + a2 − 2ca cos B ,c2 = a2 + b2 − 2ab cos C
1
1
1
S = bc sin A = ca sin B = ab sin C
2
2
2
sin(θ + 2nπ) = sin θ, cos(θ + 2nπ) = cos θ, tan(θ + 2nπ) = tan θ
sin(−θ) = − sin θ, cos(−θ) = cos θ, tan(−θ) = − tan θ
sin(θ + π) = − sin θ, cos(θ + π) = − cos θ, tan(θ + π) = tan θ
sin(π − θ) = sin θ, cos(π − θ) = − cos θ, tan(π − θ) = − tan θ
π
π
1
π
sin(θ + ) = cos θ, cos(θ + ) = − sin θ, tan(θ + ) = −
2
2
2
tan θ
π
π
π
1
sin( − θ) = cos θ, cos( − θ) = sin θ, tan( − θ) =
2
2
2
tan θ
sin(α ± β) = sin α cos β ± cos α sin β, cos(α ± β) = cos α cos β ∓ sin α sin β
tan(α ± β) =
tan α ± tan β
1 ∓ tan α tan β
sin 2α = 2 sin α cos α, cos 2α = cos2 α − sin α = 1 − 2 sin2 α = 2 cos2 α − 1, tan 2α =
2 tan α
1 − tan2 α
α
1 − cos α
α
1 + cos α
α
1 − cos α
=
, cos2 =
, tan2 =
2
2
2
2
2
1 + cos α
1
1
sin α cos β = {sin(α + β) + sin(α − β)}, cos α sin β = {sin(α + β) − sin(α − β)}
2
2
1
1
cos α cos β = {cos(α + β) + cos(α − β)}, sin α sin β = − {cos(α + β) − cos(α − β)}
2
2
A+B
A−B
A+B
A−B
sin A + sin B = 2 sin
cos
, sin A − sin B = 2 cos
sin
2
2
2
2
A−B
A+B
A−B
A+B
cos
, cos A + cos B = −2 sin
sin
cos A + cos B = 2 cos
2
2
2
2
sin2
担当:岡崎正悟
中 3(75 期)数学 1 体系数学 3 第 5 章 [三角比]
No.2
吐き気やめまいがした人もいるかもしれないが,大事なことは,この公式は全て丸暗記
するのではなく,::::::::::::::::::::::::::::::::
自分で導出する方法を身につけることである*1 .公式が出てくる度に,
どのようにして導出しているのか,という証明の「ココロ」をしっかりと身につけて欲
しい.
1 三角比の発想の原点
中学数学の範囲で「形が同じであれば,大きさによらず,各部分の長さの比は一定であ
る」という性質,いわゆる”相似”の性質を習った.これを実用的な技術にまで高めたもの
がこれから勉強する三角比である.
E
三角比の発想の原点は”2 つの直角三角形は 1 つの
鋭角が互いに等しければ,互いに相似である(∵ 3 つ
B
の対応する角の大きさがそれぞれ等しいということ
が言える)”ということである.すなわち,右図の直
A
C D
F
角三角形 ABC,DEF において,
∠A = ∠D ならば, △ABC
∽ △DEF
である.したがって,対応する 2 辺の比は全て等しい.つまり,
AB : BC : CA = DE : EF : F D
であるといえる.これは連比の形で表しているが,一部を取り出した連立形で,

 AB : BC = DE : EF
BC : CA = EF : F D

CA : AB = F D : DE
(1)
と表すこともできる.このことを式ではなく次のように言葉で表現することができる;
直角三角形の
1 つの鋭角の大きさが決まれば,直角三角形の 3 辺のうち,どの 2 辺
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::
の長さの比も決まってしまう!
これから述べる鋭角の場合の三角比の定義は,このことに由来するものである.
*1
1
ただし,”加法定理”と呼ばれる公式を除く
三角比の発想の原点
担当:岡崎正悟
中 3(75 期)数学 1 体系数学 3 第 5 章 [三角比]
No.3
E
C
b′
a′
b
A
a
θ
c
c
′
B
D
上の図で,△ABC と △ADE は互いに 1 つの鋭角が等しい直角三角形である.つまり,
先ほどの (1) 式と同様の関係式

 c : a = c′ : a′
b : a = b′ : a′

b : c = b′ : c′
(2)
が成立する.比が等しければ,比の値も等しいので,(2) 式は

c′
c


=



a
a′


b
b′
= ′

a
a



′
 b

 =b
c
c′
(3)
(4)
(5)
といえる.
以上から,同じ大きさの鋭角 θ をもつあらゆる直角三角形の 2 辺の比は,θ の大きさだ
けで決まり,三角形の大きさにはよらないということが言える.そこで,(3) 式で与えら
れる比の値を tan θ(tan は”タンジェント”と読む),(4) 式で与えられる比の値を sin θ(sin
は”サイン”と読む),(5) 式で与えられる比の値を cos θ(cos は”コサイン”と読む) と表す
ことにする.まとめると以下のとおり;
1
三角比の発想の原点
担当:岡崎正悟
中 3(75 期)数学 1 定義 1.1
体系数学 3 第 5 章 [三角比]
No.4
(三角比の定義)
右の図の直角三角形において,
B
a
,
c
b
cos θ= ,
c
a
tan θ=
b
sin θ=
c
A
a
θ
b
C
とそれぞれ表すことにする.
♣ 基準としている鋭角 θ の位置に注意しよう.つまり,みんなから見て「直角が右
下,鋭角が左下」にある,ということである.
♣ 鋭角 θ に対して,この角を基準として上の図の a を対辺,b を隣辺,c を対辺と呼
ぶことがある.
♣ sin を日本語では「正弦」,cos は「余弦」,tan は「正接」と呼ぶ.この呼び名も覚
えておくと良い.
♣ この定義の覚え方の有名なものとして,
「小文字の s, c, t をそれぞれ筆記体で書く」
というものがあるので,板書にて紹介する.
練習 1.2
右の図の直角三角形について
β
13
5
sin α, sin β, cos α, cos β, tan α, tan β
α
の値をそれぞれ求めよ.
12
練習 1.3 三角比の値の表を用いて,次の値を求めよ.
(1) sin 18◦
(2) cos 41◦
(3) tan 15◦
(4) tan 83◦
練習 1.4 三角比の値の表を用いて,次の θ の値を求めよ.
(1) sin θ = 0.9063
1
(2) cos θ = 0.82
三角比の発想の原点
(3) tan θ = 5.1446 (4) tan θ = 0.6
担当:岡崎正悟
中 3(75 期)数学 1 体系数学 3 第 5 章 [三角比]
No.5
特別角の三角比一覧
P
P
√
30◦
45◦
2
1
P
√
3
2
60◦
1
O
2
45◦
1
Q
O
60◦
O
1
30◦
Q
√
Q
3
上の図から,次のことが言える;
√
1
3
1
sin 30◦ = , cos 30◦ =
, tan 30◦ = √
2
2
3
1
1
sin 45◦ = √ , cos 45◦ = √ , tan 30◦ = 1
2
2
√
√
1
3
sin 60◦ =
, cos 60◦ = , tan 60◦ = 3
2
2
♣ この値はとてもよく使うので必ず覚えておこう.
次の図の直角三角形 ABC において,次のことが成立することを確認しよう;
B
a = c sin α,
b = c cos α
(6)
a = b tan α,
b = a tan β
(7)
c
A
α
b
β
a
C
このことを利用して,次のような問題を問いてみよう.実生活の場面で三角比がとても役
に立つことが実感できるだろう.
例 1.5 建物の高さを測るために,7.0m 離れた地点で,高さ 1.5m の位置から建物の上端
を見上げる角(=仰角)を測ったら,42◦ であった.建物の高さを求めよ.ただし,小数
第 2 位を四捨五入せよ.
1
三角比の発想の原点
担当:岡崎正悟
中 3(75 期)数学 1 体系数学 3 第 5 章 [三角比]
No.6
練習 1.6 高さ 100m の塔の先端をある地点から見上げると,仰角が 52◦ であった.その
地点から投の真下までの距離を求めよ.ただし,観測者の目の高さを 1.6m とし,小数第
2 位を四捨五入せよ.
練習 1.7 傾き 8◦ の上り坂を 500m 進むと,水平方向に何 m 進み,鉛直方向に何 m 上っ
たことになるか.ただし,1 m 未満は四捨五入せよ.
練習 1.8 次の問に答えよ.
半径 r の円 O において,弧 AB に対する中心角 ∠AOB
(1)
の大きさが 2θ であるとき,弦 AB の長さと,O から AB
O
に引いた垂線 OH の長さをそれぞれ r と θ を用いて表せ.
(2)
r
半径 10 の円に内接する正五角形の 1 辺の長さと,円の中
心から正五角形の 1 辺に引いた垂線の長さをそれぞれ求
A
θ
H
B
めよ.ただし,小数第 2 位を四捨五入せよ.
2 三角比の相互関係
別々に定義された sin と cos と tan であるが,これらの間に成り立つ関係を考えてみ
よう.
定理 2.1 (三角比の相互関係)
三角比の相互関係について,次の公式が成り立つ;
sin2 θ + cos2 θ = 1
tan θ =
sin θ
cos θ
1 + tan2 θ =
1
cos2 θ
♣ 慣習として (sin θ)2 を sin2 θ,(cos θ)2 を cos2 θ,(tan θ)2 を tan2 θ と書くことに注
意.
2
三角比の相互関係
担当:岡崎正悟
中 3(75 期)数学 1 体系数学 3 第 5 章 [三角比]
No.7
【証明】右の図の直角三角形において,
x = r cos θ,
y = r sin θ
(8)
r
y
である.三平方の定理より,x2 + y 2 = r2 が成立するので,
θ
(8) 式を代入すると,
x
(r cos θ)2 + (r sin θ)2 = r2
両辺を r2 で割ると,
sin2 θ + cos2 θ = 1
が成立する.また,tan θ =
y
x
(9)
より,(8) 式から
tan θ =
sin θ
cos θ
(10)
である.(9) の両辺を cos2 θ で割り,(10) を用いると
1 + tan2 θ =
1
cos2 θ
(11)
を得る.
例 2.2 θ は鋭角とする.cos θ =
2
3
練習 2.3 θ は鋭角とする.sin θ =
のとき,sin θ と tan θ の値を求めよ.
2
5
のとき,cos θ と tan θ の値を求めよ.
例 2.4 θ は鋭角とする.tan θ = 2 のとき,cos θ と sin θ の値を求めよ.
練習 2.5 θ は鋭角とする.tan θ =
2
三角比の相互関係
√
2 のとき,cos θ と sin θ の値を求めよ.
担当:岡崎正悟
中 3(75 期)数学 1 体系数学 3 第 5 章 [三角比]
No.8
2.1 90◦ − θ の三角比(余角公式)
A
90◦ − θ
B
r
r
A
θ
x
y
θ
C
x
B
90◦ − θ
y
C
上の 2 つの直角三角形は合同である.この直角三角形において,三角比の定義を用い
ると,
y
x
, sin(90◦ − θ) = ,
r
r
x
y
◦
cos θ = , cos(90 − θ) = ,
r
r
y
x
tan θ = , tan(90◦ − θ) =
x
y
sin θ =
がわかるであろう.このことから,鋭角 θ について次の公式が成立する;
定理 2.6 (90◦ − θ の三角比)
sin(90◦ − θ) = cos θ
(12)
◦
cos(90 − θ) = sin θ
1
tan(90◦ − θ) =
tan θ
(13)
(14)
これを利用すれば,鋭角の三角比は 45◦ 以下の三角比で表すことができる.
例 2.7 次の三角比を 45◦ 以下の三角比で表す.
(1) sin 58◦
(2) cos 73◦
(3) tan 81◦
練習 2.8 次の三角比を 45◦ 以下の三角比で表せ.
(1) sin 49◦
2
(2) cos 65◦
三角比の相互関係
(3) tan 77◦
担当:岡崎正悟
中 3(75 期)数学 1 体系数学 3 第 5 章 [三角比]
No.1
3 三角比の定義の拡張
3.1 座標を用いた三角比の定義
y
P(x, y)
ここまで述べたきた三角比の定義では,鋭角に対して
r
しか三角比が定義できていない.これでは不便なので,
これを一般化して直角や鈍角に対しても三角比が考えら
θ
O
れるようにしよう.ここでは 0◦ ≦ θ ≦ 180◦ の角 θ ま
x
Q
で拡張する*1 .
まず,xy 平面上に原点 O を中心とする半径 r の円を
描く.いま,鋭角 θ が与えられたとき,x 軸正の向きと
角 θ をなす半径 OP をひき,P から x 軸への垂線 PQ をひく(右図).すると,直角三角
形 OPQ において
cos θ =
x
y
y
, sin θ = , tan θ =
r
r
x
(15)
B
となる.この定義は,直角三角形を用いた定義
c
a
b
a
sin θ = , cos θ = , tan θ =
c
c
b
θ
b
A
a
C
で a = y, b = x, c = r と置き換えたものと一致する.
y
上の図は,0◦ < θ < 90◦ の場合であったが,同様
の考えは P が第 1 象限に含まれない場合,つまり,
P
90◦ ≦ θ ≦ 180◦ の場合でも意味を持つ.そこで,(15)
式によって sin θ, cos θ, tan θ を定義することにすれば,
θ
r
Q
O
x
θ が鈍角であっても構わないことになる.
θ が鈍角の場合,点 P は第 2 象限にあるので,x <
0, y > 0 であるから,三角比の符号はそれぞれ
sin θ > 0, cos θ < 0, tan θ < 0
*1
3
180◦ より大きな角度の三角比については次章の「三角函数」で扱う.
三角比の定義の拡張
担当:岡崎正悟
中 3(75 期)数学 1 体系数学 3 第 5 章 [三角比]
No.2
となる.
例 3.1 θ = 120◦ の と き,r = 2 の場 合 の 円を描 けば ,
√
P(−1, 3) であるから,
y
P
2

1
−1


=−
cos 120◦ =


2

√2


3
sin 120◦ =

2

√


√


 tan 120◦ = 3 = − 3
−1
120◦
2
QO
x
となる.
♣ 上のようにして三角比を考えるとき,いずれも半径 r の大きさに関係なく,θ だけ
で定まるので,円の半径 r の値は都合のように決めて構わない.ただし,r = 1 と
すると,(15) の定義が
cos θ = x, sin θ = y, tan θ =
y
x
(16)
と単純化される.つまり,x 座標の値が cos,y 座標の値が sin,半径の傾きが tan
となる!よって,理論的にはこの場合が特に好まれる.このような半径 1 の円を単
位円という.
♣ 0◦ ≦ θ ≦ 180◦ のとき,−1 ≦ x ≦ 1, 0 ≦ y ≦ 1 なので,
0 ≦ sin θ ≦ 1, −1 ≦ cos θ ≦ 1
が成り立つ.
♣ θ = 90◦ のときは,x = 0 より,これを分母に持つ分数で定義されるはずの
tan
90◦ は定義することができない!(三角比の表で tan 90◦ が空白になっている
:::::::::::::::::::::::::::::::
のはそのためである)それ以外では,tan θ は半径の傾きなので,任意の実数を取
りうる.
3
三角比の定義の拡張
担当:岡崎正悟
中 3(75 期)数学 1 体系数学 3 第 5 章 [三角比]
No.3
練習 3.2 図を用いて, (1)θ = 135◦ ,(2)θ = 150◦ の場合の sin, cos, tan をそれぞれ求
めよ.
y
y √
2
2
P
135◦
Q
P
√
2
x
O
150◦
2
x
O
Q
3.2 180◦ − θ の三角比(補角公式)
y
y
1
1
Q(−x, y)
θ
−1
θ
180◦ − θ
1x
O
図1
P(x, y)
P(x, y)
Q(−x, y)
180◦ − θ
O
−1
θ が鋭角の時
図2
180◦ − θ
θ
1x
θ が鈍角の時
上図のように単位円上に点 P(x, y) をとり,P と y 軸に関して対称な点を Q をとると,
Q の座標は (−x, y) となる.これより,
sin θ = y,
cos θ = x,
y
tan θ = ,
x
sin(180◦ − θ) = y
cos(180◦ − θ) = −x
y
tan(180◦ − θ) = −
x
とわかる.よって,0◦ ≦ θ ≦ 180◦ のとき,次の公式が成り立つ;
3
三角比の定義の拡張
担当:岡崎正悟
中 3(75 期)数学 1 体系数学 3 第 5 章 [三角比]
No.4
定理 3.3 (180◦ − θ の三角比)
sin(180◦ − θ) = sin θ
(17)
◦
cos(180 − θ) = − cos θ
(18)
◦
tan(180 − θ) = − tan θ
(19)
この公式を用いると,鈍角の三角比を鋭角の三角比で表すことができる.
例 3.4 次の鈍角の三角比を鋭角の三角比で表す.
(1) sin 154◦ (2) cos 127◦ (3) tan 106◦
練習 3.5 三角比の表を用いて,次の値を求めよ.
(1) sin 132◦ (2) cos 147◦ (3) tan 115◦
3.3 等式を満たす θ
三角比の値が与えられたときに,それを満足する角の大きさを求めることを考える.
例 3.6 0◦ ≦ θ ≦ 180◦ のとき,次の等式を満たす θ を求めよ.
(1) cos θ = − √12
(2) sin θ =
1
2
√
(3) tan θ = − 3
解法の方針
cos θ = a (−1 ≦ θ ≦ 1) を満たす θ の値を求めるには,xy 平面上で
1. 原点 O を中心とする半径 1 の円(単位円)をかく
2. 直線 x = a を引いて,円との交点 A を求める
3. O から A に向かう動径(=半径)の x 軸からの回転角を求める
とすれば良い.つまり,自分で図を描いてみて値を求めると良い.また,数学 I の範囲で
は 0◦ ≦ θ ≦ 180◦ なので,y ≧ 0(x 軸の上側)の部分にある半円だけを考えれば良い.
一方,sin θ = a となる θ を求める場合には,上の 2. を
2’. 直線 y = a を引いて,円との交点 A を求める
とすれば良い.ただし,この変更によって,ひとつ注意しなければならないところがあ
る.板書にて説明しよう.
また,tan θ = a となる θ を求める場合は,
3
三角比の定義の拡張
担当:岡崎正悟
中 3(75 期)数学 1 体系数学 3 第 5 章 [三角比]
No.5
2’. 直線 y = a を引いて,円との交点 A を求める原点 O と点 (1, a) とを通る直線を引
き,円との交点 A を求める
とすれば良い.tan は直線の傾きを表すのでここで引いた直線の傾き a が tan θ を表す.
y
1√
3
2
P
120◦
1
1
√1
2
P
Q
◦
135
− √12
−1
y
y
O
1
x
√
− 23
150◦
O
− 12 O
1 x
P
30◦ 1
√
3
2
x
√
− 3
Q
練習 3.7 0◦ ≦ θ ≦ 180◦ のとき,次の等式を満たす θ を求めよ.
√
(1) sin θ = 23
√
(4) 2 cos θ + 3 = 0
3
三角比の定義の拡張
(2) cos θ = − 12
(3) sin θ = 0
担当:岡崎正悟
中 3(75 期)数学 1 体系数学 3 第 5 章 [三角比]
No.6
3.4 三角比の相互関係
単位円を用いた三角比の定義
cos θ = x, sin θ = y, tan θ =
y
x
を用いると,三平方の定理から,
sin2 θ + cos2 θ = x2 + y 2 = 1
が成立する.つまり,鈍角の三角比についても,先に習った三角比の相互関係
sin2 θ + cos2 θ = 1, tan θ =
sin θ
1
, 1 + tan2 θ =
cos θ
cos2 θ
が成立する.これを用いて次のような問題を解いてみよう.
例 3.8 0◦ ≦ θ ≦ 180◦ とする.sin θ =
3
5
のとき,cos θ と tan θ の値を求めよ.
練習 3.9 0◦ ≦ θ ≦ 180◦ とする.
(1)
cos θ = − 14 のとき,sin θ と tan θ の値を求めよ.
(2)
sin θ =
(3)
tan θ = −2 のとき,sin θ と cos θ の値を求めよ.
3
2
3
のとき,cos θ と tan θ の値を求めよ.
三角比の定義の拡張
担当:岡崎正悟
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