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立会道路を歩く - JIA城南地域会

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立会道路を歩く - JIA城南地域会
立会川=立会道路 散策
2010年11月6日
塚田和徳記
立会川(たちあいがわ)は、
東京都目黒区および品川区を流れる二級河川。
昭和20年代までは、小魚やザリガニがいるきれいな小川で、
子どもたちの絶好の遊び場だったが、大部分は暗渠となり、
道路(立会道路)や、緑の豊富な遊歩道、公園となっている。
東京都目黒区にある碑文谷池と清水池に源を発し南東方向へ流れ、
品川区の西小山駅、荏原町駅、西大井駅、大井町駅、立会川駅付近を流れ、東京湾に注ぐ。
立会川駅周辺開渠
碑文谷公園・碑文谷池
東急目黒線西小山駅
東急大井町線荏原町駅
JR駅ビルアトレ大井町
東急大井町線大井町駅
JR東日本西大井駅
昭和後期には生活廃水等により汚れた川となっていた。
しかし2002年7月から水量の確保と水質の改善を目的として、
東京都とJR東日本がJR東京駅総武線トンネル内に湧き出る地下水の立会川への送水を行っている[1]。
これによって川の水質が大幅に改善し、2003年にはボラが大群で現れ話題になった。
[1]下水処理されていた地下水の有効利用であり、JRにとっては経費節減にもつながる。
名称の由来は以下のように複数の説があるが、定説となる物はない。
その昔、川を挟んで小競り合いが会った事から「太刀会川」とした。
鈴ヶ森刑場へ送られる罪人を立会川を挟んでその親族や関係者が最後に見送る(立ち会う)事から「立会川」となった。
中延の滝間(たきあい)という地を流れていたので滝間川(たきあいがわ)と呼ばれ、それが現在の立会川に変わった。
以上 Wikipediaによる立会川の概要です
このページの写真は全てWikipediaのものを使用いたしました
京急立会川駅
今回の散策は立会川河口から西小山駅までのおよそ8Kmを上流に向けて歩くというコースです
下記のマップ参照 濃い赤の部分が立会川の河口∼西小山部分です。(品川区内)
朱色の楕円部分が住居密集地区です
散策コース一覧Map
次頁からの写真は特記無き物は筆者撮影、Photo by H.M.は松本裕氏撮影
地図右下にある運河は勝島運河で、ここが立会川の河口となっています。ここから大井4丁目の東芝病院辺りまでは開渠ですが、
ここから赤線の左端部の西小山、そして、その先(目黒区)の清水池・碑文谷池までは全て暗渠になっています。
暗渠部分となっている地上は、「公園」か「道路」の何れかであり、管理は品川区による。
立会川緑道(呼称:立会道路)は品川区の「水と緑のネットワーク」に関連する事業の一環として整備されてきた区域です。
当然のことながら、立会川が二級河川ということもあって、国と都との連携による事業でもあります。
この事業は
①防災②避難経路③環境(憩いの場)という3つの柱によって構築されているものと考えられる。
地上部の用途に「公園」と「道路」と言うカテゴリーを使用したが、
そういう意味では「緑地帯」というキーワードが的を得ているのかもしれない。
これは言葉のあそびではなく、品川区が目指している最終形は「緑地帯」であり、イコール
①防災②避難経路③環境(憩いの場)をひとまとめにした領域の形成であると思う。
①防災 火災や地震時等に際し、被害の拡大を防ぐ緩衝帯としての役割
②避難経路 火災や地震等の災害時における避難経路の確保
③環境(憩いの場) 有事以外の日常時において、区民の生活に安らぎを:住み易い住環境
総括的に言えば、つまり緑地帯の確保ということになるのでしょう。
暗渠が良いのか開渠が良いのかの議論はあるにして、街中に緑地帯を増やすことは、先のCOP10やCOP15
にわずかではあるが貢献する事業であるし、これからの日本を考える上にも、重要な一歩であると思う。
このようなことを頭において
いよいよ出発である。
今回の散策コンダクターは、
JIA城南地域会 近藤 昇氏によるものです。
勝島
浜川
浜川橋由来
Photo by H.M.
Map1:河口から開渠部分
勝島運河に注ぐ河口口(南大井1−6)から
開渠部分は全てコンクリートによる護岸整備が行われていて、その片側のほとんどの部分は公道になっており、
車歩道と河川とは高さ約1,000mmの擁壁とその上に約1,000mmの手摺で分離されている。
これは自然の河川と違い、水際に干渉帯が無いため落下防止の処置であるがため、止むを得ない処置であろう。
反対側は私有地等に接し、建物が直接、河川用壁に載っているところもある。
河床は4,000mm位下がってあるのだろうか?橋の上からはそんな感じに思われます・・・
そういう意味では、現在のこの川は区民と接するための河川ではなくなってしまっている。
勝島運河は∼浜川橋辺りまでは、
土佐藩の抱え屋敷で、浜川砲台跡地なんですね。
竜馬所縁の地だったんですね。
知りませんでした!
勝島運河
Photo by H.M.
河川
Photo by H.M.
Photo by H.M.
川と道路
開渠と暗渠の境は「月見橋」?橋の名残なのか、
やや道幅は狭くなっていて、片側は遊歩道である。(東大井6−14)
反対側は、当然開渠なのだが、
なぜかコンクリートの蓋状のものがかぶせてある。(南大井5−2)
欄干には手摺があるのだから、蓋はいらないはずなのですが・・・・?
Photo by H.M.
川と隣接地
Photo by H.M.
暗渠側は東大井6丁目、開渠側は南大井5丁目、
橋を境に町名が変わる。
ここを境に立会川は緑地帯に変わってゆく。
ここから池上通り(東大井6−5)までは遊歩道となっている。
遊歩道の雰囲気は「緑地帯」というイメージに符合した、
町並みに融合した感がある道路です。
①・②・③にかなった環境と言える意味合いで、
遊歩道
事業の成功例であると思われます。
池上通りは、この辺りから高架になっており、
遊歩道はここで分断される。
高架をくぐって反対側は(東大井5−21)なのだが、
この先はJR東日本東海道線の大井町駅線路敷。
行き止まりである。
開発の過程で、立会川暗渠と思しき部分は遊歩道にはなっている。
樹木が植えられ、公共性はあるようだ。その距離数十メートル。
Map2:暗渠始まりから大井町駅周辺
遊歩道の始まり
Photo by H.M.
線路でいったん分断される
緑地帯のイメージがあります
Photo by H.M.
正面高架は池上通り
Photo by H.M.
いったん迂回して、線路の反対側に出ると、そこは大井町駅のロータリーとなる。
そこまでの緑化の並木道は線路を介してはいるが、連続性を意識しているようです。
ただしロータリー部分は機能重視ですから緑地帯とはいきませんね。
こちら側は立会川という感は全くありません。
ロータリー
Photo by H.M.
立会道路
こちら側は(大井1−2)。
Map3:大井町駅周辺から西大井駅周辺
ロータリーを抜け(大井1−7)、ここから数十メートルは車道に挟まれた緑道?公園?となる。
車道と元車道?に挟まれているため、ガードレールの柵に囲まれた、中途半端な空間に見える。
歩道・公園・歩道という構成なのだが、連続したガードレールによって車道と分離させているため、
島といった感じがし、そこには簡単に立ち入れない状況を造っている。廻りの区民はこの領域をどう使っているのだろうか?
この領域を超えると、先は純然たる道路となり、つまりこの下に川があるというのは全くわからなくなります。
一部公園?
歩道ディテール
Jr東日本東海道線を境に、この先国道1号線(第二京浜)までは立会道路と呼ばれるように、
緑地帯とは程遠い、一方通行の公道が続きます。
途中、JR東日本横須賀線西大井駅手前に、側道公園といった感じの
小さなポケットパークのような領域がありますが・・・・
又、一方通行のために、車道と両側の歩道はガードレールで完全分離されていて、
一部には植栽による遊歩道的な通路も見られる。
立会道路
Photo by H.M.
立会道路
敷地内通路?
Photo by H.M.
Map4:西大井駅周辺から国道1号線周辺
赤線範囲は二葉4・3丁目周辺
この地域には、昔立会川に流れ込んでいた用水の名残が、暗渠型水路として残っているようだ。
立会道路から奥の道路に通り抜けられる細い通路状の道路?もかなりある。
現在はその部分が生活道路として活用されているようだ。
二葉4・3丁目周辺
上流に向かって右手側辺りは、住宅密集地として防災危険区域になっているようで
、一歩奥に入ると、接道されていない住戸も結構見られて興味深い。
路地状通路
暗渠:用水の名残?
路地状通路
通り抜け通路
Photo by H.M.
通り抜け道路
Photo by H.M.
狭い道路?
通り抜け道路
Photo by H.M.
狭い道路?
道路
通り抜け道路
Photo by H.M.
狭い道路?
遊歩
道
Map5:国道1号線周辺から荏原町駅周辺
国道1号線を越えると、再び遊歩道の様態になる。当然車は入れない。
この形状は東急大井町線荏原町駅まで続く。
遊歩道の両側でかなりの高低差がある所は、ややその領域が浮いた感じにとられたり、
歩道と遊歩道を分離する擁壁は孤立感を造っている。
老人ホームの周囲は
この時期は、水が無いが、人工のせせらぎが造られている所もある。
遊歩道を含む緑地帯と
Photo by H.M.
両側の歩道とが
分離されている箇所は
孤立したイメージが強い。
高低差のある遊歩道
Photo by H.M.
Photo by H.M.
緑地帯としての機能は
この一帯では
満たされているのだろう。
支流が暗渠に変わる
手前が高い
Photo by H.M.
荏原町駅周辺
Photo by H.M.
立会道路
遊歩
道
旗の台小
Map6:荏原町駅周辺から昭和大学
旗の台小
荏原町駅から東急池上線の間までは車進入禁止の遊歩道です。
東急池上線から仲原街道までも同様な遊歩道です。
緑地に較べ歩道部分が広い形状です
旗の台3丁目
Photo by H.M.
Map7:区立旗の台小学校周辺(品川区旗の台4丁目)
赤線範囲は住宅密集地として防災危険区域となっている
Photo by H.M.
Photo by H.M.
古い路地状通路には生活スタイルがよく現れている
法42条2項道路なのでしょうか?
Photo by H.M.
2階は隣とくっついています
前頁の通路に較べると道路という感じは強くなります
新しくなって行く建物の周りは徐々に道路も整備されていきます
立会道路
仲原街道を超え昭和大学病院脇を通って西小山駅までは歩道付の道路となります。
ここからは立会川が存在することは全くわかりません。
地図をたどってゆくことでそれが確認できるだけです。
立会道路
Photo by H.M.
まとめ
勝島運河を出発して西小山駅ロータリーまで、途中2箇所ほど寄り道しながら歩いて
立会川から立会道路と姿を変えながらも街に何らかのかかわりは持っていることを
西小山駅前広場
Photo by H.M.
感じた。
都会のニーズとしては、自然な河川敷という形状を求めるのは不可能に近い。
そういう環境の下、①防災②避難経路③環境(憩いの場)というテーマを「緑地帯」と「道路」形状にすることで、少しでも川のイメージを残す努力
大切だと思います。途中、過密・混沌という都市のパターンを残した地域を体験し、都市の防災は今後どうしたら良いのだろうと考えさせられる。
長屋・路地と言った人と人とのつながりを持った生活は、地震や洪水のような自然災害は別として、火事や犯罪といった人為的な事象を減らす力
なるのではとも思う。河川と人の関係から、人間らしい生活を取り戻す試みは、防災という都市機能に形を変えて浸透していってもらいたい。
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