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消費者委員会委員と消費者団体ほか
関係団体等との意見交換会
議事録
内閣府消費者委員会事務局
消費者委員会委員と消費者団体ほか関係団体等との意見交換会
議事次第
1.日時
平 成 28年 3 月 9 日 ( 水 )
2.場所
消費者委員会会議室
13:0 0∼ 15:00
3.出席者
(委員)
阿久澤委員、大森委員、蟹瀬委員、長田委員、中原委員、樋口委員
(説明者)
主婦連合会
有田芳子会長
消費者関連専門家会議
長谷川公彦専務理事
中村
哲理事
全国消費生活相談員協会
柳川淑子常務理事
阿部一恵常務理事
日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会
有山雅子理事・消費者相談室長
日本弁護士連合会
大迫惠美子消費者問題対策委員会副委員長・弁護士
中村新造消費者問題対策委員会副委員長・弁護士
(事務局)
黒木事務局長、丸山参事官
4.議事
(1)開会
(2)消費者団体ほか関係団体等との意見交換について
(3)閉会
≪1.開会≫
○樋口委員
本日は 、皆 様お忙しいところをお集 まりいただき、あり がと うございます。
ただいまから「消費者 委員会委員と消費者 団体 ほか関係団体等との 意見 交換会」を開催 いたしま
す。
本日は、所用により、河上委員長、池本委員長 代理が不在のため、私、樋口が本意見交換会 の議
長を務めさせていた だき ます。なお、鹿野委 員、増田委員が欠席とな って おります。
まず初めに、配付 資料 の確認につきまして 、事 務局よりお願いいた しま す。
○丸山参事官
お手 元の 議事次第の下部に配 付資 料一覧を記載してお りま す。
資料1
消費者関 連専 門家会議提出資料。
資料2
全国消費 生活 相談員協会提出資料。
資料3
日本消費 生活 アドバイザー・コン サル タント・相談員協会提出 資料。
資料4
日本弁護 士連 合会提出資料。
となっております。
それから、資料 1、2 、3という形でナ ンバリ ングを右肩にしてお りま せんけれども、主 婦連合
会からの提出資料と いう ことで追加配付しており ます。
不足がございまし たら、事務局のほうまでお申し 出いただきますようよろ しくお願いいたしま す。
≪2.消費者委員会委員と消費者団体ほか関係団体との意見交換について≫
○樋口委員
それで は、 議事に入ります。
消費者委員会では 、委 員会の運営改善など の参 考とすることを目的 に、消費者団体ほか関係 団体
等から御意見、御要 望を 伺うとともに、委員 との 意見交換を行ってお りま す。
本日は、主婦連 合会有 田芳子会長、消費 者関連 専門家会議長谷川公 彦専 務理事、中村哲理 事、全
国消費生活相談員協 会柳川淑子常務理事、阿部一 恵常務理事、日本 消費生 活アドバイザー・コンサ
ルタント・相談員協会有 山雅子理事・消費者相談 室長、日本弁護士 連合会大迫惠美子弁護士 、中村
新造弁護士にお越し いた だいております。皆様 にお かれましては、お忙し いと ころ御出席いただき、
まことにありがとう ござ います。
本日の意見交換会 のテ ーマでございますが 、「官民連携の具体的な アイ デアについて」と いうこ
とで提示させていた だき ました。これは 、昨年8 月、第3次消費者 委員会で取りまとめ、公 表いた
しました「消費 者行政に おける新たな官民連 携の在り方に関する調査 報告 」で指摘させて いただき
ましたように、当委員会 では、今後の地 方消費者 行政を含む消費者行 政の 発展には官民連携が 不可
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欠な要素、キーワー ドで あると考えておりま す。
今日、複雑化い たしま す消費者問題、多 様化す る消費者の価値観に 対応 していくためには 、財政
の厳しさはもとより 、人 的資源、専門的 知見等に おいても行政機関だ けで なく民間の活躍が必 須で
あると考えておりま す。民間の力、とり わけ消費 者団体や事業者団体 の皆 様の力が不可欠だと 考え
ております。そし て、行 政におきましても 、民間 の皆様が活躍できる 環境 を整備していくこと が喫
緊の課題であると考 えて おります。
そこで、本日御 参加い ただきました皆様に は、日ごろの御活動の中 で、公益のために、と もに助
けるという意味での 共助 の取り組みや、そこにお け る工夫を御紹介いた だき たいと考えておりま す。
また、より積極的に新たな 取り組みを進めるた めに 行政にどのような環 境整 備を求めるのかという
ことについても御意 見を 伺えたらと考えてお りま す。
第3次の報告を総 論と しまして、私ど も第4次 消費者委員会におき まし ては、これを具 体化する
各論化を目指してお りま す。総論だけで は言いっ放しになってしまい ます ので、実際に現 場の状況
に 即 し て し っ か り 各 論 を作 っ て い き た い と 思 っ てお り ま す 。 本 日 、 皆 様 から 御 意 見 を 伺 い ま し て 、
今後の委員会活動に活か させていただきたい と考 えております。
早速でございます が、参加団体の皆様より、ま ず御説明、御意見 をそれ ぞれ15分程度でお伺 いし
まして、その後、委 員と の意見交換という段 取り にさせていただきた いと 思います。
それでは初めに 、主婦 連合会から御説明を お願 いいたします。な お、大 変恐縮ですが、説 明はお
おむね15分以内でお 願い できればと思います 。ど うぞよろしくお願い いた します。
○主婦連合会有田会 長
改めて、主婦連合会 の有 田と申します。よろ しくお願いいたします。
資料の締め切りに 間に 合わなくて大変申し わけ なく当日配付という こと になりましたが、A41枚
程度で、ここに は書いて おりませんことも含 めて 少しお話をさせてい ただ きたいと思います 。今日
のナンバリングして おり ません資料を主に読 み上 げまして、提案とさせて い ただきたいと思いま す。
ここ2、3年 、資料後 半は、10年ほどの スパン でも書いておりますけれ ども、消費者に対 する普
及啓発活動を行って おり ます。各地域の主 婦連合 会の会員団体、そ れ以外 の、例えば自分が かかわ
っていた生活協同組 合の ところでも学習会を開催 しています。その 中で、特にここ2、3年 は洗濯
絵表示と子ども服の 安全 性、それは標準 化という 考え方も含めて 、なぜこ の標準化が必要なの かと
い う こ と を テ ー マ に し てい ま す 。 消 費 者 庁 や 経 済産 業 省 が 作 成 し た パ ン フレ ッ ト を 使 用 し な が ら 、
標準化とは何か 、規格の内容と必要性につい て学 習会を行っておりま す。暮らしにどのように 役立
っているかというこ とで す。非常口など のピクト グラムは案外御存じない のですね。学習 会で消費
者運動をやっていら っし ゃる方もそうなので すが、そういうことをお伝 えす ることで関心を持っ て、
またそれを地域の中 で広 げていくという取り 組みです。
子 ど も 服 は 、 ど ち ら かと い う と JISの 標 準 化 で 、法 律 と は 直 接 結 び つ い てい な い の で す が 、 日 本
では子どもの安全と いう視点が弱いというこ とです。長いひもは 、出っ張 っ たところや滑り台など
に引っかかるという こと で危ない。標準化 されて 以降、売り場も調 査しま した。随分とそれ は改善
されていましたが 、フリ ーマーケットなどでは、10センチ以上のひもの つい た以前の子ども服が あ
っ て 、 規 格 は 7.5セ ン チ 以内 と 決 ま っ て い ま す の で、 フ リ マ で も 気 を つ け てひ も を 抜 く な ど し て く
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ださい。もし 、バザーな ど で売るときにはそう いう ことも皆さんにお教 えし てくださいといった情
報提供をすることで官民 連携を実施しており ます 。
東 京 都 と 主 婦 連 合 会 との 連 携 と い う こ と で は 、消 費 者 団 体 、 事 業 者 の 方も 「 交 流 フ ェ ス タ TOKYO
くらしの情報広場」に毎 年10月に参加しまし て、今年はトランス脂肪 酸、昨年は防炎品という こと
で展示しながら、一般の 方 が関心を持って参加 され たときに現状などを お伝 えするということも行
なっています。
それから、東 京都の消 費者団体連絡会に参 加し て、千代田区消 費生活セ ンターと消費者行政 につ
いての懇談もしてお りま す。これは東京 を中心に 書いておりますけれ ども 、私は神奈川に 住んでい
まして、神奈川 県でも自 治体のアンケート調 査を しながらヒアリング を行なったり、それ から私は
神奈川県の「消費 者支援 かながわ」という ところの理事もしています。そ ういう分野でも地方の消
費者団体とともに行 って います。
国民生活センター との 連携という意味では、国 民 生活センターの出版 物の 委託販売を行っており
まして、会員外の地方の 方からの申し込みな ども あります。国民 生活セン ターの新人研修の受 け入
れも行なっておりま して 、消費者運動の歴史 や現 在の運動の状況などの講 師も務めています。
国民生活センター の全 国消費者フォーラム にも参加して、研究の成果や多 様な取り組みの報告も
しています。食品 リサイ クルサロンは、数 年、農 水省や関連の事業者 の方 と主婦連の環境部で 四谷
の 主 婦 連 合 会 会 議 室 で 試食 品 な ど を 作 り な が ら 、食 と 環 境 に 関 連 し た 取 り組 み を 行 っ て き ま し た 。
今年はトランス脂肪 酸の 現状と、どういうふうに食 生活に気をつけたら いい かということをお伝え
しました。
行政、企業、団体 への 提言ということでは 、意 見書や要望書、パブ コメを提出しております 。
行政からの情報提 供及 び意見交換は、各 省庁か ら見えて現状の説明 を受 けたり、また 、それを受
けて会員の方と学習 会、 意見交換会なども実 施し ています。
消費者相談という こと では、専門の相 談員の方 がいます。それ ほど電話 がたくさんかかって くる
わけではありません けれ ども、電話がか かってき た内容は機関誌を通 じて 情報提供して、こういう
ことに気をつけまし ょう という啓発を行って いま す。
これは、ここ2年 ぐらい は行っていないので すが 、海外調査という ことで 、海外の消費者団 体の
方と交流をしながら 、危 ない玩具などがない か試 買調査も行っており ます し、韓国やマレ ーシアの
消費者団体の方と子 供用 のパーソナルケア用 品の売り場調査や意識調 査も 行って、行政への情報提
供と改善なども行っ てい ます。
先ほど食品リサイク ルサ ロンのことを申し上 げま したが、他にも 、直接、主 婦連合会という名前
を表に出していないもの で、大学の公開 講座の企 画に協力しリスクコ ミュ ニケーション、食の安全
など企画、協力を して、食品安全委員会の先 生等に講師をお願いして 、お 話しいただくことも 行っ
ています。
そういう状況ですの で、現在も官民連携とい う立 場で動いていますが 、新 たなということで言 え
ば、なかなかアイ デアは 難しくて、今の状 況をさ らに細やかに行っていく ということと、ほ かの方
の資料を事前に拝見 させ ていただいた中でも、やは り消費者団体という のは、人件費というよりも、
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試買調査を行いたいと思ってもそれを購入するそのもの自体を捻出するのが大変だという状況で
すので、そういうこ とも 考えていただければ と思 っております。
15分はかかっていな いと 思いますが、以上で す。
○樋口委員
ありが とう ございました。
引き続きまして、消費 者関連専門家会議か ら御 説明をお願いいたし ます 。
○消費者関連専門家 会議中村理事
ありがと うご ざいます。今御紹介いた だ きました消費者関連専
門家会議です。通称ACAPの理事をしておりま す中 村でございます 。所属の 企業は日本生命保険 でご
ざいます。前回7 月にもこういった機会を与 えていただきまして、今回、二度目ということで あり
がとうございます。
ペーパーを見てい ただ ければと思いますが、前 回 報告してから以降に つい ての活動についてまず
は書かせていただい てお ります。まさに官民連 携の 事例としましては、7 月か ら9月にかけまして、
消 費 者 庁 、 国 民 生 活 セ ンタ ー 、 消 費 者 委 員 会 に 新し く 配 属 さ れ た 方 に 、 私ど も ACAPの 約 580社 あ る
企業の中で受け入れ をす るという企業が10社 ぐら いありまして、そこにお いでいただいて 、主にコ
ールセンター等で1日研 修をしていただいた 、こ んな事例がございま す。
3番目に書いてお りま すのは、消費者関連法に 改正等動きがあった 場合 につきましては 、真っ先
にそういったテーマ につ いて関連の部署に来 てい ただいて、私ども会員企 業 並びに会員企業に関連
するセクションの者につ いて講義や勉強会を実施 させていただいてお りま す。
地方という意味で は、2番目の中京地区と いい ますのは、ACAP自 体の活 動の中心は東京、大阪で
すが、名古屋の中 京地区 、九州の福岡にも そうい った分会がございま して 、そういった地区 の活動
にも力を入れており ます。地域の消費者団体等 の連 合の集まりの中に消 費者 庁の方に来ていただい
て、講演会、勉強会 も実 施させていただきま した 。
4番目の北海道に つい ても同様の趣旨で実 施し ております。
後半の中で特に大 きな 行事としては、5番目に 書 いてあります消費者 庁幹 部と会員企業の役員と
の 懇 談 会 で す 。 ACAPは 約 580社 あ る 企 業 が 加 盟 し てい る わ け で す が 、 主 に 消費 者 関 連 の お 客 様 対 応
部門の責任担当者か ら構 成されております。会社 と しての動きというこ とに なりますとやはり会社
のトップの人間がこ うい った活動についてい かに 理解していただくか、こ う いったところにこの3
年ぐらい力を入れており まして、消費者庁 長官以 下の幹部の方、我 々の執 行役員以上の方、今回も
二十数社集まりまし たが 、最近の消費者 行政の動 きや企業の動向など、率 直な意見交換会をや らせ
ていただいておりま す。
同じような趣旨で、9番 目の消費者志向経営トッ プセミナー、これは経 団連とさらに組みまして、
消費者庁にも後援を いた だいて、これも今年3年 目になります。いわゆる 消費者志向経営を目 指し
てというテーマの中で、こういった形の実施 が今 年3回目になりまして、今回も2月に実施し たと
きに二百数十名参加 いた だきまして、執行役 員以 上の参加も50名ぐら いと なっております。
特にこれからお話 しし ます行政への要望と も関 連していますが、前回の報 告書の中では消費者志
向経営の重要性とい う中 で、あえてACAPという風 に書いていただいて 、消 費者志向経営を進め よう
と い う 事 業 者 団 体 の 活 動 に つ い て さ ら に バ ッ ク ア ッ プ し た い と い う こ と が前 の 報 告 書 に 書 い て あ
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りましたが、やっ ている ことについては、前回7 月の御報告と同じよ うな内容なので、今日 は本音
ベースでお話しさせ てい ただければと思って おり ます。
まずは、消費者 志向経 営に向けてというこ との 中で、全国各地で のセミ ナー、シンポジウ ム、こ
れ も ACAP単 独 で 従 来 か ら北 海 道 や 広 島 、 仙 台 、 さま ざ ま な 地 域 で 実 施 し てき た わ け で す け れ ど も 、
そういった部門の責 任担 当者が東京、大 阪という こともありまして 、また そういったイベント事を
するには、あけ すけな言 い方ですと旅費自体 もそ れぞれの会社の手弁 当と いうところもあって 、そ
ういった活動につい ての 広がりというのはそ れぞ れの会員企業の理解 があ って初めて成り立つ、こ
んな運営になってお りま す。
そういう中にあっ て、数年前から、消 費者庁が主催されていた公益 通報の法制度の普及につ いて
の全国セミナーがご ざい まして、その中 の一こま をACAPがもらって 、私も その中でお話をさせ てい
ただきました。そ んな形 でコラボをしていた だく と、地方に行く出 張とい うことにおいても 、もち
ろ ん 旅 費 に つ い て 会 社 の負 担 と い う こ と も あ る わけ で す が 、 そ う い う こ とで も 非 常 に や り や す い 。
本来業務と違う形で、地 方 で何かをするという こと についての抵抗感が正直 なところそれぞれの会
社でありますので 、こん な形で官が後押しし てい るのだということを示し ていただくと、こういっ
た活動がACAPの中で うま く行えるのではない かと感じております。
同じく商工会議所 等に ついての取り組みに つい ても、これも従 来、熊谷 や 一部の商工会議所とコ
ラボをやってまいり まし たが、地域密着型という と ころがACAP加盟企業 では そう多くないものです
から、こういったものに つ いても官の後押しの 中でACAPの一つのこまをい ただきながら進めていく
ということが非常に有効 ではないかと実感と して 思っております。
それから、消 費者志向 経営の取り組みとい うこ とで、恐らく今 日もそう いった検討会が消費 者庁
の場で行われている よう に聞いておりますけ れど も、消費者庁が後 押しを する、賞でる 、こういっ
た取り組みが、消費者志 向経営、我々の 具体的な 活動にドライブがか かっ ていくのではないか と思
っております。もちろん悪質な事業者はとこ とん 規制していただけれ ばい いわけですが、よい企業
については賞でてい く。しかも、消費者 志向経営 という非常に口当た りの いい言葉はどなたも 賛成
するわけですが、ただ各 論として見た場合、どう いった企業が賞でら れる のか、そういった ものが
少しずつわかってい くこ とによって、いわゆる企 業 の経営者にとっても っと 頑張っていこうという
モチベーションにも なっ ていきます。い いことと いうのは進めること とま た違うので、そ んな工夫
にぜひ取り組んでい ただ ければと思っており ます 。
消費者行政におけ る課 題と事業者・事 業者団体 との連携アイデアと いう のもありますが 、この中
で例を挙げさせてい ただ きますと、ISO10002とい う 苦情対応マネジメン トシ ステムという国際規格
がございます。ACAPもそ の推進に向けて、この規 格ができたときから取り 組んでおりまして 、昨年
もそれに対応する形 で経 済産業省からの大臣 表彰 もいただきました。消費 者 志向や苦情対応という
非 常 に 抽 象 的 な も の の 中で 、 ISOと い う 規 格 が も っと 積 極 的 に 評 価 さ れ て いい の で は な い か 、 し か
もそういったことを先ほ ど申し上げた表彰の基準 等にでも織り込んで いた だくと、さらにこういっ
たものについて本気 を出 して取り組んでいこ うと いうことになるので はな いかと思います。今のと
ころ、ISO10002で 認証を 受けた、自己適合 宣言で すけれども、93社 と聞い ております。私ど もACAP
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の 企 業 は 約 580社 で す の で、 そ う い う 意 味 で も ま だま だ な の で す が 、 こ う いっ た も の に つ い て 官 も
非常に評価している とい う後押しがあると、進む ことができるのでは ない かと思っております 。
官民連携の情報と いう ことですが、こういっ た委 員会で私も三度か四 度は言っておりますが、PIO
‐ NETの 情 報 に つ い て は もと も と 開 示 を 予 定 さ れ てい る も の で は な く 消 費 者相 談 に お い て 使 わ れ る
もの、それはよく わかり ます。企業におい ても全 く同じことで、例 えば私どもの会社で数字を出し
ての公表はちょっとあれ なのですが、消費生活セ ン ターから連携いただ く数 字は年間70件ぐらいで
す 。 私 ど も の 会 社 で 消 費生 活 セ ン タ ー に 受 け 付 けた 件 数 、 こ れ だ け は 教 えて く れ ま し て 、 900件 ぐ
ら い あ る わ け で す 。 残 りの 830件 は ど う し た の か とい う と 、 こ れ は セ ン タ ーの 方 が 解 決 し て い た だ
いた内容だったり 、それ で終わっている内容 では ないかと思います 。正直 なところ、そうい った情
報を私どもの会社は 欲し いわけです。消 費生活セ ンターにどんなお問 い合 わせがあって、どんな対
応をしていたのか。いつ もこの議論をすると、他 社のことを教えられ ないというお話です。他社が
難しければ自社だけ でも結構なのですが、せっか く 消費生活センターに 入っ てきた情報をそれぞれ
の企業がもっと十分 に活かせるように、今までい つも同じ理屈で、それは できませんというお 話で
したが、もう一 つ進めていただくと、行 政もそれ ぞれの消費者志向を 目指 す企業においてもウ ィン
ウ ィ ン の 関 係 に な る の では な か ろ う か と 思 い ま す。 こ こ は 5 、 6 年 前 か ら言 っ て い る こ と な の で 、
少し踏み出していた だく と大変ありがたいと 思っ ております。
円卓会議等につい てはプラットホームを作 って進めていただく、御趣旨 の通りかと思っておりま
す。
消費者に向けての 啓発 活動ということで 、ACAPの取り組みとしまし ては 、これもたまた まコネク
ションがある学校と いう ことではあったので すが 、小学校への出 前授業を実施しています。大学と
は従来からやってお りま すが、そういった 活動や 、提言、論文募 集、これ についても今まで大 学生
以上でしたが、中学生まで 裾野を広げたり、それから 、会員企業の新入社員向け の消費者啓発講座、
これは東京都さんが熱心 におやりになられて いる ので、ACAPが仲 介させて いただきながら 、具体的
にそれぞれの新入社 員の 啓発講座もお願いし てお りました。
昨年5月について はACAP消費者月間というこ とで、文科省の方に も例会に 来ていただいて 、土曜
学習応援団もACAPが 積極 的に参加させていた だい ていますが、こ れも手を 挙げたものの、さっぱり
声がかからなかった りす るので、文科省 の方も形 を作るだけではなく て、せっかく手を挙げた 企業
に対してもっと学校 側に もアピールしていた だけ ればもう少しいいの では ないかと、これも個人的
な見解が入っており ます が、率直に思ってお りま す。
以上、概略でご ざいま すが、ACAPからの 発表と させていただきたい と思 います。ありがと うござ
いました。
○樋口委員
ありが とう ございました。
引き続きまして 、全国 消費生活相談員協会 から 御説明をお願いしま す。説明は15分以内とい うこ
とでございます。よ ろし くお願いします。
○全国消費生活相談 員協 会柳川常務理事
全 国消 費生活相談員協会の柳川 と申します。どうぞよろ
しくお願いいたしま す。
6
初めに私どもの活動 を御 説明させていただい て、そ れを踏まえた官民の 連携 について考えを述べ
させていただきます 。事 前に私どもの協会案 内をお配りしておりますが、ご覧いただけますで しょ
うか。私どもは、この協 会案内の一番最後の ペー ジにありますような 活動 をしております。具体的
に は 、 電 話 相 談 110番 、 適格 消 費 者 団 体 と し て の 活動 、 研 修 講 座 、 調 査 報 告書 作 成 、 消 費 者 教 育 啓
発活動、公開シンポ ジウ ム、それから週末電 話相 談を20年以上に渡っ て行 っております。
適格消費者団体に つい ては、これまで16件の差 し止め請求を行って 、そ のうち現在継続中の 3件
を除いた13件につい ては 終結して、全て私ど もの ホームページにアッ プし ております。
それから、東 京都消費生活総合センターと 覚書 を取り交わして協力 を得 ております。そ ちらから
の情報も活用させて いた だいております。
今 ま で 取 り 扱 っ た 事 例と い う の は 、 適 格 消 費 者団 体 の と こ ろ に 書 い て あり ま す が 、 老 人 ホ ー ム 、
クリーニング業者、 スポ ーツクラブ等、多岐 に渡 って差し止め請求を 行っ ております。
こちらには載って おり ませんけれども 、週末電 話相談を行政の窓口のあ いていない週末に、20年
以 上 に な る と 思 い ま す が、 息 長 く や っ て お り ま す。 こ こ で は 昨 年 度 2,666件 の 相 談 を 受 け 付 け て お
ります。東京の本 部事務所で土日、大阪 、北海道 で土日の1日ずつと いう、そんなに開設日 は多く
な い の で す が 、 約 3,000件 に 近 い 相 談 件 数 が コ ン スタ ン ト に あ り ま す 。 そ れら の 相 談 を 集 計 し 分 析
して一般に配布する「こ んな相談ありました」と いう冊子も毎年作っ てお ります。今、印 刷に入っ
ている段階ですが 、これ で16冊できることに なり ます。相談員の 目で見て 一般消費者が気をつ けな
ければいけないとい う旬 の情報をコンパクト に書 いておりますが、啓発活 動 等に持って歩きまし て、
わかりやすいと大変好評 を得ております。
週末相談は、皆 さんの 苦情を集めて集計し 、分 析し、バックする という だけではなくて、消費生
活相談員の実地訓練 の場 所にもなっておりま す。というのは、ひ とり窓口 とか経験の浅い相談 員も
おりますが、行 政の中で トレーニングすると いう 機会が少ないので 、手探 りで相談を受けてい るよ
うな状況になります 。私 どものところでは 、ベテ ランの運営メンバー と経 験者がほかの2人の 新人
を手とり足とり懇切 丁寧 に、聞き取りから対応の 仕方、カードの書 き方か ら、優しくも厳し い指導
をしております。相談窓 口にいて、漠然と して何 がわからないのかわ から なかったけれども、ここ
に来たら自分がわか らな いことがわかった、先輩 の 方から直接お話が聞 けるので心強く思ってい る、
そういう御意見もい ただ いています。私 どものと ころでトレーニング 、勉 強していただいた方 たち
がまた地元の消費生 活セ ンターに戻ってお仕 事を していただきますの で、非 常にいい循環ができて
いるのではないかと 考え ております。
そ れ か ら 、 年 1 、 2 回で す が 、 そ の と き の タ イム リ ー な テ ー マ を 捉 え て電 話 相 談 110番 も や っ て
お り ま す 。 電 話 相 談 110番の 結 果 に つ い て は 、 要 望書 と い う 形 で 各 方 面 に 情報 発 信 さ せ て い た だ い
て い ま す 。 2014年 は 「 冠 婚 葬 祭 互 助 会 110番 」 を 行 い ま し た 。 2015年 は 「 訪 問 販 売 ・ 電 話 勧 誘 販売
110番 」 を 実 施 し て 、 不 招請 勧 誘 や 電 話 勧 誘 に よ る過 量 販 売 等 の 問 題 、 消 費者 契 約 法 の 見 直 し に 向
けて問題になる事例 等を 集めて、苦情の収集 と個 別相談への対応、情 報発 信を行っております 。
そのほか、今年は啓 発活 動に力を入れてやり まし た。見守りの必要性は 非常に言われていますが、
地方の自治体ではそ こま で手が回らないこともあ りまして、私ど もでは非 常に財政が厳しい中、こ
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れを放っておくわけ にい かないということで、私 どもで自前の冊子を作り まして、それを持って地
方に出かけ、皆さん と交 流を深めながら啓発 活動 を行っております。
それから、消 費生活相 談員資格試験に対す る講 座もやっております 。相 談員になるためには 3つ
の資格が必要ですが 、そ れを持っていない方 もい らっしゃいますし 、相談 員としてぜひ頑張り たい
という方もいらっし ゃい ますので、そういう方た ち に向けての対策講座 が今 までなかったものです
から、3年前か ら、国民 生 活センターの理事長 が認 定する消費生活専門 相談 員試験の対策講座を私
どもでテキストを作 り、通学・通信講座を行って受験していただいて いま す。非常に高い合 格率を
示していて、皆さん から 次年度はいつやるの かと いうお問い合わせを 多く 受けております。
それから、支部 、本部 でやっているのです が、現役の相談員のレベ ルア ップのために、タ イムリ
ーな、旬な、これから相談が来そうなという相 談を ピックアップして、小回り がきくものですから 、
例えば通信関係のこ うい う制度が始まった 、具体 的に光卸等なのです が、これについては相談 が来
る、相談者をが っかりさ せないような対応を取る ためにいち早く勉強 しよ うということで 、業界団
体の方をお招きして 早く 勉強会をスタートさ せま したので、現場で混乱な く 処理ができたとも聞い
ております。
さまざまな活動をし てい るのですが、こ れらの活動を踏まえて、官民の連 携ということに入ら せ
ていただきますが、非常に 難しいテーマである と思 っております。というのは 、まず私ども自身が、
青写真がはっきり見 えて いないので、どういう形 で これに取り組んでい けば いいのかというところ
が見えない心配があ りま す。ただ行政の スリム化 のため、民間の ボランテ ィア精神に依存した 官民
連携では意味がない と思 いますので、ここの とこ ろはよろしくお願い した いと思います。
ペーパーには書いて いま せんが、官民連携に先駆 け て行政機関内の連携 もよ ろしくお願いしたい
と思います。行 政内部の 連携をスムーズにし て道 をすっきりさせてい ただ いて、そこに民 間の知恵
とパワーを投入して いた だけると非常に流れがよ くなるのではないかと考 えております。
先ほど、大変難し いので はないか、とても 問題が 山積していると申し 上げ ましたが、たくさ んの
民 間 団 体 が あ り ま す 。 どの あ た り を イ メ ー ジ す るの か よ く わ か ら な い と ころ が あ り ま す け れ ど も 、
どこの団体も非常に 経営難、資金繰りが 苦しい中 で、その活動を するため の資金をそれぞれの 団体
がどのように調達し てい くのか、先ほど も情報の収集のところで話が出て いましたが、ど のように
情報を収集していく のか 、さまざまな団 体に守秘 義務をどうやってか けていくのか、たく さんの団
体の中から官民連携の任 を担う団体をどのよ うに 選別していくのか、非常 に たくさんの問題がある
ように思います。
次 は 、 現 在 う ま く 循 環 して い る と こ ろ に つ い て はさ ら な る 支 援 を お 願 い した い と 思 っ て い ま す 。
ACAPさんからも非常 にう まく循環していると いう お話がありましたけ れど も、私どもが例として挙
げた週末電話相談に つい ても、行政の相 談員とし て私どもの民間の事 業に 参加したり、週 末電話相
談に参加したりして、ま た新たな視点が植えつけ られるわけです。それを現場に持って帰って、ま
た一回り大きくなっ た相 談員として仕事をし てい ますので、そういう活動 が 継続的に長くできるよ
うに、うまくいっている と ころについてはさら にう まくいくようにぜひ御支 援をお願いしたいと思
っています。
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関連するのですが 、やは り何をするのにもお 金が かかって、事務所 を維持 する、活動のため の拠
点を維持するだけで も非 常に費用がかかりま す。私どものところは、全相 協の活動と志を同じ くす
る 人 た ち の ボ ラ ン テ ィ ア精 神 で 回 っ て い る と こ ろが 多 々 あ り ま す 。 実 際 、運 営 し て い く た め に は 、
会費だけではとても やれ ませんので、事 業をしな ければいけないので すが 、例えば各自治 体等の入
札があると聞くと、その ために資料を準備し たり 時間をかけてチャレ ンジ している状態です 。そう
しますと、もっ と皆さん の役に立つ仕事をし たい のですが、そう いう仕事 に手が回らなくなっ てし
まう現状があります 。
民間の団体、例えば見守 りを必要とする方たち にそ の人たちの目線に立 って 話もできる能力を持
った相談員がたくさ んい ると思いますので、わか り やすくポイントをお 伝え することができる相談
員たちがそういう場 に速 やかに行って啓発活 動が できるように、そういう 流 れを作っていただきた
いと思います。経営を する ためにさまざまな事 業が 必要にはなるのです が、そ れで時間を取られて、
本来私たちが持って いる 強みがうまく発揮で きて いない点が見受けら れま すので、それは非常に残
念だと思っています 。私 たちは、官と民 がそれぞ れの強みを発揮して 連携 していくことは非常 に大
事だと思っています 。問 題はたくさんあると 思い ますが、ぜひ御 一緒に考 えていく機会をいた だけ
れば大変ありがたい と思 っています。ありが とう ございました。
○樋口委員
ありが とう ございました。
引き続きまして 、日本消費生活アドバイザ ー・コンサルタント・相談員 協会から御説明をお 願い
いたします。
○日本消費生活アド バイ ザー・コンサル タント・相 談員協会有山理事
すご く長い名前なので通常
はNACSと呼んでいた だい ております。
本日は、最近の 活動と いうことと、創立25年以 来の活動に分けて、資料 3でお話しさせてい ただ
きたいと思います。
最近の官民連携の 活動 としては、消費生活サポ ーターの連携推進と地 域へ の消費生活情報伝達仕
組み作りがあります。千 葉県と私どもNACS東 日本 支部が連携して 、消費生 活に関する情報の提 供や
啓発活動を行う消費 生活サポーターが千葉県 内全 域で広く活動し、持続的 な 消費生活情報の発信や
共有等が図られるよ うに なることを視野に 、平成26年に立ち上げました。消 費生活サポーターネ ッ
ト と い う 地 域 の モ デ ル を拡 大 し て 、 サ ポ ー タ ー 間及 び 地 域 の 連 携 や 情 報 共有 な ど を 行 っ て い ま す 。
具体的には、自治 会の定 例会などを活用して 、定 期的、継続的に消 費生活 情報を住民に提供す るこ
となどにより地域に おけ る消費者の自立や消 費者 被害の防止に寄与す ると いう活動です。消費者安
全法の地域の見守りネッ トワークをどういう ふう に広げていこうかと いう 中で、私ども自治体の消
費 生 活 相 談 員 と 、 企 業 の相 談 室 等 に 勤 務 し て い た者 、 リ タ イ ア し た 企 業 の人 た ち 、 主 婦 の 人 た ち 、
いろいろな立場の方 がい ますので、活発に 活動し ていただいておりま す。情報についても、企業的
な発想と、消費 者目線で の相談員の発想を連 携し てやっていきたいと いう ことで、千葉県 で頑張っ
て活動しております 。
も う 一 つ は 消 費 者 問 題推 進 員 育 成 支 援 と い う こと で す 。 港 区 が NACSと 連携 し て 活 動 し て い ま す 。
港区におきましては 、消 費者問題推進員が教 養を 高め、より実践 的に役立 つ知識を獲得するた めの
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学習会の開講、運 営会議 の開催及び消費者問 題普 及啓発活動、出前 講座な どの企画運営を行い 、推
進員を育成すること を目 的とした支援活動を 行っ ています。なお 、推進員 は、港区が開講す る消費
者力検定講座及び教 養講 座に参加した者とい うこ とで、地域の見守りネッ ト ワークの中で協力して
いただけるような 、消費 者情報を啓発してい くよ うな人たちを作るととも に、その人たち が地域に
入っていって、お互い顔 の見える関係で地域 での 活動をしていってい ただ けたらということで 、港
区とも連携して頑張 って 活動しております。
もう一つ、こ れは次回 の会議でも出てくる と思 いますが、特定 適格消費者団体への基金作りとい
うことで、これは まだ準 備ということで、確実に設立していませんが 、そ ういうことで活動し てい
ます。
それから、「家庭向 け電 力自由化なんでも110番」を行います。電 力取引監視等委員会の委任で、
今 度 の 日 曜 日 で す 。 テ レビ で も い ろ ん な と こ ろ で電 力 小 売 り の コ マ ー シ ャル が 出 て き て お り ま す 。
例年なんでも110番は 別の テーマで年1回行っ てい ますけれども、今 回は特 別の「110番 」というこ
とで行っております。電 話番号も入れました ので 、お知りあいで何 かあり ましたら、ぜひ御 連絡し
ていただけたらと思 いま す。
最近の活動の中で は、ここ5年ぐらい 、各大学 からインターンシッ プの 受け入れを依頼され てお
りまして、消費者 団体と しては珍しいと思い なが ら、インターンシ ップを受け付けております 。当
然、日本人の学生さんもい らっしゃるのですが、それ 以外に、留学生も相談室に 見学に来られます。
向学心に燃えた留学 生か ら質問攻めに遭って、と てもおもしろい経験 をい たしております 。樋口先
生の法政大学からも 見学に来ていただいてお りますが、大学生 、大学院生 に向けて、消費者相談は
こういうものですよ という発信になったらい いな と思っています。消費者 目 線についてどこまで御
理解いただけるかわ かり ませんが、企業 に入って いく前段階や、樋口先生 のところの政策立案 に関
しての勉強などにお 役に 立てたらと思いまし て、 学生さん向けてオー プン にしております。
次ページの継続的なも のとしては、「ウイーク エンド・テレホン」とい うことで、毎週日曜日は
本部消費者相談室、土曜 日は西日本支部にて 消費 者相談を受け付けて おり ます。
本 部 に 入 っ た 消 費 者 相談 の 中 か ら 、 特 定 商 取 引法 関 連 ト ラ ブ ル の 裁 判 外紛 争 解 決 と い う こ と で 、
ADRを設けております 。今 日お配りしたのが私 ども のADRの考え方を御説 明した冊子です。
それから、「なんで も110番」では、27年度は「 高 齢者・障がい者消費者 ト ラブルなんでも110番」
ということで、たくさんの御相談を受けてお りま す。件数等につ いて今日 は持ってきていない ので
すが、いろんな 提案をこ れからしていければとい うことで、先ほ ど相談員 協会さんのほうでも資金
が大変というお話は され ておりましたが 、私たち も資金と人材確保に 大変 苦労しております 。消費
者相談員の方が週4 日働 いておりますので、週末ご 協力いただくのも皆 さん くたびれているという
状況でございます 。でも、熱心に自分たちのレ ベル アップとお互いの情 報交 換という意味合いも含
めて頑張って活動し てい ただいております。
そして、消費 者教育で すが、学校への 講師派遣 事業というのは設立 以来25年以上実施しており ま
し て 、 全 国 で 2,000校 を 超 え 、 受 講 者 は 延 べ 30万 人に 到 達 と い う こ と で 、 いろ ん な 分 野 に お い て 活
動しております。
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本日も消費者教育の 冊子 についての御案内の パン フレットもあります が、中 でも小学生向けに作
った、情報化社会 という ことで「ケータイ やスマ ホを安全に使おう」につ いては大変御好評を いた
だいています。有料にも かかわらずたくさん 申し 込みをいただいてお りま す。情報化社会というこ
とで出会い系サイト も含 めていろんな問題点 があ るのですが、どうしても 筋 を考えて皆さんに理解
し て も ら お う と 思 う と 映像 化 と い う こ と が 増 え てお り ま す 。 映 像 で す と 画面 が 暗 く な り ま す の で 、
その中で明るい画面 をと 思って、全部イラ ストで す。皆さんそのイ ラスト を使って、シナリ オにな
っ て い ま す の で ご 自 分 で シ ナ リ オ を 書 き 換 え る こ と も で き る と い う こ と で好 評 を い た だ い て お り
ます。
最近ですが、「特定商 取引法を身近に
法 改正 に向けて」という ことで 、消費者啓発ツー ルとし
てシナリオ集を出し てお りまして 、 こ れ か ら い ろ ん な 方 に 利 用 し て い た だ こ う と 思 っ て お り ま す 。
また、行政、企業、団 体との連携では消費 者視 点を活かした連携と いう ことで、行政への 提言活
動、省庁へのパブリック コメント参加、企業・業 界団体との連携、あと、消費者団体との連携 とい
うことで全国消費者 団体 連絡会に加盟し、適格消 費 者団体の消費者機構 日本 の中で会員の皆さんに
活動していただいて おり ます。
長くなりましたが 、以 上でございます。あ りが とうございます。
○樋口委員
ありが とう ございました。
では、最後に日本 弁護 士連合会から御説明 を15分程度でお願いいた しま す。
○日本弁護士連合会消費者問題対策委員会大迫副委員長
日本弁護士連合会消費者問題対策委員
会の副委員長大迫と 申し ます。隣は副委員 長の中 村でございます。本日、委員長野々山が差し 支え
のため、私どもが代わっ て参りました。
御承知のように 、日本 弁護士連合会は在野 の法 曹の強制加入団体で ござ いますので、唯 一の法曹
の民間団体という位 置づ けでございます。民間団 体 の私ども自身の消費 者問 題の解決のための官民
連携と申しますと 、これ は弁護士会の性質上、人 材を各官の委員会等 に提 供いたしまして、人的資
源 と し て 活 用 し て い た だく と い う よ う な 活 動 が 主な 官 民 連 携 の 中 心 に な ろう か と 思 っ て お り ま す 。
日ごろの活動も、消費者 問題に関しては政策 形成 に向けての意見提言 など 、そういった分 野で官の
活動に影響を与える とい うことでございます ので 、今日は、日弁連自身の 官 民連携の活動というこ
とではなくて、本来 の仕 事に立ち返りまして、意 見の表明をさせてい ただ きたいと思います。
まず、消費者問 題の解 決のために、行政 機関や 消費者団体、弁護 士会な どの民間機関がそれ ぞれ
取り組むだけではな くて 連携が必要だという こと については、私どもも全 く 共通の認識を有してお
ります。
近時、重要な課 題となっ ております高齢者の 消費 者被害の増加、急激に進 む情報化社会の進展 に
おける消費者問題 、また 、これらに対応する消 費者 市民社会形成のため の消 費者教育と適格消費者
団体など消費者団体 の活 動の強化のための官 民連 携、これが差し迫って特 に 必要であるということ
で、その具体化が求 めら れております。
また、その連携 が単な る民営化や、ある いはア ウトソーシング、丸投げ というようなもので はい
けないということは 、平 成27年8月の「 消費者行 政における新たな官 民連 携の在り方に関する 調査
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報告」、これは 報告書と 呼ばせていただきま すが 、ここに指摘され ている通りであります。これに
ついては日弁連も全 く同 じ考え方を持ってい ると ころでございます。
ただ、民間と申し まして も、消費者の場合 は、ど うしても民間の中に 事業 者と消費者、それ ぞれ
の立場の存在を前提 にし ておりますので 、民間と いうときに何を指す のか 、この中で事業 者が消費
者の権利の拡大に強 い拒 否反応を示す例が見 られ るなど、消費者利益の拡 大 とか消費者からの信頼
を得るということが実は事業者の利益に資するものだという認識がまだ十分浸透していないので
はないか、こう いった実 情について日弁連と して は若干懸念しており まし て、官民の連携 というと
きには、民の中同士の 実情 について、これを前提 とし た対応が求められて いる と理解しております。
それから、官民連 携とい うときに、それが 具体的 に何を指すのか、どのよ うな課題解決のため に具
体的にどんな連携を する のかということが非 常に 重要な問題ですので、そ こ は精緻に事細かく検討
していく必要がある と認 識しております。
特に今、差し 迫って官 民連携が必要だと思 われ る分野について申し 上げ ますと、高齢者 問題にお
ける官民連携は喫緊 の課 題であろうと思って おり ます。消費者被害が高齢 者 にシフトしておりまし
て 、 そ の 対 策 が 急 務 で あり 、 か つ 被 害 の 中 身 が 非常 に 犯 罪 的 で あ っ た り 、大 き な も の で あ っ た り 、
高齢者の生活を破壊 する ようなものであると いう 意味で、大変重大な問題 を 含んでいるところで す。
しかも、高齢者 を今まで 支えてきた地域社会 ある いは親族、こう いった見 守りの機能が非常に 弱体
化しているという現 実の 中で、官民連携による新 た な見守り機能の強化 とい うことが必要だと考え
ております。
高齢消費者被害防 止の ための見守りネット ワー クについては、近時、非 常 に意識されてきており
まして、この構 築に向け て各地方団体の中で も動 きがあることはある ので すが、地方の実 情によっ
てはまだまだ不十分 なと ころもたくさんござ いま す。東京とか比較的進ん で いるところもある一方
で、全国各地を 見渡しま すと全くそういった 動き のないところもまだ 多数 見られます。日 弁連は全
国の弁護士会の連合 体で ございますので 、各地の 実情を調査いたしま すと、全くそのよう な動きが
ないというところも まだ まだたくさんあると いう ことを私どもは認識 して おります。
高齢消費者被害防止のための見守りネットワークをどのように作っていくのかということです
が、これは当然、既存の 地域ネットワークの 活用 が欠かせないという こと になるわけです。この地
域ネットワークの中 には 、官によるもの と民間の ものがあるわけです けれ ども、これらが まだばら
ばらに存在していて 、ネ ットワー ク を 担 う べ き 組 織 の 連 携 さ え も 十 分 で は な い と 考 え て お り ま す 。
まず、高齢消費者被害防 止のための見守りネ ット ワーク構築のために は、最初に官の中で官官 連
携が先立ってできる べき ではないかと思われ ると ころがたくさんあり ます。そういった官官連携が
かなりできてきたと ころ で、それぞれの官が持っ て いる民間の組織との つな がりを今度は横に根を
張っていかせるといいま すか、各官が下にぶら下 が っている民間団体と 縦の 結びだけを持っており
ますと、結局 、官のとこ ろだけが連携してい ても、それが民の段階 におり たときには横の連携 がで
きないというような 問題 になりますので、各段階 で の横への連携という こと を意識していく必要が
あるだろうと思いま す。そ ういったことによっ て多 層に結びついたネッ トワ ークができていくこと
が強い地域ネットワ ーク の発展につながって いく と認識しております 。
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このような観点か らは まだまだ不十分な地 域が たくさんございまし て、しかも、官も基 礎自治体
である市町村、東京都の 場合ですと23区があ るわ けですけれども 、こうい った市区町村が重点 的に
施策として実際のネットワークを利用して高齢者を見守っていく分野について責任を持つべきだ
と思いますが、その市区 町村だけでは解決で きな い分野については、広域 自治体である都道府 県に
おいて市区町村の実 効的 なネットワーク作りを行 うのに必要な情報や 資料 を提供したり、あるいは
ガイドラインを提供 する とか、基礎自治 体の施策に対する協力、支援の取 り組みを行うことが 必要
だろうと考えます。
ただ、このネ ットワー ク推進に向けた協議 を実 施するということだ けを 申しましても、結局は行
政内部における縦割 りの 壁の厚さを実感して いる と各地から報告され てい るところです。例えば大
阪弁護士会などでは、官 官 連携をしてもらうべ く弁 護士会から地域見守 りネ ットワークの構築に向
けて地元自治体に呼 びか けを行っているので すが、呼びかけによっての 合同 の会議はできたとして
も、いざ具体的 に連携と か要綱作りというこ とに なると、それぞ れがそれ ぞれの立場を主張し てな
かなかうまくできて いか ない、こういう実 情がご ざいます。そうし ますと 、形だけ合同会議 のよう
なものを作っても少 しも 連携が進んでいかな いと いうことになります ので、これを打破するため に、
どの段階でどのレベ ルで こういった問題を解 決す るような仕組みを作 るの か、これを早急に検討し
ていただきたいと考 えて いるところです 。また、首 長の意識改革という よう なことも必要であろう
と考えております。
高齢者が非常に多 数に なる中で、孤立 化してい るという実態がござ いま す。これは見守 りだけで
足りるのかという問 題も 生まれているところ です。行政のサービス等が 提供 される分野に関しては
一定の基準があって 、例 えば体が動かないと か、そういう人に対して は外 からこういうサービ スを
提供することができ ると いうような基準があ ると しても、そうい う基準に 満たないながらも、もう
少し緩やかにサービ スの 提供を細やかにお願 いし たいという実情があ るわ けです。
例えば認知症とか精 神疾 患を持つ人に対して、そ の 人が預金を自分で下 ろしに行けないというよ
うなことで、日常 的な金 銭管理サービスなど を提 供する自立支援事業が、有料ですけれども 、預金
をおろしてきて本人 に渡 すというようなサー ビス を提供しています。これ が 一定程度広がってくれ
ば、認知症ではな いが、精神疾患とまでは言 えな いが、足腰が悪く て、車 椅子とまでもいかな いの
だけれども、なかなか歩 い ていくのが大変だと いう ような人がこういっ たサ ービスを利用できると
ころまで拡大できる 、そ ういったことが可能 にな っていけば、さ らにその 中での見守り機能が 強化
されていくことにつ なが っていくのではない かと 思っております。
官民連携による高齢者 の日常生活自立支援事業 の充実ということが、結 局 は支援する人によって
見守りの充実につな がっ て、消費者被害を予防す る ことにつながる可能 性が あると理解しておりま
す。
次に、情報化 社会にお ける官民連携のアイ デア としまして、日 弁連のほ うで考えております こと
は、現在のパー ソナルコ ンピューターやスマ ート フォンの普及、インター ネット取引の増加に よっ
て、消費者に情報力向上 の 可能性と消費の利便 性が 与えられていること はも ちろん肯定的に評価で
きるわけですが、一方で 、消費者が急速な 技術発 展についていけず、誤認 を招く広告や情報の存在
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もあって、電子商取引の 相 手の匿名性や容易な 国際 取引などによる消費 者被 害が非常に増加してお
ります。この情報化社会 に おいても官民連携に よる 対応が求められてい ると 日弁連は考えておりま
す。
電子商取引の公正 に向 けては、技術の 発展に伴 いまして、それ に対抗す るだけの技術が必要 にな
ってくるわけですが 、現 在でも消費者庁にお いて 電子商取引監視調査 シス テムを稼働させて 、同庁
が委嘱した電子商取 引表 示調査員がネットパ トロ ールを実施している よう ですが、これが足りてい
るのかどうかという 問題 があろうかと思いま す。
ネット情報が非常に膨大 で、しかもこの 調査員の 方は50名に過ぎないと伺 っておりますので 、実
効性のあるネットパトロールができるためにはまだまだ人的な分野でも足りないのではないかと
いう懸念があります 。こ のためには、民間 による 日常的な情報収集と、こ れが行政へフィード バッ
クされる必要があろ うか と思います。この ような 取り組みは、やは り消費 者団体が行政・事 業者と
消費者の仲介役を果 たす という報告書の考え 方に も沿うことですので 、民 間の専門的な、特殊な能
力だろうと思います が、 こういうものを活用 する 仕組みを考えたほう がよ ろしいかと思います 。
それから、消費 者団体の 中には、ネット 上の広告 に問題意識を持つと ころ も少なくないところ で
ございますが、こういう 適 格消費者団体は景表 法の差し止め請求などを 意識 して情報収集するとこ
ろもございます。した がっ て、一般のネットユー ザー から提供される情報 を消 費者団体が集約して、
これを行政に伝達す るな どの官民連携の手法 も考 えられるところでご ざい ます。
それから、消費 者教育に おける官民連携のア イデ アを申し上げたいと 思い ます。消費者被 害の予
防には消費者教育は不可 欠であるとともに 、さら に被害防止という観 点だ けではなくて、公正な社
会を形成し持続させ るた めにも消費者教育と いう のは大変重要でござ いま す。次世代の消費を担い
ながら国を築いてい く市 民を形成するために 消費 者教育は非常に重要 であ りますし、今も学校教育
の中にもこれが重要 なも のとして位置づけら れて いることは御承知の通り です。消費者教育におけ
る官民連携の本格化 とい うことが求められて きて いるところだろうと 思い ます。
2012年12月に消費者 教育 推進法が施行されま して、各地の消費生活相談 窓口 の量的な拡大が実現
しつつある一方で 、有資 格者の相談窓口配備 や、相談窓口と他の行政 部署 や市民との連携とい った
質的向上が大きな課 題と なっております。その課 題への対応として 、消費 者市民サポーターの、こ
れは仮称でございま すが、各地域での育成とそ の活 動の支援を求める意 見書 というものを公表して
おります。
その内容は、小 中学校の 通学区域といった消 費者 の生活圏内に限定さ れた 地域の中で、当 該市町
村の委託を受けて消 費者 問題に中心的に取り 組む 人材、これが消費者市民 サ ポーターの定義でござ
いますが、消費生 活相談 窓口と連携しつつ 、地域 のさまざまな団体の 橋渡 し役となって、消 費者被
害の予防や被害の掘 り起 こしを行うとともに、み ず から考え行動する消 費者 市民の推進役として活
動する人材を育成す るこ とを実施するよう求 めた ものです。
各市町村は、消費 者市民 サポーターを市町村 内の 各地域に配置し、その活 動を支援すること 、各
都道府県は、消 費者市民 サポーターを育成す ると ともに、消費者 市民サポ ーターの人材情報を 収集
し、市町村に情報 提供を 行うこと、各市町 村及び 各都道府県は、上 記1及 び2を推進し、そ の実施
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状況を把握するため、消費 者教育推進法に基づ く消 費者教育推進地域協 議会 を設置すること、国は、
消費者市民サポータ ーの 推進を図るため 、人材育 成のための研修カリ キュ ラムの整備、研 修費等の
財政援助、簡易 な資格認 定制度の整備等の必 要な 支援を行うこと 、こうい った意見書を出して おり
ます。
それから、官民 連携の前 提として行政間の連 携の 必要があると日弁連 では 考えております 。消費
者教育においては 、高齢 化の問題と同様に 、単に 消費者行政部門と民 間が 連携するという発想 では
不十分であり、行政にお け る消費者行政部門と 教育 委員会等の教育行政 部門 との官官連携が先立っ
て必要である。その上で 民 間における地域ネッ トワ ークの担い手団体と 連携 を図る必要があると考
えております。
消費者教育だけでな く、消費者行政が多様化 し、もはや一つの消費者 行政 部門単独では担い切 れ
ない側面を持つに至 って おりますので、官民連携 の 前提としては官官連 携の 必要性は非常に高まっ
ております。これ は高齢 者のところで申し上 げた通りでございます 。報告 書では、行政内部 の問題
として問題解決のた めの 協力体制を作ること が重 要とされ、縦割りの排除 が 指摘されております が、
現実にそういった組 織を作ろうとするときに は、こ の縦割りが大きな阻 害事 由になっているという
ことがございます。
事業者・事業者団 体との 連携についてです 。報告 書の中では「消費 者啓発 講座を事業者が実施 す
ることに難色を示す 地方 公共団体や学校もあ るよ うである。行政 としては、事業者も消費者に対す
る啓発活動の担い手 とし て受け入れられる環 境作 りに努め」とい うふうに ございますが、この点に
関しましては、事 業者が 行う消費者教育につ いて は、消費者に対す る商品 の宣伝・広告とな ってい
ないか、事業者目線で消 費 者にも一定の責任を 求め ようとしていないか とい った懸念が消費者の側
からは根強くある問 題で ございますので、地方公 共 団体や学校がどのよ うな 理由でそういう難色を
示しているのかにつ いて は丁寧に確認すると とも に、その理由を事業者団 体 側にも伝えて講座の内
容や方法の改善を求 めて いくということも必 要で あると考えておりま す。
事業者・事業者団 体の消 費者教育という場合 には 、教育の担い手と してだ けではなく、自社 の従
業員に対する教育など教育の受け手としても重要であるということは忘れてはならない観点だろ
うと思っております 。
大学教育については 、大 学との連携において も、大学生は消費者であ ると ともに、近い将来 、事
業者として消費者被 害の 加害者側になってし まう 可能性もあり、未来の被 害者・加害者を 生まない
ためにも、社会 に出る前 の消費者教育もまた 重要 であるとしておりま す。事業者として消費者 被害
の加害者側という言 葉に 対して若干のアレル ギー をお持ちになる方も いる かもしれませんが、これ
は、近時 、若年者による 悪 質被害の加害者側に 関与 して最終的には逮捕 とい うようなことに至る例
が散見されますので 、そ ういった場面を想定 して 申し上げているとこ ろで ございます。一 般の大学
生についてはこれで よい としましても、教育学部 な ど教育者の育成部門 では 学生が未来の教育者と
して消費者教育の専 門家 になっていくという 可能 性もありますので、こう い った分野については特
に必要なカリキュラ ムを作るということも必 要だ ろうと考えておりま す。
それから、民間と官との 連 携というときに消費 者団 体への支援というこ とが 大変重要であろうと
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考えております 。差し迫 っては、消費者 団体はこ れからの消費者問題 の取 り組みにとって重要 なわ
けですけれども 、消費者 裁判手続特例法が2016年10月1日から施行され ると ころですが、適 格消費
者団体や特定適格消 費者 団体への支援が不可 欠で あり、急務である と理解 しております。現 在、消
費者庁で支援のあり 方も 検討されているよう です が、まだ十分に実施され て いるとは言えないと考
えております。
当連合会は、2012年8月31日付「集団的消 費者被害 回復に係る訴訟制度 案」に対する意見書など
で繰り返し適格消費 者団 体への支援の必要を 求め ておりますけれども、具 体 的な支援は官民連携の
根幹とも言える問題 と思 っておりますので、それ が 諸外国に比べて大き く遅 れているという実情は
非常に注意を要する とこ ろだと理解しており ます 。
現 在 の 適 格 消 費 者 団 体 は、 会 員 か ら の 会 費 と 運 営に 携 わ る 消 費 生 活 相 談 員、 弁 護 士 、 司 法 書 士 、
学者等の専門家を初 めと する会員のボランテ ィア によって支えられて いる 実情でございます。差し
止 め 請 求 業 務 の み な ら ず、 集 合 訴 訟 制 度 が 導 入 され た 場 合 、 業 務 量 が 格 段に 増 加 す る だ け で な く 、
簡易確定手続のため の通 知・公告費用を 団体が負 担することになるの であ れば、多発する 消費者被
害救済の必要性に十 分応 えるには財政基盤の 充実 が必要であることは 言う までもございません。新
しい集合訴訟制度が消費者被害を生まない社会の形成に寄与する公益性の高い制度であることに
照らせば、担い 手となる 適格消費者団体及び 特定 適格消費者団体に対 して 、相応の財政的 支援を含
む積極的な支援がな され てしかるべきであると考 えております。
以上が本日の日弁連 から の意見でございます 。
○樋口委員
ありが とう ございました。
それでは、御質問、御意 見のある方は御発言 をお 願いいたします。
○大森委員
ACAPさ んに お願いがあるのですが、資料1の3枚目の右 側の 下のところに「 当会の消
費者に向けた啓発活 動に おける行政の連携事 例」という中で、3番 目に「 会員企業の新入社員 向け
の消費者啓発講座へ の協 力」ということ で、これ は 企業の新人研修のと きに 東京都から講師を派遣
してもらって新人研 修の 中で消費者教育を取 り入 れたという事例です ね。こ れはすばらしいこと で、
いろんなところでや って いただけたらいいと 思っ ています。市町 村でも、中 小企業とかは新人研修
のための予算がない ので、消費生活センターの 出前 講座を活用して新人 研修 の中に消費者教育を入
れたりしているとこ ろも あります。とこ ろが、大 企 業になりますと新人 研修 のためのプログラムを
外部委託して、ワンパッ ケージで経理とか英 語と か、何か難しい 本当の勉 強みたいなもので固 めら
れて、なかなか 消費者教 育が入れていない状 況が ありますので、会員企業 は新人研修の中に一こま
は消費者教育を入れ ると いうようなことをぜ ひう たっていただけたら と思 うのです。
企業としても新人を どう いうふうに育てるか とい うのは最大の問題で、せ っ かくいいかなと思っ
て採用した新人がサ ラ金 に追われて仕事どこ ろで はなくなったりとか、ネ ッ トトラブルで企業の信
用を害したりとか 、企業 自身の信用を失墜す るこ とにもなりかねない し、消費者被害を受ける こと
もあれば加害者にも なり得るという企業とし ては非常に大切な部分だ と思 うので、ぜひ入れていた
だきたいと思います 。
新人研修だけではな くて 、管理職研修やリ タイア 前の研修、そうい うとき も、消費者情報と いう
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のは日々変わって、去年 ま で当たり前でやって いた ことが今は社会的な 批判 を受けるというような
状況も間々あるので 、管 理職研修だとかに入 れて いただきたいという こと と、あと、ず っと企業の
中にいるということ は、逆に主婦ほどいろい ろ消 費者トラブルとか 、そう いう経験がない場合 が多
いので、リタイアすると き にたくさんの退職金 を持 って投資とかやって いた 人に電話がかかってき
てという被害も多い ので、そういうポイントポ イン トで消費者教育を上 手に 連携してやっていただ
けたらなと思います 。お 願いです。
○樋口委員
どうぞ 。
○消費者関連専門家 会議 中村理事
ありがと うご ざいます。会員 企業の声 からは、例えば 新入社員
で特に工場などを持 って いるところは東京都 では なくて群馬県だったり地 域のことが多いので、こ
の取り組みは東京都 が先 頭を走ってやってお られ ますけれども、もう少し 横 展で広げていただく と、
会 員 企 業 の 中 で も 今 お っ し ゃ っ て い た だ い た よ う な こ と の PRや 波 及 効 果 が 出 て く る の で は な い か
と思っております。
○樋口委員
どうぞ 。
○大森委員
これは たま たま東京都でしたけ れど も、市町村でも都道府県 で も啓発のための予算は
あ り ま す し 、 今 日 来 ら れて い る 相 談 員 協 会 さ ん とか も い ろ ん な 支 部 で 出 前講 座 も さ れ て い ま す し 、
私 の 所 属 す る NPOも 消 費 者教 育 を や っ て い ま す の で、 相 談 さ れ た ら ど こ で でも で き る と 思 い ま す 。
よろしくお願いしま す。
○消費者関連専門家 会議 中村理事
ありがと うご ざいます。
○樋口委員
よろし いで しょうか。ほかにい かが でしょうか。蟹瀬委 員、お願いします。
○蟹瀬委員
長い間 といいますか、消費 者のため に活動していただいてい て、大変ありが たいと思
います。私自身 は1978年 に立ち上がった日本 ヒー ブ協議会の第14期会 長の 経験がありまして 、その
とき、ACAPさんと国 民生 活センターさんと横 串で 情報交換をたくさん させ ていただきました。
そのときの私の経験 から 見ますと、皆さん20年以 上経っていらっしゃる 団体 ばかりなのですけれ
ども、横串とい う形で情 報をもう少し交換し たり 、あるいは印刷 物の製作 に当たってのことを 一緒
に考えるようなこと が今 後あるのかどうかお 聞き したいのですが 、今、お 聞 きしていますと必ず最
後に財政面というの が入 ってきて、丸投げはだめ と いってもやはり丸投 げさ れたところにお金がど
うしても行ってしま うと いう現状があります 。そ ういう現状を超えて いく ためには、せっ かく消費
者のためにという一 つの キーワードで皆さん が活 動なさっていますの で、消 費者のためにといいな
がら、前を向い て手をつ ないでいる状況では なく て、背中を向けて手をつ ないでいる状況に見 えて
しまう。皆さん はそうで はないのだとおっし ゃる かもしれないけれど も、見えてしまうという 現状
がある中で、やはりそこ を どうしていったらい いの だろうと思いながら今ず っと聞かせていただき
ました。
おのおのの方がすご く一 生懸命正しいことを 消費 者のためにやってく ださ っていますので、それ
に対しては本当に頭 が下 がるのですが、やはりお 金の面ですごく大変 だと 思います。それ を国から
だけとっていくとい うこ とは非常に難しいで しょ うから、何か皆 さんで横 ネットを使って、今見せ
ていただいた印刷物 でも 同じテーマで全然違 う柄で出てくるわけですが、例 えば10なら10の団体が
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一緒になって、持 ち回り で編集責任をとって 、一 緒にお金を出し合っ て同 じものを作っていく 。見
守りにしても何にし てもテーマは一緒ですね。地 域性はあったとして も、その地域性は別とし ても
大きなテーマが一緒 であ るならば、そこ のところ を作っていく。あるいは 今こちらのほうの消 費者
委員会でもそういう もの を印刷して作ってい らっ しゃいますから、そうい う ものが活用できないか
と思います。ヒーブ協 議会 もそうですが、古けれ ば古 いほど横ネットとい うの はすごく作りにくい。
作りにくいがゆえに 財政 が疲弊しているとい うよ うな形がどうしてもあり ます。そこをクリアする
方法はないかなと思 いな がら聞かせていただきま した。
皆さんお一人お一人 にお 聞きしたいのですが 、今 、挙げられた提案ある いは 皆さんの活動の中で
一番大事だと思って いら っしゃることだけ、1グ ル ープで1つずつ挙げてい ただけますでしょう か。
もちろん全部大事な ので すけれども、そ れを言っ ていただけたら 、順位が 決まるというとおか しい
のですが、ここから突 破口が見つかるかもしれ ない ので、1つずつ挙げて いた だければと思います。
○樋口委員
ただい ま蟹 瀬委員から重要だと 思う ことというお話があ りま した。いろいろお立場も
あろうかと思いますが、重要な点、特にこ れだと いうことがございま した ら、お話しいただ ければ
と思います。いかが でし ょうか。
○主婦連合会有田会 長
その質問と関連して です が、私が先ほど報告した 活 動概要でパンフレット
は、NACSさんが作った子ど も服のひものパンフ レッ ト、消費者庁が作ったもの 、経済産業省のもの、
それを活用して 、もちろ ん自分たちの独自の パワ ーポイントを作って学習 会には臨むのですが 、そ
れは印刷しないので す。欲しいといった方に は渡 しています。そう いう活 用はしていますし 、ネッ
トワークも行ってい ます 。2014年度はNACSさんと 一緒に回って、私はワー クショップなどファ シリ
テーターの経験を活 かし 、意見を聞くと いうよう な方法で、主に講師をNACSの方にしていただく と
いうようなことで、 おっ しゃったようなこと は既 に実施しています。
それから、主婦 連合会 も、全国消費者団 体連絡 会の理事として私も 参加 していますので、そうい
うところでいろんな 問題 は共有化しながら情 報発 信などもしています し、先 ほど少し申し上げまし
たように、私は神奈川 県の 消費者団体にも入っ てい て、それから適格消費 者団 体にも入っています。
つまり、私は主 婦連とし て出てきていますけ れど も、地域やいろ んなとこ ろで網の目のように つな
がっているわけです 。例 えば高齢者の見守り につ いて私は書いていま せん が、私が所属し ている生
活 協 同 組 合 は 見 守 り の こと も や っ て い ま す し 、 「ち ょ ボ ラ 」 と い っ て ち ょっ と し た ボ ラ ン テ ィ ア 、
お買い物とか、そういう こともかかわってい ます 。それぞれの団 体がその 団体の立場で出てき て活
動報告していますが、実 は ほかのところでは地 域の 中でもいろんな活動 をし ているということで す。
先ほども弁護士連 合会 からも出された事業 者を 講師にといったとき に、主 婦連合会では事業者か
らこういう学習会を 一緒 にやっていただけな いか と申し入れがあった とき には、資料については意
見を申し上げていま す。こういうことは事業者の 宣伝になるのでやめ てほ しい、こういう ことを伝
えるのだったら一緒 にや りましょう、そうい う連 携も含めて既に行っ てい ます。
質問に直接答える形 にな っていなくて申しわ けな いのですが、最 後に申し 上げますが、例 えば海
外調査は、韓国 、マレー シアの調査のときは 、韓 国の消費者団体から 実は 一緒にやりませんか と言
って来ました。韓 国政府 、国から出ている お金で 調査を行なう。契 約書を 交わしたときにはこ の金
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額であれば何とかで きる と思ったのですけれ ども 、レートが変わり ますね 。結局、私、ポケットマ
ネーを出さないと足 りま せんでした。韓 国だけで なくEUなどでも海外 の消 費者団体は、政 府から資
金が出ています。そう いう 状況でいくとお金が 欲し いというよりも、必要 経費 として海外は国から、
管理はされないけれ ども 、お金は出して もらって います。活発に やってく ださいという状況も ある
のですが、日本は欲しが る ばかりというふうに 思わ れているのがちょっ と残 念だなと思っていま す。
お金がかからない連 携、そういうことで言い ます と、やはり事業者 、行政 も含めていろいろな 情報
発信が一番大事だと 思っ ています。
以上です。
○樋口委員
ありが とう ございました。ACAPさん 。
○消費者関連専門家 会議 長谷川専務理事
そ れで は、ACAPのほうから専務 理 事の長谷川でございま
す。
先ほどの蟹瀬委員 の御 意見なのですが 、横の連 携というのは確かに 必要 なのですけれども 、やは
り各組織・団体と いうの はそれなりのミッシ ョン もあり、機能も違 うので 、そういう機能を 総合的
にいかに有効に発揮 でき るかという視点での 取り 組みが必要なのではない かと思っております。そ
ういう意味では、横の連 携という表現なので しょ うけれども、み んなで一 緒に同じようなこと をや
るというよりは、同じ目 標に対してそれぞれ の役 割を十分に認識しな がら 、自分たちのミ ッション
をしっかりと仕上げ てい くことの結果として 目標 の達成があるのでは ない か、そういうスタイルの
連携なり考え方を強 化し ていくべきではない かと 思っています。報告書に あります通り、各組織層
のプラットホーム的 な協 議体とかがあります が、こういう場での情報 交換 なり共有なり、あるいは
役割分担の確認、そうい う 活動はもっともっと 活発 化されてもいいので はな いかと思っておりま す。
ACAPとしての最大 のミ ッションというのは 、や はり消費者志向の取 り組 み、経営を実践していく
ことだと思っており まし て、もちろん、それだけ で 健全な消費社会がで きる わけではないのです が、
企業がそのような責 任を 果たさない限りはな し得 ないわけなので、少なく と もその分についてはき
ちっと責任をとれる よう な取り組みを、従来もや ってきておりますが 、消 費者基本計画の中で もう
たわれていましたの で、し っかり自覚しながら 取り 組んでいくのがこれ から 大事ではないかと思っ
ています。もち ろん、ほ か の団体とのいろんな 情報 交換なり連携につい ては 前向きに考えていきた
いと思っております 。
○樋口委員
ありが とう ございました。では、相 談員協会さん、お願 いし ます。
○ 全 国 消 費 生 活 相 談 員 協会 柳 川 常 務 理 事
私 ど もは 消 費 生 活 相 談 員 を 主 たる と す る 団 体 で す の で 、
消費生活相談の最前 線に いる者たちだと思っ てい ます。最前線にいます ので、生身の相談者であり、
消費者であり、生 活者で ある、その方たち の実態 がわかるということ では ないかと思います 。その
実 態 を 踏 ま え て 相 談 処 理を し た り 、 啓 発 活 動 を した り 、 情 報 発 信 を し た り、 ま た 、 相 談 者 で あ り 、
消費者であり、生活者で ある方たちの目線に 合わ せてさまざまな情報 提供 をしていける。多分これ
が一番大事ではない か、 そこからいろんな事 業が 始まるのではないか と思 っております。
○樋口委員
ありが とう ございます。NACSさ ん。
○日本消費生活アド バイ ザー・コンサル タント・相 談員協会有山理事
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私ど もは長年いろんな活動
を し て お り ま し て 、 先 ほど も 申 し 上 げ た よ う に 、企 業 を リ タ イ ア し た 者 とか 人 材 は 豊 富 で す 。 今 、
重点的に考えている のは 最近の活動というこ とで 、福祉の関係の方 、民生 委員の方、そうい う方た
ち と 連 携 し て 、 消 費 者 情報 に 明 る い 地 域 住 民 を 育成 し 、 そ れ を 広 げ て い く。 私 た ち NACSと し て は 、
全国消団連、COJ、そうい うところにも入って 活動 しています。COJには弁護 士さんや司法書士さ ん
などもいらっしゃい ます ので、できるだけネット ワ ークを多層的に持っ て複 合的に連携を結んでい
きたいと思っていま す。まだ地域の見守りに つい ては福祉のほうが先 行し ておりますので 、そこの
中に消費者情報を持 った 養成された人たちに 入っ ていただき、日常の信頼 関 係を結ぶということが
重要ではないかと思 って います。今この2つ の試 みをNACSは充実して いき たいと思っています 。
まだ種をまいた状 態で 、これからどう いうふう に発展していくかと いう のは、この2つ の活動を
通して見守っていき たい と考えております。先ほ ど 申しあげたようにミ ッシ ョンを持ったいろんな
団体が緩やかに結合 でき て、顔が見える関係を結 ぶ ことが地域の安全を 守る ことだと考えておりま
す。
○樋口委員
ありが とう ございました。日弁 連さ ん、お願いします。
○日本弁護士連合会 消費 者問題対策委員会大 迫副 委員長
私どもは今 日の 意見交換会の中で、これ
は「消費者団体ほ か関係 団体」という題に なって おりますが、消費 者団体 ではないので関係団 体と
いうことだろうと思 いま す。
私のほうから見ま して、各消費者団体が背中 を向 け合っていると感じ たこ とは一度もございませ
ん。いつも消費者 問題、さまざまな問題があ ると きにはそれぞれにお 声が けをして、日弁連 と一緒
に活動していただく こと をお願いすることも 非常 に多いですし、それに対 し てお断りされたことも
ございませんので 、いつ も一緒にそれぞれの 団体 がそれぞれのお立場 で御 参加いただいて 、日弁連
と一緒にやっていた だい ていると理解してお りま す。今日御出席の各団体 に ついて横の連携はかな
り十分にできている ので はないかと理解して おり ます。
財 政 が 厳 し い の は 、 たく さ ん あ る か ら 、 小 分 けに な っ て い る か ら と い うよ う な こ と で は な く て 、
やはり日本のこうい った 団体がすべて共通に 持っ ている問題としては、恐 ら く高齢化の問題である
とか、若年者の 組織化を どう図ったらいいの か、若年者に対して組織 の情 報をどういうふうに 伝達
していったらいいの か、そ ういった部分につい て十 分な解決策をどの団 体も 持ち得ていないという
問題だと思います。
印刷物等の繰り回し とい うようなことはそう 難し い問題ではなくて、やろ う と思ってやっている
部分もあるというこ とで すので、それは それほど 大きな問題ではなく て、むしろ団体の組織化 とい
うことが、我が 国全体が 持っている問題とし てか なり重要な部分にな って いるのではないか。新人
の組織化が図れない とし たら資金をどこから 提供 するべきなのか、もちろ ん 公的資金には使い道に
ついて非常に厳格な 取り 決めがございますの で、 それを逸脱すること はで きません。
例えば、私にとっ ても非 常に昔のことで、聞いて いる範囲ではござい ます けれども、主婦連 など
が大きな力を発揮し た時 代、これは東京都との関 係 というのが非常に大 きか ったと聞いておりま す。
東 京 都 が そ う い う 団 体 の育 成 に 非 常 に 力 を 注 い だと い う こ と が あ っ て 主 婦連 が 飛 躍 的 に 発 展 し て 、
子供心に、しゃ もじのデ モというような象徴 的な 活動があったわけで すけ れども、あれも一主婦た
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ちが一人一人集まっ てで きたというような 、そん な純朴な話ではなく て、ちゃんと組織として 立ち
上げるべくして立ち 上が ったということがあ って、それに対する公的な 資金 の一定の援助があって
の成果だと理解して おり ます。
そうしますと、団体の自 助 努力でそれぞれの財 布を一つにしたらいいの では ないかというような
ことでは解決できな いよ うな問題が既にあっ て、我 々が今の法制度を変 える のか変えないのかとい
うことも含めて、どう打 開 していくのかを真剣 に考 えなくてはいけない とき なのではないかと理解
しているところです 。
今日の課題の中から 1つ 選べということです けれ ども、私どもとしては選 ん で3つ持ってきたつ
もりですので、このうち の1つというのは大 変厳 しい問題でございま す。読んでいただければ おわ
かりのように、ま ず、高 齢者の問題は大変喫 緊の 問題でございます 。これ は現に重大な被害が 日々
発生している問題で すの で、これを何とかしなけ れ ばならないというの は日 本中が共通に持ってい
る考えだと思います 。こ の問題に取り組む一 方で 、次の世代が被 害に遭っ ているネットの問題 をど
う す る の か 、 こ れ を 後 回し に す る と こ の 世 代 が 置い て き ぼ り に な っ て 、 その ま ま 高 齢 者 に な っ て 、
また今度はネットで 高齢 者が被害に遭うよう な事 態になってしまうだ ろう ということです。
さらに、この国 で発生し ている陰の部分とし まし て、高齢者を食 い物にす る若年者の存在をど う
するのか、これは 高齢者 被害の実は陰の部分 でご ざいます。誰がこ れをや っているかといえば 、我
が国の若年世代に集 中し ている。これは 教育を抜 きにして解決できな い問 題ですので、こ れも喫緊
に取り組まなければ いけない。小学生のところか ら 加害者にならない教 育と いうことは絶対に必要
であろうと思います。加 害者にならなければ いい という問題ではなく て、賢い消費者として我 が国
を健全に築いていく、次世 代の国民を作ってい くと いう意味でも、消費者 教育 は非常に重要ですし、
すぐ取り組むべき問 題だ と思っておりますの で、こ のうちの1つを選べ とい うのはなかなか難しい
問題だろうと思って おり ます。
○蟹瀬委員
テーマ を選 べという話ではなか った ので、テーマは 全部皆さ んと共有しています 。済
みません。私の話 を皆さ ん誤解されたかもし れま せんが、ここは交換の場 であって、日ごろ 皆様が
交換できない情報を、例 えば私たちはこうい うの に強いとか、あ あいうの に強いというお話を 具体
的にするのは現実に は余 りないでしょうから 、こ こで一回この場で出 して いただいて、そ してお互
いに認識していただ いた ら、私たちが一緒に何か や らせていただくこと があ るかなと思ってお話を
伺いました。
今お話を伺ってよく わか ったのは、ACAPさんが言 われたように、役割分担 が非常に明確になっ て
いる。その中で 、一緒に 教育をしていきまし ょう とか、そういうこ とに今 からもっと強くなっ てい
くのだろうとお聞き して思いました。
テーマについては 、高齢 者も若者に関しても 非常 に大きな問題になっ てい ますので、それ は問題
としてちゃんと取り 上げ ていこうということ だと 思うのです。
私が最初に聞いた、背中 合わせになっていま せん かというのは、こ れは印 象です。ボランテ ィア
をなさっている世界の中 で、こちらのボランティ アとこちらのボランテ ィア は同じことをやってい
らっしゃるのだった ら、手をつなげばもうち ょっ と大きな運動として 政府 を動かせたり、官官を動
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かせたりするのにと 思う ことが多々あるので す。 多々あることが自分 の実 感としてあります。
大迫さんが言われた 官官 連携というのはすご く大 事で、その話もここの中 で 話題になっています。
取り上げられていま す。
それから、民民 連携とい うこともすごく大事 です 。官からおりて いったと きに民民連携の中に ど
うやって情報が出て いく かということもすご く大 事な時代になってき てい ます。ネットでも何でも
流れていく時代にな りま したので、そういうこと が ちょっと速度を持っ てな されると私たちも皆さ
んの意見を吸い上げ て一 緒に動きやすいとい うこ とがあってお聞きし まし た。大変勉強になりまし
た。ありがとうござ いま した。
○主婦連合会有田会 長
○樋口委員
追加でよろしいでし ょう か。
どうぞ 。
○主婦連合会有田会 長
高齢者の問題でいい ます と、先ほど網の 目のよう にと言ったのですが 、実
は相談室に、高齢 者の施 設に入りたいけれど も、契約は大丈夫だろう かと いう質問も来ます 。その
と き に は 、 私 が 知 っ て いる そ う い う 施 設 で あ る とか 、 実 際 に 地 域 の NPO法 人で 介 護 事 業 を 行 な っ て
いるところに相談を お願 いしたりします 。それが 十分だという意味で はな いのですけれども 、弱い
部分は専門性の高い とこ ろとつながっていま す。先週の日曜日も、神奈川 県内だけですが、そうい
う方たちのフォーラ ムが ありました。そ こで、例 え ば主婦連合会の運動 の紹 介をすることで今の問
題点を情報共有して、そ の 方たちが訪問して介 護す るときに何かちょっ とお 話をするときの話題提
供もしております 。もう 一度申し上げますと 、こ れが十分だというこ とで はなくて、ペーパ ー上で
は見えてこないこと もた くさんありますとい うこ とで、つけ加えさせ てい ただきます。
○樋口委員
ありが とう ございました。ほか にい かがでしょうか。お 願い します。
○大森委員
主婦連 合会 様にお聞きします 。若者 というか、企業の 新入社 員研修と同じように 、子
育て世代の主婦に対 する 啓発というのが今と ても 大切と思っています 。活 動の御報告を聞くと 、子
供服の安全だとか 、おも ちゃの安全だとか 、まさ に子育て世代の主婦 にと って必要な情報を調 査研
究されていると思う ので すが、これを使って子育 て 世代のお母さん方に 啓発 とかが進んでいるのか
どうか、その辺をお 聞か せください。
○主婦連合会有田会 長
進んでいるかといえ ば十 分とは言えませんけ れど も、九州や 、神奈川県な
どで、まだ幼稚園にも行 か ないというような親 子が 集まってサークルみ たい なものを作っていると
ころがあります。そうい うところで、幼児用玩具 、幼児用パーソナ ルケア 用品の試買調査につ いて
お伝えして、た だ単に危 ないというのではな く、表示を見ながらどう いう 基準で選ぶかという よう
な学習会の講師も行 って います。
○樋口委員
よろし いで すか。
○大森委員
はい。
○樋口委員
ほかに いか がでしょうか。お願 いし ます。
○長田委員
ありが とう ございます。今 日お話し いただいた中で 、全相協 さんと日弁連さんが 官官
連携のことをおっし ゃっ たと思いますが、多分ほ か の方々も同意をなさ る重 要な課題かと私も聞い
ていて思いました 。特に 私どもみたいな団体 は地 域にあるので、地域にあ る組織にそれぞれの 縦の
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ラインからいろんな もの が要求されてくると いう のが実態です。そこはも う ちょっと出してくる前
に連携したらどうか と思 うようなことがいっ ぱい あると思うのです。
もう一つは、今 、消費庁 を中心に国として消 費者 行政を横串で、消 費者庁 の司令塔機能というこ
とで、そこはま とまって こういう施策を取ると決 まったとしても 、それが 自治体におりるとま た縦
割りに戻ってしまうとこ ろがあるのではない かという懸念があります が、何 か活動の中で思ってい
らっしゃることがあ った ら教えていただきた いと 思います。
○樋口委員
いかが でし ょうか。どなたから でも 結構ですが、お願い しま す。
○主婦連合会有田会 長
まさにおっしゃる通 りで、県や市それぞれ特色 があ って一様ではないので
すけれども、例 えば東京 都さんが行なってい るこ とを見ながら、神奈川県 はそれを参考にして 県の
方針などを決めたり もし ます。そこをうま く活用 してくださいと言う ので すけれども、ただ 、通り
一遍でこういう情報が流 れたからお知らせし ます とかいうような形で、う ま く活性化されていない
かなと思いながら、私 たち も一応意見は出して いま す。主婦連というより 県民 としての意見ですが、
そういうことは本当 にお っしゃる通りです。
○樋口委員
よろし くお 願いします。
○消費者関連専門家 会議 長谷川専務理事
官 官連 携というよりは効率 性み たいなところで、例えば
消費者教育のことを 見て みますと、もち ろん消費 者庁が音頭をとりま す。文部科学省も学校教 育と
いうことで関連しま す。経済産業省も最近ACAPの ほうに、小学生 向けの安 全教育をやるので仲 介み
たいなものはできな いか みたいな話があって 、そ れぞれ取り組みがあ りま す。それはそれ でいいの
ですが、市など の消費生 活審議会に行きます と、そういう各中央行政 の政 策の受け手は一つに なっ
てしまうのです 。時間的 にも労力的にも非常 に大 変だという状況があ って 、かなりバックアップす
るということもあり まし て、それが大問 題という ことではないのです が、そういうのをもう少 し整
理するようなスマー トな 発想もあっていいの かな というのが一つです 。
それから、消 費者教育 推進法が施行された とき に、学校と地域社会と職 域という大きな分野 が設
定されていますね 。職域 については、これ は我々 企業としての責任も あり ますので、先ほど 大森委
員の話もあった通り、い わ ゆる企業の取り組み の中 に消費者教育をいか に入 れるかということはや
らなくてはいけない わけ です。同じように 、学校 はどこがやるのか 、地域 社会はどこがやるの かと
いうことも、そ ういうこ とをやるのであれば 責任 主体を明確にして 、その 責任主体は必死にな って
やるぐらいのメカニズムがないとこういう行政というのはなかなか進まないのではないかと思っ
ています。そのあ たりを、プラットホーム でもい いのですけれども 、逃げ 場のないところでし っか
り論議するような取 り組 みがあっていいので はな いかという感想を持 って います。
○樋口委員
よろし いで すか。お願いします 。
○日本弁護士連合会 消費 者問題対策委員会大 迫副 委員長
実はこの問 題に つきまして、近ごろの問
題といたしまして 、廃棄 食品の話が出ており ます けれども、これ について 消費者庁のほうでど のよ
うに取り組んでおら れま すかということを日 弁連 のほうからお尋ねし まし たときに、消費者庁のほ
うでは、既にこのように 横 串を通す役割として 各省 庁にいろいろと指示 を出 していますという御回
答をいただいたので す。その御回答の結果を 見ま すと、今度は各 省庁がそ れぞれ下部の地方におろ
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していくわけですけ れど も、そのときに はもう既 に縦串になってしま って いて、各省庁は 横につな
がったとしても、その 下が それぞれくしの歯の よう に縦に真っすぐ下り てい るだけですので、結局、
地方に行ったときに は横 の連携は全くない状 態の まま、この問題が対応さ れ るのだろうということ
が問題意識としてわ かっ てきたわけなのです 。
やはり消費者庁がや るべ き消費者地方行政、自分 た ちが中央省庁にあっ て中 央省庁の横串を通す
という役割を果たす ことは重要なことなので すが、地方行政の中でもそ うい う役割を担うところを
持って、消費者庁 の支所 でしょうか、消費 者庁の 何か下部組織でしょ うか 、そういったとこ ろが各
地方団体の中にあっ て、そこで司令塔機能を 発揮 するようなものを構 築し ないと、上だけ 司令塔に
なってもだめなので はな いかということを日 弁連 で議論しております。そ う いった政策提言も今後
考えていくべきなの では ないかと思っており ます 。
現在、消費者庁 を徳島県 に移すというお話が あり ますけれども、確かに地 方に消費者庁の政策 が
十分行き渡るように して いくということは非 常に 重要だと思いますが、そ れ は一徳島県の話ではな
く て 、 各 都 道 府 県 全 体 に対 し て 消 費 者 庁 の 支 所 とい う か 、 何 と い う 言 葉 かわ か り ま せ ん け れ ど も 、
司令塔機能を受けて、そ こでさらに司令塔機 能を 発揮するような部署 を設 置する。むしろ 徳島移転
ではなくて、徳島 支所設 置、香川支所設置 、そこ が小さ過ぎるとした ら四 国支所設置でもいい です
けれども、そういった地 方 への消費者行政の展 開と いうようなものとし て今 回の徳島移転というも
のも一つ考えてみる 必要 があるのではないか。こ れ も日弁連の政策提言 の中 で今後できるかどう か、
意見交換していかな けれ ばいけない問題では ない かと考えているとこ ろで す。中央に司令塔として
の消費者庁を置くと いう ことが我々の重大な テー ゼだとしましても、それ を 実際に機能させるため
には、もっと地方へ消費 者 行政が行き渡る仕組 みを 今この機に作らなけ れば いけないのではないか
と私ども今感じてい ると ころです。これは 官官連 携との兼ね合いでも 、今 後我々が、もしか したら
内閣府消費者委員会 も意 見をまとめられるよ うな 大きな課題なのでは ない かと思っております 。
○樋口委員
ありが とう ございました。どう ぞ。
○日本弁護士連合会 消費 者問題対策委員会中 村副 委員長
日弁連の中 村で す。
今の長田委員からの 御指 摘はまさにそうだな と思 っています。個人の体験 に 基づくお話なのです
が、東京に3つ ある弁護 士会で23区を回って、高 齢者の見守りネット ワー クについて何か一緒 に取
り組んでいきません かと いう試みを去年ぐら いか らやっています。私は東 京 都の大田区の担当をし
て、ほかの弁護士 がほか の区を担当してやっ たの です。要するに 、お手紙 を出して、高齢者 に関す
る福祉部門と消費者 の部 門の人に会ってお話 をさ せてくださいという こと で行ったのですが、これ
は余りうまくいきま せん でした。
一つは、おっし ゃられた ように、区役所 の中で福 祉部門と消費者部門 とい うのが余りうまく連 携
ができていなくて 、どち らかが消極的であれ ばそ の企画はポシャると いう 感じで、お話し に行った
後に3カ月ぐらい経 ってから、あのお話はどうです かと言ったら、いや、結構 ですみたいな感じで、
連携していくという動き にどの区も共通して うま くはなかなかいかな い、非 常に難しい問題なのだ
と思いました。
これを打破するため にど うするかというのは 難し い問題ですけれども、消 費 者安全法とか消費者
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教育推進法などで地域に協議会を作ってやっていきなさいというのがもっともっと強く進んでい
くと、場合によ っては連 携せざるを得ないと いう ことになるのではな いか と思います。も う法律は
あるわけですから 、それ をどう進めていくの かと いうことですけれど も、官官連携を進めてい くに
は官の上からの力が かな り必要なのではない かと 思いました。それがいい こ とかどうかわかりませ
んけれども、それは 手っ 取り早いやり方なの だろ うと、そのとき私の 体験 では思いました。
○樋口委員
ありが とう ございました。よろ しい ですか。ほかにいか がで しょうか。
○全国消費生活相談 員協 会阿部常務理事
今 、中 村弁護士の意見を受 けて 、私は全相協で すけれど
も、現場で新宿の 消費生 活センターに勤めて おり ます。地域協議会 は、笛 吹けど踊ったのがう ちと
どこかだけだったの では ないですかね。それで協 議会ができました 。その 協議会に私ども相談 員も
入って、地域のいろ んな 住民も入って、活動 を始 めてまだ2回ぐらい です 。
もちろん官の強い力 で下 にという状況はよく わか るのですが、私 たちが今 やっているのは、消費
生活センターのマン パワ ーの問題がすごくあ ると 思うのですけれども、そ れ こそ高齢者相談センタ
ーとか地域の社会福 祉協 議会の人たちと連携 して 、高齢者の自宅 に直接出 向きます。その 現実を知
ってもらって、高 齢者福 祉のところとか、そうい う方たちと話し合い をし て、これをどう解 決して
いくかというところ まで やっています。消費生活 センターが下という 言い 方は変ですけれども 、そ
ういう働きかけを上 にし ていくという力も非 常に 大事ではないかと思 って おります。本当に残念な
ことに、地域協議 会とい うのは少なかったの です 。さっき先生がお っしゃ ったように、なか なか反
応が鈍い。それはなぜか と いうことをもっとし っか りとやっていかない と絵 に描いた餅になってし
まうのではないかと 思っ て、私どもは非常に 危惧 しております。
高齢者の見守りに関 して 現場を見ると、そ の悲惨 さというか、絶句 します 。認知症の方の被 害の
状況を見ると、こんな言 い方をしては失礼な ので すが、家の中に 汚れがひ どくて入れないよう な状
況です。そこでも 民生委 員の皆さんとか見守 りを している。皆さん 声高に おっしゃって、お 題目の
ように言っていらっ しゃ いますけれども 、個人の プライバシー場の問 題と か、そういうこ とがあっ
て現場に踏み込めな いと いう現状があるので すが 、見守りの方に 何度か行 っていただいて 、心を開
い て い た だ い て 、 い ろ んな 通 報 を い た だ い て 、 消費 生 活 相 談 員 が 現 場 に 出向 い て い る と い う 現 実 、
私どもはこれを広げ てい く。ただ、非常 にマンパ ワーが要ります。相談員 が不足しています 。でき
る地域というのは本 当に 限られている。それをど う にか広げていってい ただ ければありがたいと現
場の相談員としては 非常 に思います。
以上です。
○樋口委員
ありが とう ございます。
○日本消費生活アド バイ ザー・コンサルタ ント・相談員協会有山理事
新 宿区と同じように 、私が
勤務している下町地 区で 、生活保護課 、高齢福祉 課、地域包括の方 たちと 連携をとって活動し てい
ます。高齢者の 方たちが ここにいるのかとい うよ うなところにおいて も、高齢者の財産を狙っ てい
るという勧誘者がい る。そういう実態を見ま すと 、この先、どう したらい いのかと心配です 。地域
包括支援センターの 方た ちに動いていただく とい う状況もあります 。最近 、都のセンターから私ど
もの地域包括支援セ ンタ ーに「高齢者が 被害に遭 っているので調査に 行っ てください」と いうよう
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な要請をいただきま した 。地域包括支援 センター のケアマネとしては 、東 京都のセンターとは いい
な が ら も 、 顔 を 知 ら な い消 費 生 活 相 談 員 か ら 電 話一 本 で 高 齢 者 宅 の 契 約 書を 持 っ て き て く だ さ い 、
調査してくださいと 言わ れると信頼関係もな いの で、非常に動きづらいと い うようなお話もありま
した。
都の相談員の方から「私ども地区の相談員が高齢者宅に行くことを了解いただいているのです
か」というお話を すると 、その了解はまだ とって いない、高齢者の 言って いることがわからな いの
で実際に契約書等を 調べ てきてほしいという 要請 でした。都の相談員さん の 気持ちはとてもよくわ
かるのですが、日常的に 人間関係ができてい ない 地域包括支援センタ ーの 人が、救済しな くてはい
けない、高齢者 をお助け したいからといって 訪問 を要請されても 、高齢者 の方はドアを開けてくれ
ない。私たちは 、ドアを開けてもらうために は何 度となく電話をして 、ご 相談者の言い分を繰 り返
し聞いて、人間 関係を作 ってからでないと当 然踏 み込めません。そういう 顔の見える関係が日 常的
にできているという こと が重要ですし、行政同士 と私どもの連携 、官官の 連携ということも非 常に
重要ですが、そ ういう目 的のかたい会議では なく 事例研究みたいな形 で、こんな場合どうしま しょ
うかという話が気軽 にで きるといいのかなと 思い ます。ケアマネの方もヘ ル パーの方も大変忙しい
ので、自分たち はやはり 命を守るために活動 して いるということで 、財産 被害はその後だとい う思
いは多分おありにな るの ではないかと思うの です。それをどうやって克 服し ていくかというのが私
どもの今後の課題か と思 っております。
○樋口委員
ありが とう ございました。何か いか がでしょうか。
それでは、非常に残念で すが、予定の時間になりま したので、これでまとめに したいと思います。
≪3.閉会≫
○樋口委員
今、各団体 の方から非常に重要 な問 題提起をいただきま した 。その中で、多く議論に
なったところでは 、連携 の具体的な中身に加 えて、官民連携という テーマ なのですけれども 、実際
には官官連携の問題 もあ るし、民民連携について の議論もあり得ると いう 指摘がありました。民と
いうのは、事業 者の方と 消費者団体の方 、そうい う間の連携もいろい ろ議 論があり得るという こと
なので、もう少し きめ細 かく私どもとしても 考え ていかなければいけ ない 。また、最後に 、阿部理
事と有山理事からは高齢 者の見守りの現場で のお 話をいただきました 。
私もちょっと個人的 に感 想を言いますと 、確かに 官官の問題とか官民 の問 題もあるのですが 、例
えば私は長野にずっ とお りましたけれども、長野 の 場合も最後は市町村 にな りますと担当は全部一
つなのです。頑張 ってい る方は特定されてし まう のです。ですから 、都会 とか大きなところで のい
ろいろな役割分担の 問題 と、全国の中山 間地とか 、そういうところでの 問題 解決の仕方の違いの問
題もあるのではない かと 思います。それか ら、最 後にお二人からお話 があ りましたように、現場で
実際に活動しておら れる 方をどういうふうに 応援 していくのか、そういっ た 問題もあるのではない
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かと思います。そういう意 味で、今日、委員会のほう に大変大きな課題を いた だいたということで 、
私どももこれから勉 強を 続けていきたいと考 えて おります。非常 に残念で すが、時間にな りました
ので、後はまた個別 にい ろいろ御指導いただ けれ ばと思います。
皆様におかれまして は、お忙しい中、御出 席いた だき、貴重な御意 見を本 当にありがとうござ い
ました。本日いた だきま した御意見、御要 望につ きましては、今後 の消費 者委員会活動の参考 にさ
せていただきたいと 思っ ております。
それでは、本日は これに て閉会とさせていた だき ます。お忙しいと ころ、お集まりいただきま し
て、まことにありが とう ございました。
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