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生活者から見たエネルギー問題(PDF形式:735KB)
1. 2. 3. 4. 5. 6. まずは省エネ 構造変化には時間がかかる エネルギー需要データの整備を 分かりやすい省エネ情報の提供を エネルギー供給事業者への期待 省エネでアジア・世界に貢献 1 再生可能 エネルギー 原子力 化石燃料 省エネルギー 省エネルギー 省エネ型・節電型需要構造の実現 化石燃料 再生可能 エネルギー 原子力 最適な供給構造の実現 2 脱石油(「ベストミックス」)の実現には約 年を要した。 発電電力量構成比の推移(一般電気事業用) 出所: 実績;エネルギー白書2010、電気事業連合会資料 2030年;長期エネルギー需給見通し(再計算)最大導入ケース 3 家庭のエネルギー消費は全体としては伸びが止まり、減少傾向も認められるものの 家電機器の普及率の向上、高機能化、大型化等を背景に照明・家電・他用の電力消 費量は依然、伸び続けている。 LPG 合計 灯油 20 40 20 40 15 30 15 30 10 20 10 20 5 10 5 10 0 1970 0 1980 1990 2000 2010 、 、 、 [GJ/(世帯・ 年)] 50 [GJ/ ( 世 帯 ・ 年 ) ] 25 暖房 厨房 25 冷房 照明・家電・他 給湯 合計 50 0 1970 [GJ/(世帯 ・年)] 都市ガス その他 、 、 、 、 、 [GJ/( 世 帯 ・ 年 ) ] 、 電気 石炭 0 1980 エネルギー種別 1990 2000 2010 用途別 出所:住環境計画研究所「家庭用エネルギー統計年報」2009年版 4 高効率給湯器や省エネ家電の普及促進、住宅の断熱化規制等を実施すればエネルギー 消費量は下がる見通しだが、電気は当面伸びる見通し( 年調査時点)。 エネルギー消費量の推移 エネルギー消費指数( 出所: 水谷、中上ほか5名「2015 年のライフスタイルと家庭用エネルギー消費に関する調査(第 2 報) シナリオを用いた将来予測結果」空気調和・衛生工学会大会学術講演論文集(2008年8月) ) 5 欧米諸国や韓国では、全館暖房が一般的であり、家庭用エネルギー消費に占める暖房 の割合が大きい。日本は快適な暖房水準に至る前に省エネが求められる状況にある。 暖房 給湯 調理 冷房 照明・家電 照明・家電・その他 99 アメリカ(2005) 75 イギリス(2007) 64 フランス(2007) 61 ドイツ(2007) 53 韓国(2008) 44 日本(2008) 0 20 40 60 80 100 120 世帯当たりエネルギー消費量(GJ/世帯・年) ※出典:住環境計画研究所(各国の統計データに基き作成)・2010年9月 ※注:括弧内は、各国の最新データ年である。 アメリカの調理は、照明・家電・その他に含まれる。 日本は、単身世帯を除く二人以上の世帯。日本の調理は暖房給湯以外ガス・LPG分であり、調理用電力は含まない。 欧州諸国の冷房データは含まれていない。 6 震災以降、節電対策に必要な需要構造データが十分 でなかったため、対策の検討に時間と労力を要した のではないか。 データの出所や作成過程をめぐる、不毛な議論も散 見された。 有益な議論、透明性のある議論を進めるためには、 拠り所となる基礎データが必要であり、官庁だけで なく国民各層が日頃から自由にアクセスできる「統 計データ」を整備することが重要。 7 諸外国では、家庭用エネルギー実態把握専用の統計・調査が継続的に実施されている。 日本では「家計調査」等の関連統計から推計 しているが限界がある。 スライド が一例 国名 調査件名 実施主体 調査頻 度 サンプル数 米国 4年毎 約 英国 毎年 − 毎年 − DETR ドイ ツ 年毎 約 備考 万世帯 年 千世帯 オー スト リア 毎年 約 万世帯 カナ ダ 不定期 約 万世帯 韓国 3年毎 約 万世帯 全て州別にデータ整備。 8 属性集計表 消費&支出集計表 出所: U.S. Energy Information Administration ウェブサイト 個票データ 約12,000世帯) http://205.254.135.24/consumption/residential/data/2009/ 9 ・韓国知識経済部(委託元)& 韓国エネルギー経済研究院(委託先):1981年∼3年毎(最新:2008年) ・調査対象:住宅部門、産業部門、運輸部門、商業部門等 ・調査対象期間:2007年1月1日∼12月31日 & 調査実施期間:6月∼9月(約3ヶ月) ・調査件数:約2万件 & 調査方法:インタビュー&アンケート調査表の郵送(email或いはfax等) 1. エネルギー源別 2. 年・季節別 エネルギー源別 ブリケット、石油類、ガス類、電力、その他(熱供給、薪) 年別 年、 年、 季節別 春、夏、秋、冬 年、 年、 ダウンロードできる年 年 全国 3. 地域別 地域別 ソウル、釜山、大邱、仁川、光州、大田、蔚山、京畿、 江原、忠北、忠南、全北、全南、慶北、慶南、済州 築年別 4. 住宅族性別 住宅種類別 住宅規模別 5. 世帯構成別 世帯構成別 年以前、 、 、 、 、 年以降 戸建住宅、集合住宅、共同住宅、多世帯住宅、商業・住宅複合 ㎡未満、 ㎡、 ㎡、 ㎡、 ㎡、 ㎡以上 人以下、 人、 人、 人、 人以上 従来型焚き口、ブリケット焚き口、ブリケットボイラー、ブリケット焚き口 ブリケットボ 暖房設備別 イラー、石油ボイラー、ガスボイラー( &都市ガス)、地域暖房、地域暖房(石油)、 (標準世帯当たり) 地域暖房(都市ガス)、個別暖房、電気ボイラー オンドル、その他 6. その他 月所得別 (標準世帯当たり) 万未満、 万以上、 万、 万、 万、 万、 万、 万、 万、 万以上 単位:ウォン 10 産業・業務部門については「エネルギー消費統計」が 年度から実施されているが、多種多様 な業務部門の実態(下図は 年度の調査事例)を詳細に把握できているとは言い難い。 照 明・動 力・そ の他 事 務 所 そ の他熱需 要 冷房 暖房 延床面積 (㎡) 10,339 208 大 型 小 売 店 26,265 357 一 般 小 売 店 (コンビニエンスストアを 除く ) 294 コ ンビニエ ンスストア 1,015 飲 食 店 (ファミレス・ファーストフードを 除く ) 740 ファミレス・ファーストフード 1,460 病 院 診 療 所 131 0 800 1,200 出所: 日本エネルギー経済研究所 「平成12年度 民生部門エネルギー消費実態調査」 2001年3月 1,600 112 21 138 18 107 24 310 16 150 400 271 115 13,972 428 N 130 16 (Mcal/㎡・年 ) 11 同じ「飲食店」であっても、業態によって全く消費水準が異なる。従って、省エネ 対策のポイント、効果、経済性(投資回収年)も業態によって異なる。 照 明・動力 ・その他 そ の他熱 需 要 冷房 店舗床 面積 (㎡) 暖房 N 55 喫茶店 180 日本料 理店 160 1 35 188 557 29 3 26 569 53 中華料 理店 152 2 130 14 61 6 348 9 260 7 41 2 188 40 100 7 0 2 17 1,745 1, 35 8 フ ァミリ ーレ スト ラン 6 68 5 59 ファー スト フー ド店 6 90 5 14 161 1,435 47 61 2 82 そ の他 41 16 3 85 1,499 2 55 743 42 505 平 均 5 11 1 55 1,213 ( Mcal/㎡・年) 0 300 600 900 1,200 1,500 1,800 出所: 日本エネルギー経済研究所 「平成12年度 民生部門エネルギー消費実態調査」 2001年3月 12 家電製品の待機時消費電力は、家庭の電力消費量の計測を通 じて発見された。 個々の待機電力は数ワットと小さく、注目されなかったが、 家全体でまとめると大きい。 この結果を「待機電力だけで電気代が年間 万円 」と発信 し、大きな反響があった。 年代後半 以降、省エネ基準やメーカーの自主目標により、待機電力は 大きく低減。 13 類似の家庭を集めてもエネルギー消費量の差(ばらつき)は大きい。他の家庭と の比較を通じて、省エネルギーの可能性や達成度を知ることができる。 14 従来から省エネを「強く意識」していた世帯は、震災後の節電実績も高かった。 [kWh/30日] 400 ▲6.6% 350 ▲7.8% ▲12.2% 300 250 200 150 338 365 341 359 331 前年 今年 前年 今年 297 100 50 0 前年 今年 強く意識(n=216) その他(n=719) 全体(n=935) 出所:住環境計画研究所「震災後の家庭の節電効果と省エネ行動に関する調査」(2011年4月) 注1:東京電力管内の一般家庭(インターネットモニター)に対する調査(2011年4月15日∼16日実施) 注2:震災以前の節電意識は「強く意識していた」「ある程度意識していた」「あまり意識していなかった」「全く意識していなかった」 の4段階で調査。 (n=1,120) 電気がいつ、どのくらい不足する見込みかを知らせる (電気予報) 56% 電気の不足が深刻な状況になった時にメールでお知 らせが届く(緊急節電依頼メール) 40% 家電製品の消費電力や1回あたりの電気使用量が分 かる 40% ブレーカーが落ちる前にアラームが鳴って、家電製品 の使用を控えるようにお知らせする 38% 他の世帯と比べて、自宅の電気の使用量がどの程度 であるかが分かる その月の電気の使用量や電気料金が指定の量を超 えると、メールでお知らせが届く(使いすぎアラートメー ル) 専門家による節電診断が受けられる 27% 26% 8% その他 2% とくになし 17% 0% 10% 20% 30% 出所:住環境計画研究所「震災後の家庭の節電効果と省エネ行動に関する調査」(2011年4月) 40% 50% 60% 16 年頃から「省エネナビ」が登場。 使用量をリアルタイムに確認でき、省エネの目標設定も可能。 省エネナビ (出所)省エネルギーセンター ( 型(中国計器工業) 省エネナビ サイト「省エネナビ」シリーズ紹介 ) 型(株式会社エネゲート) (出所)省エネルギーセンター ( サイト「省エネナビ」シリーズ紹介 ) 17 ホームエネルギーマネジメントシステム エネルギー表示機 履歴画面イメージ 専用 サイト画面 電気(橙)、ガス(青)それ ぞれについて、お客さまの設 定された目標値をもとにした その日の「残量」をわかりや すく表示します。 (出所)東京ガス 株 サイト プレスリリース( ( ) 18 画面(例) スマートエネルギーハウスの概要 (出所)大阪ガス 株 ( サイト プレスリリース( ) 19 (出所) カタログ (出所) 20 (ユーティリティ企業)がス マートメーターから収集したエネル ギー消費データを、 を用いて フィードバックするサービス 日別電力及びガス消費量の推移、対前 年同月比較、自世帯と平均世帯との支 出金額の比較がグラフ化される さらに、省エネルギー対策のアドバイ スと光熱費削減効果、必要な初期費用 と利用可能な助成金等が提示される 出所: http://www.pge.com/ 21 スマートメーター等を通じた情報提供には、エネル ギー供給事業者の積極的な関与を。 工場や大企業以外は、省エネルギーの専門家がいな いため、専門的見地からのアドバイス等を。 家庭や中小企業が省エネルギーを進めるための新し い仕組みづくりへ。 22 日本は人口減少社会に入ったが、世界の人口は増加 し続ける。 今後、エネルギー需要が増大する発展途上国に対す る支援・協力においても、エネルギー供給インフラ 整備だけでなく、需要側の対策(省エネ)を重視す べき。温暖化対策にも有効。 23