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59 写真4-13 大川林道の調査開始地点 写真4

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59 写真4-13 大川林道の調査開始地点 写真4
写真4-13
大川林道の調査開始地点
写真4-14
GPSNo.067
アブラギリの多くは林道脇の日当たりの良い場所
に生育していた。
写真4-15
GPSNo.078
スギ植林地内の下層にアブラギリと常緑広葉樹
が生育している。
写真4-16
GPSNo.055
8 年生の周囲に 2~4 年生のアブラギリが生育し
ている。
写真4-17
GPSNo.061
伐採跡地にアブラギリが侵入し優先しているが、
下層には在来の樹木が生育している。
写真4-18
GPSNo.071
アブラギリが優先しているが、下層の在来種が生
育している。
59
60
図 4・5
大川林道
61
調査ルートおよびアブラギリ生育地点
62
⑤ 県道白谷線
県道白谷線(鹿児島県道 594 号白谷雲水峡宮之浦線)は、宮之浦から標高 800m に位置
する白谷雲水峡を結ぶ一般県道で、主に観光道路として西部林道と同様自動車の交通は比
較的多い。調査ルートは白谷線の標高 110m 付近から 450m 付近までの間に設定した。調
査ルートの区間は、近年拡幅工事が行われ 2 車線となっている。また法面の施工や治水工
事も行われており、日当たりは非常に良い。
県道白谷線における調査ルートおよびアブラギリの生育地点は図4-6のとおりである。
調査ルート全体を通してアブラギリの生育が確認されたが、標高 370m~380m 付近
(GPSNo.094(2~5 年生 48 本および 1 年生 18 本)と 096(4~5 年生 16 本および 1 年生
1 本)の間)では生育が確認されなかった。標高 370m 以下では、しばしば広範囲に渡りア
ブラギリが散見された(GPSNo.096、099~102(255m の範囲に計 113 本)、106~110(320m
の範囲に計 229 本)
、118(80m の範囲に計 11 本)および 120~123(440m の範囲に計 179
本)
)
。調査ルートの日当たりは良好だが、標高 250m 以上では急な斜面が多く、盛り土法
面・切り土法面が急で、盛り土高・切り土高が高い場所ではアブラギリが定着しづらいと
推測される(写真4-20)
。
アブラギリの多くは、県道敷設のための法面の伐採地(写真4-21)
、道路脇の平坦地(写
真4-23)
、治水工事等のための伐採地(写真4-22)あるいは開けた沢沿い等に生育し
ていた。また、一部は急傾斜な切り土法頭(写真4-26)、県道のアスファルトの隙間(4
-24)あるいは法面の施工跡等(写真4-25)に生育している状況にあった。いずれの場
合も、県道の敷設およびそれに伴う伐採等人為的に創出された日当たりの良い開放空間に
生育していた。
沢沿いや法面に群生している場合は、GPSNo.093(7 年生 2 本および 4 年生 2 本)
、109
(6~9 年生 38 本および 2 年生 5 本)および 114(8~9 年生 1 本、3~4 年生 115 本および
2 年生 81 本)のように樹齢の異なるものが混生している場合も多かったが、10 年生以上の
アブラギリはほとんど確認できなかった。県道の敷設によりアブラギリの生息適地が生じ、
定着したと考えられる。また、沢の上流から下流へ向けてアブラギリの群生が見られた。
以上から、アブラギリは重力散布だけではなく、鳥類あるいは哺乳類による種子分散が
あり、沢や法面の伐採地などある程度の開放空間にアブラギリが定着し群生している可能
性がある。また、舘脇(1957)の報告によると、アブラギリは屋久島において標高 1000m
~1500m まで生育しているとされている。これらの高標高に生育しているアブラギリが母
樹となり、沢沿いに種子を分散させている可能性もある。
表4-5 調査距離およびアブラギリ確認本数
調査距離 アブラギリ確認本数(本)
(km) 樹高1m以下
1-3m
県道白谷線
4.732
80
183
3-5m
5-7m
7-10m
10m以上
合計
1km当たり
確認本数(本/km)
237
574
203
2
1279
270.29
63
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