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2016年の北朝鮮による核実験・ミサイル発射について

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2016年の北朝鮮による核実験・ミサイル発射について
2016年の北朝鮮による核実験・ミサイル発射
について
防衛省
2016年に行われた北朝鮮による挑発事案
(2016.10.31時点)
日付
挑発の概要
場所
弾道ミサイル発射
核実験
弾種
飛翔距離
-
-
16.01.06
4回目の核実験を実施
豊渓里(プンゲリ)
16.02.07
「人工衛星」と称する弾道ミサイルを発射
東倉里(トンチャンリ)
テポドン2派生型
約2,500km(2段目落下地点)
16.03.03
短距離発射体6発を発射
元山(ウォンサン)付近
300ミリ多連装ロケット(可能性)
約100~150km(韓国合参)
16.03.10
「スカッド」と推定される弾道ミサイル2発を発射
西岸・南浦(ナンポ)付近
スカッド(推定)
約500km
16.03.18
「ノドン」と推定される弾道ミサイル1発を発射
西岸・粛川(スクチョン)
付近
ノドン(推定)
約800km
16.03.21
16.03.29
短距離発射体5発を発射
短距離発射体1発を発射
東部・咸興(ハムフン)南方
300ミリ多連装ロケット(可能性)
約200km(韓国合参)
元山(ウォンサン)付近
300ミリ多連装ロケット(可能性)
約200km(韓国合参)
16.04.01
短距離地対空ミサイル3発(内2発は失敗)を発射
宣徳(ソンドク)付近
短距離地対空ミサイル(KN-0
6)(可能性)
約100km(韓国報道)
16.04.15
弾道ミサイル1発を発射
東岸地域
ムスダン(指摘)
不明
16.04.23
潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)1発を発射
新浦(シンポ)沖
SLBM(推定)
約30km(韓国合参)
16.04.28
「ムスダン」と推定される弾道ミサイル2発を発射
元山(ウォンサン)
ムスダン(推定)
不明
16.05.31
中距離弾道ミサイル(IRBM)1発を発射
元山(ウォンサン)
ムスダン(可能性)
不明
16.06.22
「ムスダン」と推定される弾道ミサイル2発を発射
元山(ウォンサン)
ムスダン(推定)
1発目: 約100km(最大)
2発目: 約400km
16.07.09
潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)1発を発射
新浦(シンポ)沖
SLBM(推定)
数km(韓国報道)
16.07.19
弾道ミサイル3発を発射
西岸・黄州(ファンジュ)
付近
スカッド又はノドン(可能性)
1発目:約400km
3発目:約500km
16.08.03
「ノドン」と推定される弾道ミサイル2発を発射
西岸・殷栗(ウンニュル)
付近
ノドン(推定)
約1,000km
(1発は発射直後に爆発)
16.08.24
潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)1発を発射
新浦(シンポ)付近
SLBM(推定)
約500km
16.09.05
弾道ミサイル3発を発射
西岸・黄州(ファンジュ)
付近
スカッド又はノドン(可能性)
約1,000km
16.09.09
5回目の核実験を実施
豊渓里(プンゲリ)
16.10.15
「ムスダン」と推定される弾道ミサイル1発を発射
西岸・亀城(クソン)付近
ムスダン(推定)
不明
16.10.20
「ムスダン」と推定される弾道ミサイル1発を発射
西岸・亀城(クソン)付近
ムスダン(推定)
不明
-
-
最近の北朝鮮の弾道ミサイル発射の動向 ①
1.配備済みの弾道ミサイルの技術的信頼性の向上
9月5日に発射された3発のスカッド又はノドンの可能性があると考えられる弾道ミサイルは、同
時に発射され、いずれも約1,000km飛翔した上で、ほぼ同じ地点に落下したと推定される。
配備済みの弾道ミサイルについても、技術的信頼性を向上させている可能性があると考えられ
ます。
防空識別圏(ADIZ)
平壌(ピョンヤン)
黄州(ファンジュ)
EEZ
9月の弾道ミサイル3発の発射翌日に公開された映像
※今年の発射においても、発射直後に爆発するなどの事例もみられる。
最近の北朝鮮の弾道ミサイル発射の動向 ②
2.長射程の弾道ミサイルの技術的信頼性の前進
本年2月、北朝鮮は「人工衛星」を打ち上げるとして、2012年12月と同様の仕
様の弾道ミサイルである「テポドン2派生型」を発射し、12年12月と概ね同様
の態様で飛翔させた。
2016年2月に発射され
た「人工衛星」と称する
弾道ミサイル
長射程の弾道ミサイルの発射実験は、他の弾道ミサイルの性能の向上等にも
資するものであることから、北朝鮮による弾道ミサイル開発全体をより一層進
展させるものであると考えられる。
弾道ミサイルの発射と人工衛星の打ち上げは、大型の推進装置の制御、
多段階推進装置の分離、姿勢・誘導制御等、必要となる技術は共通。
例:多段階推進装置の分離技術
2段目
1段目
通常の弾道ミサイルの場合
3段目の推進装置を含むとみられる物体は
地球周回軌道へ投入されたものと推定
1段目
本年9月には、新型静止衛星運搬ロケット用大出力
発動機(エンジン)地上燃焼実験の実施を発表。
2段目
「人工衛星」と称する弾道ミサイル発
射の場合
○ 今後とも「人工衛星」打上げを名目と
した同様の発射を繰り返す可能性。
最近の北朝鮮の弾道ミサイル発射の動向 ③
3.打撃能力の多様化と残存性の向上の追求
2016年だけでSLBM、スカッド、ノドン、ムスダン、テポドン2派生型といった5
種類の様々な射程の弾道ミサイルが発射された。
TEL
TELから発射される
中距離弾道ミサイル「ムス
ダン」(16年6月)
○ スカッド、ノドン、ムスダンは、発射台付き車両(TEL)から、SLBMは潜水
艦から発射されるもの。
○ 本年の発射を通じて、SLBM、ムスダンといった開発中の弾道ミサイルに
ついては、一定の技術的進展を得た可能性も否定できない。
⇒ このように、北朝鮮は、打撃能力の多様化と残存性の向上を追求している
とみられる。
海中の潜水艦から発射
されるSLBM
(左:16年4月、右:16年
6月)
固定式発射台
からの発射
外部からの攻撃に脆弱
(様々な場所から発射されるイメージ)
TELからの
発射
移動可能
任意の地点から発
射可能
⇒ 見つかりにくい
海中から発射
⇒見つかりにくい
潜水艦からの
発射
最近の北朝鮮の弾道ミサイル発射の動向 ④
4.発射形態の多様化
本年6月のムスダン発射や8月のSLBM発射にみられるような、通常よりも高い角度で高い高
度まで打ち上げる、いわゆる「ロフテッド軌道」と考えられる発射形態が確認された。
一般論として、ロフテッド軌道で発射された場合、迎撃がより困難になると考えられる。
6月に発射されたムスダン(2発目)は、
1,000kmを超えた高度(北朝鮮発表によ
れば最大頂点高度1,413.6km)に達した
上で、約400km飛翔し、日本海上に落
下したものと推定。
拡大
6月のムスダン発射翌日に公開された画像
ロフテッド軌道
ミニマムエナジー軌道
最も効率的な飛しょうパターン。
ミニマムエナジー軌道
ロフテッド軌道
ミニマムエナジー軌道と比べ、高度を高くとり、高仰角で落下す
るため、対処が困難。
16年9月5日の北朝鮮による弾道ミサイルの発射について
(イメージ)
防空識別圏(ADIZ)
平壌(ピョンヤン)
黄州(ファンジュ)
EEZ
概要
現時点までに得られている諸情報を総合的に勘案すると、
○発射時刻
午後12時13分頃
○発射の状況
北朝鮮西岸黄州(ファンジュ)付近から、弾道ミサイルを計3発
発射した模様
○落下推定地点
ミサイルは、いずれも約1,000km東北東方向に飛翔し、
日本海上に落下したものと推定
○弾種
詳細は分析中であるが、飛翔距離等に鑑みれば、スカッド
またはノドンである可能性
16年8月24日の北朝鮮による弾道ミサイルの発射について
(イメージ)
防空識別圏(ADIZ)
新浦(シンポ)
平壌(ピョンヤン)
EEZ
概要
現時点までに得られている諸情報を総合的に勘案すると、
○発射時刻
8月24日午前5時29分頃
○発射の状況
北朝鮮東岸の新浦(シンポ)付近から、1発の弾道ミサイルを
発射した模様
○落下推定地点
約500km東北東方向に飛翔し、日本海上に落下したもの
と推定
○ 弾種
詳細は分析中であるが、これまでの北朝鮮の弾道ミサイル
開発動向、発射地点等の関連情報を総合的に勘案すれば、
潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)であると考えられる。
【参考】 過去のSLBM発射実績
15年5月 北朝鮮、SLBM試験発射に成功と発表
○ 15年5月9日、朝鮮中央通信は「戦略潜水艦弾道弾水中試験発射に完全に成功」と報道。
○ 同試験発射における飛翔距離は100m程度とされ、飛翔試験というよりは射出試験であったとの指
摘あり。
15年11月 北朝鮮がSLBM試験発射に失敗との報道
15年5月
○ 15年11月28日、北朝鮮が東部元山沖の日本海で潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射試験
を行ったものの、失敗に終わった模様との報道。韓国国家情報院は、全く軌跡が確認できなかった旨
説明。
16年1月 北朝鮮、SLBMの射出試験映像を放映
○ 16年1月8日、朝鮮中央テレビが12月の金正恩党委員長の活動に関する記録映画の中で、5月に
公開したものとは異なるSLBMの射出試験映像を放映。
16年4月 北朝鮮、SLBM試験発射に成功と発表
○ 16年4月24日、朝鮮中央通信は「戦略潜水艦弾道弾水中試験発射で再び大成功」と報道。
○ 北朝鮮が23日18時30分頃、新浦(シンポ)北東の日本海上でSLBMと推定されるミサイル1発を
発射し、飛行距離が約30kmである旨発表(韓国合同参謀本部)
○ 空中にミサイルを射出した後に点火する、いわゆる「コールド・ローンチシステム」に成功していると
みられ、また水中から発射した後、概ね90度の角度で上昇しているとみられる。
○ 同試験発射の写真によれば、固体燃料を使用した可能性。
16年1月の映像
16年4月
16年7月 北朝鮮、SLBM発射(北朝鮮による公式発表はなし)
○ 16年7月9日、新浦(シンポ)沖より潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)と推定される弾道ミサイル1発を発射。
○ 潜水艦からの射出は正常に行われたが、初期飛行には失敗したと推定される。(韓国合同参謀本部)
○ 高度約10kmの地点で空中爆発し、水平方向の飛行距離は数kmとの指摘(聯合ニュース)
16年8月3日の北朝鮮による弾道ミサイルの発射について
(イメージ)
防空識別圏(ADIZ)
平壌(ピョンヤン)
殷栗(ウンニュル)
EEZ
概要
現時点までに得られている諸情報を総合的に勘案すると、
○発射時刻
午前7時53分頃
○発射の状況
北朝鮮西岸殷栗(ウンニュル)付近から、2発の弾道ミサイ
ルを発射した模様
○落下推定地点
1発は、約1,000km東北東方向に飛翔し、日本海上に落
下したものと推定。もう1発は、飛翔を継続しておらず、発射
直後に爆発したとみられる。
○弾種
詳細は分析中であるが、飛翔距離等に鑑みれば、ノドンと
推定
16年7月19日の北朝鮮による弾道ミサイルの発射について
(イメージ)
舞水端(ムスダン)
(3発目)
(1発目)
平壌(ピョンヤン)
黄州(ファンジュ)
概要
現時点までに得られている諸情報を総合的に勘案すると、
○発射時刻
午前5時44分頃、5時58分頃及び6時36分頃
○発射の状況
北朝鮮西岸黄州(ファンジュ)付近から、それぞれ1発の弾
道ミサイルを計3発発射した模様
○落下推定地点
1発目は、約400km、3発目は約500km北東方向に飛翔
し、それぞれ日本海上に落下したものと推定
(2発目については、飛翔を継続せず日本海上に落下しな
かったことから、飛翔の過程において何らかの不具合が生
じた可能性が考えられるが、詳細は引き続き分析中)
○ 弾種
スカッドまたはノドンの可能性
16年6月22日の北朝鮮による弾道ミサイル「ムスダン」の発射について
(イメージ)
2回目
元山(ウォンサン)
概要
平壌(ピョンヤン)
1回目
※本資料は現時点版のものであり、修正の可能性がある
現時点までに得られている諸情報を総合的に勘案すると、
(1)1回目発射
○発射時刻
午前5時57分頃
○発射の状況
北朝鮮東岸元山(ウォンサン)付近から、東方向に、1発の弾道ミサイル(ムスダンの可能
性)を発射したと判断。
○落下推定地点
発射された弾道ミサイルは複数に分離した上で東岸沿岸付近に落下したものと推定。複数
に分離したもののうちの最大飛翔距離は約100kmと推定。
(2)2回目発射
○発射時刻
午前8時3分頃
○発射の状況
北朝鮮東岸元山(ウォンサン)付近から、北東方向に、1発の弾道ミサイル(ムスダンと推定)
を発射したと判断。 1,000kmを超えた高度に達した。
○ 落下推定地点
発射された弾道ミサイルは約400km飛翔し、日本海上に落下したものと推定。
⇒ 2回目の発射においては、中距離弾道ミサイル(IRBM)としての一定の機能を示し
たものと考えられる。
最近の新型中距離弾道ミサイル「ムスダン」の発射について
概要
発目
1
2
日付
発射の概要
16.04.15 弾道ミサイル発射失敗(「ムスダン」との指摘)
16.04.28
「ムスダン」と推定される弾道ミサイルを2回発射(いずれ
も失敗)
3
4
16.05.31 中距離弾道ミサイル(IRBM)発射失敗(「ムスダン」の可
能性)
5
16.06.22
「ムスダン」と推定される弾道ミサイルを2回発射
(6月22日の2発目は、IRBMとしての一定の機能を示した)
6
備考
発射と同時にTELも巻き込んで爆発、
炎上との報道。
1発目:発射数秒後に墜落したとみら
れ、数百メートル以上上昇しなかった
との報道。
2発目:発射後に空中爆発したとみら
れるとの報道。
発射ボタンを押した途端、TELで爆発
との報道。
複数に分離した上で東岸沿岸付近に
落下したものと推定(飛翔の過程で不
具合)。
1,000kmを超えた高度に達した上で、
約400km飛翔し、日本海上に落下した
ものと推定。
7
16.10.15 「ムスダン」と推定される弾道ミサイル発射失敗
発射直後に爆発との報道。
8
16.10.20 「ムスダン」と推定される弾道ミサイル発射失敗
発射直後に爆発との報道。
(参考)ムスダン開発動向に関する指摘
○ 北朝鮮が80年代末~90年代初め頃に旧ソ連から入手したSLBM「SS-N-6」を基に開発さ
れたとみられる。
○ 射程については約2,500~4,000kmに達するとされ、グアムがその射程に入る可能性が指
摘されてきた。
○ IRBM(ムスダンを指すと考えられる)用のTELは最大50両を保有しているとされる(米国防省「北
朝鮮の軍事および安全保障の進展に関する報告」2015年版)
ソ連製SS-N-6
16年3月18日の北朝鮮による弾道ミサイルの発射について
(イメージ)
粛川(スクチョン)
平壌(ピョンヤン)
概要
現時点までに得られている諸情報を総合的に勘案すると、
○発射時刻
午前5時54分頃
○発射の状況
北朝鮮西岸粛川(スクチョン)付近から、東方向に、1発の弾道ミ
サイルを発射したと判断。
○落下推定地点
発射された弾道ミサイルは約800km飛翔し、日本海上に落下し
たものと推定。
○弾種
「ノドン」と推定
16年3月10日の北朝鮮による弾道ミサイルの発射について
(イメージ)
平壌(ピョンヤン)
南浦(ナンポ)
概要
現時点までに得られている諸情報を総合的に勘案すると、
○発射時刻
午前5時22分頃及び5時27分頃
○発射の状況
北朝鮮西岸南浦(ナンポ)付近から、東北東方向に、それ
ぞれ1発の弾道ミサイルを発射した模様。
○落下推定地点
発射された弾道ミサイルは約500km飛翔し、日本海上に落
下したものと推定。
○弾種
「スカッド」と推定
2月の「人工衛星」と称する弾道ミサイル発射関連(1/2)
発射の概要
平成28年2月7日午前9時30分頃、北朝鮮は、北西部沿岸地域の東倉里(トンチャンリ)地区から、南の方角へ
2012年12月
2016年2月
弾道ミサイル1発を発射。(⇒ 発射の態様は次ページをご覧下さい)
○ 12(同24)年12 月の発射の際に使用されたものと同様の仕様のテポドン2派生型
(※)を利用 ※ 射程は、弾頭重量を約1トン以下と仮定すれば、約1万km以上に及ぶ可能性。
○ 12(同24)年12月の発射の際と全般的に概ね同様の態様で飛翔させ、地球周回軌
道に何らかの物体を投入したと推定
○ 当該物体が人工衛星としての機能を果たしているとは考えられない。
我が国の安全保障等への影響
○ 北朝鮮の長射程の弾道ミサイルの技術的信頼性は前進したと考えられる。
○ 長射程の弾道ミサイルの発射試験は、射程の短い他の弾道ミサイルの能力向上及び、
新たに開発中の他の中・長距離弾道ミサイルにも応用可能。
⇒ 北朝鮮による弾道ミサイル開発全体(ムスダン、KN08、SLBMを含む)を一層進展さ
せるとともに、攻撃手段の多様化にも繋がるもの。
長射程の弾道ミサイルの実用化に向けた今後の課題
○ 弾道ミサイルの発射と人工衛星の打ち上げは、大型の推進装置の制御、多段階推進装置の
分離、姿勢・誘導制御等、必要となる技術は共通しているものの、長射程の弾道ミサイルの実
用化にあたっては、いくつかの関連技術については更なる検証が必要。
○ 例えば、弾頭部の大気圏外からの再突入の際に発生する超高温の熱などから再突入体を
防護する技術が必要。
⇒ 北朝鮮は今後新たな飛翔試験の実施等により、こうした技術の検証を企図する可能性。
先端部の「外郭覆い」(フェアリング)
鳥取県海岸で発見された北朝鮮
が発射したテポドン2派生型の
フェアリングの一部とみられる漂
着物については詳細を分析中。
【参考】北朝鮮が実施した大気
圏再突入環境模擬試験
(16年3月15日発表)
2月の「人工衛星」と称する弾道ミサイル発射関連(2/2)
発射の態様
北朝鮮は事前に予告落下区域を設定し、
関連情報を国際機関に通報
前回発射の際には、落下した1段目の推進装置とみられる物体が韓国によりほぼ
原形を維持したまま回収・分析されたことも踏まえれば、今回はこれを回避するた
めに意図的に破壊した可能性
今後の見通し
○ 今後も、「人工衛星」打上げを名目にした同様の発射を繰り返すなどして、長射程の弾道ミサイル開発を一
層進展させる可能性。
北朝鮮が保有する弾道ミサイル
(m)
30
(出典:防衛白書、JANE’S STRATEGIC
WEAPON SYSTEMS等)
20
10
【派生型】
射
程
トクサ
スカッドB/C/ER
ノドン
約120km
約300km/約500km/
約1000㎞
約1,300km
ムスダン
テポドン2
約2,500~4,000km 約6,000km/約10,000km以上
KN-08/KN-14
SLBM (KN-11)
5,500㎞以上
(ICBMとの指摘)
不明
○ 北朝鮮が96年 ○ 80年代半ば以降、スカッ ○ スカッドCのエアフレーム ○ 北朝鮮が90年代 ○ 1段目にノドンの技術を利用した ○ 2012年4月及び2013年 ○ 北朝鮮が90年代初期
7月の閲兵式に登場
にSS-21及び
ドB/Cを生産・配備
及びエンジンを大型化
エンジン4基を、2段目に同様の
に入手したロシア製SS初期に入手したロ
○ 2015年10月の閲兵式
TELをシリアより ○ スカッドCは推進剤タンク ○ 我が国のほぼ全域がそ
シア製SS-N-6を
エンジン1基を利用と推定
N-6をベースに開発した
概
改良したとの指摘 ○ 派生型は更に3段目の推進装置 にはこれまでと異なる形 との指摘
入手し開発した
を大型化、ERは胴体部
の射程内に入る可能性
要
状の弾頭部で登場(KN- ○ 固体燃料推進方式で
との指摘
を付加し射程を延長
分の延長や弾頭重量の
があり、既に配備されて ○ 現在開発中とみら
14と呼称)
開発中の可能性
軽量化
いると考えられる
れる
○ 固体燃料推進
○ 現在、開発中とみられる
○ 現在開発中とみられる ○ 現在開発中とみられる
方式
運
用
実
績
等
TEL
TEL
TEL
○ 06年7月5日にキテリョン ○ 93年5月の発射実験で使
用された可能性が高い
から発射されたものと考
○ 06年7月5日にキテリョン
えられる
から発射されたと考えら
○ 09年7月4日にキテリョン
れる
から発射された可能性
○ 09年7月4日にキテリョン
○ 14年:合計5回発射
から発射された可能性
○ 15年3月2日にナンポ付 ○ 14年3月26日にスクチョ
近から発射
ン付近から発射
○ 16年3月10日にナンポ付 ○ 16年3月18日にスクチョ
ン付近から発射
近から発射
○ 16年7月19日にファンジュ付近からスカッドまたはノ
ドン(可能性)を計3発発射
○ 16年8月3日にウンニュ
ル付近から発射
○ 16年9月5日にファンジュ付近からスカッドまたはノド
ン(可能性)を計3発発射
TEL
発射場
TEL
○ 16年4月にウォン ○ 06年7月5日にテポドン地区から 発射実績なし
サンから発射され、 テポドン2を発射し、失敗
○ 09年4月5日のテポドン地区から
失敗と推定
の我が国上空を飛び越える発射
○ 16年5月にウォン
でテポドン2または派生型を利
サンから発射され、 用
失敗した可能性
○ 12年4月13日の東倉里(トンチャンリ)
○ 16年6月にウォン
地区からの発射でテポドン2ま
サンから発射
たは派生型を利用、発射は失敗
○ 16年10月にクソン ○ 12年12月12日の東倉里地区か
らの発射でテポドン2派生型を
付近から発射し、
利用、何らかの物体を地球周回
失敗と推定
軌道に投入
○ 16年2月7日の東倉里地区から
の発射でテポドン2派生型を利
用、12年12月と概ね同様の態
様で飛翔させ、何らかの物体を
地球周回軌道に投入
コレ(新浦)級潜水艦
○15年5月 北朝鮮、
SLBM試験発射に成功と発
表
○16年1月 北朝鮮、
SLBMの射出試験映像(15
年12月の金正恩党委員長
の活動に関する記録映
画)を放映
○16年4月、日本海上より
発射
○16年7月、新浦沖より発
射
○16年8月、新浦付近より
発射
北朝鮮の弾道ミサイルの射程
(射程約6,000㎞)
テポドン2 (派生型:射程約10,000km以上)
ムスダン
ニューヨーク
10,000km
ワシントンD.C.
(射程約2,500-4,000㎞)
シカゴ
6,000km
デンバー
アンカレッジ
4,000km
1,500km
サンフランシスコ
ロサンゼルス
1,300km
テポドン
北京
平壌
東倉里
(トンチャンリ)
沖縄
東京
ハワイ
1,000km
グアム
テポドン1(射程約1,500㎞以上)
ノドン
(射程約1,300㎞)
スカッドER(射程約1,000㎞)
※上記の図は、便宜上平壌を中心に、各ミサイルの到達可能距離を概略のイメージとして示したもの
北朝鮮による核開発の現状について
過去の核兵器開発疑惑が解明されていないこと及び過去5回の核実験を通じた技術的な
成熟が予見されることなどを踏まえれば、北朝鮮の核兵器開発が相当に進んでいる可能
性も考えられる。
過去4回の核実験と比較すれば、最大の出力
観測された地震の規模及び推定出力
豊渓里
(プンゲリ)
地震の規模
(CTBTO発表の値)
※いずれも震源地は北朝鮮
北東部・豊渓里周辺
推定される出力
(※TNT換算)
2006年
10月
2009年
5月
2013年
2月
2016年
1月
2016年
9月
M4.1
M4.52
M4.9
M4.85
M5.1
約
0.5-1kT
約
2-3kT
約
6-7kT
約
6-7kT
約
11-12kT
水爆の保有に関する評価
小型化・弾頭化に関する評価
○ 16年1月の核実験について、北
朝鮮は、初の水爆実験を成功裏に
実施したと主張。
○ 第5回目の核実験(2016年9月9日)後、北朝鮮は、核
兵器研究所声明を通じて、「北部核実験場で、新たに研究、
製作した核弾頭の威力判定のための核爆発実験が成功裏
に行われた」と発表。
技術的な成熟が予見されることなどを踏
まえれば、北朝鮮が核兵器の小型化・
弾頭化の実現に至っている可能性も考 小型化された核弾頭と
主張する物体を視察
えられる。
する金正恩党委員長
地震の規模から考えれば、一
般的な水爆実験を行ったとは
考えにくいものと認識。
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