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報告書(日本語) - ALSA Japan

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報告書(日本語) - ALSA Japan
The Asian Law Students’
Forum
in Tokyo Aug. 25-30, 2004
Report
The Asian Law Students’
Students’ Association
後援>
<後援
>
外務省
在日シンガポール共和国大使館
在日タイ王国大使館
在日フィリピン共和国大使館
目次
ページ
実行委員長挨拶.............................................................................
1
開催概要.......................................................................................
2
団体運営プログラム
1) 開会式...................................................................................
2) 代表会...................................................................................
4
9
3) 総会...................................................................................... 13
学術プログラム
1) 分科会...................................................................................
2) 評価会...................................................................................
3) Symposium............................................................................
4) Debate Competition................................................................
5) 最高裁見学.............................................................................
30
55
55
57
58
交流プログラム
1) Welcome Party.......................................................................
2) Cultural Class........................................................................
3) Cultural Trip..........................................................................
4) Cultural Night.......................................................................
5) 閉会式/Farewell Party...........................................................
59
60
61
62
63
参加者の声.................................................................................... 64
ご協力いただいた方々.................................................................. 68
参加者........................................................................................... 69
収支決算....................................................................................... 71
結び............................................................................................... 72
1
実行委員長挨拶
“The beginning is half of the whole.”
Plato (C. 428 – 348 B.C.)-Greek philosopher
私が大学生活を送っている間に世界は 9.11 テロからイラク戦争までの一連の出来事を経験し、
かつ現在もなお継続した状態にあります。今、この瞬間においても世界のどこかで尊い命が失わ
れているかもしれないことを考えると、どうしても「相互理解」という言葉が何も意味を成さな
い空虚な代物のような気がしてやるせなさを感じてしまいます。今、私たちの世代はこのような
混迷とした世の中で一体、何が出来るのかを考えることを求められており、そして、そのことこ
そがこの企画の根底にあるテーマであったように思います。
「相互理解」を達成するということは言葉以上に難しいことです。一対一の人間同士であって
も決して簡単なことではないのに、それが言葉も文化も歴史も違う「アジア」という地域で達成
しようとするのは不可能に近いことなのかもしれません。しかしながら、私たちは同時に何かを
「始める」必要があることに気付いています。だからこそ、私たちは話し合うことによってお互
いの間にある共通するものと異なるものを理解することを始めました。そして、そのことを支え
るために、より良いものにするために共通のルールを作りました。それが「相互理解」への第一
歩であることを信じて。
私が冒頭に掲げた言葉は、何事においてもまずは「始める」ことが肝要である、ということを
私たちに教えてくれます。私は何かを「始める」ということが、また新たな「始める」というこ
とを創り出すと信じています。そして、そのことこそがこのアジアという地域に、そして、私た
ちの世代の人間にとって必要なことだと信じて、この Asian Forum を創りました。
私たちがどのようにして「相互理解」ということを始めたのかを本報告書に記して、ご報告申
し上げたいと思います。
ALSA Japan 2004 年度代表
The Asian Law Students’ Forum 2004 in Tokyo 実行委員長
井手 健介
2
開催概要
1) 期間
2004 年 8 月 25 日(水)~8
)~8 月 30 日(月)
2) 場所
独立行政法人 国立オリンピック
国立オリンピック記念青少年総合
オリンピック記念青少年総合センター
記念青少年総合センター
3) 参加団体・人数(アルファベット順)
・ ALSA China ―――――― 5 名
・ ALSA Indonesia ―――――― 9 名
・ ALSA Japan ―――――― 54 名
・ ALSA Korea ―――――― 13 名
・ ALSA Singapore ―――――― 4 名
・ ALSA Thailand ―――――― 15 名
・ The Association of Law Students of the Philippines(ALSP)
Philippines(ALSP) ――― 3 名
・ The Law Association, HKUSU (ALSA HongHong-Kong) ―――――― 6 名
・ その他
その他 ―――――― 1 名
計 110 名(日本人 54 名、海外ゲスト
海外ゲスト 56 名)
3
4) 日程
8 月 25 日(水) 午前 開会式
午後 分科会①
分科会①
夜間 Welcome Party
8 月 26 日(木) 午前 分科会②
分科会②
午後 社会見学
夜間 Cultural Class
8 月 27 日(金) 午前 分科会③
分科会③
午後 シンポジウム
夜間 ディベート大会
ディベート大会(
大会(予選)
予選)
8 月 28 日(土) 午前 ディベート大会
ディベート大会(
大会(決勝)
決勝)
午後 Cultural Days
夜間 フリータイム
8 月 29 日(日) 午前 Cultural Days
午後 Cultural Days
夜間 Cultural
Cultural Night
8 月 30 日(月) 午前 評価会
午後 総会
夜間 閉会式 Farewell Party
4
団体運営プログラム
1) 開会式
① プログラム内容
プログラム内容
2004 年 8 月 25 日、今回の The Asian Law Students’ Forum 2004 への参加国・地
域である中国、香港、インドネシア、フィリピン、シンガポール、タイ、韓国、そし
て開催国の日本を合わせた 8 ヶ国・地域が一堂に集まり、この企画のスタートを切る
開会式を行った。これからの一週間に向けてそれぞれの国の意気込みや、各国の今ま
での活動を知ることにより、参加者の意識をより一層高めるものとなった。進行は、
1、 開会宣言・司会者紹介
2、 ALSA Japan 代表挨拶
3、 AF 開催趣旨説明
4、 各国(地域)代表挨拶・年次報告
5、 分科会の説明
6、 TC 紹介
7、 ディベート抽選会
② 参加団体・
参加団体・参加者数一覧(
参加者数一覧(アルファベット順
アルファベット順)
・ ALSA China (5 名)
・ ALSA Indonesia(9 名)
・ ALSA Japan(54 名)
・ ALSA Korea(13 名)
・ ALSA Singapore(4 名)
・ ALSA Thailand(15 名)
・ The Association of Law Students of the Philippines(ALSP)(3 名)
・ The Law Association, HKUSU (ALSA Hong-Kong)(6 名)
5
③ 参加団体の
参加団体の紹介
ALSA China
・ 設立年:2003 年
・ 加盟大学:北京大学
・ 会員数:約 50 人
・ 団体概略:
2003 年 3 月に北京大学国際法学生協会によって設立された。これまで国内でのデ
ィスカッションや模擬裁判、講演会などの学術活動や ALSA Korea、Singapore と
の Study Trip を主催する。
ま た 、 2004 年 3 月 に は The Law
Association, HKUSU との共催で第一
回 Asian Law Students’ Conference を
開催した。
ALSA Indonesia
・ 設立年:1989 年
・ 加盟大学:University of Indonesia、Padjajaran University、Sriwijaya University
Airlangga University、Brawijaya University、Jember State University
Diponogoro University、Soedirman University、Gajah Mada University
Hassanudin University、Sam Ratulangi University
・ 会員数:約 400 人
・ 団体概略:
1989 年にジャカルタで設立された。主な
活動としては国内模擬裁判、英語スピーチ
コンテスト、法律事務所との共同ワークシ
ョップの開催など多岐に渡っており、他に
もディスカッション活動や法律の研究論
文集の出版なども行っている。
また、国内の3つの法律事務所と協力し
て ALSA 会員の為に国際インターンシッ
プの斡旋を行う準備も出来ている。
6
ALSA Japan
・ 設立年:1996 年
・ 加盟大学:中央大学、東海大学、東京国際大学、一橋大学、早稲田大学
・ 会員数:約 120 人
・ 団体概略:
1996 年の The European Law Students’ Association(ELSA)の来日後に国内の
法学生有志によって東アジア地域全域に及ぶ国際法学生団体を設立することを目的
に活動を開始する。設立から現在に至るまでアジア地域内の法学生との友好を深め
るべく様々な国際企画を主催、参加している。また、ELSA とも Study Trip を行う
など積極的な交流を行っている。
国内では通常、大学ごとにディスカッションを
中心とした学術活動、また、年に数回、全加盟
大学合同で大学教授や法律実務家を招待してシ
ンポジウムや学術フォーラム等を開催している。
ALSA Korea
・ 設立年:2000 年
・ 加盟大学:ソウル大学、梨花女子大学、成均館大学、淑明女子大学、高麗大学
釜山大学
・ 会員数:約 140 人
・ 団体概略:
2000 年の設立以来、法の普遍性の追求・国内外の法学生との交流・社会との交流
の理念の下、様々な国際法学生団体主催企画への参加を続け、また、2001 年と 2003
年にはソウルにて The Asian Law Students’ Forum を主催した。
また、国内でもディベート大会、ディスカッション、講演会などの活動を積極的に
行っている。
7
ALSA Singapore
・ 設立年:1995 年
・ 加盟大学:シンガポール国立大学
・ 会員数:約 40 人
・ 団体概略:
1995 年にシンガポール国立大学法律部の下部組織として設立後、国内外で様々な
活 動 を 行 っ て き た 。 国 外 活 動 で は The International Law Students’
Association(ILSA)に加盟し、同団体の
主催する Jessup Moot Court(世界最大
規模の国際模擬裁判大会)に参加するシ
ンガポール、マレーシア、インドネシア
の参加者の為に講習会を開催している。
また、国内活動ではシンガポール国立
大学の留学生との交流に力を入れ、同時
に留学生活のサポートも行っている。
ALSA Thailand
・ 設立年:1998 年
・ 加盟大学:アサンプション大学、チュラロンコン大学
・ 会員数:約 550 人
・ 団体概略:
設立以来、法学生の潜在性や視野の拡大、また、国内外の法学生との交流を広め
ることを目的に活動を行っている。国外活動は海外の ALSA が主催するフォーラ
ムへの参加や国際企画の主催、国内外の法律事務所への訪問など、多岐に渡って
いる。
また、国内では公開講座や法律講座の
主催、また、レクリエーション等によ
るメンバー間の親睦を深める為の活動
を行っている。
8
Philippines(
ALSP)
The Association of Law Students of the Philippines
(ALSP
)
・ 設立年:1990 年
・ 加盟大学:Ateneo University、Arellano University、Adamson University
San Beda College、Philippine Law School、University of the East
Far Eastern University、Jose Rizal University、Lyceum
University of Iloilo、Central Colleges、Siliman University
University of Baguio、St. Louie University、Araullo College
University of Nueva Caceres、Bicol Collges、San Sebastian College
Pamantasan ng Lungsod ng Pasay、University of Santo Tomas
University of Perpetual Help Dalta System
・ 団体概略:
ALSP は ALSA の活動への参加を始めて以来、デ
ィベート大会や論文大会などを主催するなどし、
様々な国際企画に参加を続けている。また、世界最
大の模擬裁判大会である ILSA 主催の Phillip C.
Jessup International Moot Court Competition に
も参加をしており、2004 年度には見事、ALSP か
らの参加者が優勝を収めた。
Hong--Kong)
The Law Association, HKUSU (ALSA Hong
・ 設立年:1969 年
・ 加盟大学:香港大学
・ 会員数:約 700 人
・ 団体概略:
1969 年の団体設立以来、香港大学
の法学生組織として国内外の活動
を行ってきており、2004 年には
ALSA China と の 共 催 で 第 一 回
Asian Law Students’ Conference
を開催した。
ALSA には HKUSU の下部組織として参加を続けてきたが、現在、HKUSU から
独立して ALSA Hong-Kong を設立する為の準備を行っている。
9
2) 代表会(Governing Meeting)
① これまでの経緯
これまでの経緯
東アジア地域には元来、それぞれの国・地域に法学生団体(ALSA Japan、ASEAN LSA
など)が存在するにも関わらず、ヨーロッパ(ELSA)やアメリカ(ILSA)などのような“東
アジア”という広範な範囲での統一された国際法学生団体は存在しなかった。
しかし、2001 年にソウルで開催された The Asian Law Students’ Forum(以下、AF)in
2001 の代表会において、北東アジアの法学生団体の連携、協力関係の促進を約した“ソウ
ル宣言 2001(The Seoul Declaration of 2001)”が起草され、翌年の AF in Tokyo での北東
アジア 5 ヶ国(韓国、台湾、中国、日本、香港)の国際法学生団体の設立が目指された。
さらに AF in Tokyo の開催前に行われた The ASEAN Law Students’ Association(イン
ドネシア、シンガポール、タイ、フィリピン、マレーシア)の第 13 回年次会議(The 13th
ASEAN Law Students’ Conference)と ALSA Korea 主催の交流企画(Korean Conference)
において ASEAN LSA から ALSA との合併の意思があることを告げられ、協議の結果、AF
in Tokyo において北東アジアに東南アジアを加えた東アジア規模の国際法学生団体設立に
向けた話し合いが行わることになった。
AF in Tokyo の代表会では“東アジアに国際法学生団体を設立すること”を目的に協議が
行われ、
「合併後の名称を“The Asian Law Students’ Association (ALSA)”とすること」、
「共通の会則・機構を設立すること」、
「合併後の団体の会則に盛り込む理念・目的・手段の
中身」を“Tokyo Agreement of 2002”としてまとめ、総会において同合意書の承認・調印
がなされた。
2003 年の韓国で行われた AF の代表会では、合併後の団体の機構についての話し合いが
行われ、その決定事項を“Seoul Agreement”として文書化し、同企画の総会で承認・調印
された。そして、同年の 10 月にタイで開催された第 14 回年次会議(The 14th ASEAN Law
Students’ Conference)の総会において“Tokyo Agreement of 2002”の各国での決議が確
認され、同合意書の批准、及び、“The Asian Law Students’ Association (ALSA)”の設立
がなされ、
“東アジア地域”の統一的な国際法学生団体が誕生した。
AF 2004 in Tokyo は合併後の ALSA の第一回目の意思決定が行われるフォーラムに当た
り、その代表会の場において ALSA に加盟する 10 ヶ国・地域の法学生団体に共通する新た
な会則作りが行われることになった。
10
ALSA 設立をめぐるこれまでの
設立をめぐるこれまでの流
をめぐるこれまでの流れ
AF2001代表会 2001年9月
~ソウル宣言・北東アジアの連携確認~
↓
ASEAN 側からの合併提案 2002年6月
~北東アジア+東南アジア~
↓
Korean Conference 2002年8月
~AF2002での継続協議の確認~
↓
AF2002代表会 2002年9月
~東京アグリーメントの調印~
↓
AF2003代表会 2003年 8 月
~団体の機構図についての合意~
↓
ASEAN Conference 2003年10月
~東京アグリーメントの批准・合併成立~
↓
AF2004
AF2004代表会
2004代表会 2004年
2004年8月
~会則作成会議~
会則作成会議~
② 代表会概要
ⅰ.議事内容: ・ ALSA 会則の作成
・ International Board の候補者選出
ⅱ.代表会出席者:
China: Judy Chan (Representative)
Hong-Kong: Tai Kam Cheng (Director)
Indonesia: Dinda Felia(Chair Person)、Myriam Ayu Paramita (Secretary General)
Japan: Kensuke Ide (President), Shunto Ishibashi (Vice President:STEP)
Korea: Yang-sil Kim (President), Jungloke Lee (Representative)
Philippines: Jayrard M.Casao (Chairman), Imee P Cirio (Vice President)
11
Singapore: Kwan Kei Lum Kenneth (Representative)
Thailand: Yingrak Treesaranuwattana (President), Cholathit Suthiklom (Vice President)
③ ALSA 会則作成の
会則作成の流れ
会則作成作業は 2003 年のタイで開催された第 14 回年次会議(The 14th ASEAN Law
Students’ Conference)の代表会で作成された ALSA 会則のフォーマット案を基に各国
の代表者でアイデアを出し合いながら進められ、途中、東京アグリーメントとソウルア
グリーメントの内容もその会則の中身に加味されていった。
④ ALSA 会則の
会則の概要(
概要(会則の
会則の原文は
原文はP13 に掲載)
掲載)
全般
・ ALSA 会則は前文、及び、全 10 条から構成される。
・ ALSA の会員はそれぞれの国ごとで定義された法学生のことを指す。
・ 各加盟国の会則は ALSA 会則に矛盾した内容であってはならない。
・ AF は International Board 代表の国で毎年開催され、時期は7,8,9月のいずれかとする。
総会
・ ALSA の最高意思決定機関は総会であり、総会は AF の場においてのみ行われる。
・ 総会での投票は各国一票ずつであり、総会での議決は過半数の賛成によって可決される。
・ 総会の定足数は全加盟国の過半数とする。
代表会
・ 代表会は総会に次ぐ ALSA の意思決定機関である。
・ 代表会は各国の正当な代表者によって構成される。
・ 代表会の議長は ALSA 代表が務めるものとする。
・ 代表会の議決は各国の同意によって行われ、それが難しい場合は投票による議決を行う。
機構
・ ALSA の機構は International Board と各国の National Committee によって構成される。
・ International Board の役職は代表、副代表、事務総長、財務、広報担当、学術担当の 6 つ
である。
・ International Board と National Committee の兼任は認められない。
・ International Board の任期はその選挙が実施された日から次の AF で新たな役員が選出さ
12
れるまでとする。
・ International Board は最低、3ヶ月に一度、会議を行う。
選挙
・ International Board は年に一度、AF の総会の場において選挙によって選出される。
・ 同じ国からの International Board 代表の再任は認められない。
・ International Board は ALSA で1年以上、積極的に活動をしたものでなければならない。
・ 同じ国から三人以上の International Board を出すことは出来ない。
・ International Board の立候補者は各国の代表による推薦によって行われ、その推薦は選挙
日の前日までに行わられなければならない。
・ 投票は各国一票の秘密投票で行われ、一番多くの票を獲得した者を当選とする。
⑤ International Board 候補者の
候補者の選出
代表会で作成された会則が AF の総会において承認・調印された場合のみ有効とされ
ることを条件に総会の前日に ALSA 会則第7条に基づいて、International Board の候
補者選出が行われた。そして、これをもって 5 日間に渡る代表会は無事閉会した。
各役職の
各役職
の候補者
代表候補:
Mr. Jungloke Lee (Korea)
事務総長候補:Mr. Cholathit Suthiklom (Thailand)
Mr. Kwan Kei Lum Kenneth (Singapore)
財務候補:
Ms. Cut Fika Lutfi (Indonesia)
Ms. Boonyaorn Phopoonsak (Thailand)
広報担当候補:選出されず
学術担当候補:Mr. Jayrard Casao (Philippines)
13
3) 総会(General Assembly)
① プログラム内容
プログラム内容
・ 代表会報告
・ ALSA-International 会則承認決議
・ ALSA-International 会則調印式
・ ALSA-International Board 選挙
・ 記念撮影
・ ALSA-Japan 代表挨拶
② ALSA 会則原文
The Constitution of The Asian Law Students’
Association
Preamble
The ASEAN Law Students’ Association was established at the First ASEAN Law
Students’ Conference in Jakarta, 18 May 1989. By 2002, the five member countries, Indonesia,
Malaysia, the Philippines, Singapore and Thailand, came to the idea of extending its scope of
membership in order to enhance the achievement of its objectives.
The International Law Students’ Association of Peking University (ILSA PKU) which
represents ALSA China was established in March, 2003.
The Law Association, Hong Kong University Students’ Union (LA, HKUSU) was
established in 1969. It has long been a local student body serving law students in the University
of Hong Kong. According to its constitution, LA, HKUSU represents its members locally and
internationally. After attending a few conferences held by ALSA, it decided to join the ALSA.
Enlightened by the vision and purpose of European Law Students’ Association in 1996,
the Japanese law students decided to set up an Asian Law Students’ Association in East Asian
countries. By the Seoul Declaration in 2001, the International Department of Legal Aid
Association of Peking University, ALSA Japan, ALSA Korea and ALSA Taiwan officially
14
decided to continue to discuss how to build a network between the countries. In 2002, after the
Korean Conference and in the Asian Forum held in Japan, the merging with the ASEAN Law
Students’ Association was agreed. This was made upon the vision and purpose of the first
ALSA members.
The basis for the national committee of the Asian Law Students’ Association in Korea
was first created by Seoul National University law school students in 1998 through ALSA SNU,
a full national committee by the name of the Asian Law Student’s Association of Korea was
formed in the summer of year 2000 consisting of two universities; Seoul National University
and Ewha Woman’s University.
The ASEAN Law Students’ Association which is composed of the member countries
Indonesia, Malaysia, the Philippines, Singapore and Thailand represented by Mr. Niti
Nernchamnong, representatives of the International Department of Legal Aid Association of
Peking University, Law Association, Hong Kong University Students’ Union of the University
of Hong Kong (LA, HKUSU), Asian Law Students’ Association Japan (ALSA Japan), Asian
Law Students’ Association Korea (ALSA Korea) and Asian Law Students’ Association Taiwan
(ALSA Taiwan) attended the Asian forum and signed the Tokyo Agreement on 7 September
2002 to agree to merge into a single association which took effect by a resolution passed
unanimously by ASEAN Law Students’ Association, the International Law Students’
Association of Peking University formerly known as the International Department of Legal Aid
Association of Peking University, LA, HKUSU, ALSA Japan, ALSA Korea and ALSA Taiwan
on 23 October 2003 in Bangkok, Thailand.
We, the law students of the Asian member countries,
CONSIDERING the visions and objectives promulgated in the Tokyo Agreement 2002;
REALIZING the existence of problems due to the differences in legal systems and education in
the economic, social, and cultural development of each member country;
DESIRING cooperation towards the enhancement of understanding and in the resolution of
complexities of the aforementioned problems;
HAVING AGREED to the establishment of an association of general cooperation among law
students of the member countries based on provisions as follows.
15
Article 1
INTERPRETATION
The following words and phrases will take on the assigned meanings unless otherwise stated:
a. “ALSA” means the Asian Law Students’ Association;
b. “Annual General Assembly” means the meeting of all representatives convened once every
year;
c. “Date of Service” means the date when this constitution shall take effect;
d. “General Assembly” shall include the Annual General Assembly and the Special Assembly;
e. “Governing Council” means the Governing Council of the Asian Law Students’ Association;
f. “Host Country” means the country where the General Assembly is held;
g. “Local Committee” means such local committee which is established in accordance with the
rules and regulations of the law schools of the respective member countries;
h. “Majority” means one-half plus one;
i. “Member Countries” means the Member Countries or Regions of ALSA and includes China,
Hong Kong, China, Indonesia, Japan, Korea, Malaysia, the Philippines, Singapore, Taiwan and
Thailand;
j. “Membership” means a student enrolled in a program of study leading to a bachelor degree in
law or a US Jurist Doctor or their equivalent in any law school that has an ALSA Local
Committee and/ or National Committee;
k. “National Committee” means the respective National Committee of Member Countries, and
may include Local Committee where there context so admits;
l. “Representatives” means members of delegation from the National Committees of Member
Countries;
m. “Secretariat” means the secretariat of ALSA
Article 2
GENERAL PROVISION
Section 1. Title
16
The title of the Association shall be the “Asian Law Students’ Association”.
Section 2. Declaratory Statement
ALSA is a non-political association and any acts done or representations made by any
member which suggest or impute that ALSA has political agenda shall be invalid and shall not
bind other members of ALSA.
Section 3. Vision
The ALSA has the following visions:
a. to focus a global vision on the promising future of Asia;
b. to promote an awareness of justice; and
c. to facilitate the recognition of the social responsibilities on law students.
Section 4. Purpose/Objective
The ALSA has the following purposes/objectives:
a. to understand and appreciate the diversity and share the ideals of law in society
through exchange and communication among Asian law students;
b. to motivate law students to develop a creative spirit through a network of
joint-activities among Asian law students; and
c. to encourage the enhancement of the capabilities of Asian Law students to become
internationally minded, socially responsible, academically committed and legally
skilled.
Section 5. Official Language
English shall be the official language of the Association.
Section 6. Concurrent Post
Section 6.1. An officer of the International Board shall not concurrently hold office in
the Governing Council as a representative.
Section 6.2. An officer of the International Board shall not concurrently hold office in
the National Committee.
Article 3
17
MEMBERSHIP
Section 1 Definition
The members of ALSA shall be composed of the legitimate law students as recognized
by the member countries pursuant to their respective jurisdictions.
Section 2 Privileges of Members
The members of ALSA shall have the privilege to participate in ALSA activities.
Article 4
GENERAL ASSEMBLY
Section 1. Authority
The decision of a General Assembly of the ALSA shall possess the highest authority in
all matters affecting the ALSA as a whole.
Section 2. Composition of the General Assembly
The General Assembly shall be composed of the member countries present.
Section 3. Vote
Each member country shall be entitled to one vote in the General Assembly.
Section 4. Method of voting
The vote of each member country shall be composed of the majority of its delegate.
Section 5. Notice
A notice of all General Assemblies of the Association and the agenda thereof shall be
posted beforehand.
Section 6. Quorum
At all General Assemblies, the majority of the member countries shall form a quorum
Section 7. Annual General Assembly
18
The Annual General Assembly shall be held in the Asian Forum in the territorial
jurisdiction or country of the International Board President.
Section 8. Accountability Report
The International Board shall prepare an Accountability Report to be reviewed in the
Annual General Assembly.
Section 9. Special Assembly
The Special Assembly may be held by the Governing Council when extraordinary
matters would arise.
Article 5
GOVERNING COUNCIL
Section 1. Authority
The Governing Council shall be the highest decision-making body of the ALSA after
the General Assembly.
Section 2. Functions
The Governing Council shall have the following functions:
a. to formulate plans of action;
b. to devise activities for the achievement of ALSA objectives;
c. to promulgate rules of conduct of the ALSA;
d. to call a Special Assembly when extraordinary matters would arise;
e. to command the International Board President to review the actions of the
International Board Vice-President in cases when the latter is suspected of
committing acts that are grounds for impeachment.
Section 3. Chairman
The International Board President shall be the Governing Council Chairman. However
if the President cannot fulfill his duty as such, a member of the International Board shall act as
Governing Council Chairman.
Section 4. Composition
The Governing Council shall be composed by the duly authorized representatives of the
19
member countries.
Section 5. Meeting
The Governing Council shall be convened in the Asian Forum and when circumstances
would dictate.
Section 6. Decision Making in the Governing Council
Section 6.1. Decisions of the Governing Council shall be made by the consensus of the
Governing Council members present.
Section 6.2. In the event that a consensus as provided by Article 5 Section 6.1 fails to
be reached, the majority vote in the Governing Council shall render a decision final.
Section 6.3.
In the event that there is an equal number of votes, a vote by the
Governing Council Chairman shall cast the deciding vote and thereby shall render a
decision final.
Section 6.4. Any decision made by the Governing Council may be affirmed or reversed
by the General Assembly.
Section 6.5. The majority of the member countries shall constitute a quorum.
Section 6.6. Each member country is entitled to one vote.
Section 6.7. The decisions of the Governing Council shall be binding upon all member
countries.
Section 6.8.
When a member country raises a valid objection to a decision, the
Governing Council shall re-examine the said decision.
Article 6
INTERNATIONAL BOARD
20
Section 1. Authority
The International Board shall have the authority to execute the decisions of the
Governing Council.
Section 2. Functions
The functions of the International Board of the Asian Law Students’ Association are as
follows:
a. the International Board shall represent ALSA in international affairs;
b. the International Board shall set up the annual plan for the term;
c. the International Board shall be responsible for the day to day management of ALSA’s
international activities;
d. the International Board shall evaluate the previous year’s international exchange and
activities, and the activities and management of each respective National Committee.
Section 3. Composition
The composition of the International Board is as follows:
a. President;
b. Vice-president;
c. Secretary General;
d. Treasurer;
e. Public Relations Coordinator;
f. Academic Activities Coordinator;
Section 4. International Board President
Section 4.1. The duties of the International Board President are as follows:
a. to head the ALSA and the International Board;
b. to oversee all international activities;
c. to oversee all Presidents of each member National Committee;
d. to be in charge of international relations and contacts;
e. to represent the International Board in international affairs;
f. to attend and act as Chairman during Governing Council meetings.
Section 4.2. The International Board President shall consult the Governing Council
regarding any matter that may contravene the ALSA Constitution.
21
Section 4.3. The International Board President shall appoint his International Board
Vice-President.
Section 5. The International Board Vice-President
Section 5.1. The duties of the International Board Vice-President are as follows:
a. to assist the International Board Vice-President
b. to preside as acting International Board President if the President is incapable
of carrying out his duties
Section 5.2. The International Board Vice-President shall perform his duties according to
the will of the International Board President.
Section 6. International Board Secretary-General
Section 6.1. The duties of the International Board Secretary-General are as follows:
a. to collect the overall information for the Asian Law Students’ Association;
b. to keep track of all documents;
c. to record the minutes of all ALSA international meetings that the
International Board Secretary-General attends;
d. to manage the website of the ALSA..
Section 7. International Board Treasurer
Section 7.1. The duties of the International Board Treasurer are as follows:
a. to oversee all financial matters within the International Board of the ALSA;
b. to set up a budget plan according to the annual plan for the term;
c. to maintain the financial records of the ALSA.;
d. to make financial reports to the Governing Council every 3 months;
e. to be the custodian of ALSA funds.
Section 7.2. All funding received by the ALSA shall only be used by the International
Board Treasurer pursuant to an International Board resolution
Section 8. International Board Public Relations Coordinator
22
Section 8.1. The Duties of the International Board Public Relations Coordinator are as
follows:
a. to seek out benefactors of the ALSA
b. to assist in the recruitment of new members of each National Committee.
c. to oversee the manner of publication and recruitment of each National
Committee.
d. to facilitate the flow of information between all ALSA bodies.
Section 8.2. The International Board Public Relations Coordinator shall not disclose
ALSA internal matters to any party without prior approval from the International
Board.
Section 9. International Board Academic Activities Coordinator
Section 9.1. The duties of the International Board Academic Activities Coordinator are as
follows:
a. to establish the major theme for the term that will bind all international
academic activities;
b. to evaluate the theme and collect information about the conditions of the
academic activities in each National Committee;
c. to organize the updates of legal issues from all member countries.
Section 9.2. The academic activities of each National Committee are independent from
the aforementioned major theme.
Section 10. Terms of Office
Section 10.1. The International Board officers shall serve for a period commencing from
the date of the election and until such time their successors have been duly elected in
the next Asian Forum.
Section 10.2. The term of office of the International Board Vice-President shall
commence from the time the International Board President makes the appointment and
shall last depending upon the discretion of the International Board President.
Section 11. Official Meetings
The International Board shall hold a regular meeting at least once every 3 months.
23
However the International Board President may convene the International Board whenever any
contingency should arise.
Section 12. Acting President
In case the President is permanently unable to fulfill his duties, the Governing Council
shall call a Special Assembly to elect a permanent replacement to serve out the remaining term.
Section 13. Acting Officers
Section 13.1. In case any International Board Officer would default in the performance
of his duties, the International Board President shall appoint a replacement who shall
act in a temporary capacity after consulting with the Governing Council.
Section 13.2. The Governing Council shall determine in the soonest possible opportunity
whether or not to permanently replace the officer in default.
Section 13.3. A permanent replacement shall serve the remaining term of his predecessor.
Section 14. Resignation
Section 14.1. Any written resignation tendered by an International Board Officer shall be
tantamount to default of duty.
Section 14.2. An International Board Officer must inform the Governing Council of his
intent to resign at least thirty (30) days before he actually resigns.
Section 14.3. The resignation of an International Board Officer must be granted by the
Governing Council only if there is a justified basis for the said resignation.
Section 14.4. The Governing Council shall determine the acceptance of the resignation
within ten (10) days of receipt of the notice.
Section 14.5. If the resignation is accepted the Governing Council shall elect a
replacement of the vacant post within twenty (20) days.
Section 15. Impeachment
24
Section 15.1. Any International Board member except the International Board
Vice-President may be impeached on any of the following grounds:
a. gross neglect of duty;
b. grave misconduct;
c. willful violation of the ALSA Constitution.
Section 15.2. Impeachment proceedings may be initiated upon filing a petition by a
National Committee to the Governing Council based on the aforesaid grounds.
Section 15.3. The officer subject of the impeachment shall be given three (3) weeks
opportunity to defend himself.
Section 15.4. A majority vote of the Governing Council shall be sufficient to impeach.
Section 15.5. The impeachment proceedings must be acted upon receipt of the petition
and the judgment must be rendered within one week after the officer subject of
impeachment has made his defense.
Section 15.6. An immediate election pursuant to Article 6 Section 12 must take place to
replace any impeached officers of the International Board.
Article 7
ELECTION
Section 1. Time
The election of the International Board shall take place at the Annual General Assembly
at the Asian Forum.
Section 2. Election Official
The outgoing International Board President shall preside over the election of the new
International Board.
Section 3. Qualifications for the International Board Officers
25
Section 3.1. No person from the same member country shall serve as International Board
President consecutively.
Section 3.2. An International Board Officer Nominee must be an active member of
ALSA National or Local Committee who has participated for more than one year.
Section 3.3. No member country shall hold more than two (2) positions, excluding the
International Board Vice-President position, in the International Board.
Section 4. Nominations
Section 4.1. Nomination for the International Board must be made at least one day prior
to the election day.
Section 4.2. The members of the Governing Council shall have the authority to nominate
candidates for the International Board Election.
Section 4.3. The person nominated shall deliver a brief election speech regarding his
plans and qualifications at the Annual General Assembly.
Section 4.4. The Annual General Assembly shall have the authority to question each
nominee on the future of ALSA.
Section 5. Method of Voting
Section 5.1. Each member country shall be entitled to one (1) vote.
Section 5.2. Voting shall be made by secret ballot. In the event of a postponed election,
a Special Assembly shall be convened.
Section 5.3. The positions in the international board shall be voted in this order:
a. President;
b. Secretary General;
c. Treasurer;
d. Public relations Coordinator;
e. Academic activities Coordinator;
26
Section 5.4. The Candidates with the highest number of votes for each post shall be
declared as winners.
Section 5.5. In case of a tie, the winner shall be determined by a run-off election
Section 5.6. In case the tie persists, the Chairman of the Governing Council shall cast
the deciding vote.
Section 6. Re-election
Section 6.1. No re-election is allowed.
Section 6.2. No member who has served on the International Board shall stand for
election for any positions of the International Board in the future.
Article 8
NATIONAL COMMITTEE AND LOCAL COMMITTE
Section 1. National Committee
Section 1.1. Each member country shall have a National Committee which shall have
autonomy from the ALSA.
Section 1.2. The Constitution of each National Committees shall not contravene the
ALSA Constitution.
Section 1.3. The National Committee of each member country shall represent their
respective Local Committees in the ALSA.
Article 9
CONSTITUTION
27
Section 1. Amendment
This Constitution shall not be amended except by a motion carried at a General
Assembly of the Association.
Section 2. Interpretation
The interpretation of this Constitution shall first rest with the explanatory notes and then
the Governing Council.
Section 3. Motion
A motion to alter or amend any part of this Constitution shall be carried only when so
agreed to by not less than two-thirds of the Full Members present and voting at that General
Meeting.
Article 10
SAVING PROVISION
All other matters not governed by the foregoing shall be decided upon by the Governing
Council with consideration to justice, fairness and the ideals of the ALSA.
Promulgated on the 29th of August, 2004
in Tokyo, Japan in the 1st Asian Forum of ALSA
28
③ ALSA 会則の
会則の承認
総会ではまず、ALSA 会則の構成についての説明が Mr. Jungloke Lee から全参加者
の前で行われ、その後、質疑応答の時間がとられた。その後、各国で協議をした後、
全会一致で ALSA 会則の承認がなされ、各国の代表者達によって調印された。
④ ALSA International Board 選挙
まず、代表、事務総長、財務、学術担当の順に候補者がそれぞれ所信表明を行い、
それに対する参加者との質疑応答がなされた。その後、投票が行われ、その結果、第
一次 ALSA International Board が以下の通りに選出された。
代表
29
:Mr. Jungloke Lee (Korea)
事務総長:
事務総長:Mr. Kwan Kei Lum Kenneth (Singapore)
財務
:Ms. Cut Fika Lutfi (Indonesia)
(Indonesia)
学術担当:
学術担当:Mr. Jayrard M.Casao (Philippines)
(Philippines
⑤ 今後の
今後の ALSA の展望
ⅰ. International Board 副代表、
副代表、広報担当の
広報担当の選出
AF 終了後に会則に基づいて International Board 副代表と広報担当が選出された。
副代表 :Ms. Gwak JiJi-hyun (Korea)
広報担当:
広報担当:Ms. Boonyaorn Phopoonsak (Thailand)
ⅱ. ALSA Website、
Website、ロゴマークの
ロゴマークの作成
International Board 事務総長、広報担当の管轄によって近いうちに作成される。
ⅲ. ELSA、
ELSA、ILSA との関係強化
との関係強化
International Board 代表が両団体と連絡を取り、ELSA ICM と ILSA Fall Conference
に ALSA からも参加することになった。
ⅳ. 2005 年度の
年度の ALSA の企画
以下の企画の来年度開催が現在までのところ予定されている。
・ 第 2 回 The Asian Law Students’ Conference in Thailand(5 月)
・ 第 2 回 The Asian Law Students’ Forum in Korea(8 月)
30
学術プログラム
1)分科会(Workshop)
[Table.A] 「情報」
インターネット上の有害コンテンツ、ポルノグラフィー
0. 参加者
TC
Yenny Zulmadjdi(
Zulmadjdi(Indonesia)
Indonesia)
AC
門野坂尚志(
門野坂尚志(早稲田大学)
早稲田大学)
Members
Aixia Wang、
Wang、Kathy Tang、
Tang、Ji YounYoun-Kim、
Kim、Hyang Sook Yoon、
Yoon、Thanisa Pungsupa、
Pungsupa、
Tasa
Tasaya Chaichumporn、
Chaichumporn、Peachya Thammapitagkul
Thammapitagkul、
李相煥、梶原奈央子、
梶原奈央子、菰池さやか
菰池さやか、
tagkul、李相煥、
さやか、星野
公哉、
公哉、磯村史嘉、
磯村史嘉、高亮、
高亮、八束聡一
Observer
小出陽子、
小出陽子、Lai II-wei
1. テーマの
テーマの設定趣旨
今回他のテーマと並んで「情報」テーブルが置かれた理由は、周知のごとく、今日の社会が
情報化の一途を辿っているからです。そして、それに伴い社会は日々急激な変化を体験していま
す。実際に、インターネットの普及・利用は社会に多大なる利益をもたらしています。しかし、
そうした技術の進展は、当然のことながら同時に、新たに、多くの分野にわたって様々な社会問
題を発生させています。そこで、大きなテーマとして、今後私たちが情報とどう向き合うか、情
報をどう扱うかを今検討する必要があると考えました。さらに、インターネットには国境の概念
がなく、ひとつの国の問題に留まらないことにも注目しなくてはなりません。この点、このテー
マはアジアの各国から参加者が集まる本フォーラムにはふさわしいものであったと考えます。
具体的な題材としては、TCの問題意識もあって、有害コンテンツにどう対処するかを選びま
した。インターネットを利用するのは大人だけでなく、子供、特に10代の子供のインターネッ
トに接する機会が多くなっていることを考えないわけにはいきません。なぜなら、それらは彼ら
の健全な育成を阻害する一つの要因になりえるからです。それゆえ、本問題はインターネットに
関係した他の問題と比較しても、今回検討するに値すると判断しました。同様に、それらはアジ
ア各国の文化・道徳観を揺るがす危険性もあります。当日は、時間・方法の問題もあって、さら
に具体的なテーマ、オンライン・ポルノについての議論に終始しました。
以上より、今回TCとACの間で本テーマを扱うことを決定し、当日アジア各国からの参加者
の間で、相互に情報交換、各国の状況への理解、問題意識の共有をはかる必要性を認識した上で、
議論・検討を行いました。
31
2. 議論の
議論の流れ
当日3日間、合計10時間の枠の中で「オンライン・ポルノ」について議論・検討を行った。
①【1日目】
先ず、最初に導入部分として、インターネットにおける情報技術の進展について話し合いを持
った。その後、さらに小グループに参加者を分け、有害コンテンツ一般に関して、参加者全員が
意見を交換できる機会を持った。その結果、これから話し合う前提として、インターネットがも
たらすプラスの面だけではなくマイナスの面に関しても参加者の間で確認できた。また、その中
で、ポルノを有害コンテンツの一つに位置づけ、規制の必要があることを決定した。さらに、そ
れはインターネットそのものから生じる問題ではなく、それを扱う人間に本質的な問題があると
いう意見も出された。本来、インターネットは、その特性からも表現の自由という点からも、自
由であるべきというのが参加者の間の共通認識である。
この時点で、
「ポルノ」をどう定義するのか(何をポルノと位置づけるか)という問題も挙が
ったが、結果的に、定義することの難しさを確認するに終わった。
その後、事前に用意した項目に従って各国の参加者に基調報告を行ってもらい、それに対する
質問・検討を終えたところで初日を終了した。
②【2日目】
この日は、ポルノの規制との関係で論じる必要があると考えた法的な論点を含めたいくつかの
項目について検討を行った。先ず4人くらいから成る小グループにおける作業を実施し、それぞ
れのグループが検討した中身を、再度全員で取り組むという方式をとった。
取り上げた項目を以下に挙げる。
・ 情報、表現は表現の自由もしくは検閲の禁止を考慮した上で規制されるべきか。
・ 現行の法律をインターネット上の有害コンテンツに適用して対処するのか。もしくは新た
な法律をインターネット用に作成すべきか。
・ 有害コンテンツに対する ISP の責任
・ 効果的な法執行のための多国間協力について
・ オンラインポルノの影響
・ ポルノと性犯罪との関係
・ ポルノの増加が影響を与える要素
・ 国、親、教師の責任
③【3日目】
前2日間の話の流れを受けて、以下のグループ(国、ISP、親・教師、一般ユーザー)の責任、
取りうる解決方法について議論・検討を行った。この際にも、3つのグループに参加者を分け、
全てのグループに関して検討してもらった。
32
3. 結論・
結論・提言
最終日に前2日間に議論・検討してきたことを前提に、3日目に参加者から提案してもらっ
た内容、インターネット上のポルノをなくしていくための取りうる対策をまとめたものを結論と
して提示する。3日目に準じて、4つの観点に分けて論述する。
①国
・ 技術(フィルタリング技術)の発展のために尽力しなくてはならない。そうした技術開発
について全ての国が資金協力を行うべき。
・ インターネットユーザー(国民)に倫理教育を徹底すべき。
・ 各国でポルノの定義をより明確にした法律を立法するよう努力する。
・ 各国が、オンライン・ポルノに対する国際的な基準を、最低限の規則としてつくるために
協力していくべき。それは各国がオンライン・ポルノに関する立法、効果的な法的手段を
行う上での基礎となりうる。
・ 各国がプロバイダーを監督する非営利の形態をとる独立法人を設立する。
②ISP
・ プロバイダーはインターネット上のポルノを減らすために政府を協力する。
プロバイダーはユーザーを管理し、国に情報を提供する。
政府と協力して常にインターネット上のポルノを監視する組織をつくる。
・ 会社内においても独自の規制を設ける。
③親・教師
・ 親、教師共に子供に対して有害コンテンツ、インターネット上のポルノの危険性について
説明し、それについて話し合う時間を持たなくてはいけない。学校・家で道徳教育や価値
観の教育をもっと徹底すべき。
・ 親はその立場から子供のインターネット(コンピューター)の使用をもっと積極的に管理
すべき。具体的に、フィルタリングソフトを利用する、コンピューターを親の目の届くと
ころにおく。
・ 子供だけでなく、親自身が近年の技術の進展に遅れをとらないために、コンピューターに
ついてもっと教育されるべき。
④一般ユーザー
・ 一般ユーザーであってもポルノサイトの割合を減らすために尽力しなくてはならない。世論
として政府に働きかけるなど方法が考えられる。インターネットにおいて人々が簡単に意
見・立場を表明できるという特性を利用できる。社会(一般ユーザー)はもっと積極的に政
府や政府の政策に働きかけるだけの影響力をもつべき。
33
・ 一人一人がインターネットから生じるプラスとマイナス部分を峻別するだけの価値観と道
徳観を持たなくてはならない。
上記のグループのどれか一つ、もしくは個々に機能するのでは効果的な対策になるとは考えら
れない。それぞれが相互に連携をはかっていくことで初めて意味を持つ。
上に挙げた1から4の項目で述べた内容を今回のテーブル・ディスカッションの成果とする。
4. TCの
TCの感想
During the Table Discussion held in Asia Forum 2004, I found great enthusiasm from all of the
participants in Table A.
I think that it was wonderful that various participants from different countries
could gather up and exchange various views over the same topic which, in Table A, was “Problem of
Harmful Contents Existing in Internet Represented by Pornography”.
It was interesting to know
different views from each of the participants over this theme since each of the participants came from
different countries with different culture and background.
Personally, I had learned a great deal about
the situation in other countries as well as learning that there were a lot of bright ideas coming from the
participants in which I, personally, hadn’t thought of.
In my point of view, I think that Table A had been a success since Table A had contributed
different aspects of solution concerning On-line Pornography.
Table A had also encouraged each of the
participants to speak up their mind about the theme in a form of discussion.
Although at the first time it
was awkward for all of the participants to speak up and give their point of views, later on, the participants
had been more active and comfortable to exchange views and discussed among the others.
It was
wonderful that at the last day of the discussion, I feel that everyone in the table had a sense of belonging
to each other.
Over the topic in Table A, On-line Pornography, I have a strong belief that it is an essential
problem exists in the society and it has to be solved immediately.
This matter has aroused me a great
concern since it gives such a wide impact to the society, not only to adults, but also to children.
It is
concerning since not many people think that On-line Pornography is a problem, that it is a common thing,
while actually it can be destructive and give lots of bad excess to the lives of the people.
some actions need to be done by all sides of the society.
That is why
I think that the Table Discussion had been a
good start because I believe that through the discussion, the participants, as the future generation, had
opened their minds and share awareness concerning this matter.
By acknowledging this awareness, it is
greatly hoped that someday we can overcome this problem to create a better society.
(Yenny Zulmadjdi)
34
5. 日本人参加者の
日本人参加者の感想
私の参加したテーブルAのディスカッションのテーマはネット上のポルノグラフィーをどう
定義しどう取り扱っていくかというそれぞれの国の宗教や価値観によって大きく意見が分かれ、
一つの提言をまとめていくことがとても困難なものであったと思う。事前勉強会ではその点にお
いて議論が行き詰ってしまうのではないかと日本人参加者の間で懸念していたものの、TC・A
Cの上手な進行とお互いのバックグラウンドを理解しようとする各国の参加者たちの姿勢によ
って提言をまとめるに至れた。互いの意見に耳をかし、理解することは決して不可能なことでは
ないということを実感できた。今回AFでこのようなディスカッションに参加できたことは私に
とってとてもよい経験だった。
(一橋大学
菰池さやか)
まず、肯定的に評価できる点は、TC と AC による議事進行の円滑さです。今回のテーブル・デ
ィスカッションでは、時間の枠の中で討論を行うとともに一定の結論を出すことが目標でした。
あまり突飛な意見の出にくい議題だったと言えるかもしれませんが、それにしても、所期の目標
を達成することができたのは評価に値することだと思います。また、今回のテーブル・ディスカ
ッションは、比較的和やかな雰囲気で展開しました。これについては評価は分かれるかも知れま
せんが、初めての参加者が多く、また ALSA としての交流の歴史も浅いことを考えれば、肯定的
に評価できることだと言えます。
内容については、特に討論の前提となる情報共有について、事前の情報交換がもっとできてい
ればより深い討論ができたんだろうと思います。やはり文化・価値観の差異が大きく見られるア
ジアでの交流である以上、相互の状況・感覚についての事前の理解がなければ、意外性の発見だ
けで終わってしまいかねません。
また、今回の「インターネット上の有害情報」というテーマは、確かに社会の中である一定の
重要さを持つ問題であり、時として大きな注目を浴びるものではあります。しかし、それを扱う
必然性、問題意識がどれだけ参加者に認識されていたか。AF を開催するからテーブル・ディス
カッションのテーマを設定する、というのでは学術的な面では AF が自己目的化しているという
謗りを免れません。もし本当に重要な問題であるなら、AF だけの一過性の論題として終わらせ
るのではなく、継続して情報交換・討論が続けられてもよいものだと思います。これは、テーブ
ル・ディスカッションの最も大きな課題の一つではないでしょうか。
最後に、個人的な問題として、英語力があります。自分が聞取り理解することのできた発言は
何割あったか。しかも、おそらくこのような貧弱な英語力の問題を抱える人間は自分だけではな
いような気がします。そうした状況の中で、討論から大きな収穫を得ようというのは困難極まり
ありません。だからこそ、英語力の向上とともに、事前準備・事後追跡が重要なのです。
(早稲田大学
磯村史嘉)
このテーブル・ディスカッションにおいて評価できる点は、いい雰囲気の中最初から最後まで
設定したテーマについて約6カ国から集まったメンバーが全員で議論・検討を行い、結論という
35
形で参加者全員に報告できたことにあると考えます。今、アジア地域において法学生のネットワ
ークを構築しようとしている ALSA において国際交流という観点からそれを評価しないわけに
はいきません。
しかしながら、学術という面だけを見れば、私にとっては当日の成果は不満が残るものでした。
たとえば最終日にテーブルの結論として出した提言に法学生的な視点がどれほど含まれていた
かは法学生団体であるがゆえ、考える必要があると思います。それに関して AC として今回参加
した私に大きな責任があるのは明白であり、それを思うと悔しく思わずにはいられません。すで
に述べたように参加メンバーは一人一人最善を尽くしてくれました。問題は多々あると思います
が、特に議論する項目の内容・関連性を前もって検討をもっと重ねるべきだったと反省していま
す。しかしながら、そうした部分を考慮した上で今回の成果は、数カ国の法学生が実際に集まっ
て話し合いを持ったという点で、現時点においてそれなりの意味があるものと考えます。
また、扱ったテーマは近年の技術の急速な進展(インターネット)によって生じた問題につい
て、法的な論点を考慮した上で、どのような対策が講じられるのか、またポルノという、もとも
と定義が不明瞭で、国によって定義も異なる問題についてどのように数カ国・地域で協力して取
り締まることができるのかといった議論する上で多くの難しい要素を含んでいました。こうした
テーマをどのように ALSA という場で扱い、生産的な議論を行っていくかは ALSA という団体
で学術活動を行っていく上でこれから考えなくてはいけない問題だと思います。その際、重要と
なるのは、既に述べましたが、法学生としての視点です。今回結論という形で、解決方法を列挙
しましたが、それよりも法学生としてどうその問題を扱えるのか、どの部分において法的な視点
が必要となるのかを検討し、報告することにこそ意味があったのではないかと考えます。
最後に、参加してくれたメンバー全員に感謝します。特に、来日前からメールで議題の準備に
参加してくれ、また当日すばらしい進行をしてくださった Yenny さん、国内メンバーでは、1
年生ながらほぼ一人で日本側の基調報告をまとめてくれた磯村史嘉君、3日間の議事録を取って
くれた菰池さやかさん、梶原奈央子さんには大変感謝しています。 (早稲田大学
門野坂尚志)
36
[Table.B] 「労働」
移民労働者
0. 参加者
TC
Cut Fika Lutfi(
Lutfi(Indonesia)
Indonesia)
AC
野村洋介(
野村洋介(早稲田大学)
早稲田大学)
Members
Jessica Adya Astari Yudadibrata、
Yudadibrata、Vivian Heung、V
Heung、Vincent
、Vincent、
incent、Jeongwon Yoon、
Yoon、
HyunHyun-hee Chang
Chang 、 Ronaldo Mababa 、 Boonyaorn Phopoonsak 、 Cholathit Suthiklom 、
Pakorn Damrongwattanapokin、
Damrongwattanapokin、石塚有希、
石塚有希、中島あゆみ
中島あゆみ、
あゆみ、中田智仁、
中田智仁、宇佐美知宏、
宇佐美知宏、照屋朋子
1. テーマの
テーマの設定趣旨
国際化する世界において、国家と国家の経済的なつながり・相互依存関係が深まっていく中に
あっては、モノ・金・情報は容易に国境をこえます。人もその例外ではありません。航空機の運
賃低下・国家による規制の緩和など、昔にくらべて「国境を越える人の移動」はますます容易に
達成されるようになってきています。
その中で、金銭的な目的で仕事を求めて国境を越える人々は一般に「労働移民」と呼ばれてい
ます。一口に労働移民といってもIT技術者から不法就労者まで実に様々な形がありますが、人
の移動には必ず現地での労働や生活が伴うため、国家を中心とする現在の枠組みのなかで経済
的・文化的な衝突は尽きません。これらの問題はなぜ発生するのでしょうか?そしてますます
様々なものの移動が激しくなっていくであろう21世紀のアジアにおいて、現代社会が抱えるこ
れらの問題を根本的に解決することはできるのでしょうか?もしもこの動きが不可避なもので
あるならばモノや情報とは別に、「国境を越える人のためのルール」の整備が必要なのではない
でしょうか。
以上のような問題意識に基づき、各国の抱える問題を挙げながら問題の本質がなんなのかを話
しあい、それに対する解決策をまとめることを目的として本分科会を設定しました。
2. 議論の
議論の流れ
一口に労働移民といっても、単純労働から頭脳労働、合法な労働から非合法な労働まで多様な
パターンが考えられます。そこで事前に範囲を絞り、扱う対象を「経済力と特別な技能がなく、
特に経済面においてよりよい状況をもとめて外国に渡る人々」と定義しました。特に違法労働者
は移住先で社会保障や法的な保護を実質的に受けにくくより問題が根深いので、そのような観点
も盛り込んで話を進めていきました。
37
《1 日目》
:各国が自らの国における、労働移民をとりまく現状に関して広くプレゼンテーショ
ンをしました。日本、香港などの移民受け入れ側の事情とインドネシアをはじめとする送り出し
側の事情はまったく違い、双方からお互いの国について質問がなされ理解を深めていくことがで
きました。やはり事前に予想していた以上に論点はバラバラでしたが、非合法の移民に関しては
どの国においても根が深いということが見えてきました。
こうして各国基調報告・質疑応答のあと問題点が抽出されたところで、班員を国籍を混交して
3 グループにわけ
A:なぜ労働移民が発生するのか
B:違法労働者の人権を受け入れ国内でどう擁護していけばよいのか
C:法律の執行について
の3つのトピックに内容を絞りました。
《2 日目》
:それぞれの班が前日に示された3つのトピックを話し合いました。ここでもトピッ
クごとに活発な議論がなされました。
(結論のページを参照。
)
《3 日目》
:結論をまとめるということで、各班から問題点と解決策が示されました。
(結論のペ
ージを参照)
余談ですが、分科会の最後に外国の労働者を受け入れることが国内労働者の圧迫につながるの
ではないかという意見が香港の参加者から出されて、議論が紛糾する場面もありました。彼が引
用した例は香港において難民認定の要件を緩和し、彼らに対する社会保障を手厚くする政策を導
入したところ難民が殺到して重要な国内問題に発展したというもので、労働移民に関するもので
はないのですが、非常に鋭い指摘だったと思います。
つまり、どこまでなら受け入れられるのか?どこまで規制をかけるべきなのか?労働移民を広
く認め厚遇することは今ある「途上国から先進国へ」という労働者の動きをいっそう加速させる
ことになります。受け入れる側の国は、当然問題も抱えるし、コストも膨大にかかります。
国家間の経済力の差異と、非合法な移民労働者はたしかに存在する。そして彼らの人権は守ら
れなくてはいけない。まして、現代社会では彼らを積極的に排斥するわけにはいかない流れもあ
る。一方で、国家という枠組みも依然強く残っていて、国内の要請から何でも無条件に認めるわ
けにもいかない、という現実の問題に直面し、私たちは問題の根深さを実感することになりまし
た。
3. 結論・
結論・提言
分科会で話し合われた内容を評価会で発表しました。私たちのテーブルでは2日目に話あわれた
3つのトピックに従い、それぞれの班からの結論をまとめました。
38
A:なぜ労働移民が発生するのか?
根本的には、経済力の格差(賃金の格差など)の存在。付随的に、社会的・文化的な問題があ
る。具体的には、自国よりも高い賃金が得られるという情報、受入れ国内における既成のコミュ
ニティーの存在(チャイナタウンなど)
、地理的な近さ、人種、宗教などが複雑に絡んでいる。
また一般的に非合法な労働移民になる人の教育レベルは十分でなく、自国での社会進出や専門技
術習得が難しい場合も多い。
まとめると、第一に、送り出し国の多くの人がよりよい経済的な状況を求める一方、多くの受
け入れ国は厳しい制限を課している。第二に、社会体制、容易に手にできる情報、教育の格差に
基づく社会的地位の違い、文化の相対的な同質性などにより、非合法の移民は発生していると考
えられる。
B:どのように違法労働者の人権を擁護していけばよいのか?
違法であるため社会保障が受けられず、見つかれば強制送還のおそれもあるので仮に人権侵害
が起こっても泣き寝入りしてしまうことがある。しかし彼らの人権や、人権侵害がおきやすい現
状は見過ごされてはいけない。
具体的には、彼らの存在を合法化し、社会保障を与える。ただし、そのまま合法化しても問題
は解決されないので、職業訓練と教育を施す(主に送り出し国)。また、多国間の協力体制を条
約などによって構築するべきである。
C:法律の施行
(受け入れ国での対策)
・ 人種・宗教をはじめとした差別や人権侵害がないかを監視し、実態を調査する委員会を設置
する。
・ 社会の中において、平等観を育てることのできる教育の推進をする。
・ 違法就労の罰則を強化して、思いとどまらせる。
・ 送り出し国との対話・共同での政策決定を行っていく。
(送り出し国での対策)
・ 非合法の移民労働の罰則強化
・ 移住の要件の厳格化
・ 違法労働の危険の啓蒙
39
4. ACの
ACの感想
私たちは労働法・国際法に関する専門家ではないので、もちろん実効性のあるような政策とい
う形で提言をまとめることはできませんでした。しかしながら、アジアの国々にそれぞれ固有の
問題が存在することをあらためて認識できたこと、そしてただの意見の並列に終わるのではなく、
それらの原因や、問題を考えていくにあたっての方向性を立場の異なる参加者の間で共有できた
ことはこの分科会の大きな成果であると思います。
21 世紀において、ともすると「アジア共同体」というような曖昧なイメージが先行しがちで
すが、私たちは厳然と存在する経済格差・文化、社会体制の相違・それに起因する人権問題など
大きすぎる課題をいくつも抱えているのです。今回扱った問題は、国際化する社会のなかで必ず
大きくなっていく問題の氷山の一角に過ぎないと思います。そして、労働をとりまく問題は私た
ちが大学を卒業して社会にでれば必ず直面することになる課題です。
これらに対する特効薬・解決策は今のところ明確になってはいませんが、アジア諸国の相互依
存関係が今後強まっていくことがほぼ間違いないこともまた事実なのです。私たち一人ひとりも
また、そのような大きな流れから自由ではないのではないか、そうであればまず、どのような問
題が存在するのか・今何がおきているのかを目をそらさずにアジアの人々と共に考えていくこと
が大きな意味を持っていくのではないかと切実に感じました。
積極的に発言し、テーブルをエキサイティングなものにしてくれた各国参加者のみなさんに心
から感謝したいです。
(早稲田大学 野村洋介)
5. 日本人参加者の
日本人参加者の感想
私が選んだテーマは Migrant Workers(移民労働者)です。多くの移民労働者を受け入てい
る日本にとって、大きな問題であるのと同時に、移民労働者を送り出すアジア地域にとっても何
か問題が生じるはずです。前々からこのテーマについては関心があり参加しましたが、AF で学
んだことは多かったです。Table discussion の3日間では、受入国の視点から、または、送出国
の視点から、その国の現状、移民労働者に対する法制度、問題解決に向けての方向性を考えまし
た。本を読んだだけではわからなかった具体的な話を、テーブルという場において、その現地の
情報をアジア各国の代表から聞けることは、大変貴重な体験でした。各国の代表はともに明確な
己の主張を持っており、それに負けそうになるときもありましたが、それに対抗し意見を言うこ
とで、成長につながったと思っています。
(一橋大学 中田智仁)
まず、AF においてのディスカッションはそれまでに体験した英語でのディスカッションとは
大きく異なったものだった。参加者の語学力が一様に高かったこともあるが、多くの国からの参
加者が集ったことによって様々な立場を考慮しなければならず、2国間で行うディスカッション
よりも妥協点を探りにくく感じられた。ただ、労働移民ということで、今後様々な分野での一層
の協調体制を目指していくべきであろうアジア地域にとって、人の移動に関する規制は緩和され
40
るべきであろうし、すでに多くの労働移民がでてきている中で、労働移民の増加に付随して起こ
る社会問題に送出国・受入国が協力して取り組む必要があることを改めて考えさせられた。また、
これまで地理的には近いアジアを、本当に‘近い’国々として捉えていたかというと疑問が残る
自分にとって、ディスカッションを通してそれぞれの国の実情を、それぞれの国の参加者が報告
してくれたこともあり、アジアが確かに‘近い’国々に感じられるようになった。
(早稲田大学
41
宇佐美知宏)
[Table.C] 「労働」
女性と労働
0. 参加者
TC
Pang Bo(
Bo(China)
China)
AC
村尾麻帆(
村尾麻帆(早稲田大学)
早稲田大学)
Members
Lu Huaqiang (Kevin)、
(Kevin)、Danny Chan、
Chan、Utami Meikasari、
Meikasari、Gwak JiJi-hyun、
hyun、Yang
Hee Yoon、
Yoon、Joyce
Joyce Grande、
Grande、Jittreeya Pongvittayapanu、
Pongvittayapanu、Nantarat Thitaviriya、
Thitaviriya、姫野めぐみ
姫野めぐみ、
めぐみ、
石橋瞬人、
石橋瞬人、井無田将、
井無田将、細江智洋、
細江智洋、三坂和也
1.
テーマの
テーマの設定趣旨
労働は現代社会に生きる全ての者にとって重要である。労働は、生活するためのお金を得る手
段のみならず、私達のキャリアでもある。世界の経済的社会的発展に伴い、人々の生活水準はか
つてに比べ高くなっており、生活状況も良くなっている。そこで、人々は自分達の労働環境や条
件についてもより求めるようになってきている。現代社会において労働状況とは私達が考えなけ
ればならない重要な社会問題の一つなのである。
労働において女性は必要不可欠な存在であり、現代社会においてより重要な役割を果たしてき
ている。彼女達は重要な労働者であり、私達社会にとって多くの富を生み出してきた。しかし、
女性は肉体的、精神的特性と育児負担があるために、男性労働者よりも厳しい圧力や挑戦に直面
している。アジア地域も例外ではない。アジアには未だ多くの発展途上国が存在し、経済など様々
な理由の下、アジアの女性の状況は北アメリカやヨーロッパといった先進地域に比べ厳しいもの
となっている。アジア地域におけるこの問題は議論するに相応しく、私達はアジアの発展途上国
からのみならず他地域の多くの国から学ぶことができると考える。
女性労働者の不利益な地位を理由に、世界の国々では女性を法的に保護している。私達は女性
労働者の状況と労働権に注目するのみならず、彼女達の生活状況についても注目すべきである。
女性労働者の労働、生活状況の改善は政府のみならず社会全体で行うことである。法学生として、
私達は主に法的観点から効果的解決方法を導き出すが、社会の一員として、多方面からの解決方
法なども考えていきたいと思う。
2.
議論の
議論の流れ
1.性差別の基本的状況に関するレポート(国別)
(1) 女性就業者の発展の歴史
(2) 女性就業者の割合
42
(3) 賃金格差
2.各国における性差別問題
中国:
(1) 女性の就職問題
① 多くの会社で女性受け容れを拒んでいる
② 多くの会社が大卒女性に対してより多くの資格・技能を求めている
③ 約8割の会社が 18~30 歳の女性のみを受け容れており、35 歳以上の女性は就職が困難
である
(2) 男女間の退職年齢格差(男性 60 歳・女性 55 歳)
香港:
(1)職業名の違い
同じ職業にも関わらず、男女間でその名前が異なり、大抵男性の方に相当な名前が与えられ
ている
(3) 男女間の退職年齢格差
インドネシア:
特になし
日本:
(1)頭脳労働者の問題
男性の方がより重要な仕事が与えられ、その結果女性の賃金が男性に比べ低くなっている
(2)子供の養育
子供を抱える女性は仕事復帰が難しい
(3)間接的性差別
家庭を持つ就業者の中で家主である者に対して、会社は特別給与を与える。日本の場合家主
は男性なので、必然的に男性の方がより多くの給与を受けとることになる
韓国:
大卒女性の 35%が差別を受けている
(1)就職面接時
(2)ボーナスが男性より低い
(3)昇進することが男性に比べ難しい
(4) セクシャルハラスメント
タイ:
(1)名字
(2)強姦罪の刑罰
3.各国に共通する問題点を3つ挙げ、それぞれの原因と解決方法を考える
① 就職の難しさ
原因:内的原因
43
1)男女の肉体的相違
2)男女の精神的相違
3)女性は危険な仕事ができない
外的原因
1)男性の方が会社の利益により貢献する
2)社会の経済発展
3)法が効果的に機能していない
② 賃金格差
原因:1)効果のない罰則規定
2)慣習
3)女性の能力の低さ
4)女性の古い考え方
③ 退職年齢格差
(各国具体的状況がかなり異なるため、それぞれの国を比較した)
原因:香港
生活保護制度機能がうまく働いていないため、就業したい人が少ない
日本
1) 法律では男女一律だが、実際は違う
2) 退職年齢に格差があるため、男女間の年金支給額が異なる
3.
結論・
結論・提言
1.就職の難しさ
① 政府の積極的介入
② 女性雇用の多い会社は税金の一部を免除するなどの策をとる
2.賃金格差
政府が女性の能力向上について援助をする
3.男女間の退職年齢格差
香港
政府が生活補助金をもっと支給する
日本
1) よりよく機能するよう、法を改正する
2) 育児後、就職復帰を希望する女性に対し、技術訓練などといった就職サポートを行う
44
4.
TC の感想
1.各テーブルで扱う問題が異なっているため、全テーブル共通の進行方法を見つけ出すこと
は難しい。各テーブルそれぞれに合った方法で進めるのが良いと思う。
2.私達はディスカッションを積極的で面白いものにさせるため異なったタイプの方式をとっ
た方がいいのではないか。私達のテーブルでは、参加者間の倦怠感、誤解を避けるため、参加者
に発表させる以外に様々な方法をとった。例えば、参加者が説明する際は口頭のみならずボード
を使って説明させたりすることで、参加者のよりよい内容理解に留まらず、それぞれの説明につ
いて質問をしたり、議論したりできる。これはまさに私達のテーブルディスカッションの目的で
ある。また、参加者を少人数グループに分け、それぞれで話し合ってもらった。問題をより効果
的に解決するだけでなく、更にはそのグループ内で参加者が自由に話し、より効果的解決案を考
え出すことができる。これにより、議論をより積極的に動かすことができた。
3.性差別というテーマについてだが、確かにこの問題は国内的ではあるが、私達は一緒にこ
の問題を解決しなければならない。これには2つ理由がある。一つ目は、私達が三つの主要問題
を挙げたように、性差別について共通した問題点が存在しているという理由である。二つ目は、
各国各々がそれぞれ問題を抱えているので、その国特有の問題が存在しているというところにあ
る。つまり、私達がその問題について議論し解決すれば、その問題が存在しない国から問題の解
決方法、助言、提案などを得ることができるからである。
(Pang Bo)
5. 日本人参加者の
日本人参加者の感想
学術テーブルには、代表者会議への出席等の関係で、最終日のテーブルしか参加する事ができ
なかった。まず最終日までにどういった話し合いが行われていたかという事が把握できないまま
いきなりテーブルに飛び込んだので、発言はしづらかった面がある。一回しか参加していない上、
扱うテーマが分類されていたため、それぞれの国の特徴や状況をつかむのは難しかったが、イン
ドネシア等は明らかに男女の差というものが全くなく、このテーマで話し合う事は特に無いとい
うスタンスだった。中国に関しては、日本よりも状況が遅れていたり、それぞれの国によって状
況が大きく異なっている、というのが全体的な感触だった。そこからさらに細かい話まで聞きた
かったのだが、議論の結論を出す段階にいたので、時間が足りず、状況を少し理解するだけで終
わってしまった。しかし一回参加した中で、最後のテーブルのやり方は効率が良く、無駄な時間
がなく充実していたと感じた。グループ分けをし、そのグループが出した結論をお互いに発表し
あったのだが、グループ内でも議論が途絶えず、皆が発言していた。短い時間だったので、やは
り不完全燃焼だが、少しでも他国の話を聞き、共に一つの結論を出せたのは良かった。
(中央大学 石橋瞬人)
AF の反省で一番感じたことは英語力のなさだが、一番反省しなくてはいけない点は参加態度
であった。語学力のなさは短期間で克服することはできないにしても、それを補うための努力は
45
もっとできたと思う。海外参加者がしっかりと準備をしてきたのに、自分が発表するときに手間
取っていたのは失礼であり、失望させたことだと思う。意思疎通で手一杯になってしまって、一
歩踏み込んで話し合うことが自分にはできなかった。それがかなり悔やまれるが、参加者の発表
で言っていることが聞き取れなかったので致し方ない。それに関しても、根本には語学力の問題
があるだろうが、もっと準備をしていたらもう少しわかったはずである。
個人的には elsa-icm での経験から、ALSA の良さというものを強く感じたのだが、一方で ALSA
最大級のイベントである AF を100パーセントいかすことができなかったのを、今では残念に
思っている。ただ、AF のテーブルはいやな思い出というわけではなく、できないなりに自分と
しては充実した時間を過ごせたと思う。やはりあれだけいろいろな国の学生と話す機会があるの
はすばらしいことだ。次の機会があればより主体的に関わって、自分にとってより有意義なもの
にしていきたい。
(早稲田大学
細江智洋)
46
[Table.D] 「教育」
子供の権利~体罰を考える~
0. 参加者
TC
Michael Yong’An Tang(
Tang(Singapore)
Singapore)
AC
鹿又光枝(
鹿又光枝(中央大学)
中央大学)
Members
Fan Rong、
Rong、Eric Au Yeung、
Yeung、Muhammad Iqsan Sirie、
Sirie、Yi Jisun、
Jisun、Soo Hyun Shim、
Shim、
Kenneth Kwan Kei Lum、
Lum、Anusorn Ashariyaveshaponk、
Ashariyaveshaponk、Kittisak Srikureja、
Srikureja、佐々木萌、
木萌、磯
尚苗、
尚苗、平田知美、
平田知美、黒石真那美、
黒石真那美、永井康子、
永井康子、井上隆博、
井上隆博、平原彰人
1. テーマの
テーマの設定趣旨
「次世代を担う私たちはこれからどうしていくのか」という大きな学術テーマの下で、教育部
門が置かれました。教育の形は様々でありますが、根本的なものは普遍的であります。なぜなら、
教育によって人は生きる術を身につけ、成長していくと考えられるからです。しかし、必要とさ
れる知識や考え方等は時代によって異なってくることも事実であります。教育を他国と比較する
ことで現代社会の流れを捉え、共通する普遍的なものを追求することは、次世代を担う者にとっ
て欠かせないものであり、これからの未来を見据えることではないかと思います。このような前
提をもって、どのような教育が求められるのかということを話し合いたいという趣旨によって、
教育テーブルをつくりました。
教育テーブルで取り上げたテーマは「子どもの権利―体罰を考える―」であります。教育を受
ける場は家庭をはじめとしてたくさんあると思います。そして、ほぼ一定の水準を基本とした国
では、教育の主たる場は学校であると思います。教育が行われる場では、教育者が存在し、そし
て、教育の受け手である子どもがいます。教育についての議論はたくさんありますが、私たちは
教育の場における子どもの権利について話し合うことにしました。子どもの権利は国際連合でも
規定されており、その条約に多くの国が加盟していることからも、この権利の重要性と普遍性が
わかると思います。そして、教育の場においては、子どもの権利を守るべき人は教育者でありま
す。しかし、今日に至り、教育者にとって子どもを教育する目的と権利を守る役割が交差する問
題が起こっています。体罰です。子どもを懲戒する手段の一つと考えられてきた体罰は、ときに
より子どもの権利を侵害する行為であると考えられるからです。では、教育の手段として、体罰
がもつ意味とは何なのか、懲戒の範囲はどこまでなのか、といったことを話し合ってみようと思
いました。また、これらの意味が規定されたとしたら、教育者はさらに子どもの教育に対して熱
心に打ち込めるのではないかという可能性が開かれます。さらに、現代共通して行われている義
務教育についても体罰と関連させ、義務教育が持つ意義とは何かを考えようと思いました。
まず、各国の教育制度を紹介し、比較することで教育の根本的な部分を探しだそうと考えまし
47
た。次に、体罰の現状とその効果について話し合います。そして、守られるべき子どもの権利に
ついて話し合い、最後に体罰に関する規定を創り出すことを試みます。では教育とは何なのだろ
うか、これからの教育に求められるものは何かという漠然的ではありますが、私たちの意見とし
てその定義を生み出すことを最後のまとめとして発表したいと思います。
2. 議論の
議論の流れ
<1日目>
1)各国の教育制度についてのプレゼンテーション
2) 教育テーブルの目的と内容についての説明
教育制度がその国の文化や経済発展に基づいていることがプレゼンテーションによってわかっ
た。テーブルに参加したほとんどの国では高等教育の制度が整っており、より高い教育を子供に
受けさせようとする傾向がある。他にも、職業学校を設置する等、国独自のシステムを知ること
ができた。
<2日目>
3)体罰とは何か、体罰の効果
4)懲戒と体罰の違いについて
5)良い教育者とは
③身体的な罰を与えることは、言葉がわからない子どもにとっては効果的である。中国やタイを
はじめとする国では、このような意見が強かった。これは家庭での教育に結びついていた。しか
し、共通した意見は心身ともに傷つけないことであった。
(子どもの権利条約引用より)④シン
ガポール・香港は体罰の規定が具体的なものであったが、日本・韓国・タイにおいては判断が難
しい。かなり明確な規定がされていたカナダの規定を取り上げ、各国の比較をし、懲戒の許容範
囲と体罰について分析した。⑤教育者はプロであるという意識のもとに、子どもに必要とされる
教育者・社会が必要とされる教育者像について話し合った。
<3日目>
6) 決まった形の教育制度は必要であるか
7) 義務教育を受ける意義とは何か
⑥国家により統一された教育の是非について話し合った。なぜ共通の教育が必要とされるのかに
ついて意見を出し合った。⑦何らかの理由により、親が子どもを学校に行かせたくない場合を例
にとり、義務教育の意義について話し合った。家庭での教育権と義務教育の存在比較をし、原則
的な義務教育の遂行と例外を話し合いによって導き出した。
48
3. 結論・
結論・提言
8) 体罰の規定
9) 結果
⑧話し合ったことをまとめ、最後に話し合いの結果として、私たちが規定する体罰についての法
案(草案)を出した。⑨テーブルの目的である、これからの教育について話し合いを振り返りま
とめた。
4. TC の感想
This was the first time that I am chairing a discussion table. I was initially daunted by the task of
facilitating discussion between members from different countries and cultures. Would I be able to allow
every member to speak their mind freely? Would there be a clash between members if discussion drew to
an impasse? Would we be able to reach a conclusion that will be agreeable and indeed beneficial to
everyone?
Expectations
What are the aims of this discussion? Initially, I did not have big ambitions. All I wanted was for
everyone to understand the laws and cultures of other nations. I wanted members to share with others the
laws of their nations, in the hope that we can examine the laws of our own nations comparatively. I
wanted members to share with others their personal experiences, in the hope that this would give us a
glimpse into the cultures of their nations. This, I believe, we have achieved amply.
Exceeding my expectations, we have also reached a consensus of sorts. As the cultures of our member
nations are very similar, we managed to draft some regulations that we think would be acceptable to our
region. This undertaking is a small step towards building a regional Asian Community. It highlights the
similarity between our nations and shows that benefits can be reaped by working together.
Experiences
I have learnt several lessons from this experience of chairing the discussion table. I hope that these will be
useful comments for anyone who is entrusted with this meaningful task.
First, it is important to facilitate discussion between all members. This includes ensuring that every
member gets a chance to talk. At times, I had to resort to asking members individually for their opinions
on some issues. As much as we wished that every member is vocal and effusive with their opinions, some
49
members may be daunted by the mission of speaking in front of others. This is understandable, as many
members of the table are not comfortable with conversing in English. Much as it is unfair that members
from non-English speaking countries are disadvantaged, it is an undeniable fact of life that English
remains the common language of Asia. As one Japanese professor pointed out, English is the universal
working language (thanks to the dominance of the United States and United Kingdom). Whether we like
it or not, we are going to communicate with other nationalities in English, for work or leisure. I believe
that Asia Forum not only serves the purpose of sharing different experiences, it also offers a chance for
participants to practise communicating their ideas to others in English. As such, every coordinator must
be patient and allow all members to voice their ideas, something that I am guilty of not having achieved.
Second, it is important to plan ahead the discussion topics and to give members ample time to prepare.
This, again, I have failed to do. Although I have received able help from my assistant coordinator Mitsue,
it was only when I met her in Tokyo that we were able to come up with the discussion topics. I was lucky
to be chairing the table for Education. Our discussion topics were fairly straightforward and simple to
understand. Much as it would be wonderful for Asian Forum to have complex issues for discussion, we
should also take into account members’ capability to grasp such issues in English. Also, as we have no
way of knowing the direction in which discussion would head toward, Mitsue and I had to meet everyday
after discussion to consolidate what has been discussed and to plan future discussions. There might be a
better way of handling the discussion schedule with better planning, such that members know well in
advance what topics we will be discussing for the various sessions.
Third, it may be better to have some documentation from members of the discussion table. It may be
easier for members to understand each other if they have some information that they can refer to. Again, I
failed to ensure that this materialised, as we could not decide on the discussion topics early in advance. I
hope that future coordinators can fulfill this role.
All in all, this has been a learning experience for me. I was fortunate to be given the chance to be a table
coordinator for Asian Forum. I had the opportunity to interact with members from different countries and
learn more about their cultures. I believe that such exchange facilitates mutual understanding and is a step
toward the building of an Asian Community. With the globalisation of the world, it is beneficial for Asia
to cooperate and reap the benefits of cooperation. I hope that such informal exchanges will continue and
that every participating member can gain from these exchanges.
(Michael Yong’An Tang)
50
5. 日本人参加者の
日本人参加者の感想
このテーブルをつうじて、他国の法律や慣習を共有することが出来て本当良かった。もし
ALSA に入っていなかったら、おそらくこのような経験は生涯できなかったであろうし、特に他
国の教育基本法を知りうる機会はほとんどなかったであろう。
教育テーブルでは、主に体罰と義務教育について取り上げたのだが、このテーブルでの印象は
体罰に対するものが圧倒的に強い。各国の体罰に対する独特な規定や考え方を聞くことが出来た
のだが、とくに驚いたのがシンガポールと韓国であった。
シンガポールにおいては体罰に対する明確な基準が設けられていて、体罰である行為とそうで
ない行為との区別がはっきりしていた。日本の体罰に対する基準は大変曖昧で、体罰に当たるか
どうかはすべてそれが行われた状況に依存してしまう。日本の法律や基準はフレキシブルといっ
てしまえば大変聞こえはいいのだが、悪く言ってしまうと大変曖昧なのである。
韓国の慣習で大変驚いたことは、韓国では体罰の問題自体は存在するのだが、他の国々のよう
に体罰が頻繁に行われることはないということである。韓国の学生と接していると、体罰という
しつけの方法が使わなくても生徒やこどもをしつけることが出来るように思える。
一方、体罰の行われ方については一部の国を除き、おおよそ多くの国々で同じようの方法によ
って行われていことにも驚いた。
また評価会では、日本国がホスト国であったせいもあってか、日本の体罰に対する考え方や基
準を多く採用してもらい TC に大変感謝したいと思った。言語の壁はあったもののこのテーブル
を通じて本当に貴重な経験が出来たこと、またこのようなすばらしいテーブルでディスカッショ
ンが出来たことは大変うれしかったので、TC、AC そしてその他の参加者に心から感謝したい
と思う。
(国学院大学
平原彰人)
テーブルディスカッションの初日、教育テーブルには 7 カ国ものアジアの国々から来た人が
いた。このように他国の人々と議論する機会は初めてだったのでどんなものか想像もつかなかっ
たのだが、雰囲気は和やかだった。議論が始まると、やはりしゃべっているのはシンガポール、
香港などの人たちが多く、日本人はやはり英語ができないこともあってなかなか発言できていな
かったように思う。私も意見を思いつくのだが、それを即席で理論的に述べるのはとても難しく、
短い意見を言うだけだったり発言の機会を逃してしまったりしていた。しかし、他のテーブルに
は日本人が全く発言できないといった状況もあったらしいので、議題が体罰や義務教育など比較
的簡単で実体験に基づいて意見が言えるものだったのでよかったと思う。シンガポールのテーブ
ルコーディネーターは白熱した末によくずれる議論の方向を直して本題に持っていくのがとて
もうまかった。それぞれの国の教育についてのプレゼンテーションでは、まだ幼いうちに将来の
道がはっきりわかれてしまう国などがあり驚いた。アジアの国々は一まとめにアジアだといって
もそれぞれの国の制度の差が激しいので、議論をしていても互いの違いを感じることができて興
味深かった。
他国の人たちは日本人よりもはるかにその国の少数のエリートなので、英語力は言うまでもな
51
くすばらしいし、知識の量も多くて何より論理的に自分の意見を述べることに慣れていると感じ
た。来年のアジアンフォーラムに向けてもっと勉強し、意見を言えるようにきたえなければいけ
ないと思う。いろいろな国が混ざってディスカッションすることは、自分の国の制度について深
く考えるきっかけにもなるし、意見を言うときはそれが日本の意見だと思われてしまうかもしれ
ないので責任感を伴い、とてもいい経験になった。これからもアジアンフォーラムでのテーブル
ディスカッションは続けていきたいと思う。
(早稲田大学
平田知美)
52
[Table.E] 「平和」
天然資源の平和的利用
0. 参加者
TC
水野峻志(
水野峻志(早稲田大学)
早稲田大学)
AC
藤村愛奈(
藤村愛奈(早稲田大学)
早稲田大学)
Members
Hafeizh Putra Astian、
Astian、 Malikulkusno Wijoyo Adhi Utomo、
Utomo、 BoBo-Kyung Kim、
Kim、
JeongJeong-Eon Oh、
Oh、Alex Ye、
Ye、Kulvara Russmeeseangthong、
Russmeeseangthong、Mookkrachang Charani、
Charani、Chatsabong
Narongintara、
Narongintara、笛木拓、
笛木拓、福野恵理奈、
福野恵理奈、土井紗輝、
土井紗輝、福井理子、
福井理子、斎藤由美子
1. テーマの
テーマの設定趣旨
私たちが平和について考えるとき、それを危うくするものは何でしょうか?そのひとつが貧
困ではないでしょうか。今地球上には深刻な貧困があります。
現在の国際社会における最も重要で緊急の課題は後発発展途上国の存在です。そのような
国々では多くの人々が飢餓に直面し、住む家もなく、衛生的な水も手に入れることができず、読
み書きもできず、死の危機にあります。
このような問題に対する解決策が何かあるでしょうか?問題の原因が明確でない以上、これは
答えるのが非常に難しい問いです。では、発展途上国と後発発展途上国の違いはどこにあるので
しょうか?そのひとつに天然資源の有無があげられるかもしれません。歴史的にみて、開発する
のに十分な天然資源を持っていた国は、発展する潜在的可能性があり、持たない国は他の手段を
見つけなければなりませんでした。私たちのテーブルではまず天然資源とその開発に焦点をおき
ます。
私たちが生きていくためには天然資源は不可欠のものであり、その確保は永久の課題です。そ
のため古くから人間は生活の基盤となっている資源を奪いあってきました。アジアを中心とした
農耕文化の国では水と肥沃な土地、ヨーロッパを中心とした狩猟文化の国では豊かな森と草原が
その奪取の目的でした。しかし、産業革命後は工業の発達によって奪取の対象は石炭、石油、天
然ガス、鉄などの天然資源に移りました。深刻な領土紛争、国境紛争、内戦など私たちの生活を
危険にさらす紛争の根本的な原因は天然資源であるといっても過言ではありません。
いかに天然資源を共有するかを考慮に入れることなく、平和な世界を考えることはできません。
また、発展途上国の天然資源が先進国や石油メジャーなどの大企業により搾取されていること
も大きな問題です。このような状況下では開発による利益は一部の人々によって独占され、国民
53
生活水準は決して上がることがないのです。このような問題にいかに対処すべきでしょうか?
そして私たちは現在注目されている問題として海底資源に焦点を当てます。現在多くの国が資
源を求めて深海底の開発、探査に乗り出し、外洋に油井を建設しています。私たち、アジアの国
は海洋国家であり、海底資源に起因する紛争が実際に存在します。
いかに途上国と先進国間の公平性を考慮にいれ、天然資源を開発すれば良いのでしょうか?こ
の議論を通して私たちは参加者に国際社会と国際法の矛盾について考えてもらえると幸いです。
2. 議論の
議論の流れ
1日目・・・天然資源の偏在の起因する南北問題と後発発展途上国の問題
2日目・・・深海底資源に関連する、新しい国際法の概念“Global
Commons”(地球公
共財)
※ 南北問題のひとつ解決策として多くの発展途上国によって“Global
Commons”という新しい国際法上の概念が主張された。この概念は 1967
年に多くの発展途上国の代弁として始めて提唱され、1982 に採択された
国連海洋法条約(UNCLOS)に取り入れられた。この条約は深海底に対
するいかなる国の主権の主張も認めていない。
3日目・・・貧困の根本的な問題に立ち返り、その原因と解決を探った。
3. 結論・
結論・提言
国際社会における富の偏在が、発展途上国の人々を死の危険に陥れ、全人類の平和のうちの発
展を脅かしていると認識する。
国際社会における不公正と発展途上国と先進国の格差を是正するためには天然資源の公平な
利用が不可欠である。
-天然の富と資源に対する永久主権はその国の発展の利益のために行使されなければならな
い。
-すべての国が“地球公共財”という概念を受け入れるとともに、その開発は後発発展途上国
の利益を考慮して行われなければならない。
しかし、貧困の原因は天然資源のみには限らない。国際関係には矛盾と実質的な不平等が存在
する。これは国際法の理想と現実の乖離が原因である。国際法は理論的には強力な国際政治機構
を作ることができるが、特に貧困の削減を妨げる重大な欠陥がある。
-貿易を統制する国際法は先進国に有利であり、その先進国は利益に基づき発展途上国を援助
54
している。
-発展途上国における政府の腐敗により貧しい人々にまで届かなくなっている。
-各国に対して当面の目標達成のための枠組みと責務を定めた、国連ミレニアム開発目標は義
務を従う国際法ではない。またそれは現実よりも理想的な責務である。
4. TC の感想
最初に今回の AF を精力的に準備してくださった各部門のスタッフの皆さんと、海外から参
加者の皆さん、そして一緒の準備を進めてくださった日本人参加者に対して感謝します。
私の経験や能力が不足していたために、参加者が満足のいく議論ができたかは疑問ですが、
今回の議論が今後の勉強の一助になれば幸いです。
5. 日本人参加者の
日本人参加者の感想
今回平和テーブルに参加してみて経済水域(200海里)に関する経済的問題と、領土問題
に関する政治的な問題は分けて考えることが必要だなと感じました。排他的経済水域というもの
がその設定の目的、そして性格として主権を明確にするという国際的なルールであると同時に天
然資源や海洋水産物の共同、かつ平和的な利用を目指すものであるべきだと思います。政治的な
性格が強い領土問題と経済的な性格の強い天然資源開発の問題を分けて考えていかないと、妥協、
歩み寄りが進まず、余計な時間を使うことになると思うのです。
近年地球上で起こる問題は一国だけで処理できず、地域的な協力が不可欠です。そのような
問題はいろいろな側面を含んでいますが、すくなくともこの領土問題に関しては扱い方一つでそ
れが国家間の戦争の引き金になったり、逆に友好関係を築く土台になったりもするものだと実感
しました。
55
(中央大学
笛木拓)
2)評価会
最終日に評価会が行われました。これは分科会での議論の成果を全員で共有する場です。
評価会では、はじめに全体の趣旨である「21世紀への提言~私たちの世代は何を求める
のか~」というテーマについてもう一度説明がなされました。その後「国際化する社会」
という文脈の中で設定された各論である、情報・労働・教育・平和の各分野における5つ
の分科会の成果発表が行われました。
(詳細については各分科会の報告書を参照)
TC からなぜこの問題を扱ったのか、どのような問題提起がなされたか、どのような意見
がでたのか、そしてどのような提言が示されたのかについてプレゼンテーションがあり、
参加者全員で問題を共有する貴重な時間となりました。プレゼン終了後、参加者からのス
タンディングオベーションが見られた一幕もあり、分科会を通じて参加者の結束が強固に
なったことを実感しました。TC の顔にも全力を尽くした満足感と安堵の色があり、これを
もって無事学術の全日程を終了することができました。
今回の分科会では、経済的にも文化的にも異なるバックグラウンドを持つアジアの参加
者が議論し、ただ意見の表明に終わることなく具体的な結論をだすことに重点が置かれて
いました。そして3日間の議論の結果、参加者の納得いく結論をまとめることができたと
いう点で、これからのアジアンフォーラムにもつながる大きな一歩だったと思います。
今後はより綿密な準備に基づいて、この「結論」がより具体的かつ現実的になっていく
のではないかと思いました。
3)Symposium
① 講演者
♦ 司会者:滝田賢治(中央大学法学部教授)
国際関係論、国際政治史が専門。近年は米中関係・東アジア共同体構想も研究。
♦ パネリスト:奥田和彦(フェリス女学院大学国際交流学部教授)
国際関係論が専門。
♦ パネリスト:Delwar Hossain(バングラデシュ ダッカ大学教授)
現在、フェリス女学院大学で奥田和彦先生と共に研究。
♦ パネリスト:岡部みどり(国連大学インターン)
現在国連大学アカデミック・プログラム・アソシエイト。EU関係が専門。
56
② プログラム内容
プログラム内容
テーマ「東アジア共同体への展望」
東アジア地域に於ける協力体制構築の意義、そしてその可能性について、東アジア
10 ヶ国・地域の学生が一堂に会するこの企画の中で、その問題についての理解を深め、
また互いにそれぞれの立場による意見を交し合うことで、全員が新たな問題意識を創
ることを目的としてこの企画を開催した。
当日は上記 4 名の学識者の方々にそれ
ぞれ、東アジア共同体の意義や未来への
展望について 15 分ほどずつ講演して頂
いた後、東アジアの未来に向けて私たち
には何ができるか、というテーマに沿っ
て、学生が 10 人弱の小グループに分かれ、
意見を交わした。そして会の最後には学
生がグループごとの意見を簡単にまとめ、
発表した。
③ 参加者の
参加者の反応・
反応・感想
参加者の反応は良好だった。聞くだけの講演会より、自分達で話し合う時間があった
ことでお互いの意見が分かってよかった、そして、アジアの他の地域の人の共同体につ
いての考えを聞くことが出来、自分の意見も聞いてもらえたということは、すごく有意
義だった、というような感想が多かった。
57
4)Debate Competition
① 審判者
♦ 上柳 敏郎(早稲田大学大学院法務研究科 客員教授・弁護士)
企業統治、金融論、法整備支援活動などが専門。
♦ 久保田 隆(早稲田大学大学院法務研究科 助教授)
国際取引法、国際金融法、電子商取引法、法務危機管理などが専門。
♦ 浜辺 陽一郎(早稲田大学大学院法務研究科 客員教授・弁護士)
企業統治、企業金融、法務危機管理などが専門。
② プログラム内容
プログラム内容
ⅰ)開催趣旨
ディベートを通して法学生に必要な論理的思考力や
説得力のある話し方などのディベートのスキルを養い、
さらにお互いの考え方の相違を認識し、理解を深めるこ
とを目的とした。論題は、アジアが抱える問題の解決手
段や政策の是非を問うもの、法律の視点からも議論でき
る余地のあるものを選んだ。
ⅱ)形式
各国・地域からの代表者2名が参加した。予選と決勝
の2ラウンドを行い、予選において得点の高い2チーム
が決勝に進んだ。論題は、1ヶ月前に発表し、予選・決勝と同じものにした。試合の
直前に肯定側・否定側を決め、肯定側・否定側それぞれ第一弁論者と第二弁論者を置
き、立論、質疑応答、最終弁論(反駁を含む)を、5分-3分-4分の時間配分で行った。
ⅲ)論題
「すべての国は温室効果ガス削減義務を負うべきである」
1997年12月京都議定書は国連気候変動枠組条約の締約国会議において全会一致
で採択された。地球温暖化防止は人類の共通の利益であり、京都議定書の理念に異論
を唱える国はない。しかし、現時点においてCO2を削減するということは経済活動
の規制を前提とするため、京都議定書では発展途上国には削減義務を課しておらず、
しかし一方で、先進国には厳しい削減数値が課せられたため、米国は議定書を批准し
ない旨を表明した。これからどんどん発展していくアジアにとって環境への影響力は
多大なものとなるため、それぞれの国の発展と両立可能な環境保護への取り組みを積
極的に考えていかなければならない。ディベートを通して現在の利益(経済発展)と
未来の利益(環境保護)を比較し、途上国と先進国の関係における公平さの在り方も
含め、日本から発信されている環境保護への取り組みの重要性を考えてもらった。
58
③ 参加者の
参加者の反応・
反応・感想
自分の英語力が低く、十分なディベートができなかったことを反省するが、準備はど
のチームにも負けないくらいにできていたのではないかということに自信を持てた。非
常に良い経験をさせていただいた。
(早稲田大学 小谷野初恵)
5)最高裁見学
① プログラム内容
プログラム内容
社会見学の一環として最高裁判所を見学した。一般市民として普段はあまり触れる機
会のない最高裁判所だが、日本の最高司法機関としてこれまで果たしてきた、あるいは
現在果たしている役割や意義は重要なものある。そこで、最高裁判所の見学を通して日
本及び海外の法学生が日本の司法に対する認識を深める目的で本見学を行った。見学当
日は、最高裁判所大法廷の見学と広報担当の方による説明及び質疑応答を行った。
② 参加者の
参加者の反応・
反応・感想
120 名の参加者による2時間程度の訪問だったので多少慌しい面はあったが、概ね良い
反応が得られた。女性の最高裁判所判事の数や日本の司法制度と他国の司法制度の違い
などが、参加者間での話題となった。初めに行われたビデオによる説明がなされた後に
質疑応答と大法廷見学を行ったので、多少難しい内容ではあったが、理解を深めること
ができた。
59
交流プログラム
1)Welcome Party
① プログラム内容
プログラム内容
日程初日の夜に行った。アジア各地
10 カ国・地域から集まった参加者を歓
迎すると同時にこのプログラムはお互
いを知り、参加者同士が打ち解ける最
初の機会だった。
1
開式の言葉
2
ホスト国代表挨拶
3
AF スタッフ紹介
4
乾杯の音頭
5
食事
6
食事を始めてから小一時間
程 経 っ た 頃 に Cultural
Drink の交換を行う。
② 参加者の
参加者の反応・
反応・感想
パーティー開始時は、同じ国の人ごとに集まりがちだったが、立食形式だったことも
あり、パーティー半ばを過ぎた頃には、参加者各自が思い思いに交流を深め、この場で
新しく友人を作った人が多かったようだ。また、Cultural Drink が、お互いの交流を深
めるのに一役買ったようだ。
60
2)Cultural Class
① プログラム内容
プログラム内容
他国の参加者に日本語や日本の文化を披露し、日本について少しでも多くのことを知
ってもらい、またそれを通して互いの親交をより深める趣旨で開催した。当日は、司会
進行役が、ホワイトボードを用いて、場面設定の中で実演しながら、
「おはよう」などの
挨拶や「マジで」などの友人同士で使うことのできる言葉を教えた。最後には、ことわ
ざカルタを用いて、そのことわざの意味と使い方を教え、皆でカルタを楽しんだ。
② 参加者の
参加者の反応、
反応、感想
終始大いに盛り上がり、最後のカルタでは、
「並の日本人よりも早いのでは」と目を見
張るほど上達した海外ゲストもいた。プログラム終了後も、タイや韓国のゲストを中心
に、日本でいう花いちもんめのようなゲームをしてお互いの親睦をより一層深めること
ができた。
61
3)Cultural Trip
① プログラム内容
プログラム内容
参加者全員で、首都圏近郊にある観光スポットへ小旅行に出掛けた。海外からの参加
者に日本の風土を堪能して頂くとともに、日本の観光地の紹介や団体行動を通じて参加
者同士の親睦を深めることをねらいとした。
8 月 28 日(土)
・ 参加者全員がお台場に行った。お台場では 10 人前後のグループ単位を基本とし
て行動をした。
8 月 29 日(日)
・ 前日のグループを基本として、浅草、上野・秋葉原、渋谷・原宿をそれぞれのグ
ループで観光した。
② 参加者の
参加者の反応・
反応・感想
この二日間に共通して言えることは、天気が大変悪かったということで、予想以上に
観光が困難だった。しかし、若者の街も、一昔前の日本の味わいが残る街も、海外ゲス
トには好評で、また少人数で行動した点も幸いして、仲を深めることができたようだ。
夜景をバックにポーズを決めて記念写真を撮ったり、日本の伝統的なものについて拙い
英語ながらも熱心に伝えようとしたりする場面によく出くわした。
62
4)Cultural Night
① プログラム内容
プログラム内容
Cultural Night と呼ばれる文化紹介のイベントを行った。伝統芸能の披露等により、
各国・各地域の参加者がそれぞれに自国・自地域の文化を紹介し、このイベントを通じ
て、アジア各国・各地域の文化の相互理解を目指した。
1
開会の言葉
2
各国の出し物
3
閉会の言葉
② 参加者の
参加者の反応・
反応・感想
民族衣装・伝統衣装、伝統の歌・踊り、伝統武術など、すべての国がレベルの高いパ
フォーマンスを披露してくれて、大いに盛り上がった。日本は、ALSA のメンバーが事前
に特訓したソーラン節と、プロの方たちによる和太鼓を披露したが、どちらもかなり評
判が良かった。
63
5)閉会式/Farewell Party
① プログラム内容
プログラム内容
日程最終日の夜、帰国する海外参加者を送り出す会であるとともに企画の総決算とも
言えるプログラムであり、約一週間に及ぶこの企画のフィナーレを演出した。進行は、
③ はじめの言葉
④ 代表挨拶
⑤ プレゼント交換
⑥ 終わりの言葉
② 参加者の
参加者の反応・
反応・感想
良い雰囲気の店だった、海外ゲストの方々と最後の夜を過ごすのに相応しい場所だっ
たと思う。パーティーの雰囲気も、Welcome Party のにぎやかさとは違い、各国の仲間
たちと最後に過ごす時間を惜しむような、静かで落ち着いたものだった。
64
参加者の声
1)
梶原奈央子(Japan、
Japan、一橋大学)
一橋大学)
2004 年、8 月 24 日からの約一週間は私の人生の中において最も長く、充実した一週間の
一つでした。こんなに達成感と充実感を大学に入って得たのは初めてでした。新しいことを学び、
新しい友達を作ることができる毎日でした。そして幸せなことにこれから先も連絡を取り合った
り、訪ね合ったりしたいほど仲良くなった友人もいます。
アジアの7ヶ国に友人ができたことや異文化理解、ディスカッション能力など今回の AF
を通して得たものは数えきれないほどです。なぜ今回の AF でこれまでのものを得られたのか。
それは私たちがみんな「法」という共通の興味を持った大学生だからなのか、それとも私たちが
みんな「アジア」という同じ地域に住んでいたからなのかと考えたのですが、一番の理由は私た
ち、アジア法学生が一緒になって将来のために何かできることがある、ということを信じている
からだと思います。
大学一年生の私には今回の大きな企画を、同じ大学生の方々が作りあげられてきたという
ことにただ驚かせられるばかりです。スケジュールの構成から管理、観光、ディスカッション・
セッションやディベートコンテストの運営まで、学術や文化交流まですべてを組み込み、その管
理運営を学生ができるということを実感し、私も大学生活を送る中で、このような企画を作りあ
げ、運営できるようになりたいという意欲、目標を持つことができました。
AF2004ではとても貴重な体験をさせていただきました。一度に 7 ヶ国の人々と話し合
う機会、新しい友達を作る喜びや、友達の文化を理解する楽しさ。そしてその 7 ヶ国の友人とお
互いの意見を交換し、意見をまとめる達成感。今回の AF では数え切れないほどのことを学び、
楽しむことができました。今回の企画に参加させていただいて本当にありがとうございまし
た!!
2)
Akito Hirahara(Kokugakuin University, Japan)
Through AF 2004,
I could find many hopes and many problems of myself. At first, I want to
explain problems of myself.
Talking of problems, many Japanese students may be aware of own English ability. I also have
difficulty in handling English. If I could speak English more, I could have enjoyed and understudied what
they said or thought.
In addition to English ability, I was very surprised at other students who have a high awareness
65
concerning social, political, and international problems, especially in Asia. I don’t have such recognition
well.
Although I also have many problems, I don’t take up all in here.
I was very happy to find my problems, however, owing to contact with many students or
professors, because once we find problems, we can change problems into improvement. One problem is
also one hope.
Asian Forum has immeasurable possibility. In the table discussion, even if we live in different
countries, culture, law, and custom, we could cooperate each other, absorb better thought or policy, and
reach a conclusion dialectically.
There is another hope. For example, through AF 2004 I have a lot of friends in each country.
Although AF2004 finished, this is a beginning of us. I’m looking forward to meeting again, talking filled
with intellectual curiosity, and exchanging each own values.
I had wonderful time with everyone. I thank everybody from the bottom of my heart.
Let’s meet again next Asian Forum!!
3)
Chan Kin Keung Danny (Hong Kong University, Hong Kong)
Having the opportunity in attending the Asia Forum held in Tokyo, Japan this past August was a
privilege to me and I was thoroughly impressed by how smoothly this forum was run. The generousness
and the hospitality of the host displayed were very much appreciated.
In this brief note I wish to extend my personal thanks towards each and every member of ALSA
Japan who played a part in the aforesaid forum; I also wish to give special credit to the organizing
committee, for the fine balance between the amount of academic and leisure activities was struck
comfortably thus making this trip academically gainful while enjoyable.
4)
Bo Kyung Kim (Seoul National University, Korea)
AF Japan 2004 began just shortly after we wrapped up ST Japan 2004, so when we arrived in
Japan, we were virtually unprepared for the AF.
Frankly, I had prepared nothing- the only thing I had
done was to print up some material and carry it with me in my suitcase.
I tried to read some of it on the
66
plane to Japan, but failed.
would I say?
Consequently, when I landed in Narita, I was in a state of panic.
I didn’t know anything about the natural resources policy of Korea, which the Table E
members had to know, our subject being Peaceful Use of Natural Resources.
questions?
What
What if someone asked
They would be shocked that I didn’t know a thing about my own country.
happen in the Debate Competition?
All I knew about the Kyoto Protocol was that it was something
about pollution and the United States had refused to sign it.
delegates did not make things easier.
What would
I was in despair.
Meeting the other
They all looked so intellectual, so confident and so prepared. I
did not want to embarrass my country, but there was no time to do anything about it.
On our first night at the Olympic Center, the girls and I (the Korean delegates consisted of eleven
girls and one boy) spent all night sitting up in bed and trying to read what we had printed out in Korea.
By morning I was able to mouth off a few things about Korea’s oil policies, and so we went to the Table
Discussion.
Just as I had expected, everyone was highly intelligent and admirable.
We became fast friends as
we tried to pronounce and memorize each others’ difficult names and asked polite questions about each
others’ oil policies.
Although we had some difficulties communicating with some delegates who were
not very comfortable with English, the Table Discussions went smoothly, thanks to everyone’s
cooperation and the huge efforts of our Table Coordinator.
Everyone was very open toward one another
and was eager to share their culture and thoughts.
Everyone was happy when the Table Discussions were over, because they were finished with the
academic part of the AF and all they had left to do was to enjoy Japan.
panic- for me, there was the issue of the Debate Competition.
On the night before the Competition, I
vowed that I would stay up all night and read some of the Kyoto Protocol.
exciting days, I fell asleep!
However, I went into another
Alas, due to the fatigue of the
The next day, I asked my senior for help and clung onto him like a life-saver.
He raced through the important points of the Kyoto Protocol and I showered him with last-minute
questions.
I zipped through my printouts half an hour before the Competition began.
We were five minutes late because I could not walk very well- I had broken my toe on the first day
of the AF.
When the girls dragged me into the Debate room, we saw a room full with people.
Normally, that would have been something that scared anyone on stage.
But I, being the unusual type
who gets stimulated from stage performance in from of a huge crowd, was beginning to be thrilled.
I
was going to love this, I knew.
The Debate began.
The audience held their breaths and the room was silent and still except for
what the debaters had to say.
The debate went very well for me, and we finished in satisfaction.
However, I could not help but feel ashamed when I looked at the stacks of books and papers that the
opponents(Japan) had on their desks.
They were so thoroughly well-prepared, when we were pulling off
something we had learned half an hour before the Debate.
language.
67
The Japanese debaters’ only problem was
If they had been fluent in English, I am sure they would have given impressive speeches,
because even though they had difficulty with English, I could see that they were putting their best efforts
into the Debate.
Even though we won, I felt that we had a lot to learn from the hard-working and serious
Japanese debaters.
After the Debate Competition was over, all that was left was the exciting cultural parts of the AF.
As I was deeply interested in knowing Japan, our neighboring country with countless things in common, I
was extremely excited when the Cultural Trips began.
The National Diet of Japan impressed us all, and
the streets of Tokyo, being neat and small, like something out of a dollhouse, was very pretty.
Odaiba
was a very neat place with beautiful scenery, where we enjoyed trying old-fashioned Japanese treats and
buying cookies and ramen.
artifacts.
The Tokyo Edo History Museum was very interesting with beautiful
But the most fantastic place we visited was Asakusa.
Asakusa, literally filled with unique
Japanese goods and snacks, was a wonder for foreigners and a shopper’s dream.
We bought heaps of
souvenirs for our friends and family, and I purchased mountains of Japanese traditional cookies and candy
to take home.
The only thing that kept us from having more fun was the lack of time.
literally run through the streets of Asakusa in the end and barely got to look at Sensou-ji.
not stop us from taking many pictures with each other.
We had to
But that did
It was great fun.
The Cultural Night was a dazzling blizzard of colorful Asian culture.
As we watched each
others’ beautiful dancing and singing and learned about the different customs of many countries, I felt
proud to be an Asian, a member of this continent so wonderous, so dynamic.
When we spent some time
in the west part of Shinjuku, saying our good-byes in advance, I felt sad that I had to leave my new
friends.
I am sure everyone felt the same way.
As of now, I am continuing to keep in touch with many people I met in the AF.
Although we are
far apart, we are all still sharing our thoughts and feelings and making the AF last on.
I know AF Japan
2004 will never end as long as we do not forget each other, and always remember that we are a family, a
part of the powerful energy called Asia.
68
ご協力いただいた方々
1)助成
早稲田大学
2)後援
日本国外務省
在日フィリピン
在日フィリピン共和国大使館
フィリピン共和国大使館
在日シンガポール
在日シンガポール共和国大使館
シンガポール共和国大使館
在日タイ
在日タイ王国大使館
タイ王国大使館
3)実務家・学識者(五十音順)
上柳 敏郎(
敏郎(早稲田大学大学院法務研究科客員教授・
早稲田大学大学院法務研究科客員教授・弁護士)
弁護士)
奥田 和彦(
和彦(フェリス女学院大学国際交流学部教授
フェリス女学院大学国際交流学部教授)
女学院大学国際交流学部教授)
長内了(
長内了(中央大学大学院法務研究科教授)
中央大学大学院法務研究科教授)
久保田 隆(早稲田大学大学院法務研究科助教授)
早稲田大学大学院法務研究科助教授)
須網 隆夫(
隆夫(早稲田大学大学院法務研究科教授)
早稲田大学大学院法務研究科教授)
滝田 賢治(
賢治(中央大学法学部教授)
中央大学法学部教授)
Delwar Hossain(
Hossain(バングラデシュ ダッカ大学教授
ダッカ大学教授)
大学教授)
浜辺 陽一郎(
陽一郎(早稲田大学大学院法務研究科客員教授・
早稲田大学大学院法務研究科客員教授・弁護士)
弁護士)
4)その他のご協力いただいた方・機関
最高裁判所事務総局広報課
和太鼓 飛龍
岡部みどり
岡部みどり(
みどり(国連大学インターン
国連大学インターン)
インターン)
69
参加者
1)海外参加者
中国
韓国
タイ
Pang Bo
Yangsil Kim
Yingrak Treesaranuwattana
Fan Rong
Jungloke Lee
Kulvara Russmeeseangthong
Judy Chan
Ha-Han Don
Tasaya Chaichumporn
Lu Huaqiang
Jisun Yi
Peachya Thammapitagkul
Aixia Wang
Soo Hyun Shim
Boonyaorn Phopoonsak
Ji-hyun Gwak
Mookkrachang Charani
香港
Jeongwon Yoon
Anusorn Ashriyaveshaponk
Tai Kam Cheung
Yoo Hee Yoon
Jittreeya Pongvittayapanu
Daniel Lau
Hae-Min Lee
Nantarat Thitaviriya
Eric Au Yeung
Ji Youn Kim
Thanisa Pungsupa
Kathy Tang
Hyang Sook Yoon
Kittisak Srikureju
Vivian Heung
Hee Yoon Yang
Cholathit Suthiklom
Danny Chan
Hyunhee Chang
Pakorn Damrongwattanapokin
Chatsabong Narongintara
インドネシア
フィリピン
Dinda Felia
Aimee P. Cirilo
Myriam Ayu Paramita
Jayard Casao
Yenny Zulmadjdi
Joyce Grande
その他
その他
Cut Fika Lutfi
Ronald Mababa
Vincent LAW Yiu Wing
Artit Pinpak [Professor]
Malikulkusno Wijoyo Adhi Utomo
Utami Meikasari
シンガポール
Hafeizh Outra Astian
Alex Ye
Jessica Adya Astari Yudadibrata
Jeffrey Ng Chuen Chiat
Muhammad Iqsan Sirie
Kenneth Kwan Kei Lum
Michael Yong’An Tang
70
2)日本人参加者
磯 尚苗
黒石 真那実
平田 知美
磯村 史嘉
佐川 美智子
平原 彰人
市岡 豊大
佐々木 萌
福井 理子
井上 隆博
白石 明日香
細江 智洋
井無田 将
照屋 朋子
堀江 里実
宇佐美 知宏
土井 紗輝
水野 峻志
江良 麻実
永井 康子
安井 彩友美
小笠原 亜希
日高 陽子
八束 聡一
門野坂 尚志
姫野 めぐみ
李 相煥
高 亮
3)スタッフ
実行委員長 兼 外務
井手健介
交流部門
副実行委員長 兼 会計
相坂浩二
岸 建人
今村紀子
恩田晃一
学術部門
総務部門
野村洋介
中田智仁
斉藤由美子
安藤ひかり
鹿又光枝
小出陽子
中島あゆみ
蓮沼 葵
藤村愛奈
笛木 拓
村尾麻帆
福野恵理奈
岸本康太郎
大江晋介
河原崎えりか
山田 史
小松陽子
石橋瞬人
菰池さやか
石塚有希
平沼瑶子
梶原奈央子
星野公哉
71
渉外部門
収支決算
1)収入内訳
ⅰ 企画参加費
①国内 全日参加者 38,000 円
企画前半参加者 20,000 円 企画後半参加者 25,000 円)
②海外 海外参加者 30,000 円
全日参加者 43 名×38,000=1,634,000 企画前半参加者 3 名×20,000=60,000
企画後半参加者 5 名×25,000=125,000 海外参加者 55 名×30,000=1,650,000
小計 3,469,000 円
ⅱ ALSA Japan 企画賛助金
ⅲ 早稲田大学企画助成金
・・・・・・・・・・・・・・・・50,000 円
・・・・・・・・・・・・・・・・70,000 円
収入合計 3,589,000 円
2)支出内訳
ⅰ 宿泊費
・・・・・・・・・・・・・・・ 1,033,250 円
ⅱ 会場費
・・・・・・・・・・・・・・・
ⅲ 食費
・・・・・・・・・・・・・・・ 1,488,046 円
ⅳ 謝礼
・・・・・・・・・・・・・・・・ 111,000 円
ⅴ 印刷費
・・・・・・・・・・・・・・・・ 149,309 円
ⅵ 国内交通費
・・・・・・・・・・・・・・・・ 438,100 円
ⅶ 交流プログラム費
・・・・・・・・・・・・・・・・ 186,844 円
ⅷ 通信費
・・・・・・・・・・・・・・・・
ⅸ 資材・教材費
・・・・・・・・・・・・・・・・ 53,851 円
125,350 円
3,250 円
支出合計 3,589,000 円
72
結び
本企画のテーマである“
“The one step toward the one giant leap for Asia”という言葉が表
すように、今回の企画は私たちにとっても、ALSA にとっても、そして、アジアにとって
も大きな一歩となりました。この AF で私たちが踏み出した一歩を無駄にしない為にも、
私たちが今回、作り上げた会則やネットワークをこれからもさらに発展させていけたらと
思います。
この AF での様々な出会いが、そして、
この ALSA で培ってきたネットワークが 10 年後、
20 年後のアジアにおいて花開くことを心より願いながら、本企画の報告を終えさせていた
だきたいと思います。
最後になりましたが、本事業の実施にあたり、ご協力いただいた全ての方々、及び、全
ての AF のスタッフ・参加者、そして、私たちに様々な出会いと未来を与えてくれた ALSA
に心より御礼を申し上げたいと思います。
Asian Forum 実行委員会を
実行委員会を代表して
代表して
ALSA Japan 代表 井手 健介
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The 4th Annual Asian Law Students’ Forum
2004
報告書
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編集:
編集:実行委員会総務部門
印刷:
印刷:早美舎
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