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さ が み 酒米研究 会 の 挑戦
~ 酒 造 り は米作りから ~ 物 規 格 規 程( 農 林 水 産 省 告 示 )、 神 奈 川 さがみ 酒 米 研 究 会 が 栽 培 し て い る 酒 米 「 山 田 錦 ( ※ 1) 」 が、 こ と し 3 月、 農 産 栽培しています。 を中心とした酒米を、海老名市と座間市で および勉強会などを行い、 現在は「山田錦」 さがみ酒米研究会の挑戦 県の醸造 用 玄 米 の 産 地 品 種 銘 柄 と し て 指 ヘクタールです。これは、市内の れしいですよ。特に、最初に収穫 やはり、自分で作った米からで きた日本酒を飲むこと。これはう 酒米を作っていて うれしいことは? (※1)山田錦:主に日本酒醸造に用いられる 酒造好適米の代表品種。溝が浅く、大きい粒が 特徴。 (※2)エコファーマー:持続農業法に基づき、 環境に優しい農業に取り組む計画などを作成 し、都道府県知事の認定を受けた農業者・法人 のこと。 酒米研究会(会長・武井 進氏)の皆さん に、酒米栽培についてお話を伺いました。 ことしも酒米の田植えが始まりました。 今号では、泉橋酒造㈱の橋場社長とさがみ 酒米研究会。平成9年から酒米栽培の研究 定されま し た 。 また、会員は全員、 神奈川県のエコファー マー (※2)を取得しています。 産地品 種 銘 柄 は 、 農 産 物 検 査 法 に 基 づ いて農林 水 産 省 が 指 定 す る も の で 、 同 一 品種のも の で も 他 の 産 地 と 一 定 の 品 質 差 を示すこ と か ら 、 農 産 物 の 取 り 引 き な ど で、当該 産 地 と 品 種 を 特 定 す る 必 要 が あ るものを 指 し ま す 。 下今泉 に あ る 泉 橋 酒 造 ㈱ は 、 米 作 り か ら精米、 日 本 酒 の 醸 造 ま で を 自 社 で 一 貫 して行う 全 国 で も 珍 し い 栽 培 醸 造 蔵 で 、 同社の酒 造 り に 使 わ れ る 酒 米 は 、 自 社 の 農場と契 約 農 場 で 作 ら れ て い ま す 。 この酒 米 作 り に 取 り 組 ん で い る の が 、 近隣農家 と 蔵 元 の 7 人 で 構 成 す る さ が み 蔵元に聞きました 健康的に作った米からできた日 本酒は、自信を持って勧められる 田んぼの約1割にあたります。こ した米からできた酒を飲んだ時 もの。今、山田錦の県内生産量は れからも顔の見える関係、地元に は、感動してみんなでボロボロ泣 海老名が一位で、栽培面積は約 平成 8 年 に 法 律 が 変 わ り 、 米 の 売買が 自 由 に な っ た 。 そ こ で 自 分 こだわった栽培を続けていきたい 酒米栽培を始めた きっかけは? たちの 手 で 原 料 か ら 酒 を 造 っ て み きましたね。 と思っています。 活動を続けていて よかったと思 うところは? 難しい中でも挑戦してきた結 果、 県の指定品種銘柄にもなった。 ら、と 思 っ た こ と か ら 始 ま り ま し 培などにも挑戦し、試行錯誤を重 んぼ(冬期堪水 ※4)や不耕起栽 市とも連携をとりながら、冬水田 したい。県の農業技術センターや 元もプロとして一定レベルを目指 したね。やるからには、農家も蔵 酒米の栽培は未体験のことばか りで、初めのうちは手探り状態で ますよ。 る。あとは泉橋がうまい酒を造り ようになった。我々はいい米を作 そ、腹を割った付き合いができる 地元で一緒に苦労してきたからこ やりがいも大きいです。最初から だまだ挑戦する課題は多いけど、 います。減肥料、減農薬など、ま 苦労した点は? さがみ酒米研究会に 聞きました たいと 思 っ た の が き っ か け で す 。 ワイン の 世 界 で は 、 い い ブ ド ウ 畑 を 持 っ て い る ワ イ ナ リ ー ( ※ 3) がいい ワ イ ナ リ ー と 呼 ば れ ま す 。 これが 世 界 標 準 。 ワ イ ン と 日 本 酒 の造り 方 は 基 本 的 に 同 じ で す 。 泉 橋でも 栽 培 醸 造 蔵 と し て 、 海 老 名 た。 ねてきました。農家と蔵、お互い もっといい米を作りたいと思って 酒造りには、「いい水・いい米・ いい技 術 」 の 3 つ が 必 要 で す 。 そ が採算をとれる状態になるまで、 で米か ら 栽 培 し た 日 本 酒 が 造 れ た の中で も 、 土 作 り か ら ひ と つ ひ と 長い期間がかかりました。 なぜ、地元の酒米に こだわるのか? つの作 業 を 全 て 地 元 で 行 う 「 い い 米」は 、 さ が み 酒 米 研 究 会 の 活 動 があっ て こ そ の も の 。 減 農 薬 や 栽 ( ※ 3) ワ イ ナ リ ー : ワ イ ン を 生 産 す る ための建物などの設備、もしくはワイン 製造に関わる事業のこと。 ( ※ 4) 冬 期 堪 水 : 稲 刈 り が 終 わ っ た 田 んぼに冬期も水を張る農法。冬期堪水を 行った田んぼでは、代掻きがいらない不 耕起栽培を行うことができる。 インターネット放送局で配信 市ホームページ上で配信中の インターネット放送局「市長シ ティセールス:市長が行く!田 植えにチャレンジ編」には、さ がみ酒米研究会の皆さんにも出 演していただいています。内野 市長も初めて酒米の手植えに挑 戦しました。ぜひご覧ください。 10 広報えびな2013年7月1日号 広報えびな2013年7月1日号 11 培技術 の 向 上 に つ い て 日 々 、 切 磋 琢磨し て い ま す 。 ▲さがみ酒米研究会の皆さん(左)と内野市長(右) 25