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低炭素社会におけるガス事業のあり方について(骨子案)
低炭素社会におけるガス事業のあり方について(骨子案) 1.最近のエネルギーを巡る情勢 ●エネルギー供給構造の脆弱化等の懸念 ●地球温暖化への対応 ⇒ エネルギー供給構造高度化の必要性の高まり 【具体的な動き】 ①低炭素社会づくり行動計画(2050年に温室効果ガス排出量を現状から60∼80%削減) ②石油代替エネルギー政策の見直し、エネルギー供給構造高度化政策への転換 ③中期目標(2020年に温室効果ガス排出量を2005年比15%削減) 2.天然ガス・ガス事業の現状 【 天然ガス】 【 ガス事業】 ●天然ガスの物性 ●これまでのガス事業の展開 ・化石燃料の中では最もクリーン (CO2が石炭 比0.6、石油比0.7 5) ・水素の原料 ●国際天然ガス市場を巡る動向 ・高いポテン シャル(豊富な供給源、新規プ ロ ジェ クトの計画、洋上LNG生 産技術等) ・非在来型天然ガス資源(コールベッドメタン 等)の開発 ・天然ガス取引市場の変化(世界の天然ガス取引市場の柔軟化、需給バラ ン スの不透明性の高まり) ●天然ガス調達の現状・国産資源の可 能性(メタン ハイドレ ート) ・長期契約 ・供給源の多様化 ・メタン ハイ ドレート利用の可能性等 ・技術開発や物理探査船を 活用した海洋探査等 ・輸入LNGの導入を中心とした発展 ・都市ガス原料の天然ガス転換(高カロ リー化:IGF21計画) ・産業用需要の拡大(天然ガスへの燃料転換) ・インフラ整備の推進が引き続き重要な課題 ●ガス事業者による省エネ・省CO2のための取り組み ・高効率機器等の開発・導入(潜熱回収型給湯器、ガス空調、天然ガス自動車、燃料電池等) ・コージェ ネレーショ ン(熱電併給)の推進(ガスエンジン・タービン、燃料電池、排熱有効利用等) ●ガス事業の制度改革(平成7年以降自由化範囲の拡大) ●欧米諸国における天然ガス利用の現状 ・一次エネルギー供給に占める 割合:日15%・米22%・英35%・独 23%・伊38%・西2 1%・露54% ・競争を通じたガス料金の低減等 3.ガス事業の中長期シナリオ 基本的な方向性(検討の視点) ●エネルギーの安定供給 ●地球温暖化への対応 ●天然ガスの高度利用による低炭素社会の実現へ ●供給源・供給手段の多様化 (過度に一つの供給源・供給手段に依存しない) ●中長期をにらんだ低炭素社会への円滑な移行 (基盤インフラの活用等) 【分散型エネルギーシステムの展開 ∼ 需 要 面 ・供給 面における電気と熱 のベストミックス∼】 ●コージェネレーションを活用した電気と熱のエネル ギー総合効率の向上 ●スマートエネルギーネットワークの構築(情報通信技 術(IT)を活用し、需要面・供給面での電気と熱の組合わせ による省エネ・省CO2) ●様々なレベル(家庭、集合住宅、工場、地域・都市等)に おける展開 ・分散型エネルギーシステムの展開 ・水素エネルギー社会の構築に向けた貢献 ・産業部門における 天然ガスの高度利用(省エネ・省CO2) ・再生可能エネルギー等の導入 【 再生可能エネルギー等の 導入 】 【水素エ ネルギー 社会の構築に向けて】 ●水素の利用促進 ・利用段階ではCO2を排出しないクリー ンなエネルギー ・天然ガス改質による水素製造 ●燃料電池を核としたローカル水素ネット ワークの構築(水素ステーション、水素パ イプライン、CCSとの組み合わせ) 【 産業部門における天然ガスの 高度利用(省エネ・省CO2) 】 ●天然ガスの高度利用による省エ ネ・省CO2(高温熱需要は引き 続き化石燃料の役割大) ・高効率バーナー、高効率燃焼シ ステムの導入 ・コージェネレーションの活用 ●バイオガスの活用 (オンサイト、都市ガス原料とし ての利用、導管受入れ等) ●太陽熱と天然ガスを組み合わ せた高度利用の促進 ●未利用エネルギー(排熱等)の 利用促進 〈水素エネルギー社会の構築〉 〈産業部門における天然ガスの 高度利用 〉 〈再生可能エネルギー等の 導入〉 ●リジェネバーナー・酸素燃焼バー ナー等の高効率機器、燃焼シス テムの開発・普及 ●バイオガス活用に向けた技術 開発、関係省庁・自治体等の 連携・協力等 ●太陽熱利用技術の調査、太陽 熱利用機器の導入促進等 ●未利用エネルギー(排熱等)の 地域での面的活用等 4.中長期シナリオ実現に向けた具体的な取り組み 〈分散型エネルギーシステムの展開〉 ●コージェネレーション設備の普及・開発 (ガスエンジン、ガスタービン、燃料電池) ●需要面・供給面の電気と熱の統合に関する 実証等(家庭、集合住宅、地域・都市等) ● ITの開発(需要側のエネルギー情報の「見える 化」・センサーネットワーク等) ●燃料電池の普及・開発、水素製造技術等 の開発 ・PEFC・SOFCの開発・量産技術の確立 、コスト 低減 ・水素製造・輸送・貯蔵等に関する 技術開発 ●水素関連インフラの整備(ローカル水素 ネットワークの構築等) ・水素イ ン フラ (水素パイ プ ライン ・水素ステーショ ン )整備・実用化に向けた技術開発・実証試験等 ●中小企業における高度利用の 取り組み 〈基盤整備〉 ●天然ガスの安定供給の確保(資源外交の推進・メタンハイドレートの生産技術開発) ●パイプライン等の基盤インフラ整備 ●海外への省エネ技術移転等 ●総合エネルギーサービス事業への展開 ●地域社会・自治体等の取組強化のための枠組みづくり ●国民への広報・教育