大学における知的財産活動の 現状と課題、今後

神戸学院大学 知的財産セミナー
大学における知的財産活動の
現状と課題、今後
平成２０年１１月１９日
特許庁
特許審査第一部長
芝 哲央
1
目次
１．知的財産とその意義
２．知的財産を巡る政府の取組
３．大学における知財管理の必要性
４．大学の知的財産活動の現状
５．研究上の留意点
６．最後に
2
１．知的財産とその意義
3
知的財産制度の意義
知的財産とは？
・知的財産とは人間の知恵や工夫などから生まれる創造物のこと。
知的財産制度とは？
・知的創造の成果を生みだした人に独占権を与え、収益をもたらすことによって
更なる知的創造を促すための制度
新商品
知的創造
研究開発
出願
知的創造
サイクル
権利設定
利益
科学技術創造立国としての歩
みを止めないために欠かすこと
のできない制度
権利活用
研究開発
費の回収
特許権の
取得
特許証
特許権
4
知的財産制度の種類
知的財産権の種類
創作意欲を促進（保護）
信用の維持を保護
知的創造物についての権利
特許権（特許法）
実用新案権（実用新案法）
意匠権（意匠法）
著作権（著作権法）
営業標識についての権利
○「発明」を保護
商標権（商標法）
○出願から２０年
○「商標」を保護
○登録から１０年（更新あり）
○物品の形状等の考案を保護
商号（商法）
○出願から１０年
○物品のデザインを保護
○登録から２０年
○登記された「商号」を保護
著名な商品表示、商品形態 ○著名な商品表示等の禁止
○原産地の誤認表示等の禁止
（不正競争防止法）
★商品形態は販売から３年
○文芸、学術、美術、音楽、ﾌﾟﾛｸﾞﾗﾑ
などの精神的作品を保護
○死後５０年（法人は公表後５０年） 映画は公表後７０年
回路配置利用権
（半導体集積回路の回路配置
に関する法律）
育成者権（種苗法）
営業秘密
（不正競争防止法）
○半導体集積回路の回路配置の
利用を保護
○登録から１０年
産業財産権＝特許庁所管
○植物の新品種を保護
（注）特許、実用新案、意匠、商標を
○登録から２５年（樹木３０年）
産業財産権という。
○ノウハウや顧客リストの盗用など 不正行為を禁止
5
知的財産権の種類（携帯電話の例）
実用新案権
物品の構造、形状の
考案を保護
アンテナの
収納構造
商品やサービスに使用
するマークを保護
（出願から２０年）
★医薬品等については、さらに５年を
限度とした存続期間の延長制度あり
ブランド名
プログラム（ソースコード自体）
著作権
（登録から１０年）
★存続期間の更新登録制度あり
意匠権
特許権
新しい発明を保護
（出願から１０年）
商標権
液晶技術
スマートな
デザイン
創作的な表現を保護
（死後５０年まで）
プログラム（機能・アルゴリズム）
特許権
物品のデザインを保護
（登録から２０年）
製造ノウハウ
営業秘密
（公知になるまで）
6
知的財産権保護の精神
産業の発達
○創造意欲の増進
発明者の
○競争意識の増長
ただ発明者の権利を
守るだけでない！
○第三者の利用
（改良・応用）
発明者の
義務
権利
独占権
（公開の代償）
カセットテープ
フロッピーディスク
新技術の公開
ＣＤ−ＲＯＭ
ＤＶＤ
7
２．知的財産を巡る政府の取組
8
国際的競争力強化に向けた転換
従来の日本型生産システム（外国からの技術導入に基づく改良研究）
キャッチアップ型から
価 格 競 争
・アジア諸国等からの激しい追い上げ
・高齢化社会の到来による労働人口の減少
天然資源のない日本が、今後も
競争力を維持強化してくためには、
高い科学技術力を背景とした
革新的な技術による、
高付加価値な製品・
サービスによる競争
フロントランナー型への転換
9
第３期科学技術基本計画（抜粋）
１．基本理念
★第３期の基本姿勢
①社会・国民に支持され、成果を還元する科学技術
★政府研究開発投資＜約２５兆円＞
（注）第３期基本計画中に政府研究開発投資の対ＧＤＰ比率が１％、
上記期間中におけるＧＤＰの名目成長率が平均３．１％を前提としているものである。
２．科学技術の戦略的重点化
（２）政策課題対応型研究開発における重点化
・「重点推進４分野」に優先的に資源配分 ⇒ ライフサイエンス、情報通信、環境、ナノテク・材料
・「推進４分野」に適切に資源配分 ⇒ エネルギー、ものづくり技術、社会基盤、フロンティア
・８分野で「分野別推進戦略」を策定し、重要な研究開発課題を選定、各々の政策目標も明確化
・本計画期間中に重点投資する「戦略重点科学技術」を選定し、選択・集中
・戦略重点科学技術の中で、「国家基幹技術」を精選し、厳正な評価等を実施
出所：『科学技術基本計画』の概要(http://www8.cao.go.jp/cstp/kihonkeikaku/gaiyo.pdf)
10
小泉
元首相の施政方針演説 小泉元首相の施政方針演説
第１５４回国会（平成１４年２月４日）
我が国は、既に、特許権など世界有数の知的財産を有して
います。研究活動や創造活動の成果を、知的財産として、戦
略的に保護・活用し、我が国産業の国際競争力を強化する
ことを国家の目標とします。このため、知的財産戦略会議を
立ち上げ、必要な政策を強力に推進します。
11
知的財産戦略の進展
ＦＹ
2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008
2002.2
総理施政
方針演説
2002.11
第１期
知的財産
推進計画
２００３
知的財産
推進計画
２００４
第２期
知的財産
推進計画
２００５
知的財産
基 本 法
の制定
〇基本的な制度改革
2003.3
知的財産
戦略本部
の設置
〇産学官の協力体制の整備
知的財産
推進計画
２００６
知的財産
推進計画
２００７
知的財産
推進計画
２００８
〇知的財産立国の実効を
上げる。
〇知的財産を活用した国際
競争力強化
〇新たな課題に対応した
制度整備
12
知的財産を巡る現状 ∼「知的財産推進計画2008」策定の背景∼
∼「知的財産推進計画2008」策定の背景∼
グローバルな競争環境の変化
技術革新・市場変化のスピード・規模
が飛躍的に拡大
研究開発・事業化のスピードと効率性 追求の必要性増大
世界の知財戦略の潮流
基本特許・周辺特許を確保し、迅速に事業化
［総合プロデュース機能を有するベンチャー等の活躍］
内外のリソースを積極的に活用する
オープン・イノベーションの加速
［ITに限らず幅広い業種での取組］
国際的な基本特許争奪戦が激化
デジタル・ネットワーク化に対応した知財制度
の構築を追求
［例：米国デジタルミレニアム著作権法、EC情報社会指令 等］
デジタル化・ネットワーク化の急速な 進展と新たなビジネス・市場の拡大 の機会到来
知財の世界市場への展開、国際標準化の強化
［幹事国引受数等で欧米が圧倒的シェア］
第20回知的財産戦略本部会合（平成20年6月18日） 資料より作成
13
「知的財産推進計画２００８」の概要
我が国の課題
基本特許の獲得力が脆弱
主な取組
iPS細胞の研究・事業化を加速する総合的支援体制構築
・基礎研究の最前線では知財マインドの不足
・大学等での知財支援体制が不十分
オープン・イノベーションの取組に遅れ
・防衛重視の知財戦略
先端医療分野の特許保護の在り方の検討
オープン・イノベーションに即した知財戦略の促進
中小・ベンチャー企業の知財戦略の強化
・大学のライセンス収入は米国の１／１００以下
デジタル・ネット時代に対応した著作権法の見直し
デジタル化・ネットワーク化に
対応した知財制度の整備が不十分
・急激な技術革新に柔軟に対応できる知財制度の
構築が急務
模倣品・海賊版対策の強化
ネット上の海賊行為への対策の強化
・コンテンツ流通の法制度・契約ルールが未整備
国際知財システムの構築に向けた取組の強化
国際市場への展開に遅れ
・海外への特許出願率：２２％
（米国：４４％、欧州：６０％）
・コンテンツの海外売上高比率：２％
（米国：１８％）
地域・対象に応じた日本ブランド戦略の構築と発信
我が国の地名、著名商標等の海外での保護の働き掛け
第20回知的財産戦略本部会合（平成20年6月18日） 資料より作成
14
「知的財産推進計画２００８」における大学関係の重点項目
①ｉＰＳ細胞の研究・事業化を加速するための
総合的支援体制を構築する
②大学知財本部やＴＬＯの機能を強化する
③共同研究の成果の活用を一層促進する
④大学発ベンチャーへの支援を強化する
⑤大学等・ＴＬＯによる海外出願を支援する
知的財産推進計画の詳細情報については、知的財産戦略推進事務局のＨＰ（ http://www.ipr.go.jp/）をご覧下さい。
15
３．大学における知財管理の
必要性
16
科学技術に果たす大学の役割
○大学には、我が国の研究費の１９％、研究者数の３６％もの資源が存在する。
○学術研究のレベルにおいても世界トップクラス。
大学の占める研究費
19%（約3.4兆円）
大学の占める研究者数
36%（約30万人）
その他
36.6%
我が国の研究費
約17.8兆円
論文被引用回数（自然科学・工学）
のシェア
論文数（自然科学・工学）のシェア
１位 米国
31.3%
我が国の研究者
約82万人
５位 フランス
7.1%
その他
15.3%
１位 米国
46.5%
４位 日本
8.0%
５位 フランス
6.2% ４位 英国
8.2%
３位 ドイツ
8.5%
出典：総務省「科学技術研究調査報告」（平成１８年）
２位 日本
9.1%
３位 ドイツ
11.4%
２位 英国
11.8%
出典：文部科学省「文部科学統計要覧」（平成１９年版）
豊富な人的資源、研究費を有し、高い研究レベルを維持している我が国の大学
の使命は、「教育」、「学術研究」、「社会貢献」の推進である。
特に、知的財産の分野においては、「知的財産立国」を支える人材の輩出、産
官学連携による研究開発、研究成果の社会還元が期待されている。
【出典：平成19年10月18日 内閣官房知的財産戦略事務局長講演資料】
17
大学の第３の使命 研究成果の社会還元
研究成果の
大学の使命は
「教育」と「学術研究」
大学の第３の使命として
「社会貢献」（研究成果の普及）
学校教育法 (旧)第５２条
大学は、学術の中心として、広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を教授研究し、知的、道徳的及び応用的能力を展開させる
ことを目的とする。
学校教育法 (新)第８３条
大学は、学術の中心として、広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を教授研究し、知的、道徳的及び応用的能力を展開させる
ことを目的とする。
２ 大学は、その目的を実現するための教育研究を行い、その成果を広く社会に提供することにより、社会の発展に寄与するもの
とする。
知的財産基本法 第７条（大学等の責務等）
「大学等は、その活動が社会全体における知的財産の創造に資するものであることにかんがみ、
人材の育成並びに研究及びその成果の普及に自主的かつ積極的に努めるものとする。」
国立大学法人法 第２２条（業務の範囲等）
第二十二条 国立大学法人は、次の業務を行う。
五 当該国立大学における研究の成果を普及し、及びその活用を促進すること。
六 当該国立大学における技術に関する研究の成果の活用を促進する事業であって政令で定めるもの を実施する者に出資すること。（TLOへの出資） （注）大学共同利用機関の業務範囲については本法第29条
18
産業界から大学への研究開発投資
○産業界は大学等に、技術革新をリードする基礎研究を期待。。
（企業は国内大学より海外研究機関を評価。） 我が国企業の大学等への研究投資
（2004年度実績 約2,848億円）
知の空洞化
29%
71%
国内大学へ
国内大学へ
約836億円
約836億円
基礎研究を期待する背景
技術革新スピードの高まりに伴い、
企業の研究は、短期的な収益が期
待される研究へシフト
海外研究機関へ
海外研究機関へ
約2,012億円
約2,012億円
出典：第二回ＭＯＴシンポジウム「産学連携のこれまでの取組と今後の方向性 概要説明資料」
（総務省「科学技術研究調査報告」より経済産業省作成）
国内の大学と共同研究する際の主な問題点
海外の大学と共同研究等を行う利点
【日本経済新聞社調査 2008年】
【経団連アンケート調査 2001年】
①迅速な成果を期待できない
②特許など知的財産の取り扱いが不明確
③大学側に守秘義務(情報漏洩対策)が徹底していない
①企業ニーズの的確な把握
②契約実務の充実
③学内協力体制の整備
19
大学における特許取得・管理の意義
技術移転
（ライセンス等）
ライセンス料 等
大学・TLO等による
特許取得・管理
企業による活用
（製品化・商品化）
収
益
の
分
配
許
」
て
い 利
つ 権
に る
明 け
発 を受
「特
機関帰属
大学研究成果（発明）
外部から見えにくい
↓
有効に活用されない
個人帰属
20
４．大学の知的財産活動の現状
21
大学における知的財産管理体制整備の現状
国立大学等では８７機関（約９６％）が原則機関帰属
大学等の３４５機関が体制整備済み又は整備予定
（単位：機関）
知的財産の機関帰属の有無（平成２０年４月１日現在）
区分
総 数
原則機関帰属
原則個人帰属
未設定
回答大学数
３１７
２１
４６０
７９８
国立大学等
８７
１
３
９１
私立大学等
１８１
１８
４３２
６３１
公立大学等
４９
２
２５
７６
（単位：機関）
知的財産の管理・活用体制の有無（平成２０年４月１日現在）
区分
管理活用体制を
整備している
今後整備する予定
現時点では整備
する予定は無い
回答大学数
１７３
１７２
４５３
７９８
国立大学等
７２
７
１２
９１
私立大学等
８２
１４５
４０４
６３１
公立大学等
１９
２０
３７
７６
総 数
【出典：文部科学省 平成19年度 大学等における産学連携等実施状況について】
22
大学の
知的財産活動（特許出願）
大学の知的財産活動（特許出願）
○大学からの特許出願件数の伸びは、2005年から2007年にかけて微増と、一段落。
○ 2005年以降、特許出願件数が増加した大学と減少した大学とは半々。
→大学ごとに戦略的な知的財産活動が行われてきている。
（件）
9000
大学からの特許出願件数及びグローバル出願率の推移
大学からの特許出願の増減傾向
30%
27%
8000
7352
25%
7000
20%
7569
7859
25%
25%
25%
6000
20%
4604
5000
15%
4000
2775
3000
2000
10%
1979
5%
1000
0
2002
2003
2004
出願件数
2005
2006
2007
0%
（年）
グローバル出願率
※出願人が大学長又は大学を有する学校法人名の出願及び承認TLOの出願
を検索・集計。企業等との共同出願も含む。
【特許庁調べ】
23
大学の知的財産活動（特許率）
○特許となる比率は約６０％とほぼ一定。
大学からの特許出願の審査結果の状況
（件）
1400
100%
1200
80%
69%
1000
800
60%
60%
501
60% 60%
60%
58%
364
600
40%
253
400
111
200
0
101
149
242
2002
2003
特許査定
744
153
208
379
535
20%
0%
2004
2005
2006
2007
（年：発送日ベース）
特許査定率
拒絶査定、FA後取下げ・放棄
※出願人が大学長又は大学を有する学校法人名の出願及び承認TLOの出願を検索・集計。企業等との共同出願も含む。
【特許庁調べ】
24
大学と企業の連携の現状（共同研究）
共同研究（1983年制度発足）
企業等の研究者と大学等の研究者（教官）とが共通の課題について対等の立場で行う研究。
【実施件数の推移】
・H19年度の共同研究の件数は、16,211件であり、H15年度の約1.8倍。
・中小企業は経営資源に制約。⇒ 大企業以上に外部研究資源の活用が不可欠。
16,211
18000
16000
13,020
14000
12000
10,728
9,255
10000
8000
6000
4000
2000
0
Ｈ１４
Ｈ１５
Ｈ１６
Ｈ１７
Ｈ１８
Ｈ１９
国立大学等
6,767
8,023
9,378
11,362
12,405
13,654
私立大学等
-
850
938
1,165
1,655
1,791
公立大学等
-
382
412
493
697
766
総 計
-
9,255
10,728
13,020
14,757
16,211
14,757
(2,969)
Ｈ１５
(3,111)
Ｈ１６
(3,570)
Ｈ１７
(3,926)
Ｈ１８
(4,087)
うち、
中小企業数
※大学等・・・大学共同利用機関、短期大学、高等専門学校を含む。
※Ｈ１４は国立大学等のみ、Ｈ１５以降は国公私立大学等を対象。
Ｈ１９
【「文部科学省 平成19年度 大学等における産学連携等実施状況について」より作成】
25
大学と企業の連携の現状（受託研究）
受託研究
民間等から委託を受けて大学等の研究者が実施する研究。
【実施件数の推移】
H19年度の受託研究の件数は、18,525件であり、H15年度の約1.3倍。
20000
18000
16000
14000
12000
10000
8000
6000
4000
2000
0
16,960
13,786
18,045
18,525
Ｈ１４
Ｈ１５
Ｈ１６
Ｈ１７
Ｈ１８
Ｈ１９
国立大学等
6,584
6,986
7,827
9,008
10,082
10,584
私立大学等
-
5,771
6,240
6,796
6,776
6,779
公立大学等
-
1,029
1,169
1,156
1,187
1,162
総 計
-
13,786
15,236
16,960
18,045
18,525
15,236
※大学等・・・大学共同利用機関、短期大学、高等専門学校を含む。
Ｈ１５
Ｈ１６
Ｈ１７
Ｈ１８
Ｈ１９
※Ｈ１４は国立大学等のみ、Ｈ１５以降は国公私立大学等を対象。
【「文部科学省 平成19年度 大学等における産学連携等実施状況について」より作成】
26
大学発の技術のインパクト −産学連携の成功例−
−産学連携の成功例−
・大容量垂直磁気記録方式 （功労者： 東北大学電気通信研究所
中村慶久 教授 東北学院大学工学部 山口一幸講師
（株）日立GST執行役員主管技師長 岩石芳博）
・特許：96件 論文：116件 市場規模：6,700億円（平成16年度)
・世界水準(20Gbit/in2)を遙かに超える超高密度内面磁気記録
(49Gbit/in2)を実現
・酸化チタン触媒の光誘起反応 （功労者： 東京大学 橋本和仁 教授
東京大学 ： 元東陶機器（株）研究所主幹・事業部次長 渡部俊也
東京大学 藤嶋 昭 名誉教授）
・特許約120件 主要論文：約40件 市場規模：149億円(平成14年度)
・1994年に世界初の光触媒タイル（ハイドロテクト・タイル）が実用化
・窒化物半導体による青色発光デバイス （功労者：名古屋大学 赤 勇
名誉教授）
・特許約60件 市場規模：2,500億円(平成16年度)
・窒化ガリウム(GaN)の結晶化技術を開発、世界初の
高輝度青色発光ダイオードを実現
27
失敗例 −学会発表で失われた日本の基本特許−
−学会発表で失われた日本の基本特許−
ジベレリン（植物ホルモン）の例
① ジベレリンは日本で発明された植物品種改良剤（種なしブドウの誕生で有名）であり、
研究に携わった住木博士により、ニューヨークの国際学会にて研究成果を発表。
②この画期的な発明は、住木博士が学会発表後に特許出願したため、
自分の研究発表論文が出願前公知となり、特許は取得できなかった。
③この発明を知った米国の製薬会社は、ジベレリンが空気中の酸素によって劣化することを
ヒントに、合成樹脂のカプセルで包錠するという改良技術に関する特許を取得。
④日本で研究開発された基本発明であるにもかかわらず、
米国企業に対して高額の特許料を支払う。
ジベレリンの結晶
28
大学等における特許実施料収入
1,200
774
1,000
0
15年度
16年度
17年度
18年度
機関名
2002
2000
【出典：AUTM Licensing Survey】
19年度
平成１９年度特許実施料収入
順位
1998
100
1996
0
1994
200
1992
200
1980
300
1990
400
1988
400
600
1986
500
800
1984
543
543
１９８０年のバイドール
法制定からライセンス
収入増までは長期間
を要する
639
1982
（百万円）
700
801
（百万ドル）
公立大学等
私立大学等
国立大学等
800
600
【参考】米国大学のライセンス収入
特許権実施等収入の推移
900
（千円）
金額
順位
機関名
金額
105,708
６
東京工業大学
42,165
１
名古屋大学
２
東京大学
86,679
７
奈良先端科学技術大学院大学
34,147
３
大阪大学
47,483
８
金沢大学
19,942
４
日本大学
46,123
９
千葉大学
19,319
５
慶應義塾大学
42,590
１０
広島大学
18,252
【出典：文部科学省 平成１９年度 大学等における産学連携等実施状況について】
長期的な視点で技術移転活動を継続することが必要
29
技術移転活動の日米比較
日本
米国
機関数
大学知的財産本部等 161機関
承認ＴＬＯ 47機関
155機関
特許取得件数
744件
2,792件
実施許諾件数
3,027件
4,038件
実施料収入
12.6億円
12.5億ドル
･日本の機関数は、2007年3月末時点（文部科学省）、承認ＴＬＯ数は2008年7月末時点（経済産業省）
・日本の実施許諾件数、実施料収入は、文部科学省資料（国立大学等の国有特許分）と経済産業省資料
（承認ＴＬＯに係る特許分）により合算して算出（2006年度）。
・米国の数字は、2006年度実績（ AUTM License Survey 2006FY より）
・日本の特許取得件数は、特許庁調べ（2007年）
30
大学の
知的財産活動の方向性
大学の知的財産活動の方向性
我が国大学・ＴＬＯの特許出願件数 →米国並みの水準を達成
今後は出願件数重視から、活用を重視した権利取得へ
［参考］
大学には、「件数」のみに偏らず「質の重視」を念頭に、
基本特許につながる重要な発明を国際的に権利取得してい
くという、本格的な知的財産戦略が求められており、その
ための知的財産管理の充実が必要である。
【出典：第５５回総合科学技術会議（H18.5.23） 資料２−２「知的財産戦略について（案）」の一部抜粋】
（参照URL http://www8.cao.go.jp/cstp/siryo/haihu55/haihu-si55.html） 31
５．研究上の留意点
32
特許になるための要件 −新規性−
産業として実施できるか
×人間を手術、治療又は診断する方法
（医療機器、医薬品はＯＫ） 新しいかどうか
×公然と知られた発明（発表、ＴＶ放映）
×公然と実施された発明（販売）
×刊行物に記載された発明（特許公報、
（新規性）
論文、書籍、インターネット）
容易に考え出すことが
できないか（進歩性）
☆当業者が容易に考えつかない発明
明細書の記載は規定
どおりか
☆当業者が実施可能な程度まで
技術内容の記載を義務づけ
その他
その発明が属する技術分野の通常の知識を有する者
☆同じ発明が先に出願されていないか
☆反社会的な発明でないか
33
新規性喪失の例外規定（日本）
＜新規性喪失の例外適用の対象となり得る場合（特許法第３０条第１項、第３項）＞
＜新規性喪失の例外適用の対象となり得る場合（特許法第３０条第１項、第３項）＞
・試験を行う
・試験を行う
・刊行物に発表する
・刊行物に発表する 論文発表
・電気通信回線を通じて発表する
・電気通信回線を通じて発表する
・特許庁長官が指定する学術団体が開催する研究集会において文書をもって発表する
・特許庁長官が指定する学術団体が開催する研究集会において文書をもって発表する 学会発表
・特許庁長官が指定する博覧会に出品する
・特許庁長官が指定する博覧会に出品する など
など
この規定は、
非常措置であり
万能でない
【特許出願と学会（論文）発表の時期】
発明
発明
出願 学会(論文)発表
学会(論文)発表
発明
６月
△
自己の発表後６月以内に
出願された場合は、新規
性喪失の例外規定の適用
を受けることが可能
×
自己の発表後６月を過ぎ
て出願された発明はその
発表により新規性を失う
出願
６月
学会(論文)発表
○
発表前に出願を行うのが
最も望ましい
出願
34
新規性喪失の例外規定の留意点（日本）
同じ発明
自分の論文が公知文献となって
拒絶されることはないが、
６月以内
本人
他人
論文で発表
３０条適用出願
他人の出願
他人の出願の後願に
なるので拒絶される
論文が公知文献とな
り拒絶される
発表と特許出願するまでの間に、その発明と同じ発明について他人が特許出願した場
合、本人の特許出願は他人の特許出願の存在で拒絶され、他人の出願も論文発表に
より新規性が認められず拒絶される。この場合、いずれの者もその発明について特許
を取得することはできない。
＜その他、学会発表後に特許出願するリスク＞
１ 特許庁長官が指定した学術団体以外の学術団体が開催する学会で発表した場合に
は、新規性喪失の例外規定の適用を受けることはできない。
２ 学会発表と特許出願するまでの間に学会発表を聞いて他人が改良発明や関連発明
を完成させて特許出願され、他人にそれらの発明に関する特許を取得されてしまうお
それがある。
３ 外国の新規性喪失の例外規定は日本と異なっており、外国で特許が取得できなくな
る場合がある。
（長官指定の学術団体は、http://www.jpo.go.jp/torikumi/30jyou/30jyou2/dantai.htm参照。）35
（参考）新規性喪失の例外規定の国際比較
対象
日本
（特許法第３０条）
米国
期間
出願時の手続
６月
必要
すべての公知行為
１年
不要
・限定された国際博覧会
６月
必要
・限定された国際博覧会
・所定の学術会議又は技術会議
６月
必要
・出願人によるすべての公知行為
（ただし、条約又は法律により国内外
で出願公開または登録公告された場
合は除く。） ６月
必要
・試験 ・刊行物
・電気通信回線を通じた発表
・特許庁長官が指定する学会
・特許庁長官が指定する博覧会 など
（米国特許法第１０２条（ｂ））
欧州
（欧州特許条約第５５条）
中国
（中国特許法第２４条）
韓国
（韓国特許法第３０条）
36
特許権の効力が及ばない「試験・研究」（１）
特許法第69条第1項（特許権の効力が及ばない範囲）
特許権の効力は、試験又は研究のためにする特許発明の
実施には、及ばない。
背景
・大学等では、研究活動は自由であるべきだという意識が強いこともあり、
必ずしも特許についての正しい認識が持たれているとはいえません。
・そのため、他人の特許を侵害している可能性があるか否かの調査を
十分に行うことなく、研究を実施していることも少なくありません。
・大学における研究が特許権を侵害しているとして訴えられた米国の
Duke大学事件が一つの契機となり、日本の大学等でも他者の特許の
侵害に関する懸念が広がりました。
37
特許権の効力が及ばない「試験・研究」（２）
Duke大学事件
Madey v. Duke University, 307 F.3d 1351 (Fed.Cir.2002)
事 件 概 要
• Duke大学の教授であったMadeyが大学を退職した後も、Madeyの特許発明を用
いたレーザー装置をDuke大学側が使用していたため、MadeyがDuke大学による
当該装置の使用の差し止めを求めて提訴。
• 被告であるDuke大学側は、自らは教育活動を行う非営利機関であり、当該装置
の使用は判例法上認められている「試験的使用の例外」に当たると主張。
• 地裁判決では、被告であるDuke大学の主張である当該装置の使用が「試験的使
用の例外」に当たることが認められたが、控訴審であるCAFCは、「試験的使用の例
外」の範囲を非常に狭く解釈し、使用に商業的目的があるかどうかは関係ないとし
た上で、Duke大学の行為は「試験的使用の例外」には当たらないと判示。Duke大
学は連邦最高裁に上告したが、2003年6月、最高裁はDuke大学の訴えを棄却。
38
特許権の効力が及ばない「試験・研究」（３）
１．他人の特許権も尊重
１．他人の特許権も尊重
（自分の特許権が知らない間に他人に使われているとしたら、あなたはどう思うでしょうか？）
（自分の特許権が知らない間に他人に使われているとしたら、あなたはどう思うでしょうか？）
２．他人の特許発明を参考にしている研究は注意
２．他人の特許発明を参考にしている研究は注意
（特許権侵害とは、特許権者の許諾を受けることなく特許発明を実施（使用等）する行為です。）
（特許権侵害とは、特許権者の許諾を受けることなく特許発明を実施（使用等）する行為です。）
３．特許権を侵害しないためには事前の調査が有効
３．特許権を侵害しないためには事前の調査が有効
（権利者から許諾を受けたり、特許発明品を正規に購入すれば権利侵害にはなりません。）
（権利者から許諾を受けたり、特許発明品を正規に購入すれば権利侵害にはなりません。）
４．研究において他人の特許発明を使用しても侵害に当たらない場合
（このような例外を「試験又は研究の例外」と言います）
あなたの行っている研究は、特許発明
それ自体についての試験・研究ですか？
※試験・研究のすべてが例外
とされる訳ではありません。
いいえ
「試験又は研究の例外」に該当
しない。
（例） 特許権者に無断で繁殖
させた実験用マウスを用いて行
う新薬の開発のための研究
はい
以下の１∼３の何れかに該当しますか？
１．改良・発展を
目的とする試験
２．機能調査
技術（特許発明）を進歩させ
て、もっと良いものにしたい。
特許発明の効果・副作用
を確認したい。
３．特許性調査
特許を取る条件を満た
していたか確認したい。
はい
いいえ
「試験又は研究の例外」に該当
しない。
（例） 特許発明の経済的効果
の調査研究
「試験又は研究の例外」に該当
権利者の許諾を得なくても特許発明に関する研究を行うことが可能
39
知的財産権を円滑に使用するために（１）
大学等における政府資金を原資とする研究開発から生じた
知的財産権についての研究ライセンスに関する指針
＜第55回総合科学技術会議（2006.5.23）＞
【目的】 大学等の研究における知的財産権の使用を円滑化
【基本的な考え方】 （政府資金を対象）
○ 大学等の間では、非営利目的の研究にあたり、各々が所有
する知的財産権の使用を認める（「研究ライセンス」）
○ 研究ライセンスの対価は、原則ロイヤリティ・フリーまたは
合理的なロイヤリティ
○ 簡便で迅速な手続きによる研究ライセンスの供与
※研究ライセンスの普及のため、大学等のルール整備等を促進
40
知的財産権を円滑に使用するために（２）
研究ライセンスの利用例
（例１） 研究者がＢ大学に移って研究を継続する場合
Ａ大学
研究者Ｃ
発明
特許権：Ａ大学に帰属
B大学
異動
研究者Ｃ
「研究ライセンス」の供与
研究者の流動化を支える仕組み
元の研究を継続
（例２） Ｂ大学がＡ大学の特許権を研究に使う場合
B大学
Ａ大学
研究
特許権を取得
「研究ライセンス」の供与
研究の自由度の確保
Ａ大学の特許権を使用
更なる研究
41
利益相反
○産学連携を進める上では、大学や教職員が特定の企業等から正当な利益を得る、又は特定の
企業等に対し必要な範囲での責務を負うことは当然に想定され、また、妥当なことである。
○しかし、真理の探究を目的とし、人類共有の財産とするための研究成果の公表を原則とする大学
と、利益追求を目的とし、営業上の秘密を競争の源泉の一つとする企業という性格の相違から、
教職員が企業等との関係で有する利益や責務が大学における責任と衝突する状況も生じうる。
○このような状況を、いわゆる「利益相反（conflict of interest）」という。
利益相反（広義）
利益相反（狭義）
個人としての利益相反
教職員又は大学が産学連
教職員個人が得る利益と教職員個
携活動に伴って得る利益（実
施料収入、兼業報酬、未公開
株式等）と、教育・研究という
大学における責任が衝突・相
反している状態
人の大学における責任との相反
大学(組織)としての利益相反
大学組織が得る利益と大学組織の
社会的責任との相反
責務相反
教職員が主に兼業活動により企業等に職務遂行責任を負っていて、
大学における職務遂行の責任と企業等に対する職務遂行責任が両
立し得ない状態
科学技術・学術審議会技術・研究基盤部会産学官連携推進委員会利益相反ＷＧ報告書（平成14年11月1日）より作成
42
利益相反に対する基本的な考え方
（科学技術・学術審議会技術・研究基盤部会産学官連携推進委員会利益相反ＷＧの議論より）
利益相反に対する基本認識
○利益相反は産学官連携に伴い日常的に生じえる状況。
（兼業・寄付金等外部資金の受け入れ等）
○利益相反状態に大学が無関心であることによって、大学における
責任が果たされていないかのように見えることが問題。
大学に求められる対応
○利益相反は日常的に生じ得るものであり、なくすものではなく、適
切にマネジメントすべきもの。
○「利益相反マネジメント」は、「規制」ではなく、情報開示・事実関係
の検討や対応方策の提案等を通して、社会的信頼を確保すること
が重要。
○大学は、主体的・自立的に利益相反マネジメント体制の構築、独自
のポリシーを明確にし、組織として実施責任を果たすことが重要。
出所：平成１９年１１月１３日文部科学省技術移転推進室長講演資料
43
規程・ポリシーの策定状況
全体的に、「知的財産ポリシー」、「職務発明規程」や「発明補償規程」に比べ、「利益相反ポリシー（臨床研究）」
や「研究ライセンス使用円滑化ポリシー」の策定状況が遅れている。
（各規程・ポリシーの策定状況は、大学の設置形態別では、私立・公立大学等に比べ、国立大学等が概ね良好）
整備済 産学連携ポリシー
知的財産ポリシー
発明補償規程
職務発明規程
6%
33%
41%
46%
２０年度中に策定予定 ２０年度以降策定予定
14%
17%
6%
56%
77%
80%
11%
13%
利益相反ポリシー
（一般）
利益相反ポリシー
（臨床研究）
研究ライセンス使用
円滑化ポリシー
22%
36%
46%
学生等の守秘義務
に係る規程
27%
42%
48%
30%
65%
46%
8%
18%
12%
【出典：文部科学省 平成１９年 度大学等における産学連携等実施状況について】
44
６．最後に
45
大学の知的財産活動への支援策
発明の創出から権利活用までの網羅的な支援策を展開
発明の創出段階
権利化段階
○大学研究者向けセミナー
の開催
○大学知的財産 アドバイザーの派遣
○大学研究者向け知財 テキストの配布
○知的財産管理体制
構築マニュアルの提供
・セミナーの開催
○特許情報の提供
特許電子図書館(IPDL)
○特許料、
審査請求料
の減免措置
○大学関連出願
の早期審査
パテントマップ・特許出願技術動向調査
特許文献
6,500万件
大学知財研究推進事業
※大学等向けIPDL公報 固定アドレスサービス 論文情報と特許情報
の統合検索システム
(JSTPatM)
特許流通ＤＢの提供
大学等の保有する特許
シーズをデータベース
に無料で登録し、特許
の流通を円滑に促進
技 術 移 転
大 学
機関帰属
大学研究者
の発明創出
権利の活用段階
ライセンス料
大学における知的財産の
取得・管理・活用部門
大学
TLO
知財本部 （内部型 ・ 外部型）
特許流通アドバイザー
の派遣 大学等の保有する特許
シーズと導入企業の
発掘を行い知的財産の
技術移転を支援 産業界
46
特許情報の活用のための環境整備
特許電子図書館
(IPDL: Industrial Property Digital Library)
論文情報と特許情報の統合検索システム
(JSTpatM)
○インターネットを通じて、誰もがいつでもどこからでも無料
で利用できる産業財産権情報の検索・閲覧サービス。
○特許情報と論文情報が同時に検索可能に！
○1999年3月からサービス開始。
○2007年3月から運用開始。
イ ンターネ ット
（独）工業所有権
情報・研修館
利用者
ＰＣ
○研究者にとって、論文情報と同様に、特許情報が身近に。
特許情報
論文情報
統合検索システム
個 人
JST
特許電子図書館
（ＩＰＤＬ）
どなたでも手軽に利用可能
どなたでも手軽に利用可能
ＰＣ
商工会
専 用線サー ビス
ＰＣ
企 業
ＰＣ
大 学
検索システム
（ソフト＋ハード）
検索システム
（ソフト＋ハード）
JST
（独）工 業所有 権情報 ・研修 館
特許庁保有の
産業財産権情報
約 ６,５００万件
を無料で提供して
います。
各地方閲 覧室
知的所有 権セン ター
に端末を 設置
特許情報
DB
専用線
ＰＣ
高速かつ高精細なサービス
高速かつ高精細なサービス
論文DB
外 国
情報・研修館
（IPDL）
JST
※本システムは、工業所有権情報・研修館（ＩＮＰＩＴ）と科学技術振興機構
（ＪＳＴ）との共同事業によるもので、ＪＳＴから「ＪＳＴＰａｔＭ」としてサービス
提供。
47
特許出願技術動向調査の活用
「特許情報」を活用した「技術動向の分析と情報発信」
「特許情報」を活用した「技術動向の分析と情報発信」
第３期科学技術基本計画（２００６年３月閣議決定）において重点推進４分野、推進４分野と定められた計８分野（ラ
第３期科学技術基本計画（２００６年３月閣議決定）において重点推進４分野、推進４分野と定められた計８分野（ラ
イフサイエンス、情報通信、環境、ナノテクノロジー・材料、エネルギー、ものづくり、社会基盤、フロンティア）を中
イフサイエンス、情報通信、環境、ナノテクノロジー・材料、エネルギー、ものづくり、社会基盤、フロンティア）を中
心に、出願件数の伸びが大きい分野、今後の進展が予想される分野について調査。
心に、出願件数の伸びが大きい分野、今後の進展が予想される分野について調査。
特許出願技術動向調査
行政機関
産業政策・
科学技術政策の
基礎資料
特許庁
特許情報を利用して特許動向を調査し
技術全体を俯瞰
特許動向から見た参入企業・研究機関
の特徴等を分析
産業界
大学
研究機関
経済情報・産業政策等を踏まえて、特
許動向から見た技術開発の進展状況、
方向性を分析
研究開発戦略の策定
特許から見た国際競争力の分析、我が
国が目指すべき研究開発・技術開発の
方向性等を整理
事業提携・M＆A戦略の
策定
特許出願・審査請求の
厳選
審査の基礎資料
新保護領域に関する基礎資料
【調査結果（概要版）は特許庁ＨＰにて公開】
http://www.jpo.go.jp/shiryou/gidou-houkoku.htm
48
特許出願技術動向調査テーマ
ライフサイエンス関連 ものづくり（製造技術）関連
情報通信関連
ナノテクノロジー・材料関連
・幹細胞関連技術
・半導体の機械加工技術
・電子ゲーム
・ナノテクノロジーの応用
・ポスト・ゲノム関連技術
・ロボット
・バイオメトリック照合の入力・認識
−カーボンナノチューブ、光半導体、
走査型プローブ顕微鏡−
・ズームレンズ系技術
・デジタル著作権管理（ＤＲＭ）
・インクジェット用インク
・電動機の制御技術
・電子商取引
・光触媒
・多機能空気調和機
・カラーマッチング・マネージメント技術
・ナノテクノロジー
・ネットワーク関連ＰＯＳ
−ボトムアップ型技術を中心に−
・バイオインフォマティクス
・画像記録装置における
記録媒体取扱技術
・再生医療
・自動車軽量化技術
・ライフサイエンス
・次世代工作機械
−蛋白質レベルでの解析とＩＴ活用−
・人工器官
・ＲＮＡｉ（ＲＮＡ干渉）
・遺伝子関連装置技術
等
社会基盤関連
・警報システム
等
フロンティア関連
・航空機（民需用）
・電子計算機のユーザインターフェイス
・音声認識技術
・デジタルコンテンツ配信・流通に
関する技術 等
エネルギー関連
・メタンハイドレート
・自然災害対策関連技術
・燃料電池
・電子地図（ＧＩＳ）利用技術
・色素増感型太陽電池
・ナビゲーションシステム
・環境低負荷エネルギー技術
・先進安全自動車
（運転負荷軽減技術）
等
・フォトマスク
・高記録密度ハードディスク装置
・ナノ構造材料技術 等
環境関連
・ディーゼルエンジンの有害排出
物質の低減技術
・ヒートアイランド対策技術
−緑化技術と機能性舗装−
・自然冷媒を用いた加熱冷却
・自動車と環境
等
49
（参考）特許出願技術動向調査事例（１）
∼平成１９年度特許出願技術動向調査「幹細胞関連技術」より抜粋∼
∼平成１９年度特許出願技術動向調査「幹細胞関連技術」より抜粋∼
日本への出願
2,430件
国際的な出願件数の収支
中国籍
3件
0.1%
オーストラリア
国籍
40件
その他
1.6%
156件
6.4%
韓国籍
19件
0.8%
オーストラリ
ア
国籍
その他
79件
312件 日本国籍
中国籍
1.9%
7.7%
5件
202件
0.1%
5.0%
韓国籍
26件
0.6%
欧州国籍
503件
12.4%
日本国籍
887件
36.5%
欧州国籍
350件
14.4%
米国への出願
4,068件
欧州への出願
2,774件
米国籍
975件
40.1%
143件
975件
オーストラリア
国籍
その他
44件
211件
中国籍 1.6%
7.6%
4件
日本国籍
0.1%
143件
5.2%
韓国籍
13件
0.5%
350件
202件
3件
19件
503件
米国籍
2,941件
72.3%
米国籍
1,390件
50.1%
1,390件
26件
4件
49件
257件
欧州国籍
969件
34.9%
13件
5件
48件
47件
韓国への出願
427件
中国への出願
607件
オーストラリア
国籍
17件
2.8%
中国籍
181件
29.8%
韓国籍
12件
2.0%
その他
24件
4.0%
日本国籍
48件
7.9%
欧州国籍
68件
11.2%
米国籍
257件
42.3%
257件
221件
3件
12件
オーストラリア
国籍
10件
中国籍
2.3%
3件
0.7%
韓国籍
76件
17.8%
欧州国籍
47件
11.0%
その他
21件
4.9%
日本国籍
49件
11.5%
米国籍
221件
51.8%
50
（参考）特許出願技術動向調査事例（２）
∼平成１８年度特許出願技術動向調査「ポストゲノム関連技術」より抜粋∼
∼平成１８年度特許出願技術動向調査「ポストゲノム関連技術」より抜粋∼
出願系統図
パーティクルガン
デュポン(米)
特許2517813( '90)
組換えG-CSF
キリン・アムジェン(日・米)
特許1856517(B) ( '83)
組換えEPO
キリン・アムジェン(日・米)
特許1714215(B) ( '83)
除草剤耐性植物
モンサント(米)
特許2615013 ( '85)
トラ
ンス
ジェ
エレクトロポレーション
ノバルティス(スイス)
特許3038479( '84)
ニ
ック
植
物
Tiプラスミド
マックス・プラング(ドイツ)
特公平2-58917( '83)
アンチセンス法
モルキュラー・
バイオシステムズ(米)
特許2547714( '82)
ＰＣＲ法
ホフマン-ロシュ(スイス)
特公平4-67957( '85)
リボザイム法
ユニバーシティパテンツ(米)
特許253096( '86)
制
御
・増
幅
組
換
え
医
薬
クローン動物製造
エンジバラ大学(イギリス)
US6146888( '93)
乳中での外来蛋白質発現
ジェンザイム(米)
特許2874751('87)
組換えヒトTPA
ジェネンティク(米)
特許1599082(B) ( '82)
組換えインターフェロン
バイオジェン(オランダ)
特許1882618(B) ( '80)
DNA組換えによる蛋白質生産
ハーバード大学(米)
特許1714493( '78)
遺伝子組換え方法
スタンフォード大学(米)
US 4237224( '74)
発ガンマウス
ハーバード大学(米)
特公平5-48093( '84)
1980
診
断
遺伝子配列情報データシステム
インサイト(米)
US 5817479( '96)
ゲ
ノ
ム
解
析
・治
ン
ニ
物
1990
1985
DNAチップ
アフィメトリックス(米)
US 5744305( '89)
ヒト由来のESTs
インサイト(米)
US 5817479( '96)
トラ
ェ
スジ
動
ック
1995
2000
C型肝炎診断薬
カイロン(米)
特許2119615( '87)
療
遺伝子治療方法
アメリカ合衆国(米)
特許2949440( '88)
注： ：日本の発明
：米国の発明
：欧州の発明
51
（参考）ポータルサイト「学校・大学向け支援情報」を特許庁ＨＰ上に開設！
http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/sesaku/daigaku_shien_01.htm
特許庁ホームページのトップ画面
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53