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自覚症状のない性感染症が若者に急増!

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自覚症状のない性感染症が若者に急増!
No30
2003年11月
今や性感染症(STD)は、特別な人の病気ではなく、誰が罹っても不思議ではない病
気です。厚生労働省STD疫学調査研究班の2001年度の調査によると、クラミジアは、性感染
症の中で最も多く36%を占めています。特に自覚症状が出にくい女性に多く、19才で13人
に1人、20才代前半で16人に1人の割合で感染者がいると報告されています。クラミジアな
どのSTDは、感染に気付かずそのまま放置していると不妊症の大きな原因になります。それ
ばかりではなく、尖圭コンジローマの病原体であるヒトパピローマウイルスは、子宮頚癌、
陰茎癌を誘発します。また、STDに感染していると粘膜が傷ついているので、HIVに4倍∼5
倍も感染しやすくなります。HIVは無症状の潜伏期間が長く、エイズ発症まで気づかないケ
ースがほとんどです。このことから、現在のクラミジアの流行が、爆発的なHIV感染増加に
つながるのではないかと、危惧されています。
厚生労働省エイズ動向委員会の2002年度報告によると、日本のHIV感染者、エイズ患者は、
依然として増加傾向にあり、性的接触によるものを中心に拡大しています。性別に見ると
男性が圧倒的に多いですが、15才∼19才、20才∼24才層では、男性より女性の割合が多く
なっています。異性間の性的接触による感染者は、20才代で増加傾向にあり、若年層への
重点的な啓発が必要であると報告されています。
性に関する情報が氾濫し、特に若い年代では性の自由化が進んでいます。そのような中
で、性について正しい知識を身につけ、同世代の仲間と「性の大切さは、自分自身を大切
にする事だ」という事を真剣に話し合って行く事が大切です。
感染予防
性感染症について正しい知識を身につけ、周囲に流されず自己決定できるように!
コンドームの使用
むやみな性交渉を避ける
治療は、パートナーと一緒に受けることが大切です。症状のでやすい男性の自覚が、カ
ギになります。
主な性感染症(STD)
病名(病原体)
クラミジア
(微生物)
淋病
(細菌)
HIV
(ウイルス)
性器ヘルペス
(ウイルス)
尖圭コンジローマ
(ウイルス)
トリコモナス膣炎
(原虫)
B型・C型肝炎
(ウイルス)
梅毒
(細菌)
初期症状 女性 初期症状 男性
無症状が多い
排尿時に軽い痛
おりものが増える み
無症状が多い
潜伏期間 特
子宮,卵管などの炎症,不妊
3週間
流産 早期治療で完治
排尿時に激しい痛 2日∼
おりものが増える み
膿が出る
無症状、約2週間後に風邪症状が
子宮,卵管,等の炎症不妊,抗生
1週間
物質の効かない淋菌が増加
5∼10年
免疫力の低下
でることもある
無症状が多い
症
初発感染では、みず
2∼10日
ぶくれができて激しく痛む
性器に白やピンクのいぼが出来る
徴
2週間∼
エイズの発
完治しない
体力の低下で再発する
完治しない
約3ヶ月
痛みやかゆみはない
子宮癌、陰茎癌の原因にな
る
濃い色のおりもの ほぼ無症状
1週間∼
不妊の原因
強いかゆみ
2週間
早期治療で完治
1週間∼
慢性肝炎、肝癌の原因
無症状が多い
急性肝炎になると全
身倦怠感、発熱、黄疸がでる
6ヶ月
初期には症状が無く、血液検査でし
3週間
か発見できません
長期に渡り症状が現れたり
潜伏したりしながら進行す
る
早期治療が大切
*性感染症に関するリーフレットなど保健室に常時置いてあります。解らない事は
いつでも保健室へお尋ねください。
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