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MatroxInsightVol.10 No.3 2009版

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MatroxInsightVol.10 No.3 2009版
IMAGING
INSIGHT
Matrox Imaging がお届けするソリューション、製品、ニュース
Vol. 10 No. 3
製品ニュース:
GigE Vision®カメラの概要
ケーススタディ:インテグレー
タによるタービン検査のための
Matrox Imaging Library の徹底活用
ビジョンスクワッドファイル:
1D および 2D コードの効率的な読
み取りと検証
目次
IMAGING INSIGHT
Vol. 10 No. 3
副社長から一言 ······················································ 03
販売マーケティング担当副社長 Francois Bertrand が、新たにご提供する
ハードウェアとソフトウェアについて語ります。
ハードウェア製品ニュース ···································· 04
®
GigE Vision カメラが初登場、また Matrox Supersight e2 画像処理コン
ピュータと Matrox Radient フレームグラバーの性能が向上
ソフトウェア製品ニュース ···································· 06
Matrox Imaging Library(MIL)9 に魅力的な新機能を追加
ケーススタディ:Orus Integration 社··········· 07
インテグレータによるタービン検査のための MIL の徹底活用
ケーススタディ:Tannery Creek Systems 社 ···· 10
自動システムによる駐車監視の変革
ビジョンスクワッドファイル ················· 13
MIL のコード読み取り/検証機能の有効な利用方法
ビジョンのスペシャリストが業界をリード
するコンポーネントで構築した、あらゆる機
能を完備したビジョンシステムをお探しの
お客様へ
ターンキーソリューションをお探しの米国、カナダ、欧州のお客様のために、Matrox Imaging で
は、お客様の用途に合ったビジョンシステムを設計する認定システムインテグレータのネットワ
ークをご提供しています。
詳細は、次の URL でご参照ください。matrox.com/imaging/en/buy/
02
IMAGING INSIGHT
Vol. 10 No. 3
副社長から一言
IMAGING
INSIGHT
発行:Matrox Imaging
編集者/マーケティングコミュニケーション担当:
Catherine Overbury
グラフィックデザイナー:JF Ruest
From the
VP’s Desk
Matrox Imaging の書面による事前の許可なく、本
書の全部または一部を複製することを禁じます。
本誌の記事についてのお問い合わせ、またはご意
見は、編集部までお問い合わせください。
電話:1-514-685-7230、内線 2459
ファックス:1-514-822-6273
電子メール:[email protected]
将来のために種をまく
定期購読のお申し込み
次からお申し込みください。
www.matroximaging.com/newsletter
経済回復の兆しが見えてきました。米国の金融市場が危機に陥り、その影響で世界中の
市場の株価が急落したのは、わずか 1 年前のことです。消費者も事業者も一様に大きな
打撃を受け、この苦境からわずかでも抜け出す機会をうかがっています。
しかし市場は季節のようにめぐるもの。だからこそ、私たちは研究開発の努力を続けて
います。社内の技術力向上への投資から、ドイツのシュトゥットガルトで開催した今年
の Vision ショーでは新たな収穫を示すことができました。
本社:
カナダおよび米国
Matrox Electronic Systems Ltd.
1055 St. Regis Blvd.
Dorval, QC H9P 2T4
Canada
電話:+1 (514) 685-2630
ファックス:+1 (514) 822-6273
オフィス:
欧州、中東およびアフリカ
Matrox VITE Limited
Chaplin House
Widewater Place
Moorhall Road
Harefield
Middlesex
United Kingdom, UB9 6NS
電話: +44 (0) 1895 827300
ファックス: +44 (0) 1895 827301
ドイツ
Matrox Electronic Systems GmbH
Inselkammerstr . 8
D-82008 Unterhaching
Germany
電話: +49 (0) 89 / 62170 0
ファックス: +49 (0) 89 / 614 97 43
Imaging Insight の本号では、豊かな実りを皆様にお伝えします。ハードウェアでは、製
品ラインアップの両端でニュースがあります。画像処理コンピュータ Matrox
Supersight e2 は、Intel の Nehalem プロセッサによって性能が向上しました。同様に
®
Matrox Radient フレームグラバーは、Altera Stratix IV の FPGA 処理をサポートするよ
®
うになりました。また、IP67 対応の GigE Vision カメラ Matrox GatorEye は、湿気や
ちりの多い環境に適した新製品です。
もちろんソフトウェアツールの改善も進めています。Matrox Imaging Library(MIL)9
®
Release 2 では新 OS Windows 7 をサポートします。また、MIL 9 PP2(Processing Pack
2)には他にも新機能がありますので、詳しくは記事をご覧ください。
こうした製品強化によって、将来のアプリケーションに必要な技術を、これからもお客
様にお届けします。将来のためにまいた種は、今や収穫を待っています。
François Bertrand
販売マーケティング担当副社長
IMAGING INSIGHT
Vol. 10 No. 3
03
製品ニュース:ハードウェア
ハードウェアニュース:
Matrox Radient eCL と Supersight e2 が、関連技術
を活用してかつてない処理パワーを実現
フラットパネルディスプレー(FPD)や半導体ウエハーの製造、ま
た医療用画像アプリケーションでは、画像処理が強く求められるこ
とが知られています。テラバイト単位のデータ処理が必要になるこ
ともあります。こうしたアプリケーションに対応するには、ホスト
CPU の能力を低下させることなく、イメージャーから送られる画
素データのスループットを処理できるハードウェアを選択するこ
とが重要です。また、開発者は、並行処理と、FPGA や GPU など
の特殊装置を効率的に使用する必要があります。Matrox Imaging で
は、1986 年に最初の画像処理ボード Matrox MVP-AT を発売して以
来、高性能のハードウェア処理ソリューションを提供してきました。
最新の製品である Matrox Radient と Matrox Supersight e2 では、処
理能力の上限をさらに高めて、次世代コンポーネントのレベルに押
し上げました。
進化を続ける Supersight
Matrox Supersight e2 の 2 つの新しい PICMG 1.3 ボードでは、Intel
5520 チップセットを使用することで、Intel の最新世代のマイクロ
アーキテクチャ Nehalem をサポートしています。Nehalem マイク
®
ロアーキテクチャは、新しいメモリーアーキテクチャと Intel の
QuickPath Interconnect(QPI)によって性能を向上させます。メモ
リーを CPU に直接接続することで帯域幅を広げ、その結果パスが
短くなるため、従来の I/O バウンドの操作(小規模カーネルによる
算術フィルタ、空間フィルタなど)の性能を高めています。分散共
®
有メモリーアーキテクチャの基礎である Intel QPI は、複数のプロ
セッサ間の通信を向上し、並行性を高めることで、I/O バウンドだ
けでなく CPU バウンドの操作(大規模カーネルによるモフォロジ
ーなど)の性能も向上させます。
FPGA チップの高速化(Stratix® lV 搭載)
®
Matrox Radient eCL は、次世代の Stratix IV FPGA によって性能を
®
®
向上しました。Altera Stratix IV は、高いクロックレートと 820K
の論理素子(LE)によって、処理の並行性を高め、全体的な画像処
理スループットを向上させています。画像処理タスクを FPGA にオ
フロードすることで、アプリケーション全体で円滑なデータフロー
が保証されます。
付加価値
また、Matrox Imaging の FPGA 設計サービスを利用すると、OEM
は専門のスタッフや FPGA 開発ツールに高いコストをかけること
なく、FPGA ベースの処理を活用できます。FPGA 処理は、フィル
タリング、変形、フラットフィールド補正、画素欠け(dead pixel)
置換など、多くの標準的な画像処理に最適です。FPGA 設計サービ
スについて詳しくは、お近くの Matrox Imaging 販売代理店にお問
い合わせください。
Matrox Radient と Matrox Supersight e2 の詳細は Web で公開中で
す。
04
IMAGING INSIGHT
Vol. 10 No. 3
製品ニュース:ハードウェア
Matrox GatorEye:
IP67 対応の
®
新しい GigE Vision
カメラの概要
沼地と聞いて、心地よいイメージを抱かない人もいるでしょう。ス
ポンジにしみこむような高温多湿、チワワより大きい蚊、チワワよ
り大きい蛇、蛇のようにからみあうつる草、つる草に擬態した蛇、
そしてワニを想像しませんか。
沼地のワニのように、新しいMatrox GatorEyeは工場環境にしっく
りなじみます。製造ラインでは、工場フロアにちりや湿気が残りや
すいものです。こうした環境はカメラに悪影響を及ぼし打つ手もあ
りません。カメラ交換するとなれば不要なコストが発生します。
Matrox GatorEyeカメラは、過酷で要求の厳しい環境に対応するよ
うに設計されています。頑丈で防塵、水洗いが可能な、IP67規格に
準拠したケースに格納されています。
Matrox GatorEyeは、現時点で、640 x 480 @ 110fps 1/3インチのモ
ノクロまたはカラーCCD、1280 x 960 @ 22fps 1/3インチのモノク
ロまたはカラーCCD、1600 x 1200 @ 15fps 1/1.8インチのモノクロ
またはカラーCCDの、6つのセンサー構成で利用できます。外付け
装置との接続には、オプトカプラーのトリガー入力、ストロボ出力、
8つのGPIO、LED照明器を直接駆動する制御可能な電流源を備えて
います。カメラの電源には、工場環境で一般的な12-24V DCを使用
するか、Powerover- Ethernet(PoE)で電源とEthernetの両方のス
トリームに単一のケーブルを共有できます。
Matrox GatorEyeについて詳しくは、お近くのMatrox Imaging販売
代理店にお問い合わせください。
IMAGING INSIGHT
Vol. 10 No. 3
05
製品ニュース:ハードウェア
ソフトウェアニュース:
MIL 9 Processing Pack 2 の新機能
Matrox Imaging Library(MIL)の新しいプロセッシングパック、MIL
9 Processing Pack 2 は多数の新機能を提供します。その多くはユ
ーザーからの情報と、ビジョンスクワッドによるアプリケーション
研究から生まれたものです。
ビード検査
MIL 9 Processing Pack 2 では、接着剤やシーラント、さらにはその
固定チャネルなどの、連続した波状のビードとして適用されるマテ
リアルを検査するために新しいツールを導入しました。MIL Bead
Inspection ツールは、MIL Measurement ツールに基づいて構築され
ており、長さ、配置、幅の違いと、途切れを識別します。このツー
ルは、ユーザーが基準ビードとして定義した粗いパス(ポイントの
リスト)を受け入れて、自動的に最適な検索ボックスを配置しテン
プレートを形成します。検索ボックスのサイズと間隔を修正するこ
とで、サンプリングの解像度を変更できます。許容されるビードの
幅、オフセット、すき間と、全体的な合格判定基準値は、固有の検
査条件に合わせて調整できます。
様々な新機能
MIL 9 Processing Pack 2 には、他にも多数の拡張機能が含まれてい
ます。たとえば、MIL Code Reader による新しいコードタイプ
(4-State、EAN128、EAN14 など)のサポート、マルチカラー領域
を処理するためのヒストグラムベースのカラーマッチング、カラー
分析ツールによる検証のための対話型ユーティリティ、ご要望の多
かった基本的な画像処理のための様々な新機能(トップ/ボトムハッ
トフィルタ、ウィンドウのレベリング、累積ヒストグラム、累積ヒ
ストグラムの二値化、補正、平面補正、画素欠け補正など)です。
近日中にリリース
ご登録ユーザー様は Early Access フォームによって、MIL 9
Processing Pack 2 を近日中にご利用いただけるようになります。
これには、適正な状態を維持するために、ソフトウェアの自動更新
サービスが付いています。公式リリースは、2010 年初頭を予定し
ています。
MIL 9 の Windows® 7 対応について
早期の調査とユーザーのご意見から判断すると、公式発売された
®
Microsoft 社の最新オペレーティングシステムは、積極的な導入が
期待されます。Matrox Imaging では、MIL 9 の改訂版である MIL 9
®
R2 で Windows 7 をサポートする予定です。
図 1 − 連続的な波状ビードに沿ったストライプの計測(左)。不正なストライプ幅(右
上)とすき間(右下)の検出。
レーザーベースの 3D レンジ検出の簡易化
MIL 9 Processing Pack 2 は、レーザーベースの 3D レンジ検出をサ
ポートするように拡張されました。物理的なカメラ-レーザー設置要
件が緩和されて、レーザーをスキャン面に対して完全に垂直に設置
する必要がなくなりました。これによって、より現実的に機器を配
置できるだけでなく、計測の範囲と精度についても柔軟性が増しま
す。また、収集した 3D ポイントにプレーンを適合させることがで
きるため、必要に応じて不要な領域をマスクして、その後の 3D 分
析に使用する基準を作成できます。開発者は、MIL 9 Processing
Pack 2 によって、スキャンしたオブジェクトからボリューム、偏差
などの基本的な統計情報を取得できます。さらに、サードパーティ
製の 3D レンジカメラで取得したネイティブの 3D レンジデータを
使用できます。
06
IMAGING INSIGHT
Vol. 10 No. 3
ケーススタディ: Orus Integration 社
ターボストレス
航空機エンジンのタービンブレード検査のために、
航空機エンジンのタービンブレード検査のために、
インテグレータが
インテグレータが Matrox
Matrox Imaging
Imaging Library
Library を徹底活用
を徹底活用
航空機エンジンのタービンは、過酷な条件に対応しなければならな
い部品です。3 万 rpm の速度で動きながら、同時に 800°C を超える
温度に何時間も耐えなくてはなりません。
エンジンメーカーは、わずかな表面傷によっても性能が落ち、保守
コストを高め、航空機エンジンの寿命を短くする可能性があること
を熟知しています。航空会社が求める効率と信頼性を維持するには、
タービンブレードの入念な検査が必要です。
北米のあるメーカーでは、ブレードを人手と目視によって検査して
いました。高度なトレーニングを受けた検査員が、数百もの特徴を
計測し、約千分の 1 インチという深さで表面傷をチェックしていま
した。人手をかけた検査は、時間と労力の点でコストがかかるだけ
でなく、主観的でもありました。
結果は変動しやすく、検査員によっても異なります。人手による検
査には時間がかかるため、すべてのブレードで系統だった検査を行
うことはできず、サンプリングしたブレードを検査するだけになっ
ていました。ブレードの系統だった検査を時間をかけずに実施して、
一貫した反復可能な結果を出すためのアプローチが必要なことは
明らかでした。
このメーカーは、Orus Integration 社(カナダ、ケベック州ラヴァ
ル)にタービン検査システムの設計を依頼しました。プロジェクト
マネージャの Louis Dicaire 氏は、プロジェクトの開始時点から、開
発チームには、プロジェクトを成功させるには柔軟性、反復可能性、
精度が絶対に必要であることが分かっていたと語ります。開発中、
Orus 社のエンジニアリングチームは、カナダの軍事航空産業のた
めにビジョンベースの計測システムを設計した過去の経験を頼り
にしていました。チームには、Genik Automation 社と緊密に連携し
て、マシンのパーツの取り扱いと機械エンジニアリングを進めた経
験もありました。
IMAGING INSIGHT
Vol. 10 No. 3
07
ケーススタディ: Orus Integration 社
システムの概要
Orus 社はこのシステムを INL-1900x2T と呼んでいます。1 つの筐
体に、検査を実施する 2 つのステーションを組み込んだシステム
です。計測ステーションは、1920 x 1080 の Basler GigE カメラ 2
つに、それぞれ視野の広いテレセントリックレンズ(パースペク
ティブレンズではない)を装着し、コリメート LED 青色(520nm)
照明を 2 つ備えています。表面検査用ステーションは 4 つの Basler
GigE カメラを使用しますが、最初のカメラは 1920 x 1080 の解像
度で表面検査を行い、あとの 3 つは 640 x 480 の解像度で、カメ
ラ 1 つだけでは到達しにくい領域の表面検査を実施します。CCS
拡散同軸照明 2 つ、CCD 拡散透過照明 1 つで表面検査ステーショ
ンに光をあてます。また、Fanuc 社の 6 軸の LR Mate 200iC ロボ
ットと 4U コントローラ、Omron 社の PLC を使用します。これら
が、ハードウェアコンポーネントのすべてです。ソフトウェアは
Matrox Imaging Library(MIL)9.0 Processing Pack 1 をベースと
しています。
ブレードの行程
INL-1900x2T には、数百の計測特徴の照合、タービンブレードの両
面とその他の重要な表面領域での傷の検査、パーツにマークされた
文字の検証の、3 つの役割があります。すべての検査に要する時間
はパーツ 1 つあたり 15 秒です。
一連の検査を実行するには、まずオペレータがバーコードスキャナ
を使用してジョブシート上のバーコードを読み取り、ポケットホイ
ールにパーツを保持するカルーセルを取り付けます。ホイールで最
初のパーツを割り出しながら、高さ計測器がその Y 位置を検査して、
パーツが正しく載せられていることを確認します。
ロボットは、ブレードセクションでパーツを取り上げて、2 つのコ
リメート照明で光をあてた計測ステーションに運びます。カメラの
テレセントリックレンズと、熱と振動を吸収する 4 インチの花崗岩
プレートによって、INL- 1900x2T は安定した光学システムを備えて
います。
「こうした状況下では、光沢のある対象物の丸い部分のコ
ントラストが非常に鮮明に見えます」と Dicaire 氏は説明していま
す。
このアプリケーションでは精度がたいへん重要です。
「ロボットは反
復動作はできますが、我々が求める 10 ミクロン未満の精度でブレー
ドを配置することはできません」と Dicaire 氏は語ります。Orus 社は
これを、パーツを回転させて高速で画像を取得することで解決しまし
た。計測する特徴によっては、ソフトウェアで特徴を最小化または最
大化します。特定の基準位置(デイタム)の画像が元になる CAD 図
面と一致すると、ソフトウェアはこれを識別して基準画像とします。
次に、計測ソフトウェアがパーツの平行度、長さ、半径、角度、その
他の特徴を計ります。最適化するためのデイタムは多数あるので、こ
のステップは複数回実行されます。ソフトウェアは数百の特徴と 50
の許容値を結果として記録します。
ソフトウェアがブレードのすべての特徴について計測結果を記録し
たら、ロボットはそのブレードを Y-θステーションにある三つ叉の
グリッパーに取り付けます。クランプはブレードを 360 度回転させ
て両側の表面傷を検査します。次に、ソフトウェアはパーツにマー
クされた文字を検証します。これには、複数の画像をつなぎ合わせ
て完全な画像を作成してから、OCR アルゴリズムで文字を識別し
ます。
INL-1900x2T の中央部にパーツを載せたカルーセルがある(A)。オペレータインタフェースと検査結果はモニターに表示される(B)。不合格になったパーツは「却下」のシュートを通ってオ
ペレータに戻されるので、許容値になるように再び機械加工できる(C)。
08
IMAGING INSIGHT
Vol. 10 No. 3
ケーススタディ: Orus Integration 社
検査が完了すると、そのパーツのすべての結果が記録されます。デ
ータはすべてレポートとして報告できます。パーツが検査に合格す
ると、ロボットはそのパーツを「良品」のシュートに送ります。特
徴で不合格になると、そのパーツをクランプに残したまま画面上に
情報を表示するため、オペレータはそのパーツの修正が必要な点を
確認できます。その後、グリッパーはパーツを「却下」のシュート
に送ります。ホイールが回って次のパーツが割り出されます。こう
してカルーセル上のすべてのパーツに対してプロセスが繰り返さ
れます。
MIL の力
Orus 社は Matrox Imaging Library(MIL)を約 9 年間使用していま
す。
「今回はおそらくライブラリを最も徹底的に使用したプロジェ
クトでした」と Dicaire 氏は語ります。実装したアルゴリズムの 1
つに適応閾値があります。これは、暗い領域の中の明るいスポット
と、明るい領域の中の暗いスポットを動的に見つけるアルゴリズム
です。他の操作では、Orus 社の開発者はいくつかの MIL モジュー
ルの GUI インタフェースを使用しました。OCR、エッジファイン
ダー、幾何学的モデルファインダー、そしてもちろん計測です。計
測ソフトウェアのほとんどは GUI を使用して開発されたので、シス
テムはパーツについて学習できました。実際に、INL-1900x2T の柔
軟性は、まだ開発中の新しいパーツも含めて、システムが複数の異
なるパーツに適応できることを示しています。
「この GUI のおかげ
で、最終的な製品では、クライアントがより自主的に使用できるシ
ステムを構築できます。我々のプロジェクトは複雑ですが、MIL の
使いやすさ、高性能、柔軟さと、
(Matrox Imaging の)ビジョンス
クワッドチームによる強力なサポートがあるからこそ、MIL で開発
を続けられるのだと思います」
(Dicaire 氏)。
課題の達成
Dicaire 氏は、計測マシンの設計上の課題はいつも同じだと語りま
す。それは、反復可能性、精度、そして直線性です。システムから
予測可能、反復可能な結果が戻るようにするには、ソフトウェアは
サブピクセル単位の細かな精度を提示できる必要があります。この
マシンは、+/-3 シグマで 5 ミクロン未満を示しました。もちろん、
画像の良さは照明に左右されます。Dicaire 氏は、このシステムに
は安定した高性能の光学システムが必要だと説明しています。必要
な精度を実現するため、Orus 社では軍事用レベルのキャリブレー
ションターゲットを使用して、2 つのカメラを同時にキャリブレー
トしました。
INL-1900x2T では数千時間の工数を節約できますが、その主要なメ
リットはあくまでも、非常に複雑な分析を実行できる能力があり、
しかもオペレータには簡単なインタフェースで使いやすいコンセ
プトを提供できることです。「このプロジェクトでは、ロボット、
軸、ビジョンライブラリといった、一連の実績あるテクノロジを使
用しました。これらのすべてによって、マシンは成長しクライアン
トの将来のニーズに適合できるのです。機械的な設計を除き、ほと
んどのコンポーネントは既成のものです。
」
「このマシンは、最適な条件下でビジョンシステムを機能させるた
めのテクノロジを組み合わせたものです。ここまでできる、という
ことを示す良い例だと思います」
(Dicaire 氏)
。
まず、ロボット(A)がパーツを計測ステーションに移す。パーツはここでコリメート照明をあてて回転され、画像が取得される(B)。次に、ロボットはパーツを表面検査ステーションのグリッパーに置
く(C)
。グリッパーがパーツを回転させている間に、ロボットは次のパーツをカルーセルから取り出す。パーツが検査に合格すると、グリッパーはこれを「良品」シュート(D)に落とし、不合格の場合
は「却下」シュートに落とす。
IMAGING INSIGHT
Vol. 10 No. 3
09
ケーススタディ: Tannery Creek Systems 社
駐車監視の技術
車を駐めるところはあるかな。ドライバーはイグニションキーを回すたびに、このように考えます。街は、自動
車時代を迎える前から駐車の問題と取り組んできました。もちろんその頃の問題は「馬をつなぐところはあるか」
だったのですが。
駐車は街の困難な課題とされてきました。特に、米国で自動車数が
9 百万台を超えた 1910 年代には顕著な問題でした。
その頃はまだ、
近代的な車より馬の数の方が多かったのですが、最終的に街では馬
による移動が禁止されるようになりました。馬や馬車用の舗道は、
ただちに自動車用となりました。そして、あっという間に車でいっ
ぱいになりました。街で働く人々がこうした場所に終日駐車するよ
うになったため、買い物客やビジネス街の訪問客が駐車する場所は
ほとんど残りません。
こうして、市当局は駐車を取り締まる必要があることを学んだので
す。当初、駐車エリアを監視していたのは警察官でしたが、やがて
その役割は市の職員である駐車取締官(Parking Enforcement
Officer、PEO)に移されました。チョークで武装した取締官は、担
当区域を巡回してタイヤにマークを付けます。
約 2 時間後に戻ると、
チョークのマークを探します。そして駐車違反の車を見つけると、
チケットを切ります。多くの街では、今もこの方法で駐車エリアを
監視していますが、時間がかかるうえに完全に効果的とは言えず、
不正行為の割合が高くなっています。同時に、駐車の監視が厳しす
ぎると、訪問客を罰することになるか、地元住民が小規模事業の進
出を嫌がる可能性があります。
21 世紀になっても、街では相変わらず事業主と住民のニーズのバ
ランスをとるために苦労しています。バージニア州フレデリックス
バーグは、駐車の管理方法を変革した市の 1 つです。自動の駐車シ
ステムを導入することで、この市は収入を大きく増やし、効率を向
上して、苦情や常習違反者もわずかになりました。
何をしたのでしょう。
この市では、駐車監視のための自動車両識別システム autoChalk™
を設計した、Tannery Creek Systems 社(カナダ、オンタリオ州コ
ンコード)に支援を依頼したのです。社長の Bill Franklin 氏は、フ
レデリックスバーグの要求は独特だったと説明しています。George
Washington のふるさとで、南北戦争で重要な戦場だったフレデリ
ックスバーグは、米国の歴史上重要な土地です。
「そのため、観光
客にたいへん人気があります」と、Franklin 氏は語ります。
10
IMAGING INSIGHT
Vol. 10 No. 3
しかし、この市ではすべての駐車違反者に罰金を課していたため、
観光客の中には憤る人もありました。「市長と警察署長は実際に、
もう二度と来ないという旅行者からの手紙を受け取っていたそう
です。」
商業地域には個性的な店やレストランが建ち並び、市の文化に活気
をもたらしています。しかし、駐車場が不足しているか、顧客に嫌
な思いをさせることがあると、こうした地域は活気を失って、市の
他の地域にも悪影響を及ぼします。市では通常、収益のためだけで
はなく、商業活動を活性化するためにも十分な駐車場を必要としま
す。小規模事業者もドライバーと同様に、駐車料金を不要にしたい
と考えていますが、それでは駐車時間が長くなる可能性があります。
事業者は自動車の回転率を上げたいのです。フレデリックスバーグ
のすべての関係者は、初回の違反者や旅行者には穏やかに対処し、
常習の違反者には厳しく対処したいと考えていました。市当局は、
車の所有者の住所を確認して、市外からの車にはチケットを送らな
いことも望んでいました。
システムの概要
autoChalk は、4 つの Sony XCD-V90CR カラーカメラで構成されま
す。カメラはどんな気候にも耐えられるケースで覆われて、PEO
の車両に搭載されています。PEO の車両が駐車場を通過する間、
カメラは各車をスキャンして、画像を Panasonic Toughbook®モバ
イルコンピュータに送信します。画像はここで Matrox Imaging
Library(MIL)によって処理されます。Tannery Creek 社がカスタ
マイズしたソフトウェアは、車両の大きさ、形状、色についての画
像分析も行い、その画像にタイムスタンプを付けます。この画像デ
ータは内部で、PEO の車両の GPS が取得した世界座標に対応付け
られます。約 2 時間たって、PEO の車両が駐車ゾーン内を 2 回目
に通過するとき、カメラは再び一連の画像を取得して最初の画像セ
ットと比較します。画像と GPS 座標が一致した場合、その車は駐
車違反なので、PEO はチケットを切ります。初回の違反の場合は
警告だけで、そのドライバーの駐車履歴に応じて罰金額が増減され
ます。
ケーススタディ: Tannery Creek Systems 社
百聞は一見にしかず
autoChalk システムには、チケット発行を管理するコンポーネント
もあります。駐車違反が見つかると、チケットはその車の登録所有
者に郵送されます。チケットには、駐車場で撮影された写真が証拠
として添付されます。これができるのは、autoChalk が財務コンピ
ュータシステムに接続しているためです。カメラが取得する画像は
大量なので、画像の保存には考慮が必要です。autoChalk は、JPEG
圧縮にも MIL を使用しています。
autoChalk の特別な機能の 1 つに、ナンバープレート識別(License
Plate Recognition、LPR)をサポートしていることが挙げられます。
この機能は、MIL の文字認識ツールであるストリングリーダーで構築
されていて、車の所有者の住所を判定できます。そのため、フレデリ
ックスバーグでは、旅行者や州内からの訪問者にはチケットの送信を
ひかえることができます。LPR 機能は、PEO が違反常習者や盗難車
を見つけるためにも役立ちます。
結果を改善する方法の 1 つは、取得したプレートの画像をホッ
トリスト、つまり注意すべきプレートのリストと照合すること
です。盗難車リストはホットリストのほんの一例です。6 文
字の内 4 文字しか識別できなくても、注意すべきプレートの
リストと照合できれば役立つ可能性があります。ホットリス
トのもう一つの例として、住宅街で路上駐車を許可された人
のリストがあります。監視中に駐車された車をこのホットリ
ストと照合すると、路上駐車が許可されていることを確認で
きます。autoChalk は、条件が良ければ 85∼90%の精度でホ
ットリストに挙げられたナンバープレートを識別できるため、
ホットリストによって誤認の可能性が低くなります。
導入の成果
現在、フレデリックスバーグでは、
autoChalk は 1 日に約 1,200
台の車をスキャンし、歩いてチョークを付けていた頃に比べ
て約 5 倍の生産性を上げています。
開発時の課題
Franklin 氏は、屋外で使用するビジョンシステムの開発は、
工場内で使用するシステムの設計とは多くの点で異なると語
っています。
「工場内は管理された環境です。しかし屋外では、
雨、雪、みぞれなど、あらゆる状況に対応しなくてはなりま
せん」と Franklin 氏は説明します。工場内のビジョンシステ
ムの照明は管理されていますが、屋外の光はまったく異なり
ます。
「どんな天候でも、照明条件が異なっていても、システ
ムが機能することを確認する必要がありました。
」さらに、ソ
フトウェアでは、路肩駐車、角度をつけた駐車、平行駐車に
対応する必要があります。
プレート自体に問題がある可能性もあります。
「だからこそ、
堅ろうなソフトウェアソリューションが必要なのです」
(Franklin 氏)
。実際、現実の世界ではナンバープレートが読
み取れないことも多いのです。
「プレートの汚れ、プラスチッ
クカバー、さび、欠損、曲げ、読み取り妨害は、すべて認識率
の低下を「助長」します」
(Franklin 氏)
。
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ケーススタディ: Tannery Creek Systems 社
自動駐車監視システム
autoChalkäの導入によって。バー
ジニ
ア州フレデリックスバーグは収益
の増加、効率の向上、苦情
と駐車違反常習者の大幅減少を実現
した。
市当局は結果に満足しており、バージニア地区連盟の Achievement
Award for 2008 も受賞しました。フレデリックスバーグ市当局は、
autoChalk システムによって、市長に苦情が送られることがなくな
り、不正駐車も減少していることに気付きました。駐車場の適切な
監視は車の回転率の向上をもたらし、駐車場はさらに利用しやすく
なります。旅行者と地元の買い物客も増えて、市の収益と PEO の
生産性の向上に役立っています。
autoChalk は、フレデリックスバーグの他、アルバータ州カルガリ
ー、カリフォルニア州サンタバーバラにもシステムを配備していま
す。Franklin 氏は、このようなシステム、特に LPR 機能への需要は
多いと語っています。そして autoChalk の機能、使いやすさ、柔軟
性がこの成功をもたらしたことは言うまでもありません。
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IMAGING INSIGHT
Vol. 10 No. 3
参考文献:
Franklin, Bill.“Vehicle recognition technology for age old parking
enforcement challenges.”International Parking Institute March
2009: 24-27.
Holtz Kay, Jane.“A Brief History of Parking: The Life and After-life of
Paving the Planet.”Architecture Magazine February 2001.
ビジョンスクワッドファイル: コード読み取りツール
The
Code Reader
tool
Learn how to best use the Matrox Imaging
Library (MIL) code reader/verifier
IMAGING INSIGHT
Vol. 10 No. 3
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ビジョンスクワッドファイル: コード読み取りツール
今日のように工業化された世界では、マシン読み取りが可能なデータ表現は重要です。重要な情報を保存して、専用のハードウェアまたはソフトウェア
を装備したマシンが自動的にデコードできるようにするために、
様々なコード化技術が使用されています。以前のテクノロジはデータの保存にピン、穴、
溝などの機械的な手段を使用していましたが、現代のテクノロジは電子、磁気、化学、光学の技術に依存しています。マシン読み取り可能なデータ表現
で、最も一般的なのはバーコードです。バーコードは、今日でも広く使用されている、幅の異なる垂直バーとスペースでデータをコード化する方式です。
バーコードは、一次元コードまたは 1D コードと呼びます。データの記号表現には他に、四角形、六角形、またはドットのパターンを二次元のパターン
として配置したものがあり、これを 2D コードと呼びます。
Matrox Imaging のソフトウェアに含まれているコードツールでは、様々な種類の 1D コードおよび 2D コードと、その混成(特定の 1D および 2D コー
ドを組み合わせたもの)の読み書きが可能です。このコードモジュールでは、印刷されたコードの質を検証し、ISO/IEC 標準に従って品質グレードを割
り当ててフィードバックすることもできます。
コードを読み取る場合のヒント
このコードツールは、品質の良い画像を読み取るように最適化されています。つまり、コードの位置を容易に判断でき、変形や(ミラーのような)反転
がなく、背景とのコントラストが明瞭で、ノイズが少なければ、未知のサイズのコードを最速で読み取ることができます。こうした条件を前提として、
ツールのデフォルトが設定されています。つまり、読み取り操作では、処理ステップの数は最小、デコードの速度は最高になります。しかし多くの場合、
画像は完全ではありません。ツールがデフォルト設定で画像内の 1D または 2D コードを読み取れない場合には、状況に合わせていくらかの調整が必要
です。
コードが読み取れない場合に注意する点
• 解像度が適切かどうかを確認します。ツールは1ピクセルのセ
ルサイズまで取り扱うことができますが、最小セルサイズは3
ピクセル以上にすることをお勧めします。
図 1 - 1D コード(左)と 2D コード(右)のセルサイズ。
• クワイエットゾーンが十分に確保されているかどうかを確
認します。クワイエットゾーンとは、コードの外側のマーク
の付いていない余白部分です。2Dコードでは1セル以上、1D
コードでは12セル以上のクワイエットゾーンを確保するこ
とをお勧めします。
図 2 - 1D コード(左)と 2D コード(右)のクワイエットゾーン。
• コードが反転して鏡像になっていないことを確認します。1D
コードが反転している場合は、スキャン反転オプションを有
効にします。2Dコードの場合は、コードリーダーモジュール
を呼び出す前に、画像をフリップします。
Figure 3 - 2D コードを読み取るために、(図 4 から)画像を反転する。
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ビジョンスクワッドファイル: コード読み取りツール
• 2Dコードの場合は、セル間にすき間がないか、またはセルが
重なっていないかを確認します。必要に応じて、ドット間隔
を調整します。セル間にスペースがある場合は、正の値を指
定してください。セルが重なっている場合は、負の値を指定
してください。
• 同じく2Dコードの場合は、事前検索オプションを有効にします。
このオプションは、コードの位置を特定する際に、予想される最
小および最大セルサイズ値を使用します。これらの値を明示的に
指定しないと、セルサイズは6∼10と見なされます。予想される
セルサイズがこのデフォルト範囲を超えている場合には、最小お
よび最大セルサイズの値を明示する必要があります。指定しない
と、事前検索オプションが機能しないことがあります。
• 事前検索オプションを有効にしてもツールがコードの位置を
特定できない場合は、独自の前処理ステップで位置を特定す
ることを試みてください。次に、そのまわりに関心領域(ROI)
を定義してコードリーダーに提示します。
まず、基準位置を使用できる場合は、これによってコードの
位置特定を試みます。使用できない場合は、矩形を形成でき
るまでコードのエロージョン(または、前景が白の場合はダ
イレーション)を行います。次に、粒子解析を実行して、領
域、サイズ、コンパクトネスや、コードを周辺と見分けられ
るその他の特徴に基づいて候補となる粒子を選択します。
• 速度設定を低くします。これによって、デコードプロセスの
全体的な信頼性が高まります。
• 必要に応じて、閾値モードを変更します。デフォルトのモード
では、イメージ全体のヒストグラムの分析に基づいて閾値が自
動判定されます。このデフォルトが適切でない場合、閾値を特
定の値に設定できます。照明が均等でなく単一の閾値で対応で
きない場合は、閾値モードを適応(M_ADAPTIVE)に設定して
ローカルの閾値分析を実行してください。
図 4 − 2D コードの読み取りには、ドット間隔の調整が必要になる可能性がある。
その他のテクニック
検索を高速化するために注意する点
• 2Dコードの場合、セル数があらかじめ分かればこれを指定し、
分からない場合は可能な最小範囲を指定します。セル数の範囲が
コードの形状を示していない場合は、形状が正方形または長方形
のどちらかを指定します。
• 角度が分かっている場合には、これを指定します(特に1Dコ
ードの場合)。角度範囲5度以上で検索を行うと、検索プロセ
スが大幅に低速化します。
• 可能であれば、セルサイズを設定します。
• 前景値が変化する可能性がある場合、または読み取り操作を
するまで分からない場合は、任意の前景値
(M_FOREGROUND_ANY)を指定します。
• このコードツールは、1回の読み取り操作で複数の1D
コードをデコードしますが、2Dコードは1回に1つのみ
デコードします。複数の2Dコードを読み取るには、ま
ず単一オカレンスを探します。見つかったらこれをマ
スクして、別の単一オカレンスを再度検索します。こ
のプロセスを必要なだけ繰り返します。
コードを検証する場合のヒント
• コードの位置は、検証の前の読み取り操作によって特定されます。読み取りが失敗すると、検証を実行することはできません。
• 最小および最大反射率のデフォルト値は0と255ですが、コードのコントラストが段階的でこの範囲を完全にカバーすることができな
い場合には、デフォルト値を調整します。
• アパーチャサイズも検証操作に影響を与えるため、アパーチャモードとサイズの値がアプリケーションに適しているかどうかを確認
します。アパーチャ設定が小さすぎると、検証操作の感度が高くなりすぎて、実際にはない欠陥を検出することになります。大きす
ぎると、実際にある欠陥を見逃す可能性があります。デフォルトでは、ISO 15416規格に準拠して、最小セルサイズに応じた値が設
定されます。
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©Matrox Imaging
Printed in Canada $GE-5468-B
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