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VCADシステムの意図と戦略 - VCAD システム研究プログラム
理研シンポジウム VCADシステム研究 「ものつくり」ツールの構築と 「研究」の基盤 ツールへの展開 VCADシステムの意図と戦略 VCADシステムの意図と戦略 独立行政法人 理化学研究所 ものつくり情報技術統合化研究プログラム ディレクター 牧野内昭武 背景1 製造業の置かれた厳しい状況とその対策 製造業が置かれた状況 開発期間のめちゃくちゃな短縮要求 困難な技術課題(新材料、高精度、製造 工程の削減、複雑な形状・構造) コスト削減に対する圧力 情報技術に依存 1 背景2 理研における金属プレス成形シミュレーション ソフトウェア研究開発の経験 1987年 ー 2002年 板成形シミュレーション研究会を組織(コンソーシアム) 1990年9月−1996年10月 参加企業:31社、年会費1社200万円 プレス成形シミュレーションソフトウェアITAS3Dの開発 理研ベンチャー(株)先端力学シミュレーション研究所の設立 1999年4月 シミュレーションソフトウェアのASU/P-form商品化 計算機トライアルによる割れの回避 (最初の金型形状) ASU/P-form (決定した金型形状) 成形進行 7形状をシミュレーションし、 最適形状を決定した 型組み立て後半日で OK パネル取得 板厚変化率 (%) われ ポンチプロ変更 2 このソフトウェアの研究開発によって学んだこと 1.研究ソフトウェアは生き残れない。 2.知的所有権の確保は絶対要件。 3.商品化には研究開発以上の費用がかかる。 4.似た商品の場合、性能が良くても後発は決定的に不利。 先頭を走るか、オンリーワンか。 背景3 成形シミュレーション周辺技術の開発経験 1995年−2002年 IMS国際プロジェクト プレス成形品の評価技術の開発 経済産業省ディジタルマイスタープロジェクト ものつくりのためのナレッジデータ−ベースの開発 ものつくりの世界で使われているソフトウェアは、それ ぞれ個別に開発されて来た歴史的経緯もありバラバラ であるため、連携して使うのにたいへん苦労をする 3 ものつくり情報技術統合化研究プログラム プロジェクトの期間 前期 平成13年4月‐平成16年3月(3年間) 要素技術の開発 〔アドバイザリー委員会による評価〕 後期 平成16年4月‐平成18年3月(2年間) 統合システムの開発 プロジェクトの基本方針 1.他に無い画期的な技術を開発する 2.普及のための戦略を立てる 理研に求められる研究 企業で取り上げるのが難しいリスクの高い、ある程度息の長い研究 大学では困難な組織的拡がりを要求される研究 プロジェクトの基本方針 1 他に無い画期的な技術を開発する 変換 デザイン (意匠) 変換 変換 測定 変換 測定 VCAD VCADモデル 加工 シミュレーション デザイン (意匠) 変換 シミュレーションから加工、測定まで一気 通貫に扱えるシステムの実現。そのため ボリュームCADモデル(VCADモデル) を コアとしたVCADシステムを開発。 変換 新技術: 設計、シミュレーション、測定、 加工などの各工程がばらばらで、 その間のデータのつなぎのため に膨大な人手と時間が必要。 データが渡らないところも多い。 設計 変換 変換 シミュレーション プレス 鋳造 構造 変換 加工 従来技術: 設計 プレス鋳造 プレス鋳造 構造 4 VCADはもののモデルを作成するツール 形状モデル もののモデル wireframe Surface モデル Solid モデル でも中は空っぽ! VCADモデル 中に構造や物性の データを持つ VCADモデル 「形状」モデルから「もの(連続体)」のモデルへ (1)外形形状、(2)内部構造、(3)物性分布、 (4)場の方程式を解くためのメッシュを持つ セル 境界面(形状) Kitta Cube 領域 1 領域 2 対象とする領域 物性値だけでなく「形状」もセルを 単位にモジュール化される 大規模計算に適したデータ構造 5 VCADシステムの特長 VCADモデルをコアとすることにより 1.シミュレーション、CAM,CATをシームレス に扱える 2.異なる形式で入力される、人工物(設計した もの)と自然物(複雑な構造を持つ図面の無 いもの)のデータを、同一データ形式のモデ ルにして扱える VCADシステムの構成 データの入口 人工物 自然物 設計者の考えた 設計案 図面の無い 人工物 現実にある もの Solid CAD データの出口 製品 製造装置 X線CT MRI スライサー V-シミュレーション V-CAT 測定データの ハンドリング 製品機能シミュ レーションソフ トウェア群 製造工程シミュ V-CAM 加工データ レーションソフ 作成 トウェア群 VCADモデル VCADフレームワーク VCADデータ作成 とハンドリング 6 プロジェクトの基本方針 2 普及のための戦略を立てる 組織 理事長 知的財産戦略センター センター長 丸山 瑛一 アドバイザリー 委員会 ものつくり情報技術統合化 研究プログラム ディレクター 牧野内 昭武 ボリュームCAD開発チーム チームリーダー 加瀬 究 事業化推進チーム 加工成形シミュレーションチーム チームリーダー Cristian TEODOSIU チームリーダー 田辺和夫 システム統合班 班長 常木優克 製品機能シミュレーションチーム チームリーダー 小野 謙二 平成15年10月発足 V-CADシステム研究会 V-CAT開発チーム チームリーダー 横田 秀夫 V-CADものつくり応用チーム チームリーダー 大森 整 平成14年11月発足 普及戦略 基本戦略 特許で技術を守る(特許出願数44件) 行動戦略 第1ステージ(現状) 「VCADシステム研究会」による外部企業/研究者との連携 (企業会員27社、個人会員42名) 第2ステージ(17年度以降) 基盤ソフトウェアの公開 理研ベンチャーや外部企業と組んで、商品ソフトウェア の開発を促進。 7 開発ソフトウェア群 役割 ソフト名 CAD VCADフレームワーク CADデータ生成と修正、可視化 CAT V−CAT 製品機能シミュ SPHERE レーション V-STRUCT 機能 点群データから形状を抽出しVCADへ渡す シミュレーションプログラム開発フレームワーク 構造解析 V-FLOW 熱流体解析 V−OPT 傾斜屈折率レンズの光路解析 加工成形シミュ V-CAST レーション V-STAMP 鋳造解析 V-FORGE 鍛造解析 PLANETS Tryshot 樹脂射出成形解析 V-CAM ワークの変形解析と連動したCAM NanoCAM ナノ精度が実現できるCAM CAM プレス成形解析 公開ソフトウェア 企業による商品化予定 商品化済 V-CADシステム研究会 1.発足:平成14年11月 2.研究会の活動内容 V-CADシステムの研究・開発に関する情報交換 理研で開発されたソフトウェアの試験的使用及び共同で の研究開発 3.会費 企業会員; 年会費30万円 個人会員(大学、公立研究所の研究者); 年会費5千円, 問い合わせ先 (V-CADシステム研究会事務局) 久保貴義 [email protected] Tel: 048-451-5855, Fax: 048-451-5655 研究会ホームページ http://vcad.jp 8