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フランスの新たな不動産建築契約について
Title Author(s) Citation Issue Date フランスの新たな不動産建築契約について −フランス の所有権観念の考察をかねて− 坂本, 武憲 北大法学論集, 31(3-4上): 165-186 1981-03-25 DOI Doc URL http://hdl.handle.net/2115/16328 Right Type bulletin Additional Information File Information 31(3-4)1_p165-186.pdf Instructions for use Hokkaido University Collection of Scholarly and Academic Papers : HUSCAP 坂 本 111フ ラ ン ス の 所 有 権 観 念 の 考 察 を か ね て │ │ 憲 フランスの新たな不動産建築契約について 目次 一はじめに ニ所有権と請負の理論の沿革 三集合住宅建築の発展 四集合住宅建築の法形式の変遷 五建築予定不動産売買契約の内容 武 l [説 i 1 六むすびに代えて 北法3 1 ( 3 4・ 1.165)1097 ~ ;論" じ め 2) ハ 時とするもの(星野・民法概論W 一一六一頁)、工事の進捗に従ってとするもの(来栖・契約法四六七頁)、などのまちま 属するかについて、新しい家屋と認められるようになった時とするもの(加藤・民法教室債権編一二O頁)、完成と同 について有力説に見解の一致があるとは必ずしもいえないように思われる。それは例えば所有権がいつから注文者に帰 通説、判例が芳えてきた所有権とは異なった新たな所有権観念の上に立たなければならないはずである。しかしこの事 と進むものと思われるが、請負人が材料を提供したにもかかわらず、建物の所有権は注文者が取得するというからには するとの説が有力に主張され始めた。これは所有権移転を内包する請負契約というものを排除する点でも妥当な方向へ 判例の状況に対して最近主として建築請負契約の性質論から、請負人が材料を提供した場合でも所有権は注文者に帰属 をもその内容として含むものであることを示している。ところで以上の通説、 門 5nygmcsrap-Z)、 がフランス、ドイツでは区別されて芳えられている一旦作られた物の売買 (488E 建物の所有権はまず請負人に帰属し、引渡によって始めて注文者に所有権が移転するとさ札幻。これは我国の請負契約 を提供した時には建物の所有権はその竣工と同時に注文者に帰属するのに対し、請負人が建築材料を提供した場合には だけでなく、請負人が総ての建築材料を提供した時にもこれを請負契約とする。そして注文者が建築材料の主要な部分 わかる。というのは我国では土地を不動産建築の主たる材料とみないこともあって、注文者が建築材料を提供した場合 してみると、我国のこの契約が従来これらの国で区別されてきた二つの契約をその内に含むより広い概念であることが 我国においては形式上請負契約以外に不動産建築契約というものをもたないが、その内容をフランス、ドイツと比較 } ま EEmE括的話ユ円高﹀ 物供給契約(者向 製 作 説 論 北法 3 1 ( 3 4 .1' 1 6 6 ) 1 0 9 8 フランスの新たな不動産建築契約について ちな説明に表われている。 この点フランスでは従来注文者が主たる材料を提供する場合だけが請負で、職人が総ての材料を提供する時には一旦 卸 8 5吉田町るという 作られたものの売買であるとし、その労務の所有権はそれが完成し、引渡をなす時まで職人にあるとされていたが、最 48芯55B2zg 近主として集合住宅についての必要からこの原則を破る建築予定不動産売買 ( 契約が民法典の内に制定された。これは売主が土地を含めて総ての材料を提供する時でも買主がその不動産の完成、引 渡をまつまでもなく所有権を取得することを認め、売主はそれにつき建築義務を負うとするものである。これは請負人 が総ての材料を提供する場合の我国の有力説に類似するがこの契約の芳え方は後述のようにフランスの所有権観念の変 遷を経て始めて可能となったものである。本稿はこの変遷の中でこの新しい契約がどう位置付けられるかを考察するこ 拙稿﹁フランスにおける建築請負契約の基本法理﹂北大法学論集二九巻三・四合併号三八八頁以下参照。 とにより、我国の有力説の基礎付けに幾分かの寄与をなすことを目的とする。 (1) ︿ 2) 前掲拙稿三八三頁以下参照。 ︿ ) 前掲拙稿三八九頁参照。 3 所有権と請負の理論の沿草 フランスにおいて我国の請負契約にあたるものは労務賃貸借契約Q05mmq243ぬ与として規定される。既にこの芳 05?EERといった え方自体フランスに伝統的なものであるが、特にその所有権観念との関係を考察する場合にはり 学者がこの契約の当事者に与えていた呼称というものが重要である。すなわちこれらの学者は注文者 (5阻害品向O C43‘ 北法3 1 ( 3 4・I-167)1099 説 論 関与の方が貸主 σ ( 白 円 22-zggR) (2) E22る で あ る と し て い た 。 こ れ は な さ れ る べ き で 請 負 人 が 借 主 ( 買g gpnoロ 労務たる建物については主たる材料(土地)を提供した注文者が既に所有権者であるという前提に立つものである。換 言すれば注文者は既に自分が所有権者と定まっている労務を請負人に貸与し、それを完成させて受領する関係として考 えられていることを示している。このようにまだ存在していない建物について既に注文者が所有権者であるという考え 方は、ここでいわれる所有権が所有権者の地位を与える権利として意識されていることを一方で推測させる。しかし同 時に他方で土地の上に現にある物としての建物に対する支配権を所有権の内容と芳えていると思われる説明もある。そ (HNg (3) 官号仏。E口 。 ) の原則により、既になされていた労務の代価は注文者(貸主)が支払わなければならないとさ れは危険負担の説明で、建物がその建築途上において不可抗力により滅失した場合には物は所有権者に対して失なわれ る れていることである。ここでは注文者は既になされた労務についての支配権を内容とする所有権をもつことが念頭にお かれているとも芳えられる。このような二つの内容を含む所有権 2 0自己宮内材育 O匂丘公δ とはどのようなものであっ pHR の説明から推測してみよう。 たのだろうか。司c (4) ﹁所有権というものが、そのように呼ばれる理由は、それによってある物が私に固有でありなg官岳、他の総ての者を排除し て私に帰属する権利だからである。 8 H ι 冊 目 肖O胃53 がその効果との関連で考えられる時には、ある物を随意に処分する (ιE司O 曲 。 円 )権利と この所有の権利 2 定義されるべきである。但し他人の権利や法律を犯すことはできない。﹂ この短い記述は次のようなことを推測させる。すなわち所有権とは物の内にあって、それを持つ者に物を専属させる 性質であるという所にその本質がある。そして所有権者がもっ物の使用、収益、処分をまとめた意味で用いられる処分 北法 3 1 ( 3 4・1. 1 6 8 ) 1 1 0 0 フランスの新たな不動産建築契約について ︿ 5 ﹀ 権は、この専属させられるということの効果として生ずるものに過ぎないということである。このように所有権の本質が 物の内にあってそれを排他的に帰属させる性質というところに求められると、その権利の一内容とされる添附権 25広 ロ) も物に備わった性質で、それから生じた果実、 あるいはそれに結合した従物を帰属させるところのもの 門可胆口naw師団FO ということになるであろう。 以上の所有権、添附権の理論を前提とするならば先の労務賃貸借契約の芳え方も容易に理解することができる。すな わち注文者の主物としての土地に備わる添附権が、既に契約の時からそのよに従物として建つ建物について注文者を所 有権者(貸主)とし、その効果として建物が土地に結合して建てられるに従って注文者はその支配権を獲得していくか ら、途中で不可抗力により滅失した場合にはその危険負担は注文者が負うということになるのである。 ところで物を誰かに帰属させる性質としての所有権が物に内在するものとして芳えられている聞は人が物に対しても F-2も所有権を支配権の側からクローズアップしているし、事実フランス民法典起 つ支配権は必ず生ずる。それ故司C 草者もこの姿勢をとりつづけた。しかし一旦所有権が物を離れて独立に取り扱われるようになるとそれはもはや支配権 としての内容をもたなくなるであろう。その事は既に司♀ERの時代に物の所有権は物の引渡がなくても独立に取得し うると主張した当時の少数説をみればわかる。すなわちこの学説は物の占有におかれる以前にもその所有権は取得しう るとし、その理由は支配権 23芹仏町内山 O白色 5) とこの権利を行使しうる権能とは不可分のものではないからだとす る。換言すれば所有権をそれを行使する物理的、現実的能力をも含むものと芳える時には物の引渡なしに移転すること ハ 6) -弘 吉BBBHBR丘町)とし はないが、所有権がそれによってある物が誰かに帰属するところの純粋に精神的特質公 EE-同 てのみ考えられる時には、引渡以前に合意のみによって移転することになんの妨げもないというのである。この芳え方 は確かにフランス民法典によってとり入れられた公ユ-ロω ω )。 ここにおいて所有権は物の支配権として ∞丘恒三・ 5∞ 北法3 1 ( 3 4・1. 1 6 9 ) 1 1 0 1 説 論 の内容をもちえず、物の観念的使用収益権限を与える権利、すなわちそれをもっ者に物の所有権者の地位を与える権利 とならざるをえないのである。 以上の所有権観念の変遷は一挙になされたのではない。特にまだ所有権を物と不即不離の関係で芳えていた立法者と 一九世紀の学説では依然として物の支配権(使用・収益・処分権)と考えていた。これに対して二O世紀の学説では所 有権は明確に物を離れて独立に観念されている。すなわち所有権とは、それによってある物がある法主体の意思と行為 に絶対的排他的に服従する権利と定義され、民法典の五四四条が所有権を物の使用、収益、処分権とするのはこの権利 の一つの記述を与えるだけで真の定義を与えていないと仁幻。そして所有権者はその所有権に従って法律行為をなしう るがこれらの法律行為は物に関して行われるのではなく所有権者の権利に関して行われるとし、法律上彼の権利を処分 g a z S の性格によるとさ払討。ここでは所有権が する可能性は所有権の属性ではなく総ての物権に共通の譲渡性合 物とは独立に取引の客体とされ、それが使用収益をなしうる所有権者の地位を与える権利と芳えられていることがわか るであろう。 次に所有権が支配権としての内容をもたなくなるにつれて請負契約金労務賃貸借契約﹀にも変化を生じた。すなわち 主たる材料(土地)を提供した注文者は所有権者でもあるが、建築途上にある建物の支配権を取得するものとは考えら れなくなった。その結果請負人は自己の危険において注文者から独立に労務を行うことになり、注文者が予め取得する 所有権は、それをもっ者に建物の所有権者の地位を与える権利となったのである。しかしまだ請負と一旦作られた物の 売買の区別は維持されている。それは簡単にいえば一方で請負人が総ての材料を提供し注文された物の完成を引き受 け、他方で注文者には出来あがる物についてその所有権者の地位を与える所有権が予め帰属しているという請負契約を 認めないのである。本稿が対象とする建築予定不動産売買契約が民法典にとり入れられることになったのはまさにこの 北法3 1 ( 3 4・ ト 1 7 0 ) 1 1 0 2 フランスの新たな不動産建築契約について ような状況においてであった。そしてそれを出現させるに到った直接の原因は集合住宅の建設の必要とそこにおける HM850広 三 と い う 新 た な 職 業 者 の 活 動 で あ っ た 。 前掲拙稿(基本法理)三九五頁以下参照。 A 内 回 目 官 門 口 也 氏山 広 ・ ロ 。 -H ・ hH 53 と支配(含自由一5) とに分け H∞ H M w 回。∞ω・ 円 ︼ ・ 2 ・にもこの事をうかがわ 1) この問題については既に拙稿﹁フランスにおける建築請負契約と所有権付﹂(専修大学法学研究所紀要・民事、法の諸問題E 掲載予定)でその一部を考察した。詳しくはそちらに譲りここではその要点だけをくり返すにとどめる。 ︿ (3) ハ2﹀前掲拙稿ハ基本法理﹀コ一九一頁以下参照。 (5) 安門四ア、円円色怠内目白円四円。 (4﹀同 MD 吋 O E R F刊今oxai- 同﹃曲ロ明白一回曲巳SE-6EB 品居。。門日開 Z E h v o h o p F闘 切 せる興味ある記述がある。それによると物の所有権 2og即日町内佐官。司氏ご⑦を専属 Q g胃 ﹁何人かの学者は支配と専属とにある区別を設ける。物が他の者を排斥して某氏に帰属すると考えられるのであるから、当然 る考え方もあったという。 彼らは、我々に帰属する物を我々の随意に処分する権利、すなわち彼らが専属の効果とみなしている権利をいおうとする。その A E H 3 を、彼らは専属というもので意味させようとする。そして支配によっては 物自体の内に観念されるところのこの特質 ( 二つの相関的な二つの用語ということになろう。一方は処分する能動的な権利であり、他方は常に物に随伴して、それを所有権 結果、支配は法主体守白血 Oロロ巾)に結びつけられ、これに対して専属は物それ自体に結びあわされる。かくして支配と専属とは 専属させる性質と観念されていたと考えてよいものと息われる。 者の支配下に服せしめる受動的な特質ということである。﹂この説明からも所有権の本質が、物それ自体に備わるところの物を ︿ (7) ・ 由 ω iHMm 6)MMop-四円、 O℃ ・ 口F 口。N8がの円。江口白や司口同町ロ品ロユの説として紹介する。 円 白 色白・け同;戸也ω U O E﹃印仏印仏門oxn-1- ﹃ N A F ﹀己﹃﹃可師同河田 門 0 ♂ 叩 回 申 F ・ 司 ・ 叶 a-fug-HnE二仲田 rwp広三 (8)28s-2MNJnュ・寸円曲目仲小宮田広告。彩色叫oxnZ出 向g目 32F 回LSM- 回 O N戸田・司・Mg-d﹃ 百CU 叩 ・ 同 ︾ ・ 北法3 1 ( 34 ・ 11 7 1 ) 1 1 0 3 集合住宅建築の発展 本稿が対象とする新たな不動産建築契約の創設は、特に大規模な集合住宅の建設の促進をその直接の目的としてい る。それはこの分野では従来の請負契約、売買契約では律しきれない特別な技術的需要があったということでもある。 というのは一方請負契約は、注文者による建物の形態、構造等の詳しい注文に応じて建築がなされるのであるから小規 模な個人住宅には適するが、複雑な設計や施工を必要とする集合住宅では将来のその建物の区分所有者たちにそのよう なイニシアチブを期待することは到底無理である。他方それでは誰かが自分で大規模な集合住宅を完成させてそれを売 買契約によって分売する方法をとるとすれば、その者がそれを完成させるための莫大な資金力を有していなければなら ぬという不都合がある。このようなところに将来の区分所有権者の資金を導入しながら、これらの者のために技術者た ちをして建設をなさしめる也550gRといわれる専門的職業と、その活動を規律する新たな契約が生じたことは疑いな 、 (555bEBEgs-A5) としてのそれであむ。確かに 35085 は い。それ故ここで有益なものとして職業上の存在を承認されてきた匂5508Rの定義ともなるべき中心的活動は、住居 を求める者と建築技術者とのや仲的併がいハ この活動の為に建築士、請負人、その他の技師を選定し、その不動産事業の技術的組織を準備したり、財源を探しあて できたりする任務を負わされるであろう。しかしこれらの任務は彼がおかれている経済的立場から派生するものであ り、一定の評価を与えられるべき法的地位を形作るほどの統一はにゆ。むしろ一定の法的地位をもたず、場合場合に即 この匂円0508Rの出現を促す大規模な集合住宅建設の必要性の直接の原因となったのはやはり相次ぐ世界大戦であっ 応した仲介入としての経済的職務から定義されるのがより現実に適合しているように思われ久。 説 論 北法3 1 ( 3 4・1 . 1 7 2 ) 1 1 0 4 プランスの新たな不動産建築契約について た。既に第一次世界大戦による破壊が住居の需要と供給とに深刻な不均衡を生じさせたが、これに対して政府がとった 家賃の低水準での統制は当時の慢性的インフレ l ションと相まって資本を賃貸家屋建設の分野からひきあげさせる結果 となり、住宅の危機は増大しつづけることになった。そこで賃借によっては住めなくなった多くの人々が家を建てるこ (4 とを決意したが都市における地価の高騰は二戸建て住宅の実現を不可能とし、この困難を解決したのがなによりも建築 ﹀ 費用、維持費用が少なくてすむ区分所有における建築であったとされる。かくして一九二0年代以降は全フランスにお いて都市住民は共同の費用で集合住宅の建築のために集結することになったが、この絶えず複雑になっていく事業には 将 来 の 区 分 所 有 権 者 の 一 人 で 最 も 建 築 に つ い て の 能 力 が あ り 、 余 暇 を も 持 っ て い る 人 が そ の 事 業 の 組 織 化 守 門 官gg・ 20与を引き受ける方がよいという事態が現われてきた。この人物は既に℃850芯日に類似するが、更に専門化が進むに つれてある土地を探してきで将来の区分所有権者たちを集め、これらの者の計算で不動産を実現することを芳える者が 現われた。そしてこれはまだその名で呼ばれてはいなかったが℃35。丹市己円である。ただ彼らは将来の区分所有権者の受 任者又は代理人として報酬をえてサービスを提供する者(胃2SEB∞舟∞Ring ﹀ として仲介するのであり、彼らの 活動は第二次大戦の前夜まで真の職業に属してはいなかったとされる。 住宅危機は第二次大戦の破壊により頂点に達し、立法者はこれに対して有名な一九四八年九月一日の法律によってこ の日に存在している不動産の家賃だけを統制し、逆に将来の不動産については当事者が自由に賃貸借の代価を決定しう 5a ることとしてこれによって賃貸用建築を促進させようとする処置をとった。しかしこの立法者の意図に反してその後に ︿ ﹀ めざましい発展をとげたのは区分所有権を 283。ロにより取得する為の建築の方であった。その原因は容易に説明さ れる。すなわち存在している不動産は既にふさがっているのであるから住居を求める者は新築の不動産に住む以外に手 段がないが、借家人として新築の不動産に入居するときは統制されていない高い家賃を支払わなければならないことに 北法 3 1 ( 3 4・11 7 3 ) 1 1 0 5 説 g百三を購入し、その債務を長期にわたって なる。そうであるなら毎月高い家賃を支払うよりは、資金を借入れて宅宮ユ (6) 返 済 す る 方 が よ い で あ ろ う 。 そ し て 多 く の 人 々 を し て こ の 道 に 進 ま せ た の が 一 九 五O年以後の不動産信用の発展、とり わけ政府の低利率の特別融資制度とその数年後から始まった経済発展であったといわれる。ここにおいて不動産は商品 パ 2) 田 口 ロ ︿E L 2﹄ o z -一 命PHS B o t oロ即日B 田 口 一 4・ ( 1 ) 7角 目 白gnug広島町宮司﹃O H A W神 タロSHZEZ・ 官 官OBORE吋に法的定義を与えるものもある (ω 丘三・﹀Eq・08昨仏OF85可ロロ巴DP53・HYωou-- しかし売主とか請負 甘 人の﹃ ような独立の法的地位を与えられるものでもないし、又法的平面に直接現われないことも多いのであるからむしろ一定の地 活動を阻害するものであってもならないところにその困難があるとされる。 (9) の安全も大切であるが、逆に資本を不動産部門から引き揚げさせることになるような束縛の負担によって℃5508ロ﹃の a ら 、 同 時 に 彼 の 負 う 危 険 か ら 保 護 す る こ と を 可 能 に す る よ う な 法 形 式 が 介 在 す る 必 要 が あ る 。 そ し て こ こ で は22EE は し た が 考 慮 さ れ て い た 特 性 を 表 わ さ な い と い う こ と も 心 配 さ れ る 。 そ こ で 一 方 RR含 己 を 事 業 資 金 に 参 加 さ せ な が ・ により所有権を取得しようとする者)が建築途上においてなす支払によってももたらされる。従って 2 2仏伊豆は H V 3 5ogR が不動産を完成させるに到らない時には賦払金守口OB立2) を失なう危険を負っているし、不動産が完成され SE-oロ な い と こ ろ に あ る 。 す な わ ち こ れ ら の 資 本 は 金 融 機 関 に よ っ て も も た ら さ れ る が 、 又 前 述 の よ う に 2 2骨ロスE つ い て い く つ か の 試 行 錯 誤 を 続 け て き た 。 そ の 原 因 は 匂g soZR がその事業の執行を外部的資本に訴えなければなら と こ ろ で フ ラ ン ス の 法 実 務 に お い て は 、 こ の 仲 介 の 役 割 を 果 た す 官050窓口﹃にどのような法形式を与えるべきかに 模な供給と住居に対する大きな需要とを調整する特別な仲介者の役割を担うことになったとされる。 (8) 化 合 0552巳丘町三gS の為に実現されることになり、この種の事業が利益になるものとして商業資本合目立押さ凶円田町 (7) P町市与を惹きつけることになった。又℃350g日 の 職 業 も こ の 建 築 の 発 展 と 共 に 一 九 五0 年代に登場し、資本の大規 論 北 法3 1 ( 3 4・I1 7 4 ) 1 1 0 6 フランスの新たな不動産建築契約について 位をもたない仲介者というのが彼の本来の任務としておくほうがよいであろう。 (3) E・も第一次大戦後から請負人守口可右足ロE与が彼らの回有の活動を越えて土地を探してき 唱N 玄包5 E 2SFO 2 ︿ ι2 ﹄ H J 口 。 ? ℃ ・ 印・ H - -Hω n Hア目。H 唱 ・ ・ 匂司 F向釦民国︿EE 門 目 。 仲 ﹄ 自 由R w h w D (5)FEωmwS? と白弓 -D司n x - ( 4 ﹀ o てそれを住居を求めている人達に買わせるか、あるいは白から購入してこれらの人に再売却し、次に受任者の地位において諸々 の建築上の取引を締結するなどのイニシアチブをとることがの﹃Bozo-F吋 op問。口口町田などで行なわれていたとする ことができる。そしてこの取得の仕方がまさに 28g芯ロといわれるもので請負契約はこれによる所有権取得である点で既に存 (5a) 前述のようにフランスの所有権は今日物を離れて観念されているから将来の物公EBF23﹀のそれをも予め取得する め取得させる集合住宅建築のことを指している。 1 5・ X Jロ ロ OHM-3 広 0司 n F H L Y母子 在している物の所有権を譲り受ける通常の売買と区別されなければならない。それ故ここでも将来の不動産の一部の所有権を予 a - (6)ζ とEgEmH﹄ 町 田 門S・ (8) 冨 田-zsEmH﹄ N 02 白 血g 4 ロ0 5 3・H印1 5・∞笹口寸﹀芯弓・ ・ ・ 旬 室長52品開同﹄g ・ ロOHP3・ SFOHM -nF仲 コ1 5・ (7)FE・ (9) 北法3 1 ( 3 4・1. 1 7 5 ) 1 1 0 7 集合住宅建築の法形式の変遷 との直接の支配権関係を創出するものであった。これに対してこの同じ所有権が最近のように物を離れて独立した存在 に固有のものとしてそれと一緒に観念されていた聞は所有権は所有権者(支配者)が誰かを決定することにより人と物 最近の所有権観念の影響を見逃すことはできない。既に述べたように物を誰かに帰属させる性質としての所有権が、物 集合住宅建設の発展に伴なって、同氏。目。克己の活動に与えられてきた法形式の変遷を芳えるにあたっては、何よりも 四 説 論 を承認されたということは何を意味するのであろうか。それは所有権が、特定の法主体を定めてそこに帰属しつづける 物の一性質としての拘束を突き破り、人と物との関係を媒介するそれ自体独立の技術概念としての法的価値を認められ たことにほかならない。そしてここにおいて物を誰かに帰属させる性質という本質から生ずる所有権の内容は、それを もっ人に物の所有権者の地位を与える権利ということになり、所有権はそれ自体が法律上の財産と考えられるのである。 以上の所有権観念の変更は、同時に所有権者の地位についての考え方にも変更を余儀なくする。すなわち所有権が物 に固有な一性質と芳えられている時には所有権者の地位はその物の支配者(虫色可巾)たる法主体によって現わされるの は当然である。しかし所有権が、それを持つ人に物の所有権者の地位を与える権利として独立の存在を認められる場合 には所有権者の地位はこの所有権によって表象され、それを持つ人が所有権者と呼ばれるのは所有権者の地位を与えて くれる権利の正当名義人公広三巴足)であるということを示すに過ぎないというべ・きであろう。そしてこれは、たとえ ていえば株主の地位が株式によって表わされるように、所有権者の地位とそれを表象する所有権が数量的に観念される 可能性を備えたことを意味している。この可能性は今日までくり返されてきた集合住宅建設に与えられるべき法形式の 探究において次に見る如く十分に利用されることになった。その理由は将来の区分所有を予定される集合住宅建設の分 野では、特に所有権者の地位が特定の法主体を離れて所有権の内に体現され、むしろ法主体によって求められる対象と して浮動的に芳えられているからであり、又その帰属はある程度人為的、技術的に決定されなければならないからであ る 。 同町三が介入する集合住宅建設に与えられるべき法形式の探究は、現在の立法上の措置をみるまでほぼ三つの段 安 050 階に区別される。その第一は、第二次大戦以前の胃o gog日の揺藍期といってよい時期である。この時期には最初は私 。 人のために役立ち、後に今日の匂85gc﹃の先駆者が若干の変更と共に使い始めたグルノiブ ル 方 式 ( 日 公 宮 号 母 の ? 北法3 1(3-4・I・ 1 7 6 ) 1 1 0 8 フランスの新たな不動産建築契約について 一) σ m というものがあった。その原型は概ね次の五つの経過をもって構成されるとい一見。付、将来の区分所有権者が 叩ロo 附 刊 E EB 彼らの内の誰か一人をして土地を購入させる。円円、土地の取得者が彼のパートナーにその割合的単位群 ( ﹀を 譲渡する。∞、共有者の一人が諸々の請負(自白BZ与 を 締 結 し 、 そ の 履 行 を 監 督 す る 委 任 を 受 け る 。 帥 、 共 有 者 は R225ロ の 働 き に よ っ て 建 築 に 比 例 し て 建 物 に 対 し て も 同 様 に 共 有 に お い て 所 有 権 を 取 得 す る 。 } 旦 不 動 産 が 完 成すると、共有者は現物での分割、すなわち若宮﹃ZBmEによる分割をなし、その結果共有は区分所有に替わる。ここ では既にこの第一の段階において、建物の所有権が建築に比例して将来の区分所有権者の共有状態の中に入っていくと 考えられていることが注目される。というのは、建物の所有権者の地位が、この建物は誰々のものであるというように 同︼円 OSOSR は土地を取得してその割合 H E M -色町叩)をもたない状態の所有権の内に体現され 特定の法主体によって考えられておらず、まだ確定した正当名義人 ( ているものとして既に考えられていると思われるからである。 ともかくもこの方式はまだ不完全な℃850gR によって利用されていった。 門 Egg-⑦ を 与 え て も ら う こ と に よ っ て サ ー ビ ス 提 供 者 的単位群を譲渡し、建築の実現のために有償の委任 (58 守 吋gsEZ 骨 22kg) の役割を果たいぱ。しかし以上の説明からも分かる通り、グルノIプル方式は共同費用によ 主5ろ を 可 能 に す る も の で は な い 。 と こ ろ で こ の 方 式 る建築のための技術であり、それは住居の商品化合OBBRnEF由 は二つの不都合を表わした。一つは総ての共有に適用される全員一致の原則にあり、他の一つは共有持分を対象とする 抵当権を承認するのを渋る銀行から信用を得ることの困難にあるという。この共有の不都合を避けるために実務家は組 合(回253 の技術の方を選んだ。それはまず組合の設立は全員一致の原則を排除することを可能にするし、更に又組 合自身が出資された土地に抵当権を付して資金を借りることを可能にするからである。この場合にはもはや委任は必要 とはきれず、組合の業務執行者釘今回己﹀が多数の決定に従って組合の名で取引をなすことができる。そして建築の完 北法3 1 ( 3 4・I. 1 7 7 ) 1 1 0 9 ( I i . ) 説 主 主ι 回周 o だがこの方式にも重大な障害が現われた。それというのは組合 成後は組合は解散され、不動産は現物による分割、すなわち割当部分による(宮ニo g﹀分割の対象となる。これが時に 5) と呼ばれたもので払砧 パリ方式 (BEo骨 骨 3 の役割は組合員の資本を不動産に変えることに限定され、 いかなる利益も実現せず、割当部分。。門田)の最終的分配もこ の点では資本そのものの分割に過ぎないのであるから組合が無効となってしまうということである。更に組合の形式は (5) 全員一致の原則を完全に排除するものではなく、その一般法は多数によって組合員の義務を増加するのを禁じている。 その結果建築費用が予定を上回るというよくおこる場合にも全員一致によらなければならなくなるという障害がある。 以上の障害は一九三八年六月二八日の法律が利益がなくても組合を有効とし、更に補充的出資に訴えることを許すこ とにより取り除かれた。これによって立法者は、その目的が完成の後に組合員の区分所有となるための不動産を建築さ ︿ 6 ﹀ せるものであるところの新たなタイプの組合を創設した。この組合は共同建築の手段として予定され、お互いに面識が (7 ﹀ あり住居問題を一緒に解決しようとしている人々によって利用されることが期待された。そこで立法者は私人の建築を nEgz 促がすために最低限の強行規定をおくにとどめた。この自由主義が後に℃550g号によって有利に用いられ、 R に不利なものに転ずることはこの時点では予測されなかった。というのはこの時期には胃05085はその数も少なく、 又サービス提供者(官Egg-﹃何骨 82wg) としてむしろ控え目な仕方で介入した。すなわち胃OB。芯日は土地を取 得し、次に将来の区分所有権者を組合に結合させてそこに土地を譲渡し、更にその有償の業務執行者(な円BHSF 門 広 ) に指名してもらうわけである。ところでこの子続は 2 2骨三回にとってはそれほどの危険はない。なぜならここではま (8 ﹀ gR がこれを 22EE∞にとって危険なし だ組合が共同建築の技術にとどまっているからである。資本主義的℃35。 と し な い 商 品 化 合OB52巳巳包巴tc ロ)の手段へと変えることになったのは次の第二次大戦以後の時期に属する。 MVHOBORR に適用されるべき法形式の探究の第二段階は、従来の補助的な役割を脱して飛躍的な発展を遂げようとす 北法31(3-4・ト 178)1110 フランスの新たな不動産建築契約について る勺﹃ogo仲町民自身によって画される。これを別な観点からいえばこの時期は、 Y050広三が白からの活動にとっては ハ 9V 最も適合しているが住居を求める者にとっては危険の多い法手段を用いた時であり、ほぼ第二次大戦後の復興期たる一 九五O年以後で 22Eロ神田の保護のための有効な立法的措置がとられ始めた一九六七年までにあたっている。従来一九 三八年法の下で将来の区分所有権者により設立される組合の法形式は一種の相互扶助であり資本主義的道具としては不 向きなものであった。というのも将来の区分所有権者会員が集まるのを匂85082がまっていたのでは建築は遅れてし 円 まうし、第一この利益を実現するに不適切な組合には資本主義的匂8502﹃、更により一般的に潜在的投資家たちも無 関心であったからである。 これらの不都合を解決する為には、組合の持分守RZ) あ る い は 株 式 合25ロ回)が相応する居室 Gog-) を付与さ れる権利を授け、又以上の諸条件の下でこれらの譲渡は経済的側面において割当部分。。。の売買に相当するというこ とを規則として遵守することで十分であった。それは以下のような解決を可能としたからである。すなわち土地の取得 の時から融資家公広告ロ芯ると喝さ50門町三自身とのみを組合員として組合を設立し、後者は不動産の実現をなすのと同 ( m ) 時に顧客の探究を行なう。取得者が現れるにつれて持分が彼らに譲渡される。最初の組合員はこの際に、組合自身はい かなる利益も実現してはいないが利益を収めることができた。 こ の 方 法 は 官OBog去に二つの利点を与える。第一は将来の区分所有権者は建築の資本支出には参加させられるとい うことである。何故なら彼らが組合に加入した日から出資の決済が義務づけられるからである。かくして切85085円は 減縮された資本で事業を開始することができる。第二は彼らは事業計画などの基本的決定には参加させられないという ことである。場合によっては非常に少ない発起人がこれらの点を彼らの商業的利益を芳慮して取り決め、次に決定案を 履行の途中で大衆に提示する。こうして HUBBORR と 投 資 家 は 組 合 を 商 品 化 の 技 術 に 変 え た の で 札 予 し か し こ の 方 北法3 1 ( 34 ・ I . 1 7 9 ) 1 1 1 1 説 論 法 は 当 然 そ の 反 面 に お い て 悪 質 な 、 あ る い は 単 に 無 能 な 胃0505号 の 企 て か ら の RB骨豆田 の保護をその内に含んで ( ロ ) いないという不都合があった。これは見方を変えれば単純に住居を取得することを意図しいわばそれの消費者である顧 客を、その生産体系の中にこの体系が含む総ての危険と共に採り入れることの不都合でもある。その事は例えば不動産 (日) 建築の技能をもたない顧客が、労務の進行度に相当しない金額で持分を譲り受けて組合員とされ、以後の不動産完成ま で の 配 慮 を 総 て 委 ね ら れ て し ま う と い う 現 に 行 な わ れ た ケl ス を 芳 え れ ば 納 得 が い く で あ ろ う 。 こ こ に お い て 立 法 者 は、単に住居を手に入れようとしている者を不動産事業の内にとりこむことなくそれがもっ危険から免れさせうる唯一 の 法 形 式 は 将 来 の 物 (nF08PZB) の 売 買 だ け で あ る と い う こ と に 気 が 付 い た 。 次 に 述 べ る 一 九 六 七 年 一 月 三 日 の 法 律 印 同 一件増田 )ωE・によると請負人守口可43ロ 2 4 が建築の委任 は従来民法典にはなかったこの将来の物の売買に特別な規定を創設することを目的としたものである。 (1) (3) ・ 三 副 ︼ロg E R 守 的 円N 白ounF H H F 司 。 口Z5 ・ ∞・ω回目白骨﹀Fミ (2)ζ E S E a Tgpo-ynXJ yn ・ 0同 ・ 司5 目 曲て官0 をうけ 50芯日となる場合が最も多かったという。 沼 恒E 4回出品開門﹄ggN 0司 n X Jロ O H m - 5・ ・ ・ 匂・ -ESE2﹄ 5 2 2 Z・ ggN・0司n X J 5・ 。 ロ ) H (4)Y 田 角 (5)-z ι ℃ E - (6)ω白山口ゲ﹀目白弓・ 0同 ・ 叫 に ・ yn H -官 巾 凹 SNWO℃ n fロニ由、同 yN0 (7﹀ζ同町ロ︿E L 2﹄ ・ 同 ﹃ 日 仏 ・ (8﹀ 白 ︼ESZL2﹄ 叩 伯 仲 白N ハ9 ) Y向 OMP O H M - 巳 F-ロ 町 三i O H M z fロ。ミ・司ζ 回目ロ︿但ロ門目立す田神白N N H・ω田 ﹀ ︼ 由 同 日 ﹀ 。 司nFHMME5︿白E 2 T白 神 田N・ M N・将来の区分所有権者による直接の設立の場合はきわめてまれになったとされ 白 。 唱-nFロ。ミ・同Y )PA (叩) ( 日 北法 3 1 ( 3 4・1 . 1 8 0 ) 1 1 1 2 フランスの新たな不動産建築契約について ∞曲目ロ寸﹀]白ミ・。℃ -nXJ ω H る 。 ︿辺﹀ 室長ロ SE2 ﹄町田宮崎掴 ・ 印 ・ 司 n 8 ・ F ロニ∞-司 -NN ・ (臼﹀ 建築予定不動産売買契約の内容 号 丘45 起草者は、注文者が主たる材料を提供する時にはその契約は請負であり注文 先にも述べた通り民法典(凸 O 者は目22包 Oロ(添附)により労務の所有権を取得するのに対し、請負人(職人)が材料を提供する時には一旦作られ た物の売買であり、労務の所有権はその完成と引渡の申出をなす時まで請負人(職人﹀にあるとしていた。それ故この 後者の場合に労務の完成以前にその所有権を国22位。ロにより取得させる契約の存在は芳えられていなかった。一九六 ・SEEmm w gロ2E町刊)として規定したものはその内容からみ 4 8 g ι5 七年一月三日の法律が建築予定不動産の売買 ( 回 Qogm巾 円24g関与と比較してどこに本質的特徴があるか。それは契約締結 てこの新しい契約類型を付け加えたものといってよい。ここでは一般的なものとして民法典に挿入された規定によって その概略を紹介してみよう。 まずこの契約は通常の売買や請負契約 の際の売却客体の不存在と、この客体の実現が債務者の活動にかかっているという事実であるという。そこで定義条文 も売主の義務を強調する。 o v 一 六O 一条の一第一項A建築予定不動産売買とはそれによって売主が契約に定められた期間内にある不動産を建築する義務を 負う売買である 北法 3 1 ( 3 4 ・ I1 81 )1 1 1 3 五 説 5 命 ここでいう不動産には当然それが特定性をも長から不動産の一部の場合をお。この条文からは通常の不動産売買 gR 丘公 8 5 2口﹀との区別は明らかである。それは完成後の不動産の所有権移転を目的とするものであるのに対 会 し、建築予定不動産売買は不動産の完成前に介在し売主の建築義務を含むものであるところに違いがある。 (48芯g ゲ巳ロ -M ・)。この両者では所有権移転と当 HOCH- ところで建築予定不動産売買にはこつの形態があるとされる。すなわち完成の未到来状態における売買 丘三時三日門F n r5 附 58 同)と期限付売買(︿gHmニ m 25るである(由ユ 事者の負う義務の態様が異なっている。まず前者については次のように定められている。 o v 一 六O 一条の三入完成の未到来状態における売質はそれによって売主が即時に彼の土地に対する権利並びに存在する建築の所 有権を移転する契約である。来るべき労務はそれらの履行に応じて取得者の所有権になる。取得者は労務の進行に応じてその代 価を支払う義務がある。売主は労務の受領まで注文者の権限を保持する (4 ﹀ 土地に対する権利は所有権に限られず建築の権利を与えるものであればよいとされ、条文が土地に対する権利とだけ いっているのはこの理由によるとされる。そして最近の集合的建築の商品化が問題である時には、移転は土地に対する E 5 ) を対象にすることになるとい一九。この土地に対する権利と現存する建築の所有権の即 権利の割合的単位群(ヨニ μ 。逆に取得者の方では実際に履行され 刻の移転、更に将来の労務の所有権の履行に応じた移転は取得者を売主の予期せぬ破産の結果から庇護し、彼がそこに OE 凹) をなしていけばよい。言い換えれば代価の弁済は所有権移転に結び合 ︿ 7) おいて取戻権者(﹃ 28岳門吉田目。 の地位をともなって参加することを可能にれ (8) 28ng 骨﹃ た労務に比例して資金提供 ( わされることになる。 次に期限付売買についての条文をみてみよう。 北法 3 1 ( 3 4・11 8 2 ) 1 1 1 4 フランスの新たな不動産建築契約について 一 六O 一条の二A期限付売買とはそれによって売主がその完成時に不動産を引渡す義務を負ぃ、貫主がその引渡をうけて引渡 v の日にその代価を支払う義務を負う契約である。所有権の移転は不動産の完成の公正証書による確認によって法律上当然に行わ れる。それは売買の日に遡ってその効果を生ずる。 既に実務が与えた期限付売買という呼称が便宜上のものでこの契約の実相を表わしてはいない。というのはこの契約 の内容が、単純にその効果の発生が将来の確実な出来事の到来まで遅らされている売買契約というものではないからで あが戸前述のように契約は不動産の完成という期限をまつまでもなくある期間内に不動産を建築する義務という効果を 売主に対して生じさせている(恒三-HOE-同)。ここで期限まで遅らされているのは単に将来の物(岳08EZB) の所 og-oロによって取得しておく効果だけなのである。ともかくもこの契約では所有権移転を生じさせる 有権を買主が田口n 期限の到来がその主要な効果の出発点となる。本条が所有権移転を生じさせる事実として公正証書による完成の確認を 採用したのはこの理由によるとされる。売主は完成時に引渡の義務を負う。それ故不動産の完成は所有権移転だけでな ︹ MV く引渡の時期をも定めるものとされ、その結果逆に買主の代金支払義務も完成の確認が効力を生じた時から弁済期にあ るものとなるとされる。もうひとつ本条では所有権移転の売買の日への遡及効が定められている。これは取得者の保護 (日) のための規定で、売主が客体となっている不動産について取得者が対抗しえない物権を設定しても遡及的に抹消されて しまうこととしたのである。ところでこの遡及効は一見したところ期限付売買を単なる停止条件付売買のように芳えさ ( u v せるであろう。しかし実際には建物の完成によって遡及的に通常の売買になるのではない。遡及するのは将来の物の所 8gFOロによって取得する効果なのでありこの契約の将来の物の売買としての特質は変らないのである。 有権を 2 以上述べてきた建築予定不動産売買の法理を要約すればこの契約はその内に売主の建築義務を含み、買主はその完成 北法3 1 ( 3 4・1' 1 8 3 ) 1 1 1 5 説 論 以前に所有権を労務の履行に応じてであれ、期限付でであれs ng氏 自 に よ っ て 取 得 し そ の 代 価 を 支 払 う こ と を 約 す る ものであるということができよう。ところでこの契約は今日ほとんどが完成の未到来状態における売買の形式でなさ ( u v れ、期限付売買の方は実務の不評の犠牲になっているという。その理由は後者は買主によって支払われた代価を資金化 できず又複雑であり過ぎるためであるとされている。 (2) 戸 白 白 ロ ロ42門目白押﹄巾田仲良-ou-af ロ。M5・ M M H・尚請負契約との区別については、請負では注文者が土地の所有縁者であるの 匂- 日 ﹃ 広 内 H V・ 4 g gE u目白血肺門Oロ m n oロ印可ロ円安︼P ﹄ ・ 。山 口 寸 ﹀F3JF胆︿開口門司門ロ︽凶町田三円相印 ι 民Oロ仏mm白門田ロ丘町伊 S20 (1)ω白 叩 印 可E-32-o r m由 N H A H白・ロo∞・ 由 自 ∞ ・ F H (3) に対し、この契約では売主が土地の所有権者であるところに求められる官。自己。 同 -5gロ︻目立﹄刊印SFO司 -YA白 (4)ω己主目﹀R M 0ynx・ N印 n f ロ。Nb-H︼ ロo ・ 陸 自 ・ ・ ﹃ nF ロ。ピ少司 NS- n f ロ。 M ∞ 即 日 出 件 白 ﹀ ︻ 印 円 一 予 O司 印 豆長ロ︿由民島町沖﹄開田仲田 N・0℃・ -542品開仲﹄冊目ZNWOH︼ロ戸ロ。MS- 司 ハ5 ) ζ白 ・ 陸 自 ・ (6) (7) 7 ・同 M M回日・ -zgロ仏兵﹄町田仲良f 目。M 目 ・ g w H M N回 O H︼n (8)ω 民ロ?と白弓 - D 27ロ。ω H・その結果土地と現存の建築の代価は契約の時に即刻支払わなければならないことをこの条文は ℃ 暗黙の前提とすると・ いう。 (9)ω巳 E B﹀目白4 ・0 27 ロoN ・ ∞ 司 )ω 丘三・﹀目白門司・ ・ 司・己了ロ。ω0 ・ 0 (刊山 田 向 ﹄E N-OHun-f ロ。M印0 (日)宮曲目E42 円 四 骨 骨 B )ω 曲目白骨・﹀-旬以﹃・ O H ) n H J ロO M っ た 。 す な わ ち 官D5085 が投資家を事業に参加させるために設立するもので建築と割当部分の売買を目的とした民事組合で ・ ∞ ロ ( 白 ロ ロg E 2 V 2 s・anF ロ。N8・ 宅-NglN印叶・これに対して前者の発展は同時に新たなタイプの組合の発展を伴な (日)FA 北法3 1 ( 3 4・ 1. 1 8 4 ) 1 1 1 6 ある。一九七一年七月一六日の法律がその第一章において規定するのはこの組合である。 むすびに代えて 以上のようにこれまで集合住宅建設に用いられた法形式をみてみると、既に組合の持分によって相応の割当部分の所 有権を取得する技術に一不されているように、所有権において現わされる所有権者の地位が持分によって現われる構成員 の権利によって数量的に芳えられていることがわかる。それでは建築予定不動産売買はこの所有権観念の変遷の中でど う位置付けられるのであろうか。これは従来の請負と一旦作られた物の売買との区別と密接な関係を有する。すなわち 所有権が物に内在する権利と芳えられている聞は所有権者は主たる材料を提供した者は誰かによって決まり、その物が 完成し引渡をなすまで所有権が移転されることはない。又との場合所有権者の地位は特定の法主体自身によって現われ るから請負と一日一作られた物の売買とは一一層明確に区別されることになる。 これに対して最近のように所有権が物とは独立に考えられ、それをもっ人に物の所有権者の地位を与える権利として 観念される時には物を離れて取り引きがなされうるからまだ完成していない将来の物の所有権を予め取得しておくこと も可能である。又所有権者の地位も特定の法主体自身によって現わされるのではなく、むしろ所有権の内に体現されて 特定の法主体により取得される対象とされる結果、実務の要請に基づいてある人が労務の進行に応じて所有権者になっ たり、期限付でなったりすることも可能なのである。このようにフランスの建築予定不動産売買はすぐれて今日の所有 北法3 1 ( 3 4・!-185)1117 、 . . . . J 権観念に立脚した契約であるということができる。そしてこの契約は買主が不動産の完成、引渡以前に所有権を R gi gsロにより取得し、売主はそれにつき建築義務を負うという骨粗をもつことにより従来一旦作られた物の売買とされ フラン;t..の新たな不動産建築契約について 説 自 国 三九 ていた領域に請負の理論をもちこむ役割を果たしているといえよう。ところで我国において請負人が総ての材料を提供 する場合でも家屋の所有権は注文者が取得するという有力説は、この契約に類似した主張をなすものといってよいが、 そこで取得される所有権は右に述べたようなものと芳ぇ、その結果原則として工事の進捗に従って注文者に帰属すると すべきではないかと思う。 北法3 1 ( 3 4・1. 1 8 6 ) 1 1 1 8 Vol .3 1No.3 4・ 1( 1 9 8 1 ) Del al o in o u v e l l es u rl e sv e n t e sd ' i m m e u b l e s ac o n s t r u i r ee nF r a n c e T a k e n o r iSAKAMOTO* C ' e s ts e u l e m e n tl ec o n t r a td ' e n t r e p r i s eq u ie x i s t e comme un c o n t r a t t y p e pour l ac o n s t r u c t i o ni m m o b i l i色r eau J a p o n . Mais i l s e m b l eq u ec ec o n t r a ta i tl ac o n c e p t i o np l u sv a s t e que c e l u i de France ,puisque au Japon meme s il 'e n t r e p r e n e u rf o u r n i tt o u s ec o n s e n t e m e n te s tc o n s i d e 同 commeu nc o n t r a td ' e n・ m a t e r i a u x,l t r e p r i s et a n d i squeenFrancei le s tc o n s i d e r ecommeunev e n t ed ' u n e c h o s e une f o i sf a i t e . Et l e sd o c t r i n e s modernes s o u t i e n n e n t que meme e nc ec a sl em a i t r ed el 'o uvrage en a c q u i e r tl ap r o p r i e 括 o r i g i n e l l e m e n t . Jet r o u v ec e t t eo p i n i o nj u s t ep a r c equee l l ee x c l u t l ec o n s e n t e m e n tq u irenfermet r a n s l a t i o nd el ap r o p r i品t edel 'o uvrage p a r a c h e v educ o n t r a td ' e n t r e p r i s e . Cependantp u i s q u ee l l e ss o u t i e n n e n tq u el em a i t r ed el ' o u v r a g e巴na c q u i e r tl ap r o p r i e t eo r i g i n e l l e 'e n t r e p r e n e u rf o u r n i s s et o u smat 釘 匂u x,i lf a u tque mentb i e nquel 色r ede e l l e ss ef o n d e n ts u rl an o u v e l l en o t i o nd ep r o p r i e t eq u id i f f c e l l es u p p o s e ep a rd o c t r i n e sa n t岳r i e u r e s . Maisi Inesemblep a sq u e e l l e sa i e n tunecommonvues u rc e t t en o t i o n . Ora u t r e f o i sl av e n t ed ' u n ec h o s eunef o i sf a i t eae t ec l a i r e mentd i s t i n g u educ o n t r a td ' e n t r e p r i s eenF r a n c e . Enc o n s e q u e n c e o nac o n s i d e r eques il ' e n t r e p r e n e u rf o u r n i s s a i tt o u smateriauxi l d e m e u r a i tp r o p r i品t a i r ej u s q u ' al ac o n f e c t i o nd el 'o u v r a g e, j u s q u 'au momentoui Ie t a i tene t a te to f f r a i td ' e nf a i r el a1 iv r a i s o n . Mais p r i n c i p a l m e n tpourdonnerl at e c h n i q u el e g a l es u rl ac o n s t r u c t i o nde l 'i mmeublec o l l e c t i f ,l al o idu3j a n v i e r1967r ・ e g l e m e n t e ,sousl enom ec o n t r a tparl e q u e ll evendeur d ev e n t ed ' i m m e u b l eac o n s t r u i r e,l s ' e n g a g eae d i f i e rl 'i mmeubledansunc e r t a i nd岳l ai . Cec o n t r a tf a i t *Charg 品d ec o u r sd el aF a c u l t ed eD r o i tal 'U n i v e r s i t ed eS e n s h u w 北法 3 1 ( 3 4・1' 4 4 8 ) 1 3 8 0 H o k k a i d oL .R e v . a c q u e r i raa c h e t e u rl ap r o p r i e t edub a t i m e n ta v a n tachevementd e c e l u il o r s q u ememel evendeurf o u r n i tt o u smateriaux(yc o m p r i sl e t e r r a i n ) . Etl al o it r a i t el evendeurd ' i m m e u b l eac o n s t r u i r ecomme une n t r e p r e n e u re tl u iimposel amemeg a r a n t i ed e sv i c e sc a c h e s . A i n s ic ec o n t r a tr e s s e m b l eal ec o n t r a td ' e n t r e p r i s equel e sd o c t r i n e s modernes au Japon s u p p o s e n tl o r s q u el ' e n t r e p r e n e u rf o u r n i tt o u s m a t e r i a u x . C e ta r t i c l e a pour b u td ed o n n e rl e fondement aux d o c t r i n e smodernesauJaponparc o n s i d e r a t i o nd el ar e l a t i o ndec e nouveauc o n t r a ta v e cl at r a n s f o r m a t i o ndel an o t i o nd ep r o p r i e t e enF r a n c e . 北法3 1 ( 3 4・1' 4 4 7 ) 1 3 7 9 四