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濃縮度試験
試 験 報 告 書 リン酸トリス(2一エチルヘキシル〉(被験物質NαK−688C) のコイによる濃縮度試験 昭和60年2月20日 財団法人 化学品検査協会 化学品安全センター 試験実施機関 名 称 : 財団法人 化学品検査協会 化学品安全センター 所在地 : (〒131)東京都墨田区東向島四丁目1番1号 電話番号 : (03)614−1106(直通) 代表者:化学品安全センター 所長 (1)試験施設 名. 称 : 財団法人 化学品検査協会 化学品安全センター 九州試験所 し 所在地 : (〒830〉福岡県久留米市中央町19番14号 電話番号 : (0942)34−1500 (2)運営管理者など 運営管理者 九州試験所所長 試験専任者九轍験所蓄積試験課 、試験担当煮 」九州試験所 蓄積試験課一 魚飼育担当看 九州試験所蓄積試験課 報 告 書 要 旨 1. 試験の内容 コイによる化学物質の濃縮度試験 2. 被験物質 リン酸トリス(2一エチルヘキシル〉 (被験物質ぬK−688C) 3. 試験方法及び条件 3、1試験方法 1錨鋸}〈無糖鰍 濃縮度 ■ 3,2 試験条件 試験濃度 第1濃度区 2 ㎎/乏 第2濃度区 0.2㎎/2 飼育期間 6週間 流水量 582夏/日 分析方法 ガスクロマトグラフ法 4. 試験結果 [0 倍倍 6凸∠ ∼∼ 2 4︵∠ 第2濃度区 倍倍 第1濃度区 2Q︾ 濃縮倍率 次 目 頁 試験の目的 1 試験方法 1 試験期間 1 被験物質 1∼2 供試魚 3 飼育条件 3 試験濃度及び原液調製法 4 試験水及び供試魚中の被験物質の分析 4∼10 濃縮倍率の算出 1て 試験結果 11∼12 付表 付図 一 し 一 築士弓 dウolgHセZO 書士移 ウ9㍗9セ ε εHO己H〔) CH・ε(己H・川6∼H・・)d一・築裏罫 再壬弓‘箪士弓‘笹黒熱 z一セ 乙0991GO 言異斗爪ロ 努士Y 謡 聾 (薗毒9し一国) 丁澄%66 L*聯弦坐 上し)〔「%0 しユつ;∼裂く6 (0889一〉1て)N易鍛ミ射殺) (4‘べ≠¥’!γ手工一己)とn刈温くn 唖 9 rセ 葛臨調裂 ●セ (巳ウε自己L要69肚舳∼目乙L目ししも69融融 罷瞑鼻國) 臼8しE∫L主巨09[建紐1∼臼0εEfOL…巨69[建屋紐 国旗翻転 ’e 轟灘〉{蟹韓饒 裂阜調製 ○乙 。9翻畢喜旺(D■、り。.〕到融(り梨 糊㌧剛醜翻到鯉蝉剛κ⑦(0889一ソON鰍翻)(4‘ (‡\!4任工一己)とn→調くr泣∩マ灘一(り濯輩辯舌吾(り扇晩藁q}身瘤 鯛目⑦瀦響 紘 4,3 スペクトル 赤外線吸収スペクトル ガスクロマトグラフー質量スペクトル 核磁気共鳴スペクトル (図一12参照) (図一13参照) (図一14参照) 4.4 物理化学的性状 外 観 無色透明液体 *1 比重 O.920∼O,930 溶解性 水 n一ヘキサン ベンゼン クロロホルム 酢酸エチル アセトン アセトニトリル 約2㎎/2(GC−HSによる〉 1%以上 1%以上 1%以上 1%以上 1%以上 1%以上 分配係数(n一オクタノール/水) log Pow ‡ 5.04 (OECD法による) 4、5 ヒメダカに対する48時間LC50値*2 500㎎/2以上 (図一1参照) *1被験物質入手先提示資料による。 *2 JIS K OIO2に定める工場排水試験法「魚類による急性毒試験」に準じ、 HCO−40(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油誘導体)を使用して調製 した試験液により得られた値 一 2 一 5. 供試魚 ホ りQ り ホQ りQ ホ 重長量 号 含 称先番体体質浴 手卜均均脂 ツ 均 名入口平平平薬 コイ(Cypr’inuscarpio〉 熊本県八代市北村養魚場 TFC 841029 20.3 謬 9.2 0皿 5.1 % 止水状態にてO,00蕊水産用テラマイシン散水溶液にて24時 間薬浴を行った。 順 化 25℃×14日間 *3 同一順化ロットからの代表供試魚10尾に対しての測定値 6, 飼育条件 試験施設 流水式水系環境調節装置 飼育水槽 100豊容ガラス製水槽 流水量 582』/日 (原液:希釈水 一 4威/分:400漉/分〉 飼育密度 20尾/飼育水槽 (試験飼育開始時〉 飼育期間 6週間 飼育温度 25 ± 2 ℃ 飼育水槽中溶存酸素濃度 第1濃度区 : 5.8∼7.0㎎/2(図一10参照〉 第2濃度区 : 6.6∼7.5㎎/2(図一11参照〉 (飯島精密工業製 DOメーター) 給 餌 1日2回に分けて、コイ用飼料(日本配合飼料株式会社製〉を 魚体重の約2%相当量与えた。 一 3 一 7, 試験濃度及び原液調製法 7.1試験濃度 試験水槽中の被験物質濃度は次のように設定した。 第1濃度区 : 2 ㎎海 第2濃度区 : 0.2㎎海 7,2 原液調製法 被験物質と10倍量のHCO−40をアセトンに溶解して、2000㎎/2『 の分散液を調製した。 これを脱塩水で希釈して 第1濃度区 : 200㎎/£ 第2濃度区 : 20㎎/2 の各原液25』を調製した。なお、各原液は飼育期間中、毎週2回調製した。 8. 試験水及び供試魚中の被験物質の分析 8.1 分析内容の概略 8,1.1 試験水分析 第1及び第2濃度区の各試験水槽より分析試料を採取し、前処理を行っ た後、ガスクロマトグラフ(GC)法により被験物質を定量分析した。試 験水分析は、両濃度区とも飼育期間中、毎週2回計12回行い、1回あた りの分析試料は1点とし、採水後ただちに分析操作を行った。 一 4 一 8.1,2 供試魚分析 第1及び第2濃度区の各試験水槽より分析試料を採取し、前処理を行っ た後、ガスクロマトグラフ(GC)法により被験物質を定量分析した。供 試魚分析は、両濃度区とも飼育開始後、2,3,4及び6週目の計4回行 い・1回あたりの分析試料は2点とし、採取獲ただちに分析操作を行った。 8,2 分析試料の前処理 8,2,1 試験水分析試料の前処理 試験水槽より 第1濃度区 : 50認 第2濃度区 : 500麗 を採水し、以下のフローシートに従って前処理操作を行った。なお、前処 理操作中の試料の分取比は1とし、20認に定容してGC試料とした。 フローシート 試験水分析試料 第1濃度区 ←塩化ナトリウム 15g ←クロロホルム 30彪 ・振とう 塵 クロロホルム層 ・脱水ろ過 ・濃縮 ・定容 2G認(クロロホルム) l G C試料1 第2濃度区 1509 50認2、 ナ×2回 只︶ 8.2.2 供試魚分析試料の前処理 試験水槽より供試魚を採取し、以下のフローシートに従って前処理操作 を行った。なお、前処理操作中の試料の分取比は1/5とし、10曜に定容 してGC試料とした。 フローシート 供試魚分析試料 ・体重,体長測定 ・細片化 ←海砂 10警 ・らい砕 ←無水硫酸ナトリウム 150g ←アセトニリル(1回目) 200麗 .振とう(2回目)15・認卜2回 ・吸引ろ過 ミ 圓 ろ 液 ・濃縮 ・定容 50雇(アセトニトリル) ・分取 10屈 ←アセトニトリル 20慮 ←n一へ 60麗 E振とう トリル層 n一ヘキサン層一 1 ・乾固 *4 ・カラムクロマトグラフ法 (詳細は次頁記述) 次頁へ続く 一 6 一 前頁より続く 溶出画分i ・乾固 ・定容 10漉(クロロホルム) G C試料! *4 カラムクロマトグラフの条件 クロマト管 20㎜φ,ガラス製 充てん剤 5%含水中性アルミナ 109(ウェルム社製〉 (ベンゼンで充てん) 分画法 第1画分 : ベンゼン 50庇 1 第2画分 : クロロホルム/ベンゼン(1/9VIV) 60麗 被験物質は第2画分に溶出する。 一 1 一 8.3 分析試料の定量 8.2の前処理を行って得られたGC試料は、次の条件によりかスクロマトグ 姦弱翻漢覧羅議裏莇轟離無窓肇嘱窪巌言ひ調 計算により求めた。(図一6,表一4,5及び図一8,9,表一8,9参照〉 [定量条件] 置 装 ガスクロマトグラフ 島津製作所製 型GC−9A カ ラ ム 1肌×3㎜φ,ガラス製 液 相 10% OV−17 固定相 カラム温度 注入口温度 注 入 量 クロモソルブ W(HP) キャリアガス 窒素 検 出 器 F正D 260℃ 300℃ 3μ愈 *5 標準溶液の調製 分析試料中の被験物質濃度を求めるための標準溶液の調製は次のよう に行った。 すなわち被験物質0.19を精秤し、クロロホルムに溶解して 1000㎎鯉の標準溶液とし、さらにこれをクロロホルムで希釈して 5㎎厩の標準溶液を調製した。 一 8 一・ 8,4 定量性の確認 8、3の標準溶液調製法と同様にして2.5耀絃,5雌敏及び10㎎観の標準 溶液を調製し、これらを8,3の定量条件に従ってGCに注入し、得られたそ れぞれのクロマトグラム上の被験物質ピーク高さとそれぞれの濃度より検量 線を作成した。検量糠は原点を通る直線であったことから定量性が良好であ ることが確認された。 また、検量線より被験物質ピーク高さの測定限界は50躍(被験物質濃度 0.25㎎敏)とした。(図一4参照〉 8、5 回収試験及びブランク試験 前述した試験水及び供試魚分析における被験物質の回収率を求めるため、 飼育水及び魚体ホモジネートに被験物質分散液を添加し8,2及び8、3の操作 に準じて添加回収試験を行った。また、被験物質を加えない飼育水及び魚体 ホモジネートについて、添加回収試験の場合と同じ操作によりブランク試験 を行った。添加回収試験及びブランク試験は、2点について並行測定した。 この結果、ブランク試験においてクロマトグラム上、被験物質ピーク位置に はピークは認められず、そこで回収率は添加回収試験で得られた2点の値の 平均値とした(図一5,7,表一3,7参照)。 各分析操作における回収 率は次のとおりであり、分析試料中の被験物質濃度を求める場合の補正値と した。 [各分析操作における回収率ユ 試験水分析(被験物質100偲添加) 第1濃度区 : 96.2% 第2濃度区 : 98.9% 供試魚分析(被験物質300μ3添加) 93.2% 一 9 一 8.6 分析試料中の被験物質濃度の算出及び検出限界 8・6・1 試験水分析試料中の被験物質濃度の算出 試験水分析試料中の被験物質濃度は、表一6の計算式に従って計算した。 8.6、2 試験水中の被験物質の検出限界 8.3の定量条件において検出限界となる被験物質濃度(8,4参照)から、前 処理操作での回収率を考慮すると、試験水中の被験物質検出限界濃度はそ れぞれ、 第1濃度区 :一〇.10 雌紐 第2濃度区 : 0.010嬉観 と算出される。 8、6、3 供試魚分析試料中の被験物質濃度の算出 供試魚分析試料中の被験物質濃度は、表一10の計算式に従って計算し た。 8.6,4 供試魚串の被験物質の検出限界 8.3の定量条件において検出限界となる被験物質穰度(8、4参照)から、前 処理操作での回収率を考慮すると、供試魚串の被験物質検出限界濃度は魚 体重を30gとしたとき0.45碍/3と算出される。 一 10 一 9. 濃縮倍率の算出 濃縮倍率(BC F)は、次式により算出した。 Cfn − C fb B C F = Cwn C拓 : n週目に採取した供試魚分析試料中の被験物質濃度 (耀/9) Cwn : n週日まで行った試験水分析による実測濃度の平均櫨 (平均水槽濃度)(㎎厘) Cfb : 空試験における魚体中の被験物質濃度(雌厚) なお、8.6,4で求めた供試魚中の被験物質の検出限界を濃縮倍率で表わ すと次のようになる。 第1濃度区 : 0.2倍 第2濃度区 : 2.4倍 10. 試験結果 10,1 試験水槽中の被験物質濃度 試験水槽中の被験物質濃度を表一1に示す。 表一1 試験水申の被験物質濃度(実測値) (単位:㎎/2〉 2 W 2.07 第2濃度区 0,190 @ i 2、05 i2.02 「 2.02 }0.191 1 0.188 @ 1 一 11 一 o,1go 付 表1 ヨ表一5F ; 第1濃度区 ; R wi4 W 6 W 一 ¥一41 10,2 濃縮倍率 濃縮倍率を表一2に示す。 表一2 「 濃縮倍率 付表1付図「 1 1 2 W ヨ 1 ー 6 W 1 3.4 R・4i 6・5A ’t l 氏@ 』 2、4 3,3 6.5 i =表一8i図一8 ! 1第1濃度区 隻度区 3 W14 W ] 3,3 6乙ハノh 21 ﹁﹁V一,f イ︸一.・■ り乙4 1 11 GJ9 9,6 第2濃.度区 3.3 表一91図一9 また、表一2の濃縮倍率と飼育期間の関係を図一2,3に示した。被験 物質のコイに対する濃縮性の程度は、濃縮倍率で第1濃度区において 2.4倍∼6.5倍、第2濃度区において9.2倍∼22倍であった。 なお、供試魚は外観観察の結果、異状は認められなかった。 以 上 一 12 。