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北嵯峨自然観察教室 平成24年10月3日 クロハラアジサシが - So-net
北嵯峨自然観察教室 平成24年10月3日 クロハラアジサシが飛び交っていました! 集合場所に向かう途中、白っぽい鳥が飛び交っていました。 幸いなことに杭に止まったアジサシを榮木様(写真①)が撮 ると、アジサシにしては、くちばしの赤味が強く、足も赤っ ぽい鳥です。アジサシの若鳥は赤っぽい足で、成鳥の中にも 赤い足をしたアジサシがいますが通常は黒いです。アジサシ のくちばしの基部は赤いものもありますが、通常は黒いくち ばしです。小柳様の飛翔写真②でもくちばしが赤いのがよく わかります。腹部にも黒斑が少し残っています。冬羽への移行 途中です。観察している時は、このくちばしの色がはっきり見 写真①足とくちばしが赤い 榮木様撮影 えませんでした。 クロハラアジサシの夏羽では、くちばしや足が赤いのが特 徴です。胸や背、腹は灰黒色です。写真③では夏羽の特徴が 見られます。 冬羽では、頭から腹は白っぽくなり、後頭と眼の後方に黒 斑があります。背や翼はより淡く、くちばしと足は黒くなり ます。写真④が冬羽の特徴です。今回は、冬羽の個体が多い ようでしたのでアジサシのように見えました。神賀様が、 「アフリカの島で見たアジサシより細いような気がする。」と 写真②くちばしが赤く黒斑が残る 小柳様撮影 おっしゃっていましたが、クロハラアジサシは、アジサシより 5cmほど小さく、翼の長さも短いので貧弱に見えたかもしれ ません。 アジサシは、海岸の砂浜や河川の中洲の砂礫地で営巣するの に対し、クロハラアジサシは内陸の湖沼や湿地に生息し、コロ ニー(集団営巣)を作って営巣します。巣はアシの茎などを積 み重ねたイカダのような浮き巣です。小魚ももちろん好んで捕 獲しますが、水生昆虫なども食べます。中国東北部からウスリ ーにかけて繁殖し、東南アジアで越冬する旅鳥です。 写真③夏羽のクロハラアジサシ 榮木様撮影 写真④冬羽のクロハラアジサシ 小柳様撮影 「ギュッー ギュッー」というような聞き慣れない声で時々 鳴きます。 「ビュン・ビュン・・・・・」というモズの声と紛ら わしい声でした。 アジサシ(鯵刺)の、アジというのは小魚全般の意味で、小 魚の鰓を突き刺して捕えるという意味があります。小さいもの はくわえ取りますが、大きな魚は突き刺して捕えます。 コアジサシは、京都府でも環境省でもレッドリストで絶滅危 具種ですが、アジサシもクロハラアジサシも該当しません。 広沢池では、10月1日より3日まで滞在していました。毎 年、1日間だけアジサシが通過するのが見られるそうですが、 観察会で遭遇できたのは本当に幸運でした。 冬羽のエゾビタキに会いました 9月の主役のエゾビタキに広沢池東側で出会いました。1羽でしたが、胸や 腹の縦斑がくっきりとしているのがわかります。サメビタキですと、もっとあ いまいな縦斑で汚れているようにも見えます。夏羽では、縦斑が細いのですが、 冬羽になると写真のように胸の縦斑がくっきりと目立つようになります。 写真⑤冬羽のエゾビタキ 冨永様撮影 広沢池の忍者に遭遇! 池の南側を一瞬のうちに横切って、茂み に隠れてしまった鳥が話題になりました。 瞬間にシャッターを押したお二人の写真か らゴイサギの今年生まれの幼鳥であること がわかりました。まだ、細い感じなのでサ サゴイにも体形がよく似ていました。謎が 解けて和みました。 写真⑥翼の模様がよくわかる幼鳥 小柳様撮影 写真⑦虹彩が黄色く、頭部の黒が目立つ幼鳥 榮木様撮影 モズの高鳴きを聞きながらの昼食 モズのメス3羽が飛び交う中、高い樹上から、 「キーキーキチキチキチ」と1羽 が叫びます。只今縄張宣言の最中ですが、高鳴きで決着がつかないときは空中戦で 追い払います。オス・メス関係なく、厳しい冬場の餌を確保するのは死活問題です から必死です。この場所は毎年モズには人気があります。餌が豊富だからでしょう。 モズのはやにえには、昆虫の他にカエルやザリガニもあります。この写真のモズの 縄張りになるのでしょうか? 写真⑧高鳴きをするモズのメス 冨永様撮影 印象的な虫の鳴き声 「コロコロコロリー」とエンマコオロギがよく鳴いていました。 「リリリリッ リリリリッ」とハラオカメコオロギも鳴いていまし た。 出会った昆虫 キチョウのメス・オス、ウチワヤンマ、ジョロウグモ、ナミアゲハ、ツマグロヒョウモンのオス・メス、コバネイナゴ 出会えた野鳥 イソシギ、メジロ、エナガ、シジュウカラ幼鳥、ヒヨドリ、コサギ、カルガモ、コシアカツバメ、カワウ、カイツブリ、ダイサギ、 アオサギ、キジバト、ハシブトガラス 印象的な植物 クズとコスモスの花・クリのおいしそうな実 後記 皆様のご支援でまとめを完成できました。左賀様がおっしゃったように、皆様のお力で記録の足跡を残していきましょう。