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4.外来生物:アメリカザリガニ等の影響に関する啓発

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4.外来生物:アメリカザリガニ等の影響に関する啓発
4.外来生物:アメリカザリガニ等の影響に関する啓発
オオキンケイギク
珠洲市のオオキンケイギクは多くがこのような人為的に造成、管理さ
れた区域に分布しており、在来植物群落への直接的な悪影響は少なそ
珠洲市はウシガエル、ブルーギルなどが分布せず、石川県でも貴重な
う、でも一部は海岸のハマヒルガオ群落やハマドクサ群落などにも確
外来生物の少ない地域であるとされています。しかし残念ながら珠洲市
認されました(伊藤、2013)。いわゆる里地で多い傾向、今後侵入が予
にも、外来生物が生息しています。珠洲で確認されている外来生物の中
想されている地域は、宝立町および三崎町本の低地などです。 で、特に問題視されているのが、特定外来生物に指定されているオオク
対策1:情報の共有。オオキンケイギクの情報を共有地元の女性に愛されて、庭先などに大切に植えら
チバス(通称:ブラックバス、寺家ダム、小屋ダムに分布)、植物では
れているところもあります。しかし特定外来生物であることは一般の人たちには伝わっていません。な
オオキンケイギクです。オオキンケイギクは NPO おらっちゃ等の調査
るべく分布を広げないように知っていただく必要があります。地域の方に理解が広まった時点で、一斉
で市内一円に広がっていることがわかりました。また、要注意外来生物では、アメリカザリガニ(若山町、
駆除という方法が実施可能になると期待しています。
野々江町の水路やカメンタン池など)とミシシッピアカミミガメが見られます。
対策2:積極的な駆除。市内の集落では定期的に住民による草刈り等が行われています。本種の分布地
アメリカザリガニアメリカザリガニは繁殖力旺盛で、ゲンゴロウなどの希少生物の宝庫で
域では、草刈りの際にこの花を残さず刈ってもらうよう伝え、繁殖を抑制する効果を期待します。
ある珠洲のため池に侵入してくると、生息地が破壊されることが懸念されています。
黄色い点がオオキンケイギクの分布
分布:カメンタン池、ボンコウジ池。河川は若山川および金川、農用水路は若山町および野々江町に分
布。聞き取りでは 25 年以上前から珠洲市に分布。石川県が 2009 年から 3 年間、珠洲市のアメリカザ
リガニの駆除作業を行いましたが、根絶に至ることはありませんでした。
課題1:アメリカザリガニは大きなため池に侵入し、駆除の効果を上げることが難しい。
課題2:河川や農用水路といった開放系の水域に分布しているものは、駆除しても再移入が起こる。
良い面:おそらく 25 年間、若山町と野々江町以外への分布拡大はない。ほ場整備などにより、河川や
用水路から水田内への進入がほとんどできない。
方針1:定期的なモニタリング調査の実施。市内でアメリカザリガニが分布している地域および現在分
布が確認されていない地域のため池や水路について定期的に広域調査実施。
分布調査の方針:市民参加型の市内の生物調査を実施する。
方針2:外来生物への知識の普及・啓発。
1.捕獲しても、家に持ち帰り飼育をしない。2.今いるところからほかの地域へ移動させない。
活動主体:NPO法人能登半島おらっちゃの里山里海、各農業法人、農家、教育委員会、農業法人、若
山町・野々江町住民、大学・研究機関など。
※ 現在、アメリカザリガニは要注意外来生物に指定されていますが、特定外来生物への指定も検討さ
れています。指定の変更が行われた場合は、それに従い本計画に反映させていきます。
重点地域:
外来種については、以下の 3 種類についてそれぞれ重点地域を指定しました。
オオクチバス:寺家ダム、小屋ダム
アメリカザリガニ:若山・野々江地区(若山川、カメンタン池、用水路など)
オオキンケイギク:珠洲一円(農道や民家)
オオクチバス
珠洲市でもオオクチバスがため池などに導入されたことがあります。ゲンゴロウ類など希少生物への
影響が懸念されたため、石川県は 2006 年に駆除事業を行いました。野々江町のカメンタン池はこの事
業で水抜きがされすべてのオオクチバスが駆除されました。これまでの調査で、現在市内でオオクチバ
スが確認されているのは、寺家ダムおよび小屋ダムの 2 つです(石川県、2011)。
課題:ため池の水抜きを行うことで駆除が可能。しかし、誰かが再び放流すれば元の木阿弥。
対策:オオクチバスの危険性を広める。定期的な監視(市内のオオク
チバスの情報収集)。
オオクチバス釣りは日本でもスポーツフィッシングとして流行し、現
在でも多くの愛好家がいます。しかし日本固有の水辺の生態系を乱し、
希少生物の成育を脅かす存在であることを、珠洲市民の皆さんに知っ
ていただきたいと思います。
関係機関:NPO、教育委員会、釣り具店(チラシ掲示など)
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