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VCLによるキャンパスクラウドの導入
VCLによるキャンパスクラウドの導入 -大学IT担当者のためのクラウドフィーバー対策会議- 明治大学理工学部 齋藤孝道 大学の紹介 • キャンパス 駿河台,和泉,生田及び中野(2013年オープン予定) • 構成員 教職員数3,598人,学生数31,215人(2008年度) • 教学組織 9学部9研究科,法科大学院,専門職大学院 • 情報関連組織 – 教学組織:情報基盤本部,教育の情報化推進本部 – 法人組織:情報メディア部 (システム企画,メディア支援,和泉メディア支援,生田メディア支援) ユビキタス教育推進事務室 • PC環境 – 一般学生向けPC教室(700+400+900台)(参考:理工学部:2000台~) – リプレースを3年に一度実施≒毎年リプレース – 主な導入ソフト :MS製品群,アドビ製品群,・・・ VCL導入までの経緯と狙い 2008年 North Carolina State University(NCSU)視察 リサーチ・トライアングル・パークの一角 2009年 VCL導入への調査 2010年~ VCLの試験的導入 狙い:コストの削減(初期・運用コストの低減) ? というよりは・・・ 教員が自由にPC活用する枠組み=新しい教育ツールの一つ を導入したかった クラウドにおけるVCLポジショニング 一般的なパブリッククラウドのサービス形態による分類 IaaS Infrastructure as a Service DaaS Desktop as a Service 業務プロセス アプリ ユーザ側管理 ミドル OS 教員管理 H/W 業務プロセス アプリ ミドル 提供者側管理 Amazone EC2/S3, ・・・ VCL OS H/W PaaS Platform as a Service SaaS Software as a Service 業務プロセス アプリ 業務プロセス ミドル OS H/W アプリ ミドル OS H/W Google App Engine, Force.com, MS-Azure,・・・ Google Apps, Salesforce.com, MS-Azure(BPOS), ・・ VCLの概要 Virtual Computing Lab(VCL) 「PC環境・アプリ」を配信するインフラシステム(NCSU開発) 2004年にプロジェクトがスタートし,2008年にOSS化 ②ユーザ認証・サービス選択 Manager Node ネットワーク Web Interface ①サービスの要求 ③イメージのロード ⑤デスクトップイメージの転送 ④イメージの起動 イメージリポジトリ イメージ実行サーバ クライアント端末 明治大学版VCLのシステム構成 一つ程度のアプリに一つのVMイメージを割り当て ネットワーク Virtual Machine Virtual Machine 利用予約(HTTP) 仮想マシン利用 (RDP, SSH) Virtual Machine 利用者端末 PC ・ ・ ・ VCL VCL VCL Web Database Management Node PHP 5.2 MySQL 5.x Perl 5.8 VMWare Server 1.x CentOS 5 CentOS 5 RHEL 5 Web + DB サーバ マネジメントサーバ Apache 2 VMWare ホストサーバ VCLの特徴 システム的な側面 • PC環境・アプリ配信のインフラシステム • VCL:Apacheライセンス.他利用ソフトは,ほぼフリーかOSS • 素朴な作り:パーツの変更,拡張が可能 運用的な側面(教育機関向けのシステムとして設計されている) • ブロック予約,利用者グループの選択が可能 • 「教員」業務のためのアクセス制御レベルがある – 「教員(TA) 」により,アプリを追加・変更が可能 – 「教員(TA)」により,利用させる学生の登録が可能 • 利用するアプリ・OSを選ばず,組み合わせ自由 • 同一アプリで,複数のバージョンも利用可能(Office2003,2010等混在) • RDPが利用可能であれば,端末非依存かつ設定不要 教育現場でのVCL導入のメリットの例 従来:教室PCへのインストール VCL:物理的制約を解放することを実現 VCLサーバ A教室から 授業で確保 他の学生が利用 ネットワーク キャンパス A教室 他教室 自宅 自宅の低スペックのPCでもOK! 期待される効果(まとめ) • エンドユーザ(学生・教員)の利便性向上 →場所や端末の制約から解放される • 教育・研究支援体制の強化 「教育」業務と「システム管理」業務の切り離し 教員が自宅などで,PC教室と同じ環境で準備ができる • 管理コスト削減(への期待) 端末とアプリの切り離し,端末を選ばない • 経済コスト削減(への期待) 端末仕様及びリプレース頻度・形態の見直しが可能 • 資産管理の切り分け アプリ,OS,VCL自体も自前で持つ意味はない • ホモジニアスなマシン群の利用 コンピューティングリソースとしての利用? 本学での取り組み • 2010年10月:運用開始 iPadを用いてネットワークの講義で利用(理工学部の授業で) 同時起動数:70 (VM一台:CPU1コア,2GB) • キャンパスストレージ(210TB)との連携 学内の様々なシステムとの連携 • マルチリンガル対応 英語,日本語,中国語,韓国語,・・・ • 管理機能強化(途中) 認証(AD連携),パッチ管理機能強化など • 予約を携帯から iPadを端末としてVCLを用いた講義風景 対象:理工学部情報科学科3年生 参加者:16名(朝一,選択科目) 設備:WiFi用のAPが教室に1機 端末:iPadを講義中貸与 教材:自習可能なNWシミュレータソフト 講義:NWシミュレータを解説しながら実習 ルータの設定,LAN構築 UI:RDPソフト・iPadのセンサはイマイチ!? 状況:学生は意外なほど即座に順応 比較 v.s. SaaS 事前に提供されているサービスのみの利用 v.s. PaaS,IaaS エンドユーザ側にも専門知識が必要,・・・ v.s. 既存類似技術 カスタマイズが困難,要H/Wスペック,システムの相性問題などがある v.s. 従来の運用 – ライセンスを有効活用できない(場所に縛られる) – PCのHDDイメージを作る必要がある(相性問題もある) – 古いOS・アプリやマイナーアプリの配備・利用不可 ⇔アプリ利用のロングテール 導入・展開における課題 • ライセンス問題 対MS(VDI方式),対アプリベンダ • システム管理 イメージのパッチあて • 日本向けサービス としてのクオリティ 起動時間,終了時間,ユーザインターフェース • コンテンツ 講義と自習の両方に使える教材を見つけること まとめ 発展の余地はあるが, 現時点で,VCLは導入の価値がありそう ITによる教育プロセスの革新の兆し!? 教育プロセス革新の要請 プロセスとして導入 E-Learning→講義→ゼミorプロジェクト学習 先進的な海外の大学 SNS,E-Learning,Portfolio,… システム最適化,認証統合,・・・ 自然な流れ 業務システムの クラウド化 IT革新の流れ Fin.